JPH1061444A - 2サイクルエンジンの排気制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気制御装置

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JPH1061444A
JPH1061444A JP8223360A JP22336096A JPH1061444A JP H1061444 A JPH1061444 A JP H1061444A JP 8223360 A JP8223360 A JP 8223360A JP 22336096 A JP22336096 A JP 22336096A JP H1061444 A JPH1061444 A JP H1061444A
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exhaust
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slide valve
main
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D13/00Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing
    • F02D13/02Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing during engine operation
    • F02D13/028Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing during engine operation for two-stroke engines
    • F02D13/0284Variable control of exhaust valves only
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2サイクルエンジンの排気制御装置におい
て、主排気バルブおよび副排気バルブの作動性を向上さ
せ、かつ、排気制御が正確に行え、しかも砂や泥等に対
しても有利な構成とする。 【解決手段】 主排気口14a1に対し摺動自在に設け
られて主排気口14a1の上縁位置を制御するスライド
バルブ16と、回動自在に設けられかつ主排気通路14
aの左右両側に形成された左右の副排気通路14bを開
閉する左右のサイドバルブ18とを備えた2サイクルエ
ンジンの排気制御装置であって、スライドバルブ16に
遠心ガバナを接続すると共に主排気口14a1側のスラ
イドバルブ16の端部に連結ピン62を介して左右のサ
イドバルブ18を連動可能に連結し、さらに左右のサイ
ドバルブ18をスライドバルブ16に対して左右対称に
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2サイクルエンジ
ンの排気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンの排気制御装置の第
1例を図12および図13に示す。この排気制御装置
は、遠心ガバナaによって主排気口bの排気タイミング
を切り換えると同時に、副排気通路cの開閉およびレゾ
ネータ室dの開閉を行うものである。図12(a)およ
び同(b)に示すように、エンジン低速回転域では、フ
ラップバルブeを下げて排気タイミングを遅くし、か
つ、レゾネータ室dをロータリバルブfで開放して、排
気タイミングおよび排気経路をエンジン低速回転に対応
させる。一方、エンジン高速回転域では、図13(a)
および同(b)に示すように、フラップバルブeを上げ
て排気タイミングを速くし、それと共にロータリバルブ
fでレゾネータ室dを閉じて副排気通路cを連通させて
エンジン高速回転に対応させる。
【0003】フラップバルブeは、後端部がピンgによ
ってシリンダhに回動自在に取り付けられており、主排
気通路iの上部に形成された凹部jに出没自在に収納さ
れる。ロータリバルブfは、フラップバルブeの左右両
側に設けられており、一側のロータリバルブfには、ラ
