JP2001015913A - 片面回路基板とその製造方法、および多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
片面回路基板とその製造方法、および多層プリント配線板の製造方法Info
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Abstract
剤残りをなくした、全層IVH構造の高密度多層プリン
ト配線板を高い歩留りで効率よく製造する。 【解決手段】 絶縁性基材と、その絶縁性基材の一方の
表面に形成された導体回路50と、上記絶縁性基材の他
方の表面から導体回路に至るビアホールとを備える片面
回路基板60〜66において、絶縁性基材表面の少なく
とも片面の最大表面粗度が30μm未満であること、絶縁
性基材の一方の面に導体回路を形成し、その絶縁性基材
の最大表面粗さが8μm未満であるような他方の面には
前記導体回路に達するビアホールを形成するとともに、
そのビアホールの直上に突起状導体52を形成して片面
回路基板を製造すること、そして、このような片面回路
基板の複数枚を積層し、接着剤54を介して一括して加
熱・加圧することによって多層プリント配線板を製造す
る。
Description
の製造方法、およびその片面回路基板を用いた多層プリ
ント配線板の製造方法に関し、特に、インターステシャ
ルビアホール(IVH)構造を有する多層プリント配線
板の製造に供される片面回路基板とその製造方法、およ
び多層プリント配線板の製造方法についての提案であ
る。
機能化の要求に応じて、従来のスルーホール構造の多層
プリント配線板に代えて、高密度配線化に対応し易いイ
ンターステシャルビアホール構造(以下、IVH構造と
略記する)を有する多層プリント配線板が提案されてい
る。
板というのは、積層体を構成する各層間絶縁層に、導体
回路間を電気的に接続するビアホールが設けられている
構造のプリント配線板である。このようなプリント配線
板は、内層導体回路パターン相互間あるいは内層導体回
路パターンと外層導体回路パターン間が、配線基板を貫
通しないビアホール(べリードビアホールあるいはブラ
インドビアホール)によって電気的に接続されているこ
とが特徴である。それ故に、かかるIVH構造の多層プ
リント配線板は、スルーホールを形成するための領域を
特別に設ける必要がなく、各層間接続を微細なビアホー
ルだけで行うことができるため、電子機器の小型化、高
密度化、信号の高速伝搬を容易に実現することができる
ものと期待されている。
層プリント配線板の製造工程においては、、製造工程が
複雑であること、歩留りが低いこと、ビアホール形成用
開口のレーザ加工条件等の種々の課題が存在しているの
が現実であり、このような課題について、本願の発明者
らは先に、特開平第11‐054934号や特願平第11‐074432
号としてその改善方法を提案してきた。特に、ビアホー
ル形成用開口をパルス発振型炭酸ガスレーザを用いて形
成する際の、最適なレーザ加工条件を見出し、レーザに
よる金属層へのダメージや、絶縁性基材を構成するガラ
ス繊維の疎密に起因するビアホール形状や開口径のばら
つき、ビアホール内壁面にガラス繊維先端への球状溶融
物の付着、炭化物の残留、ビアホール周辺部で見られる
樹脂の盛り上がり、ビアホール内へのめっきの異常析出
(ノジュール)等の課題を解決して、IVH構造の高密
度多層プリント配線板を高い歩留りで効率よく製造する
のに好適で、接続信頼性の高い片面プリント配線板とそ
の製造方法を特願平第11‐074432号として提案した。
は、絶縁性基材の一方の面に導体回路を、他方の面にビ
アホールを形成してなる片面回路基板であり、これらの
複数枚を予め個々に製造し、このようにして製造された
合格片面回路基板のみを接着剤層を介して必要数積層し
た後、一度の加熱加圧(熱プレス)によって、所要層数
の多層プリント配線板を一挙に製造することを可能にす
るものである。
善提案にかかる片面回路基板の製造工程において、絶縁
性樹脂基材の表面粗度に起因する課題が残っている。す
なわち、製造工程の初期の段階において、一面に金属層
が形成された絶縁性樹脂基材の他方の面に対して、粘着
剤を介して貼付けられるポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムは、バイアホール開口内への電解め
っき充填工程において、金属層へのめっき膜析出を阻止
するための保護フィルムとして機能すると共に、バイア
ホール開口位置に対応して突起状導体あるいはパッドを
