JP3332485B2 - トナー - Google Patents

トナー

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JP3332485B2
JP3332485B2 JP17586493A JP17586493A JP3332485B2 JP 3332485 B2 JP3332485 B2 JP 3332485B2 JP 17586493 A JP17586493 A JP 17586493A JP 17586493 A JP17586493 A JP 17586493A JP 3332485 B2 JP3332485 B2 JP 3332485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーに関し、特に、
色再現性が高く、かつ定着ローラーへオフセットしにく
い耐オフセット性に優れているカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、白−黒複写機からフルカラー複写
機への展開が急速になされつつあり、2色カラー複写機
やデジタル化したフルカラー複写機の発売も市場では行
われはじめている。
【0003】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー,マゼンタ,シアンの
3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用い
て色の再現を行うものである。
【0004】その一般的方法は、まず原稿からの光をト
ナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを
通して光導電層上に静電潜像を形成する。次いで現像、
転写工程を経てトナーは支持体に保持される。次いで前
述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わ
せつつ、同一支持体上にトナーは重ね合わされ、ただ一
回のみの定着によって最終のフルカラー画像が得られ
る。
【0005】この様な、複数回の現像を行い、定着工程
として同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね
合わせを必要とするカラー電子写真法では、カラートナ
ーが持つべき定着特性は極めて重要な要素である。
【0006】すなわち、定着したカラートナーは、トナ
ー粒子による乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性や
つやが必要である。
【0007】又、トナー層の下層にある異なる色調のト
ナー層を妨げない透明性を有し、色再現性の広いカラー
トナーでなければならない。
【0008】これらを満足しうるカラートナーとして、
本出願人等は特開昭50−82442号公報,特開昭5
1−144625号公報,特開昭59−57256号公
報で新規なカラートナー用結着樹脂と着色剤の組み合わ
せを開示してきた。
【0009】これら記載のカラートナーは、かなりのシ
ャープメルト性を有しており、シリコーンオイル塗布が
可能なシリコーンゴムローラーとの組み合わせにおい
て、定着時完全溶融に近い状態までトナー形状が変化
し、好ましい光沢性及び色再現性が得られる。
【0010】これらの効果は、トナーの定着特性とし
て、結着樹脂の粘弾性特性における弾性項よりも粘性項
を重視することを意味している。
【0011】すなわち、加熱時、トナーはより粘性体と
して挙動し熱溶融性が増し、光沢性も得られることにな
る。
【0012】しかし、このような粘性項重視の結着樹脂
設計は、必然的に熱溶融時の分子間凝集を低下せしめる
ことになり定着装置通過時、熱ローラーへのトナーの付
着性も増すことになる。これらは高温オフセット現象を
奮起するものである。
【0013】特にシリコーンゴムローラーを定着ローラ
ーとして用いる場合、離型用オイル塗布如何によらず繰
り返し使用する本質的なシリコーンゴムローラー表面の
離型性の低下ゆえに高温オフセットが発生しやすくな
る。シリコーンゴムローラーにおいて使用開始初期は、
ローラー表面の平滑性や清浄性のゆえ、ある程度の離型
性は維持されうる。しかし、カラー画像のように画像面
積が大きく、普通紙の如き支持体上のトナー保持量も、
白・黒複写画像に比べて格段に多いカラー複写を、複写
し続けると、徐々にローラーの離型性は低下する。この
離型性の悪化のスピードは、白・黒複写の数倍に達す
る。
【0014】又、トナー自身も前述のように弾性をほと
んど有していないため、耐オフセット効果には無力であ
る。これらにより、わずか数千〜数万枚後に定着ローラ
ー表面にトナーの被膜や粒状の付着物が形成されること
や、熱ローラー通過時画像面のトナー上層部がはぎ取ら
れる。いわゆる高温オフセットが発生する。
【0015】上記の問題点を解決或は軽減すべく種々の
方策がトナーで試みられているが、さらなる改良が要望
されている。例えば特開昭55−60960号公報,特
開昭57−208559号公報,特開昭58−1195
3号公報,特開昭58−14144号公報,特開昭60
−123852号公報等に記載のごとく、剥離性を増す
ために、トナー中に離型性成分である低分子量のポリエ
チレン、ポリプロピレン、ワックス、高級脂肪酸などを
添加する方法も行われている。これらの方法は、オフセ
ット防止には効果がある反面、耐オフセットに充分効果
を発揮する多量の含有はメインの結着樹脂との相溶性が
悪くなり、カラートナーのOHP画像の透明性を損なう
こと、帯電特性が不安定になる、耐久性が低下する等の
悪影響も認められ、充分なものとはいい難い。
【0016】又、特開昭47−12334号公報,特開
昭57−37353号公報,特開昭57−208559
号公報においては、エーテル化ビスフェノール単量体
と、ジカルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール
単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含
む単量体成分とより得られる非線状共重合体よりなるポ
リエステルをバインダーとして含有するトナーが提案さ
れているが、斯かる技術は、エーテル化ビスフェノール
単量体とジカルボン酸単量体とよりなるポリエステル
を、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以
上の多価カルボン酸単量体を含む多量の単量体成分によ
り架橋することによって得られるポリエステルをバイン
ダーとして含有させることによりトナーにオフセット防
止性能を有せしめたものである。しかしながら斯かるト
ナーにおいては、その軟化点が若干高く、従って良好な
低温定着が困難であるし、又、フルカラー複写に用いた
場合は耐高温オフセット性に対しては、実用化しうるレ
ベルではあるが、上述のごとく定着性、シャープメルト
性に難があるため、該ポリエステルを用いたフルカラー
トナーの重ね合わせによる混色性や色再現性は望むべく
もない。又、特開昭57−109825号公報や,特開
昭62−78568号公報,特開昭62−78569号
公報など、さらに本出願人による特開昭59−7960
号公報,特開昭59−29256号公報においては、エ
