JPH0989059A - 可変速プーリ - Google Patents

可変速プーリ

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JPH0989059A
JPH0989059A JP5192996A JP5192996A JPH0989059A JP H0989059 A JPH0989059 A JP H0989059A JP 5192996 A JP5192996 A JP 5192996A JP 5192996 A JP5192996 A JP 5192996A JP H0989059 A JPH0989059 A JP H0989059A
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belt
torque
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隆雄 玉川
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豊久 浅地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で変速がスムーズでありトルク変動
に対して鈍感な可変速プーリを提供すること。 【解決手段】ベルト2が巻き掛けられる断面台形形状の
偏心リング20を第1及び第2のV溝形成体18,19
間に挟持する。各V溝形成体18,19は、回転軸15
に形成された、互いに逆ねじで同一ピッチの第1及び第
2の雄ねじ部16,17に、それぞれねじ結合してい
る。このねじ結合部分がトルクカム機構を構成する。負
荷トルクが変動して、偏心リングが可変速プーリの径方
向内方へ入り込もうとしても、これに抗する力をトルク
カム機構によって発生させて阻止する。伝達トルクの摩
擦ロスが少ない。構造を簡素で小型にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻き掛けられたベ
ルトに対する接触径を変化させることができる可変速プ
ーリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ベルト伝動装置は、例えば、
自動車のカーコンプレッサやオイルポンプ等の補機を駆
動するために用いられている。このベルト伝動装置で
は、エンジンのクランク軸からプーリ及びベルトを介し
て一定の変速比で駆動力が伝達されており、クランク軸
の回転数の増加と共に各種補機の回転数が増加する。そ
の回転数の増加と共に各種補機の効率も増加するが、あ
る回転数以上では逆に効率が低下する。
【0003】したがって、補機を必要以上に回転させる
ことは、エネルギを無駄に消費し、補機の耐久性にも影
響を与える。そこで、補機の回転数を調整し得るように
したベルト伝動装置が提案されている。例えば、公表特
許公報平2−500261号に示すベルト伝動装置があ
る。この公報のベルト伝動装置では、巻き掛けられたベ
ルトの接触径を変化させる可変速プーリが用いられてい
る。
【0004】この可変速プーリは、回転軸の回りに円形
パターンに配列され且つ付勢手段によって径方向外方へ
弾性的に付勢された多数のベルト係合棒を備えており、
これら円形パターンの直径が可変速プーリの有効直径に
なっている。そして、上記多数のベルト係合棒を、付勢
手段の付勢力に抗して径方向内方へ一括して移動させる
ことにより、可変速プーリの有効直径(すなわちベルト
の接触径)が変化されるようになっている。
【0005】具体的には、互いに対向した一対の回転板
に、互いに逆向きの渦巻き状に延びる多数の放射状溝を
それぞれ形成し、両回転板の対応する放射溝によって、
上記ベルト係合棒の両端部をそれぞれ支持するようにし
ている。これにより、各ベルト係合棒は、両回転板の相
対回転に伴って、円形パターンの配列のまま、有効直径
を変化させることができる。一方、上記付勢手段として
は、両回転板同士の間に介在し、且つ有効直径を増加さ
せる方向へ両回転板同士を回転付勢するねじりコイルば
ねが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記公報
の可変速プーリでは、上記多数のベルト係合棒を採用し
ていて部品点数が多いうえに、これらベルト係合棒を円
形パターンに配列した状態で円形パターンの直径を変化
させねばならず、構造が複雑になるという欠点があっ
た。
【0007】また、円形パターンの直径を変化させるべ
く上記多数のベルト係合棒が移動するときに、各ベルト
係合棒の両端部と対応する放射溝との間にそれぞれ摩擦
抵抗を生じるが、1本のベルト係合棒に関して摩擦箇所
が2箇所あって且つベルト係合棒が多数あるので、摩擦
箇所が非常に多い。その結果、摩擦抵抗が大きくなり、
変速がスムーズに行なえないという欠点もあった。
【0008】さらに、上記の円形パターンの直径は、ベ
