JP2927781B1 - 2サイクルエンジンの排気制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気制御装置

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JP2927781B1 JP10191611A JP19161198A JP2927781B1 JP 2927781 B1 JP2927781 B1 JP 2927781B1 JP 10191611 A JP10191611 A JP 10191611A JP 19161198 A JP19161198 A JP 19161198A JP 2927781 B1 JP2927781 B1 JP 2927781B1
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Abstract

【要約】 【課題】簡素化した構成により、エンジンの回転数に応
じた主排気バルブのスライド移動および一対の副排気バ
ルブの回転を円滑に連動させることのできる2サイクル
エンジンの排気制御装置を提供する。 【解決手段】シリンダ1内に連通する主排気通路3の両
側に、シリンダ1内と主排気通路3を連結する一対の副
排気通路14を設ける。主排気通路3の開閉タイミング
を調整する板状の主排気バルブ10を、スライド機構2
9により、エンジンの回転数に応じて回転するバルブ駆
動軸33の回転に連動して主排気通路3内へ進退させ
る。副排気通路14を開閉する回転式の副排気バルブ1
8を、バルブ駆動軸33に設けた駆動歯車42と各副排
気バルブ18に設けた従動歯車43とに噛み合う一対の
ラック44により、バルブ駆動軸33の回転に連動して
回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一対の副排気通路
を回転式の副排気バルブで開閉する2サイクルエンジン
の排気制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、2サイクルエンジンでは、主
排気通路の他に一対の副排気通路を主排気通路の両側に
設け、この副排気通路を回転式の副排気バルブにより開
閉する排気制御装置がある(実公平8−5308号公報
参照)。この種の排気制御装置は、副排気通路を低速時
に閉止し高速時に開放して、排気通路の断面積をエンジ
ンの回転速度に見合った大きな面積にすることにより、
高速時の出力を向上させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記排気制御装置は、
連動機構により、一対の回転式の副排気バルブと、主排
気通路の開閉タイミングを調整するスライド式の主排気
バルブとを、エンジンの回転数に応じて連動して作動さ
せているが、この連動機構が複雑な構造になっている。
すなわち、エンジンの回転数に応じて直線移動する駆動
ロッドを設け、一方の副排気バルブは、これと同軸に設
けた第1のピニオンを駆動ロッドのラック歯に噛み合わ
せて、駆動ロッドの移動により回転させる。他方の副排
気バルブは、これと同軸に設けた第2のピニオンを、反
転ギャを介して前記駆動ロッドのラック歯に噛み合わせ
ることにより、一方の副排気バルブと逆方向に回転させ
ている。
【0004】また、前記一対の副排気バルブに連動して
主排気バルブをスライド移動させるために、前記一方の
副排気バルブに、第3のピニオンを同軸状に設けて、こ
の第3のピニオンに、直線移動可能に設けた作動ロッド
を介して、主排気バルブ用の駆動軸に設けた歯車を噛み
合わせる。さらに、前記駆動軸に固定した回動アーム
に、主排気バルブの後端部をピンを介して係合させて、
駆動軸の回転により、主排気バルブを主排気通路内に進
退する方向に移動させる。このように、従来の排気制御
装置は、ピニオンや歯車およびラックの組み合わせを数
多く用いて、回転運動と直線運動との相互変換機構を多
用した複雑な構造になっている。
【0005】そこで本発明は、簡素な構造により、エン
ジンの回転数に応じた主排気バルブのスライド移動およ
び一対の副排気バルブの回転を円滑に連動させることの
できる2サイクルエンジンの排気制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の2サイクルエンジンの排気制御装置は、シ
リンダ内に連通する主排気通路と、前記主排気通路の両