ーテル化ビスフェノール単量体と、長鎖脂肪族炭化水素
を導入したジカルボン酸単量体やその他のジカルボン酸
単量体と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は
3価以上の多価カルボン酸単量体を含む単量体成分とよ
り得られる非線状共重合体であって、その側鎖に炭素数
3〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
するポリエステルをバインダーとして含有するトナーを
開示したが、これらのポリエステル樹脂は高速複写用ト
ナーを目的としたことが主であり、樹脂の粘弾性特性と
しては、前述した粘性重視ポリエステルとはまったく逆
に、弾性を強化し、ローラーへの高温オフセットを著し
く低下せしめたものである。そして、定着時、熱ローラ
ーの加圧及び加熱をできる限り高め、トナーを半溶融の
状態で転写紙の繊維の間へ押し込み、加圧加熱定着を行
い、該目的を達成しようとするものである。
【0017】それゆえ、カラー複写に必要なトナー層が
溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということはほ
とんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子状態
で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとなり彩
度にとぼしい。OHP画像はトナー粒子表面で光が散
乱、拡散してしまいほとんど光を透過せず、実用的に使
用不能となってしまう。
【0018】又、本出願人等は特開平2−73366号
公報,特開平1−224776号公報において、耐高温
オフセット性にすぐれ、かつ、カラー複写に適用可能な
新規なポリエステル樹脂を提案したが、該樹脂はなるほ
ど、従来のカラートナー用樹脂よりは勝っているが、定
着ローラーへのオフセット防止効果を発揮するのはせい
ぜい繰り返し複写2〜5万枚程度であり、白黒トナーの
オフセット防止効果は10万枚以上は充分にあり、現状
では数十万枚の耐刷性、耐オフセット性を有することか
ら考えると、性能的にはさらに改善することが好まし
い。又、該ポリエステルはカラー複写における定着性を
第一義な課題として研究されたものであり、帯電的には
低温低湿環境と高温高湿環境の間で帯電量の差が大き
く、繰り返し複写後のカラー画像において低湿側で濃度
が若干低くなる傾向があり、高湿側では、トナー飛散や
カブリが生ずることもある。
【0019】又、特開昭62−195676号公報,特
開昭62−195678号公報,特開昭62−1956
80号公報においては、水酸基価と酸価の比を規定した
ポリエステル樹脂を開示しているが、これらのポリエス
テル樹脂もやはり、高速定着用を意図したものであり、
本発明者等の検討によると該樹脂を用いたカラートナー
は十分な混色性を得る所までは到らなかった。
【0020】特にカラー複写特有の問題として、最低3
色のカラートナー、好ましくは4色のカラーバランスが
調和して取れていなければならず、一色だけの定着特性
や色再現性を論じても意味がない。
【0021】原理的には色の3原色であるイエロー,マ
ゼンタ,シアンの3色が有れば、原色混合法によってほ
とんどすべての色を再現することが可能のはずであり、
それゆえ現在市場のフルカラー複写機は3原色のカラー
トナーを重ね合わせて用いる構成になっている。これに
より理想的にはあらゆる色調をあらゆる濃度範囲で実現
できるはずであるが現実的には、トナーの分光反射特
性、トナーの重ね合わせ定着時の混合性、彩度の低下な
どいまだに改良すべき点を有している。
【0022】3色の重ね合わせで黒色を得る場合は、単
色カラーよりもさらに3倍のトナー層が転写紙上に形成
されることになり、さらに耐オフセット性に対し困難を
要する。
【0023】一方、現像剤がトナーとキャリアとからな
るいわゆる二成分系の現像方式の場合において現像剤
は、キャリアとの摩擦によってトナーを所要の帯電量及
び帯電極性に帯電せしめ、静電引力を利用して静電像を
現像するものであり、従って良好な可視画像を得るため
には、主としてキャリアとの関係によって定まるトナー
の摩擦帯電性が良好であることが必要である。
【0024】今日上記の様な問題に対してキャリアコア
剤、キャリアコート剤の探索やコート量の最適化、或は
トナーに加える電荷制御剤、流動性付与剤の検討、更に
は母体となるバインダーの改良などいずれも現像剤を構
成するあらゆる材料において優れた摩擦帯電性を達成す
べく多くの研究がなされている。
【0025】例えば帯電性微粒子のごとき帯電補助剤を
トナーに添加する技術として、特公昭52−32256
号公報、特開昭56−64352号公報には、トナーと
逆極性の樹脂微粉末を、又特開昭61−160760号
公報にはフッ素含有化合物をそれぞれ現像剤に添加し、
安定した摩擦帯電性を得るという技術が提案されており
今日でも多くの帯電補助剤の開発が行なわれている。
【0026】更に上記のごとき帯電補助剤を添加する手
法としては色々工夫されている。例えばトナー粒子と帯
電補助剤との静電力あるいは、ファンデルワールス力等
によりトナー粒子表面に付着せしめる手法が一般的であ
り、撹拌、混合機等が用いられる。しかしながら該手法
においては均一に添加剤をトナー粒子表面に分散させる
ことは容易ではなく、又トナー粒子に未付着で添加剤同
士が凝集物となって、いわゆる遊離状態となった添加剤
の存在を避けることは困難である。この傾向は、帯電補
助剤の比電気抵抗が大きいほど、粒径が細かいほど顕著
となってくる。この様な場合、トナーの性能に影響が出
て来る。例えば、摩擦帯電量が不安定となり画像濃度が
一定せず、又カブリの多い画像となる。
【0027】或は連続コピー等を行うと帯電補助剤の含
有量が変化し初期時の画像品質を保持することが出来な
い、などの欠点を有していた。
【0028】他の添加手法としては、トナーの製造時に
結着樹脂や着色剤と共に、あらかじめ帯電補助剤を添加
する手法がある。しかしながら、荷電制御剤の均一化が
容易でないこと、又実質的に帯電性に寄与するのは、ト
ナー粒子表面近傍のものであり、又粒子内部に存在する
帯電補助剤や荷電制御剤は帯電性に寄与しないため、帯
電補助剤の添加量や表面への分散量等のコントロールが
容易ではない。又この様な手法で得られたトナーにおい
てもトナーの摩擦帯電量が不安定であり前述のごとく現
像剤特性を満足するものを容易に得ることは出来ないな
ど、帯電補助剤を使用するだけでは十分満足な品質のも
のが得られていないのが実情である。
【0029】更に近年、複写機の高精細、高画質化の要
求が市場では高まっており、当該技術分野では、トナー
の粒径を細かくして高画質カラー化を達成しようという
試みがなされているが、粒径が細かくなると単位重量当
りの表面積が増え、トナーの帯電気量が大きくなる傾向
にあり、画像濃度薄や、耐久劣化が懸念されるところで
ある。加えてトナーの帯電気量が大きいために、トナー
同士の付着力が強く、流動性が低下し、トナー補給の安
定性や補給トナーへのトリボ付与に問題が生じてくる。
【0030】又、カラートナーの場合は、磁性体や、カ
ーボンブラック等の導電性物質を含まないので、帯電を
リークする部分がなく一般に帯電気量が大きくなる傾向