ルトがベルト係合棒を径方向内方へ押す力と、付勢手段
としてのねじりコイルばねの付勢力とがバランスする、
ベルト係合棒の径方向位置に依存しており、付勢力が弱
い場合には、トルク変動等に敏感に反応して、可変速プ
ーリの有効直径が変動するおそれがあった。これを防止
するため、上記付勢力を強くすることも考えられるが、
これでは、摩擦トルクが増大し変速のスムーズさを損な
うと共に伝達トルクのロスが大きくなってしまう。
【0009】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、構造が簡単で変速がスムーズでありトルク変動に
対して鈍感な可変速プーリを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、 (1) 請求項1記載の発明の可変速プーリは、巻き掛けら
れたVベルトに対する接触径を変化させることができる
可変速プーリにおいて、所定の回転方向に回転される回
転軸と、この回転軸の周囲を取り囲んで一対が設けら
れ、互いに対向するテーパ状のトルク伝達面を有し且つ
これらトルク伝達面同士の間にVベルトを保持するため
のV溝を区画した環状のV溝形成体と、両V溝形成体同
士を回転軸の軸方向に進退自在な状態で一体回転可能に
連結する連結手段と、両V溝形成体を互いに近接させて
上記接触径が最大径となる方向へ弾性的に付勢する付勢
手段と、回転軸と各V溝形成体とをそれぞれトルク伝達
可能に連結すると共に、伝達トルクの負荷による回転軸
と各V溝形成体との位相ずれを、各V溝形成体の軸方向
移動に変換することにより、各V溝形成体を相等しいス
トローク量で互いに近接させることのできる一対のトル
クカム機構とが備えられたことを特徴とするものであ
る。
【0011】上記構成によれば、トルク変動等によって
Vベルトの張り側部分の張力が増大すると、この張り側
部分をV溝形成体の径方向内方へ移動させようとして、
両V溝形成体を互いに遠ざけようとする力が働く。一
方、伝達トルクが、トルクカム機構によって、両V溝形
成体を近接させようとする力に変換され、付勢手段によ
る付勢力に付加されて、上記遠ざけようとする力と均衡
する。したがって、トルク変動があっても、可変速プー
リの接触径が変化することがない。特に、上記V溝形成
体を近接させる力を付勢手段のみで得ていた従来の場合
には摩擦損失が大きくなるという欠点があったが、本発
明では、負荷トルクに応じて両V溝形成体を互いに近接
させる適切な力を得ることができ、付勢手段による付勢
力を小さくできるので、摩擦損失を少なくすることがで
きる。
【0012】また、従来は、複数のベルト係合棒を用い
てベルトを支持していたため、構造が複雑であり且つベ
ルトを支持する部分に関して摩擦箇所が多くなるという
問題があったが、本発明では、Vベルトを支持する手段
として、一対の環状のV溝形成体を用いたので、部品点
数が少なくて構造が簡単であり、摩擦箇所も多くない。
【0013】さらに、トルクカム機構が、両V溝形成体
を相等しいストローク量で互いに近接させるので、可変
速プーリの接触径が変化しても、Vベルトの幅方向の中
心位置は変化しない。テーパ状のトルク伝達面とは、直
線的な傾斜面だけでなく、湾曲を呈する傾斜面をも含む
概念である。 (2) また、請求項2記載の発明の可変速プーリは、請求
項1記載の可変速プーリにおいて、上記トルクカム機構
は、各V溝形成体の内周面と回転軸の外周面とをそれぞ
れねじ結合させる、互いに逆ねじで且つ同一ピッチの一
対のねじ結合機構からなることを特徴とするものであ
る。
【0014】上記構成によれば、トルクカム機構とし
て、互いに逆ねじの一対のねじ結合機構を用いたので、
構造が簡単である。また、このような簡単な構造にて、
接触径を変化させても、Vベルトの幅方向の中心位置を
変化させないようにすることができる。さらに、ねじ山
のリード角等の設定により、力の変換効率を容易に設定
することができる。 (3) また、請求項3記載の発明の可変速プーリは、請求
項1又は2記載の可変速プーリにおいて、上記連結手段
は、各V溝形成体にそれぞれ形成され、互いに嵌め合わ
される嵌合突起と嵌合孔とからなることを特徴とするも
のである。
【0015】上記構成によれば、両V溝形成体が連結手
段を兼用することになるので、これを別途に構成する場
合と比較して、部品点数を削減でき、構造を簡単にする
ことができる。 (4) また、請求項4記載の発明の可変速プーリは、請求
項3記載の可変速プーリにおいて、上記嵌合突起と嵌合
孔との嵌め合いは、両V溝形成体が互いに他を支持でき
るようにルーズフィットとされていることを特徴とする
ものである。
【0016】上記構成によれば、両V溝形成体が互いに
他を介して回転軸に支持されるので、各V溝形成体を支
持するための軸受等を別途に設ける場合と比較して、部