形成する工程において、導電性ペースト充填時の印刷用
マスクとして機能し、製造工程の最終段階においては、
絶縁性樹脂基材表面から剥離されるが、粘着剤の一部が
絶縁性樹脂基材の表面に残ってしまうという問題があ
る。このような粘着剤が絶縁性樹脂表面に貼付いたまま
で片面回路基板の多層化が行なわれると、結果的には最
終製品としての多層プリント配線板においてデラミネー
ションが発生して、絶縁不良を招いてしまう。
は、粘着層の厚みを小さくすることによって、ある程度
対処できるが、 PETフィルムの樹脂基材表面への密着性が低下する
こと、 PETフィルムの全体としての厚さ、すなわち、フィ
ルム自体の厚みと粘着層の厚みを加えたものは、突起状
導体あるいはパッドの高さを規制していること、の理由
から、粘着層の厚みを小さくすることには制限がある。
そこで、本発明の主たる目的は、PETフィルムに適切
な厚みと粘着力を与えつつ、絶縁樹脂基材への粘着剤残
りを防止できるような片面回路基板およびその製造方法
を提案することにある。本発明の他の目的は、上記片面
回路基板を用いた多層プリント配線板の製造方法を提案
することにある。
を実現するために、特定のPETフィルム条件と絶縁性
樹脂基材の最大表面粗度との関係について鋭意研究した
結果、PETフィルムに適切な厚みと粘着力を与えつ
つ、絶縁樹脂基材への粘着剤残りを防止できるような絶
縁樹脂基材の最大表面粗度の許容範囲を見出し、以下の
内容を要旨構成とする本発明に想到した。
板は、絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶
縁性基材の他方の面には前記導体回路に達するビアホー
ルが形成されてなる片面回路基板において、上記絶縁性
基材の少なくとも片面の最大表面粗さRmax は、8μm
未満であることを特徴とするものである。絶縁性基材表
面の最大粗度Rmax がこのような範囲内にあれば、片面
回路基板を製造する際に、樹脂面に貼付けられるPET
フィルムの厚みが、比較的広い範囲、すなわち、粘着剤
層の厚みが1 〜20μm、フィルム自体の厚みが10〜50μ
m、にある場合でも、樹脂面への粘着剤の残りを防止す
るとともに、適切な密着力を確保することができる。上
記片面回路基板において、絶縁性基材は、厚さが20〜10
0 μm のガラスエポキシ複合材料から形成されることが
好ましく、またビアホールは、パルスエネルギーが0.5
〜5.0 mJ、パルス幅が1〜20μs、パルス間隔が2m
s以上、ショット数が3〜10の条件で照射される炭酸ガ
スレーザ開口に対して形成されることが好ましい。さら
に、上記絶縁性基材に形成されたビアホール形成用開口
には導電性物質が充填され、その導電性物質充填位置に
対応して突起状導体が形成されていることが好ましい。
製造方法は、絶縁性基材の一方の面に導体回路が形成さ
れると共に、その絶縁性基材の最大表面粗さが8μm未
満であるような他方の面には前記導体回路に達するビア
ホールが形成されるとともに、そのビアホールの直上に
は突起状導体が形成されてなる片面回路基板の製造に当
たって、その製造工程の中に、少なくとも以下の工程
〜、 上記絶縁性基材の他方の面に樹脂フィルムを貼り付け
る工程、 その樹脂フィルム上から、炭酸ガスレーザーを照射し
て、上記絶縁性基材にビアホール形成用の開口を形成す
る工程、 その開口内部に導電性物質を充填して、ビアホールを
形成する工程、 上記樹脂フィルムを印刷マスクとして、このビアホー
ルに対応する位置に、導電性ペーストあるいは低融点金
属を印刷して突起状導体を形成する工程と、 上記樹脂フィルムを絶縁基材から剥離させる工程、と
を含むことを特徴とする。
さが20〜100 μmのガラスエポキシ複合樹脂であり、樹
脂フィルムは、粘着剤層の厚みが1〜20μmで、フィル
ム自体の厚みが10〜50μmであるようなPETフィルム
であることが好ましい。また、上記ビアホール形成用開
口の開口径は、50〜250 μmであることが好ましく、そ
の開口内に充填される導電性物質は、電解銅めっき処理
によって形成された銅めっきであることが好ましい。
ト配線板の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に導体回
路を有し、かつこの絶縁性基材の最大表面粗さが8μm
未満であるような他方の面には導体回路に達するビアホ
ールが形成されるとともに、そのビアホールの直上には
突起状導体が形成された片面回路基板の複数枚を、隣接
する片面回路基板の突起状導体と導体回路とが、あるい
は突起状導体と突起状導体とが対向するような位置で接