にある。この傾向は、特に帯電性能の高いポリエステル
系バインダーを使用したときにより顕著である。
【0031】ポリエステル系樹脂からなるトナーは一般
に温湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量過大、高
湿下での帯電量不足といった問題が起こり、広範な環境
においても安定した帯電量を有するカラートナーの開発
が急務とされている。
【0032】こういった諸問題を解決する手段の一つに
トナーに種々の化学物質を添加する方法がある。
【0033】特に、解像性、濃度均一性あるいはカブリ
などの種々の画像特性を改良するのを目的として、トナ
ーの帯電性および流動性の向上のために種々の微粉体を
添加することが広く行われている。
【0034】こういった、トナー諸特性の改良のために
添加される微粉体として汎用されているものの一つとし
て酸化チタン微粒子が挙げられ、特に表面を疎水化処理
したものがより好ましく用いられる。
【0035】これまでに、疎水化酸化チタンをトナーに
含有する例として特開昭59−52255号公報にアル
キルトリアルコキシシランで処理した酸化チタンを含有
するトナーが提案されているが酸化チタンの添加によ
り、確かに電子写真諸特性は向上しているものの、酸化
チタンの表面活性は元来小さく処理の段階で合一粒子が
生じたり、疎水化が不均一あるいは不十分であったり
で、必ずしもフルカラートナーに適用した場合満足のい
くものではなかった。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真技術において、 良好な定着性及び混色性を示し、 温湿度等の環境に左右されにくく常に安定した摩擦
帯電性を有し、 画像品質を著しく高める光沢性が高く、 繰り返し複写してもキャリアスペントしにくく耐久
性に優れており、 高温オフセットが十分に防止され、定着可能温度域
が広く、 繰り返しの定着通紙によっても耐オフセット性が維
持され、 カブリのない鮮明な画像特性を有し且つ耐久安定性
に優れた トナーを提供することに有る。
【0037】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも結着樹脂および着色剤から成るトナーにおいて、
該結着樹脂が (a)イソフタル酸、テレフタル酸及びその誘導体より
選ばれた2価の芳香族系酸成分(a)を全モノマー量の
25〜35mol%, (b)トリメリット酸及びその誘導体より選ばれた3価
の芳香族系酸成分(b)を全モノマー量の2〜4mol
%, (c)ドデセニルコハク酸,オクチルコハク酸及びその
無水物より少なくとも選ばれた2価の酸成分(c)を全
モノマー量の12〜18mol%, (d)プロポキシ化、又は/及びエトキシ化したエーテ
ル化ジフェノール成分(d)を全モノマー量の45〜6
0mol%,を少なくとも含有する単量体組成物から生
成されたポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹
脂の水酸基価が10〜20mgKOH/gであり、重量
平均分子量が13,000〜20,000であり、数平
均分子量が5,000〜8,000であり、重量平均分
子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が2〜3.5
であり、該トナーが、表面を疎水化処理された酸化チタ
ンを有し、該トナーの重量平均径が4〜10μmである
ことを特徴とするトナーに関する。
【0038】本発明のカラートナーにおいて、本発明の
ポリエステル樹脂は、線状ポリエステル樹脂と非線状の
架橋ポリエステル樹脂の両者の性質を合わせもった、い
わば過渡的性格を有したものといえる。これにより、カ
ラートナーとして良好な混色性、及び色再現性が得ら
れ、かつ、定着ローラへの耐オフセットが得られたもの
と考える。
【0039】すなわち、本発明において好ましい特性が
得られる理由を以下のごとく推察する。
【0040】(i)架橋モノマー成分であるトリメリッ
ト酸等の3価の芳香族系酸成分(b)を、2価の酸成分
1分子及び2価のアルコール成分の1分子縮合体が20
〜30単位、繰り返した線状縮合体鎖中に規則的にせい
ぜい1分子導入し、弱い架橋を形成する。そして、その
弱い架橋ではあるが、ポリエステル中の縮合体全体を一
つの3次元ポリマーとして構成する。これは単なる線状
ポリエステルの混合物よりは、はるかに耐オフセット性
が向上する。しかし、本発明の架橋レベルはポリエステ
ル樹脂の熱による容易な可動性を妨げない範囲内でもあ
る。
【0041】(ii)ソフトセグメントを有する2価の
酸成分のその組成及び量を極めて限定することにより、
混色性、色再現性の良いフルカラー画像が得られかつ、
耐オフセット性に悪影響が生じないようにせしめてい
る。特徴(i)における弱い架橋縮合体中で、架橋酸成
分の量と該酸成分の量は自ずとバランスを保つように決
定され、多すぎると異常なシャープメルト性を発生し、
又、少なすぎるとカラー画像の光沢性や彩度の低下が見
られる。
【0042】本発明においては、3価のカルボン酸
(b)を必須成分として使用しながら、分子量分布を通
常の架橋結着樹脂より狭く(Mw/Mn=2〜3.5、
好ましくは2.0〜3.0)することにより上記効果を
達成し得る。
【0043】(iii)その他の2価の酸成分をイソフ
タル酸、テレフタル酸等の価の芳香族系酸成分(a)と
し、極力、ポリマーの粘性を低下させずに弾性を有する
組成を選択している。これに対し、脂肪族系の酸成分に
変更すると分子鎖がリニアで、かつ長鎖となるため、熱
により分子鎖が可動しやすくなり、ポリマーとしては粘
性的挙動をより示すこととなり、定着ローラーへのオフ
セットはしやすくなる。
【0044】(iv)本発明のポリエステル樹脂の製造
条件を従来と変更し、樹脂の分子量分布を出来る限り、
シャープで狭い分布となるように特に調整している。ポ
リエステル中の縮合体の分子鎖の分布を狭い範囲で均一
化せしめることは、カラートナーにおける混色性と耐オ
フセット性を両立せしめる上で重要なことである。すな
わち、分子量の小さい分子鎖の短い縮合体は加熱によっ
てたやすく、分子主鎖が動き、逆に高分子量の分子鎖の
長い縮合体は、その熱エネルギーではほとんど動かな
い。そのアンバランスがポリエステル樹脂中で存在する
と、該樹脂を用いたカラートナーが低い温度の定着ロー
ラーを通過する場合、低分子の縮合体はすみやかに溶融
し、定着及び混色するような挙動を示し、かつ高分子の
縮合体はほとんど溶けないという現象が発生する。
【0045】一方、高分子が溶融するほどの高温を定着
ローラーに加えると、低分子はまったく弾性を有しない
粘性体として挙動し、高温オフセットの素因をつくるこ
とになる。
【0046】それゆえ、とりわけカラートナーにあって
は、比較的シャープメルト性を有しつつ、かつ、トナー
を構成するポリエステル樹脂の分子間凝集を高めるため
に、重量平均分子量と数平均分子量の比をできるだけ小
さくすることが必要である。これは、白黒トナーで論ず
る以上の重要な特質である。
【0047】(v)特徴(iv)においては、ポリエス
テル樹脂の製造条件の変更は、分子量分布の制御にとっ
て不可欠であることは述べたが、さらに、水酸基価の値
をある範囲に収めるためにもこの製造条件は必要であ
