JPH0558804U - 可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置 - Google Patents

可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置

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JPH0558804U
JPH0558804U JP153992U JP153992U JPH0558804U JP H0558804 U JPH0558804 U JP H0558804U JP 153992 U JP153992 U JP 153992U JP 153992 U JP153992 U JP 153992U JP H0558804 U JPH0558804 U JP H0558804U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この本考案は、吸気バルブや排気バルブのエ
ンジンバルブ(エンジンバルブ)に関し、理想的なバル
ブタイミング特性を動特性の悪化を伴わないで実現でき
るようにすることを目的とする。 【構成】 エンジンにそなえられた吸気用又は排気用の
バルブ1と、該バルブ1を開閉駆動するバルブ駆動機構
Sとをそなえ、バルブ駆動機構Sを、バルブ1のバルブ
ステム1Aに当接してバルブステム1Aを往復動させる
カム2と、カム2を装備したカムシャフト3と、カムシ
ャフト3を回転駆動するカムシャフト駆動機構Kとから
構成して、バルブ1の開放タイミングや閉鎖タイミング
を変化させるべくバルブ1の開閉に同期させてカムシャ
フト3をその回転方向へ揺動させる揺動機構Hをカムシ
ャフト駆動機構Kに装備するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、吸気バルブや排気バルブのエンジンバルブ(エンジンバルブ)に関 し、特に、バルブの開放タイミングや閉鎖タイミングを変化できる機構を備えた 、可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用エンジンにおいては、吸気バルブや排気バルブのエンジン 用バルブ(エンジンバルブ)の開閉タイミング(バルブタイミング)を変化させ て、走行状態に対応した出力特性を得られるように、エンジンの運転状態を制御 する機構(バルブタイミング可変機構)が開発されいる。
【0003】 かかる機構としては、主として次のような2方式のものがある。 その1つとしては、カムとカムシャフトを駆動するカムスプロケットの取り付 け角を変化させるものがある。この方式によれば、例えば図17のグラフにおい て、実線で示すようなバルブタイミング特性から、破線で示すようなバルブタイ ミング特性への特性変更が行なわれる。つまり、開弁角の大きさ自体は変わらな いが、例えば破線で示すように開弁動作を遅らせるなど、開弁動作のタイミング のみがずらされている。
【0004】 もう1つには、異なるプロフィールをそなえた2種類のカムを装備し、エンジ ンバルブを駆動するカムを2種類のいずれかに切り換えることにより、異なるタ イミング弁特性を実現するものがある。この方式によれば、図18において、実 線で示すバルブタイミング特性と破線で示すバルブタイミング特性とを切り換え ることができ、この2種類のバルブタイミング特性を、例えば低速域および高速 域それぞれの理想的なバルブタイミング特性に設定して、エンジンの回転状態に 応じてバルブタイミング特性を切り換えるなどして、所望の理想的なバルブタイ ミング特性を得ることができる。
【0005】 なお、図17,18において、EXは排気弁の動作を示し、INは吸気弁の動 作を示す。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、このような従来用いられているバルブタイミング可変機構による場 合には次のような問題点が考えられる。 上記の第1の方式による場合には、簡単にかつ連続的にバルブタイミングを変 更できるものの、開弁角を変化させることはできないので、高回転時のエンジン バルブの追従性は低回転時とかわらず、理想的なバルブタイミング特性を得るこ とはできない。