着剤層を介して積層して、その積層された片面回路基板
を、一括して加熱加圧しながら、前記突起状導体を接着
剤層に嵌入・貫通せしめて、その突起状導体と対向する
前記導体回路あるいは突起状導体に接続させて一体化す
ることを特徴とする。上記多層プリント配線板の製造方
法において、絶縁性基材は、厚さが20〜100μmのガラ
スエポキシ複合材料から形成されることが好ましい。ま
た、上記突起状導体は、導電性ペーストあるいは低融点
金属から形成されることが好ましい。
全層がIVH構造を有する多層プリント配線板の製造に好
適であり、最大表面粗度Rmax が8μm未満であるよう
な絶縁性基材の一方の面に導体回路を、他方の面にビア
ホールを形成し、そのビアホールの導体回路側と反対側
の表面には突起状導体が形成されてなる片面回路基板が
好ましい実施の形態である。
ある場合には、このような片面回路基板を製造する際
に、樹脂面に貼付けられるPETフィルムの厚みが比較
的広い範囲、すなわち、粘着剤層の厚みが1〜20μm、
フィルム自体の厚みが10〜50μm、にある場合でも、樹
脂面への粘着剤の残りを防止するとともに、適切な密着
力を確保することができる。したがって、これらの片面
回路基板を積層して形成する多層プリント配線板におい
ても、デラミネーションの発生を防止することができ、
優れた接続信頼性を得ることができる。
ては、厚さが20〜100 μm のガラスエポキシ複合材料、
たとえばガラス布エポキシ基板が用いられるのが好まし
い。その理由は、20μm未満の厚さでは電気的絶縁性に
対する信頼性が低くなり、100 μmを超える厚さではビ
アホール形成用開口が形成し難くなると共に、基板その
ものが厚くなるためである。このような範囲の厚さを有
するガラス布エポキシ基板上に形成されるビアホールの
口径は50〜250 μmの範囲であることが望ましい。その
理由は、50μm未満では開口に導電性物質を充填し難く
なると共に、接続信頼性が低くなるからであり、250 μ
mを超えると、高密度化が困難になるからである。ま
た、前記導体回路は、厚さが5〜18μmの銅箔から形成
されるのが好ましい。
される導電性物質としては、導電性ペーストや電解めっ
き処理によって形成される金属めっきが望ましいが、確
実な接続信頼性を得るためには銅めっき等の導電性金属
めっきが好ましく、特に電解銅めっきが好適である。
ビアホール形成用開口内に充填された導電性物質の位置
に対応して突起状導体、すなわち、導電性ペーストや低
融点金属からなる突起状導体が形成されることが好まし
い。前記突起状導体は、導電性ペーストあるいは低融点
金属から形成されるので、多層プリント配線板を製造す
る際の、加熱プレス工程において、導電性ペーストある
いは低融点金属が熱変形するので、前記ビアホール内に
充填される導電性金属めっきの高さのばらつきを吸収す
ることができ、それ故に、接続不良を防止して接続信頼
性に優れた多層プリント配線板を得ることができる。
よって導電性めっき層が充填されたビアホール上の対応
位置に形成されるので、多層プリント配線板における隣
接する導体回路同士の電気的接続は、突起状導体を比較
的薄い接着剤層のみを貫通させた状態で行うことができ
る。それゆえ、PETフィルムの厚みを適切に選択する
ことによって、突起状導体の高さを低くし、またその径
をレーザ加工によって小さくできるので、突起状導体の
ピッチ間隔を小さくでき、ひいては、プリント配線板に
配列されるビアホールのピッチ間隔も小さくすることが
できるので、超高密度化に対応できる。従って、このよ
うな片面回路基板は多層プリント配線板の製造に好適で
あり、製造段階での不良発生を未然に防止することがで
きるので、層間接続信頼性に優れたIVH構造を有する
多層プリント配線板を高い歩留まりで、しかも短時間で
効率良く製造することができる。
方法について説明する。本発明の片面回路基板の製造方
法は、絶縁性基材の一方の面に導体回路が形成され、そ
の絶縁性基材の最大表面粗さが8μm未満であるような
他方の面には前記導体回路に達するビアホールが形成さ
れるとともに、そのビアホールの直上には突起状導体が
形成されてなる片面回路基板の製造に当たって、その製
造工程の中に、少なくとも以下の〜の工程、 上記絶縁性基材の他方の面に樹脂フィルムを貼り付け
る工程、 その樹脂フィルム上から、炭酸ガスレーザーを照射し
て、上記絶縁性基材にビアホール形成用の開口を形成す
る工程、 その開口内部に導電性物質を充填して、ビアホールを
形成する工程、 上記樹脂フィルムを印刷マスクとして、このビアホー
