JP2001021026A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JP2001021026A
JP2001021026A JP19214199A JP19214199A JP2001021026A JP 2001021026 A JP2001021026 A JP 2001021026A JP 19214199 A JP19214199 A JP 19214199A JP 19214199 A JP19214199 A JP 19214199A JP 2001021026 A JP2001021026 A JP 2001021026A
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Japan
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power transmission
pulley
transmission ring
belt
speed
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JP19214199A
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Takao Tamagawa
隆雄 玉川
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可変径プーリを用いる無段変速装置において、
一対のプーリ主体に対する動力伝達リングのスリップに
起因して異常動作が発生する。 【解決手段】補機の回転軸に設けた可変径プーリ51
は、無端状のベルト2が巻き掛けられた動力伝達リング
206を、一対のプーリ主体202,203間に偏心可
能に挟持する。変速比が異常に小さい場合[図6
(a)]、水等の侵入によるスリップ発生と判断し、動
力伝達リング6を一旦、同心位置に戻し[図6
(b)]、一定時間(例えば30秒間)維持する。これ
により環状の空間Qへの水等の侵入を防止する。環状の
空間Q内の水は遠心力により、動力伝達リング206と
各プーリ主体202,203との間をすり抜け、外部へ
排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は駆動軸の回転を変速
して従動軸に伝える無段変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の各種の補機を駆動す
るためにベルト伝動装置が用いられている。エンジン等
の駆動源の駆動軸からプーリ及びベルトを介して一定の
変速比で補機の従動軸に駆動力が伝達されていると、駆
動源の回転数の増加と共に各種の補機の回転数も増加す
る。しかし、必要以上の回転数で補機を駆動すること
は、エネルギを無駄に消費し、補機の耐久性にも影響を
与える。
【0003】そこで、駆動軸又は従動軸に可変径プーリ
を配した無段変速装置が考えられる。可変径プーリとし
ては、外周面にベルトが巻き掛けられる伝動面を有する
動力伝達リングを、一対のプーリ主体間にその軸心に対
して偏心可能に挟持するものがある。動力伝達リングは
プーリ主体の軸心と同心にある状態で、ベルトに対する
有効径が最大径となり、最大量偏心した状態で、最小の
有効径となる。可変径プーリは動力伝達リングを同心位
置に付勢する例えば皿ばね等の弾性部材からなる付勢手
段を内蔵している。
【0004】動力伝達リングが同心位置にある場合、動
力伝達リングの両側面は全周で一対のプーリ主体に接触
するため、一対のプーリ主体間に区画される断面V型の
環状空間は動力伝達リングにより密封されることにな
る。一方、動力伝達リングが偏心した場合、動力伝達リ
ングの周方向の一部のみが両プーリ主体と接触するた
め、一対のプーリ主体間に区画される断面V型の環状空
間が外部に開放する。
【0005】また、可変径プーリを用いた無段変速装置
では、通例、ベルトの張力を調整する手段を介して、変
速比を調整している。例えば、上記の可変径プーリを従
動軸(補機の回転軸)に適用した場合について考える。
車両の駆動源の回転数が低い場合は、ベルト張力を相対
的に強くされ、これにより、付勢手段に抗して動力伝達
リングが最大偏心位置に変位され、駆動軸の回転数に対
して従動軸の回転数が相対的に増大する。すなわち、変
