JP2001013720A - 二成分系現像剤 - Google Patents

二成分系現像剤

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JP2001013720A JP18087699A JP18087699A JP2001013720A JP 2001013720 A JP2001013720 A JP 2001013720A JP 18087699 A JP18087699 A JP 18087699A JP 18087699 A JP18087699 A JP 18087699A JP 2001013720 A JP2001013720 A JP 2001013720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性に優れ、高温までホットオフセッ
トが発生せず、広い定着温度領域を示し、高い画像濃度
のカブリの少ない画像を使用環境によらず長期にわたり
安定して得ることのできる二成分系現像剤を提供するこ
と。 【解決手段】 トナーの結着樹脂は、ビニル系樹脂、
ポリエステル樹脂、及びビニル系重合体ユニットとポリ
エステルユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含
み、THF可溶分を50〜85%、不溶分を15〜50%、
酢酸エチル可溶分を40〜98%、不溶分を2〜60%、ク
ロロホルム可溶分を55〜90%、不溶分を10〜45%含有
し、且つ、酢酸エチル不溶分とクロロホルム不溶成分
との比の値が1.1〜4.0であり、キャリアは、特定の磁性
フェライト成分で形成されている磁性キャリア芯材粒子
と該粒子を被覆する樹脂被覆層とを有する二成分系現像
剤。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法及び静
電写真法等における静電荷像を現像するための二成分系
現像剤に関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真法としては、米国特許第2,2
97,691号明細書、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報に記載されている如
く多数の方法が知られている。一般には、光導電性物質
を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成
し、次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に
応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加
熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気により転写材に定着
し、トナー画像を得るものである。上述の最終工程であ
るトナー画像を転写材としてのシートに定着する工程に
関して、種々の方法や装置が開発されている。現在最も
一般的な方法は、熱ローラー又は耐熱フィルムを介した
固定発熱ヒータによる圧着加熱方式である。 【0003】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー画像面とを加圧下で接触しながら、被定着シ
ートを通過せしめることによりトナー画像の定着を行な
うものである。この方法は、熱ローラーの表面と被定着
シート上のトナー画像とが加圧下で接触するため、トナ
ー画像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて
良好であり、迅速に定着を行うことができる。 【0004】しかしながら、加熱ローラー表面とトナー
画像とが溶融状態、加圧下で接触するために、トナー画
像の一部が定着ローラー表面に付着し転移し、次の被定
着シートにこれが再転移し、被定着シートを汚すとい
う、所謂、オフセット現象が定着速度及び定着温度の影
響を大きく受ける。一般に、定着速度が遅い場合は、加
熱ローラーの表面温度は比較的低く設定され、定着速度
が速い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的高く設
定される。これは、トナーを定着させるために加熱ロー
ラーからトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ
一定にするためである。 【0005】被定着シート上のトナー画像は、何層かの
トナー粒子層を形成しているため、特に定着速度が速
く、加熱ローラーの表面温度が高い系においては、加熱
ローラーに接触するトナー粒子層と、被定着シートに接
触している最下層のトナー粒子層との温度差が大とな
る。従って、加熱ローラーの表面温度が高い場合には、
最上層のトナー粒子が加熱ローラー転移してしまう高温
オフセットという現象を起こし易く、加熱ローラーの表
面温度が低い場合は、最下層のトナー粒子は充分に溶け
ないため、被定着シートにトナーが定着せず、低温オフ
セットという現象が起き易い。 【0006】この問題を解決するために、定着速度が速
い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートヘトナ
ーをアンカーリングさせることが、通常行われている。
この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げること
ができ、最上トナー粒子層の高温オフセット現象を防ぐ
ことが可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が
非常に大となるために、被定着シートが定着ローラーに
巻きついてしまう、所謂、巻きつきオフセット現象が発
生したり、定着ローラーから被定着シートを分離するた
めに使用する分離爪の分離あとが定着画像に出現し易
い。更には、圧力が高いため、定着時にライン画像が押
しつぶされたり、トナーが飛び散ったりして定着画像の
画質劣化を生じ易い。 【0007】従来、トナー用結着樹脂としては、ポリエ
ステル樹脂及びスチレン系樹脂の如きビニル系重合体が
主に使用されている。これらのうちポリエステル樹脂
は、低温定着性に優れた性能を有しているが、その反
面、高温オフセット現象を発生し易いという問題点を有
している。この問題点を補うためにポリエステル樹脂の
分子量を上げて粘弾性特性を改良する試みが行なわれて
きたが、この場合には低温定着性を損なうという問題点
があり、又、トナー製造時の粉砕性についても悪化させ
てしまい、トナーの微粒子化にも適さない結着樹脂とな
ってしまう。 【0008】一方、スチレン系樹脂の如きビニル系重合
体は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易
なため、耐高温オフセット性には優れているが、低温定
着性を向上させるために、低分子量化したり、ガラス転
移温度を下げたりすると、耐ブロッキング性や現像性が
悪化してしまうという問題点があった。 【0009】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。例えば、特開昭54−
114245号公報では、ポリエステル樹脂とビニル系
共重合体を混合した樹脂を含有するトナーが開示されて
いる。しかしながら、ポリエステル樹脂とビニル系共重
合体とは、化学的な構造が大きく異なるために相溶性が
悪く、低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキ
ング性をすべて満足するものとすることは難しい。 【0010】特開昭56−116043号公報及び特開
昭58−159546号公報では、ポリエステル樹脂の
存在下でビニル系単量体を重合して得られる重合体を含
有することを特徴とするトナーが開示されている。又、
特開昭58−102246号公報及び特開平1−156
759号公報では、不飽和ポリエステル存在下でビニル
系共重合体を重合して得られる重合体を含有することを
特徴とするトナーが開示されている。又、特公平8−1
6796号公報では、特定の酸価を有するポリエステル
樹脂と特定の酸価と分子量を有するスチレン系樹脂をエ
ステル化したブロック共重合体を含有することを特徴と
するトナーが開示されている。更に、特開平8−547
53号公報では、結着樹脂が縮重合系樹脂及びビニル系
樹脂からなり、特定のクロロホルム不溶分及び特定の分
子量範囲にピークを有することを特徴とするトナーが開
示されている。 【0011】上述の結着樹脂では、縮重合系樹脂と付加
重合系樹脂とが安定した相分離状態を維持することがで
きる。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐
高温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低
温定着性は未だ不充分であり、現像性においても未だ改
良すべき課題を残している。 【0012】特開昭62−195681号公報及び特開
昭62−195682号公報では、ビニル系樹脂をポリ
エステル樹脂に対して特定量含有させたビニル系樹脂含
有ポリエステル樹脂よりなる電子写真用現像剤組成物に
関して記載している。しかしながら、これらの電子写真
用現像剤組成物において用いられている結着樹脂は、ポ
リエステル樹脂にビニル系樹脂が分散、混合されている
混合物であり、低温定着性と耐高温オフセット性を同時
に満足することは困難である。 【0013】トナーの低温定着性の低下は、ハーフトー
ン部において顕著である。本発明者らの検討によれば、
これは、ハーフトーン部の画像を形成するトナーの載り
量がべタ黒部に比較して相対的に少ないことによるもの
であり、熱ロール定着器を使用する中〜高速機及び耐熱
フィルムを介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着
方式を使用する中〜低速機において顕著である。 【0014】ところで、静電荷像を現像する工程は、摩
擦帯電されたトナーを静電荷像の静電相互作用を利用し
て付着させ、これによりトナー像の形成を行うものであ
る。一般に、静電荷像をトナーを用いて現像する方法の
うち、高画質を要求される複写機又はプリンタには、ト
ナーをキャリアと混合した二成分系現像剤が好適に用い
られている。 【0015】この現像方法においては、キャリアが、摩
擦帯電により適当量の正又は負の帯電量をトナーに付与
し、又、摩擦帯電の静電引力により、キャリア表面にト
ナーを担持する。トナーとキャリアを有する二成分系現
像剤は、磁石を内包する現像スリーブ上に現像剤層厚規
制部材により所定の層厚にコートされ、磁気力を利用す
ることによって、静電荷像担持体(感光体)と現像スリ
ーブとの間に形成される現像領域に搬送される。感光体
と現像スリーブとの間には、ある所定の現像バイアス電
圧が印加されており、現像領域において、搬送されたト
ナーによって、上記感光体上の静電潜像の現像が行なわ
れる。 【0016】二成分系現像剤を構成するキャリアは、導
電性キャリアと絶縁性キャリアに大別されるが、導電性
キャリアには、通常、酸化又は未酸化の鉄粉が用いられ
ている。この鉄粉キャリアを成分とする二成分系現像剤
においては、トナーに対する摩擦帯電性が不安定であ
り、よって形成される可視像にカブリが発生し易いと言
う問題点がある。即ち、二成分系現像剤の使用に伴な
い、鉄粉キャリア粒子の表面にトナー粒子が付着、蓄積
(スペントトナー)するため、鉄粉キャリア粒子の電気
抵抗が増大して、バイアス電流が低下し、しかも摩擦帯
電性が不安定となり、この結果、形成される可視像の画
像濃度が低下し、カブリが増大する。従って、鉄粉キャ
リアを含有する二成分系現像剤を用いて電子複写装置に
より連続的に複写を行なうと、少数枚の複写で二成分系
現像剤が劣化するため、二成分系現像剤を早期に交換す
ることが必要となり、結局コストが高いものとなる。 【0017】一方、絶縁性キャリアとしては、一般に、
鉄、ニッケル、フェライトの如き強磁性体より成るキャ
リア芯材の表面を、絶縁性樹脂により均一に被覆したキ
ャリアが代表的なものである。この絶縁性キャリアを用
いた二成分系現像剤においては、キャリア表面にトナー
粒子が融着することが導電性キャリアの場合に比べて著
しく少なく、同時にトナーとキャリアとの摩擦帯電性を
制御することが容易であり、耐久性に優れ、使用寿命が
長い点で、特に高速の電子写真複写機に好適であるとい
う利点がある。このような絶縁性キャリアに対して要求
される特性は種々あるが、特に重要な特性としては、適
度な帯電性、耐衝撃性、耐摩耗性、コアと被覆材料との
良好な密着性、電荷分布の均一性等を挙げることができ
る。 【0018】上記諸要求特性を全て考慮した場合、従来
使用されてきた絶縁性キャリアは依然として改善すべき
問題を残しており、完全なものは今のところ知られてい
ない。例えば、アクリル系樹脂をキャリアの被覆材とし
て用いるものが、特開昭47−13954号公報、特開
昭60−208765号公報で開示されている。特に、
分子量について述べられているものとしては、例えば、
特開昭60−208767号公報で開示されており、こ
の公報では、分子量を一定管理することにより、被覆さ
れたキャリアの帯電性が安定化することが記載されてい
る。ところが、被覆樹脂をキャリア芯材に付着させるに
は、装置の条件や被覆を行う環境、特に、湿度の影響を
受け易く、例えそれらを厳しく管理したとしても、樹脂
を安定的にキャリア芯材に付着させ、キャリアに充分な
帯電性及び耐久性を持たせたものとすることが難しく、
未だ満足ゆくものがないのが現状である。 【0019】一方、トナー融着等のキャリアのスペント
化を防ぐために、表面エネルギーの小さい樹脂を被覆層
として用いることにより耐久性を向上させる提案がなさ
れており、例えば、表面エネルギーの小さい樹脂として
シリコーン樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂は、表面
エネルギー、及び表面張力が低いこと以外に撥水性が高
いという利点を持つ。反面、シリコーン樹脂は接着性が
低いため、被覆層に使用した場合に剥離し易いという問
題点を持つ。この問題点を改善するための具体的なもの
としては、例えば、樹脂変成シリコーン樹脂を用いる方
法(特開昭55−127569号公報)、ビニルシラン
を含有せしめ他の樹脂と反応させる方法、(特開昭56
−32149号公報)、トリアルコキシシランとエチル
セルロースとの混合物を用いる方法(USP3,84
0,464明細書)、オルガノシリコーンターポリマー
とポリフェニレン樹脂との混合物を用いる方法(USP
3,849,127明細書)が提案されている。しかし
ながら、その被覆膜の形成に300℃以上の高温が必要
であったり、シリコーン樹脂と他の樹脂との相溶性が低
く、被覆膜が不均一になり、期待される程の特性が得ら
れないというような問題があった。 【0020】又、比較的低い硬化温度にて被覆膜を作る
ことも提案されているが(特開昭55−127569号
公報参照)、接着性が不充分であり、且つ、被覆膜の強
靭性が不充分であるため摩耗し易く、下記のような問題
があった。例えば、高速複写機のような現像部内での強
い長時間の撹拌により、キャリア粒子が現像部内壁や感
光体表面に衝突したり、又は、キャリア粒子同士が衝突
すると、シリコーン樹脂被覆層が時間と共に摩耗や破損
を起こして剥離する、所謂コート剥れという現象が起こ
り、摩擦帯電が、トナーとシリコーン樹脂間の帯電から
トナーとキャリア芯材との帯電へと変化するため、トナ
ーの帯電量が一定に保たれず、この結果、画像品質の劣
化をきたすことが生じる。 【0021】又、耐表面汚染性、耐衝撃性、帯電の環境
依存性、帯電の立ち上がり性、電荷交換性等を改良した
キャリアとして、内層にシランカップリング剤を用い、
外層にフッ素系樹脂を用いたキャリアが、特開平4−1
98946号公報、特開平5−72815号公報及び特
開平7−319218号公報に記載されている。 【0022】しかし、これらのうち、特開平4−198
946号公報及び特開平5−72815号公報に記載さ
れているキャリアは、製法上の制約もあり、高い被覆率
が得られないため、環境依存性に劣り、充分な帯電性を
トナーに付与するには未だ課題を残している。又、特開
平7−319218号公報に記載されているキャリア
は、中抵抗のキャリアを使用しているため、特に、低磁
化キャリアや低抵抗の静電荷像担持体の使用時には、現
像域で現像剤担持体から静電荷像担持体へ電荷注入が起
こり易く、キャリアが静電荷像担持体へ付着したり、静
電荷像の乱れや画像欠陥を引き起こし易い。更に、提案
されている現像剤においては、トナー消費量の多い大画
像面積を多数枚複写した場合に、キャリアヘのトナーの
