JP2001015919A - 多層プリント配線板用回路基板とその製造方法および多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板用回路基板とその製造方法および多層プリント配線板

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JP2001015919A
JP2001015919A JP18093699A JP18093699A JP2001015919A JP 2001015919 A JP2001015919 A JP 2001015919A JP 18093699 A JP18093699 A JP 18093699A JP 18093699 A JP18093699 A JP 18093699A JP 2001015919 A JP2001015919 A JP 2001015919A
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wiring board
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JP18093699A
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Akira Enomoto
亮 榎本
Takashi Kariya
隆 苅谷
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 IVH構造を有する多層プリント配線板の製
造に供される回路基板とその製造方法の提供。 【解決手段】 硬化した樹脂からなる絶縁性基材10の
両面に、半硬化状態の樹脂接着剤層12を介して樹脂フ
イルム14を粘着させ、その樹脂フイルム上からレーザ
照射を行って絶縁性基材を貫通する貫通孔16を形成
し、形成された貫通孔に導電性物質18を充填してビア
ホール20を形成し、樹脂フイルムを絶縁性基材の表面
から剥離させたのち、銅箔22を絶縁性基材の両面にそ
れぞれ加熱圧着して、樹脂接着剤を硬化させるととも
に、導電性物質と銅箔とを電気的に接続させ、銅箔をエ
ッチングすることによって導体回路24を有する片面回
路基板24を形成し、このような片面回路基板の複数枚
を積層し、接着剤を介して一括して加熱・加圧すること
によって多層プリント配線板を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターステシャ
ルビアホール(IVH)構造を有する多層プリント配線
板の製造に供される回路基板とその製造方法、および多
層プリント配線板についての提案である。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器の小型・軽量・高速・高
機能化の要求に応じて、従来のスルーホール構造の多層
プリント配線板に代えて、高密度配線化に対応し易いイ
ンターステシャルビアホール構造(以下、IVH構造と
略記する)を有する多層プリント配線板が提案されてい
る。
【0003】このIVH構造を有する多層プリント配線
板というのは、積層体を構成する各層間絶縁層に、導体
回路間を電気的に接続するビアホールが設けられている
構造のプリント配線板である。このようなプリント配線
板は、内層導体回路パターン相互間あるいは内層導体回
路パターンと外層導体回路パターン間が、配線基板を貫
通しないビアホール(べリードビアホールあるいはブラ
インドビアホール)によって電気的に接続されているこ
とが特徴である。それ故に、かかるIVH構造の多層プ
リント配線板は、スルーホールを形成するための領域を
特別に設ける必要がなく、各層間接続を微細なビアホー
ルだけで行うことができるため、電子機器の小型化、高
密度化、信号の高速伝搬を容易に実現することができる
ものと期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記I
VH構造の多層プリント配線板はその製造工程におい
て、絶縁性樹脂基材として、ガラス布にエポキシ樹脂を
含浸させたガラスエポキシプリプレグのような未硬化樹
脂を採用していることに起因する課題が未解決であっ
た。すなわち、プリプレグ上に銅箔を熱プレスによって
接着し、それをエッチングして導体回路を形成した回路
基板の複数枚を接着剤を介して積層し、その後、積層さ
れた回路基板を一括して熱プレスすることによって多層
化する際、硬化した樹脂が収縮するために、ビアホール
の位置がXY方向にずれるという現象が見られた。この
ような位置ずれに対処するには、ビアランド径を予め大
きくしておく必要があるため、精密な配線ができないと
いう問題があった。
【0005】そこで、本発明の主たる目的は、各層毎に
導体回路とビアホールとを有する回路基板の製造段階お
よびそれらを積層して多層化する段階で、ビアホールの
位置ずれを阻止して、高密度配線を可能とする多層プリ
ント配線板用回路基板とその製造方法を提案することに
ある。本発明の他の目的は、上記回路基板を用いた多層
プリント配線板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的
を実現するために鋭意研究した結果、従来のような未硬
化樹脂からなる絶縁性基材ではなく、硬化した樹脂から
なる樹脂基材をコア材として用いることによって、銅箔
の加熱プレス時におけるビアホールの位置ずれを阻止す
ることができることを見出し、以下の内容を要旨構成と
する本発明に想到した。
【0007】(1)すなわち、本発明は、絶縁性基材の
片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一
面から上記導体回路が形成された他の面に達するビアホ
ールが形成された多層プリント配線板用回路基板におい
て、上記絶縁性基材は、硬化された樹脂からなり、上記
