JP2001026763A - カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及びその製造方法 - Google Patents

カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及びその製造方法

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JP2001026763A
JP2001026763A JP11227670A JP22767099A JP2001026763A JP 2001026763 A JP2001026763 A JP 2001026763A JP 11227670 A JP11227670 A JP 11227670A JP 22767099 A JP22767099 A JP 22767099A JP 2001026763 A JP2001026763 A JP 2001026763A
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calcium magnesium
acid
magnesium carboxylate
component
inorganic compound
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Kazuhisa Nishiguchi
和久 西口
Hirotsugu Yamamoto
裕嗣 山本
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉塵飛散量が抑制されたカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物を提供する。 【解決手段】 カルボン酸カルシウムマグネシウム組成
物を、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分と、水や
吸湿性無機化合物とで構成する。無機化合物は、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、周期表13属元素などの金
属と酸との塩であってもよい。酸は、ハロゲン化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸、カルボン酸、スルホン酸、有
機リン酸などであってもよい。カルボン酸カルシウムマ
グネシウム成分と、水及び吸湿性無機化合物との割合
は、例えば、前者/後者=99/1〜30/70(重量
比)程度である。カルボン酸カルシウムマグネシウム組
成物の粉塵飛散量は、例えば、300ppm以下(重量
基準)に抑制されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結防止剤として
有用なカルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地では、積雪、路面の凍結又は氷結
などにより、自動車のスリップ事故及びそれに伴う交通
渋滞などが生じやすい。このようなスリップ防止対策と
して、薬剤(凍結防止剤)を散布することが行われてい
る。
【0003】凍結防止剤としては、従来、岩塩(塩化ナ
トリウム)や塩化カルシウムなどの塩化物が多く使用さ
れている。しかし、これら塩化物を用いた場合の融雪融
氷効果は、速効性があるものの、持続性がない。このた
め、長期間に亘り凍結防止性を維持できない。
【0004】そこで、近年、持続性のある優れた凍結防
止剤として、酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)が
用いられている。CMAの製造方法としては種々の方法
が知られている。例えば、特許第2507504号公報
には、ドロマイト石灰と酢酸と水とを混合することによ
り、酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)スラリーを
生成する方法が開示されている。そして、砂上に前記ス
ラリーを噴霧コーティングし、乾燥することによりCM
Aペレットを得ている。
【0005】特表平5−508617号公報には、酢酸
中に、カルシウム、マグネシウムを含む溶液を形成し、
80〜120℃で加熱して維持することにより、CMA
を析出させる方法が開示されている。
【0006】また、特開平9−208955号公報で
は、焼成ドロマイトと酢酸とを混練し、押出し成形した
後、乾燥するCMAの製造方法が開示されている。
【0007】このようにして得られたCMAは、散布す
るために、通常、粉砕、整粒され、袋に充填、梱包さ
れ、製品化される。
【0008】そして、前記CMAの散布は、ホッパーを
備えた車両を用いることが多く、CMAが梱包されたポ
リエチレン製袋、紙袋、又はフレキシブルコンテナなど
の袋を開封して、CMAを散布車ホッパーの上部へ投入
した後、ホッパーから回転する円盤上に落下させ、遠心
力を利用して一定の領域(ある幅の道路など)に万遍な
く散布することが多い。しかし、ホッパーへの投入、散
布に伴って、CMAから大量の微粉、粉塵が飛散し、作