速比を高くするにより、駆動源が低回転でも補機の出力
を確保する。
【0006】一方、車両の駆動源の回転数が低い場合
は、ベルト張力を相対的に弱くし、これにより、付勢手
段によって動力伝達リングが同心位置に変位され、駆動
軸の回転数に対して従動軸の回転数が相対的に減少す
る。すなわち、変速比を低くして、補機の負荷を軽くす
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な無段変速装置は、エンジンルームに配置されることに
なるが、一対のプーリ主体と動力伝達リングとが接触す
る面に油や水が多量にかかって、動力伝達リングと一対
のプーリ主体との間でスリップ(滑り)を生ずる場合が
ある。
【0008】このように一旦スリップを生ずると、検出
された変速比が目標値よりも低くなるので、変速比を目
標値に維持しようとして、偏心量が増大され、補機が増
速される。そうすると、補機のトルクが増大してより激
しいスリップを生じるという悪循環となり、正常な動作
が期待できない。また、この間、動力源の回転数が高く
なった場合、補機が不必要な高回転で駆動されることに
なる。
【0009】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、動力伝達リングのスリップに起
因する異常動作の発生を防止することのできる無段変速
装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、
外周面にベルトへの伝動面を有する動力伝達リングを一
対のプーリ主体間にその軸心に対して偏心可能に挟持す
る可変径プーリが駆動軸又は従動軸に設けられ、可変径
プーリに巻き掛けられたベルトの有効径の変更により変
速比を変更する無段変速装置において、上記動力伝達リ
ングの偏心量を調整する偏心量調整手段と、駆動軸及び
従動軸に関連する回転速度をそれぞれ検出する速度検出
手段と、速度検出手段からの信号に基づいて上記偏心量
調整手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段
は、この速度検出手段からの信号に基づいて得られる変
速比が目標の変速比に近づくように制御する通常モード
と、速度検出手段からの信号に基づいて得られる変速比
が所定値以下のときに、動力伝達リングを一定時間の
間、同心位置に戻すように制御する異常回避モードとを
有することを特徴とするものである。
【0011】本態様では、検出された変速比が異常に小
さくなると、動力伝達リングに水等が継続的にかかって
スリップが生じている状態であると判断し、動力伝達リ
ングを一旦、同心位置に戻す。そうすることにより、一
対プーリ主体間の環状の空間に外部から水や油が侵入す
ることを防止する。一方、環状の空間内にある水等は、
回転による遠心力によって、動力伝達面と一対のプーリ
主体との間の接触面をすり抜け、外部へ放出される。こ
れにより、スリップを回避することができる。上記偏心
量調整手段として、ベルトの張力を調整する手段を用い
ることができる。
【0012】請求項2記載の発明の態様は、請求項1に
おいて、上記制御手段は、駆動軸に関連する回転速度が
上記一定時間の間、所定値以下に維持されるように信号
を出力することを特徴とするものである。上記のスリッ
プを生ずるおそれのある状況において、駆動源の回転数
が高くなった場合、補機が異常な高回転で駆動されるお
それがある。そこで、本態様では、異常回避モードにお
いて、駆動源の回転数を制限することにより、補機に不
必要な負荷がかかることを防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は本
発明の一実施の形態の無段変速装置の概略構成を示す模
式図である。本無段変速装置は、自動車その他の車両に
搭載される駆動源によって補機を駆動するためのベルト
式の無段変速装置の他、一般の工作機械等の無段変速装
置にも適用することができる。本無段変速装置では、可
変径プーリを駆動プーリおよび従動プーリの何れに適用
しても良く、1つの無段変速装置において、1ないし2
つ以上の従動プーリを可変径プーリとすることも可能で
ある。ただし、本実施の形態では、自動車に搭載され
て、車両の駆動源の出力軸に連なる回転軸を駆動軸と
し、補機の回転軸を従動軸として該従動軸に可変径プー