ビアホールは、絶縁性基材の一面から上記導体回路に達
する貫通孔内に充填された導電性物質を含んで形成され
ることを特徴とする。上記回路基板において、硬化樹脂
材料としては、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビ
スマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニ
レンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂
基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材から選ばれ
るいずれかの硬質基材であることが好ましく、とくに、
厚さが、100 〜800 μmであるガラス布エポキシ樹脂基
材から形成されることが好ましい。また、上記ビアホー
ルは、パルスエネルギーが2.0 〜10.0mJ、パルス幅が
1〜100 μs、パルス間隔が0.5 ms以上、ショット数
が10〜50の条件で、ガラス布エポキシ樹脂基材の表面に
照射される炭酸ガスレーザによって形成された開口に対
して形成されたものであることが好ましい。
【0008】上記絶縁性基材に形成されたビアホールに
は導電性物質が充填されていることが好ましく、とく
に、導電性ペーストが印刷の手法によって充填されるの
が好ましい。なお、ビアホール内壁にめっきを施した後
に、上記導電性物質を充填してもよい。上記絶縁性基板
の両面に導体回路を有する回路基板においては、各ビア
ホールに対応した基板表面には、導体回路の一部として
のビアランド( パッド) が形成されることが好ましく、
そのランド径は50〜250 μmであることが好ましい。上
記絶縁性基板の片面に導体回路を有する回路基板におい
ては、各ビアホールの導電性物質充填位置の直上には、
突起状導体が形成されていることが好ましい。
【0009】(2)次に、本発明にかかる多層プリント
配線板用回路基板の製造方法は、絶縁性基材の一面から
他面に達する貫通孔にビアホールが形成されてなる多層
プリント配線板用回路基板を製造するに当たって、その
製造工程中に、少なくとも以下の〜の工程、すなわ
ち、 上記絶縁性基材を硬化状態にある樹脂から形成する工
程、 上記絶縁性基材の両面に半硬化状態の樹脂接着剤層を
介して樹脂フィルムを粘着させ、その樹脂フィルム上か
らレーザ照射を行って絶縁性基材を貫通する貫通孔を形
成し、その形成された貫通孔に導電性物質を充填してビ
アホールを形成する工程、 上記樹脂フィルムを絶縁性基材の表面から剥離させた
のち、銅箔を絶縁性基材の両面にそれぞれ加熱圧着し
て、樹脂接着剤を硬化させるとともに、導電性物質と銅
箔とを電気的に接続させる工程、 上記銅箔をエッチングする工程、とを含むことを特徴
とする
【0010】上記製造方法において、上記絶縁性基材
は、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミ
ドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテ
ル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラ
ミド不織布−ポリイミド樹脂基材から選ばれるいずれか
の硬質基材が好ましく、とくに、厚さが100 〜800 μm
のガラス布エポキシ樹脂基材であることが好ましい。ま
た、上記接着剤層の厚みが10〜50μmであり、上記樹脂
フィルムは、厚みが10〜50μmのPETフィルムである
ことが好ましい。また、上記ビアホール形成用開口の開
口径は、50〜250 μmであることが好ましく、その開口
内に充填される導電性物質は、導電性ペーストであるこ
とが好ましい。
【0011】(3)次に、本発明にかかる多層プリント
配線板は、請求項9に記載の製造方法により形成された
回路基板をコア基板とし、そのコア基板に対して、硬化
された樹脂から形成される積層用片面回路基板が、接着
剤層を介して積層され、その積層されたコア基板および
積層用片面回路基板が一括して加熱加圧されてなること
を特徴とする。
【0012】上記多層プリント配線板において、絶縁性
基材は、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレ
イミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエ
ーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、
アラミド不織布−ポリイミド基材から選ばれるいずれか
の硬質基材から形成されるのが好ましく、とくに、厚さ
が100 〜800 μmのガラス布エポキシ樹脂基材から形成
されることが好ましい。また、上記ビアホールは、絶縁
性基材の表面に、パルスエネルギーが2.0 〜10.0mJ、
パルス幅が1〜100 μs、パルス間隔が0.5 ms以上、
ショット数が10〜50の条件で炭酸ガスレーザを照射して
形成される開口に対して形成されることが好ましく、さ
らに、ビアホール形成用開口には、導電性物質が充填さ
れることが好ましい。また、上記コア用片面回路基板の
各ビアホールに対応した基板表面には、導体回路の一部
としてのビアランドが形成されることが好ましく、その
ビアホールランド径は50〜250 μmであることが好まし
い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明にかかる多層プリント配線
板用回路基板は、全層がIVH構造を有する多層プリント
配線板の製造に好適であり、絶縁性基材は、その片面ま
たは両面に導体回路を有し、絶縁性基材の一面から上記
導体回路が形成された他の面に達するビアホールが形成
された回路基板であって、その絶縁性基材は、硬化した