業効率が低下するとともに、作業環境を著しく悪化させ
る。さらには、作業者が吸引したり、その皮膚へ付着す
ることにより、健康を害する場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、粉塵の飛散が抑制されたカルボン酸カルシウムマグ
ネシウム組成物及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明の他の目的は、作業環境を改善する
のに有用なカルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及
びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、カルボン酸カルシウ
ムマグネシウム成分と、水及び/又は吸湿性無機化合物
とを組み合わせると、カルボン酸カルシウムマグネシウ
ム成分の粉塵の飛散量が大きく低減(抑制)できること
を見いだし、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明のカルボン酸カルシウム
マグネシウム組成物は、カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分と、水や吸湿性無機化合物とで構成された粉粒
状組成物であり、粉塵の飛散が抑制[例えば、300p
pm以下(重量基準)]されている。無機化合物は、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表13属元素など
の金属と酸との塩であってもよい。酸は、ハロゲン化水
素酸、硝酸、硫酸、リン酸、カルボン酸、スルホン酸、
有機リン酸などであってもよい。カルボン酸カルシウム
マグネシウム成分と、水及び吸湿性無機化合物との割合
は、例えば、前者/後者=99/1〜30/70(重量
比)程度である。
【0013】粉塵の飛散が抑制されたカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物は、カルボン酸カルシウムマグ
ネシウム成分と、水や吸湿性無機化合物とを混合するこ
とにより製造できる。
【0014】なお、本発明には、粉粒状カルボン酸カル
シウムマグネシウム成分に、水や吸湿性無機化合物を添
加し、粉塵の飛散を抑制する方法も含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】[カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分]本発明のカルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物を構成するカルボン酸カルシウムマグネシウム成
分は、カルシウムマグネシウム成分とカルボン酸成分と
を含んでいる。
【0016】カルボン酸成分としては、例えば、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などのC1-5カルボ
ン酸、好ましくはC1-3カルボン酸、特に、酢酸が挙げ
られる。
【0017】カルシウムマグネシウム成分としては、例
えば、カルシウムとマグネシウムとを、(カルシウム/
マグネシウム=)0.1/1〜3/1(モル比)程度、
好ましくは0.2/1〜2/1(モル比)程度、さらに
好ましくは0.4/1〜1/1(モル比)程度で含むカ
ルシウムマグネシウム成分が挙げられる。
【0018】好ましいカルボン酸カルシウムマグネシウ
ム成分には、酢酸カルシウムマグネシウム、例えば、組
成式Cax Mgy(C2322(x+y)(式中、xは2〜
6、好ましくは3〜4の整数,yは8〜4、好ましくは
7〜6の整数)で表される結晶性CMA、特にCaMg
2(C2326で表される結晶性CMAが含まれる。
【0019】カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
は、例えば、(1)カルシウム成分、マグネシウム成分
及びカルボン酸を含む溶液からカルボン酸カルシウムマ
グネシウムを析出させる方法、(2)カルシウムマグネ
シウム成分とカルボン酸成分とを混合(反応)させてカ
ルボン酸カルシウムマグネシウム成分を生成する方法な
どにより製造できる。
【0020】(1)カルボン酸カルシウムマグネシウム
成分を析出させる方法、特に酢酸カルシウムマグネシウ
ム(CMA)を析出させる方法としては、例えば、特許
第2507504号公報に記載されている方法(カルシ
ウム:マグネシウム=4:6〜3:7(モル比)のカル
シウムマグネシウム塩基の水性混合物に対して化学量論
的量の70〜110%の酢酸を添加して水性スラリーを
調製し、熟成させる方法)、特表平5−508617号
公報に記載されている方法(実質的に非水溶媒中にマ
グネシウム及び酢酸イオンを含む溶液と、実質的に非水
溶媒中にカルシウム及び酢酸イオンを含む溶液とを混合
し、この混合液を適当な温度で保持して結晶性酢酸カル
シウムマグネシウムを形成する方法、実質的に非水溶
媒中にマグネシウム、カルシウム及び酢酸イオンを含む
溶液を形成し、この溶液を適当な温度で保持して結晶性