品点数を削減でき、構造を簡単にすることができる。 (5) また、請求項5記載の発明の可変速プーリは、請求
項1ないし4の何れかに記載の可変速プーリおいて、上
記Vベルトに代えて平ベルトが用いられ、上記V溝に遊
嵌され且つ外周面に上記平ベルトへの伝動面を形成した
断面台形形状の偏心リングがさらに備えられたことを特
徴とするものである。
【0017】上記構成によれば、平ベルトを用いること
が可能となる。また、偏心リングは、ベルトとは別の材
料を選択することができる。例えば、ベルトとしてゴム
を用いた場合に、偏心リングとして樹脂を用いることが
でき、この場合、樹脂からなる偏心リングによって、V
溝形成体に対して焼き付き難くし、且つV溝形成体に対
する摩擦係数を高くすることができる。 (6) また、請求項6記載の発明の可変速プーリは、請求
項1ないし5の何れか一つに記載の可変速プーリにおい
て、両V溝形成体のトルク伝達面同士間の距離が増大す
ると接触径が累進的に減少するように、各V溝形成体の
トルク伝達面は凹面状に設定されると共に各V溝形成体
のトルク伝達面と摩擦係合される面は凸面状に設定され
ることを特徴とするものである。
【0018】上記構成では、V溝形成体が遠近する距離
を変えることなく、接触径の変化を大きくして変速比を
大きく確保することができる。なお、V溝形成体のトル
ク伝達面と摩擦係合される面は、Vベルトを用いる場合
はVベルトに形成され、また、偏心リングを用いる場合
は、偏心リングに形成されることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に提示する本発明の実施の形
態の説明においては、ベルトで駆動されるエンジン補機
システムの中の、駆動プーリだけを可変速プーリとして
ある構成に即して説明していく。ただし、1のシステム
において、1ないし2つ以上の従動プーリを可変速プー
リとすることも可能であり、また、そうした場合には、
駆動プーリを可変速プーリとしてもしなくても良いこと
になる。
【0020】まず、図1から図5までを参照しつつ本発
明の第1の実施の形態について説明する。図2は、ベル
ト2で駆動される一連の補機類(それら補機類とは、そ
れらにそれぞれ備えられているプーリによって代表して
表されている)を備えたエンジンの全体概略図である。
それら補機類は、ここではあくまで具体例として提示し
たものであるが、例えば、エアーポンプ3、オルタネー
タ4、エアコンディショナ用コンプレッサ5、パワース
テアリング用ポンプ6及びウォータポンプ7等を含むも
のであり、それら全てが、エンジンのクランクシャフト
に連結してある可変速プーリ8によって駆動されてい
る。ベルト2、可変速プーリ8、各補機3〜7のプー
リ、オートテンショナ10、並びに、後述する油圧アク
チュエータ11、コントローラ12及び速度センサ1
3,14によって、補機を駆動するためのベルト伝動装
置1が構成されている。
【0021】また、オルタネータ4のプーリ及びエアー
コンディショナ用コンプレッサ5のプーリの両者の間に
は、アイドラプーリ9が介在しており、このアイドラプ
ーリ9を用いて、上記両者のプーリ2へのベルト2の巻
き掛け角度(接触角度)を適当な大きさに調整すること
が行なわれることもある。また、エアポンプ3のプーリ
とオルタネータ4のプーリとの間には、ベルト2への張
力を調整することのできるオートテンショナ10が介在
している。このオートテンショナ10は、ベルト2への
張力を増す方向と減らす方向へ変位可能に設けられてお
り、油圧アクチュエータ11によって、図2において、
実線で示す第1の位置と破線で示す第2の位置との間に
変位される。上記の第1の位置に対応して可変速プーリ
8はベルト2に対して最大接触径となると共に、第2の
位置に対応して可変速プーリ8は最小接触径となり(具
体的には、偏心リング20が破線で示すように可変速プ
ーリ8の中心に対して偏心する)、図3を参照して、最
大と最小の間の接触径を所望に設定することにより、無
段変速が達成されている。なお、オートテンショナ10
の変位位置を予め複数段階に設定しておき、これら複数
段階の変位に応じて複数段階の変速を行なっても良い。
【0022】一方、オートテンショナ10の動作は、コ
ントローラ12によって制御されている。このコントロ
ーラ12は、可変速プーリ8の回転速度を検出する第1
の速度センサ13の出力信号、及びアイドラプーリ9の
回転速度を検出する第2の速度センサ14の出力信号を
入力している。可変速プーリ8の回転速度はエンジン回
転数に等しく、アイドラプーリ9の回転速度はベルト2
の走行速度に相当している。
【0023】コントローラ12による制御としては、第
1の速度センサ13からの出力信号を入力してエンジン
の回転速度を検出し、例えば、エンジン回転数が所定レ
ベルよりも低い状態で上記第1の位置に変位させておく
ことにより、エンジン回転数に対して補機の回転数を相
