JP2001027136A - 2サイクルエンジンの排気制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気制御装置

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JP2001027136A
JP2001027136A JP11201406A JP20140699A JP2001027136A JP 2001027136 A JP2001027136 A JP 2001027136A JP 11201406 A JP11201406 A JP 11201406A JP 20140699 A JP20140699 A JP 20140699A JP 2001027136 A JP2001027136 A JP 2001027136A
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exhaust
exhaust control
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English (en)
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Megumi Iwakiri
惠 岩切
Eizaburo Uchinishi
英三郎 内西
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主、副排気通路とを備えた2サイクルエンジ
ンの排気制御装置において、排気バルブが開くとき出力
を滑らかに上昇変化させる。 【解決手段】 2サイクルエンジンの第1の所定回転速
度で主排気ポート2が全開になるように主排気制御部材
10を駆動し、第1の所定回転速度よりも高回転である
第2の所定回転速度で副排気ポート17が全開になるよ
うに副排気制御部材18を駆動する駆動装置20を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主排気通路と副排
気通路とを備えた2サイクルエンジンの排気制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、2サイクルエンジンでは、主
排気通路の他に一対の副排気通路を主排気通路の両側に
設け、この副排気通路を回転式の副排気バルブにより開
閉する排気制御装置がある(実公平8−5308号公報
参照)。この種の排気制御装置は、副排気通路を低速時
に閉止し高速時に開放して、排気通路の断面積をエンジ
ンの回転速度に見合った大きな面積にすることにより、
高速時の出力を向上させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記排気制御装置は、
連動機構により、一対の回転式の副排気バルブと、主排
気通路の開閉タイミングを調整するスライド式の主排気
バルブとを、エンジンの回転数に応じて連動して作動さ
せているが、主排気バルブが全開となったとき副排気バ
ルブも全開となるようにされているため、両バルブが全
開となるときに出力が急上昇し、例えば自動二輪車(特
にオフロード車)のレースにおいて出力が路面に伝わり
にくく、スタート時のタイミングを最適状態に合わせに
くい場合がある。すなわち、両バルブの全開近傍での走
行状態の制御が行いにくい場合がある。
【0004】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
ので、排気バルブが開くとき出力を滑らかに上昇変化さ
せることのできる2サイクルエンジンの排気制御装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明の請求項1に係る2サイクルエンジンの
排気制御装置は、シリンダ内に主排気ポートを介して連
通する主排気通路と、前記シリンダ内に副排気ポートを
介して連通し前記シリンダ内と前記主排気通路を連通す
る副排気通路と、前記主排気通路からの排気の状態を変
化させる主排気制御部材と、前記副排気通路からの排気