側に設けられて前記シリンダ内と前記主排気通路を連結
する一対の副排気通路と、前記主排気通路内へ進退して
前記主排気通路の開閉タイミングを調整する板状の主排
気バルブと、前記副排気通路を開閉する回転式の副排気
バルブと、エンジンの回転数に応じて回転するバルブ駆
動軸と、前記バルブ駆動軸の回転に連動して前記主排気
バルブを進退させるスライド機構と、前記バルブ駆動軸
に設けた駆動歯車と前記各副排気バルブに設けた従動歯
車とに噛み合い、前記バルブ駆動軸の回転に連動して前
記副排気バルブを回転させる一対のラックとを備えてい
る。
【0007】本発明の2サイクルエンジンの排気制御装
置は、スライド機構が、バルブ駆動軸に連動して主排気
バルブをスライド移動させ、主排気通路内へ進退させ
る。一方、バルブ駆動軸の回転は、バルブ駆動軸の駆動
歯車と副排気バルブの従動歯車とに噛み合って直線運動
するラックを介して、副排気バルブに伝達されることに
より、副排気バルブはバルブ駆動軸の回転に連動して回
転する。したがって、主排気バルブおよび副排気バルブ
には、いずれもバルブ駆動軸の回転が個々に独立した機
構を介して伝達される。
【0008】しかも、バルブ駆動軸と主排気バルブとの
間には、回転運動を単に直線運動に変換するスライド機
構が介在するだけである。また、バルブ駆動軸と一対の
副排気バルブとの間には、一対のラックとこれらラック
の両端部に噛み合う2種の歯車との機構を設けるだけで
よい。さらに、一対のラックを、対応する従動歯車に対
し噛み合わせる方向を選択するだけで、一対の副排気バ
ルブをバルブ駆動軸に対し互いに連動して反対方向また
は同方向に回転させることができる。したがって、この
排気制御装置は、従来装置に比較して構造が簡略化され
る。
【0009】本発明において、さらに、前記シリンダの
上部前方における前記主排気通路および副排気通路の上
方に形成された凹所と、前記副排気バルブの挿入孔と、
前記凹所および挿入孔の上端開口を閉塞するバルブカバ
ーとを有し、前記バルブ駆動軸が前記凹所とバルブカバ
ーとで形成された収納室を貫通して前記凹所の側壁に支
持され、前記収納室に開口するスライド孔に前記主排気
バルブが進退自在に挿入されるとともに、前記主排気バ
ルブのスライド機構が前記収納室に収納され、前記ラッ
クが前記凹所の前後壁に移動自在に支持されている構成
とすることが好ましい。
【0010】これにより、メンテナンスに際しては、バ
ルブカバーを取り外せば、凹所内に収納されている主要
な構成部材が露出状態となるから、これら構成部材を凹
所から容易に取り出して、保守や点検を行える。すなわ
ち、バルブカバーを取り外すことにより、収納室内に収
納されている主排気バルブのスライド機構を凹所の外部
に容易に引き出すことができる。また、収納室内に開口
するスライド孔に挿入されている主排気バルブは、スラ
イド孔から凹所の外部に容易に抜き取ることができる。
【0011】さらに、副排気バルブの挿入孔の上部開口
を閉塞するバルブカバーを取り外すことにより、副排気
バルブを挿入孔から外部に容易に取り出すことができ
る。また、バルブ駆動軸は、収納室を貫通して凹所の側
壁に支持されているから、バルブ駆動軸における凹所内
の箇所に取り付けられている部材を順次取り外せば、こ
のバルブ駆動軸を収納室の側方へ引き抜くことができ
る。このため、この排気制御装置はメンテナンス性が向
上する。しかも、凹所は、シリンダにおける上部前方に
おける主排気通路および副排気通路の上方の作業性の良
い箇所に配置されているから、エンジンを自動二輪車の
車体や小型滑走艇の船体のような基台に取り付けたまま
の状態でも、排気制御装置の各部材の分解作業が可能で
ある。
【0012】上記構成において、前記凹所の前壁に前記
ラックの端部が挿入されるラック支持部材が着脱自在に
装着されている構成とすることもできる。これにより、
保守点検に際して、ラック支持部材を取り外せば、この
取り外した箇所からラックを容易に引き抜くことがで
き、メンテナンス性が一層向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
2サイクルエンジンの排気制御装置を図1ないし図8に
したがって説明する。まず、主排気系について説明す
る。高速回転時におけるシリンダ1を中央で切断した縦
断面図を示す図1において、シリンダ1内には、主排気
ポート2を介して主排気通路3が連通しており、主排気
