JP2564147Y2 - 可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置 - Google Patents

可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置

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JP2564147Y2
JP2564147Y2 JP1992001539U JP153992U JP2564147Y2 JP 2564147 Y2 JP2564147 Y2 JP 2564147Y2 JP 1992001539 U JP1992001539 U JP 1992001539U JP 153992 U JP153992 U JP 153992U JP 2564147 Y2 JP2564147 Y2 JP 2564147Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、吸気バルブや排気バル
ブのエンジンバルブ(エンジンバルブ)に関し、特に、
バルブの開放タイミングや閉鎖タイミングを変化できる
機構を備えた、可変バルブタイミング式エンジンバルブ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用エンジンにおいて
は、吸気バルブや排気バルブのエンジン用バルブ(エン
ジンバルブ)の開閉タイミング(バルブタイミング)を
変化させて、走行状態に対応した出力特性を得られるよ
うに、エンジンの運転状態を制御する機構(バルブタイ
ミング可変機構)が開発されいる。
【0003】かかる機構としては、主として次のような
2方式のものがある。その1つとしては、カムとカムシ
ャフトを駆動するカムスプロケットの取り付け角を変化
させるものがある。この方式によれば、例えば図17の
グラフにおいて、実線で示すようなバルブタイミング特
性から、破線で示すようなバルブタイミング特性への特
性変更が行なわれる。つまり、開弁角の大きさ自体は変
わらないが、例えば破線で示すように開弁動作を遅らせ
るなど、開弁動作のタイミングのみがずらされている。
【0004】もう1つには、異なるプロフィールをそな
えた2種類のカムを装備し、エンジンバルブを駆動する
カムを2種類のいずれかに切り換えることにより、異な
るタイミング弁特性を実現するものがある。この方式に
よれば、図18において、実線で示すバルブタイミング
特性と破線で示すバルブタイミング特性とを切り換える
ことができ、この2種類のバルブタイミング特性を、例
えば低速域および高速域それぞれの理想的なバルブタイ
ミング特性に設定して、エンジンの回転状態に応じてバ
ルブタイミング特性を切り換えるなどして、所望の理想
的なバルブタイミング特性を得ることができる。
【0005】なお、図17,18において、EXは排気
弁の動作を示し、INは吸気弁の動作を示す。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
従来用いられているバルブタイミング可変機構による場
合には次のような問題点が考えられる。上記の第1の方
式による場合には、簡単にかつ連続的にバルブタイミン
グを変更できるものの、開弁角を変化させることはでき
ないので、高回転時のエンジンバルブの追従性は低回転
時とかわらず、理想的なバルブタイミング特性を得るこ
とはできない。
【0007】上記の第2の方式による場合には、2種類
の運転状態において、例えば高回転時と低回転時とでそ
れぞれ理想的なバルブタイミング特性を得ることができ
るが、カムの個数が2倍になるためレイアウト的に制約
が多く、さらに、2種類のカムの切り換え機構をロッカ
ーアームに装備するためロッカーアームが特殊構造とな
り重くなって、動特性が悪化する。
【0008】本考案は、このような課題に鑑み創案され
たもので、理想的なバルブタイミング特性を動特性の悪
化を伴わないで実現できるようにした、可変バルブタイ
ミング式エンジンバルブ装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本考案の可変
バルブタイミング式エンジンバルブ装置は、エンジンに
そなえられた吸気用又は排気用バルブと、該バルブを
復動させるカムと、該カムが固定されたカムシャフト
と、該カムシャフトに回動自在に支持されタイミングベ
