JP2000319626A - カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及びその製造方法 - Google Patents

カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及びその製造方法

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JP2000319626A
JP2000319626A JP11129061A JP12906199A JP2000319626A JP 2000319626 A JP2000319626 A JP 2000319626A JP 11129061 A JP11129061 A JP 11129061A JP 12906199 A JP12906199 A JP 12906199A JP 2000319626 A JP2000319626 A JP 2000319626A
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calcium magnesium
magnesium carboxylate
organic binder
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calcium
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JP11129061A
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English (en)
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Atsushi Uchiyama
敦 内山
Yoshihiro Akita
喜博 穐田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉塵飛散量が抑制されたカルボン酸カルシウ
ムマグネシウム組成物を提供する。 【解決手段】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
と、有機結合剤とでカルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物を構成する。有機結合剤は、親水性又は水溶性重
合体、例えば、ポリオキシアルキレングリコール(特
に、分子量150〜2,000のポリエチレングリコー
ル)、ビニルエーテルの単独又は共重合体などであって
もよい。カルボン酸カルシウムマグネシウム成分と有機
結合剤との割合は、前者/後者=99.9/0.1〜8
0/20(重量比)程度である。カルボン酸カルシウム
マグネシウム組成物の粉塵飛散量は、500ppm以下
(重量基準)程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結防止剤として
有用なカルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地では、積雪、路面の凍結又は氷結
などにより、自動車のスリップ事故及びそれに伴う交通
渋滞などが生じやすい。このようなスリップ防止対策と
して、薬剤(凍結防止剤)を散布することが行われてい
る。
【0003】凍結防止剤としては、従来、岩塩(塩化ナ
トリウム)や塩化カルシウムなどの塩化物が多く使用さ
れている。しかし、これら塩化物を用いた場合の融雪融
氷効果は、速効性があるものの、持続性がない。このた
め、長期間に亘り凍結防止性を維持できない。
【0004】そこで、近年、持続性のある優れた凍結防
止剤として、酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)が
用いられている。CMAの製造方法としては種々の方法
が知られている。例えば、特許第2507504号公報
には、ドロマイト石灰と酢酸と水とを混合することによ
り、酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)スラリーを
生成する方法が開示されている。そして、砂上に前記ス
ラリーを噴霧コーティングし、乾燥することによりCM
Aペレットを得ている。
【0005】特表平5−508617号公報には、酢酸
中に、カルシウム、マグネシウムを含む溶液を形成し、
80〜120℃で加熱して維持することにより、CMA
を析出させる方法が開示されている。
【0006】また、特開平9−208955号公報に
は、焼成ドロマイトと酢酸とを混練し、押出し成形した
後、乾燥するCMAの製造方法が開示されている。
【0007】このようにして得られたCMAは、散布す
るために、通常、粉砕、整粒され、袋に充填、梱包さ
れ、製品化される。
【0008】そして、前記CMAの散布は、ホッパーを
備えた車両を用いることが多く、CMAが梱包されたポ
リエチレン製袋、紙袋、又はフレキシブルコンテナなど
の袋を開封して、CMAを散布車ホッパーの上部へ投入
した後、ホッパーから回転する円盤上に落下させ、遠心
力を利用して一定の領域(ある幅の道路など)に万遍な
く散布することが多い。しかし、ホッパーへの投入、散
布に伴って、CMAから大量の微粉、粉塵が飛散し、作
業効率が低下するとともに、作業環境を著しく悪化させ
る。さらには、作業者が吸引したり、その皮膚へ付着す
ることにより、健康を害する場合がある。
【0009】なお、CMAに水分を添加することによ
り、粉塵飛散量が低減すると予測される。しかし、低水
分量では、確実に粉塵の飛散を抑制することは困難であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、粉塵の飛散が抑制されたカルボン酸カルシウムマグ
ネシウム組成物及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0011】本発明の他の目的は、作業環境を改善する
のに有用なカルボン酸カルシウムマグネシウム組成物及
びその製造方法を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、低水分量であ
っても確実に粉塵の飛散を抑制できるカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、カルボン酸カルシウ
ムマグネシウム成分と、有機結合剤とを組み合わせる
と、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分の粉塵飛散
量が大きく低減(抑制)できることを見いだし、本発明
を完成した。
【0014】すなわち、本発明のカルボン酸カルシウム
マグネシウム組成物は、カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分と、有機結合剤とで構成されている。有機結合
剤は、親水性又は水溶性重合体、例えば、ポリオキシア
ルキレングリコール、ビニルエーテルの単独又は共重合
体などであってもよい。カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分と有機結合剤との割合は、前者/後者=99.
