JP2001026394A - 補助アウトリガ装置及びクレーン車両 - Google Patents

補助アウトリガ装置及びクレーン車両

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JP2001026394A
JP2001026394A JP11202807A JP20280799A JP2001026394A JP 2001026394 A JP2001026394 A JP 2001026394A JP 11202807 A JP11202807 A JP 11202807A JP 20280799 A JP20280799 A JP 20280799A JP 2001026394 A JP2001026394 A JP 2001026394A
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Takatsugu Umeno
隆次 梅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着スペース確保の容易化、耐荷重性の向上
及び装着容易化を課題とする。 【解決手段】 その一端部がクレーン車両100の車体
側面に装着され,その他端部が車体102への装着時に
当該車体102から離間する方向に向かって延設される
と共にその延設方向先端部で地面に当接し、一端部に,
クレーン車両の車体102に対する回動を自在とし且つ
車体102に対する着脱を自在として当該車体102に
連結される装着部4とクレーン車両100に設けられた
圧力シリンダ機構120から装置本体2の回動力の入力
を受ける作用部3とを設け、装着部4の回動軸線を、他
端部の延設方向と略垂直となる方向に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アウトリガ装置及
びクレーン車両に係り、特に、着脱自在なアウトリガ装
置及びその装着に好適なクレーン車両に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のクレーン車両300及びこのクレ
ーン車両300に着脱自在である補助アウトリガ装置2
00とを図11に示す。
【0003】クレーン車両300は、複数の走行輪30
1を備え,地面上を自在に走行する車体302と、この
車体302の側面であって前後端部近傍に,当該車体3
02の幅方向に沿って張り出し自在に装備された主アウ
トリガ装置303,304と、先端に作業用のフック
(図示略)を装着し起伏回動を自在に行うブーム305
と、このブーム305を保持すると共に地面に対して略
垂直方向に沿った回転軸線を中心に車体302上に回転
自在に搭載された上部旋回体306とを備えている。
【0004】この上部旋回体306は、車体302の上
面であって後部近傍に搭載されている。この上部旋回体
306は、前述したブーム305の一端部を軸支してお
り、ブーム305は油圧シリンダに付勢されて上部旋回
体306上で起伏回動を行う。
【0005】主アウトリガ装置303,304は、車体
302の底面部であって、上部旋回体306の搭載位置
よりも幾分前方と後方とにそれぞれ装備されている。こ
の主アウトリガ装置303,304は、車体302の幅
方向に沿って、当該幅方向の両側(車体302の左右両
側)にそれぞれ個別に張り出し自在に装備されたビーム
303a,304a(車体右側に張りされ出されたもの
は図示を省略している)と、各ビーム303a,304
aの先端部において昇降動作を行うジャッキ303b,
304bとを備えている。
【0006】さらに、各ビーム303a,304aの先
端部には、図11に示すように、延長用のビーム303
c,304cを後付けされる構造となっている。この延
長用のビーム303c,304cの先端部にも、昇降自
在のジャッキ303d,304dが装備されている。
【0007】また、各主アウトリガ装置303,304
とは別に、クレーン車両302の底面における前端と後
端とにはそれぞれジャッキ307,308が装備されて
いる。
【0008】これらの各主アウトリガ装置303,30
4及び各ジャッキ307,308は、クレーン作業時に
際しては、各ジャッキが降下して地面を押圧し、各走行
輪301が地面から離間するまで車体302を上方に押
し上げる。
【0009】さらに、車体302の両側面であって主ア
ウトリガ装置303と主アウトリガ装置304との間の
位置には、車体の幅方向両側にそれぞれ張り出された状
態で補助アウトリガ装置200が装備される(車体30
2の右側に張り出されたものは図示を省略する)。
【0010】図12は、図11のX−X線に沿った断面
図である。この断面図において、後方のアウトリガ装置
304及びジャッキ308の図示は省略している。かか
る図に示すように、補助アウトリガ装置200は、クレ
ーン車両300の車体302に設けられた装着口302
aに一端部を挿入するビーム201と、このビーム20
1の他端部に設けられたジャッキ202と、このジャッ
キ202の昇降を付勢する昇降機構203と、昇降機構
203及びジャッキ202の左右両側に装備された補助
走行輪204とから構成されている。
【0011】車体302側に設けられた装着口302a
は、車体側面において走行輪301の上部に相当する高
さで水平方向に沿って設けられた有底の横穴であって、
ビーム201の断面とほぼ同一形状・同一寸法に設定さ
れている。ビーム201は、この装着口302aに挿入
され、図示しないピンによって固定される。
【0012】昇降機構204は、ジャッキ203の昇降
動作を付勢する油圧シリンダを備えており、この油圧シ
リンダはクレーン車両300に備えられている油圧ポン
プを駆動源とする。この油圧シリンダとクレーン車両3
00側の油圧ポンプとの接続は、ビーム201をクレー
ン車両300の装着口302aに挿入した後に行われ
る。
【0013】補助アウトリガ装置200の各補助走行輪
204は、ビーム201を装着口302aに挿入した状
態において、当該各補助走行輪204の下端部の高さと
クレーン車両300の各走行輪301の下端部の高さと
が均一となるように、その取り付け位置が設定されてい
る。従って、ジャッキ203が降りてない状態にあって
は、補助走行輪204は地面と当接し、クレーン車両3
00の走行に応じて図示しないモータにより駆動回転す
るようになっている。
【0014】上記構成からなる補助アウトリガ装置20
0は、クレーン作業時に際して、クレーン車両300に
装着される。このとき、クレーン車両300の各主アウ
トリガ装置303,304等の各ジャッキ303b,3
04b,303d,304d,307,308は下方に
作動して車体302を持ち上げ、これらのジャッキのみ
で支持した状態となる。しかる後に、各補助アウトリガ
装置200のジャッキ202が降ろされ、一定の接触圧
力(車体302を浮かせない程度の圧力)で地面に当接
させる。これにより、補助アウトリガ装置200は、ク
レーン作業時の荷重により生じる主アウトリガ装置30
3と304との間の車体302の撓みを抑制し同時にか
かる撓みによるブームの位置変動を抑制している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の補助アウトリガ装置200及びクレーン車両300
は、以下の問題を抱えている。
【0016】まず、従来の補助アウトリガ装置200
は、作業時に車体302に撓みが生じると、その構造
上、主にビーム201に曲げ荷重が集中することが挙げ
られる。
【0017】補助アウトリガ装置200では、ビーム2
01の長さを少しでも長く設定し、車体から離れた位置
で地面と接することが望ましいが、ビーム201のよう
な棒状の構造物は曲げ荷重に対する撓むを生じ易く、こ
のため、ビーム201の断面面積を大きく設定し十分な
強化を図らねばブームの位置変動を十分に抑制するとい
う効果が得られないという不都合を生じていた。
【0018】一方、ビーム201の強化のために断面面
積を大きく設定すると、クレーン車両300の側面に補
助アウトリガ装置200の装着口302aの配設スペー
スを確保することが困難になり、その配設位置が限定さ
れるという不都合を生じることとなる。特にクレーン車
両が大型のものとなると、車体の側面部は走行輪が多数
に装備されるため、各走行輪の間隙をぬって装着口を設
けなければならなくなる。しかし、ビーム断面が大きく
なると、走行輪の間隙には収まらないので、走行輪より
も上方に装着口を配置する必要性を生じるこことなる。
その結果、走行輪の上方に装着口を設けるスペースを確
保するために車体を余分に高く設定する必要性を生じ、