対的に高くし、また、エンジン回転数が所定レベル以上
の状態で上記第2の位置に変位させておくことにより、
エンジン回転数に対して補機の回転数を相対的に低くす
ることができる。さらに、コントローラ12は、第2の
速度センサ14からの出力信号の入力により、ベルト2
の走行速度を検出し、この走行速度がエンジンの回転数
に対して所定の割合になるように、油圧アクチュエータ
11によるオートテンショナ10の変位量を調整する。
これは、長期の使用によるベルト2の伸びに起因して、
変速比が当初に設定したものからずれるおそれがあるの
で、これを防止し、変速比を当初設定したものに維持す
るためである。
【0024】次いで、図1を参照して、可変速プーリ8
は、エンジンのクランク軸の同軸上に一体回転可能に
連結された筒状の回転軸15と、この回転軸15の周
面に形成された、互いに逆ねじで且つ同一ピッチの第1
及び第2のねじ部16,17に、それぞれねじ嵌めされ
ると共に一体回転可能に連結された第1及び第2のV溝
形成体18,19と、両V溝形成体18,19間に区
画されるV溝21に嵌められ、回転軸15の軸線15a
に対して偏心可能な(図4参照)偏心リング20と、
両V溝形成体18,19が互いに近接する方向に第1の
V溝形成体18を付勢する付勢手段としての環状の皿ば
ね22とを主要部として有している。
【0025】皿ばね22の内周縁は、回転軸15に外嵌
された支持リング25によって支持され、軸方向への移
動を規制されている。ベルト2は内側面に接触面積を確
保するための凹凸を設けた平ベルトからなる。また、偏
心リング20は、断面台形形状の円環状をしており、外
周面にベルト2への伝動面20aを形成している。伝動
面20a及びベルト2には、互いに噛み合う凹凸が形成
されている。
【0026】上記筒状の回転軸15は、クランク軸23
にボルト24を介して締結している。26は、上記取付
23と回転軸15とを一体回転可能に連結するキーであ
る。第1の雄ねじ部16が、第2の雄ねじ部17よりも
エンジン側に配置されている。回転軸15がその軸線1
5aの回りに、図において矢符X方向に回転していると
して、回転軸線15aに平行Y方向に沿って見た場合
に、第1の雄ねじ部16は、右ねじ(反X方向に回転さ
せることにより、第1のV溝形成体18にねじ込まれる
もの)であり、第2の雄ねじ部17は左ねじ(X方向に
回転させることにより、第2のV溝形成体19にねじ込
まれるもの)である。
【0027】第1及び第2の雄ねじ部16,17のねじ
形成方向を、上記のように設定したので、第1のV溝形
成体18をY方向に沿って押す皿ばね22の付勢力は、
両V溝形成体18,19を回転軸15に対して反X方向
に回転させて、両V溝形成体18,19を互いに等しい
距離だけ近接させるように働く。一方、回転軸15に対
して両V溝形成体18,19を、回転軸15に対してX
方向に回転させた場合には、両V溝形成体18,19が
互いに等しい距離だけ遠ざかることになる(図1及び図
4参照)。
【0028】両V溝形成体18,19は、略同一の形状
に形成されているが、第1のV溝形成体18が、皿ばね
22の外縁部を係合することのできる環状凸部181を
有していることのみが異なる。図1及びV溝形成体18
(19)の正面図である図5を参照して、第1のV溝形
成体18は、V溝21を区画するためのトルク伝達面
としてのテーパ面18aを有する円形環状板からなる主
体部18bと、この主体部18bから軸方向に延び、
円周等配に配置された複数の円弧状の嵌合突起18c
と、隣接する嵌合突起18c同士の間に形成され、環
状の内方へ開放する円弧状の嵌合溝18dと、主体部
18bの内周側であって嵌合突起18cの基端側の部分
に形成され、上記第1の雄ねじ部16に噛み合う第1の
雌ねじ部18eを備えている。
【0029】同様に、第2のV溝形成体19は、トルク
伝達面としてのテーパ面19aを有する主体部19b
と、複数の嵌合突起19cと、嵌合溝19dと、第2の
雄ねじ部17と噛み合う第2の雌ねじ部19eとを備え
ている。そして、第1のV溝形成体18の嵌合突起18
cが、第2のV溝形成体19の嵌合溝19dに嵌め合わ
される一方、第2のV溝形成体19の嵌合突起19c
が、第1のV溝形成体18の嵌合溝18dに嵌め合わさ
れている。
【0030】また、各V溝形成体18,19の嵌合突起
18c,19cの外周面は、互いに他のV溝形成体1
9,18の嵌合溝19d,18dの内面に対してルーズ
フィットに嵌め合わされており、これにより、両V溝形
成体18,19は互いに他を、回転自在で且つ軸方向に
移動自在に支持している。すなわち、これら嵌合突起1
8c,19cと嵌合溝18d,19dとにより、両V溝
形成体18,19を一体回転可能で且つ軸方向に相対移
動自在に連結する連結手段が構成されている。
【0031】上記の第1の雄ねじ部16及び第1の雌ね
じ部18eからなるねじ締結機構により、また、第2の
