JP2693718B2 - 2サイクルエンジンの排気制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気制御装置

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JP2693718B2
JP2693718B2 JP6070551A JP7055194A JP2693718B2 JP 2693718 B2 JP2693718 B2 JP 2693718B2 JP 6070551 A JP6070551 A JP 6070551A JP 7055194 A JP7055194 A JP 7055194A JP 2693718 B2 JP2693718 B2 JP 2693718B2
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恵 岩切
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/18Other cylinders
    • F02F1/22Other cylinders characterised by having ports in cylinder wall for scavenging or charging
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本出願にかかる発明は、2サイク
ルエンジンの排気制御装置に関し、特に自動二輪車ある
いは小型滑走艇等の高い且つ円滑な加速性能が要求され
るものに搭載される2サイクルエンジンの排気制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンの場合、クランクケ
ースから燃焼室への混合気の供給はシリンダ周壁に形成
された掃気口から行われるとともに、燃焼後の燃焼ガス
の排出はシリンダ周壁の別の部位に形成された排気孔か
ら排気マニホールド側に向けてなされる。
【0003】近年、このようなエンジンの低速域から高
速域の全域にわたって排気効率を高めることを意図し
て、上記シリンダ周壁に形成された主排気孔の側方に副
排気孔を設け、高速回転時には副排気孔を主排気孔に対
して開き、低速回転時には副排気孔を閉じるという操作
が可能な排気制御装置が提供されている。以下、主排気
孔を開閉するための弁をメインバルブ(特許請求の範囲
でいう主バルブ)と呼び、副排気孔を開閉するための弁
をサブバルブ(特許請求の範囲でいう副バルブ)と呼
ぶ。従来、前記サブバルブとして、エンジンの回転数に
応じて回転させられる切替コック、バタフライバルブま
たはボールバルブなどが採用されている。
【0004】しかしながら、かかる構造のものは駆動機
構がコンパクトにできる反面シール性が低く、しかも流
路内に配設されるものであるため全開時においても流路
抵抗が大きくなる。そこで最近は、サブバルブにもスラ
イド式メインバルブと同様のスライド式のバルブを採用
したものが提案されている。
【0005】図5、6に示されるようにこのサブバルブ
51は、スライド式のメインバルブ52と連動するよう
にメインバルブ52と同一の駆動軸53に形成されたア
ーム54に回動自在に取り付けられており、前記駆動軸
53の回転によってアーム54を介して副排気孔55に
突出・後退させられるものである。先行技術としてはた
とえば特開平5−133230号がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
のサブバルブ51は、メインバルブ52と同様にシリン
ダSの中心軸に直交する水平面に対して上方から傾斜し
て副排気孔55に突出するものである。一方、一般に副
排気孔55は図6に示すようにシリンダS内へのその開
口部56から若干長だけ水平に延び、ついで主排気孔5
7への開口部58に向けて若干下方に傾斜して延びてお
り、また、シリンダ壁中では副排気孔55の開口部56
近傍の下方に掃気孔58が薄肉壁59を隔てて形成され
ている。
【0007】したがって、サブバルブ51を副排気孔5
5のシリンダ内周面への開口部56ぎりぎりまで挿入し
て閉塞しようとした場合、前記副排気孔55の水平部分
を上から下へ傾斜させて形成する必要がある。そうする
と、副排気孔55と掃気孔58とのあいだの隔壁部59
がきわめて薄くなってしまい、ガス圧力に対する耐久性