リを設けた例に則して説明する。
【0014】後に詳述するが、本可変径プーリ51は、
一対のプーリ主体202,203間に偏心可能に挟持さ
れ且つ外周面にベルト2が巻き掛けられる動力伝達リン
グ206を備えている。可変径プーリ51は、動力伝達
リング206を、プーリ主体202,203の軸心Kと
同心となる位置(図1の状態に相当)と、軸心Kに対し
て所定量偏心する位置とに変位させることにより、ベル
ト2に対する有効径を変化させる。
【0015】本無段変速装置50では、無端状のベルト
2を、車両の駆動源の出力軸に連なる駆動軸30に設け
られた駆動プーリ31、従動軸としての補機の回転軸2
01に設けられた可変径プーリ51、位置が固定された
アイドラプーリ52、および動力伝達リング206の偏
心量を調整する偏心量調整手段としてのベルト張力調整
機構1に含まれるベルトテンショナ3のテンショナプー
リ4に対して順次に巻き回している。ベルト2は、図示
していないが、1ないし複数の補機の回転軸に設けられ
た従動プーリにも巻き回されている。補機としては、ス
ーパーチャージャー、エアーポンプ、オルタネータ、エ
アコンディショナ用コンプレッサ、パワーステアリング
用油圧ポンプ及びウォータポンプ等を例示することがで
きる。
【0016】動力伝達リング206の偏心量の調整を通
じて変速比を調整するためのベルト張力調整機構1は、
ベルトテンショナ3と、このベルトテンショナ3のテン
ショナプーリ4を伝動部材としてワイヤ5を介して駆動
する駆動部材としての油圧シリンダ6とを備えている。
テンショナプーリ4は、固定部材7に対して変位自在な
可動部材8によって回転自在に支持されている。9はベ
ルトに張力を付与する方向にテンショナプーリ4を付勢
する、例えば圧縮コイルばねからなる弾性部材である。
【0017】油圧シリンダ6は車両の固定部、例えばエ
ンジンルーム内でスペースに余裕のある位置に固定され
ている。油圧シリンダ6のロッド6a の先端部にはワイ
ヤ5の端部が固定されている。油圧シリンダ6へは、車
両に搭載される油圧源としての油圧ポンプ32から圧油
が供給される。また、油圧ポンプ32から油圧シリンダ
6への作動油の給排を司る電磁弁33は、マイクロコン
ピュータ等からなる制御部34によって駆動回路35を
介して制御される。
【0018】制御部34には、駆動軸30の回転速度に
係わる信号S1を出力する速度センサ(本実施の形態で
は、駆動プーリ30の回転速度を検出する速度センサ3
6に相当するが、例えばアイドラプーリ52の回転速度
を検出する速度センサを設けて信号S1を出力させても
良い。)と、補機の回転軸の回転速度に係わる信号S2
を出力する速度センサ(本実施の形態では、可変径プー
リ51の回転速度を検出する速度センサ37に相当)と
が接続されている。信号S1,S2を入力した制御部3
4では、駆動源と補機の回転速度に基づいて電磁弁33
を介して、変速比を調整する。
【0019】後に詳述するが、制御部34は、通常モー
ドと、動力伝達リング206とプーリ主体202,20
3との間に異常なスリップが生じた場合にこれを回避す
る異常回避モードとを有している。通常モードでは、動
力伝達リング206を偏心位置(図1の状態)と同心位
置(図2の状態)との間に変位させて変速比が目標の変
速比に近づくように制御される。異常回避モードでは、
変速比が所定値以下のときに異常なスリップが生じてい
ると判断し、動力伝達リング206を一定時間の間、同
心位置(図2の状態)に戻すように制御される。
【0020】具体的には、図3のフローチャートを参照
して、制御部34が信号S1,S2の入力に基づいて、
駆動源及び補機の回転速度V1,V2を検出し(ステッ
プS1)、検出された変速比V2/V1が所定の変速比
C以上である場合には、通常モードによるフィードバッ
ク制御が実施され(ステップS3,S4)、検出された
変速比V2/V1が所定の変速比Cに満たない場合に
は、異常回避モードが実施され、一定時間(例えば30
秒間)の間、動力伝達リング206が同心位置に保持さ
れる(ステップS5,S6)。
【0021】通常モードでの制御は下記である。駆動源
の回転速度V1が所定値よりも遅い場合は、図1に示す
ように油圧シリンダ6のロッド6aを短縮させ、ベルト
2をたぐり寄せることにより、従動プーリとしての可変
径プーリ51の有効径を小さくして、補機の回転速度を