の状態を変化させる副排気制御部材とを備えたものであ
って、前記2サイクルエンジンの第1の所定回転速度で
前記主排気ポートが全開になるように前記主排気制御部
材を駆動し、前記第1の所定回転速度よりも高回転であ
る第2の所定回転速度で前記副排気ポートが全開になる
ように前記副排気制御部材を駆動する駆動装置を備えて
いる。なお、排気の状態を変化させるとは、例えば排気
ポートの開閉(開口)タイミング、排気ポートの開口面
積等を変化させることをいう。
【0006】前記排気制御装置によれば、エンジン回転
速度が、主排気制御部材の駆動により主排気ポートが全
開となる第1の所定回転速度では、副排気ポートが全開
とならず、第1の所定回転速度よりも高回転である第2
の所定回転速度に達してから、副排気制御部材の駆動に
より副排気ポートが全開になる。すなわち、主排気ポー
トが全開になった後に副排気ポートが全開になるので、
排気通路が開くとき出力を滑らかに上昇変化させること
ができる。
【0007】また、本発明の請求項2に係る2サイクル
エンジンの排気制御装置は、請求項1の構成において、
前記駆動装置が、前記主排気制御部材を全開位置で位置
規制するストッパ部と、前記副排気制御部材に連動して
前記主排気制御部材を駆動する回転駆動軸と、その回転
駆動軸に固定されて前記主排気制御部材を閉止方向に移
動させる回動アームと、その回動アームおよび前記主排
気制御部材に係合されて前記主排気制御部材を開放方向
に移動させるとともに前記主排気制御部材の全開位置よ
りも開放方向に前記回転駆動軸が回転するときにその回
転を許容するばね体とを有し、前記回転駆動軸における
前記主排気制御部材の全開角度位置が前記副排気制御部
材の全開角度位置よりも小さく設定されている。
【0008】前記排気制御装置によれば、回転駆動軸が
エンジンの第1の所定回転速度に対応した回転量に達す
るのに伴い、回動アームおよびばね体を介して主排気制
御部材が全開状態に駆動され、さらに回転駆動軸がばね
体のばね力に抗してエンジンの第2の所定回転速度に対
応した回転量にまで達するのに伴い、副排気制御部材が
全開状態に駆動されるので、エンジンの回転が高速回転
へと変化するとき、主排気ポートが全開した後で副排気
ポートが全開するという動作を円滑に行わせることがで
きる。
【0009】また、本発明の請求項3に係る2サイクル
エンジンの排気制御装置は、請求項1または2の構成に
おいて、前記駆動装置が、1つの駆動源と、その駆動源
からの駆動力を前記主排気制御部材および副排気制御部
材に伝達する伝達部材とを有する。
【0010】前記排気制御装置によれば、エンジンの回
転数に応じて駆動するガバナ等の単一の駆動源から、駆
動力が伝達部材を介して主排気制御部材および副排気制
御部材に伝達されるので、構成が簡単になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
2サイクルエンジンの排気制御装置を図1ないし図14
にしたがって説明する。まず、主排気系について説明す
る。低速回転時におけるシリンダ1を中央で切断した縦
断面図を示す図1において、シリンダ1内には、主排気
ポート2を介して主排気通路3が連通しており、主排気
ポート2は高速回転時に高出力が得られる排気タイミン
グの位置に開口している。シリンダ1の上部前方には凹
所4が形成され、この凹所4の上部開口をバルブカバー
7で覆うことにより、収納室8が形成されている。前記
主排気通路3の上部には、収納室8の凹所4から主排気
通路3に向け斜め下方に貫通するスライド孔9が設けら
れており、このスライド孔9は、長さ方向(スライド方
向)に直交する断面形状が横長の長円形になっている。
【0012】前記スライド孔9の上半部には、主排気通
路3内に進退することにより、ピストン(図示せず)に
よる主排気通路3の開閉タイミングを調整して主排気通
路3からの排気Gの状態(排出タイミング)を変化させ
る主排気制御部材である板状の主排気バルブ10が、ス
ライド自在に挿入されている。主排気バルブ10は、図
3(A)に示すように、舌片状の本体10aと軸連結部