が劣り、また高速のガス流によってエロージョンが発生
して耐久性が劣ることがある。かかる事情から、現在で
はサブバルブをシリンダ内周面から若干後退した位置ま
でしか突出させていない。その結果シリンダ内周面に凹
部が形成され、シリンダ内での円滑な混合気の吸入や燃
焼などを損ない、低速回転時の出力を向上させることが
できないでいる。
【0008】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、副排気孔と掃気孔とのあいだの前記
隔壁部を薄くしてしまうことなく、副排気孔のシリンダ
内周面への開口部ぎりぎりまで挿入して副排気孔を全閉
しうるサブバルブを備え、且つ、切替え時にも出力低下
のない2サイクルエンジンの排気制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明の2サイクルエ
ンジンの排気制御装置は、シリンダ周壁に形成された主
排気孔に主バルブが配設され、シリンダ周壁に形成され
且つ前記主排気孔に連通する副排気孔に副バルブが配設
され、前記副排気孔がシリンダーの中心軸に直交する水
平面に対して傾斜する方向に形成されるとともにシリン
ダ周壁開口部の近傍に水平領域を有し、前記両バルブに
よって該排気孔の開口時期と開口面積とが調整されうる
よう構成された2サイクルエンジンの排気制御装置にお
いて、前記水平領域に連通するように実質的に水平方向
の副バルブ用の挿通孔が形成されており、前記副バルブ
が、駆動手段によって前記水平方向の挿通孔内に往復動
させられることによって前記副排気孔に突出・後退可能
なスライド式バルブとして構成されたことを特徴として
いる。
【0010】前記駆動手段を、エンジンの回転により作
動するガバナー機構と、このガバナー機構の動作を前記
副バルブに伝達する伝達手段とから構成することがで
き、この場合、前記伝達手段を、前記ガバナー機構から
の駆動力によって回転させられる歯車と、該歯車に噛合
し且つ前記副バルブの移動方向に可動なラック部材とか
ら構成すれば、簡単な機構で信頼性の高い装置となる。
【0011】前記駆動手段を、エンジンの回転に対応し
て制御される電動モータと、この電動モータの動作を前
記副バルブに伝達する伝達手段とから構成し、この伝達
手段を、前記電動モータからの駆動力によって回転させ
られる歯車と、該歯車に噛合し且つ前記副バルブの移動
方向に可動なラック部材とから構成することもでき、こ
の場合、上記作用効果の他に電動モータの制御により各
回転数において細かい制御をおこなうことができ、ある
いはエンジンの回転数に直接関係することなく制御する
ことができ、しかも信頼性の高い装置となる。
【0012】前記駆動手段に、前記伝達手段の回動部分
とエンジンの固定側の間に配設されるディテント機構を
備え、このディテント機構を、副バルブの突出・後退動
作を行わせる回動軸側に配設され且つ少なくとも1つの
係合凹部を有するカム板と、エンジンの固定側に基部が
バネ手段により後退自在に埋設支持され且つ副バルブが
突出した状態のとき上記カム板の係合凹部に係合するボ
ールとから構成すれば、さらなる出力向上が図れる。
【0013】前記ディテント機構は、副バルブの突出・
後退動作をおこなわせる回動軸側に形成された係合部
と、エンジンの固定側に基部が固定され且つ副バルブが
突出した状態のとき上記係合部に係合して副バルブの後
退動作に抵抗を与えるバネ手段とから構成することがで
きる。
【0014】前記駆動手段を、エンジンの回転に対応し
て制御される電動モータから構成した場合、前記副バル
ブが突出した状態のとき上記電動モータに副バルブ突出
方向の回転トルクを与えるように形成された電気回路に
よって阻止手段を構成することができる。
【0015】前記歯車の支持軸に貫通孔を形成し、該歯
車が前記副バルブを突出させて副排気孔を閉塞するよう
に回転したときに前記貫通孔が共鳴室と主排気孔とを連
通せしめ、前記歯車が副バルブを後退させて副排気孔を
開放するように回転したときに前記支持軸が共鳴室と主
排気孔との連通を閉塞せしめるように構成すれば、さら
に高出力で且つ滑らかな吹け上がりが可能なエンジンを
得ることができる。
【0016】なお、本明細書でいう水平面とは、厳密な
意味では用いておらず、単にシリンダの中心軸に直交す
る平面という意味で用いている。
【0017】
【作用】しかして、本発明の2サイクルエンジンの排気