ルに対応する位置に、導電性ペーストあるいは低融点金
属を印刷して突起状導体を形成する工程と、 上記樹脂フィルムを絶縁基材から剥離させる工程、と
を含むことを特徴とする。
ガラス布エポキシ基板から形成され、前記導体回路は、
厚さが5〜18μmの銅箔から形成されることが望まし
い。上記樹脂フィルムは、粘着剤層の厚みが1〜20μ
m、フィルム自体の厚みが10〜50μmであるようなPE
Tフィルムから形成されることが好ましい。その理由
は、PET フィルムの厚さに依存して突起状導体の高さが
決まるので、10μm未満の厚さでは突起状導体が低すぎ
て接続不良になりやすく、逆に50μmを超えた厚さで
は、接続界面で突起状導体が拡がりすぎるので、ファイ
ンパターンの形成ができないからである。
処理によって形成された銅めっきであることが望まし
い。その理由は、銅めっきを得るまでの電解めっき処理
時間が比較的短く、またビアホール形成用開口に銅めっ
きが充填されていると、積層段階でのプレス圧力が掛か
りやすいので接続信頼性が向上するためである。
方法について、添付図面を参照にして、具体的に説明す
る。 本発明の片面回路基板を製造するに当たって、片面
に金属層10の形成された絶縁性基材20を出発材料として
用いる(図1 (A) 参照)。この絶縁性基材20は、その
表面の最大粗度が8μm未満であるような樹脂基材が望
ましく、たとえば、アラミド不織布−エポキシ樹脂基
材、アラミド不織布−ポリイミド基材、ビスマレイミド
−トリアジン樹脂基材から選ばれるリジッド(硬質)な
積層基材が使用され、ガラス布エポキシ樹脂基材が最も
好ましい。
れた金属層10は、銅箔を使用できる。銅箔は密着性改善
のため、マット処理されていてもよく、また絶縁性基材
20の表面に、金属を蒸着した後、電解めっき処理を施し
て形成した銅めっきを、金属層とすることもできる。
が望ましい。その理由は、絶縁性を確保するためであ
る。20μm未満の厚さでは強度が低下して取扱が難しく
なり、100 μmを超えると微細なビアホールの形成およ
び導電性物質の充填が難しくなるからである。
ましい。その理由は、レーザ加工で絶縁性基材にビアホ
ール形成用開口を形成する際に、薄すぎると貫通してし
まうからであり、逆に厚すぎるとエッチングにより、フ
ァインパターンを形成し難いからである。
は、特に、エポキシ樹脂をガラスクロスに含潰させてB
ステージとしたプリプレグの片面に、銅箔のマット面を
内側にし、他の片面に銅箔のシャイニー面を内側にして
積層したものを加熱プレスし、その後、後者の銅箔をエ
ッチングして除去することによって得られる片面銅張積
層板を用いることが好ましい。その理由は、金属層10が
エッチングされた後の取扱中に、配線パターンやビアホ
ールの位置がずれることがなく、位置精度に優れるから
である。
ガイドホール) をドリル加工によって形成し、その後、
絶縁性基材20の金属層10を設けた表面と反対側の表面に
保護フィルム30を貼付する(図1( b) 参照)。この保
護フィルム30は、後述する導電性ペーストの印刷用マス
クとして使用され、たとえば、表面に粘着層を設けたポ
リエチレンテレフタレート(PET )フィルムが使用され
得る。前記PETフィルム30は、粘着剤層の厚みが1〜
20μm、フィルム自体の厚みが10〜50μmであるような
ものが使用される。
たPETフィルム30上からレーザ照射を行って、金属層
10が設けられていない表面から金属層10に至るビアホー
ル形成用開口40を形成する(図1( c) 参照)。このレ
ーザ加工は、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置によ
って行われる。加工条件は、パルスエネルギーが0.5 〜
5.0 mJ、パルス幅が1〜20μs、パルス間隔が2 ms
以上、ショット数が3〜10の範囲内であることが望まし
い。このような加工条件のもとで形成され得る開口40の
開口径は、50〜250 μmであることが望ましい。その
後、開口40の内壁面に残留する樹脂を取り除くために、
酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理等のデスミア処
理を行うことが、接続信頼性確保の点で望ましい。
ム42を貼付けた後、レーザ加工で形成したビアホール形
成用開口40内に、電解めっき処理によって電解めっき44
を充填してビアホール46を形成する(図1( d) 参
照)。このPETフィルム42は、金属層10の表面へのめ
っき析出を防止するための保護フィルムとして使用され