相対的に速くし、図4及び図5に示すように、予め定め
る相対的に高い変速比Aに維持する。一方、駆動源の回
転速度が所定値よりも速い場合は、図2に示すように油
圧シリンダ6のロッド6aを伸長して、可変径プーリ5
1の有効径を相対的に大きくし、図4及び図5に示すよ
うに、予め定める相対的に低い変速比Bに維持する。
【0022】異常回避モードでは、図5に示すように、
検出された変速比が異常に小さくなると(V2/V1<
C)、図6(a)に示すように動力伝達リング206に
水等が継続的にかかってスリップが生じている状態であ
ると判断し、図6(b)に示すように動力伝達リング2
06を一旦、予め定める一定時間の間、同心位置に戻
す。そうすることにより、一対プーリ主体202,20
3間の環状の空間Qに外部から水や油が侵入することを
防止する。一方、環状の空間Q内にある水等は、回転に
よる遠心力によって、動力伝達面204,205と一対
のプーリ主体202,203との間の接触面をすり抜
け、外部へ放出される。これにより、スリップを回避す
ることができる。スリップが回避されると、変速比が通
常の値に戻るので、通常モードに戻ることになる。
【0023】次いで、図7および図8を参照して、ベル
トテンショナ3は、固定部材7と、この固定部材7に直
線往復動自在に支持された可動部材8とを備えている。
この可動部材8は、ベルト2が巻き回されるテンショナ
プーリ3を回動自在に支持しており、固定部材7と可動
部材8によって、テンショナプーリ3をベルト2に張力
を与える第1の方向Xとその逆の第2の方向Yに変位可
能に支持するための支持部を構成している。また、ベル
トテンショナ3は、可動部材8を介してテンショナプー
リ3を第1の方向Xに付勢する圧縮コイルばね等からな
る一対の弾性部材9を備えている。
【0024】上記可動部材8は、一端にテンショナプー
リ3を玉軸受等の転がり軸受10を介して回転自在に支
持する支軸11と、この支軸11の他端を貫通させて固
定した支持体12と、一端が支持体12に貫通されて固
定された一対の支持棒13,13とを備えている。これ
ら支持捧13,13は、第1の方向Xへ延びており、固
定部材7の後述する支持筒部14に内嵌された滑り軸受
としてのブッシュ26に挿通されて第1および第2の方
向X,Yへの直線往復動を案内されるようになってい
る。各支持捧13の他端にはフランジ状のストッパ15
が設けられ、両ストッパ15に一体的に係合される座板
部材16と、固定部材7の後述するブラケット部17と
の間に上記弾性部材9がそれぞれ介在している。これに
より、一対の弾性部材9は、一対の支持棒13,13を
介して可動部材8およびテンショナプーリ3を一体的に
第1の方向Xへ弾性付勢している。
【0025】上記の支軸11の他端面は、上記のワイヤ
5の一端に固定された大径のエンド部材5aを収容して
保持する保持孔18を形成しており、また、支軸11お
よび支持体12は、上記の保持孔18に横から連通して
ワイヤ5を貫通させる貫通孔19を有している。上記の
座板部材16は各支持棒13,13を貫通させる一対の
貫通孔20,20と、これら一対の貫通孔20,20間
の中央部に、ワイヤ5を進退自在に収容するケーブル2
1を遊嵌状態で貫通させる貫通孔22とを有している。
【0026】上記の固定部材7は、ねじ23により固定
対象物24に固定されるべース部25と、このべース部
25のテンショナプーリ4側の端縁から垂直に立ち上が
るブラケット部17とを備えている。このブラケット部
17は、可動部材8の一対の支持棒13,13をそれぞ
れ貫通させる一対のブッシュ26,26を嵌め入れた一
対の支持筒部14,14を第1の第1の方向Xへ延びる
ように形成している。
【0027】ワイヤ5はケーブル21内に収容されてお
り、ケーブル21のー端27はブラケット17のケーブ
ル端固定孔28に嵌め入れられ、固定されている。油圧
シリンダ6によってワイヤ5の他端側が引かれると、ケ
ーブル21の上記一端27からのワイヤ5の露出長が減
少し、可動部材8と共にテンショナプーリ4が第1の方
向Xへ引っ張られ、ベルト2がたぐり寄せられることに
なる。ベルト張力調整機構1を含む無段変速装置50に
おいて、駆動部材としての油圧シリンダ6をベルトテン
ショナ3から離れた位置であってスペースに余裕のある
位置に配置し、該油圧シリンダ6が伝動部材としてのワ
イヤ5を介してテンショナプーリ4を遠隔操作するよう