制御装置(以下、単に排気装置という)によれば、サブ
バルブを副排気孔の水平部分に沿ってシリンダ内周面ぎ
りぎりまで水平方向に挿入することができる。すなわ
ち、副排気孔と掃気孔とのあいだの隔壁部を薄くしても
副排気孔を全閉することができ、しかもシリンダ内周面
に凹凸部を生じることもないため、エンジンの低回転域
での出力向上が可能となる。
【0018】さらに、ディテント機構を備えた排気装置
にあっては、サブバルブの切換動作のとき、つまりサブ
バルブが突出して副排気孔を閉塞している状態から後退
動作(開口動作)に移るときに、シリンダ内から燃焼に
よる高圧が作用しても、高圧によるサブバルブの後退動
作が防止されるため、所望のバルブ作動を正確に行うこ
とができる。この結果、バルブの切換時に相当する回転
域においても、所望の開口時期と開口面積が得られ、バ
ルブの切換時にエンジンの出力が低下することはない。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本願発明の実施
例にかかる排気装置をより詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の排気装置の一実施例におけ
るサブバルブが突出した状態を示すシリンダの排気孔部
分の平断面図、図2は図1の排気装置におけるサブバル
ブが突出した状態を示すシリンダの排気孔部分の一部断
面にした側面図、図3は図1の排気装置におけるサブバ
ルブが後退した状態を示すシリンダの排気孔部分の一部
断面にした側面図、図4は図1の排気装置におけるディ
テント機構を示す説明図である。
【0021】図1〜3において、1は主排気孔、2は主
排気孔1に配設されているメインバルブ、3は副排気
孔、4は副排気孔3に配設されているサブバルブ、5は
サブバルブ4を駆動する駆動手段、6はディテント機
構、7は低速回転時にエンジン出力を向上させるための
共鳴室である。図2ではサブバルブ4の構成を明確にす
るために、主排気孔1およびメインバルブ2を二点鎖線
で示している。
【0022】上記主排気孔1は先端がシリンダSの周壁
に開口し基端が排気マニホールド側に延設されている。
そして、上記主排気孔1のシリンダS近傍の上端部に
は、上面が主排気孔1の天井面に接触するよう上記メイ
ンバルブ2が主排気孔1に対して摺動自在に配設されて
いる。このメインバルブ2の基端部(図1における右
端)には、上記駆動手段5の伝達手段の一部を構成する
枢支軸2aが突設され、この枢支軸2aに、伝達手段の
一部を構成するレバー8の先端部が係止され、このレバ
ー8の回動軸9を中心とする回動動作により、枢支軸2
aがシリンダS側に押動され、メインバルブ2をシリン
ダS側に突出させあるいは後退させるよう構成されてい
る。このように、サブバルブの駆動手段5は、その構成
要素のうち駆動源(図示しないガバナー機構など)およ
び上記回動軸9をメインバルブ2用としても兼用してい
る。そして、上記回動軸9は、図示しないエンジンのク
ランク軸およびクランク軸に連動するガバナー機構によ
って、回転数に応じて回動動作するよう構成されてい
る。
【0023】副排気孔3は、図1および図3に示すよう
に主排気孔1の両側方に形成され、その先端がシリンダ
Sの周壁に開口し、その先端部分の僅かの領域3a(図
2参照)は水平に延び、続いて下方に傾斜してその基端
が主排気孔1に連通している。そして、副排気孔3のシ
リンダS周壁への開口部3bの下方には掃気孔10が開
口している。すなわち、副排気孔3の前記水平領域3a
の下方には、シリンダ壁内部の隔壁部11を介して掃気
孔10が形成されているのである。
【0024】また、サブバルブ4は、図1および図3か
ら明らかなようにメインバルブ2の両側方から、互いに
角度をなしてシリンダSに向けて挿入、配設されてお
り、図2に示すように水平方向に往復動できるようにさ
れている。すなわち、サブバルブ4の挿通孔12がシリ
ンダS外から前記副排気孔3の前記水平領域3aに連通
するように形成されている。したがって、サブバルブ4
の先端部は前記副排気孔3の水平領域3a内に挿入さ
れ、シリンダS内周面に一致するところまで至ることが
できる。そうすることによって副排気孔3を全閉にする
(図1参照)操作が可能となる。もちろん、従来のよう
に前記隔壁部11を薄くしてしまうこともない。
【0025】このサブバルブ4には、その長手方向に沿
ってラックとしての歯13が刻設されており、また、自