る。この場合、開口40のほとんど全ての隙間に電解めっ
き44を充填することもできるが、好ましい実施の形態と
しては、電解めっき44を開口40の上部に若干の隙間を残
して充填し、その隙間に導電性ペーストを充填して行
う。このようにしてビアホール46を形成する場合には、
後述するように、ビアホール46上に突起状導体を同時に
形成することができるという長所がある。
高さのばらつきを導電性ペーストにより是正して突起状
導体の高さをそろえることができる。この場合、導電性
ペーストに代えて低融点金属を充填することもできる。
上記電解めっきとしては、例えば、銅、金、ニッケル、
ハンダめっきを使用できるが、特に、電解銅めっきが最
適である。上記電解めっき処理は、絶縁性基材20に形成
された金属層10をめっきリードとして行う。金属層10
は、絶縁性基材20上の一方の表面全体に形成されている
ため、電界密度がほぼ均一となり、開口40は電解めっき
層によってほぼ均一な高さで充填される。
が開口40の上部に若干の隙間を残した状態に充填される
が、電解めっき処理前に、開口40内の金属層10の表面を
酸などで活性化処理しておくことが望ましい。
ルム42を剥離させ、絶縁性基材20に貼付した保護フィル
ム30の上には、さらにエッチング保護フィルム4を貼付
して(図2( a) 参照)、所定パターンのマスクを披覆
した後、金属層10をエッチングして導体回路50を形成す
る(図2( b) 参照)。
の表面に感光性ドライフィルムレジストを貼付するか、
液状感光性レジストを塗布した後、所定の回路パターン
に沿って露光、現像処理してエッチングレジストを形成
した後、エッチングレジスト非形成部分の金属層10をエ
ッチングして導体パターン50を形成する。エッチング液
としては、硫酸一過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、
塩化第二鉄の水溶液から選ばれる少なくとも1種の水溶
液が望ましい。
を形成する前処理として、ファインパターンを形成しや
すくするため、あらかじめ、金属層10の表面全面をエッ
チングして厚さを1〜10μm、より好ましくは2〜8μ
m程度まで薄くすることができる。
フィルム48を剥離させ、処理工程において形成した導
電性めっき44の表面および処理工程において形成した
導体回路50の表面を粗化処理する(粗化層の表示は省略
する)。この粗化処理は、導電性めっき44と後述する導
電性ペーストとの密着性を改善し、多層化する際に、接
着剤層との密着性を改善し、剥離(デラミネーション)
を防止するためである。
ッチング処理や、黒化(酸化)一還元処理、銅−ニッケ
ルーリンからなる針状合金めっき(荏原ユージライト
製:商品名インタープレート)の形成、メック社製の商
品名「メックエッチボンド」なるエッチング液による表
面粗化がある。このような粗化処理を終えた後、酸化防
止のために粗化面上にSn層を形成することが望まし
い。
充填された位置に対応して、突起状導体52、すなわちバ
ンプを形成する。バンプ52は、レーザ照射によって開口
が形成されたPET フィルム30を印刷マスクとして用いた
スクリーン印刷によって形成される(図2( c) 参
照)。この際、導電性ペーストは、ビアホール形成用開
口40の残余部分に充填されると共に、絶縁性基材20の表
面から所定の高さ、すなわち、PETフィルム30の全体
としての厚みに塗布され、その後、プレキュアされるこ
とによって形成される。プレキュア後、保護フィルム30
は絶縁性基材20の表面から剥離される(図2(d) 参
照)。
る半田ペーストを用いて印刷する方法、半田めっきを行
う方法、あるいは半田溶融液に漠漬する方法により形成
することもできる。上記導電性ペーストは、銀、銅、
金、ニッケル、半田から選ばれる少なくとも1種の金属
粒子からなる導電性ペーストを使用できる。また、前記
金属粒子としては、金属粒子の表面に異種金属をコーテ
ィングしたものも使用できる。具体的には鋼粒子の表面
に金、銀から選ばれる貴金属を被覆した金属粒子を使用
することができる。
粒子に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性
樹脂、ポリフェニレンスルフイド(PPS)などの熱可
塑性樹脂を加えた有機系導電性ペーストが望ましい。ま
た、低融点金属としては、Pb−Sn系はんだ、Ag−
Sn系はんだ、インジウムはんだ等を使用することがで
きる。
材20表面からの突出量は、PET フィルム30の全体として
の厚さ、すなわち、粘着剤層の厚みとフィルム自体の厚
