JP2884459B2 - カラー用両面画像形成法 - Google Patents

カラー用両面画像形成法

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JP2884459B2
JP2884459B2 JP4192671A JP19267192A JP2884459B2 JP 2884459 B2 JP2884459 B2 JP 2884459B2 JP 4192671 A JP4192671 A JP 4192671A JP 19267192 A JP19267192 A JP 19267192A JP 2884459 B2 JP2884459 B2 JP 2884459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー用両面画像形成
法に関し、特に転写ドラム、感光ドラムへの離型剤の付
着を防止し、さらに画像支持体送り部材への離型剤付着
をも防止しかつ、離型剤の使用量を低減せしめたフルカ
ラー用両面画像形成法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、白−黒複写機からフルカラー複写
機への展開が急速になされつつあり、2色カラー複写機
やデジタル化したフルカラー複写機の発売も市場では各
社から種々行われはじめている。
【0003】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー,マゼンタ,シアンの
3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用い
て色再現を行うものである。
【0004】その一般的方法は、まず原稿からの光をト
ナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを
通して光導電層上に静電潜像を形成する。次いで現像、
転写工程を経てトナーは支持体に保持される。次いで前
述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わ
せつつ、同一支持体上にトナーは重ね合わされ、ただ一
回のみの定着によって最終のフルカラー画像が得られ
る。
【0005】この様な、複数回の現像を行い、定着工程
として同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね
合わせを必要とするカラー電子写真法では、カラートナ
ーが持つべき定着特性は極めて重要な要素である。
【0006】すなわち、定着したカラートナーは、トナ
ー粒子による乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性や
つやが必要である。
【0007】又、トナー層の下層にある異なる色調のト
ナー層を妨げない透明性を有し、色再現性の広いカラー
トナーでなければならない。
【0008】これらを満足しうるカラートナーとして、
本出願人等は特開昭50−82442号公報,特開昭5
1−144625号公報,特開昭59−57256号公
報で新規なカラー用結着樹脂と着色剤の組み合わせを開
示してきた。
【0009】これら記載のカラートナーは、かなりのシ
ャープメルト性を有しており、シリコンオイル塗布が可
能なシリコーンゴムローラーとの組み合わせにおいて、
定着時完全溶融に近い状態までトナー形状が変化し、好
ましい光沢性及び色再現性が得られる。
【0010】これらの効果は、トナーの定着特性とし
て、結着樹脂の粘弾性特性における弾性項よりも粘性項
を重視することを意味している。
【0011】すなわち、加熱時、トナーはより粘性体と
して挙動し熱溶融性が増し、光沢性も得られることにな
る。それゆえカラートナーの溶融特性は、従来の白黒ト
ナーのそれよりは著しく異なり、カラートナー特有の樹
脂設計が必要である。
【0012】このような粘性項重視の結着樹脂設計は、
必然的に熱溶融時の分子間凝集を低下せしめることにな
り定着装置通過時、熱ローラーへのトナーの付着性も増
すことになる。これらは高温オフセット現象を奮起する
ものである。
【0013】特にシリコーンゴムローラーを定着ローラ
ーとして用いる場合、離型用オイル塗布如何によらず繰
り返し使用する本質的なシリコーンゴムローラー表面の
離型性の低下ゆえに高温オフセットが発生しやすくな
る。シリコーンゴムローラーにおいて使用開始初期は、
ローラー表面の平滑性や清浄性のゆえ、ある程度の離型
