JP2942042B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2942042B2
JP2942042B2 JP3325832A JP32583291A JP2942042B2 JP 2942042 B2 JP2942042 B2 JP 2942042B2 JP 3325832 A JP3325832 A JP 3325832A JP 32583291 A JP32583291 A JP 32583291A JP 2942042 B2 JP2942042 B2 JP 2942042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナー、とり
わけカラートナーに関し、特に、カラー画像の色再現性
が高く、かつ定着ローラーへオフセットしにくい耐オフ
セット性に優れているカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー複写機への展開が急速
になされつつあり、デジタル化したフルカラー複写機の
発売も市場では行われはじめている。
【0003】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用い
て色の再現を行うものである。
【0004】その一般的方法は、まず原稿からの光をト
ナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを
通して光導電層上に静電荷潜像を形成する。次いで現
像、転写工程を経てトナーは支持体に保持される。次い
で前述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを
合わせつつ、同一支持体上にトナーは重ね合わされ、た
だ一回のみの定着によって最終のフルカラー画像が得ら
れる。
【0005】この様な、複数回の現像を行い、定着工程
として同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね
合わせを必要とするカラー電子写真法では、カラートナ
ーが持つべき定着特性は極めて重要な要素である。
【0006】すなわち、定着したカラートナーは、トナ
ー粒子による乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性や
つやが必要である。
【0007】又、トナー層の下層にある異なる色調のト
ナー層を妨げない透明性を有し、色再現性の広いカラー
トナーでなければならない。
【0008】これらを満足しうるカラートナーとして、
本出願人等は特開昭50−82442号公報、特開昭5
1−144625号公報、特開昭59−57256号公
報で新規なカラー用結着樹脂と着色剤の組み合わせを提
案した。
【0009】これらのカラートナーは、かなりのシャー
プメルト性を有しており、シリコーンオイル塗布が可能
なシリコーンゴムローラーとの組み合わせにおいて、定
着時完全溶融に近い状態までトナー形状が変化し、好ま
しい光沢性及び色再現性が得られる。
【0010】これらの効果は、トナーの定着特性とし
て、結着樹脂の粘弾性特性における弾性項よりも粘性項
を重視することを意味している。
【0011】すなわち、加熱時、トナーはより粘性体と
して挙動し、熱溶融性が増し、光沢性も得られることに
なる。
【0012】しかし、このような粘性項重視の結着樹脂
設計は、必然的に熱溶融時の分子間凝集を低下せしめる
ことになり定着装置通過時、熱ローラーへのトナーの付
着性も増すことになる。これらは高温オフセット現象を
惹起するものである。
【0013】特に、シリコーンゴムローラーを定着ロー
ラーとして用いる場合、離型用オイル塗布如何によらず
繰り返し使用すると、本質的なシリコーンゴムローラー
表面の離型性の低下ゆえに、高温オフセットが発生しや
すくなる。シリコーンゴムローラーにおいて使用開始初
期は、シリコーンゴム内部に含浸されたシリコーンオイ
ルやローラー表面の平滑性や清浄性のゆえ、ある程度の
離型性は維持されうる。しかし、カラー画像のように画
像面積が大きく、普通紙の如き支持体上のトナー保持量
も、白・黒複写画像に比べて格段に多いカラー複写を、
複写し続けると、当然シリコーンゴム中のオイルは涸渇
し、ローラー表面も荒れた状態となり徐々にローラーの
離型性は低下する。この離型性の悪化スピードは、白・
黒複写の数倍に達する。
【0014】又、トナー自身も前述のように弾性をほと
んど有していないため、耐オフセット効果には無力であ
る。これらにより、わずか数千〜数万枚後に定着ローラ
ー表面にトナーの被膜や粒状の付着物が形成されること
や、熱ローラー通過時画像面のトナー上層部がはぎ取ら
れる。いわゆる高温オフセットが発生する。
【0015】上記の問題点を解決或は軽減すべく種々の
方策がトナーで試みられているが、さらなる改良が要望
されている。例えば特開昭55−60960号公報、特
開昭57−208559号公報、特開昭58−1195
3号公報、特開昭58−14144号公報、特開昭60
−123852号公報等に記載のごとく、剥離性を増す
ために、トナー中に離型性成分である低分子量のポリエ
チレン、ポリプロピレン、ワックス、高級脂肪酸などを
添加する方法も行われている。これらの方法は、オフセ
ット防止には効果がある反面、耐オフセットに充分効果
を発揮する多量の含有は、メインの結着樹脂との相溶性
が悪くなり、カラートナーのOHP画像の透明性を損な
うこと、帯電特性が不安定になる、耐久性が低下する等
の悪影響も認められ、充分なものとはいい難い。
【0016】又、特開昭47−12334号公報、特開
昭57−37353号公報、特開昭57−208559
号公報においては、エーテル化ビスフェノール単量体
と、ジカルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール
単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含
む単量体成分とより得られる非線状共重合体よりなるポ
リエステルをバインダーとして含有するトナーが提案さ
れているが、斯かる技術は、エーテル化ビスフェノール
単量体とジカルボン酸単量体とよりなるポリエステル
を、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以
上の多価カルボン酸単量体を含む多量の単量体成分によ
り架橋することによって得られるポリエステルを、バイ
ンダーとして含有させることによりトナーにオフセット
防止性能を有せしめたものである。しかしながら、斯か
るトナーにおいては、その軟化点が若干高く、従って良
好な低温定着が困難であるし、又、フルカラー複写に用
いた場合は、耐高温オフセット性に対しては、実用化し
うるレベルではあるが、上述のごとく定着性、シャープ
メルト性に難があるため、該ポリエステルを用いたカラ
ートナーの重ね合わせによる良好な混色性や色再現性は
望むべくもない。又、特開昭57−109825号公報
や、特開昭62−78568号公報、特開昭62−78
569号公報など、さらに特開昭59−7960号公
報、特開昭59−29256号公報においては、エーテ
ル化ビスフェノール単量体と、長鎖脂肪族炭化水素を導
入したジカルボン酸単量体やその他のジカルボン酸単量
体と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価
以上の多価カルボン酸単量体を含む単量体成分とより得
られる非線状共重合体であって、その側鎖に炭素数3〜
22の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する
ポリエステルをバインダーとして含有するトナーが提案
されている。これらのポリエステル樹脂は高速複写用ト
ナーを目的としたことが主であり、樹脂の粘弾性特性と
しては、前述した粘性重視ポリエステルとはまったく逆
に、弾性を強化し、定着ローラーへの高温オフセットを
著しく低下せしめたものである。そして、定着時、熱ロ
ーラーの加圧及び加熱をできる限り高め、トナーを半溶
融の状態で転写紙の繊維の間へ押し込み、加圧加熱定着
を行い、該目的を達成しようとするものである。
【0017】それゆえ、カラー複写に必要な、トナー層
が溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということは
ほとんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子状
態で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとなり
彩度にとぼしい。OHP画像はトナー粒子表面で光が散
乱、拡散してしまいほとんど光を透過せず、実用的に使
用不能となってしまう。
【0018】又、本出願人等は特開平2−73366号
公報、特開平1−224776号公報において、耐高温
オフセット性にすぐれ、かつ、カラー複写に適用可能な
新規なポリエステル樹脂を提案したが、該樹脂はなるほ
ど、従来のカラートナー用樹脂よりは勝っているが、定
着ローラーへのオフセット防止効果を発揮するのはせい
ぜい繰り返し複写2〜5万枚程度であり、白黒トナーの
オフセット防止効果は10万枚以上は充分にあり、現状
では数十万枚の耐刷性、耐オフセット性を有することか
ら考えると、性能的にはさらに改善することが好まし
い。又、該ポリエステルは、帯電的には低温低湿環境と
高温高湿環境の間で帯電量の差が大きく、繰り返し複写
後のカラー画像において低湿側で濃度が若干低くなる傾
向があり、高湿側では、トナー飛散やカブリが生ずるこ
ともある。
【0019】又、特開昭62−195676号公報、特
開昭62−195678号公報、特開昭62−1956
80号公報においては、水酸基価と酸価の比を規定した
ポリエステル樹脂を開示しているが、これらのポリエス
テル樹脂もやはり、高速定着用を意図したものであり、
本発明者等の検討によると該樹脂を用いたカラートナー
は十分な混色性を得る所までは到らなかった。
【0020】特にカラー複写特有の問題として、最低3
色のカラートナー、好ましくは4色のカラーバランスが
調和して取れていなければならず、一色だけの定着特性
や色再現性を論じても意味がなく、この4色のトナーの
重ね合わせやバランスを考慮した樹脂の設計、選択が必
要である。
【0021】原理的には色の3原色であるイエロー、マ
ゼンタ、シアンの3色が有れば、原色混合法によってほ
とんどすべての色を再現することが可能のはずであり、
それゆえ現在市場のフルカラー複写機は3原色のカラー
トナーを重ね合わせて用いる構成になっている。これに
より理想的にはあらゆる色調をあらゆる濃度範囲で実現
できるはずであるが現実的には、トナーの分光反射特
性、トナーの重ね合わせ定着時の混合性、彩度の低下な
どいまだに改良すべき点を有している。
【0022】3色の重ね合わせで黒色を得る場合は、単
色カラーよりもさらに3倍のトナー層が転写紙上に形成
されることになり、さらに耐オフセット性に対し困難を
要する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フル
カラー複写において、(1)良好な定着性及び混色性を
示し、(2)充分な摩擦帯電性を有し、(3)画像品質
を著しく高める光沢性が高く、(4)繰り返し複写して
もキャリアスペントしにくく耐久性に優れており、
(5)高温オフセットが十分に防止され、定着可能温度
域が広く、(6)繰り返しの定着通紙によっても耐オフ
セット性が維持される、カラートナーを提供することに
有る。
【0024】本発明は、少なくとも着色剤及び結着樹脂
を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂
が、ポリエステル樹脂であり、結着樹脂の分散液の曇価
が、7〜30%であることを特徴とする静電荷像現像用
トナーに関する。
【0025】本発明のカラートナーにおいて、本発明の
電子写真用トナーは、線状樹脂と非線状の架橋樹脂の両
者の特質を合わせもった、いわば過渡的性格を有した結
着樹脂を用いたトナーといえる。これにより、カラート
ナーとして良好な混色性、及び色再現性が得られ、か
つ、定着ローラへの耐オフセットが得られたものと考え
る。
【0026】すなわち、本発明において好ましい特性が
得られる理由を以下のごとく推察する。
【0027】架橋モノマー成分を、20〜30単位、繰
り返した線状重合体鎖中に規則的にせいぜい1分子導入
し、弱い架橋を形成する。そして、その弱い架橋ではあ
るが、重合体全体を一つの3次元ポリマーとして構成す
る。これは単なる線状重合体の混合物よりは、はるかに
耐オフセット性が向上する。しかも本発明の架橋レベル
は、結着樹脂の熱による容易な可動性を妨げない範囲内
である。
【0028】モノマー成分のその組成及び量を極めて限
定することにより、混色性、色再現性の良いフルカラー
画像が得られかつ、耐オフセット性に悪影響が生じない
ようにせしめている。前述の弱い架橋縮合体中で、架橋
モノマー成分の量と、線状モノマー成分の量は自ずとバ
ランスを保つように決定され、多すぎると異常なシャー
プメルト性を発生し、又、少なすぎるとカラー画像の光
沢性や彩度の低下が見られる。
【0029】以下、本発明の測定法を説明しながら、本
発明の効果を述べる。
【0030】(1)樹脂分散液の曇価の測定法:樹脂分
散液の曇価は、本発明の新規性かつ進歩性を支える重要
な因子である。
【0031】すなわち、本発明の主旨である、線状樹脂
と非線状の架橋樹脂の両者の特性を有する架橋度を持っ
た過渡的性格を結着樹脂が有するか否かの判定の根拠と
なるものである。
【0032】すなわち、従来この一般にいわゆる架橋度
は、本出願人等が、特開昭63−223662号公報で
開示したごとく、相当する結着樹脂をトテラヒドロフラ
ン溶媒に分散せしめ、ソックスレー抽出を約6時間程度
行い、その結果より、テトラヒドロフラン不溶分を求
め、これを該結着樹脂の架橋度を示すパラメーターとし
て用いるものであった。この方法は、結着樹脂が非常に
高い架橋度を有する場合有効であり、トナー用結着樹脂
の用途としては高速複写機用が主で、その結着樹脂の特
性としては、高性能の耐高温オフセット性を有し、定着
性を維持するために高加圧と高温を付与する加圧加熱定
着ローラーを用いることを必須とするものである。
【0033】本発明の結着樹脂はこのソックスレー測定
法では全溶してしまい、不溶分はない。しかしながら、
本発明の結着樹脂をカラートナーとして用いた場合は、
混色性にすぐれかつ、耐高温オフセット性は、従来を越
えたものであることは明白である。
【0034】しかるに本発明者等は、本発明にそった、
新たな架橋度を測定する測定方法を見出し、該測定方法
で測定された特定範囲の曇価を満足しうる結着樹脂は本
発明の目的を達成しうることを確認し、本発明に到達し
たものである。以下にその方法を示す。
【0035】(1)キシレンとイソプロピルアルコール
の混合溶媒を準備する。
【0036】キシレンとイソプロピルアルコールの混合
比を1:1〜3:1の範囲に調整する。好ましい混合比
は2.5:1である。
【0037】(2)試料となる結着樹脂を上記混合溶媒
に濃度5重量%になるように該混合溶媒に加え、ターブ
ラミキサーで0.2〜2分間、好ましくは0.5〜1分
間分散させる。
【0038】(3)この樹脂分散液を曇価2%以下、好
ましくは1%以下の透明なガラス吸収セルに充填する。
【0039】(4)モデル1001DP型濁度計(日本
電色製)又はSEP−T−SB型光電光度計(日本精密
光学製)に分散液を充填した前記の吸収セルを装着し、
全透過率(T%)及び拡散透過率(D%)を求め、下式
に基づいて、該樹脂の曇価を求める。
【0040】
【外1】
【0041】この曇価の値が小さいほど透明であり、前
記混合溶媒中に不透明な部分、すなわち、該溶媒に不溶
な凝集物、換言すれば弱い架橋物が存在しないことを意
味する。逆にこの曇価が大きいことは、不透明さを形成
する成分が多く存在すること、すなわち、樹脂中の架橋
度が高いことを示している。従来の架橋性のポリエステ
ルはかなりの架橋性を示しており、特開昭57−373
53号公報、特開昭57−208559号公報、特開昭
57−109825号公報、特開昭62−195677
号公報等で提案された樹脂は本発明の範囲を大きく越え
ており、曇価は大きい値を示し、カラートナーとしての
用途は不適当であった。
【0042】
【0043】
【0044】本発明において用いられる結着樹脂はポリ
エステル樹脂であり、定着性及び現像性の点で好まし
い。該ポリエステル樹脂を構成する2価の酸成分として
は、例えば、芳香族系ジカルボン酸類としてはテレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニル−P・P’
−ジカルボン酸、ナフタレン−2・7−ジカルボン酸、
ナフタレン−2・6−ジカルボン酸、ジフェニルメタン
−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4・4’
−ジカルボン酸、1・2−ジフェノキシエタン−P・
P’−ジカルボン酸等が使用でき、それ以外の酸として
は、マレイン酸、フマル酸、グリタル酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、メ
サコニン酸、イタコン酸、シトラコン酸、セバチン酸、
これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等がある。
【0045】本発明のポリエステル樹脂に使用するアル
キル置換基やアルケニル置換基を有した酸または、アル