車体の大型化を招いていた。また、クレーン車両の場
合、作業時の安定性のためには車高が低いことが望まし
く、このような車高の上昇は、クレーン車両の作業時に
おけるブームの位置変動の抑制を妨げる要因となってい
た。
【0019】また別の問題点として、従来の補助アウト
リガ装置は、ビームの先端部を地面に当接させるため
に、先端部の昇降専用の独立した油圧シリンダを装備し
ていることが挙げられる。このような場合、補助アウト
リガ装置自体の部品点数の増加,構造の複雑化により生
産性の向上が困難であった。また、補助アウトリガ装置
をクレーン車両に装着する際に、油圧回路の接続,油圧
シリンダの制御回路の接続を要し、装着作業が繁雑とな
るという不都合を生じていた。さらに、油圧回路の接続
作業は、一般に作業現場で行われるため、圧油に塵芥が
混入する可能性を有し、かかる混入が生じた場合、油圧
回路の作動不良を生じる可能性を誘発するという問題を
有していた。同時に、油圧回路は内部に圧油が循環する
構造のため、着脱作業時には圧油漏れによる周囲の汚れ
の発生を生じる場合もあり、かかる場合の準備又は処理
をも必要となっていた。
【0020】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、クレーン車両に対して装着スペースの確保を
容易とし、耐荷重性が高く、装着作業の容易な補助アウ
トリガ装置を提供することを、その目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、作業時に補助走行輪を地面から浮かせた状態で支持
する複数の主アウトリガ装置を備えるクレーン車両に対
して、各主アウトリガ装置を補助する補助アウトリガ装
置である。この補助アウトリガ装置は、その一端部がク
レーン車両の車体側面に装着され,その他端部が車体へ
の装着時に当該車体から離間する方向に向かって延設さ
れると共にその延設方向先端部で地面に当接する。
【0022】さらに、補助アウトリガ装置の一端部は、
当該補助アウトリガ装置をクレーン車両の車体に対して
自らの回動を自在とし且つ車体に対して自らの着脱を自
在として車体に連結される装着部と、クレーン車両に設
けられた圧力シリンダ機構から装置本体の回動力の入力
を受ける作用部とを有している。そして、装着部の回動
軸線を、補助アウトリガ装置の他端部の延設方向と略垂
直となる方向に設定するという構成を採っている。
【0023】上記補助アウトリガ装置は、使用に先だっ
て、当該補助アウトリガ装置の一端部に位置する装着部
を介してクレーン車両の車体側面に装着する。このと
き、クレーン車両の地面上に停車している状態におい
て、装着部の回動軸線が地面と平行となるように装着が
行われる。
【0024】一方、補助アウトリガ装置の他端部は前述
の如く装着部の回動軸線に対して略垂直方向に延設され
ているため、補助アウトリガ装置がクレーン車両の車体
に対して回動すると、他端部の延設方向先端部は地面と
ほぼ垂直な平面内を回動することとなる。
【0025】補助アウトリガ装置をクレーン車両に装着
した後、クレーン作業を行う際には、まずクレーン車両
に装備された主アウトリガ装置により走行輪を地面から
浮かせた状態で車体を支持する。その後、クレーン車両
の圧力シリンダ機構により、補助アウトリガ装置の一端
部側に設けられた作用部を介して他端部の延設方向先端
部を地面側に当接する方向に補助アウトリガ装置の回動
動作が付勢される。そして、他端部の延設方向先端部が
一定の押圧力で地面と当接した状態で補助アウトリガ装
置の回動を停止させ且つ当該補助アウトリガ装置をその
位置に維持する。
【0026】これにより、車体から張り出された状態の
補助アウトリガ装置の他端部の延設方向先端部が地面を
押圧した状態となるので、当該先端部を押し戻す方向に
作業時における荷重がクレーン車両の車体に付加された
場合でも、車体の撓みの発生が抑制される。
【0027】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の構成を備えると共に、装着部と作用部とが
設けられた装置本体と、この装置本体から延設されその
延設方向先端部で地面と当接する支持部材とを備え、こ
れら装置本体と支持部材とが一端部から他端部にかけて
並んで配設される。そして、支持部材は、その延設方向
先端部を装着部側に折り畳む回動関節を介して装置本体
に装備され、装置本体上における支持部材の延設方向寄
りの位置に、補助走行輪を装備するという構成を採って
いる。
【0028】上記構成では、支持部材をその回動関節に
より折り畳んだ状態で補助アウトリガ装置の装置本体を
クレーン車両の車体に装着する。装着後、圧力シリンダ
機構を駆動して補助走行輪の地面側の端部が当該地面と
接する位置まで補助アウトリガ装置を回動させる。この
とき、当該補助アウトリガ装置の補助走行輪が、クレー
ン車両の走行輪と同じ走行方向を向くように、補助アウ
トリガ装置の補助走行輪と装着部との位置関係が設定さ
れている。
【0029】そして、上述したように、補助走行輪が装
置本体における支持部材の延設方向寄りの位置に設けら
れているため、同じように装置本体における延設方向端
部に回動関節を介して設けられた支持部材が折り畳まれ
ると、補助走行輪よりも車体の幅方向外側にほとんどは
み出すことがなくなる。
【0030】かかる状態において、主アウトリガ装置に
より車体を支持していない状態(走行輪が地面と接して
いる状態)でクレーン車両の走行輪が駆動されると、補
助アウトリガ装置の補助走行輪も同時に回転し、補助ア
ウトリガ装置の存在が走行の支障となることなく走行が
行われる。
【0031】また、使用時においては、支持部材が伸張
された状態で、前述した請求項1記載の発明と同様の動
作が行われる。
【0032】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明と同様の構成を有すると共に、装置本体に着脱自在の
補助走行輪を装備という構成を採っている。
【0033】かかる構成では、請求項1記載の発明と同
様の動作が行われると共に、補助アウトリガ装置がクレ
ーン車両に装備された後に、クレーン車両の現場内移動
を行う必要が生じた場合に、補助走行輪が装置本体に装
着される。
【0034】請求項4記載の発明は、複数の走行輪を備
え,地面上を自在に走行する車体と、この車体の側面で
あって前後端部近傍に,当該車体の幅方向に沿って張り
出し自在に装備され車体に設けられた走行輪を地面から
離間させる主アウトリガ装置と、先端部に作業対象物を
吊し起伏回動を自在に行う吊り上げ作業用のブームと、
このブームを保持すると共に地面に対して略垂直方向に
沿った回転軸線を中心に車体上に回転自在に搭載された
上部旋回体とを備えるクレーン車両である。
【0035】そして、一端部で地面に当接すると共に他
端部に着脱自在の装着部を備える補助アウトリガ装置
を,回動自在に支持する支持取り付け部と、補助アウト
リガ装置の回動を付勢する圧力シリンダ機構とを車体に
備えると共に、支持取り付け部の回動軸線を、地面と略
平行となる方向に設定するという構成を採っている。
【0036】ここで、上述の圧力シリンダ機構とは、ピ
ストン,プランジャ等がシリンダ内の作動流体の圧力変
化により駆動する機構をいう。
【0037】上記構成のクレーン車両の場合には、使用
に先だって、その支持取り付け部に、補助アウトリガ装
置の装着部を装着する。この支持取り付け部は、地面と
略平行な回動軸線を中心に補助アウトリガ装置を支持す
るため、当該補助アウトリガ装置の回動端部(地面と当
接する端部)は、地面に対して略垂直な平面に沿って回
動することとなる。
【0038】補助アウトリガ装置をクレーン車両に装着
した後、クレーン作業を行う際には、まず主アウトリガ
装置により走行輪を地面から離間させた状態で車体を支
持する。その後、圧力シリンダ機構により、補助アウト
リガ装置を回動させる。このときの回動方向は、補助ア
ウトリガ装置の一端部が地面側に当接する方向とする。
そして、補助アウトリガ装置の一端部が一定の押圧力で
地面と当接した状態で補助アウトリガ装置の回動を停止
させ且つその位置に補助アウトリガ装置を維持する。
【0039】かかる状態でブームを起伏回動させて作業
が行われるが、車体に装備された補助アウトリガ装置の
支持部材がその先端部で地面を押圧した状態となるの
で、当該先端部を押し戻すような荷重がクレーン車両の
車体に生じた場合でも、これによる車体の撓み及びブー
ムの位置変動が抑制される。
【0040】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明と同様の構成を備えると共に、圧力シリンダ機構