雄ねじ部17及び第2の雌ねじ部19eからなるねじ結
合機構により、それぞれトルクカム機構Tが構成されて
いる。両ねじ結合機構は、互いに逆ねじであるので、一
体回転する両V溝形成体18,19を回転軸15に対し
て相対回転させると、両V溝形成体18,19を互いに
等しい距離だけ近接させるように又は離反させるように
働く。
【0032】上記のトルクカム機構Tの意義は下記であ
る。すなわち、本発明の実施の形態のように、駆動プー
リに可変速プーリを採用した場合、負荷トルクは、回転
軸15に対してV溝形成体18,19を反回転方向(反
X方向)に位相ずれさせようとする力となる。この位相
ずれさせようとする力は、上記のねじ結合機構からなる
トルクカム機構Tによって変換されて、両V溝形成体1
8,19を互いに近接させようとする力となり、この力
は、さらにテーパ面18a,19aを介して、例えば図
4に示す状態の偏心リング20の被挟持部分を、可変速
プーリ8の径方向外方へ変位させようとする力に変換さ
れる。
【0033】そして、例えば、何れかの補機の駆動が開
始された等により、トルク変動があった場合に、これに
伴ってベルト2の張り側の部分に対応する偏心リング2
0が、両V溝形成体18,19間の間隔を拡げて可変速
プーリ8の径方向内方へ入り込もうとするが、これを、
上記皿ばね22による付勢力と、上記の偏心リング20
を径方向外方へ変位させようとする力とによって抗して
防止することができる。したがって、トルク変動があっ
ても、可変速プーリ8の接触径が変化することがない。
【0034】なお、負荷トルクを、偏心リング20を可
変速プーリ8の径方向外方へ変位させようとする方向の
力に変換する場合の効率は、テーパ面18a,19aの
傾斜角度、偏心リング20とテーパ面18a,19aと
の摩擦係数、及びトルクカム機構Tを構成するねじ結合
機構のねじ効率等を適宜に設定することにより、ベルト
2のどの程度の張力までであれば、偏心リング20の、
径方向内方への変位に抗することができるかという限界
値を予め調整することができる。そして、この限界値を
超えて、上記オートテンショナ10がベルト張力を増大
させることにより、可変速プーリ8の接触径が変更され
るようになっている。
【0035】上記のねじ効率の設定については、ねじの
リード角(例えば、45°とする等)の設定により容易
に調整することができる。また、負荷トルクが大きいほ
ど、両V溝形成体18,19を互いに近接させようとす
る力を大きくして、偏心リング20を強く挟持すること
ができるので、偏心リング20と両V溝形成体18,1
9との間に滑りが発生することを防止でき、滑りに起因
した伝達ロスを無くすことができる。
【0036】本発明の第1の実施の形態によれば、負荷
トルクの変動によって接触径を小さくしようとする力が
作用しても、これに抗する力をトルクカム機構Tによっ
て生起できるので、負荷トルクの変動に起因した可変速
プーリ8の接触径の変化を防止できる。また、上記のよ
うに抗する力を負荷トルクに応じて生起できるので、皿
ばね22による付勢力としては小さくしておくことがで
きる結果、伝達トルクの摩擦ロスを少なくすることがで
きる。
【0037】さらに、一対の環状のV溝形成体18,1
9を用いてベルト2を支持するようにしたので、従来の
多数のベルト係合棒を用いる場合と比較して構造を簡素
化でき、小型化を達成できる。しかも、従来の多数のベ
ルト係合棒を用いる場合と比較して摩擦箇所を少なくで
きる結果、摩擦抵抗を少なくでき、上記の皿ばね22の
付勢力による摩擦ロスを少なくできることと合まって、
よりスムーズな変速が可能となる。
【0038】図6及び図7は本発明の第2の実施の形態
を示している。これらの図を参照して、本実施の形態が
第1の実施の形態と主に異なる点は、 第1及び第2のV溝形成体27,28を連結する連結
手段として、両V溝形成体27,28を貫通する複数の
ボルト29、及び各ボルト29の先端部にそれぞれ締結
されるナット30を用いたこと、 各V溝形成体27,28を、それぞれブッシュ31,
32を介して回転軸15に支持したこと、及び 両V溝形成体27,28をそれぞれ互いに近接する方
向に付勢する一対の皿ばね33,34を設けたことであ
る。
【0039】各V溝形成体27,28は、同一の形状を
しており、配置される向きが異なっているのみである。
第1のV溝形成体27は、V溝21を区画するための
トルク伝達面としてのテーパ面27aを有する円形環状
板からなる主体部27bと、主体部27bの内周に連
続して主体部27bと同心に形成された筒状部27c
と、筒状部27cの内周に設けられ、上記ブッシュ3
1を圧入させた嵌合凹部27dと、筒状部27cの内
周に形成された第1の雌ねじ部27eと、筒状部27
cの円周等配に複数が配置され、上記各ボルト29を貫
通させるべく筒状部27cを軸方向に貫通したボルト挿
通孔27fとを有している。