コールとしては、例えばn−ドデセニル基,イソドデセ
ニル基,n−ドデシル基,イソドデシル基又はイソオク
チル基を有した、マレイン酸,フマル酸,グルタル酸,
コハク酸,マロン酸,アジピン酸,エチレングリコール
1,3−プロピレンジオ−ル,テトラメチルグリコー
ル,1,4−ブチレンジオール,1,5−ペンチルジオ
ール等がある。
【0046】2価のアルコールとしては
【0047】
【外2】 〔式中、R1及びR2は炭素数2乃至5個のアルキレン基
を示し、X及びYが正数を示し、X+Yは2乃至6を示
す。〕で表わされるエーテル化ビスフェノールの如きジ
オールが挙げられる。例えば、ポリオキシプロピレン
(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン,ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,ポリオキシプロ
ピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドエオキシフェニ
ル)プロパン,ポリオキシプロピレン(13)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンがある。
【0048】その他の2価のアルコールとしては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール
等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シ
クロヘキサン、及びビスフェノールA、水素添加ビスフ
ェノールAが挙げられる。
【0049】3価以上のポリカルボン酸としては、例え
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサン
トリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフラレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレ
ンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が使用でき
る。また3価以上のポリオールとしては、例えばソルビ
トール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−
ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、トリペンタエリスリトール、しょ糖、1,2,
4−メシタトリオール、グリセリン、2−メチルプロパ
ントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が使
用できる。
【0050】本発明のポリエステル樹脂は製造条件を従
来と変更し、樹脂の分子量分布を出来る限り、シャープ
で狭い分布となるように特に調整している。ポリエステ
ル中の縮合体の分子鎖の分布を狭い範囲で均一化せしめ
ることは、カラートナーにおける混色性と耐オフセット
性を両立せしめる上で重要なことである。すなわち、分
子量の小さい分子鎖の短い縮合体は加熱によってたやす
く、分子主鎖が動き、逆に高分子量の分子鎖の長い縮合
体は、その熱エネルギーではほとんど動かない。そのア
ンバランスがポリエステル樹脂中で存在すると、該樹脂
を用いたカラートナーが低い温度の定着ローラーを通過
する場合、低分子の縮合体はすみやかに溶融し、定着及
び混色するような挙動を示し、かつ高分子の縮合体はほ
とんど溶けないという現象が発生する。
【0051】一方、高分子が溶融するほどの高温を定着
ローラーに加えると、低分子はまったく弾性を有しない
粘性体として挙動し、高温オフセットの素因をつくるこ
とになる。
【0052】それゆえ、とりわけカラートナーにあって
は、比較的シャープメルト性を有しつつ、かつトナーを
構成するポリエステル樹脂の分子間凝集を高めるため
に、重量平均分子量と数平均分子量の比をできるだけ小
さくすることが必要である。これは、白黒トナーで論ず
る以上の重要な特質である。
【0053】本発明の目的に適合する着色剤としては下
記の顔料又は染料が挙げられる。尚、本発明において耐
光性の悪いC.I.Disperse Yellow
164;C.I.Solvent Yellow 77
及びC.I.SolventYellow 93の如き
着色剤は、推賞できないものである。
【0054】染料としては、例えば、C.I.ダイレク
トレッド1;C.I.ダイレクトレッド4;C.I.ア
シッドレッド1;C.I.ベーシックレッド1;C.
I.モーダントレッド30;C.I.ダイレクトブルー
1;C.I.ダイレクトブルー2;C.I.アシッドブ
ルー9;C.I.アシッドブルー15;C.I.ベーシ
ックブルー3;C.I.ベーシックブルー5;C.I.
モーダントブルー7等がある。
【0055】顔料としては、ナフトールイエローS,ハ
ンザイエローG,パーマネントイエローNCG,パーマ
ネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジ,ベンジジ
ンオレンジG,パーマネントレッド4R,ウオッチング
レッドカルシウム塩,ブリリアントカーミン38,ファ
ストバイオレッドB,メチルバイオレッドレーキ,フタ
ロシアニンブルー,ファーストスカイブルー,インダス
レンブルーBC等がある。
【0056】好ましくは顔料としてはジスアゾイエロ
ー,不溶性アゾ顔料,銅フタロシアニン,染料としては
塩基性染料,油溶性染料が適している。
【0057】特に好ましくはC.I.ピグメントイエロ
ー17;C.I.ピグメントイエロー15;C.I.ピ
グメントイエロー13;C.I.ピグメントイエロー1
4;C.I.ピグメントイエロー12;C.I.ピグメ
ントレッド5;C.I.ピグメントレッド3;C.I.
