JP3293352B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JP3293352B2
JP3293352B2 JP21001694A JP21001694A JP3293352B2 JP 3293352 B2 JP3293352 B2 JP 3293352B2 JP 21001694 A JP21001694 A JP 21001694A JP 21001694 A JP21001694 A JP 21001694A JP 3293352 B2 JP3293352 B2 JP 3293352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関の運転条件に応じ
て複数のカムを切換える内燃機関の可変動弁装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、通常回転域の出力を重視したカム
と、それより高回転域の出力を重視したカムとを備え、
機関回転数によってこの2つのカムを切換える可変動弁
装置が知られている。
【0003】この種の動弁装置として、例えば特開昭6
3−147009号公報に開示されたものを図7に基づ
いて説明する。
【0004】それぞれの揺動先端が弁に当接する一対の
ロッカアーム80,81に対して、弁との当接部位を持
たないサブロッカアーム83がロッカシャフト82を介
して揺動可能に支持され、各ロッカアーム80,81に
は低速用カムが、サブロッカアーム83には各低速用カ
ムよりも開弁角度または弁リフト量が大きいプロフィー
ルを有する高速用カムがそれぞれ摺接される。
【0005】各ロッカアーム80,81とサブロッカア
ーム83には、ロッカシャフト82から所定の距離だけ
離れた揺動部位においてロッカシャフト82と平行な方
向に、第一ピン84、第二ピン85、リテーナ86がそ
れぞれ摺動自在に嵌合して設けられる。リテーナ86の
一端にはリターンスプリング87が介装される。
【0006】リターンスプリング87の付勢力により同
図に示すように第一ピン84と第二ピン85がロッカア
ーム84またはサブロッカアーム80の各嵌合孔内にそ
れぞれ収まる非係止位置に保持される。この状態で各ロ
ッカアーム80,81はサブロッカアーム83と独立し
て揺動し、低速用カムに従動して各弁を開閉する。
【0007】第一ピン84の一端には油圧室88が画成
され、運転条件に応じて油圧通路89を通して油圧室8
8に導かれる油圧によりリターンスプリング87の付勢
力に抗して、第一ピン84と第二ピン85がロッカアー
ム80、サブロッカアーム83またはロッカアーム81
の各嵌合孔内に渡って嵌合する係止位置に移動する。こ
の状態で各ロッカアーム80,81はサブロッカアーム
83に対して拘束され、高速用カムに従動して各弁を開
閉する。
【0008】可変バルブリフト機構の作動を判定するた
めに、非係止位置にあるリテーナ86の背後空間90に
連通する信号油圧通路91が配設される。信号油圧通路
91は、オイルポンプの吐出側に連通される。信号油圧
通路91は、図のように非係止位置にあるリテーナ86
の背後空間90に連通した状態で圧力が低く保たれ、係
止位置に移動した第二ピン85によって閉塞された状態
で圧力が上昇する。
【0009】信号油圧通路91の圧力を検知する油圧セ
ンサが設けられ、油圧センサの検出信号はコントロール
ユニットに送られる。コントロールユニットは、油圧セ
ンサの検出信号に基づいて、信号油圧通路91に生じる
油圧が所定値より低い場合に、第一ピン84と第二ピン
85が非係止位置にあると判定し、信号油圧通路91に
生じる油圧が所定値以上に上昇した場合に、第一ピン8
4と第二ピン85が係止位置にあると判定するようにな
っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来装置にあっては、可変バルブリフト機構の作動
を判定するうえで、常時信号油圧通路91にオイルを供
給して油圧をかける必要があるため、オイルポンプの容
量増大を招き、オイルポンプの駆動損失が大きくなると
いう問題点があった。
【0011】また、信号油圧通路91は、リテーナ86
の背後空間90に連通した状態でも、オイルの流れに対
