JP2001023896A - ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

ステージ装置及び露光装置

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JP2001023896A
JP2001023896A JP11198522A JP19852299A JP2001023896A JP 2001023896 A JP2001023896 A JP 2001023896A JP 11198522 A JP11198522 A JP 11198522A JP 19852299 A JP19852299 A JP 19852299A JP 2001023896 A JP2001023896 A JP 2001023896A
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stage
reticle
driving
wafer
unit
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JP11198522A
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Inventor
Takechika Nishi
健爾 西
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振性、位置制御性に優れた新たなステージ
装置を提供する。 【解決手段】 ステージWSTを移動可能に支持するベ
ース部材28を含む第1ユニット12が防振機構18A
〜18Cにより支持され、この第1ユニットとは独立し
た第2ユニット14を構成する支持部材34A、34B
等によってステージの駆動装置が支持されている。そし
て、X、Y及びθz方向の剛性がZ、θx及びθy方向
の剛性に比べて高い板ばねによって、駆動装置の一部と
ステージとが連結されている。このため、ステージの駆
動時に駆動装置を支持する支持部材に作用する反力が、
第1ユニットを振動させたり、歪ませたりすることが殆
どなく、また、駆動装置とステージとを分離しているの
で、ステージの小型・軽量化が可能であり、ステージの
移動に伴う偏荷重を軽減することができ、防振性及び位
置制御性に優れたステージ装置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステージ装置及び露
光装置に係り、更に詳しくは、半導体素子、液晶表示素
子等を製造するリソグラフィ工程で用いられる露光装置
などの精密機械における位置決め対象物の位置決め装置
として好適なステージ装置、及び該ステージ装置を具備
する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子等を製造するリソ
グラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。
近年においては、ステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影露光装置、すなわちいわゆるステッパや、ステッ
プ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置、すな
わちいわゆるスキャニング・ステッパが主として用いら
れている。
【0003】図14(A)、(B)には、この種の投影
露光装置の本体部の構成の一例がそれぞれ示されてい
る。この内、図14(A)は、ウエハステージWSTを
支持するウエハベース定盤が投影光学系PLを支持する
コラムとは別置きになったタイプの投影露光装置の一例
を示し、図14(B)は、ウエハステージWSTを支持
するウエハベース定盤が上記コラムから吊り下げ支持さ
れたタイプの投影露光装置の一例を示す。
【0004】図14(A)の装置では、床面に水平に設
置された装置の基準となるベースプレート(フレームキ
ャスタ)205上に複数の支持部材204及び防振ユニ
ット203を介して投影光学系PLを保持するコラム2
02が水平に支持されている。各防振ユニット203
は、並列に配置された、内圧が制御可能なエアマウント
と電磁アクチュエータとを有し、該防振ユニットにより
床面からの振動がマイクロGレベルで絶縁されるように
なっている。
【0005】一方、ウエハベース定盤207は、防振ユ
ニット203と同様の防振ユニット208によりフレー
ムキャスタ205上に水平に支持されている。ウエハベ
ース定盤207上に搭載されたステージ駆動用アクチュ
エータ209により、ウエハステージWSTがウエハベ
ース定盤207に沿ってXY2次元方向に駆動されるよ
うになっている。
【0006】従って、この図14(A)の装置では、ウ
エハステージWSTの駆動時に生ずる反力は、投影光学
系PLには、殆ど影響を及ぼさないようになっている。
【0007】一方、図14(B)の装置では、コラム2
02は、前述と同様にして支持されているが、ウエハベ
ース定盤207は、複数本の支持部材210を介してコ
ラム202から吊り下げ支持されている。このウエハベ
ース定盤207上にステージ駆動用アクチュエータ20
9が搭載され、このステージ駆動用アクチュエータ20
9によってウエハステージWSTがウエハベース定盤2
07に沿ってXY2次元方向に駆動されるようになって
いる。
【0008】従って、この図14(B)の装置では、コ
ラム202が、ウエハステージWSTの駆動により生じ
る反力により水平面(XY面)に対して傾いたり、防振
ユニット203によって上下方向に微少駆動されたりし
ても、これらの際には、ウエハベース定盤207もコラ
ム202、すなわち投影光学系PLと同じ挙動をするこ
とから、ウエハステージWSTのフォーカス・レベリン
グ制御が容易になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、図14
(A)の装置では、ウエハステージWSTの駆動時に生
ずる反力が投影光学系PLに殆ど影響を及ぼさないとい
う利点がある。しかしながら、この図14(A)の装置
では、コラム202とウエハベース定盤207とが別置
きとなっていることから、コラム202とウエハベース
定盤207とが無関係な挙動をするため、露光時には投
影光学系PLにより投影される投影像面にウエハ面を合
わすために、前記防振ユニット203及び208にて前
記コラム202とウエハベース定盤207との相対位置
関係の調整(フォーカス、レベリング制御)を高応答で
行う必要があるが、このために複雑な制御が必要とな
る。
【0010】一方、図14(B)の装置では、ウエハベ
ース定盤207がコラム202、すなわち投影光学系P
Lと同じ挙動をすることから、上記のような相対位置関
係の調整のための複雑な制御が不要であり、ウエハステ
ージWSTのフォーカス・レベリング制御が容易であ
る。しかしながら、この図14(B)の装置では、ステ
ージ駆動時の反力によりコラム202に歪みが生じた
り、投影光学系PLに振動が生じたりするという不都合
があった。
【0011】そこで、図14(A)、(B)の装置それ
ぞれの利点を同時に確保するために、図14(B)のよ
うに、ウエハベース定盤をコラムから吊り下げ支持する
構成で、ステージ駆動用アクチュエータ209をフレー
ムキャスタ205上に設置するということが考えられな
くもないが、防振ユニット203の制御能力によっては
フレームキャスタ205とウエハベース定盤207とは
所定の傾きやZ方向の変動を伴うため、ガイド部等が噬
んでしまうおそれがあり、そのような構造を採用するこ
とはできないとされていた。
【0012】また、図14(B)のような構成をとった
場合でも、ステージ位置の変化に伴い偏荷重が生じると
いう問題があり、この偏荷重の影響をできるだけ軽減す
るために、ステージをできるだけ軽量化することが望ま
れている。
【0013】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、防振性、
位置制御性に優れた新たなステージ装置を提供すること
にある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、露光精度の
向上が可能な露光装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ステージを駆動装置により所定の移動面に沿って駆
動するステージ装置であって、防振機構により支持さ
れ、前記ステージを移動可能に支持するベース部材を含
む第1ユニットと;前記第1ユニットとは振動に関して
独立し、前記駆動装置を支持する支持部材を含む第2ユ
ニットと;前記駆動装置と前記ステージとを連結すると
ともに、前記ステージの移動面内方向の剛性が前記移動
面に直交する方向の剛性に比べて高い第1の弾性部材と
を備えることを特徴とする。
【0016】これによれば、ステージを移動可能に支持
するベース部材を含む第1ユニットが防振機構により支
持され、この第1ユニットとは振動に関して独立した第
2ユニットを構成する支持部材によって駆動装置が支持
されている。そして、ステージの移動面内方向(例え
ば、XY面内方向であるX、Y及びθz方向)の剛性が
前記移動面に直交する方向(例えば、Z、θx及びθy
方向)の剛性に比べて高い第1の弾性部材によって、駆
動装置とステージとが連結されている。このため、ステ
ージの駆動時に駆動装置を支持する支持部材に作用する
反力が、ステージを移動可能に支持するベース部材に
は、殆ど伝達されることがなく、そのベース部材を含む
第1ユニットを振動させたり、歪ませたりすることが殆
どない。
【0017】この場合、第1の弾性部材は、ステージ移
動面内方向の剛性が高いため、駆動装置により第1の弾
性部材を介してステージを容易に駆動することができ
る。また、駆動装置とステージとを分離していることか
ら、ステージの小型・軽量化が可能であり、ステージの
移動に伴いベース部材に作用する偏荷重を軽減すること
ができる。さらに、駆動装置を支持する支持部材は、第
1ユニットとは振動に関して独立した第2ユニットを構
成することから、駆動装置を防振機構を介することな
く、床面に支持することが可能となり、ガイドのかじり
等の不都合の発生を効果的に防止することができ、仮
に、図14(B)のような装置構成を採用すると、防振
機構の性能に応じて上記図14(A)、(B)の利点を
併せ持つ、防振性及び位置制御性に優れた新たなステー
ジ装置を実現することができる。
【0018】この場合において、駆動装置は、ステージ
を所定の1軸方向に直線駆動するものであっても良い
が、請求項2に記載の発明の如く、前記駆動装置は、前
記ステージを前記移動面に沿って2次元方向に駆動する
ものであっても良い。
【0019】上記請求項1に記載のステージ装置におい
て、請求項3に記載の発明の如く、前記ステージの駆動
により、前記第2ユニットに生ずる反力をキャンセルす
るためのカウンタフォースを、前記第2ユニットに与え
る反力キャンセル機構を更に備えていても良い。かかる
場合には、第1ユニットのみならず、駆動装置側の第2
ユニットについても振動の抑制が可能になる。この場合
において、反力キャンセル機構は、カウンターフォース
をフィードバック制御により与えるものであっても良い
が、請求項4に記載の発明の如く、前記反力キャンセル
機構は、前記カウンタフォースをフィードフォワード的
に与えることが望ましい。かかる場合には、反力キャン
セル機構によりカウンターフォースが時間遅れなく第2
ユニットに与えられるので、第2ユニットに前記反力が
生じるとほぼ同時にその反力をほぼキャンセルすること
ができる。
【0020】上記請求項1に記載のステージ装置におい
て、請求項5に記載の発明の如く、前記駆動装置は、前
記第1の弾性部材により前記ステージと連結された移動
部材と、前記移動部材に設けられた可動子を有し、前記
移動部材を少なくとも第1方向に駆動するリニアモータ
と、前記第1方向に直交する方向の前記移動部材の移動
を規制し、前記第1方向に案内するガイド機構とを有し
ていても良い。かかる場合には、リニアモータの駆動力
によりその可動子が設けられた移動部材が第1方向に駆
動され、この際にこの移動部材は、ガイド機構によって
第1方向に直交する方向の移動が規制され、第1方向に
案内される。このため、移動部材を第1方向に駆動する
際の第1方向に直交する方向の移動及び回転を確実に防
止することができ、この移動部材の第1方向の駆動によ
り第1の板ばねを介してステージを第1方向にほぼ正確
に駆動することができる。また、上記の移動部材が駆動
装置に含まれるので、ステージの構成を簡略化すること
が可能となり、これによってステージの小型・軽量化が
可能になる。また、この場合、第1の弾性部材は、ステ
ージの重心位置に関して線対称又は点対称となる状態で
配置されることが望ましい。かかる場合には、ステージ
にピッチング、ローリング等を生じさせる回転モーメン
トによって振動が生じることがない。
【0021】この場合において、請求項6に記載の発明
の如く、前記ガイド機構は、前記支持部材に接続された
ガイド部材と、該ガイド部材に対して所定のクリアラン
スを介して前記移動部材を支持する軸受けとを備えるこ
とができる。この場合、所定のクリアランスは、いわゆ
る軸受け隙間の設定により調整することができ、防振機
構により発生する制御誤差やガイド部材を複数設ける場
合のガイド部材相互間の傾き差等より広くして、防振機
構あるいはステージの暴走時にもメカニカルな接触が無
いような間隔にすることが望ましい。このようにすれ
ば、装置異常や停止の際も、ガイド部がかじることが無
く、復帰が容易となる。
【0022】この場合において、請求項7に記載の発明
の如く、前記軸受けは、気体静圧軸受け及び磁気軸受け
のいずれをも用いることができる。気体静圧軸受けとし
ては、磁気予圧型、真空予圧型のいずれのタイプをも用
いることができる。
【0023】上記請求項5に記載の発明に係るステージ
装置において、請求項8に記載の発明の如く、前記ステ
ージとして、独立に移動可能な第1のステージ及び第2
のステージが設けられ、前記駆動装置は、前記第1、第
2のステージのそれぞれに前記第1の弾性部材により連
結された第1、第2の移動部材と、前記第1、第2のス
テージにそれぞれ対応して設けられた前記リニアモータ
及び前記ガイド機構とを備えていても良い。かかる場合
には、請求項5に記載の発明と同様に第1、第2のステ
ージの小型化・軽量化が可能となり、2つの小型・軽量
なステージを独立して制御する際にも偏荷重によるベー
ス部材の歪み、相互干渉、反力による歪みの点から有利
なステージ装置を提供することが可能となる。
【0024】上記請求項1に記載のステージ装置におい
て、請求項9に記載の発明の如く、前記ベース部材は、
三角形の各頂点位置で3点支持され、前記駆動装置は、
前記支持部材により前記三角形にほぼ重なる長方形の各
頂点位置で4点支持されていても良い。かかる場合に
は、ベース部材を支持する部材と駆動装置を支持する支
持部材とをいわゆる入子構造の配置とすることができる
ので、スペース効率を良好に維持してフットプリントの
増大を防止することができる。
【0025】上記請求項1に記載のステージ装置におい
て、請求項10に記載の発明の如く、前記防振機構にて
支持された前記第1ユニット側に固定され、前記ステー
ジの位置を計測する干渉計を更に備えていても良い。か
かる場合には、振動、歪み等が非常に小さくなる第1ユ
ニット側に干渉計が固定されているので、該干渉計の計
測誤差が非常に小さくなり、その干渉計によりステージ
の位置が計測されるので、ステージの位置を精度良く計
測することが可能になる。
【0026】上記請求項5に記載のステージ装置におい
て、請求項11に記載の発明の如く、前記ステージの上