9/0.1〜80/20(重量比)であってもよい。カ
ルボン酸カルシウムマグネシウム組成物の粉塵飛散量
は、例えば、500ppm以下(重量基準)程度であ
る。
【0015】カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物
は、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分と、有機結
合剤とを混合することにより製造できる。
【0016】
【発明の実施の形態】[カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分]本発明のカルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物を構成するカルボン酸カルシウムマグネシウム成
分は、カルシウムマグネシウム成分と、カルボン酸成分
を含んでいる。
【0017】カルボン酸成分としては、例えば、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸などのC2-5 カルボン酸、
特に、酢酸が挙げられる。
【0018】カルシウムマグネシウム成分としては、例
えば、カルシウムとマグネシウムとを、(カルシウム/
マグネシウム=)0.1/1〜3/1(モル比)程度、
好ましくは0.2/1〜2/1(モル比)程度、さらに
好ましくは0.4/1〜1/1(モル比)程度で含むカ
ルシウムマグネシウム成分が挙げられる。
【0019】好ましいカルボン酸カルシウムマグネシウ
ム成分には、酢酸カルシウムマグネシウム、例えば、組
成式Cax Mgy (C2 3 2 2 (x+y) (式中、x
は2〜6、好ましくは3〜4の整数,yは8〜4、好ま
しくは7〜6の整数)で表される結晶性CMA、特にC
aMg2 (C2 3 2 6 で表される結晶性CMAが
含まれる。
【0020】カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
は、例えば、(1)カルシウム成分、マグネシウム成分
及びカルボン酸を含む溶液からカルボン酸カルシウムマ
グネシウムを析出させる方法、(2)カルシウムマグネ
シウム成分とカルボン酸成分とを混合(反応)させてカ
ルボン酸カルシウムマグネシウム成分を生成する方法な
どにより製造できる。
【0021】(1)カルボン酸カルシウムマグネシウム
成分を析出させる方法、特に酢酸カルシウムマグネシウ
ム(CMA)を析出させる方法としては、例えば、特許
第2507504号公報に記載されている方法(カルシ
ウム:マグネシウム=4:6〜3:7(モル比)のカル
シウムマグネシウム塩基の水性混合物に対して化学量論
的量の70〜110%の酢酸を添加して水性スラリーを
調製し、熟成させる方法)、特表平5−508617号
公報に記載されている方法(実質的に非水溶媒中にマ
グネシウム及び酢酸イオンを含む溶液と、実質的に非水
溶媒中にカルシウム及び酢酸イオンを含む溶液とを混合
し、この混合液を適当な温度で保持して結晶性酢酸カル
シウムマグネシウムを形成する方法、実質的に非水溶
媒中にマグネシウム、カルシウム及び酢酸イオンを含む
溶液を形成し、この溶液を適当な温度で保持して結晶性
酢酸カルシウムマグネシウムを形成する方法)又はこれ
らに準じた方法などが採用できる。
【0022】(2)カルボン酸カルシウムマグネシウム
を生成する方法、特に、酢酸カルシウムマグネシウム
(CMA)を生成する方法としては、酢酸とドロマイト
石灰とを反応(混合)することにより酢酸カルシウムマ
グネシウムを生成する方法、例えば、特開昭62−26
7246号公報に記載されている方法(反応容器内に粉
砕ドロマイト石灰と、酢酸水溶液とを導入し、生成した
湿潤状粉粒物を乾燥する方法)、特開平9−20895
5号公報(焼成ドロマイトと酢酸と、必要に応じてカル