ポート2は高速回転時に高出力が得られる排気タイミン
グの位置に開口している。シリンダ1の上部前方には凹
所4が形成され、この凹所4の上部開口をバルブカバー
7で覆うことにより、収納室8が形成されている。上記
主排気通路3の上部には、収納室8の凹所4から主排気
通路3に向け斜め下方に貫通するスライド孔9が設けら
れており、このスライド孔9は、長さ方向(スライド方
向)に直交する断面形状が横長の長円形になっている。
【0014】前記スライド孔9の上半部には、主排気通
路3内に進退することにより、ピストン(図示せず)に
よる主排気通路3の開閉タイミングを調整して主排気通
路3からの排気Gの状態(排出タイミング)を変化させ
る板状の主排気バルブ10が、スライド移動自在に挿入
されている。主排気バルブ10は、図3(a)に示すよ
うに、舌片状の本体10aと軸連結部10bとが一体形
成されてなり、本体10aの先端の制御部は、その先端
面10cが図1に示すシリンダ1の内壁面に沿う円弧状
曲面に形成され、さらに、本体10aの下面の先端寄り
の箇所に、係合突部10dが形成されている。
【0015】前記スライド孔9内には、バルブホルダ1
1が主排気バルブ10の下方に配置されて、バルブホル
ダ11の上方のつば部11aの一部分が、ボルト55の
つばの一部で押さえつけられて固定されている。バルブ
ホルダ11の他の固定方法として、バルブホルダ11の
上方のつば部11aに設けた挿通孔にボルトを挿通して
シリンダ11のねじ孔にねじ込むことにより、シリンダ
1に固定してもよい。、このバルブホルダ11における
先端寄りの中央部に沿って設けられた溝状の取付用空間
11a内には、キャップバルブ12が配置されて、その
中間部を支軸13により回転可能に支持されている。キ
ャップバルブ12には、その後端部に主排気バルブ10
の係合突部10dに係合する突起12aが形成され、キ
ャップバルブ12の先端側の下面は、主排気バルブ10
がスライド孔9内に退避した際に、主排気通路3におけ
る主排気ポート2の近くの上壁に沿って位置して、スラ
イド孔9を塞ぎ、主排気通路3の滑らかな内壁面の一部
を形成する形状になっている。
【0016】つぎに、副排気系について説明する。図4
に示すように、前記シリンダ1内と主排気通路3との間
は、補助的な排気通路としての副排気通路14によって
連結されている。前記副排気通路14に連通する副排気
ポート17は、図1から明らかなように主排気ポート2
とほぼ同じ高さ位置、つまりシリンダ軸心方向に沿った
位置に配設されている。副排気通路14は、主排気通路
3の両側に配置して一対設けられており、これら副排気
通路14の途中には、この副排気通路14を開閉する回
転式の副排気バルブ18が設けられている。副排気バル
ブ18は、図3(b)に示すように、円柱体を径方向に
切欠して形成されたバルブ通路部18aと、その残部で
ある弁体部18bとを有している。
【0017】高速回転時における副排気通路17の状態
を示す縦断面図である図2において、副排気バルブ18
は、シリンダ壁における凹所4の後側で上方に開口して
設けられた挿入孔19内に挿入して回転自在に保持され
るとともに、軸受孔21に回転自在に挿入した下端の軸
部20と、上端部をブッシング22により回転自在に保
持された上方の軸体部23とにより、シリンダ1に回転
自在に支持されている。また、図4に示すように、この
実施形態では排気レゾネータ24が設けられており、副
排気バルブ18は、排気レゾネータ24の開閉をも兼ね
るようになっている。これの詳細については後述する。
なお、図4には排気レゾネータ24を片側のみに設けた
場合を例示したが、両側に設けることもできる。
【0018】図1の収納室8には、エンジンの回転数に
対応して主排気バルブ10を主排気通路3に対し進退さ
せるスライド機構29と、主排気バルブ10のスライド
移動に連動して副排気バルブ18を回転させる図2の回
転伝達機構30とが収納されている。図5はシリンダに
おけるシリンダヘッドおよび前記バルブカバー7を除外
した状態の平面図を示し、同図において、スライド機構
29および回転伝達機構30の駆動装置31は、駆動源
であるモータ(図示せず)と、このモータからの回転力
が伝達されるプーリ32と、このプーリ32により回転
されるバルブ駆動軸33とを有しており、モータはエン
ジンの回転数の変化に応じて正逆回転されるものであ
る。前記バルブ駆動軸33は、収納室8を貫通して凹所
4の両側壁34,37に軸受38を介して回転自在に支