【0040】同様にして、第2のV溝形成体28は、ト
ルク伝達面としてのテーパ面28aを有する主体部28
bと、筒状部28cと、嵌合凹部28dと、第2の雌ね
じ部28eと、ボルト挿通孔28fとを有している。回
転軸15は、第1及び第2の雄ねじ部16,17の間
に、上記ブッシュ31とすべり接触するための円周面か
らなる摺動面15bを形成している。
【0041】ボルト29は、頭部29aと、ねじが形成
されていない長尺円柱状の胴部29bと、ねじ部29c
とを有しており、ねじ部29cには、上記ナット30と
ロックナット35がねじ込まれている。また、胴部29
bには、各皿ばね33,34の内周縁を支持するための
支持リング36,37が回転自在に嵌められている。し
たがって、第1の実施の形態で採用した支持リング25
は廃止されている。一方の支持リング36はボルト29
の頭部29aにより軸方向移動を止められ、他方の支持
リング37はナット30によって軸方向移動を止められ
ている。
【0042】なお、胴部29cを軸方向にスライド自在
に支持するためのブッシュ38が、各V溝形成体27,
28のボルト挿通孔27f,28fにそれぞれ圧入され
ている。また、15cは、回転軸15と取付部材24と
をキー結合させるキー26を挿入するためのキー溝であ
る。また、図6において39は皿ばね33,34にそれ
ぞれ放射状に形成されたスリットであり、皿ばね33,
34の柔軟性を増している。他の構成については、図1
の実施の形態と同様であるので、図に同一符合を付して
その説明を省略する。
【0043】本第2の実施の形態によれば、第1の実施
の形態と同様に、負荷トルクの変動に起因した可変速プ
ーリ8の接触径の変化を防止でき、また、一対の環状の
V溝形成体27,28を用いることで構造の簡素化及び
小型化を達成でき、さらに、摩擦ロスを少なくしてより
スムーズな変速が可能となるという種々の作用効果を奏
する。
【0044】図8(a)及び(b)は本発明の第3の実
施の形態に係る可変速プーリの要部を示している。図8
(a),(b)を参照して、本実施の形態が図1の実施
の形態と主に異なる点は、V溝50を形成するためのV
溝形成体40,41のトルク伝達面40a,41aが凹
面状湾曲面とされると共に、偏心リング42の両側面4
2b(トルク伝達面40a,41aと摩擦係合される面
である)が凸面状湾曲面とされていることである。42
aは平ベルト2への伝動面である。
【0045】偏心リング42が図8(a)に示すように
最大接触径(D=D1)を呈する状態では、相対的に外
径側の接触部位P1にてV溝形成体40,41に接し、
また、偏心リング42が図8(b)に示すように最小接
触径(D=D2)を呈する状態では、相対的に内径側の
接触部位P2にてV溝形成体40,41で接触する。図
1や図6の実施の形態のようにV溝形成体と偏心リング
の接触面がリニアである場合では、図9に一点鎖線で示
すように接触径Dの変化をあまり大きくできないのに対
して、本実施の形態では、図9に実線で示すように、両
V溝形成体40,41間の距離dの増大に対して、接触
径D(V溝形成体40,41の回転中心からの接触部位
P1,P2までの距離)を累進的に変化させることがで
きるようになっており、その結果、V溝形成体40,4
1を大型化することなく、変速比を大きく確保すること
ができる。例えば、トルク伝達面が直線的な傾斜面であ
る場合に1.75である変速比を、2にすることが可能
である。
【0046】上記のように接触径の変化を大きくできる
のは、本実施の形態では、最大接触径の状態での偏心リ
ング42の接触部位P1(図8(a)参照)に対して、
最小接触径の状態の偏心リング42の接触部位P2(図
8(b)参照)を、径方向の内方へ所定距離離れた位置
に変位させることができることによる。即ち、偏心リン
グをV溝形成体40,41の径方向のより内方へ変位さ
せることが可能となることによる。なお、V溝形成体と
偏心リングとの接触面が直線的な傾斜面である場合に
は、偏心リングの接触部位は、接触径の変化にかかわら
ず一定である。
【0047】上記のトルク伝達面40a,41aを構成
する凹面状湾曲面の曲率と、偏心リング42の各側面4
2bを構成する凸面状湾曲面の曲率とは同じであっても
良いし、そうでなくても良く、何れにしても、偏心リン
グ42の接触部位を変化させることができれば良い。上
記の凹面状湾曲面や凸面状湾曲面の曲率は、2段階に変
化するものであっても良いが、2つの曲率のつなぎの部
分を接触部位が移動する際に不連続感(いわゆるショッ
ク)を生じないように円滑につなぐ必要がある。不連続
感を生ずるおそれがない点では、単一の曲率を採用する
ことが好ましい。
【0048】なお、図10に示すように、図8の実施の
形態の偏心リング42に対して、内径部の形状のみが異
なる偏心リング43に、ダイナミックダンパ44が装着
されていれば、偏心リング43の振動を防止できる点で