して各通路部の抵抗が付与されてある程度の油圧か発生
し、第二ピン85によって閉塞されるのに伴って上昇す
る油圧変化を大きく設定することが難しい。このため、
油圧センサに高い検出精度が要求され、製品のコストア
ップを招くという問題点があった。
【0012】本発明はこのような従来の課題を解決し、
可変バルブリフト機構の作動を正確に判定できる内燃機
関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、弁の
リフト特性を変化させる可変バルブリフト機構と、前記
可変バルブリフト機構を駆動する油圧プランジャと、
油圧プランジャを摺動可能に嵌合させる油圧シリンダ
と、前記油圧シリンダと前記油圧プランジャとによって
画成される油圧室と、前記油圧室に作動油圧を導く油圧
通路と、前記油圧シリンダの途中に開口して、前記油圧
プランジャがストロークする過程で前記油圧室に連通す
る信号油圧通路と、前記信号油圧通路に導かれる油圧を
検知し、検知された油圧に基づいて前記可変バルブリフ
ト機構の作動状態を判定する作動判定手段と、を備え、
前記信号油圧通路が前記油圧室と連通する時には、オイ
ルポンプからの作動油圧を前記油圧通路、前記油圧室を
経て前記信号油圧通路へと導き、前記信号油圧通路が
油圧室と遮断される時には、前記油圧プランジャによ
り前記油圧室を保持したまま、前記信号油圧通路内に
大気圧が導かれる。
【0014】請求項2に記載の発明は、プロフィールの
異なる複数のカムと、ロッカシャフトを介して揺動可能
に支持され、前記カムに追従して揺動することにより弁
を開閉駆動するロッカアームと、前記ロッカアームが追
従する前記カムを切り換えるプロップと、可変バルブリ
フト機構を駆動する油圧プランジャと、前記油圧プラン
ジャを摺動可能に嵌合させる油圧シリンダと、前記油圧
シリンダと前記油圧プランジャとによって画成される油
圧室と、前記油圧室に作動油圧を導く油圧通路と、前記
油圧シリンダの途中に開口して、前記油圧プランジャが
ストロークする過程で前記油圧室に連通する信号油圧通
路と、前記信号油圧通路に導かれる油圧を検知し、検知
された油圧に基づいて前記可変バルブリフト機構の作動
状態を判定する作動判定手段と、を備え、前記信号油圧
通路が前記油圧室と連通する時には、オイルポンプから
の作動油圧を前記油圧通路、前記油圧室を経て前記信号
油圧通路へと導き、前記信号油圧通路が前記油圧室と遮
断される時には、前記油圧プランジャにより前記油圧室
を保持したまま、前記信号油圧通路内に大気圧が導か
れる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、信号油圧通路を油圧シリンダ
より上方に配置する。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、可変バルブリフト機構に油圧プランジ
ャの端面に摺接して従動するプロップを備え、油圧プラ
ンジャの外周面に信号油圧通路から流下するオイルを油
圧プランジャの端面に導く導油溝を形成する。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明において、油圧室に導かれ
る作動油圧が低下して、油圧プランジャが油圧シリンダ
の奥部に保持されている運転状態では、信号油圧通路が
油圧室に連通せず、信号油圧通路の圧力が低下する。
【0018】油圧室に導かれる作動油圧が上昇して、油
圧プランジャが油圧シリンダの奥部から離れている運転
状態では、信号油圧通路が油圧室に連通して昇圧する。
【0019】このようにして、油圧プランジャのストロ
ークに応じて信号油圧通路に導かれる圧力は大きく変化
するため、検知された信号油圧通路の油圧に基づいて可
変バルブリフト機構の作動状態を正確に判定することが
できる。
【0020】また、油圧プランジャのストロークに応じ
て信号油圧通路に導かれる圧力は大きく変化するため、
高い油圧検出精度が要求されることがなく、製品のコス
トダウンがはかれる。
【0021】また、可変バルブリフト機構の作動状態を
判定するために、オイルポンプの容量増大を招くことが
なく、オイルポンプの駆動負荷が増大することを回避で
きる。