が、往復移動を行う出力部と、この出力部に装備され補
助アウトリガ装置と着脱自在に連結されるリンク部材と
を備えている。
【0041】そして、このリンク部材は、その両端部に
支持取り付け部の回動軸線と平行な回動軸線で回動する
回動関節を個別に有し、その一方の回動関節を介して出
力部と連結されると共に他方の回動関節を介して補助ア
ウトリガ装置と着脱自在に連結され、圧力シリンダ機構
の出力部の移動範囲を、リンク部材の出力部側の端部を
少なくとも車体の幅の内側領域内まで退避可能な範囲に
設定するという構成を採っている。
【0042】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
発明と同様の動作が行われると共に、補助アウトリガ装
置の装着の際には、圧力シリンダ機構の出力部がリンク
部材を介して補助アウトリガ装置と連結される。従っ
て、補助アウトリガ装置は、クレーン車両の支持取り付
け部において連結されると共に、それとは別の位置で圧
力シリンダ機構の出力部ともリンク部材を介して連結さ
れることとなる。
【0043】このリンク部材は、その両端部が、圧力シ
リンダ機構の出力部とアウトリガ装置とに回動自在に連
結されると共に、各々の回動軸線が支持取り付け部の回
動軸線と平行であるため、出力部の直線的な往復移動に
対し、補助アウトリガ装置には、リンク部材を介して押
圧力又は引っ張り力を付勢し、支持取り付け部の回動軸
線を中心に回転動作が行われる。
【0044】また、補助アウトリガ装置の非装着時に際
しては、圧力シリンダ機構の出力部を当該出力に連結さ
れたリンク部材の端部が車体の幅の内側領域内まで退避
させ、且つ、リンク部材の補助アウトリガ装置と連結さ
れる端部を車体側に引き寄せる方向に回動させることに
より、当該リンク部材が車体の幅方向について突出しな
い状態とすることができる。
【0045】本発明は、上述した各構成によって前述し
た目的を達成しようとするものである。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
10に基づいて説明する。この実施形態では、いわゆる
重量物の吊り上げ作業に使用されるクレーン車両100
と、このクレーン車両100に着脱自在の補助アウトリ
ガ装置10とを示す。
【0047】図1は、補助アウトリガ装置10を装着し
たクレーン車両100の斜視図であり、図2は、補助ア
ウトリガ装置10を装着しない状態のクレーン車両10
0の左側面図である。以下、主にこれら図1及び図2に
基づいてクレーン車両100について説明する。
【0048】クレーン車両100は、複数の走行輪10
1を備え,地面上を自在に走行する車体102と、先端
部に作業対象物を吊し起伏回動を自在に行う吊り上げ作
業用のブーム103と、このブーム103を保持すると
共に地面Jに対して略垂直方向に沿った回転軸線を中心
に車体102上に回転自在に搭載された上部旋回体10
4と、この車体102の側面であって前後端部近傍に,
当該車体102の幅方向に沿って張り出し自在に装備さ
れ車体102に設けられた走行輪101を地面から離間
させる主アウトリガ装置150,160とを備えてい
る。
【0049】車体102は、前後方向に延びた略直方体
形状のフレーム105と、このフレーム105の上部側
面に装備されたフェンダー106とを備えている。さら
に、フレーム105は、その底面部に車軸を介して複数
の走行輪101を走行回転自在に支持している。
【0050】各走行輪101は、フレーム105の幅方
向(以下、左右方向とする)の両側に対を成して配置さ
れている。そして、これら走行輪101の各対が車体1
02の前後方向に渡って六基装備されている。
【0051】図3は、上部旋回体104の取り付け位置
の周囲におけるクレーン車両100の一部を上方から見
た図を示す。図3では、上部旋回体104の図示を省略
している。この図3をさらに参照して説明すると、前述
した各対を成す走行輪101の内、前から四番目の対と
なる走行輪101aは、常時直進方向を向いた非操舵輪
である(他の走行輪101と区別するため、非操舵輪で
ある走行輪のみ符号101aを付すことにする)。そし
て、他の走行輪101は、操舵時の車体102の走行軌
跡となる円周と同心の円周に沿ってその向きを変える操
舵輪である。
【0052】さらに図3によれば、各走行輪101は、
フレーム105の左右両側面よりも左右方向外側に位置
している。そして、フレーム105の両側面からは、前
述したフェンダー106がそれぞれ、非操舵時の各走行
輪101を上方からみてほぼ覆い隠すことができる距離
まで延設されている。以下、一方のフェンダー106の
左右方向外側端部から他方のフェンダー106の左右方
向外側端部までの距離をクレーン車両100の車体10
2の幅Wと称することとする。
【0053】フレーム105の前側端部には、図2に示
されるように、車両操縦室107が設けられている。こ
の車両操縦室107では、クレーン車両100の走行,
操舵等の操縦が行われる。また、車両操縦室107の側
面には図示しない主アウトリガ装置150,160の操
縦盤が設けられている。
【0054】また、図2,3に示すように、フレーム1
05の上面であって前後方向中間部より幾分後部寄りの
位置には、上部旋回体104を載置するステージ108
が装備されている。このステージ108は、地面Jに対
して垂直となる旋回中心軸線Cを中心に自在に回転する
軸受け109を介してフレーム105上に装備されてい
る。そして、ステージ108は、フレーム105の内部
に装備された図示しない駆動手段(例えば油圧モータ、
電動モータ等)回転動作が付勢される。またその回転範
囲は360度に設定され、上部旋回体104をいずれの
方向にも向けることができる。
【0055】このステージ108に対して上部旋回体1
04は着脱自在となっている。即ち、この上部旋回体1
04は、吊り上げ作業時にのみステージ108に装着さ
れ、クレーン車両100が一般道路を走行する際には装
着されない。
【0056】さらに、この上部旋回体104について説
明すると、図2に示すように、当該上部旋回体104の
前側端部には、旋回体操縦室114が設けられている。
この旋回体操縦室114は、上部旋回体104の旋回動
作,ブーム103の起伏回動動作,後述するウィンチ1
15による吊り上げ動作等の操縦が行われる。
【0057】さらに、当該上部旋回体104の上部にお
ける幾分後方寄りの位置には、ブーム103の根本とな
る端部が回動自在に連結されている。また、ブーム10
3の下側には、三本の油圧シリンダ116(二本は図示
略)が配置されている。この油圧シリンダ116は、そ
の一端部が上部旋回体104の前端部近傍に起伏回動自
在に支持されている。また、油圧シリンダ116の他端
部は、ブーム103の底面側に回動自在に連結されてい
る。
【0058】さらに、上部旋回体104の上部における
ブーム103との連結部よりも後方の位置には、吊り上
げ作業時にワイヤの巻き取りを行うウィンチ115が装
備されている(図1参照)。
【0059】さらに、前述したブーム103について説
明する。図2に示すように、このブーム103は、順次
その内側から延長ブームが繰り出される多段伸縮式の構
造を採っている。そして、その最先端部には、吊り上げ
作業に使用されるワイヤが巻回される滑車117が装備
されている(図1参照)。ブーム103は、図示しない
油圧シリンダを備え、これにより伸縮を行う。
【0060】そして、このブーム103は、上部旋回体
104に対して着脱自在であり、非使用時においては分
離される。また、前述した油圧シリンダ116も、その
上部旋回体104側の端部が当該上部旋回体104に対
して着脱自在であり、ブーム103が上部旋回体104
から取り外される際に一体的に取り外される。
【0061】このように、上部旋回体104は車体10
2から分離可能であり、ブーム103は上部旋回体10
4から分離可能であることにより、クレーン車両100
の一般道路による移動の際には、上部旋回体104及び
ブーム103は、それぞれ個別に輸送車両に積載されて
輸送が行われる。
【0062】さらに、図2に示すように、フレーム10
5の前端部における底面には、フロントジャッキ110
が装備されている。このフロントジャッキ110は、ク
レーン車両100の吊り上げ作業時において、主アウト
リガ装置150,160により車体前側の各走行輪10
1が地面Jから浮いた状態となるまで当該車体102の
前側部分を押し上げた後に、地面Jに向かって伸張さ
れ、地面に対して一定の荷重で当接する。図1では、既