【0007】 上記の第2の方式による場合には、2種類の運転状態において、例えば高回転 時と低回転時とでそれぞれ理想的なバルブタイミング特性を得ることができるが 、カムの個数が2倍になるためレイアウト的に制約が多く、さらに、2種類のカ ムの切り換え機構をロッカーアームに装備するためロッカーアームが特殊構造と なり重くなって、動特性が悪化する。
【0008】 本考案は、このような課題に鑑み創案されたもので、理想的なバルブタイミン グ特性を動特性の悪化を伴わないで実現できるようにした、可変バルブタイミン グ式エンジンバルブ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本考案の可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置は、エンジン にそなえられた吸気用又は排気用のバルブと、該バルブを開閉駆動するバルブ駆 動機構とをそなえ、上記バルブ駆動機構が、上記バルブのバルブステムに当接し て該バルブステムを往復動させるカムと、該カムを装備したカムシャフトと、該 カムシャフトを回転駆動するカムシャフト駆動機構とから構成されて、上記バル ブの開放タイミングや閉鎖タイミングを変化させるべく上記バルブの開閉に同期 させて上記カムシャフトをその回転方向へ揺動させる揺動機構が上記カムシャフ ト駆動機構に装備されていることを特徴としている。
【0010】
【作用】
上述の本考案の可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置では、カムシャフ ト駆動機構に装備された揺動機構により、カムシャフトがバルブの開閉に同期し てその回転方向に揺動されて、バルブの開放タイミングや閉鎖タイミングが変化 する。
【0011】
【実施例】
以下、図面により、本考案の一実施例としての可変バルブタイミング式エンジ ンバルブ装置について説明すると、図1はその要部構成を示す摸式的縦断面図、 図2はその要部構成を示す摸式的側面図(図1のA方向矢視図)、図3はその要 部構成を示す摸式的側面図(図1のB方向矢視図)、図4はそのピンの作動を示 すための摸式図、図5〜8はいずれもその揺動機構の動作を示す摸式的側面図( 図1のB方向矢視図)、図9はそのピン駆動機構を示す要部の摸式的縦断面図、 図10はそのピン駆動機構を示す摸式的側面図(図9のC方向矢視図)、図11 はそのピン駆動機構を示す要部の摸式的側面図(図9のD方向矢視断面模式図) 、図12,13はそのピン駆動機構の作動を示す要部の摸式的縦断面図、図14 ,15はそのバルブタイミング特性を説明するための摸式図、図16はそのバル ブタイミング特性を示すグラフである。
【0012】 エンジンのシリンダヘッドには、吸気バルブ及び排気バルブのエンジン用バル ブ(エンジンバルブ)が設けられるが、このエンジンバルブを開閉駆動するため に、図1,2に示すように、バルブ駆動機構Sが設けられている。 このバルブ駆動機構Sは、エンジンバルブ1のバルブステム1Aをタペット5 を介し往復動させるカム2と、カム2を固着されたカムシャフト3と、カムシャ フト3を回転駆動するカムシャフト駆動機構Kとをそなえて構成されている。
【0013】 そして、カムシャフト駆動機構Kは、図示しないクランクシャフトに連係され たコグベルト6と、コグベルト6を縣架されるとともにカムシャフト3と相対回 転可能に枢支されたスプロケット7とをそなえている。 このスプロケット7は、揺動機構Hを介してカムシャフト3に連結されており 、スプロケット7に対してカムシャフト3が揺動しうるようになっている。すな わち、スプロケット7の回転は揺動機構Hを介してカムシャフト3に伝達される が、このとき、揺動機構Hによって、カムシャフト3がスプロケット7に対して 揺動しうるので、カムシャフト3は、スプロケット7に対応した回転にこの揺動 を重ね合わせた動きをするようになっている。
【0014】 特に、このカムシャフト3の揺動は、バルブ1の開放タイミングと閉鎖タイミ ングとに同期して行なわれるようになっており、この揺動によって、カム2によ るエンジンバルブの開閉特性が変化するようになっている。 この揺動機構Hの構成を説明すると、揺動機構Hは、遊星歯車機構で構成され ており、サンギヤ8はスプロケット7と一体に形成されており、コグベルト6か ら伝達される回転力がスプロケット7を介しそのままサンギヤ8に伝達されるよ うになっている。