10bとが一体形成されてなり、本体10aの先端の制
御部は、その先端面10cが図1に示すシリンダ1の内
壁面に沿う円弧状曲面に形成され、さらに、本体10a
の下面の先端寄りの箇所に、係合突部10dが形成され
ている。
【0013】前記スライド孔9の下半部にはバルブホル
ダ11が配置され、バルブホルダ11の上方のつば部1
1aの一部分が、ボルト55で押さえつけられてシリン
ダ1に固定されている。このバルブホルダ11における
先端寄りの中央部に設けられた溝状の取付用スリット1
1b内には、キャップバルブ12が配置されて、その中
間部が支軸13により回転可能にバルブホルダ11に支
持されている。キャップバルブ12の後端部には、主排
気バルブ10の係合突部10dに係合する突起12aが
形成されている。この突起12aは、主排気バルブ10
を全開位置で位置規制するストッパ部となるものであ
る。また、キャップバルブ12の先端側の下面は、図1
1に示すように、主排気バルブ10がスライド孔9内に
退避した際に、主排気通路3における主排気ポート2の
近くの上壁に沿って位置して、スライド孔9を塞ぎ、主
排気通路3の滑らかな内壁面の一部を形成する形状にな
っている。
【0014】つぎに、副排気系について説明する。図4
に示すように、前記シリンダ1内と主排気通路3との間
は、補助的な排気通路としての副排気通路14によって
連結されている。前記副排気通路14がシリンダ1内に
連通する開口である副排気ポート17は、図1から明ら
かなように、その上端縁が、主排気ポート2の上端縁よ
りもシリンダ1の頂壁側に位置している。図4に示すよ
うに、副排気通路14は、主排気通路3の両側に配置し
て一対設けられており、これら副排気通路14の途中に
は、この副排気通路14を開閉して副排気通路14から
の排気の状態を変化させる副排気制御部材である回転式
の副排気バルブ18A,18Bが設けられている。副排
気バルブ18A,18Bは、図3(B),(C)に示す
ように、円柱体を径方向に切り欠いて形成されたバルブ
通路部18aと、その残部である弁体部18bとを有し
ている。また、各副排気バルブ18A,18Bの下側軸
部には、それぞれピニオン25が設けられ、一方の副排
気バルブ18Aの上側軸部には別のピニオン26が設け
られている。
【0015】低速回転時における副排気バルブ18Aの
状態を示す水平断面図である図5において、副排気バル
ブ18A(18B)は、シリンダ壁に開口して設けられ
た挿入孔19内に挿入して回転自在に保持されている。
また、図4に示すように、この実施形態では排気レゾネ
ータ24が設けられており、副排気バルブ18Aは、排
気レゾネータ24の開閉をも兼ねるようになっている。
これの詳細については後述する。なお、図4には排気レ
ゾネータ24を片側のみに設けた場合を例示したが、両
側に設けることもできる。
【0016】つぎに、前記主排気バルブ10(図1)お
よび副排気バルブ18A,18Bを駆動する図9の駆動
装置20について説明する。駆動装置20は、後述する
図示しないガバナ等の駆動源、その駆動源に図示しない
伝達機構を介して連携される連結部32を設けた駆動ロ
ッド28、前記副排気バルブ18A,18Bに設けたピ
ニオン25,26、後述するアイドルギヤ30、スライ
ドロッド33、回転駆動軸41、図1の回動アーム4
2、ばね体43、係合ピン44等で構成される。駆動装
置20のうち、駆動源以外の部分が、伝達部材を構成す
る。伝達部材は、駆動源からの駆動力を主排気バルブ1
0および副排気バルブ18A,18B(図9)に伝達す
る。
【0017】図7に水平断面図で示すように、前記両副
排気バルブ18A,18Bのうち、一方の副排気バルブ
18Aの下側ピニオン25は、シリンダ1の排気側の壁
27に水平に挿入支持された駆動ロッド28のラック歯
29aに噛み合い、他方の副排気バルブ18Bの下側ピ
ニオン25はアイドルギヤ30を介して前記駆動ロッド
28のラック歯29bに噛み合っている。駆動ロッド2
8はロッド長さ方向に移動可能とされていて、軸受31
で支持された基端部は壁外に延出し、その延出端に連結