に地面に当接した状態を示している。このフロントジャ
ッキ110は、図示しない油圧シリンダにより伸縮及び
押し上げ動作が行われる。また、図1中の符号111
は、フロントジャッキ110の使用時にのみ装着される
フロートを示している。
【0063】また、図2に示すように、フレーム105
の後端面には、リアジャッキ112が装備されている。
このリアジャッキ112は、非使用時においては、フレ
ーム105の後端面に沿って折り畳まれている。そし
て、クレーン車両100の吊り上げ作業時においては、
フレーム105の後端面に対して垂直に立ち上げられ
る。さらに、このリアジャッキ112は、クレーン車両
100の吊り上げ作業時において、主アウトリガ装置1
50,160により車体前側の各走行輪101が地面J
から浮いた状態となるまで当該車体102の前側部分を
押し上げた後に、地面Jに向かって伸張され、地面に対
して一定の荷重で当接する。このリアジャッキ112
は、図示しない油圧シリンダにより伸縮及び押し上げ動
作が行われる。図1では、既に地面に当接した状態を示
している。また、図1中の符号113は、リアジャッキ
112の使用時にのみ装着されるフロートを示してい
る。
【0064】フレーム105の底面であって上部旋回体
104の旋回中心よりも前方には、図1に示すように、
主アウトリガ装置150が配設されている。また、同底
面であって旋回中心軸線Cの後方には、主アウトリガ装
置160が配設されている。各主アウトリガ装置15
0,160は、車体の幅方向に沿って、右側と左側とに
それぞれ張り出されるビーム151,161とを備えて
いる。このビーム151,161は、当該ビーム15
1,161をスライド自在に支持する支持枠体に収納さ
れ、かかるスライド動作は図示しない油圧シリンダによ
り付勢される。
【0065】各ビーム151,161の先端部の底面に
は地面に対して垂直方向に昇降動作を行うジャッキ15
2,162が装備されている。これらジャッキ152,
162は、地面Jに向かって伸張し、車体後側の各走行
輪101が地面から浮いた状態となるまで当該車体10
2を押し上げる。これらジャッキ152,162は、図
示しない油圧シリンダにより伸縮及び押し上げ動作が行
われる。図1では、既に車体102を押し上げた状態を
示している。
【0066】さらに、各ビーム151,161の先端部
には、着脱自在の延長用アウトリガ装置153,163
を装着することができる。各延長用アウトリガ装置15
3,163は、ビーム151,161の先端部に継ぎ足
して連結されるビーム154,164と、各ビーム15
4,164の先端部の底面に設けられたジャッキ15
5,165とを備えている。これらジャッキ155,1
65は、地面Jに向かって伸張し、車体後側の各走行輪
101が地面から浮いた状態となるまで当該車体102
を押し上げる。これらジャッキ155,165は、図示
しない油圧シリンダにより伸縮及び押し上げ動作が行わ
れる。図1では、既に車体102を押し上げた状態を示
している。
【0067】フレーム105の両側面であって上部旋回
体104の旋回中心軸線Cの近傍には、それぞれ補助ア
ウトリガ装置10を回動自在に支持する支持取り付け部
118が設けられている(図2参照)。
【0068】支持取り付け部118は、一基の補助アウ
トリガ装置10に対して二つ設けられている。即ち、フ
レーム105の両側面にそれぞれ一つずつ補助アウトリ
ガ装置10が装備されるので、一側面につき二つの支持
取り付け部118が設けられている。フレーム105の
一側面において、一方の支持取り付け部118は上部旋
回体の旋回中心軸線Cよりも前方に位置し、他方の支持
取り付け部118は旋回中心軸線Cよりも後方に位置し
ている。また、これらの支持取り付け部118は、上方
から見て前から五番目の走行輪101の前方と後方とに
位置している。
【0069】図4は、図3におけるY−Y線に沿った車
体102の断面図であり、同時に補助アウトリガ装置1
0の取り付け状態を示す。図2に加え図3及び図4を参
照してさらに説明すると、この支持取り付け部118
は、フレーム105の側面上から車体の幅方向に沿って
外側に延設されたアーム状を呈している。そして、この
支持取り付け部118はフェンダー106とほぼ同位置
まで延設されており、上方から見てフェンダー106に
覆い隠されるようになっている。従って、この支持取り
付け部118が、クレーン車両100の側面から突出す
るようなことはない。
【0070】各支持取り付け部118の先端部には、補
助アウトリガ装置10を軸支する支軸ピン119が装着
される係合穴118aが設けられている。支軸ピン11
9は、この係合穴118aに対して着脱自在であり、当
該支軸ピン119を引き抜くことにより、補助アウトリ
ガ装置10を支持取り付け部118から取り外すことが
できる。また、フレーム105の同一の側面上に設けら
れた二つの支持取り付け部118の各係合穴118aに
挿入される各々の支軸ピン119が地面と平行であって
クレーン車両100の前後方向と平行となる同一の線上
(図3に示す点線D)に位置し且つ沿うように、各係合
穴118aの向き及び位置が設定されている。従って、
補助アウトリガ装置10を車体102に対してかかる線
D(以下、回動軸線Dとする)を中心として自在に回動
させることができる。なお、支軸ピン119は不慮の脱
落が生じないように、例えば、Cリングが装備されてい
る(図示略)。
【0071】図5は、圧力シリンダ機構としての油圧シ
リンダ機構120及びこれに連結された補助アウトリガ
装置10を上方から見た図を示している。前述した図4
とこの図5を参照して油圧シリンダ機構120について
説明する。
【0072】油圧シリンダ機構120は、補助アウトリ
ガ装置10の回動動作を付勢する。この油圧シリンダ機
構120は、フレーム105の底面であって、上方から
見て同一側面上に設けられた二つの支持取り付け部11
8の間となる位置に装備されている。符号121は、フ
レーム105の底面に溶接された油圧シリンダ機構12
0の支持部材である。この支持部材121は、油圧シリ
ンダ機構120を所定方向に向けて固定支持する。
【0073】油圧シリンダ機構120は、往復移動を行
う出力部122と、この出力部に装備され補助アウトリ
ガ装置100と着脱自在に連結されるリンク部材123
とを備えている。上記出力部122は、主にシリンダ部
124とピストン部125と連結部126とから構成さ
れる。シリンダ部124は一端が開放された筒状体であ
り、ピストン部125が摺動自在に挿入されている。そ
して、フレーム105に装備された図示しない油圧ポン
プによりシリンダ124内の作動油の圧力が変動され、
ピストン部125は車体の幅方向に沿った往復移動が付
勢される。
【0074】連結部126は、ピストン部125の一端
部に固定装備されている。ピストン部125は、連結部
126を図4中で実線で示した位置から二点鎖線で示し
た位置までの範囲で往復移動させる。従って、かかる連
結部126は、車体102の幅Wの内側領域内でのみ移
動を行うこととなる(前述したように、車体102の幅
Wは一方のフェンダー106の先端から他方のフェンダ
ーの先端までの距離をいう:図3参照)。
【0075】そして、この連結部126は、リンク部材
123の一端部123a(出力部側の端部)と回動自在
に連結されている。連結部126とリンク部材123の
一端部123aとは中心軸となる軸部材127を介して
連結される。これら一端部123aと軸部材127によ
り回動関節を構成している。そして、この回動関節は、
軸部材127に沿った方向を回動軸線Eとしてこれを中
心に回動する。また、この回動軸線Eは、支持取り付け
部118の回動軸線Dと平行に設定されている。
【0076】リンク部材123の他端部123bは、後
述する補助アウトリガ装置10の作用部5と回動自在に
連結される。この作用部5とリンク部材123の他端部
123bとは中心軸となる支軸ピン128を介して連結
される。これら他端部と支軸ピン128とが回動関節を
構成している。そして、この回動関節は、支軸ピン12
8に沿った方向を回動軸線Fとしてこれを中心に回動す
る。また、この回動軸線Fは、支持取り付け部118の
回動軸線Dと平行に設定されている。
【0077】なお、支軸ピン128は、リンク部材12
3の他端部123b及び作用部5に対して着脱自在であ
り、当該支軸ピン128を引き抜くことにより、補助ア
ウトリガ装置10をリンク部材123から取り外すこと
ができる。なお、支軸ピン128は不慮の脱落が生じな
いように、例えば、Cリングが装備されている(図示
略)。
【0078】ここで、リンク部材123は、補助アウト