ルトにより駆動されるサンギアと、該サンギアの周囲に
形成されたリングギアと、該リングギアと該サンギアと
の間に介装されたプラネタリギアと、該プラネタリギア
及び該カムシャフトに接続され該プラネタリギアの運動
により該カムシャフトを回転させる連結部材と、該プラ
ネタギアへの該連結部材の接続位置を変更する駆動機構
と、を有することを特徴としている。
【0010】
【作用】上述の本考案の可変バルブタイミング式エンジ
ンバルブ装置では、タイミングベルトによりサンギアが
駆動されると、このサンギアとサンギアの周囲に形成さ
れたリングギアとの間に介装されたプラネタリギアが、
サンギア周りを公転及び自転運動し、このプラネタリギ
ア及びカムシャフトに接続された連結部材により、この
プラネタリギアの公転運動がカムシャフトに伝達されカ
ムシャフトが回転して、カムを通じて吸気用又は排気用
バルブを往復動させる。このとき、このプラネタリギア
の自転運動がカムシャフトに伝達されると、カムシャフ
トは、プラネタリギアの公転による回転とプラネタリギ
アの自転による回転とを重ね合わせた回転を行なう。し
たがって、駆動機構により、連結部材のプラネタギアへ
の接続位置が変更されると、プラネタリギアの自転運動
のカムシャフトへの影響が変化し、カムシャフトの回転
態様が変更され、バルブの開放タイミングや閉鎖タイミ
ングが変化する。
【0011】
【実施例】以下、図面により、本考案の一実施例として
の可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置について
説明すると、図1はその要部構成を示す摸式的縦断面
図、図2はその要部構成を示す摸式的側面図(図1のA
方向矢視図)、図3はその要部構成を示す摸式的側面図
(図1のB方向矢視図)、図4はそのピンの作動を示す
ための摸式図、図5〜8はいずれもその揺動機構の動作
を示す摸式的側面図(図1のB方向矢視図)、図9はそ
のピン駆動機構を示す要部の摸式的縦断面図、図10は
そのピン駆動機構を示す摸式的側面図(図9のC方向矢
視図)、図11はそのピン駆動機構を示す要部の摸式的
側面図(図9のD方向矢視断面模式図)、図12,13
はそのピン駆動機構の作動を示す要部の摸式的縦断面
図、図14,15はそのバルブタイミング特性を説明す
るための摸式図、図16はそのバルブタイミング特性を
示すグラフである。
【0012】エンジンのシリンダヘッドには、吸気バル
ブ及び排気バルブのエンジン用バルブ(エンジンバル
ブ)が設けられるが、このエンジンバルブを開閉駆動す
るために、図1,2に示すように、バルブ駆動機構Sが
設けられている。このバルブ駆動機構Sは、エンジンバ
ルブ1のバルブステム1Aをタペット5を介し往復動さ
せるカム2と、カム2を固着されたカムシャフト3と、
カムシャフト3を回転駆動するカムシャフト駆動機構K
とをそなえて構成されている。
【0013】そして、カムシャフト駆動機構Kは、図示
しないクランクシャフトに連係されたコグベルト6と、
コグベルト(タイミングベルト)6を縣架されるととも
にカムシャフト3と相対回転可能に枢支されたスプロケ
ット7とをそなえている。このスプロケット7は、揺動
機構Hを介してカムシャフト3に連結されており、スプ
ロケット7に対してカムシャフト3が揺動しうるように
なっている。すなわち、スプロケット7の回転は揺動機
構Hを介してカムシャフト3に伝達されるが、このと
き、揺動機構Hによって、カムシャフト3がスプロケッ
ト7に対して揺動しうるので、カムシャフト3は、スプ
ロケット7に対応した回転にこの揺動を重ね合わせた動
きをするようになっている。
【0014】特に、このカムシャフト3の揺動は、バル
ブ1の開放タイミングと閉鎖タイミングとに同期して行
なわれるようになっており、この揺動によって、カム2
によるエンジンバルブの開閉特性が変化するようになっ
ている。この揺動機構Hの構成を説明すると、揺動機構
Hは、遊星歯車機構で構成されており、サンギヤ8はス
プロケット7と一体に形成されており、コグベルト6か
ら伝達される回転力がスプロケット7を介しそのままサ
ンギヤ8に伝達されるようになっている。
【0015】また、リングギヤ9は、シリンダヘッド1
0の内壁に形成されており、固定状態になっている。そ
して、プラネタリギヤ11は、サンギヤ8とリングギヤ
9との間に配設され、プラネタリギヤ11の回転軸11