酢酸カルシウムマグネシウムを形成する方法)又はこれ
らに準じた方法などが採用できる。
【0021】(2)カルボン酸カルシウムマグネシウム
を生成する方法、特に、酢酸カルシウムマグネシウム
(CMA)を生成する方法としては、酢酸とドロマイト
石灰とを反応(混合)することにより酢酸カルシウムマ
グネシウムを生成する方法、例えば、特開昭62−26
7246号公報に記載されている方法(反応容器内に粉
砕ドロマイト石灰と酢酸水溶液とを導入し、生成した湿
潤状粉粒物を乾燥する方法)、特開平9−208955
号公報(焼成ドロマイトと酢酸と、必要に応じてカルシ
ウム成分(生石灰、消石灰など)とを定量的に供給し、
密閉型反応系で混練し、反応生成物を押出し成形し、乾
燥する方法)又はそれらに準じる方法などが採用でき
る。
【0022】このようにして得られたカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム成分(CMAなど)は、粉粒状であっ
てもよく、平均粒径は、例えば0.1〜20mm程度、
好ましくは0.3〜10mm程度、さらに好ましくは
0.5〜5mm程度である。
【0023】また、カルボン酸カルシウムマグネシウム
成分に含まれる微粉(例えば、粒径が100μm以下、
通常、10〜50μm程度の微粒子)の平均含有量(粉
塵飛散量)は特には制限されず、幅広い範囲、例えば、
0〜5,000ppm(重量基準)程度、好ましくは0
〜3,000ppm(重量基準)程度、さらに好ましく
は0〜1,000ppm(重量基準)程度から選択でき
る。本発明では粉塵を有するカルボン酸カルシウムマグ
ネシウム成分であっても、特定の成分と組み合わせるこ
とにより、粉塵の飛散量を低減できる。例えば、粉塵飛
散量が比較的多い(300〜5,000ppm程度)の
カルボン酸カルシウムマグネシウム成分に本発明を適用
すると、大幅に粉塵飛散量を抑制できる。また、粉塵飛
散量が比較的少ない(10〜100ppm程度)のカル
ボン酸カルシウムマグネシウム成分に本発明を適用して
も、さらに粉塵飛散量を抑制でき、粉塵飛散量が非常に
少ないカルボン酸カルシウムマグネシウム組成物を得る
ことができる。
【0024】なお、前記粉塵飛散量は、円筒状のチュー
ブ(高さ約80cm)の上方から所定量(約10〜50
g)の測定試料を落下させ、飛散した粉塵(粒径約10
0μm以下)をバキュームなどで吸引集塵することによ
り測定できる(落下方式)。落下方式での測定は、例え
ば、粉塵飛散試験器(英国ローチェス社製、DPA)を
用いて行うことができる。
【0025】[水及び吸湿性無機化合物]本発明のカル
ボン酸カルシウムマグネシウム組成物の特色は、粉粒状
カルボン酸カルシウムマグネシウム成分と、水や吸湿性
(水溶性を含む)の無機化合物とを組み合わせることに
より、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分の粉塵の
飛散量を大きく抑制(低減)する点にある。特に、カル
ボン酸カルシウムマグネシウム成分は、水に対する溶解
性が低いため、少量の水や吸湿性無機化合物と組み合わ
せても、殆ど溶解することなく、効果的に粉塵飛散量を
抑制できる。なお、水と無機化合物とを組み合わせて使
用してもよい。
【0026】吸湿性の無機化合物には、種々の金属塩
(金属成分と酸との塩)が使用できる。無機化合物とし
ては、例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、
カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)塩、又は
周期表13属元素(ホウ素、アルミニウムなど)塩など
が例示できる。好ましい無機化合物はアルカリ金属又は
アルカリ土類金属の塩である。
【0027】また、無機化合物を形成する酸としては、
ハロゲン化水素酸(HCl、HBrなど)、硝酸、硫
酸、リン酸などの無機酸;カルボン酸、スルホン酸、有
機リン酸類などの有機酸が挙げられる。
【0028】カルボン酸には、例えば、脂肪族モノカル
ボン酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラ
ウリン酸などの脂肪族モノC1-20カルボン酸、好ましく
は脂肪族モノC1-6カルボン酸、さらに好ましくは脂肪
族モノC2-5カルボン酸、特に酢酸など)、芳香族モノ
カルボン酸(安息香酸、ナフタレンカルボン酸など)、
脂肪族多価カルボン酸(シュウ酸、マロン酸、こはく
酸、グルタル酸、アジピン酸など)、芳香族多価カルボ
ン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸など)などが含まれる。
【0029】スルホン酸には、脂肪族スルホン酸(メタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸など)、芳香族スルホ
ン酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)
などが含まれる。また、有機リン酸類は、アルキルホス
ホン酸、アリールホスホン酸、アルキルホスフィン酸、