持されている。前プーリ32は、バルブ駆動軸33にお
ける凹所4の壁外に突出した一端部に固着されており、
前記モータの回転を受けて、バルブ駆動軸33をエンジ
ンの回転数の変化に応じて90°の範囲内で正逆回転さ
せる。
【0019】まず、前記スライド機構29について説明
する。前記バルブ駆動軸33の中央部には、回動アーム
39が、その基端部39aにバルブ駆動軸33を挿通さ
せ、かつ固定ねじ40を締め付けることにより、バルブ
駆動軸33に固定されている。回動アーム39は、図1
に示すような切欠部39bを有するアーム部39cを一
対備えており、主排気バルブ10の軸連結部10bの後
端に挿通して固着された係合ピン41の両端突出部が、
各アーム部39cの切欠部39bに挿入されて係合して
いる。これにより、主排気バルブ10は、バルブ駆動軸
33の正逆回転が回動アーム39を介し伝達されて、主
排気通路3に対し進退するよう移動される。すなわち、
バルブ駆動軸33の回転に連動して主排気バルブ10を
進退させるためのスライド機構29は、回動アーム39
と係合ピン41のみの簡単な構成となっている。
【0020】つぎに、回転伝達機構30について説明す
る。図5のバルブ駆動軸33には、一対の駆動歯車42
が回動アーム39の両側に位置して固定ねじ40Aによ
り固定されている。一方、図2に示すように、各副排気
バルブ18の軸体部23には、その上端近傍部に従動歯
車43が固定されている。凹所4の前壁49に設けた取
付孔(ねじ孔)60には、ボルト状のラック支持部材5
0がねじ込みにより着脱自在に取り付けられており、一
対のラック44は、駆動歯車42の上方および従動歯車
43の内側方に位置するよう配置されて、その両端部
が、凹所4の後壁47に設けたガイド孔48と、前記ラ
ック支持部材50に設けたガイド孔51とに摺動自在に
挿入されて、ロッド長さ方向に移動自在に支持されてい
る。
【0021】前記ラック44は、その前部下面に形成さ
れた第1のラック歯52が駆動歯車42に噛み合い、か
つ後部側面に形成された第2のラック歯53が従動歯車
43に噛み合っていることにより、バルブ駆動軸33の
回転に連動して副排気バルブ18を回転させる。ここ
で、一対のラック44の第2のラック歯53は、図5に
明示するように、各々の外側面に形成されて、対応する
従動歯車43に対してその内方側から噛み合っている。
そのため、一対のラック44がバルブ駆動軸33の回転
に応じて互いに連動しながら同一方向に移動するのに対
し、一対の従動歯車43、つまり一対の副排気バルブ1
8は、互いに逆方向に回転される。
【0022】つぎに、上記構成の動作について説明す
る。まず、エンジンの回転速度が小さい低速時には、図
6に示すように、バルブ駆動軸33によって回動アーム
39が同図の矢印A方向へ回転されることにより、主排
気バルブ10が主排気通路3に向け前進移動して、主排
気バルブ10の円弧状の先端面10cがシリンダ1の内
壁面に沿った位置で停止して、主排気ポート2の上部が
閉じられる。このとき、主排気バルブ10の係合突部1
0dがキャップバルブ12に摺動してこれを回転させな
がら前進移動することにより、キャップバルブ12は係
合突部10dに密接してスライド孔9の下部を塞ぐ。一
方、副排気バルブ18は、図7に示すように、バルブ駆
動軸33の回転がラック44の直線移動を介して従動歯
車43に伝達されることにより回転され、図8に示すよ
うに、副排気通路14を閉止する状態に保持されてい
る。したがって、低速回転時には、主排気ポート2の上
部が閉塞される分だけ、主排気ポート3の開放タイミン
グが遅れ、かつ副排気通路14の閉止によって総排気通
路面積が縮小するので、低速回転時の出力が高くなる。
【0023】また、低速回転時には、副排気バルブ18
のバルブ通路部18aおよび連通路28を介して、主排
気通路3が排気レゾネータ24に連通される。つまり、
主排気通路3と排気レゾネータ24とが連通して共鳴
し、排気音を低減させるとともに、低速回転時の出力の
低下を抑制する。このように、この実施形態の副排気バ
ルブ18は、排気レゾネータ24の開閉機能をも兼備す
る。
【0024】その後、エンジンの回転速度が所定速度に
なったとき、図示しないモータの回転で、プーリ32
(図5)を介して、図6に示すバルブ駆動軸33および
回動アーム39が矢印B方向へ回転して図1の状態とな
る。すなわち、主排気バルブ10は後端側へスライド移