方に配置された試料台と;前記ステージ上に配置され、
前記試料台を前記移動面に直交する方向及び前記移動面
に対する傾斜方向に駆動する駆動系と;前記ステージ上
に突設された少なくとも3本の試料台支持部材と;前記
試料台支持部材の先端面と前記試料台の上面とがほぼ同
一面となる状態で、前記各試料台支持部材と前記試料台
とを連結するとともに、前記ステージの移動面内方向の
剛性が前記移動面に直交する方向の剛性に比べて高い第
2の弾性部材とを更に備えていても良い。かかる場合に
は、ステージの移動面内の駆動に伴う反力の影響を殆ど
受けることがなく、駆動系によりベース部材を基準面と
して試料台の移動面直交方向の駆動(例えばZ駆動)及
びチルト駆動を高精度に行うことが可能になる。また、
前述した第1の弾性部材の変形で発生するステージ部の
ストレスを第2の弾性部材で吸収することができるの
で、試料台にその歪みが伝わることを防止することもで
きる。
【0027】この場合において、請求項12に記載の発
明の如く、前記駆動系は、前記試料台の異なる3点をそ
れぞれ支持するとともに、各支持点を前記移動面に直交
する方向に独立して駆動する駆動機構を含んで構成する
ことができる。
【0028】上記請求項11に記載の発明に係るステー
ジ装置において、請求項13に記載の発明の如く、前記
第1の弾性部材に接続され、当該第1の弾性部材に前記
移動面内方向の力を付与するアクチュエータを更に備え
ていても良い。かかる場合には、ステージが第1の弾性
部材により移動部材に連結され、かつこの移動部材の移
動方向に直交する方向の移動、回転等がガイド機構によ
り拘束されているので、上記の第1の弾性部材にアクチ
ュエータにより力を付与すると、結果的に、ステージ及
びこれに搭載された試料台の位置の制御が可能となる。
この場合、試料台等を含むステージは軽量であるため、
試料台の微小位置決めを高応答で実現できる。
【0029】この場合において、請求項14に記載の発
明の如く、前記試料台の前記移動面内の位置を計測する
位置計測システムと;前記試料台の前記移動面に対する
傾斜方向の駆動に際し、前記試料台の傾斜駆動に起因し
て前記位置計測システムの計測値に生じるコサインθ誤
差が補正されるように前記アクチュエータを制御する制
御装置とを更に備えていても良い。かかる場合には、試
料台を移動面に対する傾斜方向に駆動(チルト駆動)す
ると、その駆動に起因して位置計測システムの計測値に
コサインθ誤差(いわゆるアッベ誤差)が生ずるが、そ
の誤差が補正されるように、制御装置がアクチュエータ
を制御して試料台の位置を微調整するので、結果的に試
料台のチルト駆動によって試料台の位置決め誤差が発生
することがない。この場合、制御装置によるアクチュエ
ータの制御は、フィードフォワード制御により行われる
ことが望ましい。かかる場合には、時間遅れなく、高精
度に試料台の位置を制御することができる。
【0030】上記請求項13に記載の発明に係るステー
ジ装置において、請求項15に記載の発明の如く、前記
駆動系による前記試料台の駆動時に前記第1の弾性部材
の変形により前記ステージ側に作用するストレスをキャ
ンセルすべく、前記アクチュエータを制御する制御装置
を更に備えていても良い。かかる場合には、駆動系によ
り試料台が例えばZ、チルト方向に駆動されると、その
駆動に伴い第1の板ばねが変形してステージ側へストレ
スが作用することがあるが、制御装置によりそのストレ
スをキャンセルすべく、アクチュエータが制御されるの
で、結果的に上記のストレスを解消することができる。
【0031】上記請求項13〜15に記載の各発明に係
るステージ装置において、アクチュエータとしては種々
のものが使用できるが、例えば請求項16に記載の発明
の如く、前記アクチュエータは、ピエゾ素子であっても
良い。
【0032】請求項17に記載の発明は、マスクに形成
されたパターンを基板上に転写する露光装置であって、
前記マスクを保持するマスクステージとして、請求項
1、5、6、7、8、10のいずれか一項に記載のステ
ージ装置を構成するステージを備えることを特徴とす
る。
【0033】これによれば、マスクステージの駆動によ
る反力がベース部材を含む第1ユニットに伝達されるの
を効果的に抑制でき、その反力を駆動装置を支持する支
持部材を含む第2ユニットを介して床面に逃がすことが
できるので、マスクステージの位置制御性を向上させる
ことができる。本発明は、走査型露光装置に適用する
と、基板とマスクステージとの同期精度の向上が期待で
き、高精度な露光が可能となる。
【0034】請求項18に記載の発明は、マスクに形成
されたパターンを基板上に転写する露光装置であって、
前記基板を保持する基板ステージとして、請求項1〜1
6のいずれか一項に記載のステージ装置を構成するステ
ージを備えることを特徴とする。
【0035】これによれば、基板ステージの駆動による
反力がベース部材を含む第1ユニットに伝達されるのを
効果的に抑制でき、その反力を駆動装置を支持する支持
部材を含む第2ユニットを介して床面に逃がすことがで
きるので、基板ステージの位置制御性を向上させること
ができる。本発明は、走査型露光装置は勿論、静止露光
型の露光装置のいずれにも好適に適用でき、基板の位置
制御性の向上により高精度な露光が可能となる。
【0036】請求項19に記載の発明は、マスクを載置
するマスクステージと、基板を載置する基板ステージと
を備え、前記マスクのパターンを前記基板に転写する露
光装置において、前記マスクステージ及び前記基板ステ
ージの少なくとも一方のステージを移動可能に支持する
ベース部材を含む第1ユニットと;前記ベース部材に支
持される前記ステージを駆動する第1駆動部分と第2駆
動部分とを有する駆動装置と;前記第1ユニットとは振
動に関して独立し、前記駆動装置を支持する支持部材を
含む第2ユニットと;前記ステージの位置を検出する位
置検出装置と;前記位置検出装置の検出結果に基づい
て、前記ステージを駆動する際の前記第1駆動部分と前
記第2駆動部分との推力分配率を制御する制御装置とを
備えることを特徴とする。
【0037】これによれば、前記マスクステージ及び前
記基板ステージの少なくとも一方のステージを移動可能
に支持するベース部材を含む第1ユニットとは、振動に
関して独立した第2ユニットを構成する支持部材によっ
て駆動装置が支持されている。このため、ステージの駆
動時に駆動装置を支持する支持部材に作用する反力が、
ステージを移動可能に支持するベース部材には、殆ど伝
達されることがなく、そのベース部材を含む第1ユニッ
トを振動させたり、歪ませたりすることが殆どない。ま
た、駆動装置が第1駆動部分と第2駆動部分とを有し、
位置検出装置の検出結果に基づいて、ステージを駆動す
る際の第1駆動部分と第2駆動部分との推力分配率を制
御する制御装置を備えていることから、例えばステージ
に回転が生じた場合、その回転が位置検出装置により検
出され、制御装置によりその検出結果に基づいて第1駆
動部分と第2駆動部分との推力分配率を制御することに
よりその回転を補正することができ、その際、回転方向
を拘束するガイド機構がベース部材に載置されていない
ので、ベース部材を含む第1ユニットを振動させたり、
歪ませたりすることが殆どない。
【0038】この場合において、請求項20に記載の発
明の如く、前記第1駆動部分と前記第2駆動部分とは、
前記ステージを挟み込むように配設されていても良い。
すなわち、第1駆動部分と第2駆動部分とがステージの
両側に配置されていても良い。
【0039】上記請求項19に記載の露光装置におい
て、請求項21に記載の発明の如く、前記基板ステージ
として、第1の基板を載置する第1基板ステージと、該
第1基板ステージとは独立して配設され、前記第1の基
板とは異なる第2の基板を載置する第2基板ステージと
が設けられていても良い。かかる場合には、例えば第1
基板ステージ上の第1基板に対する露光中に、第2基板
ステージ上の第2基板に対してアライメント等の他の処
理動作を並行して行うことができるので、スループット
を向上させることができる。この場合において、第1、
第2基板ステージが第1ユニットを構成するベース部材
に支持されている場合には、ステージの駆動時に生じる
反力がベース部材に殆ど伝達されないので、結果的に上
記の並行処理動作中に第1、第2基板ステージがお互い
に悪影響を及ぼすことがない。
【0040】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図
1には、第1の実施形態の露光装置10の全体構成が概
略的に示されている。この露光装置10は、マスクとし
てのレチクルRと基板としてのウエハWとを一次元方向
(ここでは、図1における紙面直交方向であるY軸方向
とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回
路パターンを投影光学系PLを介してウエハW上の各シ
ョット領域に転写する、ステップ・アンド・スキャン方
式の走査型露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・
ステッパである。
【0041】露光装置10は、不図示の光源からの照明
光によりレチクルRを照明する照明光学系IOP、レチ
クルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステ
ージRST、レチクルRから射出される照明光をウエハ
W上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持する基
板ステージとしてのウエハステージWST、及びレチク
ルステージRST、ウエハステージWSTをそれぞれ移
動可能に支持するとともに投影光学系PLを保持する第
1ユニットとしての本体コラム12、及びレチクルステ
ージRSTやウエハステージWSTの駆動装置を支持す
る第2ユニット14等を備えている。なお、この図1に
おいては、レチクルステージRSTの駆動装置等は図示
が省略されている。
【0042】前記本体コラム12は、クリーンルームの
床面FD上に水平に載置された装置の基準となるフレー
ムキャスタと呼ばれるベースプレートBP上に立設され
た複数(ここでは3つ)のボディ支持部材16A、16
B、16C(但し、紙面奥側のボディ支持部材16Cは
図示省略)のそれぞれの上面に配置された防振機構とし
ての防振ユニット18A、18B、18C(但し、図1
においては、紙面奥側の防振ユニット18Cは図示省
略、図4参照)によってほぼ水平に支持された平面視三
角形状の鏡筒定盤20と、この鏡筒定盤20の下面に垂
下された吊り下げコラム22と、鏡筒定盤20の上面に
立設された支持コラム24とを備えている。
【0043】前記防振ユニット18A、18B、18C
のそれぞれは、ボディ支持部材16A、16B、16C
の上部に直列(又は並列)に配置された内圧が調整可能
なエアマウントとボイスコイルモータとを含んで構成さ
れている。これらの防振ユニット18A〜18Cによっ
て、ベースプレートBP及びボディ支持部材16A〜1
6Cを介して鏡筒定盤20に伝わる床面FDからの微振
動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0044】前記吊り下げコラム22は、鏡筒定盤20
の下面の三角形の各頂点の近傍で防振ユニット18A、
18B、18Cの位置より内側の位置から垂下された各
2本合計6本の定盤吊り下げ部材26と、これら6本の
定盤吊り下げ部材26によって各頂点近傍の位置が吊り
下げ支持された平面視三角形状(鏡筒定盤20より一回
り小さな三角形状)のベース部材としてのウエハベース
定盤28(図4参照)とから構成されている。
【0045】支持コラム24は、鏡筒定盤20上面の3
箇所、具体的にはウエハベース定盤28より一回り小さ
な三角形の各頂点の近傍位置に植設された3本の脚30
A、30B、30C(但し、図1においては、紙面奥側
の脚30Cは図示せず、図2参照)と、これらの脚30
A〜30Cによってほぼ水平に支持された平面視三角形
状(ウエハベース定盤28より一回り小さな三角形状)
のベース部材としてのレチクルベース定盤32とを有し
ている。
【0046】前記第2ユニット14は、ベースプレート
BPの上面に植設された4本の支持部材としての支柱3
4A、34B、34C、34D(但し、図1において
は、紙面奥側の支柱34C、34Dは図示せず、図2参
照)と、これらの支柱34A〜34Dによって、前記レ
チクルベース定盤32の上方で支持された平面視矩形の
レチクル駆動装置支持定盤36とを有している。本実施
形態では、支柱34A、34Bは、鏡筒定盤20の−Y
側の辺(底辺)の−Y側にX軸方向に所定間隔を隔てて
配置され、また、支柱34C、34Dは鏡筒定盤20の
斜辺の両側に配置され、かつこれらの支柱34A〜34
Dは、レチクル駆動装置支持定盤36の各頂点近傍に配
置されている(図2参照)。
【0047】前記照明光学系IOPは、ベースプレート
BP上に設けられた照明系支持部材38によって支持さ
れている。この照明光学系IOPは、内部を外気に対し
て気密状態にする照明系ハウジングを備え、この照明系
ハウジング内には、空気(酸素)の含有濃度を数%以
下、望ましくは1%未満にしたクリーンな乾燥窒素ガス
(N2)又はヘリウムガス(He)が充填されている。
【0048】照明系ハウジング内には、例えば、可変減
光器、ビーム整形光学系、オプティカルインテグレータ
としてのフライアイレンズ系、振動ミラー、集光レンズ
系、照明系開口絞り、リレーレンズ系、レチクルブライ
ンド機構、主コンデンサレンズ系等が所定の位置関係で
収納されている。
【0049】照明光学系IOPの図1における紙面奥側
には、少なくとも一部にビームマッチングユニットと呼
ばれる光軸調整用の光学系を含む引き回し光学系が接続
されており、この引き回し光学系を介して床面FD上に
設置された不図示の光源が接続されている。この光源と
しては、例えばKrFエキシマレーザ(波長248n
m)やArFエキシマレーザ(波長193nm)、ある
いはF2レーザ(波長157nm)等のパルス紫外光を
出力するパルスレーザ光源が用いられる。この光源に
は、不図示の光源制御装置が接続されており、この光源
制御装置によって光源から射出されるパルス紫外光の発
振中心波長の制御、パルス発振のトリガ制御、レーザチ
ャンバ内のガスの制御等が行われるようになっている。
【0050】照明光学系IOPにより、レチクルブライ
ンド機構を構成する固定レチクルブラインド(固定視野
絞り)によって規定されるレチクルR上のスリット状の
照明領域が均一な照度で照明される。この場合、スリッ
ト状照明領域は、図1中の投影光学系PLの円形投影視
野の中央にX軸方向(非走査方向)に細長く延びるよう
に設定され、そのY軸方向(走査方向)の幅はほぼ一定
に設定されている。
【0051】なお、光源は、クリーンルームよりクリー
ン度が低い別の部屋(サービスルーム)あるいはクリー
ンルームの床下に設けられたユーティリティスペースに
設置しても構わない。
【0052】前記レチクルステージRSTは、レチクル
ベース定盤32上に浮上支持され、レチクルRをレチク
ルベース定盤32上でY軸方向に大きなストロークで直
線駆動するとともに、X軸、Y軸方向及びθz方向(Z
軸回りの回転方向)に微小駆動可能に構成されている。
【0053】これを更に詳述すると、レチクルステージ
RSTの底面には、図2及びこの図2のA−A線断面図
である図3に示されるように、4つのエアパッド(エア
ベアリング)40が設けられており、この4つのエアパ
ッド40によって、平面視三角形状のレチクルベース定
盤32の上面にY軸方向に沿って延設された一対のY軸
方向エアガイド42A、42Bの上方に所定のクリアラ
ンス(例えば5〜10μm程度のクリアランス)を介し