スペントが起こり易く、トナーの帯電量が変化し易いと
いう問題もある。 【0023】このように、二成分系現像剤に対して今日
求められる厳しい品質上の要求、例えば、精緻な細線や
小文字画像の形成、写真或いはカラー原稿等の様々な対
象に対して対応が可能であること、更に、形成される画
像の高画質化や高品位化が達成可能であること、二成分
系現像剤を構成している磁性キャリアが、トナーに対し
て均一に且つ高速に帯電可能であり、しかも高耐久性を
満足するものであること等が待望されている。 【0024】 【課題が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低温定着性に優れ、且つ、高温までホットオフセッ
トの発生することのない、広い定着温度領域を示す二成
分系現像剤を提供することにある。更に、本発明の目的
は、画像濃度が高く、カブリの少ない画像を、使用環境
によらず長期にわたり安定して得ることのできる二成分
系現像剤を提供することにある。 【0025】 【課題を解決するための手段】上記目的は下記の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、結着樹脂、着色
剤を含有するトナー及びキャリアを有する二成分系現像
剤において、結着樹脂は、 ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及びビニル系重合
体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッ
ド樹脂成分を含み、 テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間
のソックスレー抽出において、THF可溶成分を50〜
85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15〜5
0重量%(W2)含有し、 酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー抽出
において、酢酸エチル可溶成分を40〜98重量%(W
3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2〜60重量%(W
4)含有し、 クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽
出において、クロロホルム可溶成分を55〜90重量%
(W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10〜45重
量%(W6)含有し、 且つ、上記酢酸エチル不溶成分(W4)とクロロホル
ム不溶成分(W6)との比(W4/W6)の値が1.1
〜4.0であり、キャリアは、磁性キャリア芯材粒子及
び該磁性キャリア芯材粒子を被覆する樹脂被覆層を有し
ており、且つ、磁性キャリア芯材粒子が、下記一般式
(I)で示される磁性フェライト成分で形成されている
ことを特徴とする二成分系現像剤である。 【0026】 【化11】 [式中、Aは、MgO、Ag2O、又は、これらの混合
物を示し、Bは、Li2O、MnO、CaO、SrO、
Al23、SiO2、又は、これらの混合物を示し、
x、y及びzは重量比を示し、且つ、これらは下記条件
を満足する。 0.2≦x≦0.95 0.005≦y≦0.3 0<z≦0.795 x+y+z≦1] 【0027】 【発明の実施の形態】本発明の二成分系現像剤の好まし
い実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明
者らは、上記した従来技術の課題の解決をすべく、鋭意
検討の結果、ハーフトーン画像でも良好な低温定着性を
示し、高温オフセットの発生温度が高く、オフセットし
難い二成分系現像剤を得るためには、トナーの結着樹脂
として、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びビニル系
重合体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブ
リッド樹脂成分を含み、しかも、特定の複数の溶媒に、
夫々選択的に特定の割合で溶解する組成を有するものを
使用することが重要であり、又、これと共に混合して用
いるキャリアとして、キャリア芯材粒子を樹脂で被覆し
てなり、且つ、キャリア芯材粒子の形成材料として特定
の磁性フェライトがを用いることが有効であることを知
見して本発明を達成した。更に、トナーの結着樹脂とし
て、上記の構成に加えて、特定の分子量を有する成分を
一定量含有するものを使用することが重要であることも
わかった。 【0028】従来より、トナーの結着樹脂に含有されて
いる、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)、ク
ロロホルム或いは酢酸エチルのいずれか一種類の溶媒に
不溶な樹脂成分を定量し、これによって使用する結着樹
脂を特定することが知られており、これに基づいて構成
されたトナーは、高温オフセット発生温度と、ある程度
の対応をとることができる。しかし、トナーの定着性ば
かりでなく、現像性や二成分系現像剤として使用した際
のキャリアとの組み合わせの効果を、上記に挙げた各種
溶媒の不溶性成分と結び付けて評価する観点からの検討
は、未だなされていない。 【0029】これに対して、本発明者らの検討によれ
ば、THFは、本発明で使用するトナーの結着樹脂を構
成するビニル系重合体ユニットに対して良好な溶媒であ
るが、ポリエステルユニットに対しては必ずしも良好な
溶媒ではなかった。従って、上記構成を有する結着樹脂
を含有するトナーにおいて、THFに不溶な成分を定量
することは、ポリエステル樹脂の中の極めて大きな分子
量を有する成分、又は、高度に架橋された成分とハイブ
リッド樹脂成分中のポリエステルユニットの割合が相対
的に多い成分とを定量することになり、このTHFに不
溶な成分量の測定により、トナーの低温定着性を評価す
ることが可能になる。本発明者らの更なる検討によれ
ば、より良好なトナーの低温定着性を達成させるために
は、結着樹脂のTHFに可溶な成分が、特定の分子量及
び分子量成分を有するものであることが重要であること
もわかった。 【0030】次に、酢酸エチルは、本発明で使用するト
ナーの結着樹脂を構成する結着樹脂のポリエステルユニ
ットに対して良好な溶媒であるが、ビニル系重合体ユニ
ットに対しては必ずしも良好な溶媒ではない。従って、
酢酸エチルに不溶な成分を定量することは、ビニル系樹
脂中の極めて大きな分子量を有する成分又は高度に架橋
された成分と、ハイブリッド樹脂成分中のビニル系重合
体ユニットの割合が相対的に多い成分とを定量すること
になる。尚、酢酸エチル不溶成分中には、クロロホルム
に溶解する成分とクロロホルムに不溶な成分とが含まれ
ている。これらの成分を定量することによって、トナー
の定着性ばかりでなく、トナーの安定した現像性(例え
ば、画像濃度、カブリ等の環境依存性)を付与するのに
重大な影響を与えるトナーの帯電安定性を評価すること
が可能になる。 【0031】更に、クロロホルムは、本発明で使用する
トナーの結着樹脂を構成するビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットのいずれに対しても良好な溶媒
である。従って、クロロホルムに不溶な成分を定量する
ことは、ビニル系樹脂中の極めて大きな分子量を有する
成分又は高度に架橋された成分と、ポリエステル樹脂中
の極めて大きな分子量を有する成分又は高度に架橋され
た成分と、ハイブリッド樹脂成分中の極めて大きな分子
量を有する成分又は高度に架橋された成分とを定量する
ことになる。このようなハイブリッド樹脂成分中の極め
て大きな分子量を有する成分又は架橋された成分は、ト
ナーの高温オフセット発生温度と密接に関係するが、更
には、トナースペントと呼ばれるキャリア表面へのトナ
ー融着等の現象と、これに伴う現像剤劣化や画質劣化と
も関係する。従って、本発明で使用するトナーを構成す
る結着樹脂における酢酸エチル不溶成分とクロロホルム
不溶成分との比は、単純に、帯電安定性及び耐高温オフ
セットのバランスを示すだけではなく、現像剤劣化や画
質劣化することなく安定な現像性を示すための指標とな
り得る。 【0032】上記した種々の知見に基づき本発明で使用
するトナーの結着樹脂の構成について本発明者らが検討
した結果、具体的には、結着樹脂の構成を以下のように
設計することが有効であることが分かった。先ず、本発
明で使用する結着樹脂のTHF不溶分(W2)を15〜
50重量%含有している結着樹脂を使用し、好ましくは
20〜45重量%、更に好ましくは、25〜40重量%
の範囲で含有されているものを使用するとよい。即ち、
THF不溶分の含有量が15重量%未満であるような結
着樹脂を使用すると、トナーの高温オフセット発生温度
が低くなり、耐ホットオフセット性に問題が生じるばか
りでなく、トナーの保存性も悪化する場合があり、好ま
しくない。一方、THF不溶分の含有量が50重量%超
であるような結着樹脂を使用すると、トナーの低温定着
性が悪化する場合があり、好ましくない。 【0033】又、本発明で使用するトナーを構成する結
着樹脂においては、酢酸エチル不溶分(W4)を2〜6
0重量%の範囲で含有している結着樹脂を使用し、好ま
しくは5〜50重量%、更に好ましくは、10〜40重
量%の範囲で含有されているものを使用するとよい。即
ち、酢酸エチル不溶分の含有量が2重量%未満であるよ
うな結着樹脂を使用すると、トナーの耐ホットオフセッ
ト性に問題が生じ、トナーの帯電を制御するのが困難と
なり、耐久により画像濃度が低下する場合があり好まし
くない。一方、酢酸エチル不溶分の含有量が60重量%
超であるような結着樹脂を使用すると、トナーの低温定
着性に問題が生じ、耐久によりカブリ濃度が高くなる場
合があり、好ましくない。 【0034】更に、本発明においては、クロロホルム不
溶分(W6)を10〜45重量%含有している結着樹脂
を使用し、好ましくは15〜40重量%、更に好ましく
は、17〜37重量%の範囲で含有されているものを使
用するとよい。即ち、クロロホルム不溶分の含有量が1
0重量%未満であるような結着樹脂を使用すると、耐ホ
ットオフセット性に問題が生じるばかりでなく、耐久に
よりキャリア表面にトナーが融着する場合があり、好ま
しくない。一方、クロロホルム不溶分の含有量が45重
量%超であるような結着樹脂を使用すると、トナーの低
温定着性に問題が生じる場合があり、好ましくない。 【0035】上記に加えて、本発明においては、酢酸エ
チル不溶分(W4)とクロロホルム不溶分(W6)との
比(W4/W6)の値が、1.1〜4.0であるような
結着樹脂を使用することがよく、好ましくは1.2〜
3.5、更に好ましくは1.3〜3.0である結着樹脂
を使用する。上記比(W4/W6)の値が、1.l未満
或いは4.0超であるような結着樹脂を使用すると、い
ずれの場合においても、耐久により画像濃度が低下する
ことが生じる。 【0036】更に、本発明においては、トナーを構成す
る結着樹脂として、上記した各種溶媒に対する不溶成分
が、下記の要件を満足するものを使用することが、より
好ましい。即ち、(i)THF不溶分(W2)を特定の
割合で含有し、且つ、該THF不溶分(W2)が、更に
クロロホルム不溶分(W6A)をW6A重量%(結着樹
脂の重量基準で)含有しており、更に、(ii)酢酸エチ
ル不溶分(W4)を特定の割合で含有し、且つ、該酢酸
エチル不溶分(W4)が、更にクロロホルム不溶分(W
6B)をW6B重量%(結着樹脂の重量基準で)含有さ
れている結着樹脂を使用することが好ましい。 【0037】具体的には、上記のTHF不溶成分(W
2)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6A)の
含有量と、酢酸エチル不溶成分(W4)が含有している
クロロホルム不溶成分(W6B)の含有量とが、下記条
件を満足するように構成されている結着樹脂を使用する
ことが好ましい。 ・3重量%≦W6A≦25重量% ・7重量%≦W6B≦30重量% ・10重量%≦W6A+W6B≦45重量% ・W6A:W6B=1:1〜3 更に好ましくは、下記条件を満足する結着樹脂を使用す
るとよい。 ・5重量%≦W6A≦20重量% ・10重量%≦W6B≦25重量% ・15重量%≦W6A+W6B≦40重量% ・W6A:W6B=1:1.5〜2.5 【0038】即ち、THF不溶分(W2)中に、クロロ
ホルム不溶分(W6A)が3重量%未満の割合で含有さ
れているような結着樹脂を使用した場合は、トナーの耐
高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、トナーの
耐久による画像濃度が低下する場合があり、好ましくな
い。一方、THF不溶分(W2)中に、クロロホルム不
溶分(W6A)が25重量%よりも多く含有されている
ような結着樹脂を使用した場合は、トナーの低温定着性
が損なわれる場合があり、好ましくない。 【0039】又、酢酸エチル不溶分(W4)中に、クロ
ロホルム不溶分(W6B)を7重量%未満の割合で含有
されているような結着樹脂を使用した場合は、トナーの
耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、トナー
の耐ブロッキング性が損なわれる場合があり、好ましく
ない。一方、酢酸エチル不溶分(W4)中に、クロロホ
ルム不溶分(W6B)が30重量%よりも多く含有され
ているような結着樹脂を使用した場合は、トナーの低温
定着性が損なわれる場合があり、好ましくない。 【0040】更に、THF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量と、酢酸エチ
ル不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不溶分
(W6B)の含有量との合計量(W6A+W6B)は、
結着樹脂のクロロホルム不溶分(W6)の含有量に相当
するものであり、よって、合計量(W6A+W6B)の
上下限から外れる場合には、上述した酢酸エチル不溶分
(W6)の含有量の上下限から外れる場合と同様の結果
となり、好ましくない。 【0041】更に、THF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量に対する、酢
酸エチル不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不
溶分(W6B)の含有量の比率が1:1未満の場合に
は、トナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりで
なく、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があ
り、好ましくない。一方、1:3を超える場合には、ト
ナーの低温定着性が損なわれるばかりでなく、耐久によ
り画像濃度が低下する場合があり、好ましくない。 【0042】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
の結着樹脂としては、そのTHF可溶分のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)に
より測定される分子量分布において、下記に挙げる要件
を満足するものを使用することが好ましい。先ず、メイ
ンピークを、分子量4,000〜9,000の領域に、
好ましくは、分子量5,000〜8,500の領域に、
更に好ましくは、分子量4,500〜8,000の領域
に有しているものを使用するとよい。上記メインピーク
を分子量4,000未満の領域に有するような結着樹脂
を使用した場合には、トナーの耐ホットオフセット性が
悪化する場合があり、好ましくない。一方、メインピー
クを、分子量9,000超の領域に有するような結着樹
脂を使用した場合には、トナーの低温定着性が損なわれ
る場合があり、好ましくない。 【0043】又、分子量500〜1万未満の領域の成分
(A1)が、35.0〜65.0%含有されているよう
な結着樹脂を使用することがよく、好ましくは37.0
〜60.0%、更に好ましくは40.0〜55.0%含
有されている結着樹脂を使用するとよい。即ち、分子量
500〜1万未満の領域の成分の含有量が35.0%未
満であるような結着樹脂を使用した場合には、トナーの
低温定着性が悪化する場合があり、一方、65.0%超
となるような結着樹脂を使用した場合には、トナーの保
存性が悪化する場合があり、好ましくない。 【0044】又、分子量1万〜10万未満の領域の成分
(A2)が、25.0〜45.0%含有されているよう
な結着樹脂を使用することがよく、好ましくは、27.