【0022】請求項2記載の発明において、油圧プラン
ジャに従動するプロップを介して弁の開閉作動に携わる
カムが切換えられる。
【0023】油圧室に導かれる作動油圧が低く保たれ、
油圧プランジャが油圧シリンダの奥部に保持されている
運転状態では、信号油圧通路が油圧室に連通せず、信号
油圧通路の圧力が低下する。
【0024】油圧室に導かれる作動油圧が上昇して、油
圧プランジャが油圧シリンダの奥部から離れている運転
状態では、信号油圧通路が油圧室に連通して昇圧する。
【0025】このようにして、油圧プランジャのストロ
ークに応じて信号油圧通路に導かれる圧力は大きく変化
するため、検知された信号油圧通路の油圧に基づいてプ
ロップによるカムの切換えを正確に判定することができ
る。
【0026】請求項3に記載の発明は、信号油圧通路を
油圧シリンダより上方に配置したため、油圧室に導かれ
る作動油圧が低下し、油圧プランジャが油圧シリンダの
奥部に向けてストロークする過程で、信号油圧通路に溜
まったオイルが油圧シリンダに流下し、油圧プランジャ
の摺接部を潤滑する。
【0027】油圧室に導かれる作動油圧が上昇して、油
圧プランジャが油圧シリンダの奥部から離れる方向にス
トロークする過程で、油圧室に供給される加圧オイルの
一部が油圧プランジャと油圧シリンダの隙間を通って漏
れだし、油圧プランジャの摺動部を潤滑する。
【0028】請求項4に記載の発明は、油圧プランジャ
の外周面に信号油圧通路から流下するオイルを油圧プラ
ンジャの断面に導く導油溝を形成したため、油圧プラン
ジャが油圧シリンダの奥部に向けてストロークする過程
で、信号油圧通路に溜まったオイルが導油溝に流下し、
導油溝を通って油圧プランジャの端面とプロップの摺接
部を潤滑する。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0030】図4に示すように、吸気カムシャフト20
は一対の低速カム21と、各低速カム21の間に位置し
た高速カム22を有する。低速カム21とこれに隣接す
る高速カム22はそれぞれ共通のカムシャフト20に一
体形成され、エンジンの低回転時と高回転時において要
求される弁リフト特性を満足するように、高速カム22
は低速カム21と比べ、弁リフト量および開弁角度を共
に大きくするプロフィールを有している。
【0031】図3に示すように、各気筒には2本の吸気
弁9に対応して単一のメインロッカアーム1が設けられ
る。メインロッカアーム1の基端は各気筒に共通なロッ
カシャフト3を介してシリンダヘッド4に揺動可能に支
持される。メインロッカアーム1の先端は各吸気弁9の
ステム頂部に摺接し、メインロッカアーム1の揺動に伴
って各吸気弁9をバルブスプリング8を伸縮させながら
開閉駆動するようになっている。
【0032】メインロッカアーム1には一対の低速カム
21に摺接する一対のカムフォロワ部14が設けられ、
各カムフォロワ部14の間に単一のサブロッカアーム2
が設けられる。
【0033】図5に示すように、サブロッカアーム2の
基端はサブロッカシャフト16を介してメインロッカア
ーム1に相対回転可能に連結される。サブロッカシャフ
ト16は、サブロッカアーム2に形成された穴17とメ
インロッカアーム1に形成された穴18にそれぞれ摺動
可能に嵌合され、その両端部にリング19が嵌められ
て、抜け止めが行われる。
【0034】サブロッカアーム2は吸気弁9に当接する
部位を持たず、その先端には高速カム22に摺接するカ
ムフォロア部23が円弧状に突出して形成される。
【0035】図1に示すように、サブロッカアーム2を
高速カム22に追従させるロストモーション機構とし
て、サブロッカアーム2に摺動自在に収装されるリフタ
41が設けられるとともに、メインロッカアーム1に当
接するリフタ41を介してサブロッカアーム2を高速カ
ム22に押し付けるロストモーションスプリング25が
介装される。
【0036】メインロッカアーム1とサブロッカアーム
2の間には、両者の相対回転を係止して、各吸気弁9の
開閉作動に携わるカムを低速カム21から高速カム22
へと切換える可変バルブリフト機構が設けられる。
【0037】この可変バルブリフト機構として、メイン
ロッカアーム1には、プロップ31がシャフト32を介