ックk、ピニオンシャフトmおよびドライブシャフトn
を介して遠心ガバナaに連動するリンク機構pが接続さ
れる。これにより、リンク機構pからロータリバルブf
に伝達された駆動力は、ピンwを介してフラップバルブ
eを作動させる。このような動力伝達経路の構成に従っ
て、前記一側のロータリバルブfには、その回動範囲を
規制するストッパボルトqが当接する凹部rが形成され
る。
【0004】また、この従来技術の第1例に関連する技
術として、特開昭63−173817号公報記載の排気
装置が挙げられる。この排気装置では、左右のロータリ
バルブをラックアンドピニオンによって別々に駆動し、
このロータリバルブによる左右からの駆動力によってフ
ラップバルブを回動させている。
【0005】次に、従来の排気制御装置の第2例を説明
する。この排気制御装置は、図14に示すように、排気
通路の上方に二つのスライドバルブs1,s2を摺動自
在に収納し、このスライドバルブs1,s2をその摺動
により排気口に出没させて二段階の排気タイミングを得
るものである。この装置においては、エンジン回転数の
上昇に従って、まず下側のスライドバルブs1を引上げ
て排気タイミングを速くし、エンジン高速回転域ではさ
らにスライドバルブs1を引上げることにより、ピンt
を介して係合した上側のスライドバルブs2を引いて排
気タイミングをエンジン高速回転に対応させる。上側の
スライドバルブs2の上面には、最も排気タイミングが
速い場合(二つのスライドバルブs1,s2を共に引上
げた場合)に排気口上縁を形成する固定板uが設けられ
ており、この固定板uには、上側のスライドバルブs2
が作動するエンジン回転数を制御するための制御用スプ
リングvが収納されている。
【0006】また、特開平5−256139号公報に
は、従来技術の第2例に関連する排気時期制御装置が記
載されている。この排気時期制御装置では、下側のスラ
イドバルブの後端部と左右のロータリバルブとをシリン
ダの外部にてリンクさせている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
従来の排気制御装置には、次のような問題点がある。 (1)第1例の問題点 一側のロータリバルブfを駆動してフラップバルブeを
作動させるものであり、しかも凹部rの存否など左右の
ロータリバルブの形状が異なるため、フラップバルブe
に駆動力が片寄って加わり、フラップバルブeが傾いて
作動性が悪くなる恐れがある。また、左右のロータリバ
ルブfの形状が異なることから、部品の種類が多く、コ
ストが高い。また、特開昭63−173817号公報記
載の排気装置にあっては、ラックアンドピニオンによる
ギア駆動機構が排気熱を受けると、各軸間の伸び等によ
りギアの噛合いがずれる恐れがあり、制御の正確性に欠
ける。
【0008】(2)第2例の問題点 上側のスライドバルブs2の制御用スプリングvが固定
板uに内蔵されているため、上側のスライドバルブs2
の動作点の微調整を行うためには、制御用スプリングv
の交換が必要となり、また一般のユーザが簡単に調整す
ることもできない。また、制御用スプリングvが排気ガ
ス中に存在するため、長時間使用すると制御用スプリン
グvに荷重変化が起きる恐れもある。また、特開平5−
256139号公報の排気時期制御装置では、下側のス
ライドバルブと左右のロータリバルブとがシリンダ外部
にてリンクされているため、砂や泥、水等に対して不利
な構造となっている。
【0009】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、排気タイミングを可変とする主排気
バルブおよび副排気通路を開閉する副排気バルブの作動
性を向上させ、かつ、排気制御を正確に行うことがで
き、しかも砂や泥等に対しても有利であり、さらに制御
用スプリングの設定荷重を維持することができると共に
制御用スプリングの微調整を外部から行える2サイクル
エンジンの排気制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、次のような構成を有する。請求項1の発明
は、主排気口に対し摺動自在に設けられて該主排気口の
上縁位置を制御する主排気バルブと、回動自在に設けら
れて、主排気通路の左右両側に形成された左右の副排気