動して、主排気ポート2からスライド孔9内に退避す
る。このとき、主排気バルブ10の係合突部10dは、
キャップバルブ12の突起12aに係合して、キャップ
バルブ12を支軸13を支点に図1の時計方向に回転さ
せるので、キャップバルブ12の先端側の下面は、主排
気通路3の内壁面に沿った位置となってスライド孔9を
塞ぐ。これにより、主排気ポート2が完全に開かれて、
主排気通路3が全開状態となる。
【0025】一方、図2に示す副排気バルブ18は、バ
ルブ駆動軸33の回転がラック44の直線移動を介し従
動歯車43に伝達されることによって回転し、図4に示
すように、副排気通路14を開放した状態に保持され
る。したがって、総排気通路面積が高速回転時に見合っ
た大きなものとなり、かつ排気のタイミングがエンジン
の回転速度に見合った早いタイミングとなって、高速回
転時の出力が向上する。
【0026】図2に示した副排気バルブ18の回転伝達
機構30は、前記バルブ駆動軸33に設けた一対の駆動
歯車42と、一対の副排気バルブ18に各々設けた従動
歯車43と、駆動歯車42および従動歯車43に噛み合
う一対のラック44とを設けたのみの構成である。しか
も、一対のラック44を一対の従動歯車に対しいずれも
内方側から噛み合わせることにより、一対の副排気バル
ブ18を、反転ギャなどを用いることなく互いに逆方向
に回転させるようにしている。したがって、回転伝達機
構30は、簡単な構成となる。また、一方のラック44
を、対応する従動歯車43に対し外方側から噛み合わせ
るように変更するだけで、一対の副排気バルブ18を互
いに連動して同方向に回転させるように変更することが
できる。
【0027】また、この排気制御装置では、凹所4と共
に収納室8を形成するバルブカバー7を、図1の固定ね
じ54を緩めて抜き取ることによって取り外すと、全て
の主要部材が凹所4内に収納または露呈した状態となる
ので、メンテナンスが容易である。すなわち、バルブカ
バー7を取り外すと、主排気バルブ10は、凹所4に開
口しているスライド孔9にスライド自在に挿入されてい
るので、ピン41の回動アーム39の切欠部39bに対
する係合を解除するとともに、シリンダ1に固定された
バルブホルダ11の固定を解除することにより、バルブ
ホルダ11と共に、スライド孔9から凹所4の外部に容
易に抜き出せる。また、図2の副排気バルブ18は、挿
入孔19に回転自在に挿入されて、下端の軸部20が軸
受孔21に回転自在に挿入されているだけあるから、挿
入孔19から上方に容易に抜き出せる。
【0028】さらに、実施形態の排気制御装置では、ラ
ック44の前端がねじ込み式に取り付けられたラック支
持部材50のガイド孔51に移動可能に挿入された構造
になっているから、このラック支持部材50を取り外す
ことにより、ラック44をラック支持部材50の取付孔
60から前方へ容易に引き抜くことができる。前述の副
排気バルブ18の取り外しは、ラック44の引き抜き後
に行うことによって一層容易となる。また、バルブ駆動
軸33における凹所4の外部に突出した一端部に取り付
けられているプーリ32を取り外し、バルブ駆動軸33
における凹所4内に取り付けられている各固定ねじ4
0,40Aを緩めると、バルブ駆動軸33を他端方向に
抜き抜くことができる。
【0029】また、凹所4は、シリンダ1における上部
前方における主排気通路3および副排気通路14の上方
に形成されて、作業性の良い箇所に配置されているか
ら、エンジンを図示しない自動二輪車の車体のような基
台に取り付けたままの状態でも、前記排気制御装置の各
部材の分解作業が可能である。特に、この種の排気制御
装置では、主排気バルブ10および副排気バルブ18に
すすが付着して溜まる場合があり、掃除をすることが望
まれるので、上述のメンテナス性の向上は大きな利点と
なる。
【0030】なお、前記実施形態では、駆動装置31の
駆動源としてモータを用いた場合について説明したが、
本発明では、前記駆動装置31を機械的な駆動装置とす
ることもできる。機械的な駆動源としては、図示しない
クランク軸に連結されたガバナの回転により、クランク
軸の回転速度が所定値以上になったとき作動する周知の
ガバナ装置がある(特開昭60−249614号公報参
照)。
【0031】また、上記実施形態では、エンジンの回転
数に応じて主排気バルブ10をスライド移動させる場合
を例示して説明したが、この発明では、エンジンの回転