リガ装置10の非装着状態にあっては、その他端部12
3bが一端部123aを中心として自在に回動する。そ
して、かかる他端部123bをフレーム105側に回動
させた場合に、その回動を遮るものがなく、フレーム1
05の側面に沿って収納することが可能である(図4の
点線で示したリンク部材123)。
【0079】また、前述したように、連結部126は、
その往復移動範囲が車体の幅Wの領域内に含まれてい
る。従って、リンク部材の一端部123aも車体の幅W
の領域内に常に位置することとなる。
【0080】これにより、補助アウトリガ装置10の非
装着状態にあっては、リンク部材123全体を車体10
2の幅Wの領域内に引き込むことが可能である。図4に
おける符号130は、引き込まれたリンク部材123を
ワイヤ等で固定するためのフックである。
【0081】従って、クレーン車両100の非作業時に
おける走行の際に、リンク部材123と周囲の障害物と
の接触を回避し、周囲の破損及びリンク部材123自体
の破損を有効に回避することが可能となる。
【0082】また、両端部に回動関節を有するリンク部
材123を介して補助アウトリガ装置10の作用部5と
油圧シリンダ機構120のピストン125とを連結する
構造としたことにより以下の効果を得ることができる。
即ち、一つの回動関節を介してピストン125と作用部
5とを連結したとすると、補助アウトリガ装置10に回
動動作を付勢する場合に、ピストン125が装着部4を
中心とする円周に沿った移動に追従しなくては成らなく
なり、同時に油圧シリンダ機構120のシリンダ124
を回動させなければならなくなる。しかし、リンク部材
123を介在させたので、作用部の円周移動に対して、
ピストン124は直動させることが可能となる。このた
め、シリンダ124の回動を行うためのスペースが不要
となり、クレーン車両100の省スペース化による小型
化を図ることが可能となる。
【0083】なお、上述のクレーン車両100では、連
結部126の移動範囲全体が車体102の幅Wの領域内
に位置する設定としたが、特に移動範囲全体が領域内に
なくとも良い。例えば、ピストン部125が最も後退し
た状態で、連結部126が車体102の幅W領域内であ
れば良い。
【0084】また、上述のクレーン車両100では、補
助アウトリガ装置10に個別に対応する油圧シリンダ機
構120を設けたが(図4,5参照)、一基の油圧シリ
ンダ機構120で同時に二つの補助アウトリガ装置10
の回動を付勢する構成としても良い。即ち、支持部材1
21が油圧シリンダ機構120のシリンダ部124を車
体102の幅方向に沿ってスライド自在に保持し、シリ
ンダ部124に一方の補助アウトリガ装置10と連結さ
れる連結部126を装備し、ピストン部125に他方の
補助アウトリガ装置10と連結される連結部126を装
備する。これにより、ピストン部125がシリンダ部1
24に対して後退する方向に移動が付勢されると、各補
助アウトリガ装置10は互いに引き寄せられることにな
り、ピストン部125がシリンダ部124に対して前進
する方向に移動が付勢されると、各補助アウトリガ装置
10は互いに離間させられることになる。従って、二つ
の補助アウトリガ装置10は同時に回動を行うことが可
能となり、油圧シリンダ機構120を二つ設ける場合と
ほぼ同様に機能することとなる。
【0085】次に、図3乃至図9に基づいて補助アウト
リガ装置10について説明する。この補助アウトリガ装
置10は、吊り上げ作業に際してクレーン車両100に
装備され、各種アウトリガ装置150,160により各
走行輪101を地面Jから浮かせて支持する状態にある
クレーン車両100に対して、主アウトリガ装置150
と主アウトリガ装置160との間に生じる車体102の
撓みを抑制し、作業時のブーム103の先端部の位置変
動を防止することを目的とするものである。
【0086】このアウトリガ装置10は、クレーン車両
100に対して着脱自在であり、フレーム105の両側
面105a,105bにそれぞれ一基ずつ装備される。
なお、側面105aに装備される補助アウトリガ装置1
0と側面105bに装備される補助アウトリガ装置10
とは、鏡面対称形状となるが、その点を除き構成及び構
造は全て同一であるので、側面105aに装備される補
助アウトリガ装置10についてのみ説明する。
【0087】図6は、補助アウトリガ装置10の斜視図
を示す。まず、図4乃至図6に基づいて説明すると、補
助アウトリガ装置10は、クレーン車両100のフレー
ム105の側面105aに装着される装置本体2と、フ
レーム105から離間する方向に向かって装置本体2か
ら延設された支持部材3と、装置本体2に着脱自在の補
助走行輪7(図4乃至図6で図示略)とを備えている。
【0088】装置本体2は、内部が中空の箱体であり、
一方の端部2aが広く開口している。また他方の端部2
bには支持部材3が装備されている。そして、装置本体
2の一端部2aには、クレーン車両100の二つの支持
取り付け部118と個別に連結される二つの装着部4
と、油圧シリンダ機構120から装置本体2の回動力の
入力を受ける作用部5とが設けられている。
【0089】各装着部4は、それぞれ貫通穴を有し、前
述した支軸ピン119が挿通されて支持取り付け部11
8に連結される。各装着部4の貫通穴の位置及びその向
きは、各々の中心軸が同一の回動軸線上に位置するよう
に設定されている。また、各装着部4の離間距離は、二
つの支持取り付け部118の離間距離と同一に設定され
ている。従って、各装着部4は、各支持取り付け部11
8に支軸ピン119を介して自在に連結することが可能
となっている。また、連結後には、補助アウトリガ装置
10は、前述した回動軸線Dを中心としてその全体を車
体102に対して回動させることが可能となる。
【0090】装着部4は二箇所に設けられているので、
クレーンの使用時に生じるより大きな荷重にも充分に対
応することが可能となる。また、各装着部4の回動軸線
Dに沿った方向について二箇所で支持することにより、
吊り上げ作業時の前後方向の揺動を有効に抑制し、作業
時におけるクレーン車両100の安定性を確保してい
る。
【0091】作用部5は、各装着部4を支持取り付け部
118に連結した状態において、当該各装着部4の下方
に位置する。作用部5は、装置本体2の他の部分よりも
肉厚で断面コ字状に形成された壁面から形成されており
(参照図5)、かかる壁面を貫通する貫通穴51を有し
ている。この貫通穴51の中心軸は、各装着部4の貫通
穴の中心軸と平行に設定されている。そして、この作用
部5のコ字状の内側に前述したリンク部材123の他端
部123bが挿入され、支軸ピン129にて作用部5と
リンク部材123とが連結される。
【0092】従って、作用部5に対するリンク部材12
3の回動軸線Dは、各装着部4の回動軸線Fと平行とな
る。これにより、油圧シリンダ機構120のピストン部
125が直線移動した場合であっても、リンク部材12
3の他端部123bは、装着部4の回動軸線Dを中心と
する円周に沿った移動に追従することができる。このた
め、ピストン部125が油圧により駆動した場合に、リ
ンク部材123を介して作用部5に上記円周に沿った移
動動作を付勢することができ、油圧シリンダ機構120
は、装置本体2に対して回動軸線Dを中心とする回動動
作を付勢することが可能となる。
【0093】装置本体2の上面部には、フック用の係止
部材21が装備されている。補助アウトリガ装置10を
クレーン車両100に装着する際に、当該補助アウトリ
ガ装置10はブーム103を利用して吊り上げる必要が
ある。このため、ブーム103に設けられたフックがか
けられる係止部材21が装備されている(参照図4)。
【0094】支持部材3は、その一端部で地面と当接
し、他端部で回動関節6を介して装置本体2に連結され
ている。回動関節6は、補助アウトリガ装置10の非使
用時において支持部材3を折り畳むためのものである。
補助アウトリガ装置10の使用時における支持部材3
は、装置本体2の他端部において車体102から離れる
方向に延設されている。折り畳まれていない状態(使用
時)における支持部材3の延設方向Gは、上方から見て
装着部4の回動軸線Dにほぼ垂直な方向に設定されてい
る(図5参照)。
【0095】支持部材3は、主に、三角形の略箱形構造
を成すアーム部31と、アーム部31の先端部に装備さ
れた地面と当接する当接フロート32と、アーム部31
の延設状態を保持するストッパ33とから構成されてい
る。
【0096】アーム部31の先端部31aは、装着部4
が支持取り付け部118に装着された状態において、地
面Jに対して略垂直方向を向いている。正確には、先端