して回動可能に連結される。プロップ31は、その一端
がサブロッカアーム2の下端に係合する係止位置と、そ
の一端がサブロッカアーム2の下端から外れる非係止位
置に渡って相対回転するようになっている。
【0038】プロップ31は、その一端がサブロッカア
ーム2の下端に係合することにより、メインロッカアー
ム1に対するサブロッカアーム2の相対回転を係止する
ようになっている。
【0039】プロップ31を非係止位置と係止位置とに
切換えるため、プロップ31とメインロッカアーム1の
間には、プロップ32を非係止位置に付勢するスプリン
グ33が介装されるとともに、スプリング33に抗して
サブロッカアーム2を係止位置に回動させる油圧プラン
ジャ30が設けられる。
【0040】スプリング33とピン34は、メインロッ
カアーム1に形成された穴に摺動可能に収装され、ピン
34がプロップ31の一端に当接するようになってい
る。
【0041】スプリング33とピン34は、サブロッカ
アーム2に対してオフセットして設けられる。プロップ
31にはピン34が当接するアーム部35が横方向に突
出形成される。
【0042】メインロッカアーム1には油圧プランジャ
30を摺動自在に嵌合させる油圧シリンダ36が形成さ
れ、油圧プランジャ30の背後に油圧室37が形成され
る。
【0043】油圧室37に作動油圧を導く油圧通路38
は、メインロッカアーム1およびロッカシャフト3の内
部を通して設けられる。メインロッカアーム1には油圧
室37に一端が開口するとともに、他端がロッカシャフ
ト3に対する軸受部39に開口する通孔42が形成され
る。ロッカシャフト3の内部にはオイルギャラリ43が
軸方向に形成され、このオイルギャラリ43が通孔44
を介してメインロッカアーム1の通孔42と連通してい
る。
【0044】図6に示すように、オイルギャラリ43に
は切換弁47を介してオイルポンプ48の吐出油圧が所
定の高速運転時に導かれる。切換弁47の作動を電子制
御するコントロールユニット50はエンジン回転信号、
冷却水温信号、潤滑油の温度信号、過給機による吸気の
過給圧力信号、スロットルバルブの開度信号等を入力し
て、これらの検出値に基づいてエンジントルクの急激な
変動を抑えつつ、低速カム21と高速カム22の切換え
を円滑に行うようになっている。
【0045】エンジンの低速運転時、メインロッカアー
ム1は低速カム21のプロフィールに従って揺動し、各
吸気弁9をバルブスプリング8に抗して開閉駆動する。
このとき、図1に示すように、プロップ31がサブロッ
カアーム2に係合しない非係止位置に保持されることに
より、サブロッカアーム2は高速カム22によって揺動
されるものの、メインロッカアーム1の動きを妨げるこ
とはない。
【0046】エンジンの高速運転時、作動油圧としてオ
イルポンプ48の吐出圧が油圧通路38を介して油圧室
37に導かれると、図2に示すように、油圧プランジャ
30はスプリング33に抗してプロップ31を係止位置
に移動し、プロップ31の一端がメインロッカアーム1
に係合することにより、2つのロッカーアーム1,2が
一体となって揺動する。高速カム22は低速カム21に
比較して、弁の開き角度およびリフト量が共に大となる
ように形成されているから、サブロッカアーム2と一体
化した揺動時は低速カム21がメインロッカーアーム1
のカムフォロワ部14から浮き上がり、各吸気弁9は高
速カム22のプロフィールに従って開閉駆動され、弁の
開き角度およびリフト量が共に大きくなる。 一方、エンジンが高回転域から再び低回転域に移ると、
切換弁の作動により油圧室37に導かれる油圧が低下
し、スプリング33の弾性復元力によりプロップ31が
非係止位置に回動して、サブロッカアーム2の拘束が解
除される。
【0047】可変バルブリフト機構の作動を判定するた
めに、油圧シリンダ36の途中に開口して、油圧プラン
ジャ30がストロークする過程で油圧室37に連通する
信号油圧通路51が配設され、この信号油圧通路51の
圧力を検知する油圧センサ55が設けられる。
【0048】信号油圧通路51は、メインロッカアーム
1およびロッカシャフト3の内部を通して設けられる。
メインロッカアーム1には油圧シリンダ36の途中に一
端が開口するとともに、他端がロッカシャフト3に対す