0〜42.0%、更に好ましくは、30.0〜40.0
%含有されているような結着樹脂を使用するとよい。こ
れに対して、分子量1万〜10万未満の領域の成分の含
有量が、25.0%未満となるような結着樹脂を使用し
た場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する
場合があり、好ましくない。一方、45.0%超となる
ような結着樹脂を使用した場合には、トナーの低温定着
性が悪化する場合があり、好ましくない。 【0045】更に、分子量10万以上の領域の成分(A
3)が、10.0〜30.0%含有されているような結
着樹脂を使用することがよく、好ましくは12.0〜2
5.0%、更に好ましくは、15.0〜22.0%含有
されているような結着樹脂を使用するとよい。即ち、分
子量10万以上の領域の成分の含有量が、10.0%未
満であるような結着樹脂を使用した場合には、トナーの
耐ホットオフセット性が悪化する場合があり、一方、3
0.0%超であるような結着樹脂を使用した場合には、
トナーの低温定着性が悪化する場合があり、好ましくな
い。更に、分子量500〜1万未満の領域の成分(A
1)と、分子量1万〜10万未満の領域の成分(A2)
との比(A1/A2)の値が、1.05〜2.00の範
囲にあるような結着樹脂を使用することがよく、好まし
くは1.10〜1.90、更に好ましくはl.15〜
1.80であるような結着樹脂を使用するとよい。即
ち、上記の比(A1/A2)の値が1.05未満である
ような結着樹脂を使用した場合には、トナーの低温定着
性が悪化する場合があり好ましくない。一方、上記比
(A1/A2)の値が、2.00超となるような結着樹
脂を使用した場合は、トナーの耐ホットオフセット性が
悪化する場合があり好ましくない。 【0046】本発明においては、先に述べたように、ト
ナーを構成する結着樹脂が、ビニル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂、及びビニル系重合体ユニットとポリエステルユ
ニットを有するハイブリッド樹脂成分を含むが、合成す
る際に用いるポリエステル樹脂を合成するためのモノマ
ーとビニル系モノマーとの仕込比は、ポリエステル樹脂
を合成するためのモノマー100重量部に対して、ビニ
ル系モノマー10〜100重量部、好ましくは15〜8
0重量部、更に好ましくは、20〜70重量部とするこ
とが好ましい。 【0047】本発明においては、上記で言う「ハイブリ
ット樹脂成分」とは、単なる混合物ではなく、ビニル系
重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合
された樹脂成分を意味する。具体的には、ポリエステル
ユニットと、(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボ
ン酸エステル基を有するモノマーを重合して得られるビ
ニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形
成される共重合体等のことであり、好ましくは、ビニル
系重合体ユニットを幹重合体、ポリエステルユニットを
枝重合体としたグラフト共重合体(或いはブロック共重
合体)を形成するものである。 【0048】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル重合体ユニットとポリエステルユニット
とは、下記結合を介して結合されたものである。 【化12】 【0049】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
の結着樹脂としては、ビニル系重合体ユニット中の全カ
ルボン酸エステルのポリエステルユニットとの反応率、
即ち、グラフト化率が、ビニル系重合体に含有される
(メタ)アクリル酸エステルを基準にして、好ましくは
10〜60モル%、より好ましくは15〜55モル%、
更に好ましくは20〜50モル%程度であるものを使用
するのがよい。即ち、グラフト化率が10モル%未満で
あるような結着樹脂を使用した場合には、ビニル系重合
体ユニットとポリエステルユニットの相溶性が悪化し、
トナーの帯電性も悪化することがあり、好ましくない。
一方、グラフト化率が60モル%超である場合には、相
対的に分子量の大きな成分が増大する結果、トナーの低
温定着性が悪化する場合があり、好ましくない。 【0050】更に、本発明の二成分系現像剤を構成する
トナーの結着樹脂としては、結着樹脂中に特定の割合で
含有されている酢酸エチルに溶解される可溶成分(W
3)が、特定の分子量分布を有するものを使用すること
が好ましい。即ち、上記可溶成分の重量平均分子量(M
w)が20万以上であり、且つ、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値
が30以上であるものを使用することがよく、好ましく
は、Mwが30万〜200万、Mw/Mnの値が50〜
300であり、更に好ましくは、Mwが40万〜150
万、Mw/Mnの値が80〜250であるものを使用す
る。これに対して、上記Mwが、20万未満又はMw/
Mnが30未満であるような結着樹脂を使用した場合に
は、トナーの現像性が悪くなる場合があり、好ましくな
い。 【0051】又、本発明においては、トナーを構成して
いる結着樹脂として、樹脂全体の酸価(AV1)が、7
〜40mgKOH/gであるものを使用することがよ
く、好ましくは10〜37mgKOH/g、より好まし
くは15〜35mgKOH/g、更に好ましくは17〜
30mgKOH/gであるものを使用するとよい。更
に、トナーを構成している結着樹脂の酢酸エチル可溶分
(W3)の酸価(AV2)が、10〜45mgKOH/
gであるもの、好ましくは15〜45mgKOH/gで
あるもの、より好ましくは17〜40mgKOH/gで
あるもの、更に好ましくは、20〜35mgKOH/g
のであるものを、結着樹脂として使用することが好まし
い。 【0052】上記したような各種溶媒に対する溶解特性
及び分子量分布を有する本発明の二成分系現像剤を構成
するトナーの結着樹脂は、ビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユ
ニットを有するハイブリッド樹脂成分を含んで形成され
ている。以下、これらの構成成分について具体的に説明
する。先ず、上記のうちのポリエステルユニットとして
は、好ましくは、下記の一般式(1)〜(4)で表わせ
る2価のカルボン酸、下記一般式(5)で表わせる1価
のカルボン酸、又は下記の一般式(6)で表わせる1価
のアルコールが少なくとも1種以上含有されたものを使
用する。 【0053】 【化13】 【0054】[上記式(1)中、R1は、炭素数14以
上の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アルケニル基を
表わし、中でも直鎖のアルキル基であることが好まし
い。式(2)中、nは12〜40の整数を表わす。式
(3)中、R3及びR4は、水素原子、炭素数3以上の直
鎖、分岐又は環状のアルキル基、アルケニル基を表わ
し、同一の置換基であってもよいが、同時に水素原子に
なることはない。式(4)中、R5及びR6は、水素原
子、炭素数3以上の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、
アルケニル基を表わし、同一の置換基であってもよい
が、同時に水素原子になることはない。式(5)又は式
(6)中、R7及びR8は、炭素数12以上の直鎖、分岐
又は環状のアルキル基、アルケニル基を表わす。] 【0055】上記一般式(1)で表わせる化合物として
は、例えば、下記の(1−1)〜(1−6)のものが挙
げられる。但し、下記式中の(n)は、構造が直鎖状で
あることを示している。 【化14】 【0056】式(2)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記の式(2−1)〜(2−4)のものが挙げられ
る。 【化15】 【0057】式(3)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記の式(3−1)〜(3−3)のものが挙げられ
る。但し、下記式中の(n)は、構造が直鎖状であるこ
とを示している。 【化16】【0058】式(4)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記の式(4−1)又は(4−2)のものが挙げら
れる。 【化17】 【0059】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記の式(5−1)〜(5−5)のものが挙げられ
る。 【化18】 【0060】式(6)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記の式(6−1)〜(6−5)のものが挙げられ
る。 【化19】 【0061】又、本発明の二成分系現像剤を構成するト
ナーの結着樹脂に用いられるポリエステル樹脂として
は、下記に挙げるようなポリエステルのモノマー(アル
コール成分とカルボン酸成分)との縮重合によって得ら
れるものが使用できる。アルコール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノール
A、又、下記一般式(イ)式で表わされるビスフェノー
ル誘導体;又、下記一般式(ロ)式で示されるジオール
類;等の多価アルコールが挙げられる。 【0062】 【化20】【0063】カルボン酸成分としては、例えば、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の如き芳香族ジカル
ボン酸類、或いはその無水物;こはく酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸
類、或いはその無水物、更に、炭素数6〜12のアルキ
ル基で置換されたこはく酸若しくはその無水物;フマル
酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の如き、
不飽和ジカルボン酸類又はその無水物等の多価カルボン
酸が挙げられる。 【0064】更に、本発明の二成分系現像剤を構成する
トナーの結着樹脂として使用するビニル系樹脂として
は、下記に挙げるようなモノマーによって生成されるビ
ニル重合体、或いはこれらの複数のモノマーからなるビ
ニル共重合体が挙げられる。ビニル系樹脂を生成するた
めのモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p
−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p
−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p
−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチ
レン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導
体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの
如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イ
ソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビ
ニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸
ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン
脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル
類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプ
ロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロ
ール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビ
ニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタク
リル酸誘導体が挙げられる。 【0065】更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如
き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無
水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の
如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエ
ステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸
ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエス
テル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン
酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエス
テル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマ
ル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエ
ステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチ
ルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸
エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケ
イヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケ
イヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β
−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン
酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、こ
れらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキ
シル基を有するモノマーが挙げられる。 【0066】更に、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタク
リル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチル
ブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチル
ヘキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー
が挙げられる。 【0067】本発明においては、先に説明したような材
料からなるトナーの結着樹脂を構成するためのポリエス
テルユニットが、三価以上の多価カルボン酸又はその無
水物、又は、三価以上の多価アルコールで架橋され、架
橋構造を有するものであることが好ましい。この際に使
用できる三価以上の多価カルボン酸又はその無水物とし
ては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,
4−ナフタレントリカルボン酸、ヒロメリット酸及びこ
れらの酸無水物又は、低級アルキルエステル等が挙げら
れ、三価以上の多価アルコールとしては、例えば、1,
2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパ
ン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙
げられるが、特に好ましくは、1,2,4−ベンゼント
リカルボン酸及びその酸無水物を用いることが好まし
い。 【0068】更に、本発明の二成分系現像剤を構成する
トナーの結着樹脂に用いられるビニル系重合体ユニット
は、先に述べたようなビニル系重合体モノマーを重合し
て得られるが、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋
された架橋構造を有していてももよい。この場合に用い
られる架橋剤としては、芳香族ジビニル化合物、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキ
ル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類;例えば、エチ
レングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリ
コールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアク
リレートをメタクリレートに代えたもの;エーテル結合
を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、
例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコール#40
0ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジ
アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレー
ト、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレート
に代えたもの;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結
ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ポリオキシエ
チレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン
(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;更には、ポリエステ
ル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品名MAND
A(日本化薬)が挙げられる。 【0069】更に、多官能の架橋剤としては、ペンタエ
リスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステ
ルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメ
タアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。 【0070】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量%に対して、0.01〜10重量部以下、好まし
くは0.03〜5重量%の範囲で用いることが好まし
い。上記に挙げた架橋性モノマーのうち、トナー粒子の
結着樹脂に使用した場合に、特に、トナーの定着性、耐
オフセット性の点から好適なものとしては、芳香族ジビ
ニル化合物(特に、ジビニルベンゼン)、芳香族基及び
エーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物
類等が挙げられる。 【0071】本発明の二成分系現像剤では、トナーの結
着樹脂を構成するためのビニル系重合体成分及び/又は
ポリエステル樹脂成分中に、下記に挙げるような両樹脂
成分と反応し得るモノマー成分を含ませて構成し、これ
らの反応生成物を結着樹脂中に含有させるように構成す
ることが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するた
めのモノマー(アルコール成分、カルボン酸成分)のう
ちビニル系樹脂と反応し得るものとしては、例えば、フ
タル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不
飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。又、
ビニル系樹脂を構成するためのモノマーのうち、ポリエ
ステル樹脂成分と反応し得るものとしては、例えば、カ
ルボキシル基又はヒドロキシル基を有するものや、アク
リル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
更に、ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物
を得る方法としては、上記したようなビニル系重合体及
びポリエステル樹脂の夫々と反応し得るモノマー成分を
含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方若
しくは両方の樹脂の重合反応をさせる方法が好ましい。 【0072】本発明で使用するビニル系重合体を製造す
る場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニト
リル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレー
ト、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニ
トリル)、2−(カーボモイルアゾ)−イソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペ
ンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−
メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メ
チル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルクミルパ−オキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、
α,α−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオ
イルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、
ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカ
ーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブ
チルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイ
ソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネー
ト、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等が挙げられ
る。 【0073】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
の結着樹脂、或いは、結着樹脂の構成成分であるビニル
系重合体ユニット、ポリエステルユニット、ハイブリッ
ド樹脂成分を調製するための製造方法としては、例え
ば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を利用するこ
とができる。 (1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びハイブリッ
ド樹脂成分を夫々製造後にブレンドして結着樹脂を得る
方法である。ブレンド工程では、有機溶剤(例えば、キ
シレン)に、各樹脂を溶解、膨潤した後に、有機溶剤を
留去するが、好ましくは、このブレンド工程でワックス
を添加して製造する。ハイブリッド樹脂成分は、ビニル
系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、これらを
少量の有機溶剤に溶解、膨潤させ、エステル化触媒、及
び、ポリエステルのアルコール成分又はカルボン酸成分
を添加し、加熱することによりエステル交換反応を行な
って合成されるエステル化合物を用いることができる。 【0074】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下に、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成
分は、予め製造されたビニル系重合体ユニット(必要に
応じて、ビニル系モノマーも添加できる)と、ポリエス
テルのモノマー(アルコール成分、カルボン酸成分)及
び/又はポリエステル樹脂とを反応させることにより製
造される。この場合も(1)の方法と同様に、適宜に有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。 【0075】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下に、ビニル系重合体ユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成
分は、予め製造されたポリエステルユニット(必要に応
じてポリエステルのモノマーも添加できる)と、ビニル
系樹脂のモノマー及び/又はビニル系重合体ユニットと
の反応により製造される。好ましくは、この工程でワッ
クスを添加する。 【0076】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニットの存
在下に、ビニル系モノマー及び/又はポリエステルのモ
ノマー(アルコール成分、カルボン酸成分)を添加する
ことによりハイブリッド樹脂成分を製造する。この場合
も(1)の方法と同様に、適宜、有機溶剤を使用するこ
とができる。好ましくは、この工程でワックスを添加す
る。 【0077】(5)バイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系樹脂のモノマー及び/又はポリエステルのモノマ
ー(アルコール成分、カルボン酸成分)を添加して、付
加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系
樹脂及びポリエステル樹脂を製造して結着樹脂を得る方
法である。この場合、ハイブリッド樹脂成分は、上記
(2)〜(4)の製造方法により製造されるものを使用
することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製
造されたものを使用することもできる。更に、適宜、有
機溶剤を使用することもできる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。 【0078】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
のモノマー(アルコール成分、カルボン酸成分等)を混
合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによ
り、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びハイブリッド
樹脂成分を同時に製造する方法である。更に、適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。 【0079】上記(1)〜(5)の製造方法において
は、ビニル系重合体ユニット及び/又はポリエステルユ
ニットとして、複数の異なる分子量、架橋度を有する重
合体ユニットを使用することができる。上記の(1)〜
(6)の製造方法の中でも、特に(3)の製造方法が、
ビニル系重合体ユニットの分子量制御が容易であり、ハ
イブリッド樹脂成分の生成を制御することができ、且
つ、ワックスを添加する場合にはその分散状態を制御で
きる点で、好ましい。 【0080】本発明では、必要に応じて、トナーにワッ
クスを含有させてもよい。ワックスの含有量としては、
結着樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、
好ましくは、0.5〜20重量部程度とするとよい。特
に、ワックスを含有させた場合の本発明の二成分系現像
剤を構成するトナーは、示差走査熱量計で測定されるD
SC曲線において、好ましくは温度70〜160℃、よ
り好ましくは温度70〜140℃、更に好ましくは、7
5〜140℃、最も好ましくは、80〜135℃の領域
に吸熱メインピークを有するものであることが、低温定
着性に優れ、且つ、耐オフセット性に優れたトナーを得
る点で好ましい。 【0081】更に好ましくは、ワックスが含有された本
発明で使用するトナーは、示差走査熱量計で測定された
DSC曲線において、温度80〜155℃、好ましくは
90〜130℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブ
ピーク又は吸熱ショルダーを有していることが、低温定
着性、耐オフセット性及び耐ブロッキング性に優れたト
ナーとする点で好ましい。トナーのDSC曲線におい
て、温度70〜160℃の領域に明瞭な吸熟ピークを形
成するためには、使用するワックスが限定される。後述
の示差走査熱量計による温度30〜200℃の範囲にお
けるワックスのDSC曲線において、最大吸熱ピークに
対応する温度をワックスの融点と定義すると、ワックス
としては、融点が、好ましくは70〜160℃、より好
ましくは75〜160℃、更に好ましくは75〜140
℃、最も好ましくは80〜135℃であるものが好適に
使用できる。 【0082】使用し得るこのようなワックスとしては、
例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワック
ス等の脂肪族炭化水素系ワックス、又、酸化ポリエチレ
ンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又
は、それら脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合
物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸
エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワ
ックス類、及び脱酸カルナバワックス等の脂肪酸エステ
ル類を一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸或いは
更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸
類の如き飽和直鎖脂肪酸類、ブランジン酸、エレオステ
アリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸類、ステアリ
ルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコ
ール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メ
リシルアルコール、或いは、更に直鎖のアルキル基を有
する長鎖アルキルアルコールの如き等の飽和アルコール
類、ソルビトール等の多価アルコール類、ステアリン酸
カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩(一般
に金属石けんといわれているもの)、又、脂肪族炭化水
素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノ
マーを用いてグラフト化させたワックス類、又、ベヘニ
ン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分
エステル化物、又、植物性油脂の水素添加等によって得
られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等
が挙げられる。 【0083】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
には、その帯電性を安定化させるために、必要に応じて
荷電制御剤を用いてもよい。荷電制御剤は、結着樹脂1
00重量部当たり、好ましくは0.1〜10重量部、よ
り好ましくは0.2〜5重量部の範囲で使用するのが好
ましい。本発明の二成分系現像剤を構成するトナーが負
の摩擦帯電性を有する場合には、荷電制御剤として、有
機金属錯体、キレート化合物、有機金属塩を使用する。
具体的には、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカル
ボン酸、芳香族ジカルボン酸化合物の金属錯体、又は金
属塩が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボ
ン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその無水物、
そのエステル類、ビスフェノールのフェノール誘導体が
挙げられる。 【0084】特に、次に示した一般式(a)で示される
化合物が好ましい。 【化21】 [上記式中、Mは、Mn、Fe、Ti及びAlからなる
グループから選択される配位中心金属を表し、Arは、
ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基、
炭素数1〜18のアルキル基、及び炭素数1〜18のア
ルコキシ基からなるグループから選択される置換基を有
していてもよいアリール基を示し、X、X'、Y及びY'
は、−O−、―CO−、−NH−、又は−NR−(Rは
炭素数1〜4のアルキル基)である。A+は、水素、ナ
トリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオ
ン、脂肪族アンモニウムイオンを示す。] 【0085】特に、本発明において使用できる荷電制御
剤でより効果的なものとしては、下記式(b)で示され
るモノアゾ系鉄錯体塩を挙げることができる。 【0086】 【化22】【0087】又、本発明の二成分系現像剤を構成するト
ナーが正の摩擦帯電性の場合には、荷電制御剤として、
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチ
ルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフト
スルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフル
オロボレート等の四級アンモニウム塩、、及びこれらの
類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれら
のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレ
ーキ顔料(レーキ剤としては、りんタングステン酸、り
んモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タン
ニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェ
ロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズ
オキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキ
シルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジ
ブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシク
ロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート
類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物を,単独或
いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これ
らの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイ
オンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用
いられる。又、下記一般式(c)で表されるモノマーの
単重合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステルの如き重合体モノマーとの共重合体
を用いることができる。これらの場合の荷電制御剤は、
結着樹脂(の全部又は一部)としての作用をも有する。 【0088】 【化23】 [上記式中、R1は、H又はCH3を示し、R2及びR
3は、置換又は未置換のアルキル基(好ましくは、炭素
数が1〜4)を示す] 【0089】特に、下記一般式(d)で示される化合物
が本発明の構成においては好ましい。 【化24】 【0090】[上記式中、R1、R2、R3、R4、R5
びR6は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素
原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は、置換若
しくは未置換のアリール基を表す。R7、R8、R9は、
各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。A-は、
硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、リン酸イオ
ン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオ
ン、有機リン酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸
イオン、テトラフルオロボレート等の陰イオンを示
す]。 【0091】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
の着色剤としては、磁性体カーボンブラック、チタンホ
ワイトやその他の顔料及び/又は染料を用いることがで
きる。例えば、トナーを磁性カラートナーとして使用す
る場合には、染料としては、C.I.ダイレクトレッド
1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレ
ッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダ
ントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.
I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、
C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブル
ー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダン
トブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.
ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6
がある。顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネ
ーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カド
ミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチング
レッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカ
ーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メ
チルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブ
ルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニン
ブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブル
ーBC、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレ
ーキ、ファイナルイエローグリーンGがある。 【0092】トナーを二成分系フルカラー用トナーとし
て使用する場合には、着色剤として次のようなものが挙
げられる。マゼンタ色の顔料としては、C.I.ピグメ
ントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、21、22、23、30、31、32、3
7、38、39、40、41、48、49、50、5
1、52、53、54、55、57、58、60、6
3、64、68、81、83、87、88、89、9
0、112、114、122、123、163、20
2、206、207、209;C.I.ピグメントバイ
オレット19;C.I.バットレッド1、2、10、1
3、15、23、29、35が挙げられる。 【0093】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からは、より好ましい。マゼンタ
用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、
8、23、24、25.27.30、49、81、8
2、83、84、100、109、121、C.I.デ
ィスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット
8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバ
イオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド
1、2、9、12、13、14、15、17、18、2
2、23、24、27、29、32、34、35、3
6、37、38、39、40、C.I、ベーシックバイ
オレット1、3、7、10、14、15、21、25、
26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。 【0094】シアン系の顔料としては、C.I.ピグメ
ントブルー2、3、15、16、17;C.I.バット
ブルー6;C.I.アシッドブルー45;又は、下記式
(e)で示される構造を有する,フタロシアニン骨格に
フタルイミドメチル基を0〜4個置換した銅フタロシア
ニン顔料が挙げられる。 【0095】 【化25】 【0096】イエロー色の顔料としては、C.I.ピグ
メントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、1
1、12、13、14、15、16、17、23、6
5、73、83、;C.I.バットイエロー1、3、2
0が挙げられる。 【0097】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましくは、
0.5〜50重量部である。磁性体としては、マグネタ
イト、マグヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄、及
び、金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのよう
な金属、或いは、これらの金属とAl、Co、Cu、P
b、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、C
d、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との
合金、及びこれらの混合物が挙げられる。 【0098】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜
鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリ
ニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、
酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiF
24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe23)、酸化鉄バ
リウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(Mg
Fe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ラ
ンタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(C
o)、ニッケル粉(Ni)が挙げられる。これらの磁性
材料を単独で、或いは2種以上の組合せて使用する。特
に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の
微粉末である。 【0099】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
には流動性向上剤を添加してもよい。流動性向上剤は、
トナーに添加することにより、流動性が添加前後を比較
すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデ
ン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフ
ッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如
き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、
これらをシランカップリング剤、チタンカッブリング
剤、シリコーンオイルで表面処理して疎水性を施した処
理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナがある。好ま
しい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された微粉体が挙げられる。所謂、
乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものであ
る。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱
分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次
の様なものである。 【化26】 【0100】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物を、ケイ素
ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の
金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリ
カとしてはそれらも包含する。又、その粒径は、平均の
一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であるこ
とが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μ
mの範囲内のシリカ微粉体を使用するのがよい。 【0101】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、以下
の様な商品名で市販されているものがある。 AEROSIL(日本アエロジル社製) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社製) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMlE GMBH社製) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社製) Fransol(Fransil社製) 【0102】更には、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化
により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シ
リカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体におい
て、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が
30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理
したものが特に好ましい。疎水化処理の方法としては、
下記に挙げるようなカップリング剤の如き、シリカ微粉
体と反応或いは物理吸着する有機ケイ素化合物及び/又
はシリコーンオイルで化学的に処理することによって、
疎水性を付与することば好ましい。好ましい具体的な方
法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成されたシリカ微粉体を、有機ケイ素化合物で処理す
る方法が好ましい。 【0103】シランカップリング剤としては、ヘキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサン、及び、1分子当り2〜12個の
シロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサンがある。 【0104】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミンプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も
単独或いは併用して使用される。好ましいシランカップ
リング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)アミノシランカップリング剤が挙げられる。 【0105】本発明で用いる好ましいシリコーンオイル
としては、25℃における粘度が0.5〜10000セ
ンチストークス、好ましくは1〜1000センチストー
クス、更に好ましくは10〜200センチストークスの
ものが用いられ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコー
ンオイルが特に好ましい。シリコーンオイル処理の方法
としては、例えば、シランカップリング剤で処理された
シリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルシミキ
サーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースと
なるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;
或いは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解或いは分散
せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する
方法を用いることが可能である。 【0106】シリコーンオイル処理シリカは、シリコー
ンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以
上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコー
トを安定化させることがより好ましい。本発明において
は、シリカを予め、カンプリング剤で処理した後にシリ
コーイオイルで処理する方法、又は、シリカをカップリ
ング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によっ
て処理されたものが好ましい。 【0107】又、先に挙げた流動性向上剤としては、B
ET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2
g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結
果を与える。本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
においては、トナー100重量部に対して流動性向上剤
を0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使
用するのがよい。 【0108】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
を作製するには、結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、
荷電制御剤又はその他の添加剤を、ヘンシェルミキサ
ー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニーダ
ー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、混
和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物
を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級すること
で、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることができ
る。本発明の二成分系現像剤を構成するトナーは、その
重量平均粒径が、好ましくは3〜9μm、より好ましく
は3〜8μmであることが、画像形成に用いた場合の解
像度、画像濃度の点で好ましく、更に、小粒径トナーで
あっても良好に加熱加圧定着され得る。本発明において
は、更に、上記のようにして得られたトナーと流動性向
上剤とをヘンシェルミキサーの如き混合器により充分混
合することで、トナー粒子表面に流動性向上剤を有する
トナーを得ることができる。 【0109】本発明の二成分系現像剤を構成するトナー
の溶媒溶解成分の定量及びその他の物性の測定方法を以
下に示す。 (1)トナーのTHF、酢酸エチル及びクロロホルム不
溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れて、ソックスレー抽出
器にかけ、THFは200ml用いる。約120℃に温
度調整されたオイルバスを用いて10時間還流する。T
HFに可溶な成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後
に60℃で24時間真空乾燥することにより定量でき
る。トナーのTHF不溶成分(W2)を定量する場合
は、着色剤等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(TW
2)から下記式により算出される。同様にして、溶媒を
酢酸エチル及びクロロホルムに変更することにより、夫
々の溶媒に対する結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定
量することができる。 【数1】 【0110】ソックスレー抽出装置の装置の一例を図7
に示す。容器51に入っているTHF52は、ヒータ5
3で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通って
冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56で常
時冷却されている。冷却器55で冷却されて液化したT
HFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたまり、TH
Fの液面が中管59よりも高くなると、貯留部からTH
Fが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入っている
トナー又は樹脂は、循環するTHFによって抽出処理さ
れる。 【0111】(2)1H−NMR及び13C−NMR測定
による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポリ
エステル樹脂の定量1 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在化率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂の含有量
を重量%で算出する。 (1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定) ・測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) ・測定周波数:400MHz ・パルス条件:5.0μS ・データポイント:32768 ・周波数範囲:10500Hz ・積算回数:10000回 ・測定温度:60℃ ・測定用サンプル:測定試料50mgをφ5mmのサン
プルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS
0.05%)を添加し、これを60℃の恒温槽内で溶解
させて調製する。 【0112】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) ・測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) ・測定周波数:400MHz ・パルス条件:5.0μS ・データポイント:32768 ・遅延時間:25sec. ・周波数範囲:10500Hz ・積算回数:16回 ・測定温度:40℃ ・測定用サンプル:測定試料200mgをφ5mmのサ
ンプルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS
0.05%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解
させて調製する。 【0113】1H−NMR及び13C−NMR測定による
酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエス
テル樹脂の含有量の定量の一具体例を、図3及び図4〜
6を用いて下記に記載する。1 H−NMR測定によるアルコール成分の存在比率の
決定(図4及び5参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付率のプロポキシ基の水
素(各1H相当:図参照)のシグナルと4.3ppm及
び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H相
当)のシグナルとの強度比から求める。 【0114】1H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図4及び5参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm、7.8
ppm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素
(各1H相当)のシグナルとの強度比から求める。 【0115】1H−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図4及び5参照) スチレンの存在比率は、1H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(lH相当)のシグナルの強
度比から求める。 【0116】13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAのメタアクリル酸エステル化合物(ビニル系
重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存在比率
の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5p
pm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカルボ
キシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176pp
m志付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル
基の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の
新たに検出されたピークの(メタ)アクリル酸エステル
のカルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度
比から求める。 【0117】13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトル、における165ppm付近のテ
レフタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族カルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。 【0118】13C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図3参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにおけ
る125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシグ
ナルの強度比から求める。 【0119】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定(図3参
照) 上記〜の1H−NMRスペクトルから、PO−BP
A、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及び
スチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、更に上記〜の13C−NMRスペクトルから、P
O−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂との反応
生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸及びス
チレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出する
ことにより、全構成モノマーの組成存在比率をモル比率
で算出する。このモル比率での各モノマー組成存在比率
から各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴う脱水
量は無視して、ポリエステル樹脂成分の含有量を重量%
で算出する。 【0120】(3)結着樹脂原料又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化
させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを
毎分1mlの流速で流す。試料が結着樹脂原料の場合
は、結着樹脂原料をロールミルに素通し(130℃、1
5分)したものを用いる。試料がトナーの場合は、トナ
ーをTHFに溶解後、0.2μmフィルターでろ過し、
そのろ液を試料として用いる。試料濃度として0.05
〜0.16重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を5
0〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定に
あたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散
ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値
とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標
準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressur
e Chemical Co.製、或いは、東洋ソーダ
工業社製の分子量が6×102、2.1×l03、4×1
3、1.75×10、5.1×104、1.1×10
5、3.9×105、8.6×105、2×106、4.4
8×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器には
RI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、10
3〜2×106の分子量領域を適確に測定するために、市
販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのがよく、
例えば、Waters社製のμ−styragel 5
00、103、104、105の組合せや、昭和電工社製
のshodex KA−801、802、803、80
4、805、806、807の組合せが好ましい。 【0121】(4)粒度分布の測定 本発明において、トナーの粒度分布の測定は、コールタ
ーカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザ
ー(コールダー社製)を用いて測定した。電解質液は、
1級塩化ナトリウムを用いてl%NaC1水溶液を調製
する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイ
エンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法
としては、前記電解質水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2
〜20mg加える。試料を懸濁した電解質液は、超音波
分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置
により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを
用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体
積分布と個数分布とを算出した.それから、本発明に係
る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)
及び体積平均粒径(Dv)(夫々各チャンネルの中央値
をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。 【0122】次に、上記で説明したトナーと共に本発明
の二成分系現像剤を構成するキャリアについて説明す
る。本発明において使用するキャリアは、磁性キャリア
芯材粒子及び該磁性キャリア芯材粒子を被覆する樹脂被
覆層を有しており、且つ、磁性キャリア芯材粒子が、下
記一般式(I)で示される磁性フェライト成分で形成さ
れていることを特徴とする。 【化27】 [式中、Aは、MgO、Ag2O又はそれらの混合物を
示し、Bは、Li2O、MnO、CaO、SrO、Al2
3、SiO2又はそれらの混合物を示し、x、y及びz
は、重量比を示し、且つ、下記条件、 0.2≦x≦0.95、 0.005≦y≦0.3、 0<z≦0.795、 x+y+z≦1を満足する。] 【0123】上記式(I)において、より好ましくは、
x、y及びzが、下記条件、 0.2≦x≦0.95、 0.005≦y≦0.3、 x+y<1、 z=1−x−y を満足することが、キャリア芯材粒子が適度な表面凹凸
を有し、且つ、適度な含有水分を有し、樹脂の密着性、
強じん性の両立の点において好ましい。又、本発明にお
いては、上記のフェライト成分の有する効果を防げない
3重量%以下の範囲でその他の金属元素を磁性キャリア
芯材粒子表面の結晶粒径の調整を目的として、焼成時の
合一防止を目的として、或いは、粒度分布調整剤とし
て、磁性フェライト成分中に、水酸化物、酸化物、硫化
物又は脂肪酸化合物等の形態で含有させてもよい。本発
明において、前記式(I)におけるx+y+z<1の場
合とは、上記の任意のその他の成分を好ましくは、3重
量%までの範囲で含むことを意味するものであり、その
ような例は後述の実施例8で示す。 【0124】上記式(I)においてxが0.2未満の場
合には、磁気特性が低くなり、キャリアの飛散や感光体
の表面の傷を生じさせ易く、xが0.95を超える場合
には、芯材の抵抗が低くなり易い。yが0.005未満
の場合には、適正な抵抗及び磁気特性が得られにくく、
yが0.3を通える場合には、キヤリア粒子表面に均質
化と球状化が達成できなくなることがある。zが0の場
合、即ち、(B)が含まれない場合には、シャープな粒
度分布のものが得られにくく、キャリアの超微粉による
感光体表面の傷或いは焼成時の合一が難しく、キャリア
製造が難しくなる。一方、zが0.795を超える場合
には、磁気特性が低くなり、キャリアの飛散が悪化す
る。 【0125】更に、上記式(I)において、x、y及び
zは、下記条件を満足することがより好ましい。 0.4≦x≦0.9、 0.01≦y≦0.25、 0.01≦z≦0.2、 x+y+z≦1 又、本発明に用いられる磁性フェライト成分の上記式
(I)における(B)は、Li2O、MnO、Ca、S
rO、A123、SiO2の中でも、高電圧印加時にも
低抗低下が小さい点で、MnO、CaO、SlO2及び
A123が好ましい。特に、補給トナーとのなじみやす
さの点で、上記式(I)における(B)がMnO又はC
aOであるものを使用することがより好ましい。 【0126】更に、本発明の二成分系現像剤を構成する
キャリアは、上記したような式(I)で示されるフェラ
イト成分で形成されている磁性キャリア芯材粒子の表面
に樹脂被覆層を有する。樹脂被覆層に用いられる樹脂と
して、少なくともシリコーン樹脂を含有しているものが
好ましく、更には、特定の硬化剤を含有するシリコーン
樹脂を用いることがより好ましい。これまでに磁性キャ
リア芯材粒子の接着性を向上せしめるために、変性シリ
コーン樹脂を用いることも提案されており、アルキッド
変性、エポキシ変性、アクリル変性、ポリエステル変
性、フェノール変性、メラミン変性、ウレタン変性の如
き変性シリコーン樹脂を使用する例があるが、表面エネ
ルギーの上昇のためトナーの固着が生じ易く、必ずしも
現像剤の耐久性の点で満足のいくものではなかった。 【0127】これに対して、低表面エネルギーを保った
まま接着性を高めるために、これらの樹脂に種々の添加
剤を併用する方法が記載されている(特開平2−331
59号公報参照)。ここで使用されている添加剤は、シ
リコーン樹脂、或いは、それ自身との反応により接着剤
に加え強靭性も付与するものである。しかしながら、特
開平2−33159号公報に示されているものは、確か
に被覆樹脂としての耐性は向上するものの、キャリア芯
材表面に薄層で樹脂被覆層を形成させようとした場合に
は、必ずしもキャリア芯材と被覆樹脂との接着性は満足
のいくものではなく、更なる改良が望まれていた。 【0128】そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、
磁性キャリア芯材粒子中に、0.5〜10mg/100
ml、好ましくは0.5〜2mg/100mlの25℃
の水に対する溶解度を有する金属酸化物を含有する磁性
キャリア芯材粒子の表面上に、反応性シリコーン樹脂、
好ましくは、後述する一般式(III)で示される硬化
剤、更に好ましくは、アミノシランカップリング剤を含
有する反応性シリコーン樹脂を樹脂被覆層に用いたとき
に、磁性キャリア芯材粒子中に含有する適度の水分とシ
リコーン樹脂中の残存反応基とが適度に反応し、良好な
接着性、帯電性を達成し、非常に高性能な、且つ、長寿
命のキャリアが得られることを見いだしたのである。 【0129】特開平2−33159号公報にも、後述す
る一般式(III)で示される硬化剤を含有することが記
載されているが、本発明においては、特定の溶解度を有
する金属酸化物を磁性キャリア芯材粒子中に含有させて
(好ましくは、特定量含有させて)、樹脂被覆層の形成
材料として好適に使用できる反応性シリコーン樹脂等と
反応させることに特徴があり、その結果、磁性キャリア
芯材粒子と樹脂被覆層との間の接着強度がより向上した
キャリアが得られるものであり、この点で前記先行技術
とは異なる。 【0130】本発明に好適に用いられる磁性キャリア芯
材粒子としては、表面均質化、球状化が容易で、且つ、
適度な水分を合有するため、溶解度0.62mg/10
0mlのMgO、溶解度74mg/100mlのAg2
Oを含有するフェライト粒子が挙げられ、より好ましく
は、芯材と被覆層との接着強度に優れ、コート剥れが起
こりにくいという点で、少なくともMgOを酸化物換算
で0.5〜30重量%含有するフェライトを用いること
が特に好ましい。 【0131】更に、本発明の二成分系現像剤において
は、上記のような樹脂被覆層で被覆されたキャリアとし
て、特定の表面性及び粒度分布を有するものを用いるこ
とが好適であることも一つの特徴である。即ち、本発明
者らが、二成分系現像剤を用いた場合の画像濃度、カブ
リについて鋭意検討した結果、下記のような粒度分布及
び表面性を有するキャリアを使用したときに、高画像濃
度でカブリの少ない画像形成が可能な二成分系現像剤が
得られることがわかった。 【0132】先ず、キャリア芯材粒子として、平均粒径
が小さく、且つ、その粒度分布において、微粉及び粗粉
の存在量がコントロールされた粒子形状の揃った均一な
小粒径粒子であり、且つ、その表面に、ある程度凹凸を
持たせた粒子を用いることが好ましいことがわかった。
このように構成すれば、その粒子表面に自由エネルギー
の小さい樹脂を被覆した場合にも、トナーに対する搬送
性が良好であり、トナーとの摩擦帯電性の立上がりも好
ましく改良される。 【0133】又、キャリア芯材粒子として、その粒度分
布において、キャリアの50%粒径(メジアン径)が1
5〜60μm、好ましくは20〜45μmであり、且
つ、微粉の存在量が、22μmより小さいキャリア粒子
が1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、より好
ましくは4〜12重量%含有されており、16μmより
小さいキャリア粒子が3重量%以下、好ましくは2重量
%以下、より好ましくは1重量%以下に制御されたもの
を用いることがよい。尚、本発明において、50%粒径
とは、体積基準の中央累積値(50%)の粒径をいう。 【0134】これに対し、微粉の含有量が上記範囲の上
限を超えると、樹脂が安定に被覆できず、キャリア付着
を生じたり、トナーの円滑な帯電が防げられ、一方、2
2μmより小さいキャリア粒子が1重量%未満である
と、磁気ブラシが疎い状態となってしまい、トナーの帯
電の立上がりも悪くなり、画像を形成した場合に、トナ
ー飛散やカブリの原因となるので好ましくない。 【0135】更に、粗粉の存在量が下記ようなキャリア
芯材粒子を使用することが好ましい。即ち、62μm以
上のキャリア粒子の存在は、画像濃度と密接に相関する
ため、この粗紛のキャリア中おけ含有量が2〜15重量
%であるようにすることが好ましい。粗紛の含有量が1
5重量%を超えると、キャリアのトナー搬送能力が低下
し、ベタ画像の濃度の低下を引き起こす場合があり、一
方、2重量%未満であると、二成分系現像剤の流動性が
低下し、現像器内での現像剤の片寄り等が生じ、安定な
画像が得られにくくなる。 【0136】更に、本発明に用いられるキャリアにおい
ては、空気透過法によって算出される比表面積S1と下
記式(II)から算出される比表面積S2との比(S1/
S2)が、好ましくは1.2〜2.0、より好ましくは
1.3〜1.8、更に好ましくは1.4〜1.7である
ようにすることも有効である。 【数2】 【0137】即ち、S1/S2の比の値が1.2より小
さいと、キャリアの表面が平滑になってしまうことでキ
ャリア芯材粒子への被覆樹脂の密着性が低下し、コート
剥れが発生し易い。S1/S2の値が2.0より大きい
と、キャリア表面の凸凹が大きくなり過ぎ、磁性キャリ
ア芯材粒子表面の樹脂被覆層が不均一になり易く、結果
として、トナーの帯電の均一性が得られなくなり、カブ
リ、トナー飛散が生じ易く、更にキャリア付着も発生し
易くなる。 【0138】更に、本発明の効果をより一層効果的にす
るためには、キャリアの見掛密度は、好ましくは、1.