部32が設けられている。連結部32は図示しないガバ
ナ等のようにエンジンの回転数に応じて駆動する1つの
駆動源に連携され、それによりエンジン回転数の増減に
応じてロッド長さ方向にスライドし、高速回転時には鎖
線の状態に、また低速回転時に実線の状態になる。図8
は、図7におけるVIII−VIII矢視断面図を示す。
【0018】また、図5に示すように、前記一方の副排
気バルブ18Aの上側ピニオン26は、シリンダ1の排
気側の壁27に、前記駆動ロッド28(図7)と直交す
る水平方向に摺動自在に挿入支持されたスライドロッド
33の一端部側面に形成された第1ラック歯34に噛み
合っている。このスライドロッド33の他端部下面には
第2ラック歯35が形成されている。
【0019】図2はシリンダ1におけるシリンダヘッド
および前記バルブカバー7(図1)を除外した状態の平
面図を示す。同図において、前記収納室8(図1)の凹
所4には、その両側壁39,40に回転自在に回転駆動
軸41が支持されている。この回転駆動軸41には回動
アーム42が六角孔付ボルト60で固定されるととも
に、ばね体43が巻回させてある。ばね体43の中間部
は前記回動アーム42の基部に係合させてあり、ばね体
43の両端は回動アーム42の下側位置において回転駆
動軸41の径方向外方に突出させ、後述する係合ピン4
4に係合させてある。
【0020】図1に示すように、前記主排気バルブ10
の後端の軸連結部10bには前記回転駆動軸41と平行
に配置した係合ピン44が固定されており、この係合ピ
ン44が、前記回動アーム42とばね体43との間に係
合させてある。すなわち、係合ピン44を挟んで、回動
アーム42は主排気バルブ10を閉止方向に移動させる
側に、ばね体43の両端は主排気バルブ10を開放方向
に移動させる側にそれぞれ配置されている。
【0021】これにより、主排気バルブ10の係合突部
10dがキャップバルブ12の突起12aに係合して、
回転駆動軸41の回転角度が、スライド孔9内への主排
気バルブ10の退避が停止される回転角度(主排気バル
ブ10の全開角度)を越えても、ばね体43のばね力に
抗して回転すれば、回転駆動軸41はさらなる回転が可
能となる。すなわち、ばね体43は、主排気バルブ10
の全開角度位置よりも大きい角度位置まで、回転駆動軸
41の回転を許容するオーバストローク機能を担う部材
としても働く。
【0022】図5に示すように、前記回転駆動軸41の
一端部には、前記スライドロッド33の第2ラック歯3
5に噛み合うピニオン45が設けられている。これによ
り、スライドロッド33の移動が、ピニオン45を介し
て回転駆動軸41に回転量として伝達される。図6は、
前記スライドロッド33と前記ピニオン45の噛み合い
状態を、回転駆動軸41の軸方向から見たものである。
【0023】図9は、駆動装置20において、ガバナ等
の駆動源からの駆動力を主排気バルブ10(図1)およ
び副排気バルブ18A,18Bに伝達する各伝達部材の
構成を斜視図で示したものである。すなわち、ガバナ等
の駆動源からの駆動力で、駆動ロッド28がスライドす
ると、その移動がラック歯29a、ピニオン25を介し
て一方の副排気バルブ18Aに回転として伝達され、ま
たラック歯29b、アイドルギヤ30、ピニオン25を
介して他方の副排気バルブ18Bに回転として伝達され
るとともに、副排気バルブ18Aの回転がピニオン2
6、スライドロッド33のラック歯34,35、ピニオ
ン45を介して回転駆動軸41に伝達され、回転駆動軸
41の回転が、図1の回動アーム42、ばね体43およ
び係合ピン44を介して主排気バルブ10をスライドさ
せるように伝達される。
【0024】つぎに、前記構成の動作について説明す
る。まず、エンジンの回転速度が小さい低速時には、図
9に示すように、駆動ロッド28が同図の矢印A方向へ
スライドして、そのスライドがラック歯29aおよびピ
ニオン25を介して副排気バルブ18Aに、またラック
歯29b、アイドルギヤ30、ピニオン25を介して副
排気バルブ18Bにそれぞれ伝達され、図4に示すよう
に、副排気バルブ18A,18Bは副排気通路14を閉