ピグメントレッド2;C.I.ピグメントレッド6;
C.I.ピグメントレッド7;C.I.ピグメントブル
ー15;C.I.ピグメントブルー16又は下記で示さ
れる構造式(1)を有する、フタロシアニン骨格に置換
基を2〜3個置換した銅フタロシアニン系顔料などであ
る。
【0058】
【外3】 [式中、X1、X2、X3及びX4
【0059】
【外4】 またはHを示す。但し、X1〜X4のすべてが−Hの場合
を除く。]
【0060】染料としては、C.I.ソルベントレッド
49;C.I.ソルベントレッド52;C.I.ソルベ
ントレッド109;C.I.ベイシックレッド12;
C.I.ベイシックレッド1;C.I.ベイシックレッ
ド3bなどである。
【0061】その含有量としては、OHPフィルムの透
過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、
結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、
好ましくは0.5〜7重量部が好ましい。
【0062】12重量部以上であると、イエローの混合
色であるグリーン,レッド,又、画像としては人間の肌
色の再現性に劣る。
【0063】その他のマゼンタ,シアンのカラートナー
については、結着樹脂100重量部に対しては15重量
部以下、より好ましくは0.1〜9重量部が好ましい。
【0064】本発明に係るトナーには、負荷電特性を安
定化するために、荷電制御剤を配合することも好まし
い。その際トナーの色調に影響をあたえない無色又は淡
色の負荷電制御剤が好ましい。
【0065】本発明に使用されるキャリアとしては、例
えば表面酸化又は未酸化の鉄,ニッケル,銅,亜鉛,コ
バルト,マンガン,クロム,希土類等の金属及びそれら
の合金又は酸化物及び磁性フェライトなどが使用でき
る。又その製造方法として特別な制約はない。
【0066】又、上記キャリアの表面を樹脂等で浸漬す
る系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被
覆材を溶解剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャ
リアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、
従来高知の方法がいずれも適用できる。
【0067】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラルフルオロチレ
ン,モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ス
チレン系樹脂,アクリル系樹脂,ポリアシド,ポリビニ
ルプチラール,ニグロシン,アミノアークレート樹脂,
塩基性染料及びそのレーキ,シリカ微粉末,アルミナ微
粉末,ジアルキルサリチル酸の金属錯体又は金属塩など
を単独或は複数で用いるのが適当である。
【0068】上記の化合物の処理は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般的には総
量で本発明のキャリアに対し0.1〜30重量%(好ま
しくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0069】これらキャリアの平均粒径は20〜100
μ、好ましくは25〜70μ、より好ましくは25〜6
5μを有することが好ましい。
【0070】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系
樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合わせ、例えば
ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレ
ート樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メ
チルメタアクレート樹脂;フッ素系共重合体;などを9
0:10〜20:80、好ましくは70:30〜30:
70の比率の混合物としたもので、0.01〜5重量
%、好ましくは0.1〜1重量%コーティングし、25
0メッシュパス、350メッシュオンのキャリア粒子が
70重量%以上ある上記平均粒径を有するコート磁性フ
ェライトキャリアであるものが挙げられる。該フッ素系
共重合体としてはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエ
レチン共重合体(10:90〜90:10)が例示さ
れ、スチレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル共重合体(20:80〜80:2
0)、スチレン−アクリル酸−エチルヘキシン−メタク
リル酸メチル共重合体(20〜60:530:10〜5
0)が例示される。
【0071】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0072】本発明に係るトナーと混合して二成分系現
像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー
濃度として、1重量%〜15重量%、好ましくは2重量
%〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が1重量%未満では画像濃度が低くなりやす
く、15重量%を越えるとカブリや機内飛散を増加せし
め、現像剤の耐用寿命を短縮しがちである。
【0073】本発明に用いられる流動性向上剤として
は、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動性
が添加前後を比較すると増加しうるものであれば、使用
可能である。例えば、疎水性コロイダルシリカ微粉体、
コロイダルシリカ微粉体、疎水性酸化チタン微粉体、酸
化チタン微粉体、疎水性アルミナ微粉体、アルミナ微粉
体、それらの混合粉体等が挙げられる。
【0074】本発明に係るそのほかの物性値の測定方法
を以下に述べる。
【0075】(2)ガラス転移温度Tgの測定 本発明に於ては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。
【0076】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0077】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、先ず前履歴を消去する目
的で、次の操作を行う。N2雰囲気下で室温から200
℃まで10℃/minで昇温させ、200℃で10分間
保つ。その後急冷し、10℃まで温度を下げ、10℃で
10分間保つ。その後、昇温速度10℃/minで、2
00℃まで昇温する。この昇温過程で、温度40〜10
0℃の範囲に於るメインピークの吸熱ピークが得られ
る。
【0078】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ペースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明に於るガラス転移温度Tgとする(図2参照)。
【0079】(3)重量平均分子量(Mw)、数平均分
子量(Mn)の測定:本発明に於ては、HLC−802
A型(東洋ソーダ社製)を用いてMw及びMnを測定す
る。カラムは東洋ソーダ工業社製TSKgel GMH
6×2を使用し、溶媒はTHFを用いる。検出器は、R
I(屈折率)を使用し、試料は濃度0.5%で、注入量
200μlで注入する。
【0080】試料の分子量は、試料の有する分子量分布
を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製した検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
【0081】検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、例えば、PressureChemicalC
o.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2,2.1×103,4×103,1.75×104
5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.