2〜3.2g/cm2、より好ましくは1.5〜2.8
g/cm2とすることがよい。見掛密度が上記範囲の下
限値より小さいと、キャリア付着が発生し易くなり、上
記範囲の上限値より大きいと二成分系視像剤の循環が無
くなり、トナー飛散が発生し易くなるだけでなく、画質
劣化も早まってしまう。 【0139】更に、本発明の効果をより効果的なものと
するためには、キャリアの電流値は20〜300μA、
より好ましくは30〜250μA、更に好ましくは40
〜200μAであることが望ましい。これに対し、電流
値が20μAより小さいと、キャリア表面での電荷の移
動が充分に行われず、トナーへの帯電付与能が低下して
しまい、カブリ、トナー飛散が発生し易くなり、300
μAより大きいと、感光体ドラムへのキャリア付着、バ
イアスリークが発生し易くなり、画像欠陥が生じ易くな
る。 【0140】MgOを含有するフェライトキャリアとし
ては、例えば、特開昭59−1159号公報、特開昭5
8−123551号公報、特開昭55−65406号公
報に記載されているが、これらは粒度分布がコントロー
ルされておらず、帯電の安定性、耐久性等満足のいくも
のとはならず、本発明とは異なるものである。更に、特
開平2−33159号公報には、MgOを含有させても
よいとの記載は有るものの、積極的にMgOを採用し、
その表面活性を活用し、粒度分布のコントロール及び樹
脂被覆キャリアの耐久性向上の示唆はなく、本発明とは
異なるものである。 【0141】先に述べた本発明に好適に使用される硬化
剤としては、下記一般式(III)で示されるオキシムタ
イプの硬化剤が好適である。即ち、シリコーン樹脂中の
残存反応基の適度なコントロール、保存安定性、コスト
の面で、このような構造を有するオキシムタイプのシラ
ンカップリング剤は非常に優れている。 【0142】 【化28】【0143】反応性の高いカップリング剤として、酢酸
タイプ(アセトキシシラン)アセトンタイプ(プロペノ
キシシラン)が知られているが、前述のキャリア芯材粒
子とシリコーン樹脂との安定な反応を達成し、反応基を
適度に残存させる条件設定が非常に難しいため、生産安
定性に劣ることがわかっており、本発明には好ましくな
い。 【0144】本発明で使用し得る上記一般式(III)で
表される具体的な硬化剤としては、例えば、下記(1
2)〜(15)で示すものが挙げられる。 【0145】 【化29】 【0146】上記硬化剤の添加量は、シロキサン固形分
100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、
より好ましくは0.5〜5重量部がよい。0.1重量部
未満では、充分な架橋効果が得られず、10重量部を超
える場合には、残渣が充分に除去できなかったり反応不
充分の化合物が残存してしまい、帯電特性、強度が低下
してしまう。本発明において、シロキサン固形分は、1
20℃における不揮発成分を示す。 【0147】本発明において、樹脂被覆層に用いられる
反応性シリコーン樹脂に含有することができるアミノシ
ランカップリング剤としては、例えば、下記(16)〜
(24)に示すものが挙げられる。 【0148】 【化30】 【0149】これらは、1種又は2種以上使用すること
ができる。この中で本発明に好適に使用されるのは、相
溶性、反応性、安定性の点で、1個水素原子を有する窒
素原子を少なくとも一つ有する以下のカップリング剤で
ある。 【0150】 【化31】【0151】上記カップリング剤の添加量は、シロキサ
ン固形分100重量部に対して好ましく、0.1〜8重
量部より好ましくは0.3〜5重量部がよい。0.1重
量部未満では充分な添加効果が得られず、帯電性の劣
化、被覆強度の低下が生じ易く、8重量部を超えると充
分な反応が行われず、逆に被覆強度の低下が生じてしま
う。 【0152】本発明においては、カップリング剤としで
は、更に下記一般式(IV)で示されるカップリング剤を
併用してもよい。 【化32】 (式中、R4-aは、ビニル基、メタクリル基、エポキシ
基、アミノ基、メルカプト基及びそれらの誘導体からな
るグループから選択される置換基を示し、Xaはハロゲ
ン又はアルコキシ基を示す。) 【0153】このようなカップリング剤としては、下記
(25)〜(27)で示すものが挙げられる。 【化33】 【0154】磁性キャリア芯材粒子表面に樹脂被覆層を
形成する方法としては、樹脂組成物を適当な溶液に溶解
し、得られる溶液中に磁性キャリア芯材粒子を浸漬し、
しかる後に、脱溶媒乾燥、高温焼付けする方法、或いは
磁性キャリア芯材粒子を流動化系中で浮遊させ、前記樹
脂組成物の溶解した溶液を噴霧、塗付し、乾燥、高温投
付けする方法、単に磁性キャリア芯材粒子と樹脂組成物
の粉体或いは水系エマルジョンとを混合する方法等がい
ずれも使用できる。 【0155】本発明において好ましく用いられる方法
は、ケトン類、アルコール類の如き極性溶媒を、1.5
重量%、好ましくは、20重量%以上を含む溶媒に水を
0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部含有さ
せた混合溶液を使用する方法が好ましい。このようにす
れば、反応性シリコーン樹脂を磁性キャリア芯材粒子に
強固に付着させることができる。この際、水の量が0.
1重量部未満では、反応性シリコーン樹脂の加水分解反
応が充分に行われないので、磁性キャリア芯材粒子表面
への薄層且つ均一な被覆が難しくなり、一方、5重量部
を超えると、反応制御が難しくなり、逆に被覆強度が低
下することが生じる場合がある。 【0156】本発明の二成分現像剤を構成する磁性キャ
リアにおいては、被覆樹脂層の形成に用いられる樹脂と
して、フッ素樹脂を含有しているものを用いることが好
ましい。更には、キャリア芯材粒子表面を被覆している
被覆樹脂は、フルオロアルキルユニット、メチレンユニ
ット(−CH2−)及びエステルユニットを少なくとも
有し、キャリア芯材粒子の表面は、(i)被覆樹脂とメ
チレンユニットを少なくとも有するカップリング剤との
混合物で被覆処理されているか、又は、(ii)メチレン
ユニットを少なくとも有するカップリング剤で表面処理
きれた後に被覆樹脂で被覆されているものがより好まし
い。 【0157】キャリア芯材粒子を上記3種のユニットを
少なくとも有する被覆樹脂で被覆することにより、トナ
ーに対する摩擦電荷付与能を維持しつつトナーによるキ
ャリア汚染が抑制される。キャリア芯材粒子を被覆樹脂
で被覆する際に、予めキャリア芯材粒子表面をメチレン
ユニットを少なくとも有するカップリング剤で処理した
後に樹脂で被覆するか、又は、被覆樹脂と該カップリン
グ剤とを含有した混合物をキャリア芯材粒子表面に被覆
すると、キャリア芯材粒子と被覆樹脂との密着性が高ま
ると共に、トナーに対する摩擦電荷の付与性も向上する
ので好ましい。 【0158】キャリア芯材粒子の表面を被覆する被覆樹
脂は、フルオロアルキルユニット、メチレンユニット及
びエステルユニットを少なくとも有しているものが好ま
しい。フルオロアルキルユニットとしては、下記式で示
されるパーフルオロアルキルユニットであることが、外
添剤がキャリア粒子表面に付着するのを防止する上で好
ましい。 【化34】 【0159】フルオロアルキルユニットとメチレンユニ
ットとは、下記に示されるユニットの如く結合している
方が、キャリア芯材粒子表面との密着性を高める上で好
ましい。 【化35】 【0160】キャリア芯材粒子との密着性及びトナーへ
の摩擦電荷を付与する能力を維持する上で、下記式で示
されるユニットを有することがより好ましい。 【化36】 【0161】被覆樹脂は、フルオロアルキルユニットを
有するメタクリル酸、或いは、そのエステルの重合物又
は共重合物であるか、又は、フルオロアルキルユニット
を有するアクリル酸又は、重合物又は共重合物であるこ
とが好ましい。例えば、下記式で示されるユニット、 【化37】 【0162】又は、下記式で示されるユニットを有する
ことが好ましい。 【化38】 【0163】被覆樹脂は、フルオロアルキルユニットを
有するグラフト共重合体であることが、キャリア粒子表
面の特性をより均一にする上で好ましい。例えば、下記
式で示されるユニットと、 【化39】 下記式で示されるユニットとを有するグラフト共重合体
が挙げられる。 【化40】 【0164】更に、本発明で使用する被覆樹脂は、TH
Fの可溶成分のGPCにおいて、重量平均分子が2万〜
30万であることが、形成された樹脂被覆層の強度及び
キャリア芯材粒子との密着性及び塗布性の点で好まし
い。更に、THFの可溶成分のGPCのクロマトグラム
において、分子量2,000〜10万の領域にメインピ
ークを有することが好ましく、更に、分子量2,000
〜10万の領域にサブピーク又はショルダーを有するも
のを使用することが好ましい。最も好ましくは、THF
の可溶成分のGPCにおいて、分子量2万〜10万の領
域にメインビークを有し、分子量2,000〜19,0
00の領域にサブピーク又はショルダーを有するものを
被覆樹脂として使用することが好ましい。 【0165】上記分子量分布を満足するものを使用する
ことによって、樹脂で被覆された磁性キャリアは、多数
枚耐久性、トナーへの帯電安定性、トナーのキャリア粒
子表面への付着防止性が更に向上する。更に、グラフト
共重合体を用いる場合には、幹の重量平均分子量が3
0,000〜200,000であり、枝の重量平均分子
量が3,000〜10.000であるものを使用するこ
とが好ましい。 【0166】ここで、本発明において、被覆樹脂の分子
量分布は、GPCにおいて次の条件で測定した。 ・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製) ・カラム:3XF801〜7(ショウデックス社製)の
7連 ・温度:40℃ ・溶媒:THF ・流速:1.0.ml/分 ・試料:濃度0.05〜0.6重量%の測定試料を0.
1ml 以上の条件で測定し、試料の分子量の算出に当たって
は、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量
校正曲線を使用した。 【0167】更に、本発明にとって好ましい構成の樹脂
被覆層としては、グラフト共重合体において、フッ素を
含有するエステル基を有するα,β−不飽和カルボン酸
エステルの含有率が5〜80重量%であることが挙げら
れる。これは、5%未満では充分な離型性が得られず、
80重量%を超えると密着性が低下する場合があるので
好ましくない。α,β−不飽和カルボン酸エステルとし
ては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステルが挙げられる。このエステル基として、水
酸基の如き親水性基を含めることも可能である。好まし
くは、メタクリル酸アルキルエステル、特にメタクリル
酸メチルが好ましい。 【0168】本発明に用いられるフッ素を合有するエス
テル基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとし
て、フルオロアルキルアクリレート、フルオロアルキル
メタクリレートが挙げられる。具体例を挙げれば、下記
式で表されるものである。 【化41】上記式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、X及び
*は、水素原子又はフッ素原子であり、Y及びY*は、
水素原子又はフッ素原子であり、mは0〜10の整数、
Zは水素又はフッ素である。 【0169】上記式で表されるモノマーのうち、X、X
*、Y及びY*は、少なくとも3個以上は水素原子である
ことが好ましく、4個すべてが水素原子であることが更
に好ましい。即ち、フッ素の示す割合が多いと、フッ素
含有エステル基の柔軟性が充分でなくなる傾向にあり、
樹脂被覆層が脆くなる傾向にあるからである。更に、R
はメチル基であることが好ましい。これは、Rが水素原
子であるものよりもメチル基であるものの方が、被覆し
た際の強靱性が比較的大きいからである。更にmは4〜
9が好ましい。mが小さすぎるとフッ素の持つ離型効果
が低下するので好ましくない。 【0170】グラフト共重合体の製法としては、例え
ば、末端にエチレン性不飽和基を有するマクロマーをエ
チレン性不飽和モノマーと反応させることにより得られ
る。又、縮合反応可能な官能基又は連鎖移動剤の存在
下、縮合可能な末端基を有するマクロマーを利用し、グ
ラフト重合体を得る方法がある。これらのマクロマー
は、イオン重合法、ラジカル重合法により製造される。 【0171】キャリア芯材粒子の表面処理、又は、被覆
樹脂と混合して使用されるカップリング剤としては、シ
ランカッブリンク剤又はチタンカップリング剤が挙げら
れる。負帯電性トナーと共に用いられるキャリアに使用
される好ましいシランカップリング剤としては、例え
ば、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリアルコキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルメチルジアルコキシシラン、又は、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン等が挙げられ
る。 【0172】正帯電性トナーと共に用いられるキャリア
に利用される、好ましいシランカップリング剤として
は、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリア
ルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジア
ルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキ
シシラン、γ−クロロプロピルポリアルコキシシランが
挙サられる。又、好ましいチタンカップリング剤として
は、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、メ
チレンユユットを有するイソプロピルトリアルキルベン
ゼンスルホニルチタネート及びメチレンユニットを有す
るイソプロピルトリス(ジアルキルピロホスフェート)
チタネート等が挙げられる。 【0173】キャリア芯材粒子に対して、上記したよう
なフッ素含有樹脂を含有する被覆樹脂が0.01〜5重
量%(キャリア基準)塗布され、カップリング剤が0.