て浮上支持されている。
【0054】また、このレチクルステージRSTの中央
部には、図3に示されるように、その内部底面にパルス
紫外光の通路を形成する開口が設けられた凹部44が形
成され、この凹部44の内部底面にレチクルRが載置さ
れ、不図示の静電チャック又はバキュームチャックによ
って吸着されている。このように、レチクルRは、実際
には、レチクルステージRSTの上面より下方の位置に
配置されるが、図1では、作図の便宜上からレチクルス
テージRSTの上部にレチクルRが搭載された状態が示
されている。
【0055】また、レチクルステージRSTは、図2に
示されるように、5本の第1の弾性部材としての板ばね
46によってレチクルステージRSTより一回り大きな
矩形枠状部材から成るXY方向微少駆動用レチクルフレ
ーム48に連結されている。これら5本の板ばね46
は、XY面内方向、すなわちX軸方向、Y軸方向及びZ
軸回りの回転方向であるθz方向の剛性がZ軸方向、及
びX、Y軸回りの回転方向であるθx、θy方向に比べ
て相当大きくなっている。これら5本の板ばね46は、
レチクルステージRSTの重心を通るY軸に関して線対
称となる位置に配置されている。このため、複数のエア
パッド40相互間の浮上力のアンバランス等何らかの要
因によりレチクルステージRSTをXY面に対して傾斜
させる回転モーメントが作用しても、この回転モーメン
トがレチクルステージRSTの振動要因となることがな
いようになっている。前述のように、板ばね46は、Z
方向の剛性が大きくないので、レチクルステージRST
は、複数のエアパッド40によりエアガイド42A、4
2B上に支持され、精度良く加工されたエアガイド42
A、42B上を移動することができる。
【0056】XY方向微少駆動用レチクルフレーム48
には、一対のX方向微少駆動用のボイスコイルモータ5
0A、50B及びY方向微少駆動用のボイスコイルモー
タ50Cの可動子52a、52b、52cの一端がそれ
ぞれ接続されている。これらの可動子52a、52b、
52cとともにボイスコイルモータ50A、50B、5
0Cをそれぞれ構成する固定子54a、54b、54c
は、XY方向微少駆動用レチクルフレーム48より更に
一回り大きな矩形枠状部材から成るY方向駆動用レチク
ルフレーム56に固定されている。ボイスコイルモータ
50A、50B、は、XY方向微少駆動用レチクルフレ
ーム48の重心を通るX軸に関して対称な位置に配置さ
れ、ボイスコイルモータ50CはXY方向微少駆動用レ
チクルフレーム48の重心を通るY軸上に配置されてい
る。
【0057】このため、一対のX方向微少駆動用のボイ
スコイルモータ50A、50Bに同じ大きさの駆動力を
発生させることにより、XY方向微少駆動用レチクルフ
レーム48を±X方向に微少駆動することができ、ま
た、ボイスコイルモータ50A、50Bに異なる大きさ
の駆動力(反対方向の駆動力を含む)を発生させること
により、XY方向微少駆動用レチクルフレーム48をθ
z方向に駆動することができる。また、ボイスコイルモ
ータ50Cに駆動力を発生させることにより、XY方向
微少駆動用レチクルフレーム48を±Y方向に微少駆動
することができる。この場合、5本の板ばね46は、X
Y面内方向、すなわちX軸方向、Y軸方向及びZ軸回り
の回転方向であるθz方向の剛性が大きいので、上記の
XY方向微少駆動用レチクルフレーム48の駆動の際
に、レチクルステージRSTがXY方向微少駆動用レチ
クルフレーム48と一体的に駆動される。すなわち、本
実施形態では、上記3つのボイスコイルモータ50A、
50B、50Cが、実質的にレチクルステージRSTを
X、Y面内で微少駆動する微少駆動装置を構成してい
る。
【0058】Y方向駆動用レチクルフレーム56のX軸
方向一側(−X側)の側面には、支持ユニット58が突
設されており、この支持ユニット58の底面に、一対の
Z軸方向支持用のエアパッド60と、2対のX方向支持
用エアパッド62とが設けられている。
【0059】前記一対のエアパッド60に対向するレチ
クル駆動装置支持定盤36の上面には、Y方向駆動部Z
軸支持用エアガイド面36aが形成され、また、レチク
ル駆動装置支持定盤36の上部には、2対のエアパッド
62のそれぞれに対向してヨーガイド37がY軸方向に
延設されている。ヨーガイド37のX軸方向の両側の側
面には、4つのエアパッド62のそれぞれに対向してX
軸支持用エアガイド面37a、37bが形成されている
(図2参照)。
【0060】上記支持ユニット58の−X側には、レチ
クルステージ用リニアモータ64Aの可動子(電機子ユ
ニット)66aが固定されている。この可動子66aと
共にレチクルステージ用リニアモータ64Aを構成する
断面コ字状の固定子(磁極ユニット)68aは、可動子
66aを挟持した状態でY軸方向に延びている。この固
定子68aの底面には、図3に示されるように、Z軸方
向支持用のエアパッド70が複数設けられており、これ
らのエアパッド70が対向する部分のレチクル駆動装置
支持定盤36の上面には、固定子Z軸支持用エアガイド
面36bが形成されている。すなわち、固定子68a
は、固定子Z軸支持用エアガイド面36bの上方に所定
のクリアランス(例えば5〜10μmのクリアランス)
を介して浮上支持されている。
【0061】Y方向駆動用レチクルフレーム56のX軸
方向他側(+X側)の側面には、支持ユニット72が突
設されており、この支持ユニット72の底面に、Z軸方
向支持用のエアパッド73が設けられている。このエア
パッド73に対向するレチクル駆動装置支持定盤36の
上面には、図3に示されるように、Y方向駆動部Z軸支
持用エアガイド面36cが形成されている。
【0062】上記支持ユニット72の+X側には、レチ
クルステージ用リニアモータ64Bの可動子(電機子ユ
ニット)66bが固定されている。この可動子66bと
共にレチクルステージ用リニアモータ64Bを構成する
断面コ字状の固定子(磁極ユニット)68bは、可動子
66bを挟持した状態でY軸方向に延びている。この固
定子68bの底面には、Z軸方向支持用のエアパッド7
0が複数設けられており、これらのエアパッド70が対
向する部分のレチクル駆動装置支持定盤36の上面に
は、固定子Z軸支持用エアガイド面36dが形成されて
いる。すなわち、固定子68bは、固定子Z軸支持用エ
アガイド面36dの上方に所定のクリアランス(例えば
5〜10μmのクリアランス)を介して浮上支持されて
いる。
【0063】この場合、Y方向駆動用レチクルフレーム
56が、XY方向微少駆動用レチクルフレーム48及び
レチクルステージRSTと一体で走査方向(Y軸方向)
に移動する際には、Y方向駆動用レチクルフレーム56
に固定されたリニアモータ64A、64Bの可動子66
a、66bとそれぞれの固定子68a、68bとが相対
的に逆方向に移動する。
【0064】レチクル駆動装置支持定盤36と固定子6
8a,68bとの間、支持ユニット58,72とレチク
ル駆動装置支持定盤36との間、及びレチクルステージ
RSTとエアガイド42A,42Bとの間の摩擦力が零
である場合には、運動量保存の法則が成立し、Y方向駆
動用レチクルフレーム56、XY方向微少駆動用レチク
ルフレーム48及びレチクルステージRST等の全体の
質量と、固定子68a,68bとの質量比で決定される
移動距離だけ固定子68a、68bが移動する。
【0065】このため、Y方向駆動用レチクルフレーム
56、すなわちレチクルステージRSTの走査方向の加
減速時の反力は固定子68a,68bの移動によって吸
収されるので、上記反力によってレチクル駆動装置支持
定盤36が振動するのを効果的に防止することができ
る。
【0066】本実施形態では、図3から明らかなよう
に、レチクルベース定盤32、より具体的には、Y軸方
向エアガイド42A,42Bは、レチクルステージRS
Tのみを支持しているので、レチクルベース定盤32に
作用する重力方向の力は、僅かである。
【0067】図1に戻り、前記レチクルステージRST
の+X方向及び+Y方向の側面には、その位置や移動量
を計測するための位置検出装置であるレチクルレーザ干
渉計74からの測長ビームを反射する反射面がそれぞれ
形成されている。レチクルレーザ干渉計74は、支持コ
ラム24の上端部に固定されている。
【0068】これを更に詳述すると、レチクルステージ
RSTの+X方向の側面は、Y軸方向に延びる第1の反
射面76aとされ、また、レチクルステージRSTの+
Y方向の側面は、X軸方向に延びる第2の反射面76b
とされている(図2参照)。そして、第1の反面76a
には、図3に示されるレチクルX干渉計74XからのX
軸方向の測長ビームが照射され、その反射光に基づいて
レチクルX干渉計74Xによりその測長ビームの照射位
置のX位置が計測される。また、第2の反射面76bに
は、一対のレチクルY干渉計74Y1、74Y2(図9参
照)からY軸方向の測長ビームが照射され、それぞれの
反射光に基づいてレチクルY干渉計74Y1、74Y2
よりそれぞれの測長ビームの照射位置のY位置が計測さ
れる。また、各レーザ干渉計に対応した固定鏡Mrは、
投影光学系PLの鏡筒の側面に設けられている(図1参
照)。
【0069】上記の3つのレチクルレーザ干渉計によっ
て計測されるレチクルステージRST(即ちレチクル
R)の位置情報は後述するステージ制御装置81(図1
〜図3では図示せず、図9参照)に送られる。ステージ
制御装置81では、レチクルX干渉計74Xの計測値に
基づいてレチクルステージのX位置を求め、レチクルY
干渉計74Y1、74Y2の計測値の平均値に基づいてレ
チクルステージRSTのY位置を求め、両者の計測値の
差を測長軸間距離で除してレチクルステージRSTのθ
z方向の回転量(ヨーイング量)を求めるようになって
いる。このステージ制御装置81で求められた、レチク
ルステージRSTの位置情報は主制御装置80にリアル
タイムで供給される。
【0070】上述のように、実際には、3つのレチクル
レーザ干渉計が支持コラム24の上端部に固定されてい
るが、図1においては、これらが代表的にレチクルレー
ザ干渉計74として示されている。
【0071】ステージ制御装置81では、基本的にはレ
チクルレーザ干渉計74から出力される位置情報(或い
は速度情報)が主制御装置80からの指令値(目標位
置、目標速度)と一致するように上記リニアモータ64
A,64B、及びボイスコイルモータ50A〜50Cを
制御する。
【0072】以下においては、必要に応じて、上記のリ
ニアモータ64A,64B、及びボイスコイルモータ5
0A〜50Cによって、レチクルステージRSTをX、
Y、θz方向に駆動するレチクル駆動装置82(図9参
照)が構成されているものとして説明を行う。
【0073】図1に戻り、前記投影光学系PLは、鋳物
等で構成された前記鏡筒定盤20の中央部に形成された
平面視円形の開口内にその光軸AX方向をZ軸方向とし
て上方から挿入されている。投影光学系PLの鏡筒部の
外周部には、該鏡筒部に一体化されたフランジFLGが
設けられている。このフランジFLGの素材としては、
低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル3
6%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素
を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられており、こ
のフランジFLGは、投影光学系PLを鏡筒定盤20に
対して点と面とV溝とを介して3点で支持するいわゆる
キネマティック支持マウントを構成している。このよう
なキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系P
Lの鏡筒定盤20に対する組み付けが容易で、しかも組
み付け後の鏡筒定盤20及び投影光学系PLの振動、温
度変化、姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減
できるという利点がある。
【0074】投影光学系PLとしては、ここでは、物体
面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレ
セントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光
学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る
1/4、1/5、あるいは1/6縮小倍率の屈折光学系
が使用されている。このため、レチクルRにパルス紫外
光が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域の
うちのパルス紫外光によって照明された部分からの結像
光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部
分倒立像がパルス紫外光の各パルス照射の度に投影光学
系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状または矩
形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、
投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系P
Lの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領
域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小
転写される。
【0075】次に、ウエハステージWST及びその駆動
装置の構成等について説明する。
【0076】図4には、ウエハステージWSTをXY2
次元方向に駆動する駆動装置近傍の各構成部分が平面図
にて示されている。
【0077】この図4に示されるように、ウエハステー
ジWSTの駆動装置84は、ベースプレートBP上に植
設された前記4本の支柱34A〜34Dによってウエハ
ベース定盤28の上方でほぼ水平に保持されている。
【0078】この駆動装置84は、支柱34A、34B
間にX軸方向に沿って架設された第1のXリニアガイド
86と、支柱34C、34D間にX軸方向に沿って架設
された第2のXリニアガイド88と、これらのXリニア
ガイド86、88に沿ってそれぞれ移動する第1、第2
のスライドユニット90A、90Bと、これらのスライ
ドユニット90A,90Bがその両端に固定され、Y軸
方向に延びるYリニアガイド92と、このYリニアガイ
ド92に沿って移動する移動部材としてのXY方向移動
ユニット94とを備えている。
【0079】図5には、図4のB−B線断面図が示さ
れ、図6には図4のC−C線断面図が示されている。以
下、これらの図も参照しつつ、駆動装置84の各構成部
分について更に詳述する。
【0080】第1のXリニアガイド86は、図5に示さ
れるように、断面略L字状部材から成るガイド部材96
と、このガイド部材96の上面にX軸方向に沿って密に
並べられた複数の永久磁石98(図4参照)から成る磁
極ユニット100Aとを備えている。ガイド部材96の
−Y方向の端部の上面には、凸部97が設けられてい
る。この凸部の±Y側の側面には、図5の円D内を拡大
して示す図7(A)に示されるように、Y軸支持用エア
ガイド面97a、97bが形成されている。また、凸部
97の+Y側のガイド部材96上面には、Z軸支持用エ
アガイド面96aが形成されている。
【0081】前記第1のスライドユニット90Aには、
図5に示されるように、磁極ユニット100Aに対向し
て電機子ユニット102Aが設けられている。この場
合、磁極ユニット100Aと電機子ユニット102Aと
によって第1のXリニアモータ104A(図9参照)が
構成されている。