樹脂材料から形成される。両面に導体回路を有する回路
基板は、コア用回路基板として、片面に導体回路を有す
る回路基板は、積層用回路基板として形成されるのが、
好ましい実施の形態である。
【0014】このように、絶縁性基材を、従来のような
半硬化状態のプリプレグではなく、完全に硬化した樹脂
材料から形成することによって、絶縁性基材上へ銅箔を
熱プレスによって圧着させる際に、プレス圧による絶縁
性基材の最終的な厚みの変動がなくなるので、ビアホー
ルの位置ずれを最小限度に抑えて、ビアランド径を小さ
くできる。したがって配線ピッチを小さくして配線密度
を向上させることができる。また、硬化された樹脂基材
を絶縁性基材として用いるので、基材の厚みを実質的に
一定に保つことができ、ひいてはビアホール形成用開口
を形成する際のレーザ加工条件の設定が容易となる、す
なわち、穴あけが容易となる。
【0015】本発明において用いられる絶縁性基材とし
ては、厚さが100 〜800 μm のガラス布エポキシ基材が
用いられるのが好ましい。その理由は、100 μm未満の
厚さでは電気的絶縁性に対する信頼性が低くなり、800
μmを超える厚さではビアホール形成用開口が形成し難
くなると共に、基板そのものが厚くなるためである。ま
た、上記範囲の厚さを有するガラスエポキシ基板上に形
成されるビアホール形成用開口は、パルスエネルギーが
2.0 〜10.0mJ、パルス幅が1〜100 μs、パルス間隔
が0.5 ms以上、ショット数が10〜50の条件で照射され
る炭酸ガスレーザによって形成されることが好ましく、
その口径は、50〜250 μmの範囲であることが望まし
い。その理由は、50μm未満では開口に導電性物質を充
填し難くなると共に、接続信頼性が低くなるからであ
り、250 μmを超えると、高密度化が困難になるからで
ある。
【0016】このような炭酸ガスレーザによる開口形成
の前に、絶縁性基材の片面または両面に半硬化状態の樹
脂接着剤層を介して樹脂フィルムを粘着させ、その樹脂
フィルム上からレーザ照射を行うのが望ましい。この樹
脂接着剤は、後述するような銅箔を絶縁性基材の表面に
接着するためのものであり、たとえば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂から形成され、その厚みは10〜50μm
の範囲が好ましい。また、樹脂接着剤層の上に貼付けら
れる樹脂フィルムは、ビアホール形成用の貫通孔内に導
電性ペーストを充填し、かつその直上にバンプを形成す
るための印刷用マスクとして機能し、絶縁性基材に貫通
孔を形成した後は、接着剤層から剥離されるような粘着
剤層を有する。この樹脂フィルムは、たとえば、粘着剤
層の厚みが1 〜20μmであり、フィルム自体の厚みが10
〜50μmであるPETフィルムから形成されるのが好ま
しい。その理由は、PET フィルムの厚さに依存して後述
する突起状導体の高さが決まるので、10μm未満の厚さ
では突起状導体が低すぎて接続不良になりやすく、逆に
50μmを超えた厚さでは、接続界面で突起状導体が拡が
りすぎるので、ファインパターンの形成ができないから
である。
【0017】上記絶縁性基材を貫通する貫通孔内部に充
填される導電性物質としては、導電性ペーストや電解め
っき処理によって形成される金属めっきが好ましいが、
工程をシンプルにして、製造コストを低減させ、歩留ま
りを向上させるためには、導電性ペーストの充填が好適
である。絶縁性基材の片面または両面に形成される導体
回路は、厚さが5 〜18μmの銅箔を半硬化状態を保持さ
れた樹脂接着剤層を介して熱プレスした後、適切なエッ
チング処理をすることによって形成されるのが好まし
い。このような熱プレスは、適切な温度および加圧力の
もとで行なわれる。より好ましくは、減圧下において行
なわれ、半硬化状態の樹脂接着剤層のみを硬化すること
によって、銅箔を絶縁性基材に対してしっかりと接着さ
れ得るので、従来のプリプレグを用いた回路基板に比べ
て製造時間が短縮される。
【0018】このような導体回路が絶縁性基材の両面に
形成されるような回路基板は、多層プリント配線板を形
成する際のコア基板として適切であるが、各ビアホール
に対応した基板表面には、導体回路の一部としてのビア
ランド( パッド) が、その口径が50〜250 μmの範囲に
形成されるのが好ましい実施の形態である。また、導体
回路が絶縁性基材の片面に形成されるような回路基板
は、積層用回路基板として適切であり、ビアホールに充
填された導電性物質の位置の真上に突起状導体が形成さ
れることが好ましい実施の形態である。上記突起状導体
は、導電性ペーストや低融点金属から形成されることが
好ましく、多層プリント配線板を製造する際の、加熱プ
レス工程において、導電性ペーストあるいは低融点金属
が熱変形するので、前記ビアホール内に充填される導電
性物質の高さのばらつきを吸収することができ、それ故
に、接続不良を防止して接続信頼性に優れた多層プリン
ト配線板を得ることができる。
【0019】以下、本発明にかかる多層プリント配線板
の製造方法について、添付図面を参照して具体的に説明
する。 (1) 本発明にかかる多層プリント配線板を製造するに当
たって、完全に硬化した絶縁性基材10を出発材料として
用いる。この絶縁性基材10は、たとえば、ガラス布エポ
キシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂
基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラ
ミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリ
イミド樹脂基材から選ばれるリジッド(硬質)な積層基
材が使用され、ガラス布エポキシ樹脂基材が最も好まし
い。上記絶縁性基材10の厚さは、20〜100 μmが望まし