にしたので、ベルトテンショナ3周辺の構造を簡素化で
き、その結果、狭いスペースであっても、ベルトテンシ
ョナ3を自由にレイアウトすることが可能となる。
【0028】次いで、図9〜図11を参照して可変径プ
ーリ51について説明する。図9は可変径プーリ51の
断面図である。図9を参照して、可変径プーリ51は、
車両の駆動源の出力軸に連なる回転軸201の周囲に軸
方向に移動自在な第1および第2の環状のプーリ主体2
02,203を備えており、これらプーリ主体202,
203の互いの対向面にそれぞれ動力伝達面204,2
05を形成している。これら一対の動力伝達面204,
205は互いに逆向きに傾斜したテーパ状にされてお
り、両動力伝達面204,205によって、断面略台形
形状の動力伝達リング206が、両プーリ主体202,
203の軸心Kに対して偏心可能(図11参照)に挟持
されている。
【0029】この動力伝達リング206の外周面にはベ
ルト2への伝動面208が形成され、この伝動面208
にベルト2が巻き掛けられている。伝動面208には、
ベルト2の周回方向に沿って延びる複数の互いに平行な
リブ236とそれぞれ噛み合う複数の周溝237が形成
されている。リブ236は例えば断面略V字形形状をし
ている。動力伝達リング206の両側面はそれぞれ対応
する動力伝達面204,205と接触してトルクを伝達
するテーパ状の動力伝達面209,210を構成してい
る。
【0030】また、可変径プーリ51は、第1および第
2のプーリ主体202,203を互いに近づく方向に付
勢する付勢手段としてのダイヤフラムスプリング211
を備えており、このダイヤフラムスプリング211は、
回転軸201と連動回転する円板フランジ状の連結部2
12に複数の軸状部213を介して一体回転可能に連結
されている。
【0031】上記のダイヤフラムスプリング211の内
径部214および外径部215は、第1および第2のプ
ーリ主体202,203にそれぞれ一体回転可能に係合
されている。これにより、両プーリ主体202,203
とダイヤフラムスプリング211が回転軸201と一体
に回転するようになっている。従動プーリである本可変
径プーリ51では、ベルト2から、動力伝達リング20
6、両プーリ主体202,203およびダイヤフラムス
プリング211を介して回転軸201へトルクが伝達さ
れる。
【0032】図9および図10を参照して、ダイヤフラ
ムスプリング211の内径部214および外径部215
には、それぞれ円周等配に配置された放射状の連結溝2
16,217が形成されている。また、ダイヤフラムス
プリング211の径方向の中間部において、上述した軸
状部213を貫通させる支持孔231が円周等配に形成
されている。
【0033】第1のプーリ主体202は、円錐状の円板
部218とこの円板部218の内周に形成された円筒状
のボス部219とを備えている。円板部218は上記の
動力伝達面204を形成している。また、ボス部219
は回転軸201の周面に滑り軸受としてのブッシュ22
0を介して軸方向にスライド自在に支持されている。2
34は第1のプーリ主体202が回転軸201から抜脱
することを防止するストッパであり、回転軸201の端
部の周溝に嵌め入れられたスナップリングからなる。
【0034】第2のプーリ主体203は、円錐状の円板
部221とこの円板部221の内周に形成された円筒状
のボス部222とを備えている。円板部221は上記の
動力伝達面205を形成している。第2のプーリ主体2
03のボス部222は、第1のプーリ主体202のボス
部219を取り囲み、この第1のプーリ主体202のボ
ス部219によって滑り軸受としてのブッシュ223を
介して軸方向にスライド自在に支持されている。
【0035】第2のプーリ主体203の動力伝達面20
5の背面224の外周縁部には、ダイヤフラムスプリン
グ211の外径部215の複数の連結溝217にそれぞ
れ嵌め入れられる複数の板状の連結突起233が円周等
配で放射状に形成されている。第2のプーリ主体203
の背面224がダイヤフラムスプリング211の外径部
215によって押圧されて、第2のプーリ主体203が
第1のプーリ主体202へ近づく方向に付勢されてい
る。
【0036】第1のプーリ主体202のボス部219
は、第2のプーリ主体203のボス部222を貫通して