みとの和、にほぼ等しく、10〜50μmの範囲とすること
が望ましい。その理由は、10μm未満では、接続不良を
招きやすく、50μmを越えると抵抗値が高くなると共
に、加熱プレス工程においてバンプが熱変形した際に、
絶縁性基板の表面に沿って拡がりすぎるので、ファイン
パターンが形成できなくなるからである。
起状導体は、プレキュアされた状態であることが望まし
い。その理由は、突起状導体は半硬化状態でも硬いの
で、後述するような積層プレスの段階で軟化した有機系
接着剤層を貫通し、積層される他の回路基板のビアホー
ルと電気的接触が可能となるからである。また、加熱プ
レス時に変形して接触面積が増大し、導通抵抗を低くす
ることができるだけでなく、突起状導体の高さのばらつ
きを是正することができる。
された後、バンプ52を含む絶縁性基材20の表面全体に接
着剤54を塗布する(図2( e) 参照)。本発明の片面回
路基板は、それらの複数が相互に積層接着されたり、予
め製造されたコア基板に積層接着されて多層化される
が、接着剤はこのような積層段階で使用される。例え
ば、絶縁性基材20のバンプ52側の表面全体および/また
は導体回路50側の表面全体に塗布され、乾燥化された状
態の未硬化樹脂からなる接着剤層54として形成される。
接着剤層は、取扱が容易になるため、予備硬化(プレキ
ュア)しておくことが好ましく、その厚さは、5〜50μ
mの範囲が望ましい。
ことが望ましく、有機系接着剤としては、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリフェノレンエーテル
(PPE)、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との複合樹
脂、エポキシ樹脂とシリコーン掛脂との複合樹脂、BT
レジンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが
望ましい。有機系接着剤である未硬化樹脂の塗布方法
は、カーテンコータ、スピンコータ、ロールコータ、ス
プレーコート、スクリーン印刷などを使用できる。ま
た、接着剤層の形成は、接着剤シートをラミネートする
ことによってもできる。
の片面回路基板、たとえば4枚の基板を相互に積層して
多層プリント配線板を製造する一例について、図3およ
び図4を参照にして説明する。
互いに対向するように積層する( 図3参照) 。この重ね
合わせは、隣接する片面回路基板の突起状導体52と導体
回路50とが、あるいは突起状導体52と他の突起状導体52
とが対向するような位置に配置することにより行なわれ
る、すなわち、各片面回路基板の周囲に設けられたガイ
ドホールにガイドピン(図示せず)を挿通することで位
置合わせしながら行なわれる。また、位置合わせは、画
像処理にて行ってもよい。
いて150 〜200 ℃で加熱し、5〜100kg ・f/cm2 、望ま
しくは20〜50kg・f/cm2 で加熱プレスすることにより、
片面回路基板60〜66を、一度のプレス成形により一体化
し、多層プリント配線板を得る(図4参照)。
回路基板60のバンプ52が、未硬化の接着剤54を周囲に押
し出し、そのバンプ52が片面回路基板62の導体回路50に
当接して両者の電気的接続がなされる。同様に、片面回
路基板62のバンプ52が片面回路基板64のバンプ52と当接
して両者の電気的接続がなされ、片面回路基板66のバン
プ52は、片面回路基板64の導体回路50に当接して両者の
電気的接続がなされる。更に、加圧と同時に加熱するこ
とで、各片面回路基板60〜66の接着剤層54が硬化し、隣
接する片面回路基板との間で強固な接着が行われる。な
お、熱プレスとしては、真空熱プレスを用いることが好
適である。
板を一括して加熱加圧しながら、各片面回路基板の突起
状導体を接着剤層に嵌入・貫通せしめて、その突起状導
体と対向する前記導体回路あるいは他の突起状導体に接
続させて一体化することにより、多層プリント配線板が
製造される。上述した実施形態では、本発明による4層
の片面回路基板を用いて多層化したが、3層、5層ある
いは6層を超える多層プリント配線板の製造にも適用で
きる。更に、従来技術の方法で作成された片面プリント
基板、両面プリント基板、両面スルーホールプリント基
板、多層プリント基板等に本発明の片面回路基板を積層
して多層プリント配線板を製造することもできることは
勿論のことである。
H構造配線板の製造プロセスおよびその製造した結果に
ついて説明する。この全層IVH構造配線板の基本的な
製造プロセスは、先に説明した工程〜にしたがって