い。その理由は、絶縁性を確保するためである。20μm
未満の厚さでは強度が低下して取扱が難しくなり、100
μmを超えると微細なビアホールの形成および導電性物
質の充填が難しくなるからである。
【0020】(2) このような絶縁性基材10の両面に半硬
化状態の接着剤、すなわちBステージの接着剤層12を設
け( 図1(a) 参照) 、さらに、その接着剤層12の上に保
護フィルム14を貼付ける(図1(b) 参照)。この接着剤
12は導体回路を形成する銅箔を接着するためのものであ
り、たとえば、エポキシ樹脂ワニスが使用され、その層
厚は10〜50μmの範囲が好ましい。この保護フィルム14
は、後述する導電性ペーストの印刷用マスクとして使用
され、たとえば、表面に粘着層を設けたポリエチレンテ
レフタレート(PET )フィルムが使用され得る。前記P
ETフィルム14は、粘着剤層の厚みが1〜20μm、フィ
ルム自体の厚みが10〜50μmであるようなものが使用さ
れる。
【0021】ついで、絶縁性基材10上に貼付けられたP
ETフィルム14上からレーザ照射を行って、絶縁性基材
を貫通するビアホール形成用開口16を形成する(図1(
c)参照)。このレーザ加工は、パルス発振型炭酸ガス
レーザ加工装置によって行われる。加工条件は、、パル
スエネルギーが2.0 〜10.0mJ、パルス幅が1〜100 μ
s、パルス間隔が0.5 ms以上、ショット数が10〜50の
範囲内であることが望ましい。このような加工条件のも
とで形成され得る開口16の開口径は、50〜250 μmであ
ることが望ましい。その後、開口16の内壁面に残留する
樹脂を取り除くために、酸素プラズマ放電処理、コロナ
放電処理等のデスミア処理を行うことが、接続信頼性確
保の点で望ましい。
【0022】(3) 次に、(2) の工程においてPETフィ
ルム14に形成された開口からビアホール形成用開口16内
に、導電性ペースト18を印刷によって充填してビアホー
ル20を形成する(図1( d) 参照)。この際、PETフ
ィルム14は、印刷用マスクとして機能する。この実施の
形態においては、導電性ペースト18は、PETフィルム
14を貫通して形成された開口と、接着剤層12を貫通して
形成された開口と、絶縁性基材を貫通して形成された開
口16のほとんど全ての隙間に充填される。上記導電性ペ
ーストは、銀、銅、金、ニッケル、半田から選ばれる少
なくとも1種以上の金属粒子からなる導電性ペーストを
使用できる。また、前記金属粒子としては、金属粒子の
表面に異種金属をコーティングしたものも使用できる。
具体的には鋼粒子の表面に金、銀から選ばれる貴金属を
被覆した金属粒子を使用することができる。
【0023】このような導電性ペーストとしては、金属
粒子に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性
樹脂、ポリフェニレンスルフイド(PPS)などの熱可
塑性樹脂を加えた有機系導電性ペーストが望ましい。ま
た、上記導電性ペーストに代えて、低融点金属である半
田ペーストを用いて印刷する方法、半田めっきを行う方
法、あるいは半田溶融液に浸漬する方法により、導電性
物質を開口内に形成することもでき、低融点金属として
は、Pb−Sn系はんだ、Ag−Sn系はんだ、インジ
ウムはんだ等を使用することができる。
【0024】(4) その後、PETフィルム14を接着剤層
12の表面から剥離させたのち(図1(e) 参照)、銅箔2
2を樹脂接着剤層12を介して絶縁性基材10の両面に熱プ
レスによって圧着して、樹脂接着剤12を硬化させる(図
1(f) 参照)。その際、銅箔22は硬化した樹脂接着剤12
を介して絶縁性基材10に接着され、導電性ペースト18と
銅箔20とが電気的に接続される。銅箔22の厚さは、5〜
18μmが望ましい。その理由は、レーザ加工で絶縁性基
材にビアホール形成用開口を形成する際に、薄すぎると
貫通してしまうからであり、逆に厚すぎるとエッチング
により、ファインパターンを形成し難いからである。
【0025】(5) ついで、銅箔22上にエッチング保護フ
ィルムを貼付して、所定パターンのマスクを披覆した
後、エッチング処理を行って導体回路24(ビアランドを
含む)を形成する(図1(g) 参照)。この処理工程にお
いては、先ず、銅箔22の表面に感光性ドライフィルムレ
ジストを貼付するか、液状感光性レジストを塗布した
後、所定の回路パターンに沿って露光、現像処理してエ
ッチングレジストを形成した後、エッチングレジスト非
形成部分の金属層をエッチングして、ビアランドを含ん
だ導体パターン24を形成する。エッチング液としては、
硫酸一過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第二鉄
の水溶液から選ばれる少なくとも1 種の水溶液が望まし
い。上記銅箔22をエッチングして導体回路24を形成する
前処理として、ファインパターンを形成しやすくするた
め、あらかじめ、銅箔22の表面全面をエッチングして厚
さを1〜10μm、より好ましくは2〜8μm程度まで薄
くすることができる。導体回路の一部としてのビアラン
ドは、その内径がビアホール径とほぼ同様であるが、そ
の外径は、50〜250 μmの範囲に形成されることが好ま
しい。
【0026】(6) エッチング処理の後、処理工程(5) に
おいて形成した導体回路24の表面を粗化処理して(粗化
層の表示は省略する)、コア用回路基板30を形成する。
この粗化処理は、多層化する際に、接着剤層との密着性
を改善し、剥離(デラミネーション)を防止するためで
ある。粗化処理方法としては、例えば、ソフトエッチン
グ処理や、黒化(酸化)一還元処理、銅−ニッケルーリ
ンからなる針状合金めっき(荏原ユージライト製:商品
名インタープレート)の形成、メック社製の商品名「メ
ックエッチボンド」なるエッチング液による表面粗化が
ある。