止する状態に保持されている。
【0025】一方、図9に示すように、副排気バルブ1
8Aの回転は、ピニオン26、スライドロッド33のラ
ック歯34,35、ピニオン45を介して回転駆動軸4
1に伝達され、図1の回転駆動軸41、回動アーム42
およびばね体43が矢印A方向へ回転されることによ
り、主排気バルブ10が主排気通路3に向け前進して、
主排気バルブ10の円弧状の先端面10cがシリンダ1
の内壁面に沿った位置で停止して、主排気ポート2の上
部が閉じられる。このとき主排気バルブ10の係合突部
10dがキャップバルブ12に摺動してこれを回転させ
ながら前進移動することにより、キャップバルブ12は
係合突部10dに密接してスライド孔9の下部を塞ぐ。
したがって、低速回転時には、主排気ポート2の上部が
閉塞される分だけ、主排気ポート3の開放タイミングが
遅れ、かつ副排気通路14の閉止によって総排気通路面
積が縮小することになり、低速回転時の出力を高くする
ことがきる。
【0026】また、低速回転時には、図4に示すよう
に、副排気バルブ18Aのバルブ通路部18aおよび連
通路15を介して、主排気通路3が排気レゾネータ24
に連通される。つまり、主排気通路3と排気レゾネータ
24とが連通して共鳴し、排気音を低減させるととも
に、低速回転時の出力の低下を抑制する。このように、
この実施形態の副排気バルブ18Aは、排気レゾネータ
24の開閉機能も兼備する。
【0027】その後、エンジンの回転速度が主排気バル
ブ10(図1)および副排気バルブ18A,18Bを開
き始めるべき所定の速度(図14に示す出力特性図にお
いて、符合Sで示す位置に対応)を超えると、ガバナ等
の図示しない駆動源からの駆動力が、図9の連結部32
を介して駆動ロッド28に伝達され、駆動ロッド28は
矢印B方向へスライドする。そのスライドはラック歯2
9aおよびピニオン25を介して副排気バルブ18A
に、またラック歯29b、アイドルギヤ30、ピニオン
25を介して副排気バルブ18Bに回転としてそれぞれ
伝達され、図10に示すように、副排気バルブ18A,
18Bは副排気通路14を中途開放した状態になる。
【0028】一方、図9において、副排気バルブ18A
の回転は、ピニオン26、スライドロッド33のラック
歯34,35、ピニオン45を介して回転駆動軸41に
伝達され、図1の回転駆動軸41、回動アーム42およ
びばね体43が矢印B方向へ回転されることにより、主
排気バルブ10が後端側へスライドして、主排気バルブ
10を全開にすべき第1の所定回転速度(図14のPに
対応)になると、図11に示すように、主排気ポート2
からスライド孔9内に退避する。このとき、主排気バル
ブ10の係合突部10dは、キャップバルブ12の突起
12aに係合して、キャップバルブ12を支軸13を支
点に図1の時計方向に回転させるので、キャップバルブ
12の先端側の下面は、主排気通路3の内壁面に沿った
位置となってスライド孔9を塞ぐ。これにより、主排気
ポート2が完全に開かれて、主排気通路3が全開状態と
なる。すなわち、この第1の所定回転速度では、主排気
通路3が全開で、副排気通路14が中途開放状態(図1
0)となる。
【0029】その後、エンジンの回転速度がさらに高い
第2の所定回転速度(図14のQに対応)になると、図
9において、駆動ロッド28はさらに矢印B側にスライ
ドするので、その移動量だけ副排気バルブ18A,18
Bがさらに回動して、図12に示すように、副排気バル
ブ18A,18Bは副排気通路14を全開した状態にな
る。
【0030】このときの副排気バルブ18Aの回転は、
図9に示すように、ピニオン26、スライドロッド33
のラック歯34,35、ピニオン45を介して回転駆動
軸41に伝達され、回転駆動軸41の回動アーム42が
図11の状態からさらに矢印B方向へ回転しようとす
る。ところが、主排気バルブ10の係合突起10dとキ
ャップバルブ12の突起12aとの係合により、スライ
ド孔9への主排気バルブ10のさらなる退避は阻止され
ていて、係合ピン44に係合するばね体43の両端は回
転駆動軸41と共回りできない。そこで、このとき回転