いる。 ( 実施例1) (1) エポキシ樹脂をガラスクロスに含潰させてBステ
ージとしたプリプレグの片面に、銅箔のマット面を内側
にし、他の片面に銅箔のシャイニー面を内側にして積層
したものを加熱プレスし、その後、後者の銅箔をエッチ
ングして除去することによって、片面の最大表面粗度が
4.2 μmのガラスエポキシ基材からなるリジッドな片面
銅張積層板を製作した。その樹脂面に、粘着剤層の厚み
が10μm、フィルム自体の厚みが12μmのPET フィルム
をラミネートし、その後、パルス発振型炭酸ガスレーザ
を用いて、ブラインドビア加工してから、銅箔を電極に
して電解銅めっきすることによりビアホール内部の大半
を銅めっき膜で充填する。
ストを用いて銅箔をエッチングすることによって配線パ
ターンを形成する。 (3) PET フィルムを印刷マスクにして導電性ペースト
を充填し、その後、プレキュアすることにより、ビアホ
ールの銅めっき層上に導電性バンプを形成する。
性バンプ側もしく導体回路側の全面に塗布してプレキュ
アして、多層化のための接着剤層を形成する。 (5) このようにして各層ごとに準備された4 層の片面
回路基板を所定の位置にスタックし、真空熱プレスを用
いて180 ℃の温度で積層プレスして全層IVH構造配線
板を作成した。
=75 μm/75 μm、ランド径が250μm、ビアホール口
径が150 μm、導体層の厚みが12μm、そして絶縁層の
厚みが75μmであった。本発明において、本質的に重
要な役割を果たすプロセスは、最大表面粗度が4.2μm
のガラスエポキシ基材からなるリジッドな片面銅張積層
板の樹脂面に、粘着剤層の厚みが10μm、フィルム自体
の厚みが12μmのPET フィルムをラミネートし、そのP
ETフィルム上からパルス発振型炭酸ガスレーザを照射
して、熱分解温度の差が大きいガラスエポキシ基材に、
良好なマイクロビアを形成することである。
ーク短パルス発振型炭酸ガスレーザ加工機を使用し、全
体として厚さ22μmのPET フィルムを樹脂面にラミネー
トした、銅箔厚さ12μm、基材厚75μmのガラスエポキ
シ片面銅張積層板に、マスクイメージ法でフィルム側か
らレーザビーム照射して400 穴/秒のスピードで、150
μmのブラインドビアを形成した。
粗度が8μmのガラスエポキシ基材を使用したこと以外
は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。 ( 比較例2)絶縁性基材として、最大表面粗度が8μm
のガラスエポキシ基材を使用し、粘着剤層の厚みが40μ
m、フィルム自体の厚みが12μmのPETフィルムを使
用したこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を
製造した。
よって製造された4層配線板について、樹脂面にラミネ
ートされたPETフィルムのピーリング強度と、製造さ
れた4層配線板においてデラミネーションが発生したか
どうかを調べた。その結果、実施例1においては、PE
Tフィルムのピーリング強度が約80g/cmであり、適
切な粘着力で樹脂面に貼付けられるとともに、樹脂面に
粘着剤層を残さないで剥離されるので、デラミネーショ
ンの発生も見られなかった。
ムのピーリング強度が約5g/cmと非常に小さく、ハ
ンドリング時に樹脂面から剥離してしまった。さらに、
比較例2においては、PETフィルムのピーリング強度
が実施例1とほぼ同様に約80g/cmであったが、フィ
ルム剥離後の樹脂面に、粘着剤の残りが観察され、この
ような樹脂基板を用いた片面配線板から4層配線板を製
造したところ、粘着剤残りが見られた周辺にデラミネー
ションが発生した。
回路基板は、絶縁性基材表面の少なくとも片面の最大表
面粗度Rmax が8μm未満であり、そのような絶縁性基
材を用いて片面回路基板を製造する際に、絶縁性基材の
表面に貼付けられる樹脂フィルムは、適切な粘着力で絶
縁性基材表面に維持されるとともに、剥離時には、その
粘着剤層が絶縁性基材の表面に残ることがない。したが
って、この片面回路基板を多層化しても、最終製品とし
ての多層プリント配線板において、デラミネーションの
発生を完全に防止することができ、全層IVH構造の高
密度多層プリント配線板を高い歩留りで効率よく製造す
ることができる。
図である
図である。
造する工程の一部を示す図である。
造する工程の一部を示す図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 絶縁性基材の一方の面に導体回路を有