部31aは垂直よりも幾分傾斜しているが(図4参
照)、作用部5がフレーム105側に油圧シリンダ機構
120によって引き寄せられることにより、当接フロー
ト32が地面Jと当接し、先端部31aは地面Jに対し
てほぼ垂直となる(図7参照)。
【0097】また、当接フロート32は、アーム部31
の先端部31aにユニバーサルジョイントを介して装着
されており、その当接面を幾分傾斜させることが可能と
なっている。
【0098】ストッパ33は、主に、第1のリンク33
aと、第2のリンク33bと、この第1のリンク33a
の一端部を回動自在に支持する支持体33cとから構成
されている。第1のリンク33aの他端部は第2のリン
クの一端部と互いに回動自在に連結され、第2のリンク
の他端部はアーム部31の先端部31aに回動自在に連
結されている。
【0099】支持体33cは、同一形状の二枚の平板か
ら成り、これらは所定の隙間を空けた状態で対向して装
置本体2の他端部近傍に固定されている。支持体33c
は、二枚の平板間で第1のリンク部材33aを支持す
る。二枚の平板の双方には、同じ位置に第一の貫通穴3
3dと第二の貫通穴33eとが形成されている。前述し
たように、支持部材3(正確にはアーム部31)は、折
り畳み用の回動関節6を介して装置本体2に装備されて
おり、使用時には延設方向に伸ばし、非使用時には回動
させて折り畳むことが可能である。
【0100】第1のリンク33aの中間部分にも、同一
径の貫通穴が設けられており(図示略)、第一の貫通穴
33dは、アーム部31が伸ばされた状態で第1のリン
ク33aの貫通穴と相対する位置に設けられている。そ
して、かかる状態で、第1のリンク33aの貫通穴と第
一の貫通穴33dとに固定用ピン33fが挿入され、こ
れによりアーム部31の伸張状態がロックされる(図6
参照)。
【0101】また、第二の貫通穴33eは、アーム部3
1が折り畳まれた状態で第1のリンク33aの貫通穴と
相対する位置に設けられている。そして、かかる状態
で、第1のリンク33aの貫通穴と第二の貫通穴33e
とに固定用ピン33fが挿入され、これによりアーム部
31の折り畳み状態がロックされる。
【0102】図8は補助アウトリガ装置10の平面図で
あり、図8(A)は支持部材3を折り畳んだ状態を示
し、図8(B)は支持部材3を伸張した状態を示す。ま
た、図9は補助アウトリガ装置10の左側面図であり、
図9(A)は支持部材3を折り畳んだ状態を示し、図9
(B)は支持部材3を伸張した状態を示す。
【0103】これらの図に基づいて補助走行輪7につい
て説明する。補助走行輪7は、着脱機構71を介して装
置本体2に着脱自在に装備される。この補助走行輪7
は、補助アウトリガ装置10をクレーン車両100に装
備した状態で装置本体2の前側の面に装備される。ま
た、各補助走行輪7はクレーン車両100の走行輪10
1と外径が同一に設定されている。
【0104】着脱機構71は、二つの補助走行輪7を同
軸上で走行回転自在に保持する保持部材72と、この保
持部材72から浮いた状態で三点で支持された棒状の被
係止体73と、装置本体2の前面に固定装備された爪部
材74と、装置本体2の底面に設けられた連結部材75
とから構成されている。
【0105】この着脱機構71による補助走行輪7の装
着方法を述べる。爪部材74は先端が上方を向いてお
り、二本が並列されている。この爪部材74に被係止体
73が引っかけられると、保持部材72は被係止体73
を軸として装置本体2に対して回動を行うことができる
(図9(A)における二点差線)。保持部材72の下端
部には連結部材75に固定するための係合穴77が設け
られており、この係合穴77を連結部材75に位置決め
し、固定ピン76を装着する。これにより、保持部材7
2は、爪部材74と連結部材75とにより装置本体2に
装着される。また、補助走行輪7を外す場合には、固定
ピン76を装着部75から引き抜き、上述の逆の操作が
行われる。なお、上記取り付け作業は、ブーム103の
先端部に保持部材72を吊り上げて行われるため、当該
保持部材71の上部にはクレーンのフックをかけるため
の係止部材78が装備されている。
【0106】また、補助アウトリガ装置10をクレーン
車両100に装備し、支持部材3の当接フロート32が
地面Jに当接した状態において、各補助走行輪7の車軸
がクレーン車両100の前から四番目の走行輪101a
(図3参照)の車軸の同一軸上となるように装置本体2
に対する着脱機構71の位置設定が成されている(図1
参照)。走行輪101aは、前述したように非操舵輪で
ある。このように、非操舵輪である走行輪101aと補
助走行輪7とを同一軸上に設定することにより、補助走
行輪7を保持する着脱機構71にステアリング可能な構
造を施す必要性を排除し、補助アウトリガ装置10の部
品点数の低減による生産性の向上を図っている。
【0107】次に、着脱機構71により装置本体2に装
備された補助走行輪7の配置と支持部材3の折り畳み用
の回動関節6との関係について説明する。
【0108】回動関節6は、図8(A)に示すように、
車体102から離間する方向に突出した状態で装置本体
2の他端部2bに設けられている。この場合、回動関節
6は、支持部材3を折り畳んだ状態にあっては、当該支
持部材3全体よりも車体102の幅方向における外側に
突出することとなる。
【0109】着脱機構71の保持された二つの補助走行
輪7の内、外側に位置する補助走行輪7の幅方向外側の
面Hが回動関節6よりも外側となるように、着脱機構7
1の位置設定が成されている。このため、折り畳まれた
後の支持部材3及び回動関節6は、補助走行輪7よりも
外側に突出することがなく、走行時において周囲の障害
物との接触を回避し、周囲の破損及び支持部材自体の破
損を有効に回避することが可能となる。
【0110】さらに回動関節6について詳説すると、か
かる回動関節6の回動軸線I(参照図)は、装着部4の
回動軸線Dに垂直な平面に沿う方向に設定されている。
従って、作用部5が油圧シリンダ機構120により引き
寄せられ、当接フロート32が地面に押圧接触した場
合、その反力により当該回動関節を中心とする支持部材
3のモーメントは生じない。このため、作業時に支持部
材3が折り畳まれるような不都合を生じることはない。
【0111】また、回動関節6の回動軸線Iは、当接フ
ロート32が地面Jに当接した状態において、当該地面
に垂直な方向よりも傾斜した方向に設定されている。即
ち、回動軸線Iは、地面Jに近くなるにつれて車体10
2に近づく方向に傾斜している。このような回動軸線I
を中心に支持部材3を回動させると、当接フロート32
は上下動を行うことができる。
【0112】支持部材3は、回動関節により90度回動
させることが可能である。支持部材3が伸張された状態
にあっては、図9(B)に示すように、補助走行輪7及
び走行輪101よりも当接フロート32は、下方に位置
している。かかる状態から支持部材3を90度回動させ
ると、図9(A)に示すように、当接フロート32は、
各走行輪7,101の下端部よりも上方に移動する。
【0113】従って、補助アウトリガ装置10を装備し
た状態でクレーン車両100を走行させる場合には、支
持部材3を折り畳むだけで、補助走行輪7を地面に当接
させることができ、簡易な作業で迅速に補助アウトリガ
装置10を装備したままクレーン車両10の走行を行わ
せることが可能である。
【0114】以下、上記構成から成るクレーン車両10
0及び補助アウトリガ装置10の動作を説明する。
【0115】上記構成のクレーン車両100の場合に
は、使用に先だって、各支持取り付け部118に、補助
アウトリガ装置10の各装着部4を装着する。また、油
圧シリンダ機構120のリンク部材123を補助アウト
リガ装置10の作用部5と連結する。支持部材3が折り
畳まれた状態にあるときは、これを伸張し、ストッパ3
3により固定する(図4参照)。
【0116】この支持取り付け部118は、地面と平行
な回動軸線Dを中心に補助アウトリガ装置10を支持す
るため、油圧シリンダ機構120の駆動より支持部材3
の先端に設けられた当接フロート32は、地面Jに対し
て垂直な平面に沿って回動することとなる。
【0117】補助アウトリガ装置10をクレーン車両1
00に装着した後、吊り上げ作業を行う際には、まず主
アウトリガ装置150,160により走行輪101を地
面Jから離間させた状態とし、さらに、フロントジャッ
キ110及びリアジャッキ112にて車体102を支持
する(図1参照)。
【0118】その後、圧力シリンダ機構120により、
補助アウトリガ装置10を回動させる。このときの回動
方向は、補助アウトリガ装置10の当接フロート32が