駆動軸41は、図13に示すように、ばね体43のばね
力に抗して矢印B方向に回転することになる。これによ
り、主排気バルブ10が所定の全開位置に停止したま
ま、副排気バルブ18A,18Bは中途開放状態(図1
0)から、さらに図12に示す全開状態まで開くことが
できる。
【0031】このように、この実施形態の排気制御装置
では、図11のように主排気バルブ10が全開となる第
1の所定回転速度において、図10のように副排気バル
ブ18A,18Bを中途開放状態とし、その回転速度か
らさらに高い第2の所定回転速度に上昇する過程で、副
排気バルブ18A,18Bを図12のような全開状態ま
で開放側に制御できるようにしたので、高速回転域で出
力が急激に上昇するといった事態を回避して、円滑に出
力を上昇させることができる。
【0032】より詳細に図14を用いて説明する。図1
4において、破線で示す(1)の特性線は排気通路を全
閉状態としたときの、符合Sの位置よりも高速回転側で
の出力特性線を示し、(2)は排気通路を全開状態とし
たときの、符合Qの位置よりも低速回転側での出力特性
線を示す。従来は、高速回転域において、符合Rの位置
で主排気バルブとともに副排気バルブも全開となってい
たので、符合Sの両バルブの開き始めの位置から符合R
の位置を経て符合Qの位置に至るように出力が変化して
いたが、この実施形態では同じ符合Sの位置から符合Q
の位置までの高速回転域で、副排気バルブ18A,18
の開度を符合Sの開き始めの状態から符合Pの中途開放
状態を経て符合Qで全開状態になるように制御するの
で、符合Sの位置から符号Pの位置を経て符合Qの位置
まで実線で示すように、出力を従来例の符合Sの位置か
ら符号Rの位置を経て符合Qの位置に到る場合よりも円
滑で、かつ高い値にすることができる。なお、エンジン
の回転数が下がるときには、逆に、符合Q、P、Sの位
置をたどる。
【0033】また、この実施形態では、ラックとピニオ
ン等からなる伝達部材により、エンジンの回転速度に応
じたガバナ等の駆動源からの駆動力を、主排気バルブ1
0(図1)のスライド、および図9の副排気バルブ18
A,18Bの回転として伝達するようにしているので、
ラックとピニオンのギヤ比を変更することにより、副排
気バルブ18A,18Bの開き速度や開度を、主排気バ
ルブ10(図1)と1対1とならないように、幾分ずら
すなどの調整を自由に行うことができる。さらに、ガバ
ナ等の単一の駆動源から、駆動力が伝達部材を介して主
排気バルブ10(図1)および副排気バルブ18A,1
8Bに伝達されるので、構成が簡単になる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の2サイクルエン
ジンの排気制御装置によれば、エンジン回転速度が、主
排気制御部材の駆動により主排気ポートが全開となる第
1の所定回転速度では、副排気ポートが全開とならず、
第1の所定回転速度よりも高回転である第2の所定回転
速度に達してから、副排気制御部材の駆動により副排気
ポートが全開になる。すなわち、主排気ポートが全開に
なった後に副排気ポートが全開になるので、排気通路が
開くとき出力を滑らかに上昇変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る2サイクルエンジン
の排気制御装置の低速回転時における主排気通路の状態
を示すシリンダの縦断面図である。
【図2】同排気制御装置の低速回転時におけるバルブカ
バーを外した平面図である。
【図3】(A)は同排気制御装置における主排気バルブ
の斜視図、(B),(C)は副排気バルブの斜視図であ
る。
【図4】同排気制御装置の低速回転時における副排気通
路の状態を示すシリンダの平面断面図である。
【図5】同排気制御装置における副排気バルブの上側ピ
ニオンとスライドロッドとの噛み合い状態を示すシリン
ダの平面断面図である。
【図6】同スライドロッドと回転駆動軸のピニオンとの
噛み合い状態を示す正面図である。
【図7】前記排気制御装置における副排気バルブの下側
ピニオンと駆動ロッドとの噛み合い状態を示すシリンダ