る軸受部39に開口する通孔52が形成される。ロッカ
シャフト3の内部には軸孔53が軸方向に形成され、こ
の軸孔53が通孔54を介してメインロッカアーム1の
通孔52と連通している。
【0049】油圧プランジャ30の油圧シリンダ36に
摺接する外周面57には1条の導油溝49が形成され
る。導油溝49は油圧プランジャ30の上部に位置して
軸方向に延びる。
【0050】油圧プランジャ30は図示しないガイド手
段を介して油圧シリンダ36に対する回転が係止され
て、導油溝49が油圧プランジャ30の上部に位置する
ように保持される。
【0051】他の実施例として、油圧プランジャ30の
外周面57には複数条の導油溝49を形成し、油圧プラ
ンジャ30の回転位置によらずいずれかの導油溝49が
油圧プランジャ30の上部に位置するように構成しても
よい。これにより、油圧プランジャ30の回転を係止す
るガイド手段を廃止することも可能である。
【0052】導油溝49の一端は油圧プランジャ30の
外周面57の途中に止まるように形成され、他端が油圧
プランジャ30の端面58に開口している。
【0053】信号油圧通路51の通孔52は、油圧プラ
ンジャ30が油圧シリンダ36の奥部に保持されている
状態(低速カム使用時)で導油溝49に連通し、油圧プ
ランジャ30が油圧シリンダ36の奥部から離れている
状態(高速カム使用時)で導油溝49との連通が遮断さ
れ、油圧室37と連通する。
【0054】信号油圧通路51は油圧シリンダ36より
上方に配設される。
【0055】信号油圧通路51を構成する通孔52は、
軸受部39に開口する端部から油圧シリンダ36に開口
する側の端部にかけて下降するように傾斜して形成され
る。
【0056】信号油圧通路51を構成する通孔54は、
軸孔53に開口する端部から軸受部39に開口する端部
にかけて下降するように傾斜して形成される。
【0057】油圧センサ55の検出信号はコントロール
ユニット50に送られる。コントロールユニット50
は、油圧センサ55の検出信号に基づいて、信号油圧通
路51に生じる油圧が所定値より低い場合に、プロップ
31がサブロッカアーム2に係合しない非係止位置に保
持され、各吸気弁9が低速カム21のプロフィールに従
って開閉駆動されている低速カム使用時と判定する。一
方、信号油圧通路51に生じる油圧が所定値以上に上昇
した場合に、プロップ31がサブロッカアーム2に係合
する係止位置に保持され、各吸気弁9が低速カム21の
プロフィールに従って開閉駆動されている高速カム使用
時と判定する。
【0058】なお、排気弁10についても、吸気弁9と
同様の動弁装置が設けられている。
【0059】低速カム使用時、図1に示すように、油圧
室37の油圧が低下して油圧プランジャ30が油圧シリ
ンダ36の奥部に当接したストローク位置に保持されて
いるため、導油溝49が信号油圧通路51の通孔52に
連通し、信号油圧通路51には導油溝49を介して大気
圧が導かれる。
【0060】高速カム使用時、図2に示すように、油圧
室37の油圧が上昇して油圧プランジャ30が油圧シリ
ンダ36の奥部から離れたストローク位置に保持されて
いるため、信号油圧通路51は油圧室37に連通すると
ともに、導油溝49との連通が遮断される。これによ
り、信号油圧通路51には油圧通路38から油圧室37
を経てオイルポンプ48の吐出圧が導かれる。
【0061】このようにして、低速カム使用時と高速カ
ム使用時では、信号油圧通路51に導かれる圧力が大き
く変化するため、油圧センサ55から送られる検出信号
に基づいて低速カム使用時と高速カム使用時を正確に判
定することができる。
【0062】また、油圧センサ55に高い検出精度が要
求されることなく、製品のコストダウンがはかれる。
【0063】吸気弁9の開閉作動に携わるカムが低速カ
ム21から高速カム22に切換わるとき、オイルポンプ
48の吐出圧が油圧通路38を介して油圧室37に導か
れると、油圧室37に供給される加圧オイルの一部が油
圧プランジャ30と油圧シリンダ36の隙間を通って油
圧シリンダ36の外側に漏れだし、油圧プランジャ30
の外周面57に沿って端面58に供給され、端面58と
プロップ31の摺接部を潤滑する。
【0064】吸気弁9の開閉作動に携わるカムが高速カ