【0027】この実施形態においては、上記粗化層の形
成は、エッチング液を用いて形成されるのが好ましく、
たとえば、導体回路の表面を第二銅錯体と有機酸の混合
水溶液からエッチング液を用いてエッチング処理するこ
とによって形成することができる。かかるエッチング液
は、スプレーやバブリングなどの酸素共存条件下で、銅
導体回路を溶解させることができ、反応は、次のように
進行するものと推定される。 Cu+Cu(II)An →2Cu(I)An/2 2Cu(I)An/2 +n/4O2 +nAH (エアレー
ション)→2Cu(II)An +n/2H2 O 式中、Aは錯化剤(キレート剤として作用)、nは配位
数を示す。
【0028】この式に示されるように、発生した第一銅
錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体
となって、再び銅の酸化に寄与する。本発明で用いられ
る第二銅錯体は、アゾール類の第二銅錯体がよい。この
有機酸−第二銅錯体からなるエッチング液は、アゾール
類の第二銅錯体および有機酸(必要に応じてハロゲンイ
オン)を、水に溶解して調製することができる。このよ
うなエッチング液は、たとえば、イミダゾール銅(II)錯
体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5
重量部を混合した水溶液から形成される。
【0029】(7) 次に、前記(6) の工程にて形成したコ
ア用回路基板に積層される回路基板を製造する。この積
層用片面回路基板の製造に当たって、片面に金属層42の
形成された絶縁性基材40を出発材料として用いる(図2
( A) 参照)。使用する絶縁性基材40としては、コア用
回路基板と同様に、完全に硬化した樹脂材料から形成さ
れ、たとえば、ガラス布エポキシ樹脂基材、アラミド不
織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド
基材、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基材から選ばれ
るリジッド(硬質)な積層基材が使用される。特に、ガ
ラス布エポキシ樹脂基材が好ましい。また、絶縁性基材
40の一方の表面に形成された金属層42は、銅箔を使用で
きる。銅箔は密着性改善のため、マット処理されていて
もよく、また絶縁性基材40の表面に、金属を蒸着した
後、電解めっき処理を施して形成した銅めっきを、金属
層42とすることもできる。
【0030】上記絶縁性基材40の厚さは、100 〜800 μ
mが望ましい。その理由は、絶縁性を確保するためであ
る。100 μm未満の厚さでは電気的絶縁性に対する信頼
性が低くなり、800 μmを超えると微細なビアホールの
形成および導電性物質の充填が難しくなるからである。
一方、金属層42の厚さは、5〜18μmが望ましい。その
理由は、レーザ加工で絶縁性基材にビアホール形成用開
口を形成する際に、薄すぎると貫通してしまうからであ
り、逆に厚すぎるとエッチングにより、ファインパター
ンを形成し難いからである。上記絶縁性基材40および金
属層42としては、特に、エポキシ樹脂をガラスクロスに
含潰させてBステージとしたプリプレグと、銅箔とを積
層して加熱プレスすることにより得られる片面銅張積層
板を用いることが好ましい。その理由は、金属層42がエ
ッチングされた後の取扱中に、配線パターンやビアホー
ルの位置がずれることがなく、位置精度に優れるからで
ある。
【0031】(8) 次に、絶縁性基材40の金属層42形成面
と反対側の表面に保護フィルム44を貼付する(図2(a)
参照)。この保護フィルム44は、表面に粘着層を設けた
ポリエチレンテレフタレート(PET )フィルムが使用さ
れ得る。
【0032】(9) ついで、絶縁性基材40の保護フィルム
44上からレーザ照射を行って、保護フィルム44および絶
縁性基材40を貫通して金属層42に至るビアホール形成用
開口46を形成する(図2(b) 参照)。この開口46の形成
は、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置によって行わ
れる。このようなビアホール形成用開口46の加工条件
は、パルスエネルギーが2.0 〜10.0mJ、パルス幅が1
〜100 μs、パルス間隔が0.5 ms以上、ショット数が
10〜50の範囲であることが望ましく、このような加工条
件のもとで形成される開口46の開口径は、50〜250 μm
であることが望ましい。その後、開口46の内壁面に残留
する樹脂を取り除くために、酸素プラズマ放電処理、コ
ロナ放電処理等のデスミア処理を行うことが、接続信頼
性確保の点で望ましい。
【0033】(10) 次に、レーザ加工で形成したビアホ
ール形成用開口46内に、導電性物質48を充填してビアホ
ール49を形成する。このような導電性物質48は、保護フ
ィルム44を印刷用マスクとして充填される導電性ペース
トや、金属層42をめっきリードとする電解めっき処理に
よって充填される電解めっき等があるが、処理工程(3)
にしたがって、導電性ペーストの充填により形成される
のが好ましい。
【0034】(11) その後、絶縁性基材40に貼付した保
護フィルム44の上に、さらにエッチング保護フィルム50
を貼付し(図2( c) 参照)、一方、金属層42には所定
パターンのマスクで披覆した後、処理工程(5) と同様に
したがうエッチングを行って、導体回路52を形成する
(図2(d) 参照)。この処理工程においては、先ず、金
属層42の表面に感光性ドライフィルムレジストを貼付す
るか、液状感光性レジストを塗布した後、所定の回路パ
ターンに沿って露光、現像処理してエッチングレジスト
を形成した後、エッチングレジスト非形成部分の金属層
42をエッチングして導体パターン52を形成する。
【0035】(12) エッチング処理の後、保護フィルム