し、この絶縁性基材の他方の面には前記導体回路に達す
るビアホールが形成されてなる片面回路基板において、 上記絶縁性基材の少なくとも片面の最大表面粗度Rmax
は、8μm未満であることを特徴とする片面回路基板。 - 【請求項2】 前記絶縁性基材は、厚さが20〜100 μm
のガラスエポキシ複合材料から形成されることを特徴と
する請求項1に記載の片面回路基板。 - 【請求項3】 前記ビアホールは、パルスエネルギーが
0.5 〜5.0 mJ、パルス幅が1〜20μs、パルス間隔が
2 ms以上、ショット数が3 〜10の条件で照射される炭
酸ガスレーザ開口に対して形成されたものであることを
特徴とする請求項2に記載の片面回路基板。 - 【請求項4】 上記絶縁性基材に形成されたビアホール
形成用開口には導電性物質が充填され、その導電性物質
充填位置に対応して突起状導体が形成されていることを
特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の片面回
路基板。 - 【請求項5】 絶縁性基材の一方の面に導体回路が形成
されると共に、その絶縁性基材の最大表面粗さが8μm
未満であるような他方の面には前記導体回路に達するビ
アホールが形成されるとともに、そのビアホールの直上
に突起状導体が形成された片面回路基板の製造に当たっ
て、その製造工程の中に、少なくとも以下の工程〜
、 上記絶縁性基材の他方の面に樹脂フィルムを貼り付け
る工程、 その樹脂フィルム上から、炭酸ガスレーザーを照射し
て、上記絶縁性基材にビアホール形成用の開口を形成す
る工程、 その開口内部に導電性物質を充填して、ビアホールを
形成する工程、 上記樹脂フィルムを印刷マスクとして、このビアホー
ルに対応する位置に、導電性ペーストあるいは低融点金
属を印刷して突起状導体を形成する工程と、 上記樹脂フィルムを絶縁基材から剥離させる工程、
とを含む片面回路基板の製造方法。 - 【請求項6】 上記絶縁性基材は、厚さが20〜100 μm
のガラスエポキシ複合樹脂であり、上記樹脂フィルム
は、粘着剤厚みが1 〜20μmで、フィルム厚みが10〜50
μmであるようなPETフィルムであることを特徴とす
る請求項5に記載の片面回路基板の製造方法。 - 【請求項7】 上記ビアホール形成用開口の開口径は、
50〜250 μmであることを特徴とする請求項5または6
に記載の片面回路基板の製造方法。 - 【請求項8】 上記導電性物質は、電解銅めっき処理に
よって形成された銅めっきであることを特徴とする請求
項5または6に記載の片面回路基板の製造方法。 - 【請求項9】 絶縁性基材の一方の面に導体回路を有
し、かつこの絶縁性基材の最大表面粗さが8μm未満で
あるような他方の面には導体回路に達するビアホールが
形成されるとともに、そのビアホールの直上には突起状
導体が形成された片面回路基板の複数枚を、隣接する片
面回路基板の突起状導体と導体回路とが、あるいは突起
状導体と突起状導体とが対向するような位置で接着剤層
を介して積層して、その積層された片面回路基板を、一
括して加熱加圧しながら、前記突起状導体を接着剤層に
嵌入・貫通せしめて、その突起状導体と対向する前記導
体回路あるいは突起状導体に接続させて一体化すること
を特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 【請求項10】 前記絶縁性基材は、厚さが20〜100 μ
mのガラスエポキシ複合材料から形成されることを特徴
とする請求項9に記載の片面回路基板。 - 【請求項11】 前記ビアホール形成は、前記絶縁性基
材の他方の表面にPETフィルムを貼付け、そのPET
フィルム上からパルスエネルギーが0.5 〜5.0 mJ、パ
ルス幅が1〜20μs、パルス間隔が2ms以上、ショッ
ト数が3〜10の条件で炭酸ガスレーザを照射して絶縁性
基材を貫通する開口を形成する工程を含んでいることを
特徴とする請求項9に記載の多層プリント配線板の製造
方法。 - 【請求項12】 上記ビアホール形成は、上記開口内へ
めっき導体を充填する工程を含んでいることを特徴とす
る請求項9に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 【請求項13】 前記突起状導体は、導電性ペーストあ
るいは低融点金属から形成されることを特徴とする請求
項9に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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