地面J側に当接する方向とする。そして、当接フロート
32が一定の押圧力で地面Jと当接した状態で補助アウ
トリガ装置10の回動を固定保持する。
【0119】かかる状態でブーム103を起伏回動させ
て作業が行われるが、車体102に装備された補助アウ
トリガ装置10が当接フロート32で地面Jを押圧した
状態となるので、当該当接フロート32を押し戻すよう
な車体102の撓みによる荷重が生じた場合でも、ブー
ム103の先端の位置変動が抑制される。
【0120】図10(A)は上記実施形態であるクレー
ン車両100の上部旋回体104近傍の側面図を示し、
図10(B)はビーム方式の補助アウトリガ装置200
を装着する従来のクレーン車両300(図11参照)の
上部旋回体306近傍の側面図を示す。
【0121】上記補助アウトリガ装置10をクレーン車
両100に装備した場合には、従来の補助アウトリガ装
置200を装着する場合と異なり、車体102の内部
に、ビームの収納スペースを確保する必要がなくなっ
た。また、従来の補助アウトリガ装置200はビームに
曲げ応力が生じるためその断面面積を広く設定しなけれ
ばならなかったが、補助アウトリガ装置10は、支持取
り付け部118,連結部材126及びリンク部材123
(図10では図示略)には引っ張り応力又は圧縮応力が
生じる構造のため、その断面面積を従来よりも小さく設
定しても充分耐久性を確保することができる。
【0122】このため、車体102の側面において、各
走行輪101の隙間となるスペースを支持取り付け部1
18及びリンク部材123の配設スペースとして活用す
ることができる。これにより、クレーン車両100の車
高を低減し且つ小型化を図ることが可能となった。
【0123】また、従来の補助アウトリガ装置200で
は、主としてそのビームに曲げ荷重が加わることとなる
が、補助アウトリガ装置10の場合には、装着部4と作
用部5とに押圧荷重又は引っ張り荷重を分散させること
ができ、車体102の撓みの抑制のために生じる荷重に
対する耐久性の向上を図ることが可能となった。従っ
て、補助アウトリガ装置10を装備したクレーン車両1
00は、作業時における車体102の撓み及びブーム1
03の先端部の位置変動をより有効に回避し、クレーン
車両100の作業性の向上を図ることが可能となった。
【0124】さらに、従来はビームの断面面積に制限を
受けるため、ビーム長さを長く設定すると当該ビーム自
体にたわみを生じ、車体の撓みを抑制する効果が低減し
てしまい、ビーム長を長く設定することができなかっ
た。しかし、補助アウトリガ装置10はこのような制限
を受けないため、撓みに対する強化を図りつつも、装着
部4から当接フロート32までの距離を自在に設定する
ことができる。従って、補助アウトリガ装置10は、従
来よりも、装着部4から当接フロート32までの距離を
大きくとることが可能となり、ブームの長いクレーン車
両及び吊り下げ重量の大きなクレーン車両のように車体
に大きな撓み荷重を生ぜしめる場合であっても、当接フ
ロート32における地面Jに対する当接荷重を低減し、
車体の作業時のブーム103の先端の位置変動を有効に
防止することが可能である。
【0125】また、従来は、ビームの先端部を地面に当
接させるために、先端部の昇降専用の独立した油圧シリ
ンダを装備していたが、本願発明では、装着部を支点と
して作用部に回動力を付勢することにより支持部材の先
端部に支持反力を与えることが可能であり、補助アウト
リガ装置自体に独立した圧力シリンダ等の圧力回路全般
を設ける必要がない。
【0126】従って、補助アウトリガ装置の小型軽量化
が図ることができる共に、内部に複雑な油圧回路を設け
る必要がないため、その生産性の向上を図ることが可能
となった。さらに、補助アウトリガ装置の装着の際に、
油圧回路の接続を行う必要がないため、装着作業の繁雑
さが解消され、装着作業の迅速化を図ることが可能であ
る。
【0127】また同時に、車体102からアウトリガ装
置10側に作動油を供給する供給手段を設ける必要がな
くなった。このため、取り付け作業時において圧油に対
する塵芥等の混入物の侵入を防止し、作業不良の発生を
防止することが可能となった。また同時に、油漏れによ
る地面Jの汚れの発生を有効に回避することが可能であ
る。
【0128】さらに、補助アウトリガ装置10では、支
持部材3が回動関節6を介して装置本体2に装備されて
いるため、補助アウトリガ装置10の非使用時におい
て、支持部材3を装置本体2側に折り畳むことができ
る。このため、当該補助アウトリガ装置10を、使用時
よりも縮小させることが可能となる。従って、非使用時
において収納スペースの確保が容易となり、また、補助
アウトリガ装置10の可搬性が向上する。
【0129】なお、上述したクレーン車両100では、
支持取り付け部118よりも油圧シリンダ機構120を
下方に配置し、補助アウトリガ装置10の装着部4及び
作用部5もクレーン車両100に対応する配置としてい
る。しかし特にこれらのような配置に限定せず、支持取
り付け部118よりも油圧シリンダ機構120を上方に
配置し、補助アウトリガ装置10の装着部4よりも作用
部5を上方に配置しても良い。この場合、油圧シリンダ
機構120が作用部5を押圧することにより、当接フロ
ート32が地面Jと当接し、車体102の安定性を図る
こととなる。従って、油圧シリンダ機構120が作用部
5を引っ張ることにより当接フロート32を地面Jに当
接させる場合と異なり、単に押圧するのみであるため、
ピストン部125と作用部5との間をリンク部材123
により回動自在に連結しなくとも良い。このため、ピス
トン部125の先端部が作用部5に届く長さに設定する
と共に作用部5は押圧接触に対応しうる構造とすれば良
くなり、構造の単純化及び部品点数の軽減を図ることが
可能となる。
【0130】なお、上記補助アウトリガ装置10は、上
述したクレーン車両100に限定して装備するものでは
なく、クレーンを搭載した全ての車両について適用する
ことが可能である。また、支持取り付け部118及び油
圧シリンダ機構120の配置についても上述の位置に限
定するものではなく車体102の周囲のいずれの位置で
も良い。
【0131】
【発明の効果】従来の補助アウトリガ装置では、主とし
てそのビームに曲げ荷重が加わることとなるが、請求項
1記載の本願発明の場合には、装着部を支点として作用
部に回動力を付勢し、支持部材の先端部を地面に押圧さ
せる構成のため、これらの装着部と作用部とに押圧荷重
又は引っ張り荷重を分散させることができ、車体の撓み
の抑制のために生じる荷重に対する耐久性の向上を図る
ことが可能となった。従って、本願発明をクレーン車両
に装備することにより、作業時におけるブーム先端の位
置変動を有効に回避し、クレーン車両の作業性の向上を
図ることが可能となった。
【0132】また、従来のビーム方式の補助アウトリガ
装置では、ビームの収納スペースがクレーン車両の内部
に広く要求されていたが、本願発明では、ビームの収納
スペースが不要であるため、クレーン車両に対するこの
ような要求を解消することが可能となった。
【0133】また、本願発明では、従来生じていたビー
ムの断面の大きさによるその装着位置に対する制限が緩
和され、その装着箇所の自由度を広げることが可能とな
った。このため、例えば、クレーン車両の側面部に複数
の走行輪が密集して装備されている場合でも、従来のよ
うに、各走行輪の上側にビームスペースを確保する必要
がなく、これら走行輪の隙間を利用して当該アウトリガ
装置を装着することも可能となった。従って、本願発明
の補助アウトリガ装置の使用により、クレーン車両の車
高を低減し小型化を図ることも可能となった。
【0134】さらに、従来はビームの断面面積に制限を
受けるため、ビーム長さを長く設定すると当該ビーム自
体にたわみを生じ、車体の撓みを抑制する効果が低減し
てしまい、ビーム長を長く設定することができなかっ
た。しかし、本願発明はこのような制限を受けないた
め、撓みに対する強化を図りつつも、装着部から支持部
材の先端部までの距離を自在に設定することができる。
従って、本願発明は、従来よりも、装着部から先端部ま
での距離を大きくとることが可能となり、クレーン長の
長いクレーン車両及び吊り下げ重量の大きなクレーン車
両のように車体に大きな撓み荷重を生ぜしめる場合であ
っても、支持部材の先端部における地面に対する当接荷
重を低減し、車体の作業時のブーム先端の位置変動を有
効に防止することが可能である。
【0135】また、従来は、ビームの先端部を地面に当
接させるために、先端部の昇降専用の独立した油圧シリ
ンダを装備していたが、本願発明では、装着部を支点と