44および50を剥離し(図2(e) 参照)、必要に応じて、
導体回路52の表面を粗化処理する。この粗化処理は、多
層化する際に、接着剤層との密着性を改善し、剥離(デ
ラミネーション)を防止するためであり、その粗化処理
方法は、上記処理工程(6) にしたがって行う。
【0036】絶縁性基板40から保護フィルム50を剥離し
た状態においては、開口46内に充填した導電性物質48
は、絶縁性基板40の表面から保護フィルム44の厚さ分だ
け突出しており、この突出部分53(以下、「突起状導
体」という)の高さは、10〜40μmの範囲が望ましい。
その理由は、10μm未満では、接続不良を招きやすく、
40μmを越えると抵抗値が高くなると共に、加熱プレス
工程において突起状導体が熱変形した際に、絶縁性基板
の表面に沿って拡がりすぎるので、ファインパターンが
形成できなくなるからである。また、上記導電ペースト
から形成される突起状導体は、プレキュアされた状態で
あることが望ましい。その理由は、突起状導体は半硬化
状態でも硬いので、後述するような積層プレスの段階で
軟化した有機系接着剤層を貫通し、積層される他の回路
基板のビアホールと電気的接触が可能となるからであ
る。また、加熱プレス時に変形して接触面積が増大し、
導通抵抗を低くすることができるだけでなく、突起状導
体の高さのばらつきを是正することができる。
【0037】(13) 次いで、絶縁性基材40の突起状導体
53側の表面に樹脂接着剤54を塗布する(図2( f) 参
照)。本発明による多層プリント配線板用回路基板は、
それらの複数枚が相互に積層接着されたり、予め製造さ
れたコア用回路基板に積層接着されて多層化されるが、
接着剤はこのような積層段階で使用される。例えば、絶
縁性基材40の突起状導体53側の表面全体および/または
導体回路52側の表面全体に塗布され、乾燥化された状態
の未硬化樹脂からなる接着剤層54として形成される。こ
の接着剤層は、取扱が容易になるため、プレキュアして
おくことが好ましく、その厚さは、5〜50μmの範囲が
望ましい。
【0038】前記接着剤層54は、有機系接着剤からなる
ことが望ましく、有機系接着剤としては、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリフェノレンエーテル
(PPE)、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との複合樹
脂、エポキシ樹脂とシリコーン掛脂との複合樹脂、BT
レジンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが
望ましい。有機系接着剤である未硬化樹脂の塗布方法
は、カーテンコータ、スピンコータ、ロールコータ、ス
プレーコート、スクリーン印刷などを使用できる。ま
た、接着剤層の形成は、接着剤シートをラミネートする
ことによってもできる。
【0039】上記導体回路の形成直後に、その導体回路
52やビアホール49の検査が可能であり、積層する前に不
良個所の有無を検査することかできる。上記コア用片面
回路基板に対する積層段階では、不良のない片面回路基
板のみを用いることができるので、多層プリント配線板
を高い歩留まりで製造することができる。
【0040】上記(1) 〜(13)の工程によって製造された
複数の片面回路基板、たとえば4枚の基板を相互に積層
して多層プリント配線板を製造する一例について、図3
および図4を参照にして説明する。まず、コア用片面回
路基板30と積層用片面回路基板32、34および36を互いに
対向するように積層する( 図3参照) 。この重ね合わせ
は、隣接する片面回路基板の突起状導体53と導体回路52
とが、対向するような位置に配置することにより行なわ
れる、すなわち、各片面回路基板の周囲に設けられたガ
イドホールにガイドピン(図示せず)を挿通することに
より、位置合わせしながら行なわれる。また、位置合わ
せは、画像処理にて行ってもよい。
【0041】上記積層された4層基板を、熱プレスを用
いて150 〜200 ℃で加熱し、5〜100kg ・f/cm2 、望ま
しくは20〜50kg・f/cm2 で加熱プレスすることにより、
片面回路基板30〜36を、一度のプレス成形により一体化
し、多層プリント配線板を得る(図4参照)。ここで
は、先ず、加圧されることで、積層用片面回路基板32の
突起状導体53が、未硬化の接着剤54を周囲に押し出し、
その突起状導体53がコア用片面回路基板30の導体回路52
に当接して両者の電気的接続がなされる。同様に、積層
用片面回路基板34のバンプ52が積層用片面回路基板32の
導体回路52と当接して両者の電気的接続がなされ、積層
用片面回路基板36の突起状導体53は、コア用片面回路基
板30の導体回路52に当接して両者の電気的接続がなされ
る。
【0042】更に、加圧と同時に加熱することで、各片
面回路基板30〜36の接着剤層54が硬化し、隣接する片面
回路基板との間で強固な接着が行われる。なお、熱プレ
スとしては、真空熱プレスを用いることが好適である。
このように、積層された4 層の片面回路基板を一括して
加熱加圧しながら、各片面回路基板の突起状導体を接着
剤層に嵌入・貫通せしめて、その突起状導体と対向する
前記導体回路に接続させて一体化することにより、多層
プリント配線板が製造される。上述した実施形態では、
本発明による4層の片面回路基板を用いて多層化した
が、3層、5層あるいは6層を超える多層プリント配線
板の製造にも適用できる。
【0043】
【実施例】以下、本発明にしたがって製造した全層IV
H構造配線板の製造プロセスおよびその製造した結果に
ついて説明する。この全層IVH構造配線板の基本的な
製造プロセスは、先に説明した工程(1) 〜(13)にしたが
っている。 ( 実施例1) (1) 硬化されたガラス布エポキシ樹脂基材(FR-4、0.