01〜5重量%(キャリア基準)塗布されていること
が、トナーヘの摩擦電荷付与性を安定化させ、キャリア
の多数枚耐久性、トナーによる汚染を抑制する上で好ま
しい。キャリア芯材粒子の表面をフッ素樹脂を含有する
被覆樹脂で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解
又は懸濁して調製した塗布液を用い、これを、キャリア
コア粒子表面に塗布する方法が挙げられる。 【0174】本発明の二成分系現像剤においては、上記
したような構成を有するトナーとキャリアとを混合して
二成分系現像剤を調製する。この場合に、その混合比率
が、現像剤中のトナー濃度として、2重量%〜15重量
%、好ましくは4重量%〜13重量%になるようにする
と良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満の
場合には、画像渡度が低くなり易く、15重量%を超え
る場合には、カブリや機内飛散を生じ易く、現像剤の耐
用寿命も低下し易い。 【0175】以下に、本発明において用いるキャリアを
調製する際に使用した各種の測定方法について説明す
る。 (1)キャリアの粒度分布の測定 測定装置には、マイクロトラック粒度分析計(日機装株
式会社)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μm
のレンジ設定で行い、体積基準から50%粒径を算出し
た。 【0176】(2)キャリアの電流値の測定 1.先ず、キャリア800gを秤量し、15分以上、室
内温度22〜25℃、湿度50〜54%の環境に曝露す
る。 2.次に、マグネットローラーを内蔵し、穂立規制ブレ
ードを没けた導電性のスリーブと対向して1mmの距離
に対向電極を設けた装置を用意する。 3.スリーブと対向電極間にキャリアを磁気吸引させ
る。 4.スリーブ内のマグネットローラを回転させて対向電
極に穂立させたキャリアを接触させ、スリーブと対向電
極の周に500Vの直流電圧を負荷し、直列させた1M
Ω、10kΩの両端における電圧降下を測り、この値か
ら電流値を計算で求める。 【0177】(3)比表面積の測定 島津粉比表面積測定装置(SS−100型)を用いて下
記の手順により、測定を行った。1.試料鉄粉充墳のた
め、パウダーテスターのオートスライダックの電源を入 れ、100Vに調整する。 2.パウダーテスターの切替えスイッチをタップにし
て、タイマーを1分間に調整する(50回±1回/1分
間)。 3.プラスチック試料筒にフルイ板を入れ、その上にろ
紙を一枚敷き、その上に試料を試料筒の1/3まで入れ
る。 4.試料筒をパウダーテスターのタップ架台にセット
し、スタートボタンを入れる(1分間タップ)。 5.更に、タップした試料筒に試料を試料筒の2/3ま
で入れる。 6.上記4項と同一作業を行う。 7.試料筒の上に補足筒(プラスチック)を差し込み、
試料をその上から山盛りに入れる。 8.上記4項、6項と同一作業を行う。 9.タップした試料筒をタップ架台から取り出し、補足
筒を抜き取り余分の試料をヘラでカットする。 10.比表面積の測定管のS目盛まで水を満たす。 11.試料筒を測定管に接続する(試料充填後、すり合
わせ面にグリスを塗る)。 12.下部流出口のコックを開き、測定管の水面が0目
盛りを通過する時に、ストップウォッチを始動させる
(下部流出水はビーカーで受ける)。 13.20目盛(単位はcc)まで水面が低下する時間
を計る。 14.試料筒を取り外し、試料の重量を測定する。 15.比表面積の計算。 【0178】下記の計算式で比表面積を算出する。 【数3】 ・SW:粉体の比表面積[cm2/g] ・e:試料充填層の空険率 ・ρ:粉体の密度[g/cm2] ・η:流体の粘性係数[g/cm・sec] ・L:試料層の厚さ[cm] ・Q:試料層透過流体重[cc] ・ΔP:試料層両端の圧力差[g/cm2] ・A:試料屑の断面積[m2] ・t:Qccの流体(空気)が試料層を透過するのに要
する時間[sec] ・W:試料の重量[g] 【0179】(4)キャリアの密度の測定 装置として、島津製作所製のアキュピック1330を使
用した。測定対象のキャリアを10cm2の測定用セル
に、ごく軽くタッピングしながら容器の8分目程度まで
充填し、40℃に設定した真空乾燥機で24時間乾燥し
た後、重量を測定してから本体に挿入し、その後、ヘリ
ウムガスの充填圧力を134.45kPaで10回パー
ジした後、充填圧力134.45kPa、平衡圧0.0
345kPaで測定した。上記と同様の操作によって5
回測定し、その平均値をキャリアの密度とした。 【0180】 【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 【0181】 《結着樹脂の製造》 <結着樹脂(1)の製造> (1−a):低架橋度樹脂組成物(クロロホルム不溶分を実質的に0〜10重量 %含有する樹脂組成物)の製造 ・テレフタル酸 5.0mol部 ・下記式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 1.0mol部 【化42】 ・無水トリメリット酸 1.0mol部 ・PO−BPA 7.0mol部 ・EO−BPA 3.0mol部 【0182】上記組成のポリエステルのモノマー(カル
ボン酸成分、アルコール成分)をエステル化触媒と共に
オートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素
ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒
素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃まで
加熱しながら縮重合反応を行うことにより、クロロホル
ム不溶分を約3重量%含有する低架橋度ポリエステル樹
脂を得た。 【0183】次に、キシレン50重量部に、上記で得ら
れた低架橋度ポリエステル樹脂80重量部と、ビニル系
モノマーとして、スチレン16重量部、2−エチルヘキ
シルアクリレレート4重量部を、及び、エステル化触媒
としてジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加し
て、110℃まで加熱して、溶解・膨潤した。窒素雰囲
気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパ
ーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶解した
ものを、約30分かけて滴下した。その温度で更に10
時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に、加熱
しながら減圧して脱溶剤することにより、低架橋度ポリ
エステル樹脂、ビニル系重合体、及び、ポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約7重量
%含有する低架橋度樹脂組成物(a)を得た。 【0184】 (1−b):高架橋度樹脂組成物(クロロホルム不溶分を15〜70重量%含有 する樹脂組成物)の製造 ・テレフタル酸 2.0mol部 ・前記式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 4.0mol部 ・無水トリメリット酸 4.0mol部 ・PO−BPA 10.0mol部 ・EO−BPA 4.0mol部 上記組成のポリエステルのモノマー(カルボン酸成分、
アルコール成分)を、エステル化触媒と共にオートクレ
ーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装
置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気
下、減圧しながら、常法に従って210℃まで加熱しな
がら縮重合反応を行うことにより、クロロホルム不溶分
を約25重量%含有する高架橋度ポリエステル樹脂を得
た。 【0185】次に、キシレン50重量部に、上記で得ら
れた高架橋度ポリエステル樹脂80重量部と、ビニル系
モノマーとして、スチレン10重量部、2−エチルヘキ
シルアクリレート10重量部、ジビニルベンゼン0.0
1重量部を、及び、エステル化触媒としてジブチルスズ
オキサイド0.3重量部を添加して、110℃まで加熱
して、溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジカル重合開
始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイド1重量部
をキシレン10重量に溶解したものを、約30分かけて
滴下した。その温度で更に10時間保持してラジカル重
合反応を終了した。更に、加熱しながら減圧して脱溶剤
することにより、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系
重合体、及び、ポリエステルユニットとビニル系重合体
ユニットを有しているハイブリット樹脂成分からなり、
クロロホルム不溶分を約33重量%含有する高架橋度樹
脂組成物(b)を得た。 【0186】(1−c):結樹着脂(1)の製造 キシレン100重量部に、上記で得られた低架橋度樹脂
組成物(a)60重量部、高架橋度樹脂組成物(b)3
0重量部、更に、ビニル系モノマーとして、スチレン5
重量部、2−エチルヘキシルアクリレート5重量部及び
ジビニルベンゼン0.01重量部を添加して110℃ま
で加熱して、膨潤・溶解した。窒素雰囲気下、ラジカル
重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイド1
重量部をキシレン10重量部に溶解したものを、約30
分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持してラ
ジカル重合反応を終了した。更に、加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、低架橋度ポリエステル樹
脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合体、及
び、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを
有しているハイブリッド樹脂成分からなり、クロロホル
ム不溶分を約28重量%含有する実施例で使用する結着
樹脂(1)を得た。尚、表1に低架橋度樹脂組成物
(a)の組成を、表2に高架橋度樹脂組成物(b)の組
成を、表3に結着樹脂(1)の組成を夫々示した。 【0187】<結着樹脂(2)の製造>樹脂製造例
(1)の低架橋度樹脂組成物(a)の製造(1−a)で
用いたポリエステルのモノマー(カルボン酸成分、アル
コール成分)を、以下に示すモノマーに変更した以外
は、低架橋度樹脂組成物(a)の製造(1−a)の場合
と同様にして、クロロホルム不溶分を約6重量%含有す
る低架橋度樹脂組成物(c)を得た。 【0188】 ・テレフタル酸 5.0mol部 ・下記式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 1.0mol部 【化43】 ・無水トリメリット酸 1.0mol部 ・PO−BPA 7.0mol部 ・EO−BPA 3.0mol部 【0189】次に、以下に示すポリエステルのモノマー
(カルボン酸成分、アルコール成分)を用いた以外は、
樹脂製造例(1)の高架橋度樹脂組成物(b)の製造
(1−b)の場合と同様にして縮重合反応を行い、クロ
ロホルム不溶分を約19重量%含有した高架橋度樹脂組
成物(d)を得た。 ・テレフテレフタル酸 2.0mol部 ・前記式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 4.0mol部 ・無水トリメリット酸 4.0mol部 ・PO−BPA 8.0mol部 ・EO−BPA 3.0mol部 【0190】結着樹脂(1)の製造の(1−c)におい
て、低架橋度樹脂組成物(a)及び高架橋度樹脂組成物
(b)の代わりに、上記で得られた低架橋度樹脂組成物
(c)を60重量部、及び、高架橋度樹脂組成物(d)
を35重量部用いた以外は同様にして、高架橋度ポリエ
ステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合
体、及び、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニ
ットを有しているハイブリッド樹脂成分からなる実施例
で使用する結着樹脂(2)を得た。尚、表1に低架橋度
樹脂組成物(c)の組成を、表2に高架橋度樹脂組成物
(d)の組成を、表3に結着樹脂(2)の組成を夫々示
した。 【0191】<結着樹脂(3)〜(6)の製造>使用し
たモノマーの種類及び結着樹脂の組成を表1〜表3に示
したように変更することにより、実施例で使用する結着
樹脂(3)〜(6)を得た。この際に使用した低架橋度
樹脂組成物の組成を表1に、高架橋度樹脂組成物の組成
を表2に、結着樹脂の組成を表3に夫々示した。尚、表
1及び表2中に記号で示したポリエステルのモノマー組
成の酸成分及びアルコール成分は、下記のものである。 【化44】 【0192】<結着樹脂(7)の製造>結着樹脂(1)
の製造における低架橋度樹脂組成物(a)の製造(1−
a)で用いたコハク酸誘導体(1−3)の代わりに、テ
レフタル酸を使用した以外は樹結着樹脂(1)の製造の
場合と同様にして、比較例で使用する結着樹脂(7)を
得た。この際に使用した低架橋度樹脂組成物の組成を表
1に、高架橋度樹脂組成物の組成を表2に、結着樹脂
(7)の組成を表3に夫々示した。 【0193】<結着樹脂(8)の製造>結着樹脂(1)
の製造における低架橋度樹脂組成物(a)の製造(1−
a)で用いたコハク酸誘導体(1−3)及び無水トリメ
リット酸の代わりに、テレフタル酸を使用した以外は結
着樹脂(1)の製造の場合と同様にして、比較例で使用
する結着樹脂(8)を得た。この際に使用した低架橋度
樹脂組成物の組成を表1に、高架橋度樹脂組成物の組成
を表2に、結着樹脂(8)の組成を表3に夫々示した。 【0194】<結着樹脂(9)の製造>結着樹脂(1)
の製造における低架橋度樹脂組成物(a)の製造(1−
a)において用いたコハク酸誘導体(1−3)及び無水
トリメリット酸の代わりに、テレフタル酸を使用した以
外は結着樹脂(1)の製造の場合と同様にして、低架橋
度樹脂組成物を得た。得られた低架橋度樹脂組成物を用
いて結着樹脂(9)を得た。この際に使用した低架橋度
樹脂組成物の組成を表1に、結着樹脂(9)の組成を表
3に夫々示した。 【0195】<結着樹脂(10)の製造>減圧装置、水
分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装
置を装着したオートクレーブに、スチレン−2−ヘキシ
ルアクリレート共重合体(ステレン84重量部、2−エ
チルヘキシルアクリレート16重量部、Mw=1.9
万、Mw/Mn=2.3)200重量部、及び、下記組
成からなるポリエステルのモノマー(カルボン酸成分、
アルコール成分)を仕込み、窒素雰囲気下、減圧しなが
ら、常法に従って210℃まで加熱しながら縮重合反応
を行うことにより、比較例で使用するポリエステル樹脂
及びビニル系重合体からなる結着樹脂(10)を得た。 ・フマル酸 191重量部 ・無水トリメリット酸 168重量部 ・EO−BPA 463重量部 ・PO−BPA 551重量部 【0196】 【表1】【0197】 【表2】【0198】 【表3】 【0199】《トナー粒子の製造》上記で得られた結着
樹脂(1)〜(10)を用い、下記のようにして実施例
及び比較例の二成分系現像剤を構成する各トナーを得
た。 <トナー粒子1の製造> ・結着樹脂(1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・カーボンブラック 5重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部 上記混合物を130℃に加熱された二軸エクストルーダ
ーで溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉
砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた
微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均径6.6μm
のトナー粒子1を得た。 【0200】このトナー粒子1を用いて、結着樹脂に含
有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル及
びクロロホルムの可溶成分及び不溶分を、ソックスレー
抽出により夫々定量した。この結果、混在するワックス
が除外された樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が3
4重量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量
%であり、クロロホルム不溶分(W6)が16重量%で
あり、これらの比(W4/W6)が2.3であった。
又、THF不溶分(W2)中のクロロホルム不溶分(W
6A)は6.5重量%であり、酢酸エチル不溶分(W
4)中のクロロホルム不溶分(W6B)は8.7重量%
であった。 【0201】更に、THFの可溶成分(W1)のGPC
による分子量測定を行ったところ、メインピークとなる
分子量が4800、分子量500以上1万未満の領域の
成分(A1)が44.1%、分子量1万以上10万未満
の領域の成分(A2)が28.2%、分子量10万以上
の領域の成分(A3)が27.7%であり、比(A1/
A2)は1.56だった。 【0202】1H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー粒子1中に、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂
及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを
有しているハイブリッド樹脂成分が存在していることを
確認した。トナー粒子1においてポリエステルユニット
とビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹
脂成分の存在は、13C−NMRにより、これらが反応す
ることによって生成するエステル結合由来のシグナル
(約168ppmに出現)を下記のようにして検出する
ことにより検証することができる。一般的に、スチレン
と共重合したアクリル酸エステルのエステル基の13C−
NMRにより測定されるシグナルは、アクリル酸エステ
ルの単独重合体のそれよりもスチレンのベンゼン環の影
響により数ppm高磁場側にシフトする現象が知られて
いる。この現象は、アクリル酸エステルのアルコール成
分がポリエステルのアルコール成分とエステル交換反応
して得られるハイブリッド樹脂成分の場合も同様であ
り、エステル交換によって導入されるポリエステルユニ
ットに含有されるベンゼン環の影響も受けて、シグナル
は上記ビニル系重合体ユニットのアクリル酸エステルよ
り更に高磁場側のシグナルとして検出される。 【0203】図1に低架橋度ポリエステルの13C−NM
R測定結果の一例を示し、図2にスチレン−2−エチル
ヘキシルアクリレート共重合体の13C−NMR測定結果
の一例を示した。これに対し、図3にトナー粒子1を構
成する結着樹脂(1)の13C−NMR測定結果を示した
が、図3から明らかなように、図1及び図2では見られ
なかったエステル結合由来の新たなシグナルが約168
ppmに出現した。更に、そのシグナルから、アクリル
酸エステルの約22モル%がポリエステルユニットと反
応してエステル化し、ハイブリッド樹脂成分として存在
することがわかった。下記表4に、図1〜図3の各々の
13C−NMRにおける特徴的な部分の測定結果を示し
た。 【0204】 【表4】 【0205】<トナー粒子2〜10の製造>トナー粒子
1の製造において、結着樹脂(1)を結着樹脂(2)〜
(10)に代えた以外はトナー粒子1の製造の場合と同
様にして、トナー粒子2〜トナー粒子10を得た。得ら
れたトナー粒子2〜10についてトナー粒子1と同様に
して分析を行い、各溶剤に対する可溶分及び不溶分の量
を測定した。又、トナー粒子2〜10がハイブリッド樹
脂成分を含有していることを確認した。 【0206】 <トナー粒子11の製造> ・結着樹脂(4) 100重量部 ・トリフェニルメタン染料 2重量部 ・カーボンブラック 5重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部 上記組成とする以外はトナー粒子1の製造の場合と同様