シウム成分(生石灰、消石灰など)とを定量的に供給
し、密閉型反応系で混練し、反応生成物を押出し成形
し、乾燥する方法)又はそれらに準じる方法などが採用
できる。
【0023】なお、後述するように、カルボン酸カルシ
ウムマグネシウム成分の製造工程において、有機結合剤
を用いてもよく、用いなくてもよい。有機結合剤を用い
ない場合、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分の平
均粒径は、例えば、0.1〜20mm程度、好ましくは
0.3〜10mm程度、さらに好ましくは0.5〜5m
m程度であってもよい。
【0024】また、カルボン酸カルシウムマグネシウム
成分の製造工程で有機結合剤を用いない場合、カルボン
酸カルシウムマグネシウム成分に含まれる微粉(例え
ば、粒径が100μm以下、通常、10〜50μm程度
の微粒子)の平均含有量(粉塵飛散量)は特には制限さ
れず、幅広い範囲、例えば、0〜5,000ppm(重
量基準)程度、好ましくは0〜3,000ppm(重量
基準)程度、さらに好ましくは0〜1,000ppm
(重量基準)程度から選択できる。このような粉塵飛散
量を有するカルボン酸カルシウムマグネシウム成分であ
っても、特定の成分(有機結合剤など)と組み合わせる
ことにより、粉塵の飛散量を低減できる。なお、前記粉
塵飛散量は、円筒状のチューブ(高さ約80cm)の上
方から所定量(約10〜50g)の測定試料を落下さ
せ、飛散した粉塵(粒径約100μm以下)をバキュー
ムで集塵することにより測定できる(落下方式)。落下
方式の測定は、例えば、粉塵飛散試験器(英国ローチェ
ス社製、DPA)を用いて行うことができる。
【0025】なお、カルボン酸カルシウムマグネシウム
成分の水分量を増加すると、粉塵の飛散量が低下する傾
向にある。しかし、水分単独では、粉塵の飛散の抑制効
果が小さい。特に、低水分量(例えば、水分含有量が1
〜10重量%程度、好ましくは3〜7重量%程度)の場
合、粉塵飛散量を抑制するために機能する水が少なく、
確実に粉塵の飛散を抑制することが困難である。
【0026】[有機結合剤]本発明のカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物の特色は、カルボン酸カルシウ
ムマグネシウム成分と、有機結合剤とを組み合わせるこ
とにより、低水分量であってもカルボン酸カルシウムマ
グネシウム成分の粉塵の飛散を大きく抑制する点にあ
る。
【0027】有機結合剤としては、親水性又は水溶性重
合体、例えば、主鎖又は側鎖に親水性基を有する重合体
又はその塩が挙げられる。親水性基には、例えば、ヒド
ロキシル基、エーテル基、カルボキシル基などの酸素含
有基、チオヒドロキシル基、チオエーテル基、チオカル
ボキシル基などの硫黄含有基、アミノ基、アミド基など
の窒素含有基などが含まれる。
【0028】重合体としては、例えば、エーテル基を有
する重合体[(ポリオキシアルキレン基を有する重合
体、ビニルエーテルの単独又は共重合体、セルロースエ
ーテル(カルボキシメチルセルロースなど)]、ヒドロ
キシル基を有する重合体(ポリビニルアルコールな
ど)、カルボキシル基及び/又はアミド基を有する重合
体[ポリ(メタ)アクリル酸又はその酸アミドなど]な
どが挙げられる。これら重合体は、単独又は2種以上組
み合わせて使用できる。好ましい重合体には、エーテル
基を有する重合体が挙げられる。
【0029】ポリオキシアルキレン基を有する重合体と
しては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合
体、ポリオキシエチレン−ポリオキプロピレンブロック
共重合体などのポリオキシC2-4 アルキレングリコール
が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基を有する