る。水酸基価は樹脂の水和性の目安となり、カラートナ
ーの帯電性を左右する重要な因子であり、該値が大きす
ぎても小さすぎても好ましい帯電特性が得られない。
【0048】この水酸基価の値は、本発明のポリエステ
ル樹脂を構成するその組成と製造条件によってのみ決定
される。しかるにカラートナーの混色性、色再現性と耐
オフセット性を満たす定着特性と帯電特性の両特性を併
立するためには、(i)乃至(v)の諸条件を満足して
いなければならない。
【0049】本発明のモノマー組成等は一見従来技術と
類似していると見ることが出来るが、本発明の真のねら
い、及び達成した技術到達点は、従来のポリエステル樹
脂、及びカラートナーでは達し得なかったものである。
【0050】それゆえ本発明において、モノマー成分、
組成比、及び諸物性は本発明が開示した以外の範囲で
は、本発明の目的は達成することは極めて困難である。
【0051】まず、本発明において用いられるポリエス
テル樹脂を構成するモノマーについて説明する。
【0052】(a)イソフタル酸、テレフタル酸及びそ
の誘導体より選ばれた2価の芳香族系酸成分としては特
に限定されないが、イソフタル酸、テレフタル酸の他に
酸無水物、エステル等の誘導体が挙げられる。その含有
量としては25〜35mol%、好ましくは28〜35
mol%である。(a)成分の含有量が25mol%未
満では粘性挙動が増すためオフセットが発生しやすくな
り好ましくない。また35mol%を超えると弾性挙動
が増加し、定着性が低下してしまい好ましくない。
【0053】(b)トリメリット酸及びその誘導体より
選ばれた3価の芳香族系酸成分としては特に限定されな
いが、トリメリット酸の他にベンゼン−トリカルボン酸
エステル、トリメリット酸無水物等の誘導体が挙げられ
る。その含有量としては2〜4mol%、好ましくは
2.5〜4.0mol%である。(b)成分の含有量が
2mol%未満では架橋効果が足りず、耐オフセット性
が低下し好ましくない。また4mol%を超えると架橋
によりポリマー鎖の可動性が妨げられ定着性が低下する
ため好ましくない。 (c)ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸及びその
無水物より少なくとも選ばれた2価の酸成分の含有量と
しては12〜18mol%、好ましくは12〜17mo
l%である。(c)成分の含有量が12mol%未満で
は画像の光沢性や彩度がそこなわれ好ましくない。また
18mol%を超えるとシャープメルト性が高くなり、
オフセットを発生しやすくなり好ましくない。 (d)プロポキシ化又は及びエトキシ化したエーテル化
ジフェノール成分として好ましいのは、エトキシ化又は
プロポキシ化されたエーテル化ビスフェノールであり、
ビスフェノール1モルあたり2ないし3モルのオキシエ
チレン又はオキシプロピレンを有したものである。
【0054】例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンである。(d)成分の含有量と
しては45〜60mol%、好ましくは45〜55mo
l%である。(d)成分の含有量が45mol%未満あ
るいは60mol%を超えると酸価あるいは水酸基価が
高くなり高温下での帯電特性が低下するため好ましくな
い。
【0055】本発明において用いられるポリエステル樹
脂の水酸基価(単位:mgKOH/g)は10〜20、
好ましくは12〜20である。水酸基価が10未満では
低温下での帯電量が高くなりやすく好ましくない。また
20を超えると高温下での帯電特性が低下しやすく好ま
しくない。
【0056】また、重量平均分子量(Mw)は13,0
00〜20,000、好ましくは15,000〜20,
000、数平均分子量(Mn)は5,000〜8,00
0、好ましくは6,000〜8,000である。分子量
が下限未満では十分な耐オフセット性が得られず好まし
くない。また、上限を超えると定着性が低下し、好まし
くない。
【0057】更に、Mw/Mnは2〜3.5、好ましく
は2〜3である。Mw/Mnが2未満では低分子量成
分、高分子量成分ともに少なく定着性及び耐オフセット
性のバランスが悪く、好ましくない。また3.5を超え
ると特に低分子量成分が増えることにより、耐オフセッ
ト性及び耐ブロッキング性が悪化し、好ましくない。
【0058】本発明のポリエステル樹脂を得るための製
造方法としては、例えば以下のごとくの方法による。
【0059】まず線上の縮合体を形成せしめ、その過程
で目標の酸価、水酸基価の1.5〜3倍となるように分
子量を調整し、かつ分子量が均一となるように従来より
もゆっくり、かつ徐々に縮合反応が進むように、例えば
従来よりも低温かつ長時間反応せしめる,又は、エステ
ル化剤を減少せしめる,又は、反応性の低いエステル化
剤を用いる,又は、これらの方法を組み合わせて用い
る,などにより、反応を制御する。その後、その条件下
で架橋酸成分、及び必要に応じてエステル化剤をさらに
加え、反応せしめ3次元縮合体を形成せしめる。さらに
昇温し、分子量分布が均一になるようにゆっくり、長時
間反応せしめ、架橋反応を進め、水酸基価が目標値まで
低下した時反応を終了し、本発明のポリエステル樹脂を
得る。
【0060】さらに、このポリエステル樹脂から成るト
ナーに特定の表面処理を施した酸化チタン微粒子を組み
合せることによりその帯電量の環境安定性は著しく向上
し、画質も一段と向上し、トナーとしての性能が十分引
き出されることが明らかとなった。
【0061】一般に、酸化チタン微粒子の製造法として
は、気相中で四塩化チタンあるいはアルコキシチタンを
酸化して作る乾式法および水溶液中で四塩化チタンを加
水分解して作る湿式法がある。
【0062】四塩化チタンを用いる乾式法においては反
応中有毒な塩素ガスが発生し、これを回収するため大が
かりな製造装置および複雑な製造工程を必要とするだけ
でなく、高温での温度制御が難しいという難点を有す
る。またアルコキシチタンを用いた場合、原料が非常に
高価なためおよび温度制御がより厳しいためコスト的に
不利となる。
【0063】一方、湿式法においては四塩化チタン等を
使用しても有毒な副生成物は発生せず、従って四塩化チ
タンを原材料とした湿式法が安全性、製造工程の簡易
さ、材料コストの点で好ましい。しかしながら、このよ
うにして得られた湿式酸化チタンをそのまま水系中から
取り出す場合、2次凝集などにより合一粒子が生じ乾燥
後に均一な微粉体として得られず、トナーに外添した場
合その性能を十分に引き出せない。
【0064】本発明者らは、トナーの帯電性の安定化に
ついて鋭意検討した結果、生成した酸化チタン微粒子の
表面をそのまま水系中で疎水化処理することにより均質
な疎水化処理が行なえ、粒子同士の合一もないことを見
出し、その酸化チタンを含有した前述のトナーが帯電の
安定化、流動性付与の点で極めて優れた特性を持つこと
を見出したのである。
【0065】表面処理剤としてはシリコン化合物を使用
すると特に高い疎水性が得られ、より好ましい。本発明
に用いられる酸化チタン微粒子の処理剤としてシリコン
化合物を使用する場合、シリコンオイル、シリコンワニ
ス、高沸点シラン化合物あるいはシランカップリング剤
などを単独であるいは混合して用いることができる。ま
た処理量としては酸化チタン100重量部に対して0.