性は維持されうる。しかし、カラー画像のように画像面
積が大きく、普通紙の如き支持体上のトナー保持量も、
白・黒複写画像に比べて格段に多いカラー複写を、複写
し続けると、徐々にローラーの離型性は低下する。この
離型性の悪化のスピードは、白・黒複写の数倍に達す
る。
【0014】又、トナー自身も前述のように弾性をほと
んど有していないため、耐オフセット効果には無力であ
る。これらにより、わずか数千〜数万枚後に定着ローラ
ー表面にトナーの被膜や粒状の付着物が形成されること
や、熱ローラー通過時画像面のトナー上層部がはぎ取ら
れる。いわゆる高温オフセットが発生する。それを防止
するため、定着ローラーへ多量の離型剤を塗布すること
が必然的に必要となる。
【0015】上記の問題点を解決或は軽減すべく種々の
方策がトナーで試みられているが、さらなる改良が要望
されている。例えば特開昭55−60960号公報,特
開昭57−208559号公報,特開昭58−1195
3号公報、特開昭58−14144号公報,特開昭60
−123852号公報等に記載のごとく、剥離性を増す
ために、トナー中に離型性成分である低分子量のポリエ
チレン、ポリプロピレン、ワックス、高級脂肪酸などを
添加する方法も行われている。これらの方法は、オフセ
ット防止には効果がある反面、耐オフセットに充分効果
を発揮する多量の含有はメインの結着樹脂との相溶性が
悪くなり、カラートナーのOHP画像の透明性を損なう
こと、帯電特性が不安定になる、耐久性が低下する等の
悪影響も認められ、充分なものとはいい難い。
【0016】又、特開昭47−12334号公報,特開
昭57−37353号公報,特開昭57−208559
号公報においては、エーテル化ビスフェノール単量体
と、ジカルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール
単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含
む単量体成分とより得られる非線状共重合体よりなるポ
リエステルをバインダーとして含有するトナーが提案さ
れているが、斯かる技術は、エーテル化ビスフェノール
単量体とジカルボン酸単量体とよりなるポリエステル
を、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以
上の多価カルボン酸単量体を含む多量の単量体成分によ
り架橋することによって得られるポリエステルをバイン
ダーとして含有させることによりトナーにオフセット防
止性能を有せしめたものである。しかしながら斯かるト
ナーにおいては、その軟化点が若干高く、従って良好な
低温定着が困難であるし、又、フルカラー複写に用いた
場合は耐高温オフセット性に対しては、実用化しうるレ
ベルではあるが、上述のごとく定着性、シャープメルト
性に難があるため、該ポリエステルを用いたフルカラー
トナーの重ね合わせによる混色性や色再現性は望むべく
もない。又、特開昭57−109825号公報や、特開
昭62−78568号公報,特開昭62−78569号
公報など、さらに本出願人による特開昭59−7960
号公報,特開昭59−29256号公報においては、エ
ーテル化ビスフェノール単量体と、長鎖脂肪族炭化水素
を導入したジカルボン酸単量体やその他のジカルボン酸
単量体と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は
3価以上の多価カルボン酸単量体を含む単量体成分とよ
り得られる非線状共重合体であって、その側鎖に炭素数
3〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
するポリエステルをバインダーとして含有するトナーを
開示したが、これらのポリエステル樹脂は高速複写用ト
ナーを目的としたことが主であり、樹脂の粘弾性特性と
しては、前述した粘性重視ポリエステルとはまったく逆
に、弾性を強化し、ローラーへの高温オフセットを著し
く低下せしめたものである。そして、定着時、熱ローラ
ーの加圧及び加熱をできる限り高め、トナーを半溶融の
状態で転写紙の繊維の間へ押し込み、加圧、加熱定着を
行い、該目的を達成しようとするものである。
【0017】それゆえ、カラー複写に必要なトナー層が
溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということはほ
とんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子状態