軸回りに回転自在に且つシリンダSの軸に平行に配設さ
れた歯車14に噛合している。この歯車14は、前記回
動軸9に固定されたピニオンギア15に噛合して往復動
するラック部材16によって回転させられる。このよう
に、サブバルブ4とメインバルブ2とは同一の回動軸9
によって駆動されるため、連動することとなる。もちろ
ん、前記ピニオンギア15の歯を全周でなく部分的に形
成するなどして両バルブ2、4の作動タイミングをずら
せることも可能である。
【0026】さらに、前記歯車14の下部の支持軸部1
4bに貫通孔14aが形成されている。この貫通孔14
aは、副排気孔3と共鳴室7との連通路7aの一部を形
成するものであり、前記歯車14の支持軸部14bがい
わば連通路7aの切替弁をも兼ねたものとなっている。
そして、サブバルブ4が副排気孔3を閉塞する位置にあ
るときは前記貫通孔14aが副排気孔3と共鳴室7とを
連通し(図1)、サブバルブ4が歯車14の回転によっ
て副排気孔3を開放する位置に後退するときは支持軸部
14bが連通路7aを閉塞することになる(図3)。こ
のように、サブバルブ4の作用と共鳴室7の作用とが好
適に協働するため、低速回転時の出力向上が効果的にな
される。
【0027】また、上記回動軸9には (図1および図3
において右側のピニオンギア15の隣に配設されてい
る))、上記ディテント機構6を構成するカム板6aが
固設され、このカム板6aの周面には係合凹部6b(図
4(a) 、4(b) 参照)が形成されている。そして、上記
カム板6aの周面に頭部が当接するよう、エンジンのシ
リンダS側にボール6cが配設され、このボール6cは
下方から筒6e内に挿置されたコイルバネ6dによりカ
ム板6a側に押圧されている。なお、上記コイルバネ6
dに代えて、他のバネ、例えば板バネあるいは皿バネ等
を適宜選択して使用してもよい。そして、この排気装置
では、図示しないガバナー機構の駆動力が、上記係合凹
部6bとボール6cとの係合による抵抗力に比べて、大
きくなるよう設定されている。この設定は、たとえばガ
バナー機構の重りの質量を大きくするか、あるいは上記
レバー8の長さを長くして倍力作用を大きくしておくこ
とにより、可能となる。また、上記ガバナー機構の逆方
向への抵抗力と上記抵抗力を加算した力が、シリンダ内
の燃焼による高圧がメインバルブ2およびサブバルブ4
に作用する力より大きくなるよう設定されている。な
お、メインバルブ2とサブバルブ4との駆動時期を違え
ている排気装置では、前記カム板6aの周面に二箇所の
係合凹部を形成しておけば両バルブ2、4の閉位置それ
ぞれでディテント機構の作用が奏される。
【0028】なお、図2において、17はメインバルブ
2が後退した状態でメインバルブ2の下面を覆い主排気
孔1の上面を滑らかな形状にするためのキャップバルブ
である。そして、このキャップバルブ17は、メインバ
ルブ2の突出・後退動と連動して、揺動軸17aを中心
に揺動して、上述のように主排気孔1の上面を覆い(図
2参照)あるいはメインバルブ2の先端部を露出させる
(図1参照)よう機能する。
【0029】このようなディテント機構を備えた排気装
置によれば、従来のように排気バルブの切替え域におい
て出力が低下するという現象を避けることができる。
【0030】すなわち、エンジンの低速域から中速域に
到る領域では、図1に図示するように、副排気孔3はサ
ブバルブ4によって閉塞され、メインバルブ2はその先
端がシリンダの周壁とほぼ同じ位置(正確にはやや後退
した位置)まで突出している。そして、この状態では、
図4(a) に図示するように、両バルブ2、4を動作させ
る上記回動軸9に固設されたカム板6aの係合凹部6b
がボール6cの頭部と係合した状態となっている。従っ
て、この状態において、シリンダS内で混合気が燃焼
し、両バルブ2、4の先端にこれら2、4を後退させる
ような方向(図1、2の矢印X参照)の高圧が作用して
も、駆動手段による抵抗力とディテント機構6の係合に
よる抵抗力が加算される結果、両バルブ2、4は後退す
ることがない。逆にいえば、上述したように、駆動手段
6による逆方向の抵抗力とディテント機構6の係合によ
る抵抗力が加算された合計抵抗力を、両バルブ2、4の
先端に作用する上記高圧に起因する力より大きく設定し
ておく必要がある。そして、エンジンの回転数が中速域
に達しガバナー機構が回動軸9を回動させ両バルブ2、