にして、重量平均粒径6.8μmのトナー粒子11を得
た。上記で得られたトナー粒子1〜11の物性を表5に
まとめて示した。 【0207】 【表5】表5−1:トナー粒子の物性1 【0208】 【表6】表5−2:トナー粒子の物性2 【0209】《磁性キャリアの製造》 [キャリア芯材粒子の製造] <磁性キャリア芯材粒子(A)及び(B)の製造>Mg
O(溶解度0.62mg/100ml)を20部と、M
nOを20部と、Fe23を60部とを夫々微粒子化し
た後、水を添加、混合して造粒した後、1100℃にて
焼成し、表6に示すように粒度分布を調整をして、平均
粒径35.7μmのフェライトキャリア芯材粒子(飽和
磁化58Am2/kg)(A)及び(B)を得た。 【0210】<磁性キャリア芯材粒子(C)の製造>磁
性キャリア芯材粒子材料として、MgO(溶解度0.6
2mg/100ml)を15部、NiOを2部、Al2
3を11部、及び、Fe23を72部の組成を使用す
る以外は、磁性キャリア芯材粒子(A)及び(B)の製
造の場合と同様にして、平均粒径36.3μmのフェラ
イトキャリア芯材粒子(C)(飽和磁化60Am2/k
g)を得た。 【0211】<(磁性キャリア芯材粒子(D)の製造>
Ag2O(溶解度1.74mg/100ml)を3部、
MnOを27部、及び、Fe23を70部の組成を使用
する以外は、磁性キャリア芯材粒子(A)及び(B)の
製造の場合と同様にして、平均粒径39.3μmのフェ
ライトキャリア芯材粒子(D)(飽和磁化65Am2
kg)を得た。 【0212】<磁性キャリア芯材粒子(E)の製造>B
aO(溶解度1g/100ml以上)を20部、ZnO
を20部、及び、Fe23を60部の組成を使用する以
外は、磁性キャリア芯材粒子(A)及び(B)の製造の
場合と同様にして、平均粒径36.2μmのフェライト
キャリア芯材粒子(E)(飽和磁化57Am2/kg)
を得た。 【0213】<磁性キャリア芯材粒子(F)の製造>M
gO(溶解度0.62mg/100ml)を35部、M
nOを5部、Fe23を60部の組成を使用する以外
は、磁性キャリア芯材粒子(A)及び(B)の製造の場
合と同様にして、平均粒径37.5μmのフェライトキ
ャリア芯材粒子(F)(飽和磁化47Am2/kg)を
得た。上記で得られたフェライトキャリア芯材粒子は、
式[(Fe23)x(MgO)y(MnO)z]で示されるが、
式中のxは0.6、yは0.35、zは0.05であ
る。 【0214】[シリコーン樹脂含有コーティングキャリ
アの製造] <コーティングキャリア(I−1)〜(I−5)及び
(I−8)の製造>先ず、トルエン20部、ブタノール
20部、水20部、氷40部を4つ口フラスコに取り、
撹拌しながらCH3SiCl3を15モルと(CH3)2
iCl2を10モルとの混合物40部を加え、更に30
分間撹拌した後、60℃で1時間縮合反応を行った。そ
の後、シロキサンを水で充分に洗浄し、トルエン−メチ
ルエチルケトン−ブタノール混合溶媒に溶解して固型分
10%のシリコーンワニスを調製した。 【0215】次に、得られたシリコーンワニスにシロキ
サン固型分100部に対して2.0部のイオン交換水、
及び、2.0部の下記式で表される硬化剤と、 【化45】 3.0部の下記のアミノシランカップリング剤を同時添
加し、キャリア被覆溶液(I)を作製した。 【化46】 【0216】以上のようにして調製した被覆溶液Iを用
い、先に調製した磁性キャリア芯材粒子(A)〜(F)
表面の夫々に、塗布機(岡田精工社製、スピラコータ)
により、芯材粒子100部に樹脂コート量が1.0部と
なる量で塗布して、夫々コーティングキャリア(I−
1)〜(I−5)及び(I−8)を得た。 【0217】<コーティングキャリア(I−6)の製造
>コーティングキャリアの製造例I−1において用いた
アミノシランカップリング剤を下記アミノシランカップ
リング剤に代えて調製した樹脂溶液(II)を使用するこ
とを除いては、キャリアの製造例I−1と同様にしてコ
ーティングキャリア(I−6)を得た。 【化47】 【0218】<コーティングキャリア(I−7)の製造
>キャリアの製造例(I−1)において用いた硬化剤及
びアミノシランカップリング剤を使用しないで調製した
樹脂溶液(III)を使用することを除いては、コーティ
ングキャリアの製造例(I−1)と同様にしてコーティ
ングキャリア(I−7)を得た。表6に、上記で得たコ
ーティングキャリア(I−1)〜(I−8)の夫々の物
性を示した。 【0219】 【表7】表6:コーティングキャリア(I−1)〜(I
−8)の性質【0220】[フッ素含有樹脂コーティングキャリア
(II−1)〜(II−5)の製造] <フッ素含有被覆樹脂(グラフト共重合体(A))の製
造>一方の末端にエチレン性不飽和基を有する重量平均
分子量5,000のメチルメタクリレートマクロマー1
0重量部、2−(パーフルオロオクチル)−エチルメク
クリレート60重量部、メチルメタクリレート30重量
部を、還流冷却器、温度計、窒素汲い込み管、及び、す
り合わせ方式の撹拌装置を配した4つ口フラスコに添加
し、更に、メチルエチルケトン100重量部、アゾビス
イソバレロニトリル2.0重量部を加え、窒素気流下7
0℃で10時間保ち、グラフト共重合体(A)を得た。
得られたグラフト共重合体(A)についてGPCを測定
したところ、重量平均分子量は70,000であり、
又、分子量40,000にメインピークを持ち、更に、
分子量4,000にショルダーを有していた。又、グラ
フト共重合体Aは、2−(パーフルオロオクチル)−エ
チルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合
体に、メチルメタクリレートマクロマーがグラフト重合
していた。 【0221】<フッ素含有被覆樹脂(グラフト共重合体
(B))の製造>一方の末端にエチレン性不飽和基を有
する重量平均分子量2,000のメチルメタクリレート
マクロマー20重量部、2−(パーフルオロオクチル)
−エチルメタクリレート60重量部、メチルメタクリレ
ート20重量部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み
管、及び、すり合わせ方式の撹拌装置を配した4つ口フ
ラスコに添加し、更にメチルエチルケトン100重量
部、アゾビスイソバレロニトリル7.0重量部を加え、
窒素気流下70℃で10時間保ち、グラフト共重合体
(B)を得た。得られたグラフト共重合体(B)につい
てGPCを測定したところ、重量平均分子量は、10,
000であり、又、分子量10,000にメインピーク
を持ち、更に、分子量20,000〜100,000の
領域にピークは見られなかった。 【0222】<フッ素含有被覆樹脂(グラフト共重合体
(C))の製造>一方の末端にエチレン性不飽和基を有
する重量平均分子量8,000のメチルメタクリレート
マクロマー10重量部、2−(パーフルオロオクチル)
−エチルメタクリレート70重量部、メチルメタクリレ
ート20重量部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み
管、及び、すり合わせ方式の撹拌装置を配した4つ口フ
ラスコに添加し、更にメチルエチルケトン100重量
部、アゾビスイソバレロニトリル0.7重量部を加え、
窒素気流下65℃で15時間保ちグラフト共重合体
(C)を得た。得られたグラフト共重合体(C)につい
てGPC測定をしたところ、GPCによる重量平均分子
量は32万であり、分子量8万にメインピークを持ち、
更に、分子量9,000にショルダーを有していた。 【0223】<フッ素含有被覆樹脂(グラフト共重合体
(D))の製造>2−(パーフルオロオクチル)−エチ
ルメタクリレート90重量部、メチルメタクリレート1
0重量部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及
び、すり合わせ方式の撹拌装置を配した4つ口フラスコ
に添加し、更にメチルエチルケトン100重量部、アゾ
ビスイソバレロニトリル2.0重量部を加え、窒素気流
下7.0℃で10時間保ち、グラフト共重合体(D)を
得た。得られたグラフト共重合体(D)についてGPC
測定をしたところ、GPCによる重量平均分子量は7
0,000であり、分子量4万にメインピークを持つ
が、分子量2,000〜20,000に、ピーク又はシ
ョルダーは見られなかった。 【0224】<コーティングキャリア(II−1)の製造
>キャリア芯材粒子(A)の表面に、下記の構造を有す
るγ−アミノプロピルトリメトキシシランの5重量%ト
ルエン溶液を塗布した。塗布中は、キャリア芯材粒子
(A)に剪断力を連続的に印加しながら、塗布しつつト
ルエンを揮発させた。 【化48】 【0225】その後、キャリア芯材粒子(A)の表面を
調べたところ、0.1重量%のγ−アミノプロピルトリ
メトキシシランで処理されていた。更に、キャリア芯材
粒子(A)の表面には、下記式で示される基が存在して
いることが確認できた。 【化49】 【0226】γ−アミノプロピルトリメトキシシランで
表面処理されたキャリア芯材粒子(A)に、先に調製し
たグラフト共重合体(A)を用い、その10重量%トル
エンコート溶液を塗布した。キャリア芯材粒子(A)の
表面は、0.7重量%のグラフト共重合体(A)で被覆
されていた。キャリア芯材粒子(A)の表面を、上記コ
ート溶液で塗布する際には、剪断力を連続的に印加しな
がら、塗布しつつトルエンを揮発させた。その後、温度
140℃で2時間キュアし、凝集をほぐした後、200
メッシュの篩で分級して、コーティングキャリア(II−
1)を得た。 【0227】<コーティングキャリア(II−2)〜(II
−4)の製造>グラフト共重合体(A)の代わりにグラ
フト重合体(B)〜(D)を用いる以外はコーティング
キャリア(II−1)の場合と同様にして、コーティング
キャリア(II−2)〜(II−4)を得た。 【0228】<コーティングキャリア(II−5)の製造
>キャリア芯材粒子(A)の代わりにキャリア芯材粒子
(F)を用いる以外はコーティングキャリア(II−1)
の場合と同様にして、コーティングキャリア(II−5)
を得た。表7に、上記で得られたコーティングキャリア
(II−2)〜(II−5)の物性を示した。 【0229】 【表8】表7:コーティングキャリア(II−1)〜(II
−5)の性質【0230】<コーティングキャリア(III−1)の製
造>キャリア芯材粒子(A)の表面に、下記の構造を有
するγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの
5重量%トルエン溶液を塗布した。塗布中は、キャリア
芯材粒子(A)に剪断力を連続的に印加しながら、塗布
しつつトルエンを揮発させた。 【化50】 【0231】この結果、キャリア芯材粒子(A)の表面
は、0.7重量%のγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランで処理されていた。又、キャリア芯材粒子
(A)の表面には下記式で示される基が存在しているこ
とが確認できた。 【化51】 【0232】上記のようにしてγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランで表面処理されたキャリア芯材
粒子(A)に、先に調製したグラフト共重合体(A)の
10重量%トルエンコート溶液を塗布した。キャリア芯
材粒子(A)の表面は、0.7重量%のグラフト共重合
体(A)で被覆されていた。キャリア芯材粒子(A)の
表面をコート溶液で塗布する際には、剪断力を連続的に
印加しながら、塗布しつつトルエンを揮発させた。その
後、温度140℃で2時間キュアし凝集をほぐした後、
200メッシュの篩で分級して、コーティングキャリア
(III−1)を得た。 【0233】<コーティングキャリア(III−2)〜(I
II−4)の製造>グラフト共重合体(A)の代わりにグ
ラフト重合体(B)〜(D)を用いる以外はコーティン
グキャリア(III−1)の製造と同様にして、コーティ
ングキャリア(III−2)〜(III−4)を得た。 【0234】<コーティングキャリア(III−5)の製造
>キャリア芯材粒子(A)の代わりにキャリア芯材粒子
(F)を用いる以外は、キャリア製造例(III−1)と
同様にして、コーティングキャリア(III−5)を得
た。表8に、上記で得られたコーティングキャリア(II
I−1)〜(III−5)の性質を示した。 【0235】 【表9】表8:コーティングキャリア(III−1)〜(I
II−5)の性質 【0236】(実施例1)トナー粒子1の100重量部
に対し、負帯電性疎水性シリカ微粉体1.0重量部をへ
ンシェルミキサーにより外添混合し、トナー(1)を得
た。キャリア(I−1)の93重量部とトナー(1)の
7重量部とを混合して二成分系現像剤1を調製した。こ
の二成分系現像剤1について、市販のデジタル複写機
(キヤノン(株)製、GP30F、プリント速度30枚
/分)を二成分現像用に改造したものを用いて、低温低
湿(15℃、10%RH)環境下及び高温高湿(35
℃、90%RH)環境下で夫々7万枚の面出し試験を行
って評価した。評価方法を以下に記載する。 【0237】(画像濃度)耐久初期と7万枚耐久後の画
像で、通常の複写機用普通紙(75g/m2)にベタ黒
画像をプリントし、その画像濃度により評価した。尚、
画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を
用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリント画像
に対する相対濃度を測定した。 【0238】(カブリ)リフレクトメーター(東京電色
(株)製)により測定した転写紙の白色度と、低温低湿
環境下での7万枚耐久後のべタ白画像の白色度との比較
から、カブリを算出した。 【0239】(トナースペント)高温高温環境下で7万
枚耐久後の現像器内のキャリア表面をSEM観察して、
下記の評価基準で評価した ○:全く汚染が無い。 ○△:やや汚染がある。 △:部分的にひどい汚染がある。 ×:全体的に汚染がひどい。 【0240】(キャリアコートの剥れ)高温高温環境下
で7万枚耐久後の現像器内のキャリア表面をSEM観察
して、下記の評価基準で評価した。 ○:全く剥れが無い。 ○△:一部剥れている。 △:部分的にひどい剥れがある。 ×:全体的に剥れがひどい。 【0241】(低温定着性)キヤノン製複写機GP30
Fの定着器を取り外し、外部駆動装置及び定着器の温度
制御装置を取り付けた定着試験装置にて、定着器の温度
を5℃刻みで変化させて未定着のハーフトーン画像を通
紙した。その画像を4900N/m2(50g/cm2
の荷重をかけ、柔和な薄紙により画像を摺擦し、摺擦前
後の画像濃度の低下準(%)が5%以下となる温度を低
温定着温度とした。 【0242】(ホットオフセット)低温定着性の評価に
使用したものと同じ定着試験装置を使用した。定着器の
温度を5℃刻みで230℃まで変化させて未定着画像を
通紙し、定着画像を目視で観察してホットオフセットの
発生を調べた。 【0243】(ブロッキング)各トナー50gを容量1
00mlの容器に入れ、50℃の環境下で7日間放置
し、目視でトナーの流動性の変化を下記の評価基準で評
価した。 ○:変化無し。 ○△:やや流動性が落ちているが、容器を傾けて回転さ
せると回復する。 △:凝集物があるが、針で突っくとほぐれる。 ×:凝集物があり、針で突ついてもほぐれない。 【0244】(実施例2〜6)実施例1と同様にして、
トナー粒子2〜6に負帯電性疎水性シリカ微粉体を外添
混合してトナー(2)〜(6)を得、更にキャリア(I
−1)と混合することで二成分系現像剤2〜6を調製し
た。これらの二成分系現像剤について実施例1と同様の
方法で評価した。その結果を表9に示した。 【0245】(比較例1〜4)実施例1と同様にして、
先に調製したトナー粒子7〜10に負帯電性疎水性シリ
カ微粉体を外添混合して比較用のトナー7〜10を得、
更に、キャリア(I−1)と混合することで比較用の二
成分系現像剤1〜4を調製した。これらを実施例1と同
様の方法で評価した。その結果を表9に示した。 【0246】 【表10】表9:評価結果 【0247】(実施例7〜11)トナー4の7重量部に
キャリア(I−2)〜(I−4)、(I−6)及び(I
−7)を93重量部と混合することで、二成分系現像剤
7〜11を調製した。これらの二成分系現像剤7〜11
について、実施例1と同様の方法(定着試験、ブロッキ
ングは除く)で評価した。表10に評価結果を示した。 【0248】(比較例5〜6)実施例7〜11と同様に
して、トナー4の7重量部にキャリア(I−5)及び
(I−8)と混合することで、比較二成分系現像剤5〜
6を調製した。これらを実施例7〜11と同様の方法で
評価した。表10に評価結果を示した。 【0249】 【表11】表10:評価結果【0250】(実施例12〜15)トナー4の7重量部
にキャリア(II−1)〜(II−4)を93重量部と混合
することで、二成分系現像剤12〜15を調製した。こ
れら二成分系現像剤12〜15を実施例1と同様の方法
(定着試験、ブロッキングは除く)で評価した。その結
果を表11に示した。 【0251】(比較例7)実施例12〜15と同様にし
て、トナー7をキャリア(II−5)と混合することで、
比較用の二成分系現像剤7を調製した。これらを実施例
12〜15と同様の方法で評価した。その結果を表11
に示した。 【0252】 【表12】表11:評価結果 【0253】(実施例16)トナー粒子11の100重
量部に対し、正帯電性疎水性シリカ微粉体1.0重量部
をヘンシェルミキサーにより外添混合し、トナー11を
得た。キャリア(III−1)の93重量部と、トナー1
1の7重量部とを混合して二成分系現像剤16を調製し
た。この二成分系現像剤16を、市販の複写機(キヤノ
ン(株)製、NP6030、プリント速度30枚/分)
を二成分系現像剤に改造した物を用いて、実施例1と同
様に低温低湿(15℃、10%RH)及び高温高湿(3
5℃、90%RH)環境で夫々7万枚の画出し試験を行
って評価した。更に、低温定着性、ホットオフセット性
及びブロッキングの評価を行ったところ、110℃で定
着し、230℃までホットオフセットは発生せず、ブロ
ッキングに関しても、流動性の変化はなく、優れた性能
を示した。 【0254】(実施例17〜19)実施例16と同様に
して、トナー11にキャリア(III−2)〜(III−4)
と混合することで、二成分系現像剤17〜19を調製し
た。これらを実施例16と同様の方法(定着試験、ブロ
ッキングは除く)で評価した。その結果を表12に示し
た。 【0255】(比較例8)実施例16と同様にして、ト
ナー11にキャリア(III−5)と混合することで、比較
用の二成分系現像剤8を調製した。これらを実施例16
と同様の方法で評価した。その結果を表12に示した。 【0256】 【表13】表12:評価結果 【0257】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低温定着性に優れ、且つ、高温までホットオフセットの
発生することのない、広い定着温度領域を示す二成分系
現像剤が提供される。又、本発明によれば、画像濃度が
高く、カブリの少ない画像を、使用環境によらず長期に
わたって安定して得ることのできる二成分系現像剤が提
供される。
【図面の簡単な説明】 【図1】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを表す。 【図2】スチレン−2−エチルへキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを表す。 【図3】本発明の実施例で使用したトナー1の13C−N
MRスペクトルを表す。 【図4】本発明の実施例で使用した結着樹脂(1)の酢
酸エチル可溶成分の1H−NMRスペクトルを表す。 【図5】本発明の実施例で使用した結着樹脂(1)の酢
酸エチル不溶成分の1H−NMRスペクトルを表す。 【図6】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナル
の帰属を示す説明図である。 【図7】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽出