で存在し、得られるフルカラー画像はくすんだものとな
り彩度にとぼしい。OHP画像はトナー粒子表面で光が
散乱、拡散してしまいほとんど光を透過せず、実用的に
使用不能となってしまう。
【0018】又、本出願人等は特開平2−73366号
公報,特開平1−224776号公報において、耐高温
オフセット性にすぐれ、かつ、カラー複写に適用可能な
新規なポリエステル樹脂を提案したが、該樹脂はなるほ
ど、従来のカラートナー用樹脂よりは勝っているが、定
着ローラーへのオフセット防止効果が発揮するのはせい
ぜい繰り返し複写2〜5万枚程度であり、また定着ロー
ルへの離型剤塗布量も従来よりも減少することはできな
かった。白黒トナーのオフセット防止効果は10万枚以
上は充分にあり、現状では数十万枚の耐刷性、耐オフセ
ット性を有することから考えると、性能的にはさらに改
善することが好ましい。又、該ポリエステルはカラー複
写における定着性を第一義な課題として研究されたもの
であり、帯電的には低温低湿環境と高温高湿環境の間で
帯電量の差が大きく、繰り返し複写後のカラー画像にお
いて低湿側で濃度が若干低くなる傾向があり、高湿側で
は、トナー飛散やカブリが生ずることもある。
【0019】又、特開昭62−195676号公報,特
開昭62−195678号公報,特開昭62−1956
80号公報においては、水酸基価と酸価の比を規定した
ポリエステル樹脂を開示しているが、これらのポリエス
テル樹脂もやはり、高速定着用を意図したものである
が、本発明者等の検討によると該樹脂を用いたフルカラ
ートナーは十分な混色性を得る所までは到らなかった。
【0020】定着ローラーへのトナーのオフセット防止
対策として定着装置は、表面離型性のすぐれた熱ローラ
ー用材料を用いる、或いは、離型剤として、離型性オイ
ル、例えばシリコンオイル、フッ素オイルをローラーに
塗布する等の工夫がなされ、現在商品化されているカラ
ー複写機の熱ローラー定着装置は何らかの形で離型剤で
あるオイル塗布を行なっているのが殆んどである。
【0021】ところが、この離型性オイル塗布は、紙、
OHPフィルム、布帛等の画像支持体へのオイル汚れ、
離型剤塗布装置の具備によるコスト増など好ましくない
問題を引き起こしている。
【0022】特に、フルカラー複写における両面時に困
難な問題を有している。すなわち、フルカラー複写機の
一例を示す図1において、画像支持体のおもて面(一面
目)にトナー層を担持し、離型剤塗布装置16を具備し
た定着装置10を通過した画像支持体の表面には、離型
剤がかなり多量に保持されている。次のこの画像支持体
は裏面(2面目)に画像を形成するため、転写ドラム6
上に、おもて面を転写ドラム6上のシートに密着するよ
うに吸着保持される。この時、おもて面上の離型剤、所
謂、離型性オイルは転写ドラムシートに転移付着するこ
とになる。くり返し多数枚の前記画像支持体が転写ドラ
ム6上に吸着・脱着を行なうことにより、転写ドラム6
上に転移した離型剤の存在は無視出来ない量となり、付
着したオイル膜が原因となる転写ドラム6への画像支持
体の吸着不良、画像支持体上の画像面(おもて面)への
オイル汚れ等の不具合いを生ずることになる。さらには
転写ドラム6上の離型剤は感光ドラム1面にも転移付着
することになり、より大きな問題を生ずることになる。
というのは感光ドラム1を帯電せしめた時、離型剤の付
着した部分は充分な帯電電位を得ることが出来なくなっ
たり、ドラム表面が不均一な帯電状態となることや、ま
た離型性オイルのごとき絶縁性物質の付着により除電が
不十分になることが生ずる。これは取りも直さずトナー
の現像能力を低下せしめ画像濃度を低下させたり、非画
像部へのトナー付着である、所謂カブリを惹起すること
になる。
【0023】また別の不具合としては、両面トレー11
に積層された画像支持体を裏面複写をするため、紙送り
ローラー12によりピックアップし搬送する時、画像支
持体上の離型剤により、ローラー12がスリップし、重
送,搬送不能などが生じやすくなる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、離型
剤を塗布した定着ローラーを用いた定着装置を具備した
カラー両面複写においても、著しい弊害なく機能しうる
カラー両面画像形成法を提供することにある。
【0025】すなわち、本発明の目的は、転写ドラム、
感光ドラムへの離型剤の付着及び紙送りローラー等の紙
送り部材への離型剤の付着がないカラー用両面画像形成