4を後退させる際には、ガバナー機構の駆動力が上記係
合凹部6bとボール6cとの係合による抵抗力に打ち勝
って、図3に図示するように、両バルブ2、4をシリン
ダS側から後退させることができる(図4(b) も併せて
参照)。
【0031】なお前述のごとく、前記ピニオンギア15
の歯を全周でなく部分的に形成するなどし、前記カム板
6aの周面に二箇所の係合凹部を形成して両バルブ2、
4の動作タイミングをずらせるように構成された排気装
置では、メインバルブ2が後退(このときサブバルブ4
は後退しない)したあと、ボール6cがもう一箇所の係
合凹部6bと係合して上記と同じ作用を奏する。
【0032】従って、この排気装置を備えた2サイクル
エンジンでは、メインバルブ2およびサブバルブ4のう
ちの一方、または両方が切り換わるエンジンの中速域に
おいても、エンジンの出力は滑らかに上昇し、快適な加
速を得ることができる。
【0033】また、上記実施例のディテント機構に代え
て、図示しないが、バルブ本体あるいは上述したカム板
等に係合のための突起を形成するとともに、この突起に
係合するバネ手段 (例えば、板バネによって、あるいは
板バネ, コイルスプリング,皿バネの先端に接触片を付
設したもの) によって、ディテント機構を形成してもよ
い。
【0034】また、上記実施例において、両バルブ2、
4の駆動を、カバナー機構により行ったが、このガバナ
ー機構に代えて電動モータを使用することができ、この
場合には上記回動軸9にプーリあるいはスプロケットを
固設し、このプーリをワイヤーを介してあるいはスプロ
ケットをチェーンと駆動スプロケットを介して、電動モ
ータで両バルブを操作するように構成することができ
る。このように電動モータを用いると、ガバナー機構に
比べて電気的にエンジンの回転数に対して自在に、つま
りエンジンの回転数に直接関係することなく、両バルブ
の制御量を得ることができるため、エンジンの出力をさ
らに向上させることができ、あるいはエンジンの回転数
に対する任意の出力特性を得ることが可能となる。ま
た、電動モータを使用した場合にも、上記ディテント機
構をそのまま用いることができるが、それに代えて電動
モータに逆方向のトルク(バルブを閉じる方向のトルク
をいう)を作用させるようにしてもよい。
【0035】また、メインバルブとサブバルブを独立し
た電動モータにより操作できるよう構成すると、さらに
エンジンの出力をさらに向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】本願発明によれば、好く排気孔を全閉に
しうるため、低速域から高速域の全域において高い且つ
円滑な加速性能を得ることができるのはもとより、掃気
孔と副排気孔とのあいだの隔壁を確保できる。従って、
この排気制御装置を備えた2サイクルエンジンを搭載し
た自動二輪車あるいは小型滑走艇においては、フィーリ
ングの良い加速が約束される。
【図面の簡単な説明】
【図1】サブバルブが突出した状態における本願発明の
実施例にかかる排気装置の構成を示す一部断面にしたシ
リンダの排気孔部分の平面図である。
【図2】サブバルブが突出した状態における図1に示す
排気装置の構成を示す一部断面にしたシリンダの排気孔
部分の側面図である。
【図3】サブバルブが後退した状態における図1に示す
排気装置の構成を示す一部断面にしたシリンダの排気孔
部分の平面図である。
【図4】図1の排気装置におけるディテント機構の一例
を示す説明図である。
【図5】従来の排気装置の一例を示す一部断面にした平
面図である。
【図6】図5の排気装置の一部断面にした側面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・主排気孔 2・・・メインバルブ 3・・・副排気孔 4・・・サブバルブ 5・・・駆動手段 6…ディテント機構

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ周壁に形成された主排気孔に主
    バルブが配設され、シリンダ周壁に形成され且つ前記主
    排気孔に連通する副排気孔に副バルブが配設され、前記
    副排気孔がシリンダーの中心軸に直交する水平面に対し
    て傾斜する方向に形成されるとともにシリンダ周壁開口
    部の近傍に水平領域を有し、前記両バルブによって該排
    気孔の開口時期と開口面積とが調整されうるよう構成さ