アリールホスフィン酸などであってもよい。
【0030】好ましい無機化合物には、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属の塩酸塩(NaCl、KCl、Mg
Cl2、CaCl2など)、硝酸塩(NaNO3、KN
3、Mg(NO32、Ca(NO32など)、硫酸塩
(Na2SO4、K2SO4、MgSO4、CaSO4
ど)、酢酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カ
ルシウム、酢酸マグネシウムなど)などが含まれる。よ
り好ましくは、凍結防止性(融雪融氷性)を有する無機
化合物、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム
又はカルシウムの塩酸塩又は酢酸塩が挙げられる。凍結
防止能を有する無機化合物を用いると、カルボン酸カル
シウムマグネシウム成分の凍結防止能を低下させること
なく、その粉塵飛散量を低減できる。特に、NaCl、
酢酸ナトリウムなどのナトリウム塩は、速効性の凍結防
止能を有しているため、持続性の凍結防止能を有するカ
ルボン酸カルシウムマグネシウム成分と組み合わせるこ
とにより、組成物に速効性と持続性とを兼ね備えた優れ
た凍結防止能を付与できる。
【0031】無機化合物は、例えば、液状でも粉粒状の
形態でも使用できる。粉粒状で用いる場合、無機化合物
の平均粒径は、通常、カルボン酸カルシウムマグネシウ
ム成分と同程度の平均粒径、例えば、0.1〜20mm
程度、好ましくは0.3〜10mm程度、さらに好まし
くは0.5〜5mm程度であってもよい。
【0032】カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
と、水及び吸湿性無機化合物(総量)との割合は、例え
ば、前者/後者=99/1〜30/70(重量比)程
度、好ましくは90/10〜40/60(重量比)程
度、さらに好ましくは80/20〜60/40(重量
比)程度である。水及び吸湿性無機化合物の割合が少な
すぎると、十分な粉塵飛散量の抑制効果を得ることがで
きない。また、水及び吸湿性無機化合物の割合が多すぎ
ると、再凍結してしまったり、組成物の凍結防止能の持
続性が低下しやすい。
【0033】また、上記割合は、水及び無機化合物の種
類に応じて適宜選択してもよい。例えば、水及び無機化
合物として、水、アルカリ金属ハロゲン化物(塩化ナト
リウムなど)、アルカリ金属カルボン酸塩(酢酸ナトリ
ウムなど)、アルカリ土類金属硝酸塩(硝酸カルシウム
など)、又はアルカリ土類金属ハロゲン化物(塩化マグ
ネシウムなど)などを用いる場合、好ましい割合は、例
えば、以下の通りである。 (1)カルボン酸カルシムマグネシウム成分/水(重量
比):99.99/0.01〜95/5(重量比)程
度、好ましくは99.99/0.01〜98/2程度、
さらに好ましくは99.99/0.01〜99/1(重
量比)程度 なお、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分は、通
常、1〜10重量%程度の水分を含有しているものの、
粉塵飛散の抑制のための水は少なく、粉塵飛散量の抑制
には余り寄与しない。このため、本明細書では、水とは
遊離の水(例えば、添加する水)をいうものとする。 (2)カルボン酸カルシウムマグネシウム成分/アルカ
リ金属ハロゲン化物(重量比):99/1〜30/70
(重量比)程度、好ましくは95/5〜40/60(重
量比)程度 (3)カルボン酸カルシウムマグネシウム成分/アルカ
リ金属カルボン酸塩(重量比):99/1〜30/70
(重量比)程度、好ましくは95/5〜50/60(重
量比)程度、さらに好ましくは95/5〜60/40
(重量比)程度 (4)カルボン酸カルシウムマグネシウム成分/アルカ
リ土類金属硝酸塩 99/1〜80/20(重量比)程度、好ましくは99
/1〜90/10(重量比)程度 (5)カルボン酸カルシウムマグネシウム成分/アルカ
リ土類金属ハロゲン化物(重量比):99/1〜80/
20(重量比)程度、好ましくは99/1〜90/10
(重量比)程度、さらに好ましくは99/1〜95/5
(重量比)程度 このようにしてカルボン酸カルシウムマグネシウム成分
と、水や吸湿性(水溶性を含む)の無機化合物とを組み
合わせることにより、カルボン酸カルシウムマグネシウ
ム成分の粉塵飛散量を、例えば、10〜100%(重量
基準)、好ましくは50〜100%(重量基準)、さら
に好ましくは80〜100%(重量基準)程度抑制(低
減)できる。
【0034】このようにして得られたカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物は、固体状(粉粒状など)であ
るにもかかわらず、粉塵飛散量が抑制されている。粉塵
飛散量は、例えば、300ppm以下(重量基準)(0
〜300ppm程度)、好ましくは0〜100ppm
(重量基準)程度、さらに好ましくは0〜50ppm
(重量基準)程度、特に0〜10ppm(重量基準)程
度である。
【0035】本発明の組成物は、例えば、カルボン酸カ
ルシウムマグネシウム成分と、水及び吸湿性の無機化合