法を提供することにある。
【0026】本発明の目的は、画像支持体表面を摺擦し
表面の離型剤を除去する装置と、 良好な定着性及び混色性を示し、 充分な摩擦帯電性を有し、 画像品質を著しく高める光沢性が高く、 繰り返し複写してもキャリアスペントしにくく耐久
性に優れており、 高温オフセットが十分に防止され、定着可能温度域
が広く、 離型剤の定着ローラーへの塗布量を著しく低減する
ことが可能であるカラートナーとの相乗効果により達成
することができた。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、離型
剤塗布装置を具備した定着装置を有するカラー用両面複
写機にて、カラートナーを用いて画像支持体両面にカラ
ー画像を形成する方法において、(1)該定着装置を通
過した画像支持体表面を摺擦する離型剤除去摺擦装置を
有し、(2)該カラートナーとして、下記成分(a),
(b),(c)及び(d)(a)イソフタル酸、テレフ
タル酸及びその誘導体より選ばれた2価の芳香族酸成分
(a)を全モノマー量の25〜35mol%,(b)ト
リメリット酸及びその誘導体より選ばれた3価の芳香族
系酸成分(b)を全モノマー量の2〜4mol%,
(c)ドデセニルコハク酸,オクチルコハク酸及びその
無水物より少なくとも選ばれた2価の酸成分(c)を全
モノマー量の12〜18mol%,(d)プロポキシ
化、又は/及びエトキシ化したエーテル化ジフェノール
成分(d)を全モノマー量の45〜60mol%を少な
くとも含有する単量体組成物から生成されたポリエステ
ル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂の水酸基価が10
〜20であり、重量平均分子量が13,000〜20,
000であり、数平均分子量が5,000〜8,000
であり、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)の比が2〜3.5であるカラートナーを用いた、こ
とを特徴とするカラー用両面画像形成法に係るものであ
る。
【0028】本発明に用いるカラートナーにおいて、本
発明のポリエステル樹脂は、線状ポリエステル樹脂と非
線状の架橋ポリエステル樹脂の両者の特質を合わせもっ
た、いわば過渡的性格を有したものといえる。これによ
り、カラートナーとして良好な混色性、及び色再現性が
得られ、かつ、定着ローラーへの耐オフセットが得られ
たものと考える。それゆえ、定着ローラーへの離型剤の
塗布量も低減することが可能となったものと考える。
【0029】すなわち、本発明に用いるカラートナーが
好ましい特性を示す理由を以下のごとく推察する。 (i)架橋モノマー成分であるトリメリット酸を、2価
の酸成分1分子及び2価のアルコール成分の1分子縮合
体が20〜30単位、繰り返した線状縮合体鎖中に規則
的にせいぜい1分子導入し、弱い架橋を形成する。そし
て、その弱い架橋ではあるが、ポリエステル中の縮合体
全体を一つの3次元ポリマーとして構成する。これは単
なる線状ポリエステルの混合物によるよりは、はるかに
耐オフセット性が向上する。しかし、本発明の架橋レベ
ルはポリエステル樹脂の熱による容易な可動性を妨げな
い範囲内でもある。 (ii)ソフトセグメントを有する2価の酸成分のその
組成及び量を極めて限定することにより、混色性、色再
現性の良いフルカラー画像が得られかつ、耐オフセット
性に悪影響が生じないようにせしめている。特徴(i)
における弱い架橋縮合体中で、架橋酸成分の量と該酸成
分の量は自ずとバランスを保つように決定され、多すぎ
ると異常なシャープメルト性を発生し、又、少なすぎる
とカラー画像の光沢性や彩度の低下が見られる。
【0030】本発明においては、3価のカルボン酸を必
須成分として使用しながら、分子量分布を通常の架橋結
着樹脂より狭く(Mw/Mn=2〜3.5、好ましくは
2.0〜3.0)することにより上記効果を達成し得
る。 (iii)その他の2価の酸成分をイソフタル酸もしく
はテレフタル酸とし、極力、ポリマーの粘性を低下させ
ずに弾性を有する組成を選択している。これに対し、脂
肪族系の酸成分に変更すると分子鎖がリニアで、かつ長
鎖となるため、熱により分子鎖が可動しやすくなり、ポ
リマーとしては粘性的挙動をより示すこととなり、定着
ローラーへのオフセットはしやすくなる。定着ローラー
への離型剤塗布量は逆に多く必要となる。 (iv)本発明のポリエステル樹脂の製造条件を従来と
変更し、樹脂の分子量分布を出来る限り、シャープで狭