重合体には、アルキレンオキサイド付加体、例えば、多
価アルコール(グリセリン、ビスフェノールAなど)、
高級脂肪酸エステル(グリセリン、ソルビタン、ショ糖
などの高級脂肪酸エステル)、高級脂肪酸(パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸など)などの開始剤にアルキレンオキサイドが付加し
た付加体も含まれる。なお、アルキレンオキサイド付加
体において、アルキレンオキサイド(特にエチレンオキ
サイド)の含有量は、例えば、50〜100重量%程
度、好ましくは70〜100重量%程度である。
【0030】好ましいポリオキシアルキレン基を有する
重合体は、ポリオキシアルキレングリコール、特に、ポ
リエチレングリコールなどである。ポリオキシアルキレ
ングリコールの分子量は、例えば、150〜2,000
程度、好ましくは、180〜1,000程度である。前
記分子量の範囲内では、ポリオキシアルキレングリコー
ルの分子量が大きい程、カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分の粉塵飛散量を大きく抑制できる。
【0031】また、エーテル基を有する重合体は、ビニ
ルエーテルの単独又は共重合体であってもよい。ビニル
エーテルの単独又は共重合体としては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テルなどのC1-5 アルキルビニルエーテルの単独重合
体、及び前記アルキルビニルエーテルと重合性単量体
(マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸、又はそ
れらのエステル若しくは酸無水物などの不飽和カルボン
酸類など、特に(無水)マレイン酸)との共重合体など
が挙げられる。
【0032】なお、有機結合剤は、必ずしも重合体でな
くてもよく、例えば、尿素のような低分子量の有機化合
物であってもよい。
【0033】これら有機結合剤は、単独で使用してもよ
く、2種以上組み合わせて使用してもよく、有機結合剤
と水とを組み合わせて使用してもよい。有機結合剤と水
とを組み合わせる場合、例えば、有機結合剤の水溶液
(又は水分散液)、加湿有機結合剤を用いるなど有機結
合剤と水とを一体化して用いてもよく、有機結合剤と水
とを別々に用いてもよい。有機結合剤と水とを別々に用
いる方法としては、例えば、カルボン酸カルシウムマグ
ネシウム成分に水分(水や水蒸気など)を加えた後、有
機結合剤を加える方法、カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分と有機結合剤との共存系に水分を加える方法な
どが例示できる。なお、水、水蒸気、水溶液、水分散液
などの水系成分は、必要に応じて加温してもよい。
【0034】有機結合剤と水とを組み合わせる場合、有
機結合剤と水との割合は、例えば、前者/後者=100
/0〜70/30(重量比)、好ましくは100/0〜
80/20(重量比)、さらに好ましくは100/0〜
90/10(重量比)程度である。
【0035】有機結合剤と水とを組み合わせて使用する
場合、水単独で使用する場合に比べて、より効果的に粉
塵飛散量を抑制できる。例えば、カルボン酸カルシウム
マグネシウム成分に水を添加する場合より、同程度の量
の水を含有する有機結合剤を添加する方が、より効果的
に粉塵の飛散を抑制できる。なお、水分量は、赤外線式
水分計((株)ケット科学研究所製)を用い、カルボン
酸カルシウムマグネシウム組成物からの170℃での揮
発水分から測定できる。
【0036】有機結合剤は、例えば、液状でも粉粒状の
形態でも使用できる。粉粒状で用いる場合、有機結合剤
の平均粒径は、例えば、0.01〜1mm程度、好まし
くは0.01〜0.5mm程度、さらに好ましくは0.