第2のプーリ主体203の動力伝達面205の背面22
4側へ延びており、ボス部219が第2のプーリ主体2
03の背面側へ延びる部分を構成している。この背面側
へ延びる部分としてのボス部219の端部には、当該端
部とダイヤフラムスプリング211の内径部214とを
一体回転可能に連結するための環状の連結部材225が
設けられている。
【0037】この連結部材225の内周部はボス部21
9の端部にねじ結合されて一体回転可能に固定されてい
る。この連結部材225を介して伝達されるトルクがね
じ締め方向に働くようにされており、固定が緩むことか
ないようになっている。この連結部材225はダイヤフ
ラムスプリング211の内径部214を軸万向に押すた
めの円板状の押圧板部226と、この押圧板部226に
円周等配で放射状に形成された複数の連結突起227と
を形成している。上記の押圧板部226がダイヤフラム
スプリング211の内径部214によって押圧され、連
結部材225を介して第1のプーリ主体202が第2の
プーリ主体203へ近づく方向に付勢されている。ま
た、複数の連結突起227は、ダイヤフラムスプリング
211の内径部214の複数の連結溝216にそれぞれ
嵌め入れられている。
【0038】上記の連結部212は、回転軸201に一
体に形成された円板状のフランジ部228と、このフラ
ンジ部228の周囲を取り囲んで配置された環状部材2
29とを含んでいる。フランジ部228の外周面と環状
部材229の内周面との間には、両者に例えば焼き付け
等により接合されたゴム等の環状の弾性部材230が介
在している。この弾性部材230は環状部材229とフ
ランジ部228とを弾性的に連結してトルク伝達を可能
にすると共に、環状部材229を回転方向に弾性支持す
ることになる。
【0039】また、上記の環状部材229には、当該環
状部材229を軸方向に貫通して複数の貫通孔が円周等
配に形成され、各貫通孔には上記軸伏部213が挿通さ
れて固定されている。これら軸状部213がダイヤフラ
ムスプリング211の支持孔231に嵌め入れられ、ダ
イヤフラムスプリング211と連結部212とを一体回
転可能に連結する。
【0040】また、ダイヤフラムスプリング211は内
径部214と外径部215とに互いに逆向きの集中荷重
を受けた軸対称曲げの状態となるが、このとき各軸状部
213によって、支持孔231の位置におけるダイヤフ
ラムスプリング211の軸方向の変位が規制されること
から、各軸状部213による支持半径dを所定に設定す
ることにより、内径部214と外径部215とを相等し
いストローク量で互いに逆向きに変位させることが可能
となる。
【0041】そして、ベルト張力調整機構1が油圧シリ
ンダ6によってベルト2をたぐり寄せることにより、可
変径プーリ51のダイヤフラムスプリング211の付勢
力に抗して動力伝達リング206を、両プーリ主体20
2,203を互いに離反させつつ図11および図1に示
すように偏心させて、巻きかけられたベルト2に対する
有効径Dを変化させることかできる。一方、ベルト張力
調整機構1が油圧シリンダ6によるベルト2のたぐり寄
せを解除すると、ダイヤフラムスプリング211の付勢
力によって図9および図2に示すように動力伝達リング
206は同心位置に戻されることになる。
【0042】本実施の形態では、検出された変速比が異
常に小さくなると、動力伝達リング206に水等が継続
的にかかってスリップが生じている状態であると判断
し、動力伝達リング206を一旦、同心位置に戻す。そ
うすることにより、一対プーリ主体203,204間の
環状の空間Qに外部から水や油が侵入することを防止す
る。一方、環状の空間Q内にある水等は、回転による遠
心力によって、動力伝達面204,205と一対のプー
リ主体202,203との間の接触面をすり抜け、外部
へ放出される。これにより、スリップを回避することが
できる。
【0043】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲で種々の変更を施すこと
ができる。例えば、上記の異常回避モードにおいて、上
記制御部34が、駆動軸の回転速度が上記一定時間の
間、所定値以下に維持されるように、駆動源の制御部に
対して信号を出力するようにしても良い。この場合、駆
動源の回転数を制限することにより、補機に不必要な負
荷がかかることを防止することができる。