通路を開閉する左右の副排気バルブとを備えた2サイク
ルエンジンの排気制御装置において、前記主排気バルブ
に駆動源を接続すると共に主排気口側の主排気バルブの
端部に連結ピンを介して前記左右の副排気バルブを連動
可能に連結し、さらに左右の副排気バルブを主排気バル
ブに対して左右対称に配置したことを特徴とする2サイ
クルエンジンの排気制御装置である。
【0011】請求項2の発明は、前記主排気口の上縁位
置を二段階制御する二つの主排気バルブを上下に重ねて
備え、かつ、下側の主排気バルブに駆動源を接続したも
のであって、上側の主排気バルブの作動を制御する制御
用スプリングをシリンダ構成部品の壁部に内蔵させ、該
壁部の外側に前記制御用スプリングの荷重を調整するた
めの操作体を設けたことを特徴とする請求項1記載の2
サイクルエンジンの排気制御装置である。
【0012】請求項1の発明によれば、主排気バルブに
駆動源を直接接続したので、副排気バルブを介して主排
気バルブを作動させるものに比べ、主排気バルブの作動
性が向上する。また、この主排気バルブを挟んで左右対
称位置に左右の副排気バルブを設けたので、左右の副排
気バルブは、共に略同一の駆動力を主排気バルブから受
けて良好に作動する。また、左右の副排気バルブを同一
形状に形成することができるため、部品の種類を減らす
ことができると同時に、より一層主排気バルブの作動性
を向上させることができる。
【0013】また、主排気バルブの主排気口側の端部に
連結ピンを介して前記左右の副排気バルブを連結したの
で、ギア駆動機構のような作動ずれが発生しなくなると
共に砂や泥等に対して有利になる。
【0014】請求項2の発明によれば、上側の主排気バ
ルブの制御用スプリングをシリンダ構成部品の壁部に内
蔵させたので、排気ガスによる荷重変化が起きず、設定
荷重を維持することができる。また、シリンダ構成部品
の側壁部の外側に前記制御用スプリングの設定荷重を調
整するための操作体を設けたので、一般のユーザでも、
シリンダ構成部品を分解することなく制御用スプリング
の微調整を簡単に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。まず、第1実施形態の排気制御装置
について説明する。この第1実施形態は、図1に示す自
動二輪車に本発明の排気制御装置を適用したものであ
り、この自動二輪車は、前輪2および後輪4と、前輪2
および後輪4の間に配設されたエンジン6とを備える。
このエンジン6は、2サイクルエンジンであり、クラン
クケース8と、クランクケース8の前部上面に締着され
たシリンダ10とを有する。シリンダ10前部の排気側
には、排気マフラ12が接続されている。
【0016】排気制御装置は、図2(a)および同
(b)に示すように、主排気口14a1に対し摺動自在
に設けられて主排気口14a1の上縁位置を制御するス
ライドバルブ(主排気バルブに相当)16と、回動自在
に設けられかつ主排気通路14aの左右両側に形成され
た左右の副排気通路14bを開閉する左右のサイドバル
ブ(副排気バルブに相当)18とを備えたものである。
以下、装置の各部の構成を説明する。
【0017】シリンダ10は、図2(a)に示すよう
に、内面でピストンを摺動させるボア部20と、車両後
方側に突設されて内部にリードバルブ22を備えた吸気
通路24と、車両前方側に突設された前記主排気通路1
4aとを備える。前記副排気通路14bは、主排気通路
14aを挟んで左右両側に対称的に設けられていて、ボ
ア部20と主排気通路14aとを連通する。主排気通路
14aの上方には、スライドバルブ16を収容するバル
ブ孔26が形成されており、このバルブ孔26に対して
主排気口14a1と反対側には、バルブ孔26に連通し
た機械室28が設けられている。この機械室28には、
シリンダ10の前上部にカバー30をボルト30aで締
着することにより閉塞される。
【0018】スライドバルブ16は、バルブ孔26内に
摺動自在に収納されていて主排気通路14aに対し出没
可能である。主排気口14a1と反対側のスライドバル
ブ16の端部は機械室28に突出しており、この突出し
た部分には、筒状のストッパ32が嵌着される。スライ
ドバルブ16は、その先端縁がボア部20に一致した状