【0082】また、第1のスライドユニット90Aに
は、図7(A)に示されるように、Z軸支持用エアガイ
ド面96a、Y軸支持用エアガイド面97a、97bに
それぞれ対向して軸受けとしてのエアパッド106a、
106b、106cが設けられ、これらのエアパッド1
06a〜106cから噴き出される加圧気体の静圧によ
り、当該エアパッド106a〜106cの軸受け面は、
エアガイド面96a、97a、97bに対して所定のク
リアランス(例えば5μm程度のクリアランス)を介し
て非接触で支持されている。
【0083】この場合、エアパッド106a、106
b、106cのそれぞれは、X方向に所定間隔を隔てて
少なくとも各2つ配置されており、これによって、第1
のスライドユニット90A及びYリニアガイド92のθ
z回転(ヨーイング)、及びθy回転(ローリング)を
も防止するようになっている。すなわち、Y軸支持用エ
アガイド面97a、97bが形成された凸部97はヨー
ガイドの役目をも兼ねている。
【0084】第2のXリニアガイド88は、図5に示さ
れるように、断面L字状部材から成るガイド部材108
と、このガイド部材108の上面にX軸方向に沿って密
に並べられた複数の永久磁石98から成る磁極ユニット
100Bとを備えている。ガイド部材108の+Y方向
の端部の上面には、図5の円E内を拡大して示す図7
(B)に示されるように、Z軸支持用エアガイド面10
8aが形成されている。
【0085】前記第2のスライドユニット90Bには、
図5に示されるように、磁極ユニット100Bに対向し
て電機子ユニット102Bが設けられている。この場
合、磁極ユニット100Bと電機子ユニット102Bと
によって第2のXリニアモータ104B(図9参照)が
構成されている。
【0086】また、この第2のスライドユニット90B
には、図7(B)に示されるように、Z軸支持用エアガ
イド面108aに対向して軸受けとしてのエアパッド1
06dが設けられ、このエアパッド106dから噴き出
される加圧気体の静圧により、該エアパッド106dの
軸受け面は、エアガイド面108aに対して所定のクリ
アランス(例えば5μm程度のクリアランス)を介して
非接触で支持されている。
【0087】前記Yリニアガイド92は、図6に示され
るように、断面略U字状のガイド部材110と、このガ
イド部材110のX軸方向中央部の上面にY軸方向に沿
って密に並べられた複数の永久磁石98から成る磁極ユ
ニット112とを備えている。ガイド部材110の+X
方向の端部の上面には、凸部111が設けられ、この凸
部111の±X側の側面には、図6の円F内を拡大して
示す図7(C)に示されるように、X軸支持用エアガイ
ド面111a、111bが形成されている。また、この
ガイド部材110の凸部111の内側には、その上面に
Z軸支持用エアガイド面110aが形成されている。ま
た、ガイド部材110の−X側の上面には、Z軸支持用
エアガイド面110bが形成されている。
【0088】前記XY方向移動ユニット94には、図6
に示されるように、磁極ユニット112に対向して電機
子ユニット114が設けられている。この場合、磁極ユ
ニット112と電機子ユニット114とによってYリニ
アモータ116(図9参照)が構成されている。本実施
形態では、上記第1、第2のXリニアモータ104A、
104B及びYリニアモータ116が、ステージ制御装
置81によって制御されるようになっている(図9参
照)。
【0089】また、XY方向移動ユニット94には、図
7(C)に示されるように、Z軸支持用エアガイド面1
10a、X軸支持用エアガイド面111a、111bに
それぞれ対向して軸受けとしてのエアパッド118a、
118b、118cが設けられている。同様に、XY方
向移動ユニット94には、Z軸支持用エアガイド面11
0bに対向してエアパッドが設けられている。
【0090】これらのエアパッドから噴き出される加圧
気体の静圧により、該エアパッドの軸受け面は、それぞ
れのエアガイド面に対して所定のクリアランス(例えば
5μm程度のクリアランス)を介して非接触で支持され
ている。
【0091】この場合、エアパッド118a、118
b、118cのそれぞれは、Y方向に所定間隔を隔てて
少なくとも各2つ配置されており、これによって、XY
方向移動ユニット94のθz回転(ヨーイング)、及び
θx回転(ピッチング)をも防止するようになってい
る。すなわち、X軸支持用エアガイド面111a、11
1bが形成された凸部111はヨーガイドの役目をも兼
ねている。
【0092】前記XY方向移動ユニット94の±X側の
側面には、図4に示されるように、各2本合計4本の第
1の弾性部材としての板ばね118のそれぞれの一端が
接続され、これらの板ばね118の他端側は、前述した
ウエハステージWSTを構成する平面視矩形枠状のステ
ージとしてのXYステージ120に接続されている。す
なわち、4本の板ばね118によってXY方向移動ユニ
ット94にXYステージ120が連結されている。この
場合、XYステージ120は、後述するようにウエハベ
ース定盤28上にエアパッドにより浮上支持され、板ば
ね118としては、X、Y、θz方向の剛性が、Z、θ
x、θy方向の剛性に比べて高いものが使用されてい
る。このため、XY方向移動ユニット94を駆動するこ
とにより、これと一体でXYステージ120(すなわち
ウエハステージWST)を移動させることができる。
【0093】また、XYステージ120の底面には、不
図示のエアパッドが複数設けられており、これらエアパ
ッドから噴出される加圧気体の静圧により、XYステー
ジ120がウエハベース定盤28の上面の上方に所定の
クリアランス(例えば5μm程度のクリアランス)を介
して非接触で浮上支持されている。また、ウエハベース
定盤28は、その表面が高精度に加工されているので、
XYステージ120は、ウエハベース定盤28の表面に
沿って精度良く移動できる。このXYステージ120上
には、後述するように試料台支持ユニットを介してウエ
ハWを保持する試料台が搭載され、これらXYステージ
120、試料台支持ユニット及び試料台によってウエハ
ステージWSTが構成される。ウエハベース定盤28
は、矩形枠状のXYステージ120及び試料台等のみを
支持すれば足り、ウエハステージの駆動装置を支持する
必要がないので、ウエハベース定盤28に作用する重力
方向の力は従来の露光装置に比べて非常に小さくなって
いる。更に、ウエハステージWSTは後述するフォーカ
ス・レベリング動作時に高応答することができる。
【0094】本実施形態の露光装置10では、ステージ
制御装置81により、XY方向移動ユニット94に設け
られた電機子ユニット114に駆動電流が供給される
と、電機子ユニット114と磁極ユニット112との間
に電磁相互作用によりローレンツ力が発生し、このロー
レンツ力により電機子ユニット114が設けられたXY
方向移動ユニット94がウエハステージWSTと一体で
+Y方向(あるいは−Y方向)に駆動される。すなわ
ち、このようにしてYリニアモータ116が駆動力を発
生する。このとき、磁極ユニット112が設けられたY
リニアガイド92に上記の駆動力の反力が作用し、この
反力が第1、第2のスライド機構90A、90Bを介し
て第1、第2のXリニアガイド86、88に伝達され、
さらに支柱34A、34B、34C、34Dに伝達され
る。この伝達された反力により支柱34A〜34Dが振
動する。この振動は、ベースプレートBP及び床面FD
に伝達される(逃がされる)ので、原則的には、ウエハ
ベース定盤28及びそれが設けられた本体コラム12に
は殆ど悪影響を与えない。しかしながら、上記の支柱3
4A、34B、34C、34Dの振動がある程度以上大
きいと、この振動が支柱34A〜34D、ベースプレー
トBP、ボディ支持部材16A〜16C、防振ユニット
18A〜18Cを順次経由してウエハベース定盤28に
伝達される可能性は否定できない。
【0095】そこで、本実施形態では、図4に示される
ように、支柱34C、34Dの+Y側に反力キャンセル
機構としての反力キャンセル用アクチュエータ122
C、122Dが設けられるとともに、支柱34A、34
Bの−Y側に反力キャンセル機構としての反力キャンセ
ル用アクチュエータ122A、122Bが設けられてい
る。これらの反力キャンセル用アクチュエータ122A
〜122Dは、ベースプレートBP上に植設された支持
部材124A〜124Dによってそれぞれ支持されてい
る(図1及び図5参照)。
【0096】上記反力キャンセル用アクチュエータ12
2A〜122Dは、主制御装置80によって制御される
(図9参照)。主制御装置80では、ウエハステージW
STのY方向駆動指令をステージ制御装置81に与える
と同時にその指令情報に応じて上記の支柱34A〜34
Dに作用するであろうY軸方向の反力をキャンセルする
ためのカウンターフォースを反力キャンセル用アクチュ
エータ122A、122B又は122C、122Dに発
生させるべく、反力キャンセル用アクチュエータ122
A〜122Dをフィードフォワード制御するようになっ
ている。このため、本実施形態では、ウエハステージW
STのY方向駆動時に支柱34A〜34Dに生じる振動
が発生とほぼ同時(時間遅れなく)に減衰され、ベース
プレートBPには、非常に僅かな振動しか伝達されず、
この僅かな振動がベースプレートBPからウエハベース
定盤28側に伝達されたとしても、この振動は防振ユニ
ット18A〜18Cによって確実に絶縁される。
【0097】また、主制御装置80からの指示に応じ、
ステージ制御装置81により、上記と同様にして、第
1、第2のXリニアモータ104A、104Bが同一速
度で駆動されると、第1、第2のスライドユニット90
A、90Bが同一速度で+X方向(あるいは−X方向)
に移動し、これによりYリニアガイド92及びXY方向
移動ユニット94と一体的にウエハステージWSTが+
X方向(あるいは−X方向)に駆動される。このウエハ
ステージWSTのX軸方向の移動の際に、第1、第2の
Xリニアガイド86、88には、第1、第2のスライド
ユニット90A、90Bの駆動力の反力が作用し、この
反力が支柱34A〜34Dに伝達される。この伝達され
た反力により支柱34A〜34Dが振動する。この振動
は、ベースプレートBP及び床面FDに伝達される(逃
がされる)ので、原則的には、ウエハベース定盤28及
びそれが設けられた本体コラム12には殆ど悪影響を与
えない。しかしながら、この場合も、上記の支柱34
A、34B、34C、34Dの振動がある程度以上大き
いと、この振動が支柱34A〜34D、ベースプレート
BP、ボディ支持部材16A〜16C、防振ユニット1
8A〜18Cを順次経由してウエハベース定盤28に伝
達される可能性は否定できない。
【0098】そこで、本実施形態では、支柱34B、3
4Dの+X側に反力キャンセル機構としての反力キャン
セル用アクチュエータ123B、123Dが設けられる
とともに、支柱34A、34Cの−X側に反力キャンセ
ル機構としての反力キャンセル用アクチュエータ123
A、123Cが設けられている。これらの反力キャンセ
ル用アクチュエータ123A〜123Dは、ベースプレ
ートBP上に植設された支持部材125A〜125Dに
よって支持されている(図1及び図6参照)。
【0099】上記反力キャンセル用アクチュエータ12
3A〜123Dは、主制御装置80によって制御される
(図9参照)。主制御装置80では、ウエハステージW
STのX方向駆動指令をステージ制御装置81に与える
と同時にその指令情報に応じて上記の支柱34A〜34
Dに作用するであろう反力をキャンセルするためのカウ
ンターフォースを反力キャンセル用アクチュエータ12
3A、123C又は123B、123Dに発生させるべ
く、反力キャンセル用アクチュエータ123A〜123
Dをフィードフォワード制御するようになっている。こ
のため、本実施形態では、ウエハステージWSTのX方
向駆動時に支柱34A〜34Dに生じる振動が発生とほ
ぼ同時(時間遅れなく)に減衰され、ベースプレートB
Pには、非常に僅かな振動しか伝達されず、この僅かな
振動がベースプレートBPからウエハベース定盤28側
に伝達されたとしても、この振動は防振ユニット18A
〜18Cによって確実に絶縁される。
【0100】また、本実施形態では、上述の如く、ウエ
ハステージWSTの駆動時に第1、第2のXリニアガイ
ド86、88、Yリニアガイド92に作用する反力を時
間遅れなくキャンセルすることができるので、前記反力
に起因する第1、第2のXリニアガイド86、88、Y
リニアガイド92及びそれらの支持部材に生じる歪み、
その結果発生する回転方向の誤差を抑えることができ
る。
【0101】前記4本の板ばね118は、図4に示され
るように、XYステージ120の重心(ウエハステージ
WSTの重心にほぼ一致)を通るX軸に関して線対称と
なる配置で配置されている。このため、不図示の配線の
抵抗力やXYステージ120を浮上支持するエアパッド
間の浮上力のアンバランス等に起因する回転モーメント
が作用したとしてもXYステージ120が振動すること
がない構造となっている。
【0102】また、XYステージ120の上面には、三
角形の各頂点の近傍に、試料台支持ユニット136A〜
136Cがそれぞれ設けられている。これらの試料台支
持ユニット136A〜136Cは、それぞれ、一対の試
料台支持部材としての試料台支持棒132とこれらの試
料台支持棒132の間に配置された駆動機構としてのボ
イスコイルモータ134とから構成されている。各ボイ
スコイルモータ134は、図6に示されるように、XY
ステージ120の上面に固定された断面略U字状の固定
子135aと、これに対応して設けられた可動子135
bとから構成される。なお、実際には、ボイスコイルモ
ータ134の可動子135bは、後述する試料台に固定
される。
【0103】XYステージ120上には、前記試料台支
持ユニット136A〜136Cを介して図1に示される
試料台138が搭載されている。この試料台138上に
ウエハホルダ140(図1では図示省略、図8(A)、
(B)参照)を介してウエハWが静電吸着又は真空吸着
により固定されている。
【0104】図8(A)には、ウエハステージWSTの
平面図が示され、図8(B)には、板ばね118によっ
てXY方向移動ユニット94に取り付けられた状態のウ
エハステージWSTを−Y方向から見た側面図が示され
ている。ここで、これらの図を参照しつつ、試料台13
8のXYステージ120に対する組み付け方法について
説明する。
【0105】試料台138には、前記試料台支持ユニッ
ト136A〜136Cをそれぞれ構成する各一対の試料
台支持棒132に対応して合計3対の開口がそれぞれ形
成されている。試料台138が所定の位置決め状態で試
料台支持ユニット136A〜136C上に載置される
と、前記3つのボイスコイルモータ134それぞれの固
定子135aと可動子135bとが係合し、かつ上記各
開口をそれぞれ介して各試料台支持棒132が、試料台
138の上面とほぼ同一面となる。そして、図8(A)
に示されるような、長手方向の中間部が長手方向に直交
する方向について3つの部分に分離された全体として長
方形の3つの第2の弾性部材としての板ばね142A、
142B、142Cを前記試料台支持ユニット136
A、136B、136Cにそれぞれ対向する位置に載置
し、板ばね142A、142B、142Cそれぞれの中
央の分離部を試料台138にねじ止めし、残りの分離部
をそれぞれ対向する試料台支持棒132にねじ止めする
ことにより、板ばね142A〜142Cを介して試料台
138とXYステージ120(試料台支持棒132)と
が連結される。図8(A)、(B)には、このようにし
て試料台138の組み付けが完了した状態が示されてい
る。板ばね142A〜142Cは、XY面内方向、すな
わちX、Y、θz方向の剛性が、Z、θx、θy方向の