【0015】 また、リングギヤ9は、シリンダヘッド10の内壁に形成されており、固定状 態になっている。そして、プラネタリギヤ11は、サンギヤ8とリングギヤ9と の間に配設され、プラネタリギヤ11の回転軸11Aを枢支するキャリヤ12は 、サンギヤ8とスプロケット7との間のこれら7,8と一体の部材の外周に枢着 されている。
【0016】 これにより、サンギヤ8が回転するとプラネタリギヤ11がサンギヤ8の回転 に応じて自転しながら公転してキャリヤ12を回動させるようになっている。 さらに、プラネタリギヤ11には可動ピン13が設けられている。この可動ピ ン13は、プラネタリギヤ11の軸方向へ延在し、プラネタリギヤ11における 回転軸11Aの立設されない側の端面から突出しており、後述するピン駆動機構 Pによってプラネタリギヤ11の軸心位置から適当な偏心位置まで連続的に変位 しうるようになっている。
【0017】 そして、可動ピン13のプラネタリギヤ11から突出した部分は、カムシャフ ト3に固着されたカムシャフト駆動アーム14の長穴14A内に係合している。 これにより、プラネタリギヤ11が公転すると、可動ピン13と長穴14Aとを 介してカムシャフト駆動アーム14が回動される。このとき、ピン13がプラネ タリギヤ11の軸心から偏倚している場合には、プラネタリギヤ11の自転に伴 ってピン13がプラネタリギヤ11の軸心回りに公転して、長穴14Aを通じて カムシャフト駆動アーム14をプラネタリギヤ11系に対して相対的に揺動(回 転)させる。この結果、カムシャフト3と一体回動するカムシャフト駆動アーム 14は、スプロケット7の回転に応じた旋回動にこの揺動を重ね合わせた動きを 行なうようになっている。
【0018】 ここで、ピン13を駆動するピン駆動機構Pについて説明すると、ピン駆動機 構Pは、図9〜11に示すように構成される。 すなわち、ピン13のプラネタリギヤ11内における基端にはスライド部材1 5が固着されており、スライド部材15は、プラネタリギヤ11の軸線に直交す る方向に延在して、この延在する方向にスライドしうるようになっている。
【0019】 また、プラネタリギヤ11には、スライド部材15の変位およびピン13の所 要の方向への変位を許容する凹部11Bが形成されており、スライド部材15の 図9における上下方向へのスライドにより、ピン13がプラネタリギヤ11の直 径上をプラネタリギヤ11の軸心位置から適当に偏心した位置まで所要量変位し うるようになっている。
【0020】 このスライド部材15には、リンク16の一端が相対揺動可能に連結されてお り、リンク16はその中間部をプラネタリギヤ11内壁にピン16Aを介し枢支 されている。リンク16の他端には、軸17の先端が相対揺動可能に連結されて おり、軸17はプラネタリギヤ11の回転軸11A内における軸心部に遊挿され ている。
【0021】 軸17の基端部は、プラネタリギヤ11の回転軸11A端面から突出しており 、この突出部に2枚のプレート18,19が取り付けられている。なお、このプ レート18,19はここでは円板であるが、形状は円板に限定されない。 一方、プラネタリギヤ11における回転軸11A端面に対向するようにリング 状のプレート20が配設されており、リング状プレート20は、その内径を、軸 17の回転軌跡と干渉しないような大きさに設定されている。
【0022】 そして、このリング状プレート20は、内縁部分で、プレート18,19の相 互間に相対摺動可能に挟持されており、プレート20の軸方向変位により、自転 しているプレート18,19を軸17の軸方向に変位させることが出来るように 構成されている。このプレート18,19の軸方向変位により、軸17,リンク 16を介し、スライド部材15がスライド作動を行なうようになっている。
【0023】 さらに、リング20はその外周の一部において、シリンダヘッド10に形成さ れた長穴10Aを貫通する連結部20Aをそなえており、リング20は連結部2 0Aを介し、シリンダヘッド10外周に設けられたラック部20Bに連結されて いる。 ラック部20Bは、カムシャフト3の軸方向に沿って延在し、ピニオン21と 噛合しており、ピニオン21はステッピングモータ22により回動されるように なっている。
【0024】 したがって、ステッピングモータ22でピニオン21を通じてラック部20B を駆動すると、プレート20及び18,19,軸17,リンク16,スライド部 材15を介して、ピン13がプラネタリギヤ11の軸心位置から適当な偏心位置 まで駆動されるようになっている。 なお、ピン13が偏倚すると、カムシャフト駆動アーム14がプラネタリギヤ 11系に対して相対的に揺動するが、この揺動周期は、ピン13のプラネタリギ ヤ軸心回りの公転周期、従って、プラネタリギヤ11の自転周期(サンギヤ8を 基準とする周期)に対応する。一方、カムシャフト駆動アーム14は、プラネタ リギヤ11の公転周期に対応した周期で旋回する。