2 mm)からなる絶縁基材の両面に接着剤(FR-4ワニ
ス)を塗布し、100 ℃で30分間の乾燥を行って厚さ20μ
mの接着剤層を形成し、さらにその接着剤層の上に、厚
みが10μmの粘着剤層を有し、フィルム自体の厚みが12
μmのPET フィルムをラミネートする。 (2) 次いで、PET フィルム上からパルス発振型炭酸ガ
スレーザを照射してビアホール形成用の貫通孔を形成
し、さらにPET フィルムを印刷マスクとして、貫通孔内
部に導電性ペーストを充填して、ビアホールとその真上
に位置する突起状導体とを同時に形成する。
【0044】(3) PET フィルムを接着剤層から剥離し
た後、厚さ12μmの銅箔を、加熱温度180 ℃、加熱時間
70分、圧力20kgf/cm2 、真空度20Torrの条件のも
とで、接着剤層上に加熱プレスする。 (4) その後、銅箔に適切なエッチング処理を施して、
導体回路およびビアランドを形成して、コア用片面回路
基板を作製した。
【0045】(5) 次に、積層用の片面回路基板を作製
する。この回路基板は、エポキシ樹脂をガラスクロスに
含潰させてBステージとしたプリプレグと、銅箔とを積
層して加熱プレスすることにより得られる片面銅張積層
板を基板として用いる。絶縁性基材の厚さは20〜200 μ
m、銅箔の厚さは、5〜18μmである。この積層板の銅
箔形成面と反対側の表面に、厚みが10μmの粘着剤層を
有し、フィルム自体の厚みが12μmのPET フィルムをラ
ミネートする。 (6) ついで、PET フィルム上から炭酸ガスレーザ照射
を行って、PET フィルムおよび絶縁性基材を貫通して銅
箔に至るビアホール形成用開口を形成し、さらにPET フ
ィルムを印刷マスクとして、開口内部に導電性ペースト
を充填して、ビアホールとその真上に位置する突起状導
体とを同時に形成する。
【0046】(7) 上記絶縁性基材のビアホール側の表
面に、エッチング保護フィルムとして、厚さ22μmのPE
T フィルムを貼付けた後、絶縁性基材のビアホールと反
対側の表面に貼付けた銅箔に適切なエッチング処理を施
して、導体回路を形成する。 (8) その後、PET フィルムをすべて絶縁性基材から剥
離し、エポキシ樹脂接着剤を突起状導体側の全面に塗布
してプレキュアして、多層化のための接着剤層を形成す
る。このような積層用片面回路基板を3枚作製する。
【0047】(9) 上記(1)〜(7)の処理によって形成
された、4層の片面回路基板を所定の位置にスタック
し、真空熱プレスを用いて180 ℃の温度で積層プレスし
て全層IVH構造配線板を作成した。製造された4層配
線板においては、L/S=75μm/75μm、ランド径が
250μm、ビアホール口径が150 μm、導体層の厚みが1
2μm、そして絶縁層の厚みが75μmであった。
【0048】本発明において、本質的に重要な役割を果
たすプロセスは、完全に硬化したガラス布エポキシ樹脂
基材からなる樹脂面または片面銅張積層板の樹脂面に、
PETフィルムをラミネートし、そのPETフィルム上か
らパルス発振型炭酸ガスレーザを照射して、熱分解温度
の差が大きいガラス布エポキシ樹脂基材に、良好なマイ
クロビアを形成した片面回路基板の複数枚を、接着剤を
介して積層し、その後、一括して熱プレスすることによ
って多層化することである。この実施例においては、三
菱電機製の高ピーク短パルス発振型炭酸ガスレーザ加工
機を使用し、全体として厚さ22μmのPET フィルムを樹
脂面にラミネートした、基材厚400 μmのガラス布エポ
キシ樹脂基材に、マスクイメージ法でPET フィルム側か
らレーザビーム照射して100 穴/秒のスピードで、150
μmのビアホールを形成した。
【0049】( 比較例1)絶縁性基材として、未硬化ガ
ラス布エポキシプリプレグを使用し、Bステージ樹脂接
着剤を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て4層配線板を製造した。
【0050】( 比較例2)絶縁性基材として、未硬化ア
ラミド不織布エポキシプリプレグを使用し、Bステージ
樹脂接着剤を付与しなかったこと以外は、実施例1と同
様にして4層配線板を製造した。
【0051】上記実施例1、比較例1および比較例2に
よって製造された4層配線板について、プレスでの寸法
変化率を調べた。その結果、実施例1においては、0.00
5 %以上の寸法変化が見られなかった。また、比較例1
および2においては、0.01%以上の寸法変化が見られ、
さらにビアホール/ランドの位置ずれが生じていること
が観察された。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
絶縁性基材を完全に硬化した樹脂材料から形成するの
で、Bステージ樹脂からなるプリプレグに比べて、寸法
安定性において優れた回路基板を提供することができ
る。したがって、各層毎に導体回路とビアホールとを有
する回路基板の製造段階およびそれらを積層して多層化
する段階で、ビアホールの位置ずれを最小限に抑えるこ
とができるので、ビアランド径を最小限とすることがで
き、ひいてはIVH構造の高密度多層プリント配線板を
高い歩留りで効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板用回路基板の製造
工程の一部を示す図である
【図2】本発明の多層プリント配線板用回路基板の製造
工程の一部を示す図である。
【図3】本発明による片面回路基板を用いて4層配線板
を製造する工程の一部を示す図である。
【図4】本発明による片面回路基板を用いて4層配線板
を製造する工程の一部を示す図である。
【符号の説明】
10 絶縁性基材 12 樹脂接着剤 14、44 PETフィルム 16 ビアホール形成用貫通孔 18、48 導電性ペースト 20、49 ビアホール 22、42 銅箔 24、52 導体回路 30 コア用片面回路基板 32、34、36 積層用片面回路基板 46 ビアホール形成用開口 49 エッチング保護フィルム 53 突起状導体 54 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610H 1/11 1/11 N 3/00 3/00 N 3/40 3/40 K Fターム(参考) 5E317 AA21 AA24 BB02 BB03 BB12 CC25 CD21 CD25 CD27 CD32 5E346 AA43 CC04 CC05 CC08 CC09 CC10 CC32 EE13 FF18 FF23 GG15 GG22 HH07 HH08 HH31