ム22から低速カム21に切換わるとき、油圧プランジ
ャ30がストロークするのに伴って信号油圧通路51に
溜まったオイルが導油溝49を通って油圧プランジャ3
0の端面58に流下し、端面58とプロップ31の摺接
部を潤滑する。
【0065】以上説明したように請求項1に記載の内燃
機関の可変動弁装置は、弁のリフト特性を変化させる可
変バルブリフト機構と、前記可変バルブリフト機構を駆
動する油圧プランジャと、前記油圧プランジャを摺動可
能に嵌合させる油圧シリンダと、前記油圧シリンダと
油圧プランジャとによって画成される油圧室と、前記
油圧室に作動油圧を導く油圧通路と、前記油圧シリンダ
の途中に開口して、前記油圧プランジャがストロークす
る過程で前記油圧室に連通する信号油圧通路と、前記
号油圧通路に導かれる油圧を検知し、検知された油圧に
基づいて前記可変バルブリフト機構の作動状態を判定す
る作動判定手段と、を備え、前記信号油圧通路が前記
圧室と連通する時には、オイルポンプからの作動油圧を
前記油圧通路、前記油圧室を経て前記信号油圧通路へと
導き、前記信号油圧通路が前記油圧室と遮断される時に
は、前記油圧プランジャにより前記油圧室を保持したま
ま、前記信号油圧通路内に大気圧が導かれるようにし
たため、油圧室に導かれる作動圧を検出することによ
り、可変バルブリフト機構の作動状態を正確に判定する
ことができるとともに、高い油圧検出精度が要求される
ことがなく、製品のコストダウンがはかれる。また、オ
イルポンプの容量増大を招くことがなく、オイルポンプ
の駆動負荷が増大することを回避できる。
【0066】請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置
は、プロフィールの異なる複数のカムと、ロッカシャフ
トを介して揺動可能に支持され、前記カムに追従して揺
動することにより弁を開閉駆動するロッカアームと、
ロッカアームが追従する前記カムを切り換えるプロッ
プと、可変バルブリフト機構を駆動する油圧プランジャ
と、前記油圧プランジャを摺動可能に嵌合させる油圧シ
リンダと、前記油圧シリンダと前記油圧プランジャとに
よって画成される油圧室と、前記油圧室に作動油圧を導
く油圧通路と、前記油圧シリンダの途中に開口して、
油圧プランジャがストロークする過程で前記油圧室に
連通する信号油圧通路と、前記信号油圧通路に導かれる
油圧を検知し、検知された油圧に基づいて前記可変バル
ブリフト機構の作動状態を判定する作動判定手段と、を
備え、前記信号油圧通路が前記油圧室と連通する時に
は、オイルポンプからの作動油圧を前記油圧通路、前記
油圧室を経て前記信号油圧通路へと導き、前記信号油圧
通路が前記油圧室と遮断される時には、前記油圧プラン
ジャにより前記油圧室を保持したまま、前記信号油圧通
路内に大気圧が導かれるようにしたため、プロップの
作動状態を正確に判定することができるとともに、高い
油圧検出精度を要求されることがなく、製品のコストダ
ウンがはかれる。また、オイルポンプの容量増大を招く
ことがなく、オイルポンプの駆動負荷が増大することを
回避できる。
【0067】請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項1または2に記載の発明において、信号油圧
通路を油圧シリンダより上方に配置したため、油圧プラ
ンジャが油圧シリンダの奥部に向けてストロークする過
程で、信号油圧通路に溜まったオイルが油圧シリンダに
流下し、油圧プランジャの摺接部を潤滑して、フリクシ
ョンの低減がはかれる。
【0068】請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項3に記載の発明において、可変バルブリフト
機構に油圧プランジャの端面に摺接して従動するプロッ
プを備え、油圧プランジャの外周面に信号油圧通路から
流下するオイルを油圧プランジャの端面に導く導油溝を
形成したため、油圧プランジャが油圧シリンダの奥部に
向けてストロークする過程で、信号油圧通路に溜まった
オイルが導油溝に流下し、導油溝を通って油圧プランジ
ャの端面とプロップの摺接部を潤滑し、フリクションの
低減がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、低速カム使用時におけ