剛性に比べて格段高く、特にその長手方向に直交する方
向の剛性が最も高い。このため、試料台支持ユニット1
36A〜136Cをそれぞれ構成する3つのボイスコイ
ルモータ134によって、それぞれの支持点がZ軸方向
に駆動され、試料台138がZ駆動あるいはチルト駆動
されると、板ばね142A〜142Cがいわゆるパンタ
グラフ状に変形し、試料台138に余分な力が掛からず
その変形が抑制されるようになっている。
【0106】なお、かかる試料台の組み付け構造や組み
付け方法については、例えば特開平9−320954号
公報等に詳細に開示されている。
【0107】また、試料台138の上面には、ウエハW
上の各ショット領域に付設されたアライメントマーク
(ウエハマーク)の位置を検出するためオフアクシス・
アライメント顕微鏡ALG(図9参照)のいわゆるベー
スライン計測のための基準マークその他の基準マーク
(いずれも図示省略)が形成された基準マーク板FMが
設けられている。この基準マーク板FMの表面は、試料
台138に搭載されたウエハホルダ140上に保持され
たウエハWの表面とほぼ同一高さとされている。
【0108】なお、図示は省略されているが、アライメ
ント顕微鏡ALGは、投影光学系PLの側面の所定の位
置に固定されており、例えば画像処理方式の結像式アラ
イメントセンサが用いられる。このアライメントセンサ
ALGの計測結果は、主制御装置80に供給されるよう
になっている(図9参照)。
【0109】前記試料台138の位置は、図1に示され
るように、鏡筒定盤20に吊り下げ状態で固定されたウ
エハレーザ干渉計システム146によって所定の分解
能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイム
に計測される。
【0110】これを更に詳述すると、図8(A)に示さ
れるように、試料台138の+X側の側面、+Y側の側
面には、鏡面加工が施され、それぞれ反射面138a、
138bが形成されている。
【0111】一方の反射面138aには、X軸方向の5
本の測長ビームWIX1、WIX2、WIX3、WIX
4、及びWIX5が、ウエハレーザ干渉計システム14
6を構成するレーザ干渉計146X1、146X2、14
6X3、146X4、146X 5(図9参照)からそれぞ
れ照射されている。これらの干渉計に対応する固定鏡M
wは、投影光学系PLの鏡筒下端にそれぞれ固定されて
おり、各干渉計では、それぞれの測長ビームの照射位置
のX位置を固定鏡Mwを基準として計測する(図1参
照)。
【0112】測長ビームWIX1、WIX2は、同一X
Y面上で投影光学系PLの光軸AXを通るX軸に関して
ほぼ対称となる光路に沿って照射されている。また、測
長ビームWIX3、WIX4は、同一XY面上でアライ
メント顕微鏡ALGの検出中心を通るX軸に関してほぼ
対称となる光路に沿って照射されている。また、測長ビ
ームWIX5は、測長ビームWIX1(又はWIX2)
の真下の光路に沿って照射されている(図8(B)参
照)。
【0113】他方の反射面138bには、Y軸方向の5
本の測長ビームWIY1、WIY2、WIY3、WIY
4、及びWIY5が、ウエハレーザ干渉計システム14
6を構成するレーザ干渉計146Y1、146Y2、14
6Y3、146Y4、146Y 5(図9参照)からそれぞ
れ照射されている。これらの干渉計に対応する固定鏡M
wは、投影光学系PLの鏡筒下端にそれぞれ固定されて
おり、各干渉計では、それぞれの測長ビームの照射位置
のY位置を固定鏡Mwを基準として計測する(図1参
照)。
【0114】測長ビームWIY1、WIY2は、同一X
Y面上で投影光学系PLの光軸AXを通るY軸に関して
ほぼ対称となる光路に沿って照射されている。また、測
長ビームWIY3、WIY4は、同一XY面上でアライ
メント顕微鏡ALGの検出中心を通るY軸に関してほぼ
対称となる光路に沿って照射されている。また、測長ビ
ームWIY5は、測長ビームWIY1(又はWIY2)
の真下の光路に沿って照射されている。
【0115】このように、試料台138の位置を計測す
る干渉計は、X軸方向、Y軸方向について各5つ合計1
0個の干渉計が設けられているが、図1においては、こ
れらが代表してウエハレーザ干渉計システム146とし
て示されている。
【0116】このウエハレーザ干渉計システム146を
構成する各干渉計の計測値は、ステージ制御装置81
(図1では図示せず、図9参照)に供給されており、ス
テージ制御装置81では、次のようにして、試料台13
8の位置を求める。
【0117】すなわち、ステージ制御装置81では、後
述する露光時には、主制御装置80からの指示に応じ
て、測長ビームWIX1、WIX2にそれぞれ対応する
2つの干渉計146X1、146X2の計測値の平均値に
基づいて試料台138のX位置を求めるとともに、測長
ビームWIY1、WIY2にそれぞれ対応する2つの干
渉計146Y1、146Y2の計測値の平均値に基づいて
試料台138のY位置を求める。また、ステージ制御装
置81では、測長ビームWIX1、WIX5にそれぞれ
対応する2つの干渉計146X1、146X5の計測値の
差と測長軸間隔とに基づいて試料台138のθy回転量
を求めるとともに、測長ビームWIY1、WIY5にそ
れぞれ対応する2つの干渉計146Y1、146Y5の計
測値の差と測長軸間隔とに基づいて試料台138のθx
回転量を求める。また、ステージ制御装置81では、干
渉計146X1、146X2の計測値の差と測長軸間距
離、及び干渉計146Y1、146Y2の計測値の差と測
長軸間距離の少なくとも一方に基づいて試料台138の
θz回転量を求める。
【0118】また、ステージ制御装置81では、後述す
るウエハアライメント時には、主制御装置80からの指
示に応じて、測長ビームWIX3、WIX4にそれぞれ
対応する2つの干渉計146X3、146X4の計測値の
平均値に基づいて試料台138のX位置を求めるととも
に、測長ビームWIY3、WIY4にそれぞれ対応する
2つの干渉計146Y3、146Y4の計測値の平均値に
基づいて試料台138のY位置を求める。この場合にお
いても、ステージ制御装置81では上記と同様にして、
試料台のθx、θy、θz回転量を求めることは可能で
ある。
【0119】なお、上記のステージ制御装置81が求め
た試料台138の位置情報は主制御装置80にリアルタ
イムで供給される。
【0120】このように、本実施形態では、露光時、ア
ライメント時のいずれのときにおいても、いわゆるアッ
ベ誤差の影響をなくした正確な試料台138の位置計測
が可能になっている。
【0121】前記ウエハベース定盤28には、図1では
図示が省略されているが、実際には、ウエハベース定盤
28(本体コラム12)のZ方向の振動を計測する3つ
の振動センサ(例えば加速度計)とXY面内方向の振動
を計測する3つの振動センサ(例えば加速度計)(例え
ばこの内の2つの振動センサは、ウエハベース定盤28
のY方向の振動を計測し、残りの振動センサはX方向の
振動を計測する)とが取り付けられている。以下におい
ては、便宜上、これら6つの振動センサを総称して振動
センサ群148と呼ぶものとする。この振動センサ群1
48の計測値は、主制御装置80に供給されるようにな
っている(図9参照)。従って、主制御装置80では振
動センサ群148の計測値に基づいてウエハベース定盤
28の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz方
向)の振動を求めることができる。
【0122】例えば、前述したウエハステージWSTの
駆動時に、ウエハステージWSTの移動に伴う偏荷重が
ウエハベース定盤28に作用し、ウエハベース定盤28
が振動すると、主制御装置80が、このウエハベース定
盤28の6自由度方向の振動を振動センサ群148の計
測値に基づいて検出し、この検出結果に基づいて防振ユ
ニット18A〜18Cを制御することにより、ウエハベ
ース定盤28の振動を速やかに制振することができる。
【0123】しかしながら、先にも説明したように、本
実施形態では、ウエハステージWSTの駆動時に、ウエ
ハステージWSTの移動に伴いウエハベース定盤28に
作用する偏荷重は非常に小さいので、上記の振動センサ
群148を必ずしも設けなくとも良い。すなわち、防振
ユニット18A〜18Cとして、必ずしもアクティブ防
振装置を用いなくても、パッシブな防振装置を用いても
良い。
【0124】さらに、本実施形態の露光装置では、ウエ
ハWのZ方向位置を検出するフォーカスセンサAF(図
1では図示省略、図9参照)が、投影光学系PLの鏡筒
の下端部に不図示の保持部材を介して固定されている。
このフォーカスセンサAFとしては、例えば特開平6−
283403号公報に開示される多点焦点位置検出系が
用いられる。このフォーカスセンサAFの出力が主制御
装置80に供給され、主制御装置80ではステージ制御
装置81を介して試料台138のZ駆動及びチルト駆動
を制御していわゆるフォーカス・レベリング制御を行う
ようになっている。
【0125】図9には、上述した露光装置10の制御系
の構成が簡単に示されている。この制御系は、ワークス
テーション(又はマイクロコンピュータ)から成る主制
御装置80及びステージ制御装置81を中心として構成
されている。主制御装置80は、これまでに説明した各
種の制御を行う他、装置全体を統括的に制御する。
【0126】次に、上述のようにして構成された露光装
置10における露光動作について説明する。
【0127】前提として、ウエハW上のショット領域を
適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の
露光条件が予め設定される。また、不図示のレチクル顕
微鏡及びオフアクシス・アライメント顕微鏡ALG等を
用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準
備作業が行われ、その後、アライメント顕微鏡ALGを
用いたウエハWのファインアライメント(EGA(エン
ハンスト・グローバル・アライメント)等)が終了し、
ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められ
る。
【0128】このようにして、ウエハWの露光のための
準備動作が終了すると、主制御装置80では、アライメ
ント結果に基づいてウエハWの第1ショットの露光のた
めの走査開始位置にウエハステージWSTを移動すべ
く、ステージ制御装置81に指令を与える。この指令に
より、ステージ制御装置81により、ウエハレーザ干渉
計システム146の計測値をモニタしつつ駆動装置84
を構成する各モータが駆動制御され、第1ショットの露
光のための走査開始位置にウエハステージWSTが位置
決めされる。
【0129】次に、主制御装置80からの指示に基づい
てステージ制御装置81により、駆動装置82、84を
介してレチクルステージRSTとウエハステージWST
とのY方向の走査が開始され、両ステージRST、WS
Tがそれぞれの目標走査速度に達すると、パルス紫外光
によってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走
査露光が開始される。
【0130】ステージ制御装置81では、特に上記の走
査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速
度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度V
wとが投影光学系PLの投影倍率(1/4倍、1/5
倍、あるいは1/6倍)に応じた速度比に維持されるよ
うに駆動装置82、84を介してレチクルステージRS
T及びウエハステージWSTを同期制御する。この同期
制御中に、主制御装置80ではフォーカスセンサAFを
用いてウエハWのZ位置を計測し、この計測結果に基づ
いてステージ制御装置81を介してウエハステージWS
T上の3つのボイスコイルモータ134を適宜制御し、
ウエハ表面のパルス紫外光の照射領域が常に投影光学系
PLの最良結像面の焦点深度内に合致するように、フォ
ーカス・レベリング制御を行う。
【0131】そして、レチクルRのパターン領域の異な
る領域がパルス紫外光で逐次照明され、パターン領域全
面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第
1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチク
ルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショット
に縮小転写される。
【0132】このようにして、第1ショットの走査露光
が終了すると、主制御装置80からの指示に基づき、ス
テージ制御装置81により駆動装置84を介してウエハ
ステージWSTがX、Y軸方向にステップ移動され、第
2ショットの露光のため走査開始位置に移動される。こ
のステッピングの際に、ステージ制御装置81ではウエ
ハレーザ干渉計システム146の計測値に基づいてウエ
ハステージWST(ウエハW)のX、Y、θz方向の位
置変位をリアルタイムに計測する。この計測結果に基づ
き、ステージ制御装置81では駆動装置84を制御して
ウエハステージWSTのXY位置変位が所定の状態にな
るようにウエハステージWSTの位置を制御する。
【0133】また、ステージ制御装置81ではウエハス
テージWSTのθz方向の変位の情報に基づいて駆動装
置82を制御し、そのウエハW側の回転変位の誤差を補
償するようにレチクルステージRSTを回転制御する。
あるいは、ステージ制御装置81では、ウエハステージ
WSTのθz方向の変位の情報に基づいて第1のXリニ
アモータ104Aと第2のXリニアモータ104Bとの
推力分配率を制御することにより、ウエハステージWS
Tの回転誤差を補正する。
【0134】そして、ステージ制御装置81では第2シ
ョットに対して上記と同様の走査露光を行う。
【0135】このようにして、ウエハW上のショットの
走査露光と次ショット露光のためのステッピング動作と
が繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全
てにレチクルRのパターンが順次転写される。
【0136】以上説明したように、本実施形態の露光装
置10によると、レチクルステージRST、ウエハステ
ージWSTをそれぞれ移動可能に支持するレチクルベー
ス定盤32、ウエハベース定盤28を含む本体コラム1
2が3つの防振ユニット18A〜18Cに支持され、こ
の本体コラム12とは振動に関して独立した第2ユニッ
ト14を構成する支柱34A〜34Dによってレチクル
ステージRSTの駆動装置82及びウエハステージWS
Tの駆動装置84が支持されている。また、レチクルス
テージRSTの駆動装置82を構成するXY方向微小駆
動用レチクルフレーム48とレチクルステージRSTと
が、レチクルステージRSTの移動面内方向(X、Y及
びθz方向)の剛性が移動面に直交する方向(Z、θx
及びθy方向)の剛性に比べて高い板ばね46によって
連結されるとともに、ウエハステージWSTの駆動装置
84を構成するXY方向移動ユニット94とXYステー
ジ120とが、XYステージ120の移動面内方向
(X、Y及びθz方向)の剛性が移動面に直交する方向
(Z、θx及びθy方向)の剛性に比べて高い板ばね1
18によって連結されている。
【0137】このため、例えばレチクルステージRST
の駆動時にその駆動装置82を支持する支柱34A〜3
4Dに作用する反力が、レチクルベース定盤32に殆ど
伝達されることがなく、同様に、ウエハステージWST
の駆動時にその駆動装置84を支持する支柱34A〜3
4Dに作用する反力が、ウエハベース定盤28に殆ど伝