1〜40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部とす
るのが良く、疎水化度を40〜98%、好ましくは60
〜80%にすれば良い。
【0066】すなわち、疎水化度が40%より小さいと
高湿下での長期放置による帯電量低下が大きく、ハード
側での帯電促進の機構が必要となり、装置の複雑化を招
き、また疎水化度が98%を超えると酸化チタン自身の
帯電コントロールが難しくなり、結果として低湿下でト
ナーがチャージアップしてしまう。
【0067】またその平均粒径は流動性付与の点から
0.01〜0.3μmが良い。平均粒径が0.3μmよ
り大きいと流動性不良によるトナー帯電が不均一とな
り、結果としてトナー飛散、カブリが生じてしまう。ま
た0.01μmより小さいとトナー表面に埋め込まれや
すくなりトナー劣化が早く生じてしまい耐久性が逆に低
下してしまう。この傾向は、本発明に用いられるシャー
プメルト性のカラートナーにおいてより顕著である。
【0068】さらに本発明においては、処理された酸化
チタンが400nmの光長における光透過率が40%以
上であることも一つの特徴である。
【0069】すなわち、本発明の酸化チタンをフルカラ
ートナーとして使用した場合可視光における透過性が悪
いと、OHPの投影像にかげりが生じ、鮮明なものが得
られない。
【0070】本発明において酸化チタンの処理方法とし
ては特に制約はないが、水系中で酸化チタンを機械的に
一次粒径となるように分散しながら処理剤により表面処
理を行なうことが効果的である。また、その後有機溶剤
で再処理を行なっても良い。
【0071】有機溶剤中で再処理する際さらに処理剤を
加えても良く、加える処理剤としては水系中での処理に
使用した処理剤と異なるものを用いても良い。
【0072】本発明の酸化チタンは重量平均粒径4〜1
0μmと小粒径化した本発明のトナーに好適である。ト
ナーを小粒径化すると重量あたりの表面積が増大し、摺
擦による過剰帯電を生じやすくなる。これに対して帯電
を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子の効果
は大きい。
【0073】本発明のトナーを一成分トナーとして用い
るために、磁性粉を含有せしめて用いる場合、磁性粉と
しては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いら
れ、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末も
しくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合
金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に
対して15〜70重量%である。
【0074】また一成分,二成分トナーを問わず着色剤
としては、カーボンブラック、チタンホワイトやその他
あらゆる顔料及び/又は染料を用いることができる。
【0075】例えば本発明のトナーを磁性カラートナー
として使用する場合には、染料としては、C.I.ダイ
レクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.
I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、
C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブ
ルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッ
ドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベ
ーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.
I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン
6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウ
ムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエ
ロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パー
マネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄
鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カド
ミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチング
レッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカ
ーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メ
チルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アル
カリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシ
アニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレ
ンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメン
トグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナル
イエローグリーンG等がある。
【0076】また、本発明のトナーをフルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、次の様なものが挙げられ
る。
【0077】マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,
10,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35などが挙げられる。
【0078】顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔
料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画
像の画質の点からより好ましい。
【0079】マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベ
ントレッド1,3,8,23,24,25,27,3
0,49,81,82,83,84,100,109,
121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソル
ベントバイオレット8,13,14,21,27、C.
I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料、C.
I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,
15,17,18,22,23,24,27,29,3
2,34,35,36,37,38,39,40;C.
I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,
15,21,25,26,27,28などの塩基性染料
が挙げられる。
【0080】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17;C.I.バッ
トブルー6;C.I.アシッドブルー45又は(1)式
で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイ
ミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料
などである。
【0081】
【化1】
【0082】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83;C.I.バットイエロー1,3,20
などが挙げられる。
【0083】着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に
対して、0.1〜60重量部、好ましくは0.5〜50
重量部である。
【0084】また、本発明に於るトナーは、負帯電性,
正帯電性を限定するものではないが、負帯電性トナーを
つくる場合は、負荷電特性を安定化させる目的で荷電制
御剤を添加してもかまわない。負荷電制御剤としては例
えば前述したアゾ系金属錯体やアルキル置換サリチル酸
の金属錯体やフェノール系樹脂、ポリメタクリル酸やス
チレンとアクリル酸や、メタクリル酸の共重合体やマレ
イン酸付加スチレンブタジエン共重合体などの様にカル
ボキシル基を含有する樹脂、ポリエステルの様に縮重合
してポリマー末端にカルボキシル基又はOH基を有する
樹脂などが挙げられる。
【0085】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニ
ルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリ
ジンなどを用いてもかまわない。また、カラートナーを
つくる場合に於ては、正帯電性を示すメタクリル酸ジメ
チルアミノメチルなどの含アミノカルボン酸エステル類
をモノマーとして0.1〜40mol%好ましくは1〜
30mol%含有させた結着樹脂を用いるか、あるい
は、トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の正荷
電制御剤を用いてもかまわない。正荷電制御剤として
は、例えば構造式(A)、(B)で示される四級アンモ
ニウム塩などが挙げられる。
【0086】
【化2】
【0087】
【化3】
【0088】構造式(A)及び(B)で示される四級ア
ンモニウム塩の中でも構造式(A)−1,−2,構造式
(B)−1で表わされる正荷電制御剤を使用すること
が、環境依存の少ない良好な帯電性を示すことから好ま
しい。
【0089】
【化4】
【0090】
【化5】
【0091】
【化6】
【0092】また正帯電性トナーに於て結着樹脂の樹脂
成分として、正帯電特性を示す、メタクリル酸ジメチル
アミノメチルなどの含アミノカルボン酸エステル類を用
いる場合、正荷電制御剤又は負荷電制御剤を必要に応じ
て使用する。
【0093】負帯電性トナーの場合、負荷電制御剤の使
用量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20
重量部好ましくは0.5〜15重量部が望ましい。
【0094】正帯電性トナーに於て樹脂成分として正帯
電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルなどの
含アミノカルボン酸エステル類を用いない場合は、正荷
電制御剤を結着樹脂100重量部に対して0.1〜15
重量部、好ましくは、0.5〜10重量部使用すること
が望ましい。また含アミノカルボン酸エステル類を用い
る場合は、環境依存性の少ない良好な帯電性をもたせる
目的で必要に応じて、正荷電制御剤及び/又は負荷電制
御剤を結着樹脂100重量部に対して0〜10重量部好
ましくは0〜8重量部用いることが望ましい。
【0095】さらに本発明に於るトナーに於て、トナー
の流動性をさらに向上させる目的で、酸化チタン以外の
流動性向上剤を併用してもかまわない。
【0096】そのような流動向上剤としては、着色剤含
有樹脂粒子に添加することにより、流動性が添加前後を
比較すると増加し得るものであれば、どのようなもので
も使用可能である。
【0097】例えばフッ素系樹脂粉末、すなわちフッ化
ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末
など;又は脂肪酸金属塩、すなわちステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛など;又は金
属酸化物、すなわち酸化亜鉛粉末など;又は微粉末シリ
カ、すなわち湿式製法シリカ、乾式製法シリカ、これら
金属酸化物にシランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤、シリコンオイルなどにより表面処理を施した表面
処理金属酸化物などがある。
【0098】本発明のトナーを用いてキャリアを使用す
る二成分現像剤とする場合には、キャリア表面の被覆樹
脂として電気絶縁性樹脂を用いるが、トナー材料、キャ
リア芯材材料により適宜選択される。本発明において
は、キャリア芯材表面との接着性を向上するために、少
なくともアクリル酸(又はそのエステル)単量体および
メタクリル酸(又はそのエステル)単量体から選ばれる
少なくとも一種の単量体を含有することが必要である。
特にトナー材料として、負帯電能の高いポリエステル樹
脂粒子を用いた場合帯電を安定する目的でさらにスチレ
ン系単量体との共重合体とすることが好ましく、スチレ
ン系単量体の共重合重量比を5〜70重量%とすること
が好ましい。
【0099】本発明に使用できるキャリア芯材の被覆樹
脂用モノマーとしては、スチレン系モノマーとしては、
例えばスチレンモノマー、クロロスチレンモノマー、α
−メチルスチレンモノマー、スチレン−クロロスチレン
モノマーなどがあり、アクリル系モノマーとしては、例
えばアクリル酸エステルモノマー(アクリル酸メチルモ
ノマー、アクリル酸エチルモノマー、アクリル酸ブチル
モノマー、アクリル酸オクチルモノマー、アクリル酸フ
ェニルモノマー、アクリル酸2エチルヘキシルモノマ
ー)などがあり、メタクリル酸エステルモノマー(メタ
クリル酸メチルモノマー、メタクリル酸エチルモノマ
ー、メタクリル酸ブチルモノマー、メタクリル酸フェニ
ルモノマー)などがある。
【0100】本発明に使用されるキャリア芯材(磁性粒
子)としては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケ
ル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等
の金属及びそれらの合金又は酸化物などが使用できる。
又、その製造方法として特別な制約はない。
【0101】以下に本発明に於る測定法について述べ
る。
【0102】(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分
子量(Mn)の測定:本発明に於ては、HLC−802
A型(東洋ソーダ社製)を用いてMw及びMnを測定す
る。カラムは東洋ソーダ工業社製TSKgel GMH
6×2を使用し、溶媒はTHFを用いる。検出器は、
RI(屈折率)を使用し、試料は濃度0.5%で、注入
量200μlで注入する。
【0103】試料の分子量は、試料の有する分子量分布
を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製した検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
【0104】検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、例えば、プレッシャーケミカルカンパニー社製或
いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102 ,2.1
×103 ,4×103 ,1.75×104 ,5.1×1
4 ,1.1×105 ,3.9×105 ,8.6×10
5 ,2×106 ,4.48×106 のものを用い、少な
くとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが
適当である。
【0105】(2)水酸基価の測定:JIS K007
に示される方法に準じて、下記方法により測定する。
【0106】200ml三角フラスコに試料6gを1m
g単位で精秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合溶
液を5mlホールピペットで加え、更にピリジン25m
lをメスシリンダーで加える。三角フラスコ口に冷却器
を取り付け、100℃のオイルバス中で90分反応させ
る。
【0107】蒸留水3mlを冷却器上部から加えてよく
振とうし10分間放置する。冷却器をつけたまま三角フ
ラスコをオイルバスから引き上げて放冷し、約30℃に
なれば冷却器上部口から少量のアセトン(10ml程
度)で冷却器およびフラスコ口を洗浄する。THF50
mlをメスシリンダーで加えフェノールフタレインのア
ルコール溶液を指示薬としてN/2KOH−THF溶液
で50ml(目量0.1ml)のビュレットを用いて中
和滴定する。中和終点直前に中性アルコール25ml
(メタノール/アセトン=1/1容量比)を加え溶液が
微紅色を呈するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
【0108】次いで、下式に従って水酸基価を求める。
【0109】
【数1】
【0110】ここに A:本試験に要したN/2KOH
−THF溶液のml数 B:空試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数 f:N/2KOH−THF溶液の力価 S:試料採取量(g) C:酸価またはアルカリ価。ただし酸価はプラスしアル
カリ価はマイナスする。2個の測定値の平均値を採用す
る。
【0111】(3)透過率測定方法: 1.試料 0.10g アルキッド樹脂 13.20 *1 メラミン樹脂 3.30 *2 シンナー 3.50 *3 ガラスメディア 50.00 *1 大日本インキ製ベッコゾール1323−60−E
L *2 大日本インキ製スーパーベッカミンJ−820−
60 *3 関西ペイント製アミラックシンナー
【0112】上記配合を150ccふた付きガラス瓶に
採取し、レッドデビル社製ペイントコンディショナーに
て1時間分散を行う。 2.分散終了後、PETフィルムに2milのドクター
ブレードで塗布する。 3.2.を120℃×10分間加熱し、焼付けを行う。 4.3.のシートを日本分光製U−BEST 50にて
320〜800nmの範囲で透過率を測定し、比較す