態において、バルブ孔26の後端にビス34で締着され
たストッパプレート36に前記ストッパ32が当接して
位置決めされる。
【0019】また、前記突出した部分には、図3に示す
ように、ストッパ32を貫通するように左右方向に駆動
ピン38が設けられており、この駆動ピン38には、装
置を駆動するための駆動源が接続される。この実施形態
の場合、装置の駆動源はクランクシャフト(図示略)に
従動するガバナシャフト40であり、このガバナシャフ
ト40には、遠心ガバナ42が嵌着される。遠心ガバナ
42は、バルブロッド44、バルブレバー46、バルブ
シャフト48およびバルブアーム50を介して前記駆動
ピン38に接続され、スライドバルブ16に駆動力を付
与する。ここでバルブシャフト48は、その左右両端部
が機械室28の左右の側壁部10aに回転自在に支持さ
れたものであり、バルブアーム50は、バルブシャフト
48の軸方向略中央部にボルト50aで締着される。
【0020】バルブシャフト48におけるバルブレバー
46と反対側の端部には、図3に示すように、スライド
バルブ16を突出方向に付勢してスライドバルブ16の
作動を制御する制御用スプリング52が設けられ、この
制御用スプリング52は、機械室28の側壁部10aに
形成されたスプリング室54に収納される。スプリング
室54の外側には、制御用スプリング52の外端を支持
する操作キャップ56が設けられる。また、制御用スプ
リング52の外端は、操作キャップ56の内面に係止さ
れており、操作キャップ56を回転操作することにより
制御用スプリング52のねじり方向の荷重が変更可能と
なっていて、この荷重の設定により、スライドバルブ1
6が作動するときのエンジン回転数が決まる。また、操
作キャップ56は、シリンダ10の側壁部10aにボル
ト58で締着されるリテーナ60によって、制御用スプ
リング52の荷重設定後に固定される。
【0021】左右のサイドバルブ18は、図2(a)お
よび同(b)に示すように、主排気口14a1側のスラ
イドバルブ16の端部に連結ピン62を介して連動可能
に接続され、さらに図3に示すようにスライドバルブ1
6に対して(ボア部20の中心軸に対して)左右対称に
配置されている。各サイドバルブ18は、図2(b)お
よび図5に示すように、副排気通路14bの途中位置で
回動して副排気通路14bおよびレゾネータ室64の開
閉を行う略半円柱状のバルブ部18aと、このバルブ部
18aの外側に一体形成された小径の軸部18bとから
なる。バルブ部18aの軸芯からずれた位置には、連結
ピン62の端部が挿入される長孔18a1が形成されて
いる。連結ピン62は、スライドバルブ16の摺動時に
ガイド孔26bに案内されながら長孔18a1内を移動
することにより、スライドバルブ16の直線運動をサイ
ドバルブ18の回転運動に変換する。
【0022】軸部18bは、図5に示すように、シリン
ダ10の側壁部10aに設けた軸孔10a1にボールベ
アリング66を介して回転自在に支持されており、ボー
ルベアリング66の内輪66aの左右両側面は、バルブ
部18aの側面とリテーナ68との間に挟まれた状態で
ボルト70で締着される。この締着状態においてサイド
バルブ18は、連結ピン62の端部と内輪66aとによ
って軸方向に位置決めされる。
【0023】本実施形態においては、図5に示すバルブ
部18aの外径d1をボールベアリング66の外輪66
bの内径D1よりも大きく(例えば外輪66bの内径D
1の約109%よりも大きく)設定しており、これによ
って、ボールベアリング66の内輪66aと外輪66b
との間の空間は、バルブ部18aの側面により副排気通
路14bに対して略閉塞されている。また、ボールベア
リング66のラジアル隙間は例えば約40μm以下に設
定され、ボールベアリング66によるサイドバルブ18
のガタを極力小さくしている。なお、軸孔10a1にお
けるボールベアリング66の外側には、Oリング72を
介してキャップ74が挿着され、このキャップ74はシ
リンダ10にビス76により固定される。
【0024】以上のような構成を有する第1実施形態の
排気制御装置の動作を説明する。まずエンジン低速回転
域では、前記制御用スプリング52の付勢力によって、
図2(a)および同(b)に示すように、スライドバル