好ましい。偏心リング43の内径部は、小径部43cと
これを挟んだ一対の大径部43dとを有し、これら小径
部43cと一対の大径部43dとをそれぞれ接続する段
付き端面43eに、ダイナミックダンパ44が連結され
ている。
【0049】このダイナミックダンパ44は、偏心リ
ング43の小径部43cの内方に配置される所定の質量
を持つ重り部材としての環状部材45と、この環状部
材45の各端面45aと対応する段付き端面43eとを
それぞれ連結することにより、環状部材45を弾性支持
した弾性部材としての一対の環状のゴム板46とを備え
ている。一対のゴム板46によって弾性支持された環状
部材45は、ゴム板46を変形させつつ偏心リング43
の軸方向に平行な方向に振動変位することにより、偏心
リング43の振動エネルギを消散させ、振幅を大幅に軽
減することができる。偏心リング43が偏心変位した際
に、偏心リング43の径方向の片側のみがV溝形成体4
0,41によって支持されて径方向の反対側がフリーと
なっており、このため、偏心リング43は横触れ振動を
生じ易い傾向にあるが、上記のようなダイナミックダン
パ44を採用することにより、振動を大幅に軽減するこ
とができる。
【0050】上記のダイナミックダンパとしては、上記
の構成のものに限定されるものではなく、重り部材と弾
性部材を備えたものであれば、種々公知のものを採用で
きる。例えば、偏心リングに形成した凹所に重り部材と
しての玉を収容し、この凹所に弾性部材としての所定の
粘弾性を有する油やグリスを充填して密封した構造の、
いわゆる粘性ダンパを用いることも可能である。また、
ダイナミックダンパは、図1や図6の実施の形態の偏心
リングにも適用することができる。
【0051】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば可変速プーリ8を従動側のプ
ーリに適用する場合において、トルクカム機構を構成す
るねじ結合機構のねじ形成方向は、V溝形成体を回転軸
15に対して回転方向に位相ずれを、両V溝形成体同士
を互いに近接させる移動に変換できる方向となる。すな
わち、駆動側のプーリに用いる場合と、回転方向に関し
て逆向きとなる。
【0052】さらに、偏心リング20を廃止し、Vベル
トを直接V溝21に嵌めるようにしても良い。この場合
においても、図8の実施の形態のようにV溝のトルク伝
達面を凹面状湾曲面にすると共に、Vベルトの両側面を
凸面状湾曲面とし、これにより、小型で変速比の大きな
可変速プーリを得ることが可能である。その他、本発明
の範囲で種々の設計変更を施すことができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、負荷トル
クの変動によって接触径を小さくしようとする力が作用
しても、これに抗する力をトルクカム機構によって生起
できるので、負荷トルクの変動に起因した可変速プーリ
の接触径の変化を防止できる。また、上記のように抗す
る力を生起できるので、付勢手段による付勢力を小さく
できる結果、伝達トルクの摩擦ロスを少なくできる。
【0054】さらに、Vベルトを支持する手段として、
一対の環状のV溝形成体を用いたので、構造を簡素化で
き、小型化を達成できる。また、従来の多数のベルト係
合棒を用いる場合と比較して摩擦箇所を少なくできる結
果、摩擦抵抗を少なくでき、上記の付勢力による摩擦ロ
スを少なくできることと合まって、よりスムーズな変速
が可能となる。
【0055】請求項2に係る発明によれば、トルクカム
機構として、互いに逆ねじの一対のねじ結合機構を用い
たので、構造の簡素化、小型化が図れる。また、接触径
が変化しても、Vベルトの幅方向の中心位置を変化させ
ないようにすることを、上記のような簡単な構造にて達
成できる。さらに、ねじ山のリード角等の設定により、
トルクカムによる力の変換効率を容易に設定できる。
【0056】請求項3に係る発明によれば、両V溝形成
体が連結手段を兼用することになるので、これを別途に
構成する場合と比較して、構造の簡素化、小型化を達成
できる。請求項4に係る発明によれば、両V溝形成体が
互いに他を介して回転軸に支持されるので、各V溝形成
体を支持するための軸受等を別途に設ける場合と比較し
て、構造の簡素化、小型化を達成できる。
【0057】請求項5に係る発明によれば、平ベルトを
用いることが可能となる。また、偏心リングは、ベルト
とは別の材料を選択することができる。例えば、ベルト
としてゴムを用いた場合に、偏心リングとして樹脂を用
いることができ、この場合、樹脂からなる偏心リングに
よって、V溝形成体に対して焼き付き難くし、且つV溝
形成体に対する摩擦係数を高くすることができる。
【0058】請求項6に係る発明によれば、小型で変速
比の大きな可変速プーリを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての可変速プー