るメインロッカアーム等の断面図。
【図2】同じく高速カム使用時におけるメインロッカア
ーム等の断面図。
【図3】同じく機関の縦断面図。
【図4】同じく動弁装置の側面図。
【図5】同じく動弁装置の分解斜視図。
【図6】同じく油圧回路等を示すシステム図。
【図7】従来例を示すロッカアーム等の断面図。
【符号の説明】
1 メインロッカアーム 2 サブロッカアーム 3 ロッカシャフト 4 シリンダヘッド 9 吸気弁 30 油圧プランジャ 31 プロップ 36 油圧シリンダ 37 油圧室 38 油圧通路 47 切換弁 49 導油溝 50 コントロールユニット 51 信号油圧通路 55 油圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 301 F02B 77/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁のリフト特性を変化させる可変バルブリ
    フト機構と、前記 可変バルブリフト機構を駆動する油圧プランジャ
    と、前記 油圧プランジャを摺動可能に嵌合させる油圧シリン
    ダと、前記 油圧シリンダと前記油圧プランジャとによって画成
    される油圧室と、前記 油圧室に作動油圧を導く油圧通路と、前記 油圧シリンダの途中に開口して、前記油圧プランジ
    ャがストロークする過程で前記油圧室に連通する信号油
    圧通路と、前記 信号油圧通路に導かれる油圧を検知し、検知された
    油圧に基づいて前記可変バルブリフト機構の作動状態を
    判定する作動判定手段と、 を備え、前記 信号油圧通路が前記油圧室と連通する時には、オイ
    ルポンプからの作動油圧を前記油圧通路、前記油圧室を
    経て前記信号油圧通路へと導き、 前記 信号油圧通路が前記油圧室と遮断される時には、
    記油圧プランジャにより前記油圧室を保持したまま、前
    信号油圧通路内に大気圧が導かれることを特徴とす
    る内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】プロフィールの異なる複数のカムと、 ロッカシャフトを介して揺動可能に支持され、前記カム
    に追従して揺動することにより弁を開閉駆動するロッカ
    アームと、前記 ロッカアームが追従する前記カムを切り換えるプロ
    ップと、 可変バルブリフト機構を駆動する油圧プランジャと、前記 油圧プランジャを摺動可能に嵌合させる油圧シリン
    ダと、前記 油圧シリンダと前記油圧プランジャとによって画成
    される油圧室と、前記 油圧室に作動油圧を導く油圧通路と、前記 油圧シリンダの途中に開口して、前記油圧プランジ
    ャがストロークする過程で前記油圧室に連通する信号油
    圧通路と、前記 信号油圧通路に導かれる油圧を検知し、検知された
    油圧に基づいて前記可変バルブリフト機構の作動状態を
    判定する作動判定手段と、 を備え、前記 信号油圧通路が前記油圧室と連通する時には、オイ
    ルポンプからの作動油圧を前記油圧通路、前記油圧室を
    経て前記信号油圧通路へと導き、 前記 信号油圧通路が前記油圧室と遮断される時には、
    記油圧プランジャにより前記油圧室を保持したまま、前
    信号油圧通路内に大気圧が導かれることを特徴とす
    る内燃機関の可変動弁装置。
  3. 【請求項3】前記信号油圧通路を前記油圧シリンダより
    上方に配置したことを請求項1または2に記載の内燃機
    関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】前記可変バルブリフト機構に前記油圧プラ
    ンジャの端面に摺接して従動するプロップを備え、前記 油圧プランジャの外周面に前記信号油圧通路から流
    下するオイルを前記油圧プランジャの端面に導く導油溝
    を形成したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関
    の可変動弁装置。
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