【0025】 そして、これらのプラネタリギヤ11の自転周期及び公転周期はサンギヤ8と プラネタリギヤ11との歯数比及びサンギヤ8とリングギヤ9との歯数比に対応 たものとなり、プラネタリギヤ11の自転はその公転に対応して起こる。一般に は自転周期の方が公転周期よりも短いので、公転周期が自転周期の整数倍になる ように歯数を設定することで、自転を公転に同期させることができる。
【0026】 ここでは、プラネタリギヤ11の自転をその公転に同期させるように設定され ており、カムシャフト駆動アーム14の揺動はその旋回に同期して生じる。例え ば、4気筒のDOHCエンジンでは、サンギヤ8とプラネタリギヤ11とリング ギヤ9との歯数比は、2:1:4に設定され、プラネタリギヤ11の自転が公転 に同期する。
【0027】 そして、例えばプラネタリギヤ11の公転に対応するバルブの基準リフト量が 図16の(A)に示すようになるのに対して、プラネタリギヤ11の自転に対応 したカムシャフト駆動アーム14の揺動(つまり、カム2の回転方向へ揺動)は 例えば図16の(B)に示すように設定されている。 なお、この図16において、横軸は時間(又は回転位相角度)であり、(A) ,(C)のグラフの縦軸はバルブリフト量、(B)のグラフの縦軸は回転方向を 正(軸上方)にとった揺動角度である。
【0028】 つまり、カム2がバルブ1を開放しようとするときにはこの開放タイミングを 早めるように回転方向へ例えば角度αだけ揺動し、カム2がバルブ1を閉鎖しよ うとするときにはこの閉鎖タイミングを遅らせるように回転とは逆方向へ例えば 角度βだけ揺動するように設定されている。 なお、図16の図において、(B)のグラフの(A),(C)のグラフとの横 軸の対応関係はややずれる場合も考えられる。
【0029】 本考案の一実施例としての可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置は上述 のごとく構成されるので、バルブ駆動機構Sでは、カムシャフト駆動機構Kにお いてコグベルト6が駆動されると、スプロケット7が回動され、さらに揺動機構 Hを介してカムシャフト3が回動され、カム3を通じてバルブ1が開閉駆動され る。
【0030】 このとき、揺動機構Hは次のように動作する。 まず、スプロケット7と一体のサンギヤ8が回動され、サンギヤ8と噛合する プラネタリギヤ11が自転および公転を行なう。 プラネタリギヤ11の公転は、ピン13を介しカムシャフト駆動アーム14に 伝達され、カムシャフト駆動アーム14が駆動されて、カムシャフト駆動アーム 14を固着されたカムシャフト3が回動される。
【0031】 ところで、ピン13はカムシャフト駆動アーム14の長穴14Aに係合してい るが、このピン13はピン駆動機構Pにより、長穴14A内において図4に示す ように偏倚している場合がある。 このようにピン13が偏倚している場合には、揺動機構Hにより、図5〜8に 示すように、カムシャフト3がバルブ1の開放タイミング及び閉鎖タイミングに 対応して揺動する。なお、図5〜8において、点P1,P2はサンギヤ8及びプ ラネタリギヤ11の基準点であり、これらのサンギヤ8及びプラネタリギヤ11 の自転状態をわかりやすくするために示している。
【0032】 つまり、まず、図5に実線で示すように、プラネタリギヤ11がバルブステム 1Aの軸線上に対応する位置にあるとき、カム2はそのバルブリフト部がタペッ ト5と係合しはじめ、バルブは開弁動作を開始する。 なお、ピン13が偏倚していない場合は、カム2は図5に破線で示す位置にあ り、まだ開弁を開始しない状態にある。
【0033】 したがって、ピン13の偏倚により、開弁時期が早まっていることになる。 このあと、図6に示すように、プラネタリギヤ11は自転しながら公転を行な い、ピン13がこの公転と自転とを合成して動きを行いつつ、カムシャフト駆動 アーム14及びカムシャフト3を回転駆動する。 これにより、カム2によるバルブリフトが続行され、バルブステム1を介して 開弁動作が行なわれる。なお、プラネタリギヤ11の自転によりピン13がアー ム14の軸線方向に変位するが、これはピン13が長穴14A内をその長手方向 に揺動することにより許容される。