6×105,5×106,4.48×106のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。
【0082】(4)水酸基価の測定:JIS K007
に示される方法に準じて、下記方法により測定する。
【0083】200ml三角フラスコに試料6gを1m
g単位で精秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合溶
液を5mlホールピッペットで加え、更にピリジン25
mlをメスシリンダーで加える。三角フラスコ口に冷却
器を取り付け、100℃のオイルバス中で90分反応さ
せる。
【0084】蒸留水3mlを冷却器上部から加えてよく
振とうし10分間放置する。冷却器をつけたまま三角フ
ラスコをオイルバスから引き上げて放冷し、約30℃に
なれば冷却器上部口から少量のアセトン(10ml程
度)で冷却器およびフラスコ口を洗浄する。THF50
mlをメスシリンダーで加えフェノールフタレインのア
ルコール溶液を指示薬としてN/2KOH−THF溶液
で50ml(目量0.1ml)のビュレットを用いて中
和滴定する。中和終点直前に中性アルコール25ml
(メタノール/アセトン=1/1容量比)を加え溶液が
微紅色を呈するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
【0085】次いで、下式に従って、水酸基価を求め
る。
【0086】
【外5】 ここにA:本試験に要したN/2KOH−THF溶液の
ml数 B:空試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数 f:N/2KOH−THF溶液の力価 S:試料採取量(g) C:酸価またはアルカリ価。ただし酸価はプラスしアル
カリ価はマイナスする。 2個の測定値の平均値を採用する。
【0087】(5)グロス(光沢度)測定法:VG−1
0型光沢度計(日本電色製)を用い、色度測定に用いた
各ベタ画像を試料として、測定を行う。
【0088】測定としては、まず定電圧装置により6V
にセットする。
【0089】次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60
°に合わせる。
【0090】0点調整及び標準板を用い、標準設定の後
に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色紙を3
枚上に重ね測定を行い、標示部に示される数値を%単位
で読みとる。
【0091】この時S,S/10切替SWはSに合わ
せ、角度、感度切替SWは45−60に合わせる。
【0092】尚、画像濃度1.5±0.1の試料を使用
する。
【0093】本発明のポリエステル樹脂を得るための製
造方法としては、例えば以下のごとくの方法による。
【0094】まず線上の縮合体を形成せしめ、その過程
で目標の酸価、水酸基価の1.5〜3倍となるように分
子量を調整し、かつ分子量が均一となるように従来より
もゆっくり、かつ徐々に縮合反応が進むように、例えば
従来よりも低温かつ長時間反応せしめる,又は、エステ
ル化剤を減少せしめる,又は、反応性の低いエステル化
剤を用いる,又は、これらの方法を組み合わせて用い
る,などにより、反応を制御する。その後、その条件下
で架橋酸成分、及び必要に応じてエステル化剤をさらに
加え、反応せしめ3次元縮合体を形成せしめる。さらに
昇温し、分子量分布が均一になるようにゆっくり、長時
間反応せしめ、架橋反応を進め、水酸基価が目標値まで
低下した時反応を終了し、本発明の結着樹脂の条件を満
足するポリエステル樹脂を得る。
【0095】次に、図1を参照して本発明のカラートナ
ーを使用する電子写真方法を適用するフルーカラー電子
複写機の一例を説明する。
【0096】感光ドラム1上に適当な手段で形成された
静電潜像は矢印の方向へ回転する回転現像ユニット2に
取り付けられた現像器2−1中の現像剤により可視化さ
れる。この現像トナーはグリッパー7によって転写ドラ
ム6上に保持されている転写材に、転写帯電器8により
転写される。
【0097】次に2色目として回転現像ユニットが回転
し、現像器2−2が感光ドラム1に対向する。そして現
像器2−2中の現像剤により現像され、このトナー画像
も前記と同一の転写材上に重ねて転写される。
【0098】さらに3色目,4色目も同様に行われる。
このように転写ドラム6は転写材を把持したまま所定回
数だけ回転し所定色数の像が多重転写される。静電転写
するための転写電流は、一色目<二色目<三色目<四色
目の順に高めることが転写残留トナーを少なくするため
に好ましい。多重転写された転写材は、分離帯電器9に
より転写ドラム6より分離され、加熱加圧ロラー定着器
10を経てフルカラー複写画像となる。
【0099】また、現像器2−1〜2−4に供給される
補給トナーは各色ごとに具備した補給ホッパー3より、
補給信号に基づいた一定量をトナー搬送ケーブル4を経
由し、回転現像ユニット2の中心にあるトナー補給筒5
に搬送され各現像器に送られる。この補給トナーは現像
器内で混合−搬送スクリューにより、所定の現像剤濃度
となるようにあらかじめ現像器にある現像剤と均一混合
される。
【0100】この時キャリアとトナーの混合比率は現像
効果の上から極めて重要な要素である。
【0101】磁石を内包するスリーブ表面に付着した現
像剤は静電潜像を摺擦してその潜像をトナーで顕像化す
る。その結果現像剤からトナーが徐々に消費され、キャ
リアに対するトナーの比率が低下し、即ち、現像剤の濃
度が低下することとなり、次第に現像画像の濃度が薄く
なる。そこでトナーを適宜補給するが、その場合トナー
が適正以上に補給されると画像の濃度が濃くなり過ぎる