01〜0.1mm程度である。
【0037】カルボン酸カルシウムマグネシウム成分と
有機結合剤との割合は、例えば、前者/後者=99.9
/0.1〜80/20(重量比)程度、好ましくは9
9.5/0.5〜85/15(重量比)程度、さらに好
ましくは99/1〜90/10(重量比)程度である。
有機結合剤の割合が少なすぎると、十分に粉塵飛散量を
抑制できない。また、有機結合剤の割合が多すぎると、
組成物の凍結防止性が低下する。
【0038】このようにして、カルボン酸カルシウムマ
グネシウム成分と、有機結合剤とを組み合わせることに
より、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分の粉塵の
飛散量を、例えば、5%以上(重量基準)、好ましくは
10%以上(重量基準)、さらに好ましくは30%以上
(重量基準)、特に50%以上(重量基準)低減でき
る。
【0039】カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物
の粉塵飛散量は、水分量5〜10重量%(特に、5〜7
重量%)において、例えば、500ppm以下(重量基
準)(0〜500ppm程度)、好ましくは0〜400
ppm(重量基準)程度、さらに好ましくは0〜300
ppm(重量基準)程度、特に0〜200ppm(重量
基準)程度である。
【0040】なお、カルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物の水分含量は、例えば、0〜20重量%程度、好
ましくは3〜18重量%程度、さらに好ましくは5〜1
5重量%程度である。
【0041】カルボン酸カルシウムマグネシウム組成物
は、例えば、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
と、有機結合剤とを慣用の方法により混合することによ
り得ることができる。例えば、慣用の混合機(ニーダ
ー、Vブレンダー、ポット状攪拌機、振とう容器など)
を用い、粉粒状(又は粉状)のカルボン酸カルシウムマ
グネシウム成分を撹拌しながら、有機結合剤を連続的又
は間欠的に添加する方法が挙げられる。なお、有機結合
剤を添加する場合、有機結合剤の水溶液(又はスラリ
ー)を添加してもよい。
【0042】また、カルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物を形成する場合、カルボン酸カルシウムマグネシ
ウム成分の製造工程のうち少なくとも1つの工程で、有
機結合剤を用いてもよい。例えば、カルシウム成分、マ
グネシウム成分、及びカルボン酸成分からカルボン酸カ
ルシウムマグネシウム成分を生成する生成工程、カルボ
ン酸カルシウムマグネシウム成分を乾燥するための乾燥
工程、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分を造粒す
るための造粒工程のうち少なくとも一つの工程で有機結
合剤を用いてもよい。好ましくは、造粒工程、生成工程
で、有機結合剤を用いることができる。なお、有機結合
剤を用いる工程において、有機結合剤は、当初に添加し
てもよく、工程の途中(析出中、反応中、造粒中など)
に連続的又は間欠式に添加してもよい。
【0043】なお、カルボン酸カルシウムマグネシウム
成分を生成する場合、カルシウム成分、マグネシウム成
分及びカルボン酸を含む溶液からカルボン酸カルシウム
マグネシウムを析出させる方法、カルシウムマグネシウ
ム成分(ドロマイトなど)とカルボン酸(酢酸など)と
を反応させる方法などにより生成できる。特に、有機結
合剤を用いて、カルシウムマグネシウム成分とカルボン
酸とを反応させると、カルシウムマグネシウム組成物の
粉塵飛散量を著しく低減できる。
【0044】また、前記乾燥工程及び造粒工程において
は、生成カルボン酸カルシウムマグネシウム成分を乾燥
した後で造粒してもよく、反対に生成カルボン酸カルシ
ウムマグネシウム成分を造粒した後で乾燥してもよい。
また、生成カルボン酸カルシウムマグネシウム成分を乾
燥しつつ造粒してもよい。
【0045】このようにして得られたカルボン酸カルシ
ウムマグネシウム組成物は、凍結防止剤として有用であ
る。特に、本発明のカルボン酸カルシウムマグネシウム
組成物は、粉塵の飛散量が抑制されているため、凍結防
止剤の散布作業の環境を改善するのに有用である。
【0046】
【発明の効果】本発明によると、カルボン酸カルシウム
マグネシウム成分と、有機結合剤とを組み合わせて用い
ているため、カルボン酸カルシウムマグネシウム成分の
粉塵の飛散量を効果的に抑制できる。特に、少ない水分
量であっても確実に粉塵の飛散を抑制できる。このた
め、凍結防止剤の散布の作業環境を改善できる。
【0047】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0048】なお、実施例においては、下記の有機結合
剤を用いた。
【0049】[カルボン酸カルシウムマグネシウム成
分] (1)酢酸カルシウムマグネシウム(CMA):造粒