る。
【0113】(4)ガラス転移温度Tgの測定 本発明に於ては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。
【0114】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0115】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜2
00℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で
測定を行う。
【0116】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0117】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明に於るガラス転移温度Tgとする。
【0118】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0119】ポリエステル樹脂の製造 ポリエステル樹脂の製造例を以下に示す。
【0120】また、それぞれの組成、分子量を表1に示
す。
【0121】(ポリエステル樹脂の製造例1)テレフタ
ル酸2mol,オクチルコハク酸1.09mol,ポリ
オキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、以下P.O.変性ビスフェ
ノールA,3.4mol,ジブチル錫オキシド0.01
gをガラス製2リットルの4つ口フラスコに入れ、温度
計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ
マントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガ
スで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、170℃
で5時間反応せしめ、次いで190℃に昇温し、4時間
反応せしめた。この時点で生成した樹脂の水酸基価は6
3であった。
【0122】その後、トリメリット酸無水物0.3mo
l、及びジブチル錫オキシド0.08gを加え、190
℃でさらに3時間反応せしめ、さらに200℃に昇温
し、5時間反応せしめ反応を終了し、本発明のポリエス
テル樹脂(A)を得た。
【0123】その時の水酸基価は17.2であり、ガラ
ス転移温度64℃,重量平均分子量は17000であ
り、数平均分子量は6000であり、その比は約2.8
であった。
【0124】(ポリエステル樹脂の製造例2)イソフタ
ル酸2.0mol,ドデセニルコハク酸1.2mol,
P.O.変性ビスフェノールA3.4molを製造例−
1と同様にして窒素雰囲気中で反応せしめた。次いで、
トリメリット酸無水物0.15mol,ジブチル錫オキ
シド0.09gを加え、180℃で反応を5時間行い、
本発明のポリエステル樹脂(B)を得た。
【0125】この樹脂の水酸基価は16.1,ガラス転
移温度66℃,重量平均分子量(Mw)16000,数
平均分子量(Mn)6100であり、Mw/Mnは約
2.6であった。
【0126】 (ポリエステル樹脂の製造例3) テレフタル酸 3.5モル ドデセニルコハク酸 1.2モル トリメリット酸 0.3モル P.O.変性ビスフェノールA 5 モル シブチル錫オキシド 0.05g を用いて製造例1と同様にして水酸基価16.8,Tg
70℃,Mw19000,Mn8000,Mw/Mn=
2.1のポリエステル樹脂(C)を得た。
【0127】 (比較製造例1) テレフタル酸 2.0モル ドデセニルコハク酸 2.6モル トリメリット酸 0.4モル P.O.変性ビスフェノールA 5 モル シブチル錫オキシド 0.1g を用い、製造例2と同様にして水酸基価15.6,Tg
59℃,Mw18000,Mn5200,Mw/Mn=
3.5のポリエステル樹脂(D)を得た。
【0128】 (比較製造例2) テレフタル酸 3.8モル ドデセニルコハク酸 1.1モル トリメリット酸 0.1モル P.O.変性ビスフェノールA 5 モル シブチル錫オキシド 0.1g を用いて、製造例2と同様にして水酸基価15.4,T
g55℃,Mw13000,Mn5000,Mw/Mn
=2.6のポリエステル(E)を得た。
【0129】 (比較製造例3) テレフタル酸 2.5モル オクチルコハク酸 2.0モル トリメリット酸 0.5モル エチレングリコール 1 モル P.O.変性ビスフェノールA 4 モル シブチル錫オキシド 0.05g を用いて、製造例1と同様にして水酸基価17.1,T
g82℃,Mw19000,Mn7800,Mw/Mn
=2.4のポリエステル樹脂(F)を得た。
【0130】(比較製造例4)P.O.変性ビスフェノ
ールA5.0molを四つ口フラスコに入れ撹拌器、コ
ンデンサー、温度計、ガス導入管をセットし、マントル
ヒーター内に置いた。反応容器内を窒素ガス置換した
後、内容物を50〜60℃になる様にした時点で、テレ
フタル酸3.5mol,C12のアルケニル基を置換した
コハク酸(C16304 )1.1mol,トリメリット
酸0.4molおよびジブチル錫オキシド0.05gを
加えた。
【0131】この混合物系を210℃に加熱撹拌した。
反応水を除去しつつ、約5時間経過した後、反応物を室
温に冷却し、ポリエステル(G)を得た。
【0132】反応条件として、モノマー成分を全量一度
に仕込み、かつ反応温度が高く、又反応時間も短かった
ため、分子量分布が本発明よりはブロードとなり、また
平均分子量も低い値となった。それに関連して、水酸基
価も31と高い値となった。
【0133】この時のMwは12000、Mn3100
となり、Mw/Mnは3.9であった。
【0134】
【表1】
【0135】酸化チタンの製造 (酸化チタンの製造例1) 水系中で生成した親水性酸化チタン微粒子を混合撹拌し
ながら、処理剤として25℃における粘度が500セン
チストークスのジメチルポリシロキサンを水系中に分散
させエマルジョンとしたものを、固型分換算で酸化チタ
ン微粒子の5%となるように、粒子が合一しないよう添
加混合した後、乾燥解砕し、疎水化度40%,平均粒径
0.05μm,400nmにおける透過率が50%の酸
化チタン微粒子Iを得た。
【0136】(酸化チタンの製造例2) 製造例1において、ジメチルポリシロキサンのかわりに
n−C49Si(OCH33を固型分換算で酸化チタン
微粒子の20%となるように用いる他は同様の処理によ
り、疎水化度60%,平均粒径0.05μm,400n
mにおける透過率が55%の酸化チタン微粒子IIを得
た。
【0137】(酸化チタンの製造例3) 製造例1において、ジメチルポリシロキサンの使用量を
0.1%とする以外は同様の処理により、疎水化度0
%,平均粒径0.3μm,400nmにおける透過率が
25%の酸化チタン微粒子IIIを得た。
【0138】トナーの製造 トナーの製造例を以下及び表2に示す。
【0139】 (トナー製造例1) ポリエステルA 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 をロールミルにより、溶融混練し、冷却後、粗粉砕、微
粉砕、分級し、着色樹脂粒子(a)を得た。この着色樹
脂粒子(a)にチタン微粒子I 1.0%をヘンシェル
ミキサーで混合し、Tg62℃,重量平均粒径8μmの
トナー1を得た。
【0140】(トナー製造例2)トナー製造例1におけ
る着色樹脂粒子(a)にチタン微粒子II 1.0%を
ヘンシェルミキサーで混合し、Tg62℃、重量平均粒
径8μmのトナー2を得た。
【0141】 (トナー製造例3) ポリエステルA 100重量部 平均粒径0.3μの磁性粒子 30重量部
【0142】
【化7】 からトナー製造例1と同様の手法で得られた黒色磁性微
粉体にチタン微粒子II1%を添加し、Tg64℃,重
量平均粒径8μmのトナー3を得た。
【0143】 (トナー製造例4) ポリエステルB 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 を原材料として用い、トナー製造例1と同様の手法で得
られた着色樹脂粒子にチタン微粒子II 1%を混合
し、Tg66℃,重量平均粒径8μmのトナー4を得
た。
【0144】 (トナー製造例5) ポリエステルC 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 を原材料として用い、トナー製造例1と同様の手法で得
られた着色樹脂粒子にチタン微粒子II 1%を混合
し、Tg70℃,重量平均粒径8μmのトナー5を得
た。
【0145】(トナー製造例6)製造例1で得られた着
色樹脂粒子(a)にチタン微粒子III 1%を混合
し、Tg62℃,重量平均粒径8μmのトナー6を得
た。
【0146】 (トナー製造例7) ポリエステルD 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 を原材料とし、チタン微粒子II 1%を用い、トナー
製造例1と同様の手法でTg58℃,重量平均粒径8μ
mのトナー8を得た。
【0147】 (トナー製造例8) ポリエステルD 100重量部 平均粒径0.3μの磁性粒子 30重量部