【0044】また、上記の実施の形態では伝動部材とし
てのワイヤを介してベルト張力調整機構1を駆動した
が、リンク機構を介して駆動しても良い。また、駆動部
材としてのアクチュエータにより伝動部材を介さずに直
接、ベルト張力調整機構1を駆動しても良い。また、駆
動部材として油圧アクチュエータを用いたが、例えばコ
ントローラからの信号により回転角変位を制御すること
のできるステッピングモータ等の電動モータを用いるこ
とが可能である。
【0045】また、上記実施の形態では、従動プーリを
可変径プーリとしたが、駆動プーリを可変径プーリとす
ることもできる。その他、本発明の範囲で種々の変更を
施すことができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、検出された変
速比が異常に小さい場合、動力伝達リングに水等が継続
的にかかってスリップが生じている状態であると判断
し、動力伝達リングを一旦、同心位置に戻す。これによ
り、一対プーリ主体間の環状の空間に外部から水や油が
侵入することを防止する一方、環状の空間内にある水等
を、回転による遠心力により外部へ放出させ、スリップ
を回避する。
【0047】請求項2記載の発明では、異常回避モード
において、駆動源の回転数を制限することにより、補機
に不必要な負荷がかかることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の無段変速装置の概略図
であり、可変径プーリの動力伝達リングが偏心した状態
を示している。
【図2】無段変速装置の概略図であり、可変径プーリの
動力伝達リングが同心位置にある状態を示している。
【図3】制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】通常モードにおいて、駆動源と補機の回転速度
の関係を示す図である。
【図5】変速比の経時変化を示す図である。
【図6】異常回避モードでの動力伝達リングの動作を示
す模式的断面図であり、(a)は動力伝達リングが偏心
した状態を示し、(b)は動力伝達リングが同心位置に
ある状態を示している。
【図7】ベルト張力調整機構のベルトテンショナの部分
断面正面図である。
【図8】ベルト張力調整機構のベルトテンショナの縦断
面図である。
【図9】無段変速装置に含まれる可変径プーリの縦断面
図であり、動力伝達リングが同心位置にある状態を示し
ている。
【図10】可変径プーリに含まれるダイヤフラムスプリ
ングの正面図である。
【図11】動力伝達リングが偏心した状態を示す可変径
プーリの縦断面図である。
【符号の説明】 1 ベルト張力調整機構(偏心量調整手段) 30 駆動軸 31 駆動プーリ 34 制御部 51 可変径プーリ 201 回転軸(従動軸) 202,203 プーリ主体 206 動力伝達リング 36,37 速度センサ S1,S2 信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面にベルトへの伝動面を有する動力伝
    達リングを一対のプーリ主体間にその軸心に対して偏心
    可能に挟持する可変径プーリが駆動軸又は従動軸に設け
    られ、可変径プーリに巻き掛けられたベルトの有効径の
    変更により変速比を変更する無段変速装置において、 上記動力伝達リングの偏心量を調整する偏心量調整手段
    と、 駆動軸及び従動軸に関連する回転速度をそれぞれ検出す
    る速度検出手段と、 速度検出手段からの信号に基づいて上記偏心量調整手段
    を制御する制御手段とを備え、 この制御手段は、この速度検出手段からの信号に基づい
    て得られる変速比が目標の変速比に近づくように制御す
    る通常モードと、速度検出手段からの信号に基づいて得
    られる変速比が所定値以下のときに、動力伝達リングを
    一定時間の間、同心位置に戻すように制御する異常回避
    モードとを有することを特徴とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、駆動軸に関連する回転速
    度が上記一定時間の間、所定値以下に維持されるように
    信号を出力することを特徴とする請求項1記載の無段変
    速装置。
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