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基材の片面または両面に導体回路
    を有し、この絶縁性基材の一面から上記導体回路が形成
    された他の面に達するビアホールが形成された多層プリ
    ント配線板用回路基板において、 上記絶縁性基材は、硬化された樹脂からなり、上記ビア
    ホールは、絶縁性基材の一面から上記導体回路に達する
    貫通孔内に充填された導電性物質を含んで形成されるこ
    とを特徴とする多層プリント配線板用回路基板。
  2. 【請求項2】 上記絶縁性基材は、ガラス布エポキシ樹
    脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、
    ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不
    織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド
    樹脂基材、から選ばれるいずれかの硬質基材から形成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配
    線板用回路基板。
  3. 【請求項3】 上記絶縁性基材は、厚さが100 〜800 μ
    mであるガラス布エポキシ樹脂基材であることを特徴と
    する請求項2に記載の多層プリント配線板用回路基板。
  4. 【請求項4】 上記ビアホールは、パルスエネルギーが
    2.0 〜10.0mJ、パルス幅が1〜100 μs、パルス間隔
    が0.5 ms以上、ショット数が10〜50の条件で、上記ガ
    ラスエポキシ樹脂基材に照射される炭酸ガスレーザ開口
    に対して形成されたものであることを特徴とする請求項
    3に記載の多層プリント配線板用回路基板。
  5. 【請求項5】 上記絶縁性基板の両面に導体回路を有す
    る回路基板においては、各ビアホールに対応した基板表
    面には、導体回路の一部としてのビアランドが形成され
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の多層プリント配線板用回路基板。
  6. 【請求項6】 上記ビアホールランド径は50〜250 μm
    であることを特徴とする請求項5に記載の多層プリント
    配線板用回路基板。
  7. 【請求項7】 上記絶縁性基材の片面に導体回路を有す
    る多層プリント配線板用回路基板において、上記ビアホ
    ールの直上には突起状導体が形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の多層プリン
    ト配線板用回路基板。
  8. 【請求項8】 絶縁性基材の一面から他面に達する貫通
    孔にビアホールが形成されてなる多層プリント配線板用
    回路基板を製造するに当たって、その製造工程中に、少
    なくとも以下の〜の工程、すなわち、 上記絶縁性基材を硬化状態にある樹脂から形成する工
    程、 上記絶縁性基材の両面に半硬化状態の樹脂接着剤層を
    介して樹脂フィルムを粘着させ、その樹脂フィルム上か
    らレーザ照射を行って絶縁性基材を貫通する貫通孔を形
    成し、その形成された貫通孔に導電性物質を充填してビ
    アホールを形成する工程、 上記樹脂フィルムを絶縁性基材の表面から剥離させた
    のち、銅箔を絶縁性基材の両面にそれぞれ加熱圧着し
    て、樹脂接着剤を硬化させるとともに、導電性物質と銅
    箔とを電気的に接続させる工程、 上記銅箔をエッチングする工程、とを含むことを特徴
    とする多層プリント配線板用回路基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記絶縁性基材は、厚さが100 〜800 μ
    mのガラス布エポキシ樹脂であり、上記樹脂接着剤層の
    厚みが10〜50μmであり、上記樹脂フィルムの厚みが10
    〜50μmであることを特徴とする請求項8に記載の片面
    回路基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記ビアホール形成用の貫通孔の口径
    は、50〜250 μmであることを特徴とする請求項8また
    は9に記載の片面回路基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記導電性物質は、導電性ペーストで
    あることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに
    記載の片面回路基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の製造方法により形成
    された回路基板をコア基板とし、そのコア基板に対し
    て、硬化された樹脂から形成される積層用片面回路基板
    が、接着剤層を介して積層され、その積層されたコア基
    板および積層用片面回路基板が一括して加熱加圧されて
    なる多層プリント配線板。
  13. 【請求項13】 上記積層用片面回路基板の絶縁性基材
    は、厚さが100 〜800 μmのガラス布エポキシ基材から
    形成されることを特徴とする請求項12に記載の多層プ
    リント配線板。
  14. 【請求項14】 上記積層用片面回路基板のビアホール
    は、前記絶縁性基材の表面に、パルスエネルギーが2.0
    〜10.0mJ、パルス幅が1〜100 μs、パルス間隔が0.
    5 ms以上、ショット数が10〜50の条件で炭酸ガスレー
    ザを照射して形成される開口に対して形成されることを
    特徴とする請求項13に記載の多層プリント配線板。
  15. 【請求項15】 上記ビアホール開口には、導電性物質
    が充填されていることを特徴とする請求項12に記載の
    多層プリント配線板。
  16. 【請求項16】 上記片面回路基板の各ビアホールに対
    応した基板表面には、導体回路の一部としてのビアラン
    ドが形成されることを特徴とする請求項12〜15のい
    ずれかに記載の多層プリント配線板用回路基板。
  17. 【請求項17】 上記ビアホールランド径は50〜250 μ
    mであることを特徴とする請求項16に記載の多層プリ
    ント配線板用回路基板。
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