【0148】
【化8】 からトナー製造例3と同様の手法で得られた黒色磁性微
粉体にチタン微粒子II1%を添加し、Tg58℃,重
量平均粒径8μmのトナー9を得た。
【0149】 (トナー製造例9) ポリエステルE 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 を原材料とし、チタン微粒子II 1%を用い、トナー
製造例1と同様の手法でTg54℃,重量平均粒径8μ
mのトナー10を得た。
【0150】 (トナー製造例10) ポリエステルF 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 を原料とし、チタン微粒子II 1%を用い、トナー製
造例1と同様にしてTg81℃,重量平均粒径8μmの
トナー11を得た。
【0151】 (トナー製造例11) ポリエステルG 100重量部 銅フタロシアニン顔料 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 を原料とし、チタン微粒子II 1%を用い、トナー製
造例1と同様にしてTg51℃,重量平均粒径8μmの
トナー12を得た。
【0152】
【表2】
【0153】(実施例1) トナー製造例2で得られたトナー2の5重量部に対し
て、重量平均粒径45μm,35μm以下4.2%,3
5〜40μm9.5%,74μm以上0.2%の粒度分
布を有するCu−Zn−Fe系フェライトキャリアに、
メチルメタクリレート75%,ブチルアクリレート25
%からなる共重合体(重量平均分子量20万)を0.5
%コーティングしたキャリアを、総量100重量部にな
るように混合し、現像剤とした。
【0154】この現像剤を用いて市販の普通紙カラー複
写機(カラーレーザーコピア500、キヤノン製)にて
現像コントラストを300Vに設定し、23℃/65%
下で画出しを行なった。得られた画像はマクベスRD9
18型でSPIフィルターを使用して反射濃度測定を行
なった(以後の画像濃度測定方法も同様)。この画像濃
度は1.48と高く、カブリも全くない鮮明なものであ
った。またOHP投影像も鮮明でにごりのないものであ
った。以後更に10,000枚のコピーを行なったがそ
の間の濃度変動は0.09と小さく、カブリ、鮮明さも
初期と同等のものが得られた。又低温低湿下(20℃/
10%RH)においても現像コントラストを300Vに
設定し、画出しを行ったところ、画像濃度も1.44と
高く、本発明により低湿下での帯電量制御に効果のあっ
たことを示唆している。
【0155】また、高温高湿下でも(30℃/80%)
同様に現像コントラストを300Vに設定し、画出しを
行ったところ、画像濃度が1.56〜1.61と若干高
くなったが良好な画像が得られた。
【0156】更に23℃/60%RH、20℃/10
%、30℃/80%、の各環境に1カ月放置後の初期画
像においても、全く異常は認められなかった。
【0157】紙上こすり試験 紙上へのトナーの定着性を確認するために、画像を指で
こすりトナーのはがれ具合を観察した。電子写真特性の
結果と合せ、表3に示す。
【0158】(実施例2)実施例1のトナー2のかわり
にトナー1を使用する以外は実施例1と同様に行ったと
ころ、30℃/80%下で画像濃度が1.55〜1.6
5と若干高くなったが実用上問題ないレベルであった。
評価結果を表3に示す。
【0159】(実施例3)トナー3を用い、キヤノン製
電子写真複写機,FC5,にて23℃/65%下で画出
しを行なった。得られた画像濃度は初期から1000枚
まで1.49〜1.54と高くカブリも全くない鮮明な
ものであった。
【0160】また、20℃/10%下においても1.4
3〜1.47の、30℃/80%下においても1.41
〜1.45の高濃度を維持し、画質も良好であった。評
価結果を表3に示す。
【0161】(実施例4,5)実施例1のトナー1のか
わりにトナー4,5を使用する以外は実施例1と同様の
実験を行なったところ30℃/80%および20℃/1
0%いずれの環境下においても1.47〜1.57の画
像濃度を維持し、画質も良好であった。評価結果を表3
に示す。
【0162】(比較例1)実施例1のトナー1のかわり
にトナー6を使用する以外は実施例1と同様に行ったと
ころ、30℃/80%下で画像濃度が1.70と高くな
り、実施例1に比べればカブリおよびトナー飛散も若干
認められたが、実画像上では問題はなかった。また、O
HP投影像の鮮明さが若干低下した。評価結果を表3に
示す。
【0163】(比較例2)実施例1のトナー1のかわり
にトナー8を使用する以外は実施例1と同様に実験した
ところ、環境によらず画像濃度は1.44〜1.58と
安定していたが、画出し5000枚後にシリコーンオイ
ル含浸ウェブを観察したところオフセットトナーによる
汚れが見られた。また、OHP投影像の鮮明さも若干低
下した。評価結果を表3に示す。
【0164】(比較例3)実施例3のトナー3のかわり
にトナー9を使用する以外は実施例3と同様に実験した
ところ、いずれの環境下においても画像濃度は1.39
〜1.49で推移したが、画出し1000枚後に定着パ
ッドを観察したところオフセットトナーによる汚れが見
られた。評価結果を表3に示す。
【0165】(比較例4)実施例1のトナー1のかわり
にトナー10を使用する以外は実施例1と同様に実験し
たところ、画像濃度は1.43〜1.58と安定してい
たが、画出し5000枚後のウェブにオフセットトナー
による汚れが見られた。評価結果を表3に示す。
【0166】(比較例5)実施例1のトナー1のかわり
にトナー11を使用する以外は実施例1と同様に実験し
たところ、画像濃度は1.44〜1.59と安定してい
たが、画出し5000枚後のウェブにオフセットトナー
による汚れが見られた。また、OHP投影像の鮮明さも
若干低下した。評価結果を表3に示す。
【0167】(比較例6)実施例1のトナー1のかわり
にトナー12を使用する以外は実施例1と同様に実験し
たところ、30℃/80%の条件下において画像濃度が
1.78と高くなり、カブリ、トナー飛散が認められ
た。評価結果を表3に示す。
【0168】
【表3】
【0169】
【発明の効果】本発明によれば、本構成よりなるポリエ
ステル樹脂を原料としたトナーに水系中で疎水化処理を
施した酸化チタン微粒子を外添することにより、種々の
環境での帯電安定化に優れかつ紙上定着性および耐オフ
セット性の良好なトナーが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−224776(JP,A) 特開 平2−129653(JP,A) 特開 平4−85550(JP,A) 特開 平3−229265(JP,A) 特開 平5−119517(JP,A) 特開 昭62−195680(JP,A) 特開 昭60−90344(JP,A) 特開 昭61−176946(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 CA(STN) BEILSTEIN(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂および着色剤から成
    るトナーにおいて、該結着樹脂が (a)イソフタル酸、テレフタル酸及びその誘導体より
    選ばれた2価の芳香族系酸成分(a)を全モノマー量の
    25〜35mol%, (b)トリメリット酸及びその誘導体より選ばれた3価
    の芳香族系酸成分(b)を全モノマー量の2〜4mol
    %, (c)ドデセニルコハク酸,オクチルコハク酸及びその
    無水物より少なくとも選ばれた2価の酸成分(c)を全
    モノマー量の12〜18mol%, (d)プロポキシ化、又は/及びエトキシ化したエーテ
    ル化ジフェノール成分(d)を全モノマー量の45〜6
    0mol%, を少なくとも含有する単量体組成物から生成されたポリ
    エステル樹脂を含有し、 該ポリエステル樹脂の水酸基価が10〜20mgKOH
    /gであり、重量平均分子量が13,000〜20,0
    00であり、数平均分子量が5,000〜8,000で
    あり、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
    の比が2〜3.5であり、該トナーが、 表面を疎水化処理された酸化チタンを
    し、該トナーの重量平均径4〜10μmであることを
    特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 前記酸化チタンが平均粒径0.01〜
    0.3μm,疎水化度が40〜98%,400nmにお
    ける光透過率が40%以上であることを特徴とする請求
    項1記載のトナー。
  3. 【請求項3】 前記酸化チタンが、水系中で酸化チタン
    100重量部当り0.1〜40重量部のシリコン化合物
    により表面処理されていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のトナー。
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