数の他にスロットル開度も加味して、主排気バルブ10
および副排気バルブ18の制御を行うようにしてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の2サイクルエンジ
ンの排気制御装置によれば、主排気バルブおよび副排気
バルブに、いずれもエンジンの回転数に応じて回転する
バルブ駆動軸の回転を、個々に独立した機構を介して伝
達するようにし、バルブ駆動軸とスライド式の主排気バ
ルブとの間には、回転運動を単に直線運動に変換するス
ライド機構のみを介在させ、回転するバルブ駆動軸と回
転式の副排気バルブとの間には、一対のラックとこれら
ラックに噛み合う2つの歯車(駆動歯車および従動歯
車)とを設ける構成としたので、従来装置に比較して構
成を簡略化できる。しかも、一対のラックを、対応する
従動歯車に対し噛み合わせる方向を選択するだけで、一
対の副排気バルブをバルブ駆動軸に対し連動して互いに
反対方向または同一方向に選択的に回転させる構成とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る2サイクルエンジン
の排気制御装置の高速回転時における主排気通路の状態
を示すシリンダの縦断面図である。
【図2】同上排気制御装置の高速回転時における副排気
通路の状態を示すシリンダの縦断面図である。
【図3】(a)は同上排気制御装置における主排気バル
ブの斜視図、(b)は副排気バルブの斜視図である。
【図4】同上排気制御装置の高速回転時における副排気
通路の状態を示すシリンダの平面断面図である。
【図5】同上排気制御装置の低速回転時におけるバルブ
カバーを外した平面図である。
【図6】同上排気制御装置の低速回転時における主排気
通路の状態を示すシリンダの縦断面図である。
【図7】同上排気制御装置の低速回転時における副排気
通路の状態を示すシリンダの縦断面図である。
【図8】同上排気制御装置の低速回転時における副排気
通路の状態を示すシリンダの平面断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、3…主排気通路、4…凹所、7…バルブ
カバー、8…収納室、9…スライド孔、10…主排気バ
ルブ、14…副排気通路、18…副排気バルブ、19…
挿入孔、29…スライド機構、33…バルブ駆動軸、4
2…駆動歯車、43…従動歯車、44…ラック、47…
後壁、49…前壁、50…ラック支持部材。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に連通する主排気通路と、 前記主排気通路の両側に設けられて前記シリンダ内と前
    記主排気通路を連結する一対の副排気通路と、 前記主排気通路内へ進退して前記主排気通路の開閉タイ
    ミングを調整する板状の主排気バルブと、 前記副排気通路を開閉する回転式の副排気バルブと、 エンジンの回転数に応じて回転するバルブ駆動軸と、 前記バルブ駆動軸の回転に連動して前記主排気バルブを
    進退させるスライド機構と、 前記バルブ駆動軸に設けた駆動歯車と前記各副排気バル
    ブに設けた従動歯車とに噛み合い、前記バルブ駆動軸の
    回転に連動して前記副排気バルブを回転させる一対のラ
    ックとを備えた2サイクルエンジンの排気制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記シリンダの上部
    前方における前記主排気通路および副排気通路の上方に
    形成された凹所と、前記副排気バルブの挿入孔と、前記
    凹所および挿入孔の上端開口を閉塞するバルブカバーと
    を有し、 前記バルブ駆動軸が前記凹所とバルブカバーとで形成さ
    れた収納室を貫通して前記凹所の側壁に支持され、 前記収納室に開口するスライド孔に前記主排気バルブが
    進退自在に挿入されるとともに、前記主排気バルブのス
    ライド機構が前記収納室に収納され、 前記ラックが前記凹所の前後壁に移動自在に支持されて
    いる2サイクルエンジンの排気制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記凹所の前壁に前
    記ラックの端部が挿入されるラック支持部材が着脱自在
    に装着されている2サイクルエンジンの排気制御装置。
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