    れた2サイクルエンジンの排気制御装置において 前記水平領域に連通するように実質的に水平方向の副バ
    ルブ用の挿通孔が形成されており、 前記副バルブが、駆
    動手段によって前記水平方向の挿通孔内に往復動させら
    れることによって前記副排気孔に突出・後退可能なスラ
    イド式バルブとして構成されたことを特徴とする2サイ
    クルエンジンの排気制御装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段が、エンジンの回転により
    作動するガバナー機構と、このガバナー機構の動作を前
    記副バルブに伝達する伝達手段とから構成されており、
    該伝達手段が、前記ガバナー機構からの駆動力によって
    回転させられる歯車と、該歯車に噛合し且つ前記副バル
    ブの移動方向に可動なラック部材とから構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の2サイクルエンジンの
    排気制御装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段が、エンジンの回転に対応
    して制御される電動モータと、この電動モータの動作を
    前記副バルブに伝達する伝達手段とから構成されてお
    り、該伝達手段が、前記電動モータからの駆動力によっ
    て回転させられる歯車と、該歯車に噛合し且つ前記副バ
    ルブの移動方向に可動なラック部材とから構成されいる
    ことを特徴とする請求項1記載の2サイクルエンジンの
    排気制御装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動手段が、前記伝達手段の回動部
    分とエンジンの固定側の間に配設されたディテント機構
    を有しており、該ディテント機構が、副バルブの突出・
    後退動作を行わせる回動軸側に配設され且つ少なくとも
    1つの係合凹部を有するカム板と、エンジンの固定側に
    基部がバネ手段により後退自在に埋設支持され且つ副バ
    ルブが突出した状態のとき上記カム板の係合凹部に係合
    するボールとから構成されていることを特徴とする請求
    項1から請求項3までのいずれか1の項に記載の2サイ
    クルエンジンの排気制御装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段が、前記伝達手段の回動部
    分とエンジンの固定側の間に配設されたディテント機構
    を有しており、該ディテント機構が、副バルブの突出・
    後退動作をおこなわせる回動軸側に形成された係合部
    と、エンジンの固定側に基部が固定され且つ副バルブが
    突出した状態のとき上記係合部に係合して副バルブの後
    退動作に抵抗を与えるバネ手段とから構成されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1
    の項に記載の2サイクルエンジンの排気制御装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段が、エンジンの回転に対応
    して制御される電動モータから構成され、さらに、前記
    副バルブが突出した状態のとき上記電動モータに副バル
    ブ突出方向の回転トルクを与えるように形成された電気
    回路によって構成される阻止手段を有していることを特
    徴とする請求項1記載の2サイクルエンジンの排気制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記歯車の支持軸に貫通孔が形成されて
    おり、該歯車が前記副バルブを突出させて副排気孔を閉
    塞するように回転したときに前記貫通孔が共鳴室と主排
    気孔とを連通せしめ、前記歯車が副バルブを後退させて
    副排気孔を開放するように回転したときに前記支持軸が
    共鳴室と主排気孔との連通を閉塞せしめるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の2サイクルエ
    ンジンの排気制御装置。
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