リの縦断面図であり、最大接触径となる状態を示してい
る。
【図2】図1の可変速プーリを用いた、エンジン補機駆
動用のベルト伝動装置の概略図である。
【図3】エンジン回転数と補機の回転数との関係を示す
図である。
【図4】最小接触径となった可変速プーリの縦断面図で
ある。
【図5】V溝形成体の正面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としての可変速プー
リの縦断面図である。
【図7】可変速プーリの側面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態としての可変速プー
リの要部の概略断面図であり、(a)は最大接触径とな
った状態を示し、(b)は最小接触径となった状態を示
している。
【図9】図9の実施の形態におけるV溝形成体間の距離
と接触径との関係を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態としての可変速度
プーリの偏心リングの断面図である。
【符号の説明】
1 ベルト伝動装置 2 ベルト 8 可変速プーリ 10 オートテンショナ 11 油圧アクチュエータ 12 コントローラ 15 回転軸 16 第1の雄ねじ部 17 第2の雄ねじ部 T トルクカム機構 18,27,40 第1のV溝形成体 19,28,41 第2のV溝形成体 18a,19a,27a,28a テーパ面(トルク伝
達面) 18c,19c 嵌合突起(連結手段) 18d,19d 嵌合溝(連結手段) 20,42 偏心リング 22 皿ばね(付勢手段) 29 ボルト(連結手段) 30 ナット(連結手段) 33,34 皿ばね(付勢手段) 40a,40b トルク伝達面 42b 側面(摩擦係合される面)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻き掛けられたVベルトに対する接触径を
    変化させることができる可変速プーリにおいて、 所定の回転方向に回転される回転軸と、 この回転軸の周囲を取り囲んで一対が設けられ、互いに
    対向するテーパ状のトルク伝達面を有し且つこれらトル
    ク伝達面同士の間にVベルトを保持するためのV溝を区
    画した環状のV溝形成体と、 両V溝形成体同士を回転軸の軸方向に進退自在な状態で
    一体回転可能に連結する連結手段と、 両V溝形成体を互いに近接させて上記接触径が最大径と
    なる方向へ弾性的に付勢する付勢手段と、 回転軸と各V溝形成体とをそれぞれトルク伝達可能に連
    結すると共に、伝達トルクの負荷による回転軸と各V溝
    形成体との位相ずれを、各V溝形成体の軸方向移動に変
    換することにより、各V溝形成体を相等しいストローク
    量で互いに近接させることのできる一対のトルクカム機
    構とが備えられたことを特徴とする可変速プーリ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の可変速プーリにおいて、 上記トルクカム機構は、各V溝形成体の内周面と回転軸
    の外周面とをそれぞれねじ結合させる、互いに逆ねじで
    且つ同一ピッチの一対のねじ結合機構からなることを特
    徴とする可変速プーリ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の可変速プーリにおい
    て、上記連結手段は、各V溝形成体にそれぞれ形成さ
    れ、互いに嵌め合わされる嵌合突起と嵌合孔とからなる
    ことを特徴とする可変速プーリ。
  4. 【請求項4】請求項3記載の可変速プーリにおいて、上
    記嵌合突起と嵌合孔との嵌め合いは、両V溝形成体が互
    いに他を支持できるようにルーズフィットとされている
    ことを特徴とする可変速プーリ。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れかに記載の可変速
    プーリにおいて、 上記Vベルトに代えて平ベルトが用いられ、上記V溝に
    遊嵌され且つ外周面に上記平ベルトへの伝動面を形成し
    た断面台形形状の偏心リングがさらに備えられたことを
    特徴とする可変速プーリ。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れか一つに記載の可
    変速プーリにおいて、両V溝形成体のトルク伝達面同士
    間の距離が増大すると接触径が累進的に減少するよう
    に、各V溝形成体のトルク伝達面は凹面状に設定される
    と共に各V溝形成体のトルク伝達面と摩擦係合される面
    は凸面状に設定されることを特徴とする可変速プーリ。
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