Aを枢支するキャリヤ12は、サンギヤ8とスプロケッ
ト7との間のこれら7,8と一体の部材の外周に枢着さ
れている。
【0016】これにより、サンギヤ8が回転するとプラ
ネタリギヤ11がサンギヤ8の回転に応じて自転しなが
ら公転してキャリヤ12を回動させるようになってい
る。さらに、プラネタリギヤ11には連結部材としての
可動ピン13が設けられている。この可動ピン13は、
プラネタリギヤ11の軸方向へ延在し、プラネタリギヤ
11における回転軸11Aの立設されない側の端面から
突出しており、後述するピン駆動機構Pによってプラネ
タリギヤ11の軸心位置から適当な偏心位置まで連続的
に変位しうるようになっている。
【0017】そして、可動ピン13のプラネタリギヤ1
1から突出した部分は、カムシャフト3に固着された
結部材としてのカムシャフト駆動アーム14の長穴14
A内に係合している。これにより、プラネタリギヤ11
が公転すると、可動ピン13と長穴14Aとを介してカ
ムシャフト駆動アーム14が回動される。このとき、ピ
ン13がプラネタリギヤ11の軸心から偏倚している場
合には、プラネタリギヤ11の自転に伴ってピン13が
プラネタリギヤ11の軸心回りに公転して、長穴14A
を通じてカムシャフト駆動アーム14をプラネタリギヤ
11系に対して相対的に揺動(回転)させる。この結
果、カムシャフト3と一体回動するカムシャフト駆動ア
ーム14は、スプロケット7の回転に応じた旋回動にこ
の揺動を重ね合わせた動きを行なうようになっている。
【0018】ここで、ピン13を駆動することで連結部
材としてのピン13とプラネタリギヤ11との接続位置
を変更するピン駆動機構(駆動機構)Pについて説明す
ると、ピン駆動機構Pは、図9〜11に示すように構成
される。すなわち、ピン13のプラネタリギヤ11内に
おける基端にはスライド部材15が固着されており、ス
ライド部材15は、プラネタリギヤ11の軸線に直交す
る方向に延在して、この延在する方向にスライドしうる
ようになっている。
【0019】また、プラネタリギヤ11には、スライド
部材15の変位およびピン13の所要の方向への変位を
許容する凹部11Bが形成されており、スライド部材1
5の図9における上下方向へのスライドにより、ピン1
3がプラネタリギヤ11の直径上をプラネタリギヤ11
の軸心位置から適当に偏心した位置まで所要量変位しう
るようになっている。
【0020】このスライド部材15には、リンク16の
一端が相対揺動可能に連結されており、リンク16はそ
の中間部をプラネタリギヤ11内壁にピン16Aを介し
枢支されている。リンク16の他端には、軸17の先端
が相対揺動可能に連結されており、軸17はプラネタリ
ギヤ11の回転軸11A内における軸心部に遊挿されて
いる。
【0021】軸17の基端部は、プラネタリギヤ11の
回転軸11A端面から突出しており、この突出部に2枚
のプレート18,19が取り付けられている。なお、こ
のプレート18,19はここでは円板であるが、形状は
円板に限定されない。一方、プラネタリギヤ11におけ
る回転軸11A端面に対向するようにリング状のプレー
ト20が配設されており、リング状プレート20は、そ
の内径を、軸17の回転軌跡と干渉しないような大きさ
に設定されている。
【0022】そして、このリング状プレート20は、内
縁部分で、プレート18,19の相互間に相対摺動可能
に挟持されており、プレート20の軸方向変位により、
自転しているプレート18,19を軸17の軸方向に変
位させることが出来るように構成されている。このプレ
ート18,19の軸方向変位により、軸17,リンク1
6を介し、スライド部材15がスライド作動を行なうよ
うになっている。
【0023】さらに、リング20はその外周の一部にお
いて、シリンダヘッド10に形成された長穴10Aを貫
通する連結部20Aをそなえており、リング20は連結
部20Aを介し、シリンダヘッド10外周に設けられた
ラック部20Bに連結されている。ラック部20Bは、
カムシャフト3の軸方向に沿って延在し、ピニオン21
と噛合しており、ピニオン21はステッピングモータ2
2により回動されるようになっている。
【0024】したがって、ステッピングモータ22でピ
ニオン21を通じてラック部20Bを駆動すると、プレ
ート20及び18,19,軸17,リンク16,スライ
ド部材15を介して、ピン13がプラネタリギヤ11の
軸心位置から適当な偏心位置まで駆動されるようになっ