ブ16は最も主排気通路14a内に突出した状態にあ
り、主排気口14a1の上縁位置を下げ、排気タイミン
グを遅くする。また、サイドバルブ18は、レゾネータ
室64を開き補助排気通路14bを遮断する。
【0025】エンジン低速回転域から高速回転域に入る
と、遠心ガバナ42が働いてバルブシャフト48が回転
し、図6(a)および同(b)に示すように、バルブア
ーム50によってスライドバルブ16が引上げられる。
このため、主排気口14a1の上縁位置が上がって排気
タイミングが速くなる。一方、左右のサイドバルブ18
は、スライドバルブ16の動作に従って連結ピン62お
よび長孔18a1を介して連動し、補助排気通路14b
を連通させかつレゾネータ室64を閉じる。
【0026】このように作用する第1実施形態によれ
ば、スライドバルブ16に駆動源を直接接続したので、
サイドバルブを介してスライドバルブを作動させるもの
に比べ、スライドバルブ16の作動性が向上する。ま
た、このスライドバルブ16を挟んで左右対称位置に左
右のサイドバルブ18を設けたので、左右のサイドバル
ブ18は、共に略同一の駆動力をスライドバルブ16か
ら受けて良好に作動し、スライドバルブ16の作動に対
して悪影響を与えることもない。また、左右のサイドバ
ルブ16を同一形状に形成できるので、部品加工の共通
化による治具の共通化および部品の種類の削減を図るこ
とができる。
【0027】また、主排気口14a1側のスライドバル
ブ16の端部に連結ピン62を介して左右のサイドバル
ブ18を連結したので、その連結部分がシリンダ10に
収まるため、ギア駆動機構のような排気熱の影響による
作動ずれが発生することがなくなる。また、砂や泥等に
対しても有利な構造となる。
【0028】また、サイドバルブ18をボールベアリン
グ66により支持したので、サイドバルブ18の作動性
が良好になり、それと共に、ボールベアリング66の内
輪66aと外輪66bとの間の空間をバルブ部18aの
側面によって略閉塞したので、ボールベアリング66内
部への排気ガスの漏れを防止でき、排気ガスによるサイ
ドバルブ18の作動不良をなくすことができる。
【0029】また、連結ピン62の端部とボールベアリ
ング66の内輪66aとによってサイドバルブ18が軸
方向に位置決めされるので、サイドバルブ18が軸方向
において他部品と接触する心配がない。よって、他部品
との接触によるサイドバルブ18の作動抵抗の増加をな
くし、作動性をより向上させることができる。
【0030】また、ボールベアリング66のラジアル隙
間を例えば約40μm以下に設定してボールベアリング
66によるサイドバルブ18のガタを極力小さくしたの
で、片持ちによるサイドバルブ18の倒れを防止し、サ
イドバルブ18の作動抵抗をより低減することができ
る。
【0031】続いて、第2実施形態の2サイクルエンジ
ンの排気制御装置を図7〜図11を参照して説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態の基本構成に対し
て、図7(a)に示すように、主排気口14a1の上縁
位置を二段階制御する二つのスライドバルブ(二つの主
排気バルブに相当)78,80を上下に重ねて備え、か
つ、下側のスライドバルブ80をバルブアーム50に連
結したものである。なお、前記第1実施形態と略同様の
構成については、同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0032】下側のスライドバルブ80は、図7(a)
および同(b)に示すように、前記第1実施形態のスラ
イドバルブ16と同様に、後部が駆動ピン38を介して
バルブアーム50に駆動される一方、前部が連結ピン6
2を介してサイドバルブ18に接続される。下側のスラ
イドバルブ80の上面には、上方に開放した凹部80a
が形成されている。
【0033】上側のスライドバルブ78は、下側のスラ
イドバルブ80よりも薄く形成されており、その下面に
は、前記凹部80aに係合可能な係合突起78aが設け
られる。また、上側スライドバルブ78の上面には、バ
ルブ孔26の内面に突設されたストッパ26aに当接可
能な凹部78bが設けられている。また、上側スライド
バルブ78の後端は、機械室28の後部まで延設されて