と共にカブリがふえる不都合を生ずる。従って好ましい
色調の画像を連続して得るためには、現像剤の濃度を正
確に検出することが必要である。
【0102】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0103】ポリエステル樹脂の製造例−1 テレフタル酸2mol,アジピン酸1.0mol,ポリ
オキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン3.0mol,ジブチル錫オ
キシド0.02gをガラス製21の4つ口フラスコに入
れ、温度計、攪拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を
取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内
を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら徐々に昇温し、
160℃で7時間反応せしめ、次いで190℃に昇温
し、5時間反応せしめた。
【0104】その後、グリセリン0.2mol、及びジ
ブチル錫オキシド0.04gを加え、190℃でさらに
3時間反応せしめ、さらに200℃に昇温し、5時間反
応せしめ反応を終了し、本発明のポリエステル樹脂
(1)を得た。得られたポリエステル樹脂(1)の重量
平均分子量(Mw)は14400であり、数平均分子量
は5750であり、Mw/Mnは2.5であり、水酸基
価は14.6であり、曇価は17%であった。
【0105】ポリエステル樹脂の製造例−2 イソフタル酸1.8mol,マロン酸1.16mol,
1,3−プロピレンジオール1.3mol,エチレング
リコール1.0mol及びネオペンチルグリコール0.
5molを製造例−1と同様にして窒素雰囲気中で反応
せしめた。次いで、ピロメリット酸無水物0.1mo
l,ジブチル錫オキシド0.09g加え、180℃で反
応を5時間行い、本発明のポリエステル樹脂(2)を得
た。得られたポリエステル樹脂(2)のMwは1870
0であり、Mnは5670であり、Mw/Mnは3.3
であり、水酸基価は18.5であり、曇価は9%であっ
た。
【0106】ポリエステル樹脂の製造例−3 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン2.0mol,ポリオキ
シエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン2.1mol,テレフタル酸2mo
l,ドデセニルコハク酸1.6mol,トリメリット酸
0.46molを製造例−1と同様の装置を用い、25
0℃で8時間反応せしめポリエステル樹脂(3)を得
た。
【0107】このポリエステル樹脂(3)の重量平均分
子量(Mw)は110000であり、数平均分子量(M
n)は5540であり、その比(Mw/Mn)は16.
2であり、水酸基価は20.4であり、曇価は35%で
あった。また、ガラス転移温度は61.5℃であった。
【0108】ポリエステル樹脂の製造例−4 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン5mol,フマル酸4.
5mol及びハイドロキノン0.1gを製造例−1と同
様の装置を用いて、窒素気流中で220℃で反応せしめ
ポリエステル樹脂(4)を得た。
【0109】得られたポリエステル樹脂(4)の重量平
均分子量(Mw)は18700であり、数平均分子量
(Mn)は3270であり、Mw/Mnは、約5.7で
あり、水酸基価32.0であり、曇価は3.0%であっ
た。
【0110】実施例1 ・製造例−1のポリエステル樹脂(1) 100重量部 ・構造式(I)を有する銅フタロシアニン系顔料(2置
換体) 4重量部 ・3.5−ジターシャリ−ブチルサリチル酸クロム錯体
4重量部
【0111】上記材料を十分ヘンシェルミキサーにより
予備混合を行い、2軸押出し混練機で溶融混練し、冷却
後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、
次いでエアージェット方式による微粉砕機で40μm以
下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級
して、粒度分布における体積平均径が8.2μになるよ
うに選択して分級品(シアンカラートナー)を得、流動
性向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理したシリ
カ微粉末を分級品100重量部に0.8重量部外添添加
し、さらに酸化アルミ微粉末0.5重量部を加えシアン
カラートナーとした。
【0112】また、このシアンカラートナー5.0重量
部に対し、スチレン−メタクリル酸メチル(共重合体重
量比65:35)を約0.35重量%コーティングした
Cu−Zn−Fe系フェライトキャリアを総量100重
量部になるように混合し現像剤とした。現像剤中のトナ
ー濃度は5.0重量%にした。
【0113】図1に示すOPC感光ドラムを有したカラ
ー電子写真を用いて複写試験を行った。この時、定着装
置7に用いられた定着ローラーは芯金上に1mmの厚み
を有するHTVシリコーンゴム層の単層を有し、加圧ロ
ーラー表面は厚さ3mmのHTVシリコーンゴムを用い
た。
【0114】この方法を用い初期画像を得たが、色調は
彩度のすぐれた、あざやかなものであった。
【0115】さらに9万枚の耐刷後でもカブリのないオ
リジナルを忠実に再現するシアン色画像が得られた。
又、複写機内での搬送、現像剤濃度検知も良好で安定し
た画像濃度が得られた。定着温度設定150℃にして9
万枚の繰り返し複写でも定着ローラーへのオフセットは
まったく生じなかった。