の平面断面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】前記排気制御装置の駆動装置における伝達部材
の構成を示す斜視図である。
【図10】同排気制御装置の高速回転時における副排気
通路の中途開放状態を示すシリンダの平面断面図であ
る。
【図11】同排気制御装置の副排気通路中途開放に対応
する高速回転時における主排気通路の全開状態を示すシ
リンダの縦断面図である。
【図12】同排気制御装置の高速回転時における副排気
通路の全開状態を示すシリンダの平面断面図である。
【図13】同排気制御装置の副排気通路全開に対応する
高速回転時における主排気通路の全開状態を示すシリン
ダの縦断面図である。
【図14】同排気制御装置によるエンジンの出力特性
と、従来の排気制御装置によるエンジンの出力特性とを
比較して示す出力特性図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、2…主排気ポート、3…主排気通路、1
0…主排気バルブ(主排気制御部材)、12a…突起
(ストッパ部)、14…副排気通路、17…副排気ポー
ト、18A,18B…副排気バルブ(副排気制御部
材)、20…駆動装置、25…下側ピニオン(伝達部
材、駆動装置)、26…上側ピニオン(伝達部材、駆動
装置)、28…駆動ロッド(伝達部材、駆動装置)、3
0…アイドルギヤ(伝達部材、駆動装置)、33…スラ
イドロッド(伝達部材、駆動装置)、41…回転駆動軸
(伝達部材、駆動装置)、42…回動アーム(伝達部
材、駆動装置)、43…ばね体(伝達部材、駆動装置)
フロントページの続き Fターム(参考) 3G065 AA02 AA09 CA22 DA08 EA10 GA10 3G092 AA03 AA11 AB02 AC04 DC12 DG10 EA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に主排気ポートを介して連通
    する主排気通路と、前記シリンダ内に副排気ポートを介
    して連通し前記シリンダ内と前記主排気通路を連結する
    副排気通路と、前記主排気通路からの排気の状態を変化
    させる主排気制御部材と、前記副排気通路からの排気の
    状態を変化させる副排気制御部材とを備えた2サイクル
    エンジンの排気制御装置であって、 前記2サイクルエンジンの第1の所定回転速度で前記主
    排気ポートが全開になるように前記主排気制御部材を駆
    動し、前記第1の所定回転速度よりも高回転である第2
    の所定回転速度で前記副排気ポートが全開になるように
    前記副排気制御部材を駆動する駆動装置を備えた2サイ
    クルエンジンの排気制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記駆動装置が、前記主排気制御部材を全開位置で位置
    規制するストッパ部と、前記副排気制御部材に連動して
    前記主排気制御部材を駆動する回転駆動軸と、その回転
    駆動軸に固定されて前記主排気制御部材を閉止方向に移
    動させる回動アームと、その回動アームおよび前記主排
    気制御部材に係合されて前記主排気制御部材を開放方向
    に移動させるとともに前記主排気制御部材の全開位置よ
    りも開放方向に前記回転駆動軸が回転するときにその回
    転を許容するばね体とを有し、 前記回転駆動軸における前記主排気制御部材の全開角度
    位置が前記副排気制御部材の全開角度位置よりも小さく
    設定されている2サイクルエンジンの排気制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記駆動装置が、1つの駆動源と、その駆動源からの駆
    動力を前記主排気制御部材および副排気制御部材に伝達
    する伝達部材とを有する2サイクルエンジンの排気制御
    装置。
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