【0034】 ついで、プラネタリギヤ11がさらに公転し、カムシャフト駆動アーム14及 びカムシャフト3が回動されて、最大開弁状態を超えると、図7に示すように、 バルブリフトを小さくする動作が開始される。 そして、プラネタリギヤ11の公転位相が、図8のようになると、ピン13が 偏倚していない場合には、カム2は破線で示すように閉弁完了状態になるが、こ こでは、ピン13が偏倚しており、ピン13は、サンギヤ8の自転に対応して、 プラネタリギヤ11の軸心に対して図5の状態とは反対側になり、カム2は実線 で示すようにまだ閉弁を完了していない。したがって、ピン13が偏倚していな い場合に比べ、閉弁の完了が遅れる。
【0035】 このようにして、図14,15に示すように開弁時は角度α(例えば20de g)だけ早くなり、閉弁時は角度βだけ遅くなって、図16の(C)に破線で示 すピン13の偏倚しない場合の特性から、ピン13を偏倚させると、図16の( C)に実線で示す特性に変更される。 ところで、バルブタイミング特性変更のためのピン13の偏倚動作は次のよう にして行なわれる。
【0036】 まず、図示しないコントローラから偏倚信号がモータ22に入力されると、モ ータ22が駆動されてピニオン21が回転し、図12に示すように、ラック部2 0Bがカムシャフト3の軸線方向へ駆動される。 これにより、連結部20Aを介しリング20がその軸線方向に駆動され、これ に伴って、プレート18,19および軸17がリング20と同量の移動を行なっ て、図13に示す状態に達する。
【0037】 このとき、リング20先端の変位によりリンク16が揺動され、スライド部材 15がスライド動作を行なうが、これにより、軸17の軸方向変位が、スライド 部材15の半径方向への変位に変換される。 このようにして、スライド部材15の変位により、サンギヤ8の半径方向への ピン13の偏倚が行なわれ、図11に実線で示す状態から破線で示す状態への移 行が実現する。
【0038】 このピン13の偏倚の大きさに応じて、上述のバルブタイミングの変更が行な われる。例えば、偏倚が大きければバルブタイミングの変更度合が大きくなり、 偏倚が小さければバルブタイミングの変更度合が小さくなる。 上述のように、本実施例の機構では、揺動機構Hによりクランク回転に同期し た任意の振幅の揺動(クランク回転ごとの規則的な回転速度変化)をカム2に行 なわせることができ、動特性の悪化やカム数の増加を招来しないで、理想的なバ ルブタイミング特性を得ることができる。
【0039】 また、高回転時と低回転時とにおいて、バルブタイミング時期を理想的な状態 にすることができるので、従来例の第1の方式で発生する高回転時の追従性不足 を解消することができる。 さらに、カム数が増加しないので、レイアウトの自由度が大きくなる。 そして、バルブタイミングを連続的に変更できるため、運転回転数に適合した バルブタイミングに制御することができるようになり、理想的な運転特性を得る ことができる。
【0040】 また、ピン13を偏倚させないように制御することにより、従来同様の運転に 容易に切り換えることができる。
【0041】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案の可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置に よれば、エンジンにそなえられた吸気用又は排気用のバルブと、該バルブを開閉 駆動するバルブ駆動機構とをそなえ、上記バルブ駆動機構が、上記バルブのバル ブステムに当接して該バルブステムを往復動させるカムと、該カムを装備したカ ムシャフトと、該カムシャフトを回転駆動するカムシャフト駆動機構とから構成 されて、上記バルブの開放タイミングや閉鎖タイミングを変化させるべく上記バ ルブの開閉に同期させて上記カムシャフトをその回転方向へ揺動させる揺動機構 が上記カムシャフト駆動機構に装備されるという構成により、理想的なバルブタ イミング特性を動特性の悪化を伴わないで実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の要部構成を示す摸式的縦断面
図である。
【図2】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の要部構成を示す摸式的側面図
(図1のA方向矢視図)である。