【0116】また高温オフセット量を比較検計するた
め、定着ローラーを新品にし定着装置7に具備した。シ
リコーンオイル含浸ウェブの駆動を止めて、その状態で
面積率20%の画像をオリジナルとして、5千枚の繰り
返し複写を行った。その後、該ウェブに付着したトナ
ー、所謂、高温オフセットトナーを定量化するため、そ
の部分をマクベス反射濃度計で測定した所、その濃度は
0.3であった。
【0117】この方法は高温オフセット量が多ければ、
そのトナー付着ウェッブの反射濃度値が高くなり、少な
ければ低くなるということにより、高温オフセットの定
量化を行おうとするものである。
【0118】また低温低湿(15℃10%RH)、高温
高湿(32.5℃85%RH)の各環境で帯電量測定を
行ったが、きわめて、環境依存性の少ないものとなり、
その環境による帯電量比は1.20であった。
【0119】又、カラー複写画像の評価方法として、画
像表面のグロス(光沢度)を測定することにより、カラ
ー画像の良否を判定する方法がある。すなわち、グロス
値が高いほど画像表面が平滑でつやのある彩度の高いカ
ラー品質と判断され、逆にグロス値が低いと、くすんだ
彩度のとぼしい、画像表面があれたものと判断される。
その測定方法は以下のごとくであり、実施例1において
その値は15%であった。結果を表1に示す。
【0120】実施例2 ・製造例−1のポリエステル樹脂(1) 100重量部 ・C.I.ピグメントレッド122 5重量部 ・3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体
4重量部
【0121】上記材料を使用して実施例1と同様にして
マゼンタトナーを調製し、実施例1と同様にしてマゼン
タトナー画像を得た。得られた画像は、画像濃度の高
い、あざやかなマゼンタ色であった。次いで、耐久試験
を行ったが、9万枚でも定着ローラーへのトナーオフセ
ットや、ガサツキのない良好な画像であった。結果を表
1に示す。
【0122】実施例3 ・製造例−1のポリエステル樹脂(2) 100量部 ・C.I.ピグメントイエロー17 3.5重量部 ・3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロ錯体
4重量部
【0123】上記材料を使用して実施例1と同様にして
イエロートナーを調製し、実施例1と同様にしてイエロ
ートナー画像を得た。得られた画像は、画像濃度の高
い、あざやかなイエロー色であった。次いで、耐久試験
を行ったが、9万枚でも定着ローラーへのトナーオフセ
ットや、ガサツキのない良好な画像であった。結果を表
1に示す。
【0124】比較例1〜2 ポリエステル樹脂(3)及び(4)を用い、他は実施例
1と同様にして試験を行った。実施例1乃至3及び比較
例1乃至2の結果を表1に示す。
【0125】
【表1】 実施例4 製造例−1のポリエステル樹脂(1)を用い、さらに着
色剤をC.I.ピグメントイエロー17(3.5重量
部)に変えて実施例1と同様にして調製したイエロート
ナー、実施例2のマゼンタトナー及び実施例1のシアン
トナーの3原色の各トナーを用いて、画像面積率35%
の画像をオリジナルとして、実施例1で示される様なカ
ラー電子写真装置を用い、フルカラーによる繰り返し複
写を行ったが7万枚以上の多数枚耐久性が認められた。
定着ローラーへのオフセットは実質的に認められなかっ
た。
【0126】7万枚後のフルカラー複写画像において
も、混色性のすぐれた彩度の高いものであった。3色重
ね合わせによるベタ黒のグロス値は20%であった。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、架橋されているが分子
量分布の狭い特性の樹脂を結着樹脂として使用すること
により、熱定着時における混色性に優れ、なおかつ、耐
オフセット性に優れているカラートナーを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラートナーを使用するフルカラー複写機の概
略的断面図である。
【図2】樹脂またはトナーのガラス転移点に関する説明
図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 回転現像ユニット 3 補給ホッパー 4 トナー搬送ケーブル 5 トナー補給筒 6 転写ドラム 7 グリッパー 8 転写帯電器 9 分離帯電器 10 加熱加圧ローラ定着器 13 現像スリーブ 16 供給スクリュー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤及び結着樹脂を含有す
    る静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が、ポリ
    エステル樹脂であり、結着樹脂の分散液の曇価が、7〜
    30%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該結着樹脂が、架橋モノマー成分により
    架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の静電
    荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該トナーが、カラートナーであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 該トナーが、イエロートナー、マゼンタ
    トナー又はシアントナーであることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
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