おり、その後端には、上側のスライドバルブ78を突出
方向に押圧して付勢する押圧アーム82の前面が接触し
ている。この押圧アーム82は、図8に示すように、カ
バー30に回転自在に支持されたバルブシャフト84に
ボルト86で固定されており、このバルブシャフト84
の一側の軸端は、カバー30の一側の側壁部30bまで
延びている。
【0034】カバー30の側壁部(シリンダ構成部品の
壁部に相当)30bには、上側のスライドバルブ78を
突出方向に付勢するための制御用スプリング88を収納
するスプリング室90や、この制御用スプリング88の
荷重を調整可能な操作キャップ(操作体に相当)92が
設けられる。これら制御用スプリング88やスプリング
室90、操作キャップ92は、前記第1実施形態で説明
した制御用スプリング88等と同様の機能を有するもの
であるが、この場合の操作キャップ92は、制御用スプ
リング88の荷重設定後に、カバー30の側壁部30b
に螺合されるビス94によって締着される。
【0035】なお、この第2実施形態において、サイド
バルブ18の軸部外周へのボールベアリング66の固定
については、ボルトおよびリテーナを用いずに圧入等に
より固定している。
【0036】このような構成を有する第2実施形態の排
気制御装置は、次のように動作する。まずエンジン低速
回転域では、二つの制御用スプリング52,88それぞ
れの付勢力によって、図7(a)および同(b)に示す
ように、上下両方のスライドバルブ78,80が主排気
通路14a内に突出した状態にある。したがって、主排
気口14a1の上縁位置は下側のスライドバルブ80の
先端縁になり、排気タイミングは最も遅いものとなって
いる。また、サイドバルブ18はレゾネータ室64を開
き、補助排気通路14bを遮断している。
【0037】この状態からエンジン中速回転域に入る
と、遠心ガバナ42が働いて、図10(a)および同
(b)に示すように、バルブシャフト48が先ず下側の
スライドバルブ80用の制御用スプリング52の付勢力
に打ち勝って回転し、バルブアーム50によって下側の
スライドバルブ80のみが引上げられる。これにより、
主排気口14a1の上縁位置がやや上がって排気タイミ
ングが速くなる。一方、左右のサイドバルブ18は、ス
ライドバルブ80の動作に従って連結ピン62および長
孔18a1を介して連動し、補助排気通路14bを部分
的に連通させかつレゾネータ室64を略閉じる。
【0038】エンジン高速回転域に入ると、さらに遠心
ガバナ42が働いて、図11(a)および同(b)に示
すように、バルブシャフト48が上側のスライドバルブ
78用の制御用スプリング88の付勢力にも打ち勝って
回転し、下側のスライドバルブ80がさらに引上げられ
る。このとき、下側のスライドバルブ80の凹部80a
の前面が上側のスライドバルブ78の係合突起78a前
面に当接した状態にあるため、下側のスライドバルブ8
0と一緒に、上側のスライドバルブ78も凹部78b前
面がストッパ26a前面に当接するまで移動する。この
ため、主排気口14a1の上縁位置が最も上がって排気
タイミングが最も速くなる。一方、左右のサイドバルブ
18は、スライドバルブ80の動作に従ってさらに回動
し、補助排気通路14bを完全に連通させかつレゾネー
タ室64を閉塞する。
【0039】このように動作する第2実施形態において
は、エンジン中速回転域から低速回転域への排気タイミ
ングの切り替え点に係る制御用スプリング88をカバー
30の側壁部30bに内蔵させたので、排気ガスによる
荷重変化が起きず、制御用スプリング88の設定荷重を
安定的に維持することができる。また、ビス94を緩め
て操作キャップ92を回すことで、容易に制御用スプリ
ング88の荷重を調整できるので、一般のユーザでも、
シリンダ構成部品を分解することなく制御用スプリング
88の微調整を簡単に行える。
【0040】なお、本実施形態は本発明の好適な実施の
態様であり、本発明の技術的範囲は本実施形態に限定さ
れない。
【0041】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、排
気タイミングを可変とする主排気バルブおよび副排気通
路を開閉する副排気バルブのそれぞれの作動性を向上さ