ている。なお、ピン13が偏倚すると、カムシャフト駆
動アーム14がプラネタリギヤ11系に対して相対的に
揺動するが、この揺動周期は、ピン13のプラネタリギ
ヤ軸心回りの公転周期、従って、プラネタリギヤ11の
自転周期(サンギヤ8を基準とする周期)に対応する。
一方、カムシャフト駆動アーム14は、プラネタリギヤ
11の公転周期に対応した周期で旋回する。
【0025】そして、これらのプラネタリギヤ11の自
転周期及び公転周期はサンギヤ8とプラネタリギヤ11
との歯数比及びサンギヤ8とリングギヤ9との歯数比に
対応たものとなり、プラネタリギヤ11の自転はその公
転に対応して起こる。一般には自転周期の方が公転周期
よりも短いので、公転周期が自転周期の整数倍になるよ
うに歯数を設定することで、自転を公転に同期させるこ
とができる。
【0026】ここでは、プラネタリギヤ11の自転をそ
の公転に同期させるように設定されており、カムシャフ
ト駆動アーム14の揺動はその旋回に同期して生じる。
例えば、4気筒のDOHCエンジンでは、サンギヤ8と
プラネタリギヤ11とリングギヤ9との歯数比は、2:
1:4に設定され、プラネタリギヤ11の自転が公転に
同期する。
【0027】そして、例えばプラネタリギヤ11の公転
に対応するバルブの基準リフト量が図16の(A)に示
すようになるのに対して、プラネタリギヤ11の自転に
対応したカムシャフト駆動アーム14の揺動(つまり、
カム2の回転方向へ揺動)は例えば図16の(B)に示
すように設定されている。なお、この図16において、
横軸は時間(又は回転位相角度)であり、(A),
(C)のグラフの縦軸はバルブリフト量、(B)のグラ
フの縦軸は回転方向を正(軸上方)にとった揺動角度で
ある。
【0028】つまり、カム2がバルブ1を開放しようと
するときにはこの開放タイミングを早めるように回転方
向へ例えば角度αだけ揺動し、カム2がバルブ1を閉鎖
しようとするときにはこの閉鎖タイミングを遅らせるよ
うに回転とは逆方向へ例えば角度βだけ揺動するように
設定されている。なお、図16の図において、(B)の
グラフの(A),(C)のグラフとの横軸の対応関係は
ややずれる場合も考えられる。
【0029】本考案の一実施例としての可変バルブタイ
ミング式エンジンバルブ装置は上述のごとく構成される
ので、バルブ駆動機構Sでは、カムシャフト駆動機構K
においてコグベルト6が駆動されると、スプロケット7
が回動され、さらに揺動機構Hを介してカムシャフト3
が回動され、カム3を通じてバルブ1が開閉駆動され
る。
【0030】このとき、揺動機構Hは次のように動作す
る。まず、スプロケット7と一体のサンギヤ8が回動さ
れ、サンギヤ8と噛合するプラネタリギヤ11が自転お
よび公転を行なう。プラネタリギヤ11の公転は、ピン
13を介しカムシャフト駆動アーム14に伝達され、カ
ムシャフト駆動アーム14が駆動されて、カムシャフト
駆動アーム14を固着されたカムシャフト3が回動され
る。
【0031】ところで、ピン13はカムシャフト駆動ア
ーム14の長穴14Aに係合しているが、このピン13
はピン駆動機構Pにより、長穴14A内において図4に
示すように偏倚している場合がある。このようにピン1
3が偏倚している場合には、揺動機構Hにより、図5〜
8に示すように、カムシャフト3がバルブ1の開放タイ
ミング及び閉鎖タイミングに対応して揺動する。なお、
図5〜8において、点P1,P2はサンギヤ8及びプラ
ネタリギヤ11の基準点であり、これらのサンギヤ8及
びプラネタリギヤ11の自転状態をわかりやすくするた
めに示している。
【0032】つまり、まず、図5に実線で示すように、
プラネタリギヤ11がバルブステム1Aの軸線上に対応
する位置にあるとき、カム2はそのバルブリフト部がタ
ペット5と係合しはじめ、バルブは開弁動作を開始す
る。なお、ピン13が偏倚していない場合は、カム2は
図5に破線で示す位置にあり、まだ開弁を開始しない状
態にある。
【0033】したがって、ピン13の偏倚により、開弁
時期が早まっていることになる。このあと、図6に示す
ように、プラネタリギヤ11は自転しながら公転を行な
い、ピン13がこの公転と自転とを合成して動きを行い
つつ、カムシャフト駆動アーム14及びカムシャフト3
を回転駆動する。これにより、カム2によるバルブリフ
トが続行され、バルブステム1を介して開弁動作が行な
われる。なお、プラネタリギヤ11の自転によりピン1