して作用部に回動力を付勢することにより支持部材の先
端部に支持反力を与えることが可能であり、補助アウト
リガ装置自体に独立した圧力シリンダを設ける必要がな
い。
【0136】従って、補助アウトリガ装置の小型軽量化
が図ることができる共に、内部に複雑な油圧回路を設け
る必要がないため、その生産性の向上を図ることが可能
となった。さらに、補助アウトリガ装置の装着の際に、
油圧回路の接続を行う必要がないため、装着作業の繁雑
さが解消され、装着作業の迅速化を図ることが可能であ
る。さらにまた、油圧回路の接続が不要となるため、圧
油内への塵芥等の侵入を防止し、作動不良の発生を防止
することが可能となった。
【0137】請求項2記載の補助アウトリガ装置では、
請求項1記載の発明と同様の効果を有すると共に、装置
本体の支持部材延設方向端部寄りの位置に補助走行輪を
装備し、装置本体の同方向端部に支持部材が装備されて
いるため、当該支持部材を回動関節を介して折り畳むこ
とにより、当該支持部材が補助走行輪よりも外側にほと
んど突出することがなくなる。このため、本補助アウト
リガ装置をクレーン車両に装備した状態でのクレーン車
両の走行時において周囲の障害物との接触を回避し、周
囲の破損及び支持部材自体の破損を有効に回避すること
が可能となる。また、クレーン車両の各走行輪及びアク
スルの過荷重を抑制することが可能となる。
【0138】請求項3記載の補助アウトリガ装置は、請
求項1記載の発明と同様の効果を有すると共に、補助走
行輪を装置本体に着脱自在に装備しているため、必要に
応じて補助走行輪を装着し或いは分離し、種々の状況に
対応することが可能となった。
【0139】請求項4記載のクレーン車両は、従来のビ
ーム方式の着脱自在の補助アウトリガ装置を装着する場
合と異なり、補助アウトリガ装置に回動を付勢すること
によりその一端部を地面に押圧させ、車体を支持させる
ことができるため、車体の内部に、ビームの収納スペー
スを確保する必要がなくなり、クレーン車両自体の車高
を低減し小型化を図ることが可能となった。
【0140】また、車体に装備された圧力シリンダ機構
により、アウトリガ装置の回動を付勢して当該車体の支
持を行うため、アウトリガ装置側に圧力供給を行う供給
手段を設ける必要がなくなった。このため、特に、油圧
による圧力シリンダ機構を使用する場合に、油圧回路の
接続が不要となるため、圧油内への塵芥等の侵入を防止
し、作動不良の発生を防止することが可能となった。さ
らにまた、油漏れによる地面の汚れの発生を有効に回避
することが可能となった。
【0141】請求項5記載のクレーン車両は、請求項4
記載のクレーン車両と同様の効果を有すると共に、圧力
シリンダ機構がリンク部材の出力部側の端部を車体の幅
の内側領域内まで退避させることができるため、補助ア
ウトリガ装置を外した後にリンク部材を当該領域内で回
動させることにより、当該リンク部材の補助アウトリガ
装置側の端部をも、同領域内に納めることが可能とな
る。従って、クレーン車両の非作業時における走行の際
に、リンク部材と周囲の障害物との接触を回避し、周囲
の破損及びリンク部材自体の破損を有効に回避すること
が可能となる。
【0142】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これによると、従来にない優れた補助アウトリガ装
置及びクレーン車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】上記実施形態の側面図である。
【図3】上記実施形態の一部省略した平面図である。
【図4】図3におけるY−Y線の断面図である。
【図5】図5は、圧力シリンダ機構としての油圧シリン
ダ機構及びこれに連結された補助アウトリガ装置を上方
から見た図を示している。
【図6】図6は、補助アウトリガ装置の斜視図を示す。
【図7】図7は、補助アウトリガ装置の動作説明図であ
る。
【図8】図8は補助アウトリガ装置の平面図であり、図
8(A)は支持部材を折り畳んだ状態を示し、図8
(B)は支持部材を伸張した状態を示す。
【図9】図9は補助アウトリガ装置の左側面図であり、
図9(A)は支持部材を折り畳んだ状態を示し、図9
(B)は支持部材を伸張した状態を示す。
【図10】図10(A)は上記実施形態であるクレーン
車両の上部旋回体近傍の側面図を示し、図10(B)は
ビーム方式の補助アウトリガ装置を装着する従来のクレ
ーン車両の上部旋回体近傍の側面図を示す。
【図11】従来例の斜視図である
【図12】図11におけるX−X線の断面図である。
【符号の説明】
2 装置本体 3 支持部材 32 当接フロート(延設方向先端部) 4 装着部 5 作用部 7 補助走行輪 10 補助アウトリガ装置 100 クレーン車両 101,101a 走行輪 102 車体 103 ブーム 104 上部旋回体 118 支持取り付け部 120 油圧シリンダ機構(圧力シリンダ機構) 122 出力部 123 リンク部材 150,160 主アウトリガ装置 C 旋回中心軸 D 装着部(支持取り付け部)の回動軸線 J 地面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業時に走行輪を地面から浮かせた状態
    で支持する複数の主アウトリガ装置を備えるクレーン車
    両に対して、前記各主アウトリガ装置を補助する補助ア
    ウトリガ装置であって、 その一端部が前記クレーン車両の車体側面に装着され,
    その他端部が前記車体への装着時に当該車体から離間す
    る方向に向かって延設されると共にその延設方向先端部
    で地面に当接し、 前記一端部に,前記クレーン車両の車体に対する回動を
    自在とし且つ前記車体に対する着脱を自在として当該車
    体に連結される装着部と前記クレーン車両に設けられた
    圧力シリンダ機構から前記装置本体の回動力の入力を受
    ける作用部とを設け、 前記装着部の回動軸線を、前記他端部の延設方向と略垂
    直となる方向に設定したことを特徴とする補助アウトリ
    ガ装置。
  2. 【請求項2】 前記装着部と作用部とが設けられた装置
    本体と、この装置本体から延設されその延設方向先端部
    で地面と当接する支持部材とを備え、 これら装置本体と支持部材とが前記一端部から前記他端
    部にかけて並んで配設され、 前記支持部材は、その延設方向先端部を前記装着部側に
    折り畳む回動関節を介して前記装置本体に装備され、 前記装置本体上であって前記支持部材の延設方向寄りの
    位置に、補助走行輪を装備したことを特徴とする請求項
    1記載の補助アウトリガ装置。
  3. 【請求項3】 着脱自在の補助走行輪を備えることを特
    徴とする請求項1記載の補助アウトリガ装置。
  4. 【請求項4】 複数の走行輪を備え,地面上を自在に走
    行する車体と、先端部に作業対象物を吊し起伏回動を自
    在に行う吊り上げ作業用のブームと、前記ブームを保持
    すると共に前記地面に対して略垂直方向に沿った回転軸
    線を中心に前記車体上に回転自在に搭載された上部旋回
    体と、前記車体の側面であって前記上部旋回体の旋回中
    心軸を挟んで前側と後側とに,当該車体の幅方向に沿っ
    て張り出し自在に装備され前記車体に設けられた走行輪
    を地面から離間させる主アウトリガ装置とを備え、 一端部で前記地面に当接すると共に他端部に着脱自在の
    装着部を備える補助アウトリガ装置を,回動自在に支持
    する支持取り付け部と、 前記補助アウトリガ装置の回動を付勢する圧力シリンダ
    機構と、を前記車体に備えると共に、 前記支持取り付け部の回動軸線を、前記地面と略平行と
    なる方向に設定したことを特徴とするクレーン車両。
  5. 【請求項5】 前記圧力シリンダ機構は、往復移動を行
    う出力部と、この出力部に装備され前記補助アウトリガ
    装置と着脱自在に連結されるリンク部材とを備え、 このリンク部材は、その両端部に前記支持取り付け部の
    回動軸線と平行な回動軸線で回動する回動関節を個別に
    有し、その一方の回動関節を介して前記出力部と連結さ
    れると共に他方の回動関節を介して前記補助アウトリガ
    装置と着脱自在に連結され、 前記圧力シリンダ機構の出力部の移動範囲を、前記リン
    ク部材の前記出力部側の端部を少なくとも前記車体の幅
    の内側領域内まで退避可能な範囲に設定したことを特徴
    とする請求項4記載のクレーン車両。
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