【図3】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の要部構成を示す摸式的側面図
(図1のB方向矢視図)である。
【図4】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置のピンの作動を示すための摸式
図である。
【図5】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図6】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図7】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図8】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置の揺動機構の動作を示す摸式的
側面図(図1のB方向矢視図)である。
【図9】本考案の一実施例としての可変バルブタイミン
グ式エンジンバルブ装置のピン駆動機構を示す要部の摸
式的縦断面図である。
【図10】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構を示す要部の
摸式的側面図(図9のC方向矢視図)である。
【図11】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構を示す要部の
摸式的側面図(図9のD方向矢視断面模式図)である。
【図12】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構の作動を示す
要部の摸式的縦断面図である。
【図13】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のピン駆動機構の作動を示す
要部の摸式的縦断面図である。
【図14】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のバルブタイミング特性を説
明するための摸式図である。
【図15】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のバルブタイミング特性を説
明するための摸式図である。
【図16】本考案の一実施例としての可変バルブタイミ
ング式エンジンバルブ装置のバルブタイミング特性を示
すグラフである。
【図17】従来例のエンジンバルブ装置のバルブタイミ
ング特性を示すグラフである。
【図18】他の従来例のエンジンバルブ装置のバルブタ
イミング特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン用バルブ(エンジンバルブ) 1A バルブステム 2 カム 3 カムシャフト 5 タペット 6 コグベルト 7 スプロケット 8 サンギヤ 9 リングギヤ 10 シリンダヘッド 11 プラネタリギヤ 11A 回転軸 11B 凹部 12 キャリヤ 13 ピン 14 カムシャフト駆動アーム 15 スライド部材 16 リンク 16A ピン 17 軸 18,19 プレート 20 リング状のプレート 20A 連結部 20B ラック部 21 ピニオン 22 モータ H 揺動機構 K カムシャフト駆動機構 P ピン駆動機構 S バルブ駆動機構

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにそなえられた吸気用又は排気
    用のバルブと、該バルブを開閉駆動するバルブ駆動機構
    とをそなえ、上記バルブ駆動機構が、上記バルブのバル
    ブステムに当接して該バルブステムを往復動させるカム
    と、該カムを装備したカムシャフトと、該カムシャフト
    を回転駆動するカムシャフト駆動機構とから構成され
    て、上記バルブの開放タイミングや閉鎖タイミングを変
    化させるべく上記バルブの開閉に同期させて上記カムシ
    ャフトをその回転方向へ揺動させる揺動機構が上記カム
    シャフト駆動機構に装備されていることを特徴とする、
    可変バルブタイミング式エンジンバルブ装置。
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Cited By (4)

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