3がアーム14の軸線方向に変位するが、これはピン1
3が長穴14A内をその長手方向に揺動することにより
許容される。
【0034】ついで、プラネタリギヤ11がさらに公転
し、カムシャフト駆動アーム14及びカムシャフト3が
回動されて、最大開弁状態を超えると、図7に示すよう
に、バルブリフトを小さくする動作が開始される。そし
て、プラネタリギヤ11の公転位相が、図8のようにな
ると、ピン13が偏倚していない場合には、カム2は破
線で示すように閉弁完了状態になるが、ここでは、ピン
13が偏倚しており、ピン13は、サンギヤ8の自転に
対応して、プラネタリギヤ11の軸心に対して図5の状
態とは反対側になり、カム2は実線で示すようにまだ閉
弁を完了していない。したがって、ピン13が偏倚して
いない場合に比べ、閉弁の完了が遅れる。
【0035】このようにして、図14,15に示すよう
に開弁時は角度α(例えば20deg)だけ早くなり、
閉弁時は角度βだけ遅くなって、図16の(C)に破線
で示すピン13の偏倚しない場合の特性から、ピン13
を偏倚させると、図16の(C)に実線で示す特性に変
更される。ところで、バルブタイミング特性変更のため
のピン13の偏倚動作は次のようにして行なわれる。
【0036】まず、図示しないコントローラから偏倚信
号がモータ22に入力されると、モータ22が駆動され
てピニオン21が回転し、図12に示すように、ラック
部20Bがカムシャフト3の軸線方向へ駆動される。こ
れにより、連結部20Aを介しリング20がその軸線方
向に駆動され、これに伴って、プレート18,19およ
び軸17がリング20と同量の移動を行なって、図13
に示す状態に達する。
【0037】このとき、リング20先端の変位によりリ
ンク16が揺動され、スライド部材15がスライド動作
を行なうが、これにより、軸17の軸方向変位が、スラ
イド部材15の半径方向への変位に変換される。このよ
うにして、スライド部材15の変位により、サンギヤ8
の半径方向へのピン13の偏倚が行なわれ、図11に実
線で示す状態から破線で示す状態への移行が実現する。
【0038】このピン13の偏倚の大きさに応じて、上
述のバルブタイミングの変更が行なわれる。例えば、偏
倚が大きければバルブタイミングの変更度合が大きくな
り、偏倚が小さければバルブタイミングの変更度合が小
さくなる。上述のように、本実施例の機構では、揺動機
構Hによりクランク回転に同期した任意の振幅の揺動
(クランク回転ごとの規則的な回転速度変化)をカム2
に行なわせることができ、動特性の悪化やカム数の増加
を招来しないで、理想的なバルブタイミング特性を得る
ことができる。
【0039】また、高回転時と低回転時とにおいて、バ
ルブタイミング時期を理想的な状態にすることができる
ので、従来例の第1の方式で発生する高回転時の追従性
不足を解消することができる。さらに、カム数が増加し
ないので、レイアウトの自由度が大きくなる。そして、
バルブタイミングを連続的に変更できるため、運転回転
数に適合したバルブタイミングに制御することができる
ようになり、理想的な運転特性を得ることができる。
【0040】また、ピン13を偏倚させないように制御
することにより、従来同様の運転に容易に切り換えるこ
とができる。
【0041】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案の可変バル
ブタイミング式エンジンバルブ装置によれば、エンジン
にそなえられた吸気用又は排気用バルブと、該バルブを
往復動させるカムと、該カムが固定されたカムシャフト
と、該カムシャフトに回動自在に支持されタイミングベ
ルトにより駆動されるサンギアと、該サンギアの周囲に
形成されたリングギアと、該リングギアと該サンギアと
の間に介装されたプラネタリギアと、該プラネタリギア
及び該カムシャフトに接続され該プラネタリギアの運動
により該カムシャフトを回転させる連結部材と、該プラ
ネタギアへの該連結部材の接続位置を変更する駆動機構
と、を有するという構成により、理想的なバルブタイミ
ング特性を動特性の悪化を伴わないで実現できるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の要部構成を示す摸式的縦断面
図である。
【図2】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の要部構成を示す摸式的側面図