装置の一具体例を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝尾 祐一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田谷 真明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 BA02 BA05 BA06 BA07 BA11 CA04 CA08 CA11 CA12 CA17 CA18 CA26 CB04 DA06 DA10 EA05 EA06 EA07 FA01

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー及
    びキャリアを有する二成分系現像剤において、結着樹脂
    は、 ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及びビニル系重合
    体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッ
    ド樹脂成分を含み、 テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間
    のソックスレー抽出において、THF可溶成分を50〜
    85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15〜5
    0重量%(W2)含有し、 酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー抽出
    において、酢酸エチル可溶成分を40〜98重量%(W
    3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2〜60重量%(W
    4)含有し、 クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽
    出において、クロロホルム可溶成分を55〜90重量%
    (W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10〜45重
    量%(W6)含有し、 且つ、上記酢酸エチル不溶成分(W4)とクロロホル
    ム不溶成分(W6)との比(W4/W6)の値が1.1
    〜4.0であり、キャリアは、磁性キャリア芯材粒子及
    び該磁性キャリア芯材粒子を被覆する樹脂被覆層を有し
    ており、且つ、磁性キャリア芯材粒子が、下記一般式
    (I)で示される磁性フェライト成分で形成されている
    ことを特徴とする二成分系現像剤。 【化1】 [式中、Aは、MgO、Ag2O、又は、これらの混合
    物を示し、Bは、Li2O、MnO、CaO、SrO、
    Al23、SiO2、又は、これらの混合物を示し、
    x、y及びzは重量比を示し、且つ、これらは下記条件
    を満足する。 0.2≦x≦0.95 0.005≦y≦0.3 0<z≦0.795 x+y+z≦1] 【請求項2】 結着樹脂が、THF可溶成分のゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による
    分子量分布において、分子量4,000〜9,000の
    領域にメインピークを有し、分子量500〜1万未満の
    領域の成分(A1)が35.0〜65.0%であり、分
    子量1万〜10万未満の領域の成分(A2)が25.0
    〜45.0%であり、分子量10万以上の成分(A3)
    が10.0〜30.0%であり、A1/A2の値が1.
    05〜2.00である請求項1に記載の二成分系現像
    剤。 【請求項3】 結着樹脂を構成しているポリエステル樹
    脂及びポリエステルユニットが、三価以上の多価カルボ
    ン酸又はその無水物、又は、三価以上の多価アルコール
    で架橋された架橋構造を有している請求項1又は2に記
    載の二成分系現像剤。 【請求項4】 結着樹脂を構成しているビニル系樹脂及
    びビニル系重合体ユニットが、ビニル基を2個以上有す
    る架橋剤で架橋された架橋構造を有している請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項5】 結着樹脂のTHF不溶成分(W2)が2
    0〜45重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の二成分系現像剤。 【請求項6】 結着樹脂のTHF不溶成分(W2)が2
    5〜40重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の二成分系現像剤。 【請求項7】 結着樹脂の酢酸エチル不溶成分(W4)
    が5〜50重量%である請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の二成分系現像剤。 【請求項8】 結着樹脂の酢酸エチル不溶成分(W4)
    が10〜40重量%である請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の二成分系現像剤。 【請求項9】 結着樹脂のクロロホルム不溶成分(W
    6)が15〜40重量%である請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項10】 結着樹脂のクロロホルム不溶成分(W
    6)が17〜37重量%である請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項11】 結着樹脂の酢酸エチル不溶成分(W
    4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4/W
    6)の値が1.2〜3.5である請求項1〜10のいず
    れか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項12】 結着樹脂の酢酸エチル不溶成分(W
    4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4/W
    6)の値が1.5〜3.0である請求項1〜11のいず
    れか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項13】 THF不溶成分(W2)が含有してい
    るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と、酢酸エ
    チル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶
    成分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足する関係
    にある請求項1〜12のいずれか1項に記載の二成分系
    現像剤。 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 【請求項14】 THF不溶成分(W2)が含有してい
    るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と、酢酸エ
    チル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶
    成分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足する関係
    にある請求項1〜13のいずれか1項に記載の二成分系
    現像剤。 5重量%≦W6A≦20重量%、 10重量%≦W6B≦25重量%、 15重量%≦W6A+W6B≦40重量%、 W6A:W6B=1:1.5〜2.5 【請求項15】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量5,000〜8,
    500の領域にピークを有する請求項1〜14のいずれ
    か1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項16】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量5,000〜8,
    000の領域にピークを有する請求項1〜15のいずれ
    か1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項17】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量500〜1万未満
    の成分(A1)を37.0〜60.0%含有している請
    求項1〜16のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項18】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量500〜1万未満
    の成分(A1)を40.0〜50.0%含有している請
    求項1〜17のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項19】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量1万〜10万未満
    の成分(A2)を27.0〜42.0%含有している請
    求項1〜18のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項20】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量1万〜10万未満
    の成分(A2)を30.0〜40.0%含有している請
    求項1〜19のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項21】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量10万以上の成分
    (A3)を12.0〜25.0%含有している請求項1
    〜20のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項22】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量10万以上の成分
    (A3)を15.0〜20.0%含有している請求項1
    〜21のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項23】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量500〜1万未満
    の成分(A1)と分子量1万〜10万未満の成分(A
    2)との比(A1/A2)が1.10〜1.90である
    請求項1〜22のいずれか1項に記載の二成分系現像
    剤。 【請求項24】 THF可溶成分(W1)は、GPC測
    定による分子量分布において、分子量500〜1万未満
    の成分(A1)と分子量1万〜10万未満の成分(A
    2)との比(A1/A2)が1.15〜1.80である
    請求項1〜23のいずれか1項に記載の二成分系現像
    剤。 【請求項25】 ハイブリッド樹脂成分のビニル重合体
    ユニットとポリエステルユニットとが、 【化2】 を介して結合している請求項1〜24のいずれか1項に
    記載の二成分系現像剤。 【請求項26】 ハイブリッド樹脂成分が、ポリエステ
    ルユニットと、カルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によって得られたビニル系重合体ユニットとのエ
    ステル交換反応によって形成された共重合体である請求
    項1〜25のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【詩求項27】 ハイブリッド樹脂成分が、ビニル系重
    合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニットを
    枝重合体としたグラフト共重合体である請求項1〜26
    のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項28】 結着樹脂は、10〜60モル%のグラ
    フト化率を有する請求項1〜27のいずれか1項に記載
    の二成分系現像剤。 【請求項29】 結着樹脂は、15〜55モル%のグラ
    フト化率を有する請求項1〜28のいずれか1項に記載
    の二成分系現像剤。 【請求項30】 一般式(I)におけるx、y及びz
    が、下記条件を満足する請求項1〜29のいずれか1項
    に記載の二成分系現像剤。 0.2≦x≦0.95 0.005≦y≦0.3 x+y<1 z=1−x−y 【請求項31】 キャリア芯材粒子は、MgOを酸化物
    換算で0.5〜30重量%含有してる請求項1〜30の
    いずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項32】 磁性キャリア芯材粒子を被覆するため
    の被覆樹脂は、少なくとも、シリコーン樹脂を含有する
    請求項1〜31のいずれか1項に記載の二成分系現像
    剤。 【請求項33】 樹脂被覆層は、下記一般式(III)で
    示される硬化剤を含有する反応性シリコーン樹脂を有す
    る請求項32に記載の二成分系現像剤。 【化3】【請求項34】 キャリアが、水存在下で、反応性シリ
    コーン樹脂をキャリア芯材粒子に被覆することにより得
    られたものである請求項32又は33に記載の二成分系
    現像剤。 【請求項35】 キャリアの樹脂被覆層を形成するため
    の被覆樹脂が、少なくともフッ素含有樹脂を有する請求
    項1〜31のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項36】 樹脂被覆層が、フルオロアルキルユニ
    ット、メチレンユニット(−CH2−)及びエステルユ
    ニットを少なくとも有し、磁性キャリア芯材粒子の表面
    が、 被覆樹脂と、メチレンユニットを少なくとも有するカ
    ップリング剤との混合物で被覆処理されているか、又
    は、 メチレンユニットを少なくとも有するカップリング剤
    で表面処理された後に、被覆樹脂で被覆されている請求
    項1〜31のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項37】 樹脂被覆層が、下記式で示されるパー
    フルオロアルキルユニットを有する請求項36に記載の
    二成分系現像剤。 【化4】 【請求項38】 樹脂被覆層が、下記式で示されるユニ
    ットを有する請求項36に記載の二成分系現像剤。 【化5】 【請求項39】 樹脂被覆層が、下記式で示されるユニ
    ットを有する請求項36に記載の二成分系現像剤。 【化6】 【請求項40】 樹脂被覆層が、下記式で示されるユニ
    ットを有する請求項36に記載の二成分系現像剤。 【化7】 【請求項41】 樹脂被覆層が、下記式で示されるユニ
    ットを有する請求項36に記載の二成分系現像剤。 【化8】 【請求項42】 被覆樹脂が、フルオロアルキルユニッ
    トを有するメタクリル酸、又は、そのエステルの重合体
    又は共重合体である請求項36〜41のいずれか1項に
    記載の二成分系現像剤。 【請求項43】 被覆樹脂が、フルオロアルキルユニッ
    トを有するアクリル酸、又は、そのエステルの重合体又
    は共重合体である請求項36〜41のいずれか1項に記
    載の二成分系現像剤。 【請求項44】 被覆樹脂が、フルオロアルキルユニッ
    トを有するグラフト共重合体である請求項36〜41の
    いずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項45】 被覆樹脂が、下記式で示されるユニッ
    トと、 【化9】 下記式で示されるユニットとを有するグラフト共重合体
    である請求項36〜41のいずれか1項に記載の二成分
    系現像剤。 【化10】 【請求項46】 被覆樹脂が、THF可溶成分のGPC
    において、重量平均分子量が2万〜30万である請求項
    35〜45のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項47】 被覆樹脂は、THF可溶成分のGPC
    において、重量平均分子量が2,000〜10万の領域
    にメインピークを有する請求項35〜46のいずれか1
    項に記載の二成分系現像剤。 【請求項48】 被覆樹脂は、THF可溶成分のGPC
    において、重量平均分子量が2,000〜10万の領域
    にサブピーク又はショルダーを有する請求項35〜46
    のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項49】 被覆樹脂が、THF可溶成分のGPC
    において、重量平均分子量が2万〜10万の領域にメイ
    ンピークを有し、重量平均分子量が2,000〜19,
    000の領域にサブピーク又はショルダーを有する請求
    項35〜48のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項50】 メチレンユニットを少なくとも有する
    カップリング剤が、シランカップリング剤又はチタンカ
    ップリング剤である請求項36に記載の二成分系現像
    剤。 【請求項51】 メチレンユニットを少なくとも有する
    カップリング剤が、γ−アミノプロピルトリアルコキシ
    シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
    ルトリアルコキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
    γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、及び、
    N−フェニル−γ−アミノプロピルトリアルコキシシラ
    ンからなるグループから選択されるアミノアルキルアル
    コキシシランである請求項36に記載の二成分系現像
    剤。 【請求項52】 メチレンユニットを少なくとも有する
    カップリング剤が、γ−メタクリロキシプロピルトリア
    ルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
    ル)エチルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプ
    ロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
    ルメチルジアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピル
    トリアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコ
    キシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
    ート、メチレンユニットを有するイソプロピルトリアル
    キルベンゼンスルホニルチタネート、及び、メチレンユ
    ニットを有するイソプロピルトリス(ジアルキルピロホ
    スフェート)チタネートから選択されるシランカップリ
    ング剤又は、チタンカップリング剤である請求項36に
    記載の二成分系現像剤。 【請求項53】 磁性キャリア芯材粒子に対して、被覆
    樹脂が0.01〜5重量%(キャリア基準)の割合で塗
    布され、カップリング剤が0.01〜5重量%(キャリ
    ア基準)の割合で塗布されている請求項36〜52のい
    ずれか1項に記載の二成分系現像剤。 【請求項54】 キャリアは、50%粒径が15〜60
    μm、22μmより小さいキャリア粒子を1〜20重量
    %含有し、16μmより小さいキャリア粒子を3重量%
    以下含有し、62μm以上のキャリア粒子を2〜15重
    量%含有し、88μm以上のキャリア粒子を2重量%以
    下含有する粒度分布を有することを特徴とする請求項1
    〜53のいずれか1項に記載の二成分系現像剤。
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