達されることがないので、それらのレチクルベース定盤
32及びウエハベース定盤28を含む本体コラム12を
振動させたり、歪ませたりすることが殆どない。
【0138】また、上記の板ばね46、118は、それ
ぞれのステージ移動面内方向の剛性が高いため、それぞ
れの駆動装置によりそれらの板ばねを介してそれぞれの
ステージを容易に駆動することができる。また、レチク
ルステージRSTとその駆動装置82、ウエハステージ
WSTとその駆動装置84とを、それぞれ分離している
ことから、それぞれのステージの小型・軽量化が可能で
あり、それぞれのステージ移動に伴いレチクルベース定
盤32、ウエハベース定盤28に作用する偏荷重を軽減
することができる。
【0139】また、上記の板ばね46、118は、それ
ぞれのステージの移動面に直交する方向の剛性が低いた
め、仮に、ステージの駆動に伴う偏荷重等何らかの要因
により、ウエハベース定盤28、レチクルベース定盤3
2がベースプレートBPに対して傾いた場合、ウエハス
テージWST、レチクルステージRSTはこれに追従し
て傾くが、この際に板ばね118、46がウエハステー
ジWST、レチクルステージRSTの姿勢の変化を許容
するように変形し、結果的に各ステージに板ばねにより
連結された駆動装置の構成部分(XY方向移動ユニット
94、XY方向微小駆動用レチクルフレーム48)は元
の姿勢を維持したままとなる。従って、本実施形態で
は、吊り下げタイプのウエハベース定盤を採用し、各ス
テージとそれぞれの駆動装置とを分離した構成を採用し
ているにもかかわらず、駆動装置のガイドがかじる等の
不都合の発生を防止することができ、防振性、ステージ
の位置制御性に優れたものとなっている。特にウエハス
テージWST側は、結果的にフォーカス・レベリング制
御も容易になっている。
【0140】また、本実施形態では、ウエハステージW
ST、レチクルステージRSTの駆動により、第2ユニ
ット14に作用する反力をキャンセルするためのカウン
タフォースを、第2ユニット14(具体的には、支柱3
4A〜34D)に与える反力キャンセル用アクチュエー
タ122A〜122D及び123A〜123Dを備え、
これらのアクチュエータを主制御装置80がフィードフ
ォワード制御しているので、本体コラム12のみなら
ず、第2ユニット14についても振動の抑制が可能とな
り、しかも反力キャンセル用アクチュエータによりカウ
ンターフォースが時間遅れなく第2ユニット14に与え
られるので、第2ユニット14に前記反力が生じるとほ
ぼ同時にその反力をほぼキャンセルすることができる。
【0141】また、本実施形態では、例えばレチクルス
テージRSTをY軸方向に駆動する駆動装置は、板ばね
46によりレチクルステージRSTと連結された移動部
材(すなわちXY方向微少駆動用レチクルフレーム4
8、ボイスコイルモータ50A〜50C及びY方向駆動
用レチクルフレーム56)と、Y方向駆動用レチクルフ
レーム56に支持ユニット58、72をそれぞれ介して
設けられた可動子66a、66bをそれぞれ含み、Y方
向駆動用レチクルフレーム56を走査方向に駆動するリ
ニアモータ64A、64Bと、Y方向駆動用レチクルフ
レーム56を非走査方向(X方向)の移動及びヨーイン
グを規制し、走査方向に案内するX軸支持用エアガイド
面37a、37b及びこれに対向して支持ユニット58
に設けられたエアパッド62から成るガイド機構とを有
していることから、リニアモータ64A、64Bの駆動
力により上記移動部材が駆動されると、この移動部材
は、X軸支持用エアガイド面37a、37b及びエアパ
ッド62の作用によりX方向の移動が規制され、走査方
向に正確に案内される。これにより、Y方向駆動用レチ
クルフレーム56を走査方向に駆動する際の非走査方向
の移動及び回転を確実に防止することができ、このY方
向駆動用レチクルフレーム56の走査方向の駆動により
板ばね46を介してレチクルステージRSTを走査方向
にほぼ正確に駆動することができる。
【0142】同様に、ウエハステージWSTを走査方向
であるY軸方向に駆動する駆動装置は、板ばね118に
よりXYステージ120と連結されたXY方向移動ユニ
ット94と、このXY方向移動ユニット94に設けられ
た電機子ユニット114を含み、XY方向移動ユニット
94を走査方向に駆動するリニアモータ116と、XY
方向移動ユニット94の非走査方向(X方向)の移動及
びヨーイングを規制し、走査方向に案内するX軸支持用
エアガイド面111a、111b及びこれに対向してX
Y方向移動ユニットに設けられたエアパッド118b、
118cから成るガイド機構とを有していることから、
リニアモータ116の駆動力によりXY方向移動ユニッ
ト94が駆動されると、このXY方向移動ユニット94
は、X軸支持用エアガイド面111a、111b及びエ
アパッド118b、118cの作用によりX方向の移動
が規制され、走査方向に正確に案内される。これによ
り、XY方向移動ユニット94を走査方向に駆動する際
の非走査方向の移動及び回転を確実に防止することがで
き、このXY方向移動ユニット94の走査方向の駆動に
より板ばね118を介してウエハステージWSTを走査
方向にほぼ正確に駆動することができる。
【0143】また、ウエハステージWSTのヨーイング
(θz回転)は、非走査方向であるX軸方向に駆動する
駆動装置が、第1のXリニアモータ104Aと第2のX
リニアモータ104Bとを有しているので、ステージ制
御装置81では、ウエハレーザ干渉計システム146の
検出結果に基づいて、第1のXリニアモータ104Aと
第2のXリニアモータ104Bとの推力分配率を制御す
ることにより、確実に補正することができる。
【0144】また、XY方向移動ユニット94がウエハ
ステージWSTの駆動装置84に含まれるので、ウエハ
ステージWSTの構成を簡略化することが可能となり、
これによってウエハステージWSTの小型・軽量化が可
能になっている。同様の理由により、レチクルステージ
RSTも小型軽量化が可能になっている。
【0145】また、板ばね118は、ウエハステージW
STの重心位置に関して線対称となる状態で配置されて
いることから、ウエハステージWSTにピッチング、ロ
ーリング等を生じさせる回転モーメントがその振動要因
となることがない。この点は、レチクルステージRST
側も同様である。
【0146】また、本実施形態では、図4及び図2から
明らかなように、ウエハベース定盤28、レチクルベー
ス定盤32は、三角形の各頂点位置の近傍で吊り下げ部
材26、脚30A〜30Cによってそれぞれ3点支持さ
れ、ウエハステージWSTの駆動装置84、レチクルス
テージRSTの駆動装置82は、支柱34A〜34Dに
よりそれらの三角形にほぼ重なる長方形の各頂点位置で
4点支持されているので、吊り下げ部材26及び脚30
A〜30Dと支柱34A〜34Dとをいわゆる入子構造
の配置とすることができ、スペース効率を良好に維持し
てフットプリントの増大を防止することができる。
【0147】また、ウエハステージWST、レチクルス
テージRSTの位置を計測するウエハレーザ干渉計シス
テム146、レチクルレーザ干渉計74を構成する各干
渉計が、防振ユニット18A〜18Cによって支持さ
れ、前述の如く、振動、歪み等が効果的に抑制された本
体コラム12側に固定され、それぞれのステージの位置
を本体コラム12に支持された投影光学系PL(に固定
された固定鏡)を基準として計測していることから、そ
れらの干渉計の計測誤差が非常に小さくなり、それらの
干渉計により各ステージの位置を精度良く計測すること
が可能になる。
【0148】また、本実施形態では、XYステージ12
0上に配置された3つの試料台支持ユニット136A〜
136Cをそれぞれ構成する各一対の試料台支持棒13
2の先端面と試料台138の上面とが、ほぼ同一面とな
る状態で、前記各試料台支持棒132と試料台138と
がXYステージ120(ウエハステージWST)の移動
面内方向の剛性が移動面に直交する方向の剛性に比べて
高い板ばね142A〜142Cによって連結され、試料
台支持ユニット136A〜136Cをそれぞれ構成する
3つのボイスコイルモータ134により、試料台138
をZ・チルト駆動するようになっていることから、ウエ
ハステージWSTの移動面内の駆動に伴う反力の影響を
殆ど受けることがなく、ボイスコイルモータ134によ
りウエハベース定盤28を基準面として試料台138の
Z・チルト駆動を高精度に行うことが可能になる。
【0149】また、前述した板ばね118の変形で発生
するステージ部のストレスを板ばね142A〜142C
で吸収することができるので、試料台138に歪みが生
じるのを効果的に抑制することができ、その側面に形成
された反射面の変形も抑制することができ、この意味に
おいてもウエハステージWSTの位置計測精度の向上が
可能になる。
【0150】また、上記のレチクルステージRSTのY
方向の駆動装置、ウエハステージWSTのY方向の駆動
装置を構成するそれぞれのガイド機構は、ガイド部材
と、該ガイド部材に対して所定のクリアランスを介して
移動部材を支持する軸受けとしてのエアパッドとを備え
ているが、所定のクリアランスは、いわゆる軸受け隙間
の設定により調整することができる。この場合におい
て、その所定のクリアランスは、防振ユニット18A〜
18Cにより発生する制御誤差やガイド面相互間の傾き
差等より広くして、防振ユニット18A〜18Cあるい
はステージRST、WSTの暴走時にもメカニカルな接
触が無いような間隔にすることが望ましい。このように
すれば、装置異常や停止の際も、ガイド部がかじること
が無く、復帰が容易となる。
【0151】本実施形態の露光装置10では、上述した
数々の工夫により、装置各部の振動や応力を低減し、ま
た、それぞれのステージの位置制御性の向上、両ステー
ジの同期整定時間の短縮によりスループットの向上が可
能となり、また、投影光学系PLの振動に起因するパタ
ーン転写位置ずれや像ボケ等の発生を効果的に防止して
露光精度の向上を図ることができる。
【0152】なお、本実施形態の露光装置では、軸受け
としてエアパッド(気体静圧軸受け)に限らず、磁気軸
受けを用いても良い。また、気体静圧軸受けとしては、
磁気予圧型、真空予圧型のいずれのタイプをも用いるこ
とができる。
【0153】また、上記では、特に説明しなかったが、
例えばウエハステージWSTに対する配線やウエハWを
真空吸着する場合のバキューム用の配管等は、所定の余
裕を持たせてXY方向移動ユニット94側に一旦連結し
た後、ウエハステージ側にリレーすることが望ましい。
このようにすると、ウエハステージ移動の際の配管や配
線の引きずりによる抵抗は殆ど、第2ユニット14を介
して床面が受けることになるので、結果的に試料台のZ
・チルト方向の制御については高い性能を得ることがで
きる。
【0154】なお、前述したレチクルステージRSTの
駆動装置82、ウエハステージWSTの駆動装置84等
は、一例であって、本発明がこれに限定されないことは
勿論である。例えば、ウエハステージWSTの駆動装置
84に代えて、図10に示される駆動装置84’を採用
しても良い。
【0155】また、上記実施形態では、Y方向駆動用レ
チクルフレーム56(リニアモータ64A、64Bの可
動子)や、XY方向移動ユニット94(第1、第2のX
リニアモータ104A、104Bの可動子、Yリニアモ
ータ116の可動子)などに不要なθz回転(ヨーイン
グ)が生じないようにするために、エアパッドとヨーガ
イドとを用いた非接触ガイド機構を用いる場合について
説明したが、例えば、ベースプレートBPに歪みやねじ
れ等の変形が生じるおそれのある場合には、リニアガイ
ド(リニアモータの固定子に一体的に設けられている)
とこれに沿って摺動するスライド部材(リニアモータの
可動子を含む)とを用いた接触式ガイド機構を用い、そ
のスライド部材に板ばねを介してステージを微動可能に
取り付けても良い。このようにすると、ベースプレート
BPにねじれ等が生じ、その結果ヨーガイドにねじれが
生じて非接触ガイド機構ではリニアモータ可動子の円滑
な動作が困難となるような場合であっても、支障なくス
ライド部材をリニアガイドに沿って駆動することが可能
である。
【0156】また、上記実施形態で説明した板ばね11
8の構成、及びその配置は一例であって、本発明がこれ
に限定されることはない。例えば、図11(A)に示さ
れるような4本の板ばね119を同図のように配置し
て、XY方向移動ユニット94と、XYステージ120
を連結しても良い。この板ばね119としても、XYス
テージ120の移動面内方向の剛性が移動面に直交する
方向の剛性に比べて格段高いものが用いられる。また、
この図11(A)を見れば明らかなように、4本の板ば
ね119もXYステージ120の重心を通るY軸に関し
て対称な配置となている(この場合は、重心を通るX軸
に関しても対称である)。
【0157】また、図11(A)と同様の板ばねの配置
をする場合において、図11(B)に示されるように、
各板ばね119の少なくとも1つ(図11(B)では4
つの板ばね全て)に該板ばねにステージ移動面内の力を
付与するアクチュエータとしてのピエゾ素子150を接
続しても良い。このようにすると、XYステージ120
が4本の板ばね119によりXY方向移動ユニット94
に連結され、かつこのXY方向移動ユニット94の移動
方向(Y軸方向)に直交する方向(X方向)の移動、回
転等が前述したガイド機構により拘束されているので、
板ばね119にピエゾ素子150により力を付与する
と、結果的に、XYステージ120及びこれに搭載され
た試料台138の位置の制御(微調整)が可能となる。
この場合、試料台138等を含むウエハステージWST
は軽量であるため、試料台138の微小位置決めを高応
答で実現できる。
【0158】また、図11(B)の構成を採用する場
合、主制御装置80によりステージ制御装置81を介し
て4つのピエゾ素子150を制御するようにすることが
望ましい。例えば、主制御装置80では、レベリング制
御のための試料台138のチルト駆動時に起因してレベ
リング時チルト中心とウエハ面が異なることで発生する
ウエハレーザ干渉計システム146の計測値に生じるコ
サインθ誤差(アッベ誤差)が補正されるように、ピエ
ゾ素子150をフィードフォワード制御するようにして
も良い。このようにすると、主制御装置80がピエゾ素
子150を制御して試料台138の位置を微調整するの
で、結果的に試料台138のチルト駆動によって試料台
138のXY位置決め誤差が発生することがなく、しか
も主制御装置80によるピエゾ素子の制御は、フィード
フォワード制御により行われるので、時間遅れなく、高
精度に試料台138のXY位置を制御することができ
る。
【0159】また、主制御装置80では、3つのボイス
コイルモータ134による試料台138の駆動時に板ば
ね119の変形によりXYステージ120側に作用する
ストレスをキャンセルすべく、ピエゾ素子150を制御
しても良い。このようにすると、結果的に上記のストレ
スを解消することができる。なお、多少大きくなるが、
ピエゾ素子150に代えて、アクチュエータとしてボイ
スコイルモータを用いても良い。
【0160】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図12に基づいて説明する。ここで、前述し
た第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には、
同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし若しく
は省略するものとする。
【0161】この第2の実施形態の露光装置では、基板
ステージとして独立に移動可能な2つのウエハステージ
WST1、WST2が設けられている点に特徴を有す
る。
【0162】図12には、本実施形態の露光装置のウエ