物から選ばれた少なくとも一種の成分とを慣用の方法に
より混合することにより得ることができる。例えば、慣
用の混合機(ニーダー、Vブレンダー、ポット状攪拌
機、振とう容器など)を用い、粉粒状(又は粉状)のカ
ルボン酸カルシウムマグネシウム成分を撹拌しながら、
水又は無機化合物を連続的又は間欠的に添加する方法が
挙げられる。なお、水を添加する場合、液状(水又は水
と揮発性溶媒との混合溶液)を添加してもよく、ガス
状、例えば、水蒸気などとして添加してもよい。また、
無機化合物を添加する場合、水溶液(又はスラリー)を
添加してもよい。
【0036】なお、必要に応じて、カルボン酸カルシウ
ムマグネシウム成分の製造工程(反応工程、乾燥工程、
造粒工程など)において、無機化合物を添加することに
より、カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物を形成
してもよい。
【0037】このようにして得られたカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物は、凍結防止剤として有用であ
る。特に、本発明のカルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物は、粉塵の飛散量が抑制されているため、凍結防
止剤の散布作業の環境を改善するのに有用である。
【0038】
【発明の効果】本発明によると、カルボン酸カルシウム
マグネシウム成分と、水や吸湿性無機化合物とを組み合
わせて用いているため、カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分の粉塵の飛散量を効果的に抑制できる。このた
め、凍結防止剤の散布の作業環境を改善できる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0040】なお、酢酸カルシウムマグネシウム(CM
A)と無機化合物との混合は、以下に示す何れかの方法
により行った。 (1)混合方法1(Vブレンダ) Vブレンダ(缶径:φ410mm、全高低差:1000
mmL、全容積:130L)を用いて、回転数29rp
mで酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)と無機化合
物とを5〜20分混合した(混合物の合計重量25k
g)。 (2)混合方法2(ポット状攪拌機) ポット状攪拌機(缶径:φ120mm、缶長:230m
mL、全容積:2L)を用いて、回転数50rpmで酢
酸カルシウムマグネシウム(CMA)と無機化合物を3
分混合した(混合物の合計重量1kg)。 (3)混合方法3(振とう容器) 酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)1kgと無機化
合物とを、振とう容器(缶径:φ120mm、缶長:2
30mmL、全容積:2L)に入れ、1分間、手動で振
とうした。
【0041】実施例では、下記の無機化合物を使用し
た。 NaCl: 粉砕天日塩(塩化ナトリウム95%以上) 粒度分布(篩により測定): 目開き4.00mm以上 :29重量% 目開き2.83〜4.00mm:20重量% 目開き1.68〜2.83mm:29重量% 目開き1.19〜1.68mm:15重量% 目開き1.00〜1.19mm: 6重量% 目開き0.84〜1.00mm:0.63重量% 目開き0.59〜0.84mm:0.09重量% 目開き0.59mm以下 :0.02重量% 酢酸ナトリウム(NaAc): 酢酸ナトリウム・3水塩結晶(純度98.0%以上) 粒度分布(篩により測定): 目開き4.00mm以上 : 1重量% 目開き2.83〜4.00mm:12重量% 目開き1.68〜2.83mm:56重量% 目開き1.19〜1.68mm:24重量% 目開き1.00〜1.19mm: 5重量% 目開き0.84〜1.00mm:0.66重量% 目開き0.59〜0.84mm:0.16重量% 目開き0.59mm以下 :0.12重量% Ca(NO32: 硝酸カルシウム・4水塩(硝酸性窒素11(wt%)含
有) 平均粒径:約1.2mm MgCl2: 塩化マグネシウム・6水塩 形状:約0.5mm〜20mmの板状フレーク 実施例1〜6 Vブレンダに酢酸カルシウムマグネシウム25kgを入
れ、混合方法1に従って撹拌しながら、φ6mmの配管
から圧力3kg/cm2の水蒸気を20〜40秒間吹き
付けた(水分量換算約60〜110g)。
【0042】実施例1〜6により得られた酢酸カルシウ
ムマグネシウム組成物の粉塵飛散量を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、得られた酢酸カ
ルシウムマグネシウム組成物の粉塵飛散量は、非常に小
さい値であった。また、混合前の粉塵飛散量(酢酸カル
シウムマグネシウムの粉塵飛散量)に比べ、混合後の粉
塵飛散量(酢酸カルシウムマグネシウム組成物の粉塵飛
散量)は大きく低減されていた。
【0045】実施例7〜28 酢酸カルシウムマグネシウムと無機化合物(NaAc、
Ca(NO32)とを、混合方法1(Vブレンダ)に従
って、酢酸カルシウムマグネシウム/無機化合物=9