(図1のA方向矢視図)である。
【図3】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の要部構成を示す摸式的側面図
(図1のB方向矢視図)である。
【図4】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置のピンの作動を示すための摸式
図である。
【図5】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図6】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図7】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図8】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図9】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置のピン駆動機構を示す要部の摸
式的縦断面図である。
【図10】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構を示す要部の
摸式的側面図(図9のC方向矢視図)である。
【図11】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構を示す要部の
摸式的側面図(図9のD方向矢視断面模式図)である。
【図12】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構の作動を示す
要部の摸式的縦断面図である。
【図13】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構の作動を示す
要部の摸式的縦断面図である。
【図14】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のバルブタイミング特性を説
明するための摸式図である。
【図15】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のバルブタイミング特性を説
明するための摸式図である。
【図16】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のバルブタイミング特性を示
すグラフである。
【図17】従来例のエンジンバルブ装置のバルブタイミ
ング特性を示すグラフである。
【図18】他の従来例のエンジンバルブ装置のバルブタ
イミング特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン用バルブ(エンジンバルブ) 1A バルブステム 2 カム 3 カムシャフト 5 タペット 6 コグベルト(タイミングベルト) 7 スプロケット 8 サンギヤ 9 リングギヤ 10 シリンダヘッド 11 プラネタリギヤ 11A 回転軸 11B 凹部 12 キャリヤ 13 連結部材としてのピン 14 連結部材としてのカムシャフト駆動アーム 15 スライド部材 16 リンク 16A ピン 17 軸 18,19 プレート 20 リング状のプレート 20A 連結部 20B ラック部 21 ピニオン 22 モータ H 揺動機構 K カムシャフト駆動機構 P ピン駆動機構(駆動機構) S バルブ駆動機構

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにそなえられた吸気用又は排気
    用バルブと、該バルブを 往復動させるカムと、 該カムが固定されたカムシャフトと、該カムシャフトに回動自在に支持されタイミングベルト
    により駆動されるサンギアと、 該サンギアの周囲に形成されたリングギアと、 該リングギアと該サンギアとの間に介装されたプラネタ
    リギアと、 該プラネタリギア及び該カムシャフトに接続され該プラ
    ネタリギアの運動により該カムシャフトを回転させる連
    結部材と、 該プラネタギアへの該連結部材の接続位置を変更する駆
    動機構と、 を有する ことを特徴とする、可変バルブタイミング式エ
    ンジンバルブ装置。
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