ハステージの駆動装置84部分の概略平面図が示されて
いる。この露光装置では、ウエハステージWST1、W
ST2が設けられている点に対応して前述したウエハベ
ース定盤28に代えて長方形のウエハベース定盤28’
が設けられ、このウエハベース定盤28’の4隅の部分
が4本の定盤吊り下げ部材26によって鏡筒定盤20に
代えて設けられた長方形の鏡筒定盤(図示省略)に吊り
下げ支持されている。
【0163】また、この図12に示されるように、ウエ
ハステージWST1、WST2の駆動装置84は、ベー
スプレートBP上に植設された4本の支柱34A〜34
Dによってウエハベース定盤28’の上方でほぼ水平に
保持されている。
【0164】駆動装置84は、支柱34A、34B間に
Y軸方向に沿って架設された第1のYリニアガイド86
と、支柱34C、34D間にY軸方向に沿って架設され
た第2のYリニアガイド88と、これらのYリニアガイ
ド86、88に沿ってそれぞれ移動する第1の組みのス
ライドユニット90A1,90B1と、第2の組みのスラ
イドユニット90A2,90B2と、スライドユニット9
0A1,90B1がその両端に固定され、X軸方向に延び
る第1のXリニアガイド921、このXリニアガイド9
1に沿って移動する移動部材としてのXY方向移動ユ
ニット941と、スライドユニット90A2,90B2
その両端に固定され、X軸方向に延びる第2のXリニア
ガイド922、このXリニアガイド922に沿って移動す
る移動部材としてのXY方向移動ユニット942とを備
えている。
【0165】また、Xリニアガイド921とXY方向移
動ユニット941とによって、XYステージ1201(ウ
エハステージWST1)のX方向の駆動装置が構成さ
れ、Xリニアガイド921の両端に固定されたスライド
ユニット90A1,90B1と、Yリニアガイド86、8
8とによって、XYステージ1201(ウエハステージ
WST1)のY方向の駆動装置が構成されている。XY
方向移動ユニット941に4本板ばね118を介してX
Yステージ1201が連結されている。
【0166】また、Xリニアガイド922とXY方向移
動ユニット942とによって、XYステージ1202(ウ
エハステージWST2)のX方向の駆動装置が構成さ
れ、Xリニアガイド92の両端に固定されたスライド
ユニット90A2,90B2と、Yリニアガイド86、8
8とによって、XYステージ1202(ウエハステージ
WST2)のY方向の駆動装置が構成されている。この
場合も、XY方向移動ユニット942に4本板ばね11
8を介してXYステージ1202が連結されている。
【0167】なお、上記の各構成部材の符号中に付加し
た下付き数字「1」、「2」は、識別のために付加した記
号であり、各部材は前述した第1の実施形態における同
一符号の構成部材と同様に構成されている。従って、ウ
エハステージWST1、WST2の他の構成部分も前述
したウエハステージWSTと全く同様に構成され、それ
ぞれの試料台上に第1基板、第2基板としてのウエハが
それぞれ載置される。
【0168】また、図示は省略されているが、この第2
の実施形態の露光装置では、ウエハステージWST1、
WST2にそれぞれ対応して2つのアライメント顕微鏡
が設けられている。以下においては、説明の便宜上、ウ
エハステージWST1に対応するアライメント顕微鏡、
ウエハをそれぞれアライメント顕微鏡ALG1、ウエハ
W1と呼び、ウエハステージWST2に対応するアライ
メント顕微鏡、ウエハをそれぞれアライメント顕微鏡A
LG2、ウエハW2と呼ぶものとする。
【0169】また、ウエハステージWST1、WST2
のそれぞれは、それぞれ不図示のウエハレーザ干渉計シ
ステム1461、1462によって6自由度方向の位置が
計測されるようになっている。
【0170】その他の部分の構成等は、前述した第1の
実施形態と同様になっている。
【0171】このようにして構成された第2の実施形態
の露光装置よると、前述した第1の実施形態と同等の効
果を得られる他、例えばウエハステージWST1(XY
ステージ1201)上のウエハW1に対する走査露光中
に、ウエハステージWST2(XYステージ1202
上でウエハW2に対するアライメント顕微鏡ALG2に
よるアライメント、及びウエハ交換の少なくとも一方の
動作を並行して行うことができるので、ウエハ交換、ア
ライメント、露光をシーケンシャルに行う単一ウエハス
テージを有する露光装置に比べて、スループットを向上
させることができる。
【0172】特に、本実施形態では、ウエハステージW
ST1又はWST2の駆動によって生じる反力がウエハ
ベース定盤28’に殆ど伝達されないので、結果的に上
記の並行処理動作中にウエハステージWST1、WST
2の動作がお互いに悪影響を及ぼすことがない。また、
前述した第1の実施形態と同様に、ウエハステージWS
T1、WST2の小型化・軽量化が可能となるので、2
つの小型・軽量なウエハステージを独立して制御する際
にも偏荷重によるウエハベース定盤28‘の歪み、相互
干渉、反力による歪みの点からも有利なものとなってい
る。
【0173】なお、本実施形態と同様に、ウエハステー
ジを2つ有し、アライメント顕微鏡を2つ有し、一方の
ウエハステージ上の基板の露光中に、他方のウエハステ
ージ上でアライメント等を並行して行う露光装置につい
ては、例えば特開平10−163097号公報、特開平
10−214783号公報などに詳細に開示されてお
り、本実施形態においても、上記各公報に開示される技
術をそのまま、あるいは一部変更して用いることができ
る。
【0174】《第3の実施形態》次に、本発明の第3の
実施形態を図13に基づいて説明する。ここで、前述し
た第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には、
同一の符号を用いるとともにその説明を簡略にし若しく
は省略するものとする。
【0175】この第3の実施形態の露光装置では、マス
クステージとして独立に移動可能な2つのレチクルステ
ージRST1、RST2が設けられている点に特徴を有
する。
【0176】図13には、本第3の実施形態の露光装置
のレチクルステージRST1、RST2及びその駆動装
置の概略平面図が示されている。この図13と前述した
図2とを比較すると明らかなように、各レチクルステー
ジ及びそれぞれの駆動装置は、前述した第1の実施形態
とほぼ同様に構成されている。なお、図13では、レチ
クルステージRST1の駆動に関連する部分には、識別
のための数字「1」が、レチクルステージRST2の駆
動に関連する部分には、識別のための数字「2」が、そ
れぞれの構成部分に付加されている。
【0177】この場合、レチクルステージRST1を走
査方向に駆動するリニアモータ64A1,64B1と、レ
チクルステージRST2を走査方向に駆動するリニアモ
ータ64A2,64B2とは、共通の固定子68a,68
bを有する。従って、いずれか一方のレチクルステージ
のみが走査方向に駆動される際には、固定子68a、6
8bは、前述した第1の実施形態と同様の挙動をする。
【0178】また、レチクルステージRST1、RST
2が同時に走査方向に駆動されると、固定子68a,6
8bは、各レチクルステージの駆動により生じる反力の
合力によって、レチクル駆動装置支持定盤36に対して
相対移動され、レチクルステージRST1、RST2の
走査方向の加減速時の反力は固定子68a,68bの移
動によって吸収されるので、上記反力によってレチクル
駆動装置支持定盤36が振動するのを効果的に防止する
ことができる点は前述した第1の実施形態と同様であ
る。
【0179】また、この場合もレチクル駆動装置支持定
盤36と固定子68a,68bとの間、支持ユニット5
1,721とレチクル駆動装置支持定盤36との間、支
持ユニット582,722とレチクル駆動装置支持定盤3
6との間、及びレチクルステージRST1、RST2と
エアガイド42A,42Bとの間の摩擦力が零である場
合には、運動量保存の法則が成立し、系全体の重心の移
動は生じない。
【0180】さらに、本実施形態では、レチクルステー
ジRST1上のレチクルR1を走査方向に移動する際
に、レチクルステージRST2をこれと逆向きに同一加
減速度で駆動することにより、レチクルステージRST
1の駆動により固定子68a、68bに生じる反力と、
レチクルステージRST2の駆動により固定子68a、
68bに生じる反力とが相殺され、結果的に固定子68
a、68bに作用する反力をほぼ零にすることが可能で
ある。
【0181】しかしながら、実際の露光装置では、レチ
クルステージRST1の駆動により固定子68a、68
bに生じる反力と、レチクルステージRST2の駆動に
より固定子68a、68bに生じる反力とを完全に相殺
することは困難であるため、僅かながら固定子68a、
68bに反力が作用するが、かかる僅かな反力も上述し
た固定子68a、68bの移動により吸収することがで
きる。
【0182】その他の部分の構成は、前述した第1の実
施形態と同様になっている。従って、本第3の実施形態
の露光装置によると、前述した第1の実施形態と同等の
効果を得られる他、例えば、レチクルR1とレチクルR
2とを用いて二重露光を行う場合には、レチクルステー
ジRST1とレチクルステージRST2とを走査方向に
移動させるのみで、露光に用いられるレチクルR1とレ
チクルR2との切り換えが可能となるので、レチクル交
換を行う場合に比べて二重露光の際のスループットを向
上させることができる。
【0183】あるいは、本第3の実施形態の露光装置で
は、三重露光を行う場合に、一方のレチクルステージ上
のレチクルに対する走査露光中に、他方のレチクルステ
ージ上でレチクルアライメント及びレチクル交換の少な
くとも一方を並行して行うようにしても良い。かかる場
合であっても、前述した第2の実施形態のダブルウエハ
ステージの場合と同様に、一方のレチクルステージの動
作が他方のレチクルステージの動作に殆ど悪影響を及ぼ
すことがない。
【0184】更に、本第3の実施形態のダブルレチクル
ステージと前述した第2の実施形態のダブルウエハステ
ージとを組み合わせても良く、かかる場合には、3枚の
レチクルを用いた三重露光を、スループットを飛躍的に
向上して行なうことができる。
【0185】かかるダブルレチクルステージとダブルウ
エハステージとを用いて、三重露光を行う場合のシーケ
ンス等については、例えば特開平10−209039号
公報等に詳細に開示されており、本実施形態において
も、上記公報に開示される技術をそのまま、あるいは一
部変更して用いることができる。
【0186】なお、上記各実施形態では、投影光学系P
Lを保持する鏡筒定盤20からウエハベース定盤28又
は28’が吊り下げ支持される場合について説明した
が、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではな
い。例えば特開平8−45796号に開示されるよう
に、投影光学系を保持する鏡筒定盤と、ウエハステー
ジ、レチクルステージ等の可動物を支持するベース部材
とを、別々の防振機構でそれぞれ支持することにより、
可動物の移動による影響を投影光学系や干渉計光学系保
持部材に伝えないようにする露光装置も知られている
が、本発明はかかる露光装置にも好適に適用することが
できる。但し、この場合には、レチクルパターン面と投
影光学系とウエハ表面とを所定の位置関係に設定するた
めに、それらの相対位置関係を計測する計測装置の計測
結果に基づいて、防振機構や、ウエハステージあるいは
レチクルステージに搭載されたZチルト機構等を制御す
る必要がある。しかしながら、各ステージの移動による
偏荷重が軽減され、ステージの駆動に起因する振動が投
影光学系を支持する鏡筒定盤や、ウエハベース定盤、レ
チクルベース定盤に伝わることがなくなる点は上記各実
施形態と同様であり、特に複数のウエハステージや複数
のレチクルステージを備える場合には、特に効果を発揮
する。
【0187】なお、上記実施形態では、光源として、A
rFエキシマレーザ光源、KrFエキシマレーザ光源、
あるいはF2レーザ光源を用いるものとしたが、本発明
がこれに限定されるものではなく、例えば波長146n
mのKr2レーザ光源、波長126nmのAr2レーザ光
源等の真空紫外光源を用いても良い。かかる場合には、
より短波長のパルス紫外光による解像力の一層の向上、
ひいては一層高精度な露光が可能となる。
【0188】この他、本発明は、波長5〜30nmのE
UV光を光源とするEUV露光装置や、電子線露光装置
その他の荷電粒子線露光装置にも適用できる。
【0189】また、例えば、上記実施形態と同様に紫外
光を用いる露光装置であっても、投影光学系として反射
光学素子のみからなる反射系、又は反射光学素子と屈折
光学素子とを有する反射屈折系(カタッディオプトリッ
ク系)を採用しても良い。ここで、反射屈折型の投影光
学系としては、例えば特開平8−171054号公報
(及びこれに対応する米国特許第5,668,672
号)、並びに特開平10−20195号公報(及びこれ
に対応する米国特許第5,835,275号)などに開
示される、反射光学素子としてビームスプリッタと凹面
鏡とを有する反射屈折系、又は特開平8−334695
号公報(及びこれに対応する米国特許第5,689,3
77号)、並びに特開平10−3039号公報(及びこ
れに対応する米国特許出願第873,605号(出願
日:1997年6月12日))などに開示される、反射
光学素子としてビームスプリッタを用いずに凹面鏡など
を有する反射屈折系を用いることができる。
【0190】この他、特開平10−104513号公報
(及び米国特許第5,488,229号)に開示され
る、複数の屈折光学素子と2枚のミラー(凹面鏡である
主鏡と、屈折素子又は平行平面板の入射面と反対側に反
射面が形成される裏面鏡である副鏡)とを同一軸上に配
置し、その複数の屈折光学素子によって形成されるレチ
クルパターンの中間像を、主鏡と副鏡とによってウエハ
上に再結像させる反射屈折系を用いても良い。この反射
屈折系では、複数の屈折光学素子に続けて主鏡と副鏡と
が配置され、照明光が主鏡の一部を通って副鏡、主鏡の
順に反射され、さらに副鏡の一部を通ってウエハ上に達
することになる。
【0191】さらに、反射屈折型の投影光学系として
は、例えば円形イメージフィールドを有し、かつ物体面
側、及び像面側が共にテレセントリックであるととも
に、その投影倍率が1/4倍又は1/5倍となる縮小系
を用いても良い。また、この反射屈折型の投影光学系を
備えた走査型露光装置の場合、照明光の照射領域が投影
光学系の視野内でその光軸をほぼ中心とし、かつレチク
ル又はウエハの走査方向とほぼ直交する方向に沿つて延
びる矩形スリット状に規定されるタイプであっても良
い。かかる反射屈折型の投影光学系を備えた走査型露光
装置によれば、例えば波長157nmのF2レーザ光を
露光用照明光として用いても100nmL/Sパターン
程度の微細パターンをウエハ上に高精度に転写すること
が可能である。
【0192】また、真空紫外光としてArFエキシマレ
ーザ光やF2レーザ光などが用いられるが、DFB半導
体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、
又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム
(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープさ
れたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用い
て紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0193】例えば、単一波長レーザの発振波長を1.