7.5/2.5〜70/30(重量比)の割合で混合し
た。また、無機化合物に加えて水を添加(加湿)する場
合、酢酸カルシウムマグネシウムと無機化合物とを混合
しながら(総量25kg)、実施例1と同様にして水蒸
気を吹き付けた。
【0046】実施例29〜34 酢酸カルシウムマグネシウムと無機化合物(NaCl、
MgCl2)とを、混合方法2(ポット)又は混合方法
3(振とう容器)に従って混合した。
【0047】実施例7〜34により得られた酢酸カルシ
ウムマグネシウム組成物の粉塵飛散量を表2〜3に示
す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表2〜3から明らかなように、得られた酢
酸カルシウムマグネシウム組成物の粉塵飛散量は無機化
合物添加量および添加水量によって変化するがいずれも
小さい。また、混合前の粉塵飛散量に比べ混合後の粉塵
飛散量(酢酸カルシウムマグネシウム組成物の粉塵飛散
量)は低減可能である。さらに、酢酸カルシウムマグネ
シウムに対する無機化合物および添加水の量を調整すれ
ば用途に応じて望みの粉塵飛散量に調製することも可能
である。
【0051】実施例35〜39及び比較例1〜6 実施例20(CMA/NaAc)又は実施例31(CM
A/NaCl)と同様にして、表4の割合でCMAと無
機化合物(NaAc、NaCl)とを有する酢酸カルシ
ウムマグネシウム組成物を得た。得られた酢酸カルシウ
ムマグネシウム組成物の融雪融氷性を以下の方法に従っ
て評価した。 (融雪融氷試験)40mmφのカップに、30gの水を
加え、−5℃で約24時間冷凍することにより氷を作製
する。得られた氷に、酢酸カルシウムマグネシウム組成
物1gを散布し、−5℃で静置し、3〜5分後、1時間
後、及び2〜3時間後の融解した水の量(融水量)
(g)を測定する。
【0052】速効性:酢酸カルシウムマグネシウム組成
物の3〜5分後の融氷量と、無機化合物(NaAc又は
NaCl)の3〜5分後の融氷量とを比較し、以下の基
準に従って評価した。
【0053】 ○ 無機化合物の融氷量と同程度である △ 無機化合物の融氷量に比べ、若干少ない × 無機化合物の融氷量よりも少ない 持続性:1時間後の融氷量と、2〜3時間後の融氷量を
比較し、以下の基準に従って評価した ○ 1時間後の融氷量と2〜3時間後の融氷量とが同程
度である △ 1時間後の融氷量に比べ、2〜3時間後の融氷量が
若干低下していた × 1時間後の融氷量に比べ、2〜3時間後の融氷量が
低下していた 結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】表から明らかなように、実施例の酢酸カル
シウムマグネシウム組成物は、速効性と持続性とを兼ね
備えた高い融雪融氷効果を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/22 C09K 3/22 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
    と、水及び吸湿性無機化合物から選ばれた少なくとも一
    種の成分とで構成された粉粒状組成物であって、粉塵の
    飛散が抑制されているカルボン酸カルシウムマグネシウ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】 無機化合物が、アルカリ金属、アルカリ
    土類金属、及び周期表13属元素から選ばれた金属と酸
    との塩である請求項1記載のカルボン酸カルシウムマグ
    ネシウム組成物。
  3. 【請求項3】 酸が、ハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、
    リン酸、カルボン酸、スルホン酸、又は有機リン酸であ
    る請求項2記載のカルボン酸カルシウムマグネシウム組
    成物。
  4. 【請求項4】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
    と、水及び吸湿性無機化合物との割合が、前者/後者=
    99/1〜30/70(重量比)である請求項1記載の
    カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物。
  5. 【請求項5】 粉塵飛散量が300ppm 以下(重量基
    準)である請求項1記載のカルボン酸カルシウムマグネ
    シウム組成物。
  6. 【請求項6】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
    と、水及び吸湿性無機化合物から選ばれた少なくとも一
    種の成分とを混合することにより、粉塵の飛散が抑制さ
    れたカルボン酸カルシウムマグネシウム組成物を製造す
    る方法。
  7. 【請求項7】 粉粒状カルボン酸カルシウムマグネシウ
    ム成分に、水及び吸湿性無機化合物から選ばれた少なく
    とも一種の成分を添加し、粉塵の飛散を抑制する方法。
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