せることができる。また、ギア駆動機構のような排気熱
の影響による作動ずれを無くして排気制御を正確に行う
ことができる。また、砂や泥等に対して有利に構成する
こともできる。さらに、二段目のスライドバルブに係る
制御用スプリングの設定荷重を安定的に維持することが
できると共に、この制御用スプリングの微調整をエンジ
ン外部から簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態および第2実施形態に係る自動二
輪車の側面図である。
【図2】第1実施形態におけるエンジン低速回転域での
排気制御装置の状態を示す断面図であって、(a)は主
排気通路を通る切断面で切断した図、(b)は副排気通
路を通る切断面で切断した図である。
【図3】第1実施形態の排気制御装置全体を概略的に示
す断面図である。
【図4】第1実施形態に係るエンジンの側面図である。
【図5】第1実施形態に係るサイドバルブ周辺の拡大断
面図である。
【図6】第1実施形態におけるエンジン高速回転域での
排気制御装置の状態を示す断面図であって、(a)は主
排気通路を通る切断面で切断した図、(b)は副排気通
路を通る切断面で切断した図である。
【図7】第2実施形態におけるエンジン低速回転域での
排気制御装置の状態を示す断面図であって、(a)は主
排気通路を通る切断面で切断した図、(b)は副排気通
路を通る切断面で切断した図である。
【図8】第2実施形態の排気制御装置全体を概略的に示
す断面図である。
【図9】第2実施形態に係るシリンダの側面図である。
【図10】第2実施形態におけるエンジン中速回転域で
の排気制御装置の状態を示す断面図であって、(a)は
主排気通路を通る切断面で切断した図、(b)は副排気
通路を通る切断面で切断した図である。
【図11】第2実施形態におけるエンジン高速回転域で
の排気制御装置の状態を示す断面図であって、(a)は
主排気通路を通る切断面で切断した図、(b)は副排気
通路を通る切断面で切断した図である。
【図12】従来の排気制御装置の第1例におけるエンジ
ン低速回転域での状態を示す図であって、(a)は装置
全体を示す概略図、(b)はシリンダの断面図である。
【図13】従来の排気制御装置の第1例におけるエンジ
ン高速回転域での状態を示す図であって、(a)は装置
全体を示す概略図、(b)はシリンダの断面図である。
【図14】従来の排気制御装置の第2例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
14a 主排気通路 14a1 主排気口 14b 副排気通路 16 主排気バルブ 18 副排気バルブ 30 カバー(シリンダ構成部品に相当) 30b 側壁部(壁部に相当) 62 連結ピン 78,80 二つの主排気バルブ 88 制御用スプリング 92 操作キャップ(操作体に相当)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主排気口に対し摺動自在に設けられて該
    主排気口の上縁位置を制御する主排気バルブと、回動自
    在に設けられて、主排気通路の左右両側に形成された左
    右の副排気通路を開閉する左右の副排気バルブとを備え
    た2サイクルエンジンの排気制御装置において、 前記主排気バルブに駆動源を接続すると共に主排気口側
    の主排気バルブの端部に連結ピンを介して前記左右の副
    排気バルブを連動可能に連結し、さらに左右の副排気バ
    ルブを主排気バルブに対して左右対称に配置したことを
    特徴とする2サイクルエンジンの排気制御装置。
  2. 【請求項2】 前記主排気口の上縁位置を二段階制御す
    る二つの主排気バルブを上下に重ねて備え、かつ、下側
    の主排気バルブに駆動源を接続したものであって、 上側の主排気バルブの作動を制御する制御用スプリング
    をシリンダ構成部品の壁部に内蔵させ、該壁部の外側に
    前記制御用スプリングの荷重を調整するための操作体を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の2サイクルエン
    ジンの排気制御装置。
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