51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が18
9〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波
長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が
出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μ
mの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの
範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光とほ
ぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57
〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜
158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レ−ザ光
とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0194】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範
囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.
099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が
157〜158nmの範囲内の7倍高調波、即ちF2
ーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場
合、単一波長発振レーザとしては例えばイットリビウム
・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
【0195】また、半導体素子などのマイクロデバイス
だけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又は
マスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエ
ハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を
適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真
空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レ
チクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、
フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネ
シウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミ
ティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは
透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)
が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが
用いられる。
【0196】勿論、半導体素子の製造に用いられる露光
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気へッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)の製造に用
いられる露光装置などにも本発明を適用することができ
る。
【0197】なお、上記実施形態では、本発明が、スキ
ャニング・ステッパに適用された場合について説明した
が、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターン
を基板に転写するとともに、基板を順次ステップ移動さ
せるステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装
置を構成する基板ステージ部分に本発明を適用しても良
い。かかる場合には、基板ステージの駆動による反力が
ベース部材を含む第1ユニットに伝達されるのを効果的
に抑制でき、その反力を駆動装置を支持する支持部材を
含む第2ユニットを介して床面に逃がすことができるの
で、基板ステージ(基板)の位置制御性を向上させるこ
とができ、これにより高精度な露光が可能となる。本発
明は、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密
接させてマスクのパターンを基板に転写するプロキシミ
ティ露光装置にも好適に適用できるものである。
【0198】上述の如く、本発明は種々の露光装置に好
適に適用できるが、露光装置に限らず、本発明に係るス
テージ装置は、露光装置以外のステージを有する全ての
装置に適用が可能である。
【0199】また、本発明に係る露光装置において、ウ
エハステージやレチクルステージにリニアモータ(米国
特許第5,623,853号又は米国特許第5,52
8,118号の公報参照)を用いる場合は、エアべアリ
ングを用いたエア浮上型に限らず、ローレンツ力又はリ
アクタンス力を用いた磁気浮上型のものを用いても良
い。
【0200】また、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系を露光装置の本体コラムに搭載し、光
学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチク
ルステージやウエハステージを本体コラムに搭載して配
線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認
等)をすることにより上記実施形態の露光装置を製造す
ることができる。なお、露光装置の製造は温度およびク
リーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望
ましい。
【0201】また、半導体デバイスは、デバイスの機能
・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づい
たレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエ
ハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置に
よりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、
デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディ
ング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を
経て製造される。
【0202】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜16に
記載の各発明によれば、防振性、位置制御性に優れた新
たなステージ装置を提供することができる。
【0203】また、請求項17〜21に記載の各発明に
よれば、露光精度の向上を図ることができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の露光装置の構成を概略的に
示す図である。
【図2】 図1の装置のレチクルステージ及びその駆動
装置を概略的に示す平面図である。
【図3】 図2のA−A線断面図である。
【図4】ウエハステージをXY2次元方向に駆動する駆
動装置近傍の各構成部分を示す平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】図7(A)は、図5の円D内を拡大して示す
図、図7(B)は、図5の円E内を拡大して示す図、図
7(C)は、図6の円F内を拡大して示す図である。
【図8】図8(A)は、ウエハステージを示す平面図、
図8(B)は、板ばね118によってXY方向移動ユニ
ット94に取り付けられた状態のウエハステージWST
を−Y方向から見た側面図である。
【図9】図1の装置の制御系を示すブロック図である。
【図10】ウエハステージをXY2次元方向に駆動する
駆動装置の変形例を示す平面図である。
【図11】図11(A)はXY方向移動ユニットとXY
ステージとを連結する板ばねの変形例を説明するための
図、図11(B)は図11(A)における各板ばねにピ
エゾ素子が取り付けられた他の変形例を示す図である。
【図12】 第2の実施形態の露光装置のウエハステー
ジ駆動装置部分を示す概略平面図である。
【図13】第3の実施形態の露光装置のレチクルステー
ジ及びその駆動系を示す概略平面図である。
【図14】図14(A)、(B)は従来例を示す説明図
である。
【符号の説明】
10…露光装置、12…本体コラム(第1ユニット)、
14…第2ユニット、18A〜18C…防振ユニット
(防振機構)、28…ウエハベース定盤(ベース部
材)、32…レチクルベース定盤(ベース部材)、34
A〜34D…支柱(支持部材)、37…ヨーガイド(ガ
イド機構の一部、ガイド部材)、46…板ばね(第1の
弾性部材)、48…XY方向駆動用レチクル微動フレー
ム(移動部材の一部)、50A〜50C…ボイスコイル
モータ(移動部材の一部)、56…Y方向駆動用レチク
ルフレーム(移動部材の一部)、62…X方向支持用エ
アパッド(ガイド機構の一部、軸受け)、64A、64
B…リニアモータ、74…レチクルレーザ干渉計(干渉
計)、80…主制御装置(制御装置)、82…レチクル
駆動装置(駆動装置)、84…駆動装置、94…XY方
向移動ユニット(移動部材)、110…ガイド部材(ガ
イド機構の一部)、116…Yリニアモータ(リニアモ
ータ)、118…板ばね(第1の弾性部材)、118
b、118c…エアパッド(ガイド機構の一部、軸受
け)、119…板ばね(第1の弾性部材)、120…X
Yステージ(ステージ)、122A〜122D…反力キ
ャンセル用アクチュエータ(反力キャンセル機構)、1
23A〜123D…反力キャンセル用アクチュエータ
(反力キャンセル機構)、132…試料台支持棒(試料
台支持部材)、134…ボイスコイルモータ(駆動機
構)、138…試料台、142A〜142C…板ばね
(第2の弾性部材)、146…ウエハレーザ干渉計シス
テム(干渉計、位置計測システム)、150…ピエゾ素
子(アクチュエータ)、RST…レチクルステージ(ス
テージ、マスクステージ)、R…レチクル(マスク)、
W…ウエハ(基板)、WST1…ウエハステージ(第1
基板ステージ)、WST2…ウエハステージ(第2基板
ステージ)。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステージを駆動装置により所定の移動面
    に沿って駆動するステージ装置であって、 防振機構により支持され、前記ステージを移動可能に支
    持するベース部材を含む第1ユニットと;前記第1ユニ
    ットとは振動に関して独立し、前記駆動装置を支持する
    支持部材を含む第2ユニットと;前記駆動装置と前記ス
    テージとを連結するとともに、前記ステージの移動面内
    方向の剛性が前記移動面に直交する方向の剛性に比べて
    高い第1の弾性部材とを備えることを特徴とするステー
    ジ装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動装置は、前記ステージを前記移
    動面に沿って2次元方向に駆動することを特徴とする請
    求項1に記載のステージ装置。
  3. 【請求項3】 前記ステージの駆動により、前記第2ユ
    ニットに生ずる反力をキャンセルするためのカウンタフ
    ォースを、前記第2ユニットに与える反力キャンセル機
    構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のステ
    ージ装置。
  4. 【請求項4】 前記反力キャンセル機構は、前記カウン
    タフォースをフィードフォワード的に与えることを特徴
    とする請求項3に記載のステージ装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動装置は、前記第1の弾性部材に
    より前記ステージと連結された移動部材と、前記移動部
    材に設けられた可動子を有し、前記移動部材を少なくと
    も第1方向に駆動するリニアモータと、前記第1方向に
    直交する方向の前記移動部材の移動を規制し、前記第1
    方向に案内するガイド機構とを有することを特徴とする
    請求項1に記載のステージ装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド機構は、前記支持部材に接続
    されたガイド部材と、該ガイド部材に対して所定のクリ
    アランスを介して前記移動部材を支持する軸受けとを備
    えることを特徴とする請求項5に記載のステージ装置。
  7. 【請求項7】 前記軸受けは、気体静圧軸受け及び磁気
    軸受けのいずれかであることを特徴とする請求項6に記
    載のステージ装置。
  8. 【請求項8】 前記ステージとして、独立に移動可能な
    第1のステージ及び第2のステージが設けられ、 前記駆動装置は、前記第1、第2のステージのそれぞれ
    に前記第1の弾性部材により連結された第1、第2の移
    動部材と、前記第1、第2のステージにそれぞれ対応し
    て設けられた前記リニアモータ及び前記ガイド機構とを
    備えることを特徴とする請求項5に記載のステージ装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ベース部材は、三角形の各頂点位置
    で3点支持され、 前記駆動装置は、前記支持部材により前記三角形にほぼ
    重なる長方形の各頂点位置で4点支持されていることを
    特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  10. 【請求項10】 前記防振機構にて支持された前記第1
    ユニット側に固定され、前記ステージの位置を計測する
    干渉計を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の
    ステージ装置。
  11. 【請求項11】 前記ステージの上方に配置された試料
    台と;前記ステージ上に配置され、前記試料台を前記移
    動面に直交する方向及び前記移動面に対する傾斜方向に
    駆動する駆動系と;前記ステージ上に突設された少なく
    とも3本の試料台支持部材と;前記試料台支持部材の先
    端面と前記試料台の上面とがほぼ同一面となる状態で、
    前記各試料台支持部材と前記試料台とを連結するととも
    に、前記ステージの移動面内方向の剛性が前記移動面に
    直交する方向の剛性に比べて高い第2の弾性部材とを更
    に備えることを特徴とする請求項5に記載のステージ装
    置。
  12. 【請求項12】 前記駆動系は、前記試料台の異なる3
    点をそれぞれ支持するとともに、各支持点を前記移動面
    に直交する方向に独立して駆動する駆動機構を有するこ
    とを特徴とする請求項11に記載のステージ装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の弾性部材に接続され、当該
    第1の弾性部材に前記移動面内方向の力を付与するアク
    チュエータを更に備えることを特徴とする請求項11に
    記載のステージ装置。
  14. 【請求項14】 前記試料台の前記移動面内の位置を計
    測する位置計測システムと;前記試料台の前記移動面に
    対する傾斜方向の駆動に際し、前記試料台の傾斜駆動に
    起因して前記位置計測システムの計測値に生じるコサイ
    ンθ誤差が補正されるように前記アクチュエータを制御
    する制御装置とを更に備えることを特徴とする請求項1
    3に記載のステージ装置。
  15. 【請求項15】 前記試料台の駆動時に前記第1の弾性
    部材の変形により前記ステージ側に作用するストレスを
    キャンセルすべく、前記アクチュエータを制御する制御
    装置を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の
    ステージ装置。
  16. 【請求項16】 前記アクチュエータは、ピエゾ素子で
    あることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項
    に記載のステージ装置。
  17. 【請求項17】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に転写する露光装置であって、 前記マスクを保持するマスクステージとして、請求項
    1、5、6、7、8、10のいずれか一項に記載のステ
    ージ装置を構成するステージを備えることを特徴とする
    露光装置。
  18. 【請求項18】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に転写する露光装置であって、 前記基板を保持する基板ステージとして、請求項1〜1
    6のいずれか一項に記載のステージ装置を構成するステ
    ージを備えることを特徴とする露光装置。
  19. 【請求項19】 マスクを載置するマスクステージと、
    基板を載置する基板ステージとを備え、前記マスクのパ
    ターンを前記基板に転写する露光装置において、 前記マスクステージ及び前記基板ステージの少なくとも
    一方のステージを移動可能に支持するベース部材を含む
    第1ユニットと;前記ベース部材に支持される前記ステ
    ージを駆動する第1駆動部分と第2駆動部分とを有する
    駆動装置と;前記第1ユニットとは振動に関して独立
    し、前記駆動装置を支持する支持部材を含む第2ユニッ
    トと;前記ステージの位置を検出する位置検出装置と;
    前記位置検出装置の検出結果に基づいて、前記ステージ
    を駆動する際の前記第1駆動部分と前記第2駆動部分と
    の推力分配率を制御する制御装置とを備えることを特徴
    とする露光装置。
  20. 【請求項20】 前記第1駆動部分と前記第2駆動部分
    とは、前記ステージを挟み込むように配設されることを
    特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. 【請求項21】 前記基板ステージとして、第1の基板
    を載置する第1基板ステージと、該第1基板ステージと
    は独立して配設され、前記第1の基板とは異なる第2の
    基板を載置する第2基板ステージとが設けられているこ
    とを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
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