品、篩(40メッシュ)パス品 [有機結合剤] (1)PEG200:分子量が約200のポリエチレン
グリコール (2)PEG400:分子量が約400のポリエチレン
グリコール (3)PEG600:分子量が約600のポリエチレン
グリコール (4)含水PEG200:PEG200と水との混合物
(PEG200/水=90/10(重量比)) (5)含水PEG400:PEG400と水との混合物
(PEG400/水=90/10(重量比)) (6)含水PEG600:PEG600と水との混合物
(PEG600/水=90/10(重量比)) (7)VEMA:メトキシエチレン(ビニルメチルエー
テル)と無水マレイン酸との交互重合体(商品名VEM
A106A、ダイセル化学工業(株)製) 実施例1〜9 酢酸カルシウムマグネシウム(CMA)[篩(40メッ
シュ)パス品、粉塵飛散量540ppm、水分量5.0
重量%]3.5kgをバッチニーダー(5L)に投入
し、撹拌下、有機結合剤を添加した。30分間撹拌した
後、ニーダーから酢酸カルシウムマグネシウム組成物を
取出し、圧縮成形し、破砕整粒した。
【0050】参考例1〜5 有機結合剤に代えて、水を添加する以外は実施例1と同
様にした。
【0051】実施例1〜9、及び参考例1〜5で得られ
た組成物中の粉塵飛散量及び水分(ケット揮発分)を測
定した。結果を表1及び図1に示す。
【0052】
【表1】 表1から明らかなように、実施例の組成物は、酢酸カル
シウムマグネシウムよりも粉塵飛散量が抑制(低減)さ
れている。
【0053】また、図1から明らかなように、実施例の
有機結合剤は、参考例の水よりも高い粉塵飛散の抑制能
を有している。
【0054】実施例10及び11 焼成ドロマイト1100gをニーダー(5L)に投入
し、撹拌下、酢酸2381gを約1時間かけて連続的に
添加した。酢酸の添加終了後、すぐに有機結合剤を添加
し、30分撹拌した。ニーダーから酢酸カルシウムマグ
ネシウム組成物を取出し、圧縮成形し、破砕整粒するこ
とにより造粒した。
【0055】結果を表2に示す。
【0056】
【表2】 表2から明らかなように、実施例の組成物の粉塵飛散量
は、著しく抑制されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例の結果を示すグラフである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
    と、有機結合剤とで構成されたカルボン酸カルシウムマ
    グネシウム組成物。
  2. 【請求項2】 有機結合剤が、親水性又は水溶性重合体
    である請求項1記載のカルボン酸カルシウムマグネシウ
    ム組成物。
  3. 【請求項3】 有機結合剤が、ポリオキシアルキレング
    リコール、及びビニルエーテルの単独又は共重合体から
    選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のカルボン
    酸カルシウムマグネシウム組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオキシアルキレングリコールが、分
    子量150〜2,000のポリエチレングリコールであ
    る請求項3記載のカルボン酸カルシウムマグネシウム組
    成物。
  5. 【請求項5】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
    と有機結合剤との割合が、前者/後者=99.9/0.
    1〜80/20(重量比)である請求項1記載のカルボ
    ン酸カルシウムマグネシウム組成物。
  6. 【請求項6】 粉塵飛散量が、500ppm以下(重量
    基準)である請求項1記載のカルボン酸カルシウムマグ
    ネシウム組成物。
  7. 【請求項7】 カルボン酸カルシウムマグネシウム成分
    と、有機結合剤とを混合するカルボン酸カルシウムマグ
    ネシウム組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機結合剤を用い、カルボン酸カルシウ
    ムマグネシウム成分を造粒する請求項7記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 有機結合剤の共存下、カルシウム成分、
    マグネシウム成分、及びカルボン酸成分からカルボン酸
    カルシウムマグネシウム成分を生成させる請求項7記載
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012188470A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Kunimine Industries Co Ltd 凍結抑制剤
CN104073222A (zh) * 2013-03-29 2014-10-01 北京精诚博桑科技有限公司 治理近地表空气中可吸入颗粒物的道路抑尘剂及制备方法

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