い分布となるように特に調整している。ポリエステル中
の縮合体の分子鎖の分布を狭い範囲で均一化せしめるこ
とは、カラートナーにおける混色性と耐オフセット性を
両立せしめる上で重要なことである。すなわち、分子量
の小さい分子鎖の短い縮合体は加熱によってたやすく、
分子主鎖が動き、逆に高分子量の分子鎖の長い縮合体
は、その熱エネルギーではほとんど動かない。そのアン
バランスがポリエステル樹脂中で存在すると、該樹脂を
用いたカラートナーが低い温度の定着ローラーを通過す
る場合、低分子の縮合体はすみやかに溶融し、定着及び
混色するような挙動を示し、かつ高分子の縮合体はほと
んど溶けないという現象が発生する。
【0031】一方、高分子が溶融するほどの高温を定着
ローラーに加えると、低分子はまったく弾性を有しない
粘性体として挙動し、高温オフセットの素因をつくるこ
とになる。
【0032】それゆえ、とりわけカラートナーにあって
は、比較的シャープメルト性を有しつつ、かつ、トナー
を構成するポリエステル樹脂の分子間凝集を高めるため
に、重量平均分子量と数平均分子量の比をできるだけ小
さくすることが必要である。これは、白黒トナーで論ず
る以上の重要な特質である。
【0033】(v)特徴(iv)においては、ポリエス
テル樹脂の製造条件の変更は、分子量分布の制御にとっ
て不可欠であることは述べたが、さらに、水酸基価の値
をある範囲に収めるためにもこの製造条件は必要であ
る。水酸基価は樹脂の水和性の目安となり、カラートナ
ーの帯電性を左右する重要な因子であり、該値が大きす
ぎても小さすぎても好ましい帯電特性が得られない。
【0034】この水酸基価の値は、本発明のポリエステ
ル樹脂を構成するその組成を製造条件によってのみ決定
される。しかるにカラートナーの混色性、色再現性と耐
オフセット性を満たす定着特性と帯電特性の両特性を併
立するためには、(i)〜(iv)の諸条件を満足して
いなければならない。
【0035】本発明のモノマー組成等は一見従来技術と
類似していると見ることが出来るが、本発明の真のねら
い、及び達成した技術到達点は、従来のポリエステル樹
脂、及びカラートナーでは達し得なかったものである。
【0036】それゆえ本発明において、モノマー成分、
組成比、及び諸物性は本発明が開示した以外の範囲で
は、本発明の目的は達成することは極めて困難である。
【0037】本発明において好ましいエーテル化ジフェ
ノールはエーテル化ビスフェノールである。好ましいエ
ーテル化ビスフェノールはエトキシ化又はプロポキシ化
されたものであり、ビスフェノール1モルあたり2ない
し3モルのオキシエチレン又はオキシプロピレンを有し
たものである。
【0038】例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンである。
【0039】本発明の目的に適合する着色剤としては下
記の顔料または染料が挙げられる。尚、本発明において
耐光性の悪いC.I.Disperse Y164;
C.I.Solvent Y77及びC.I.Solv
ent Y93の如き着色剤は、推奨できないものであ
る。
【0040】染料としては、例えばC.I.ダイレクト
レッド1;C.I.ダイレクトレッド4;C.I.アシ
ッドレッド1;C.I.ベーシックレッド1;C.I.
モーダントレッド30;C.I.ダイレクトブルー1;
C.I.ダイレクトブルー2;C.I.アシッドブルー
9;C.I.アシッドブルー15;C.I.ベーシック
ブルー3;C.I.ベーシックブルー5;C.I.モー
ダントブルー7等がある。
【0041】顔料としては、ナフトールイエローS,ハ
ンザイエローG,パーマネントイエローNCG,パーマ
ネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジ,ベンジジ
ンオレンジG,パーマネントレッド4R,ウオッチング
レッドカルシウム塩,ブリリアントカーミン3B,ファ
ストバイオレットB,メチルバイオレットレーキ,フタ
ロシアニンブルー,ファーストスカイブルー,インダン
スレンブルーBC等がある。
【0042】好ましくは顔料としてはジスアゾイエロ
ー,不溶性アゾ顔料,銅フタロシアニン,染料としては
塩基性染料,油溶性染料が適している。
【0043】特に好ましくはC.I.ピグメントイエロ
ー17;C.I.ピグメントイエロー15;C.I.ピ
グメントイエロー13;C.I.ピグメントイエロー1
4;C.I.ピグメントイエロー12;C.I.ピグメ
ントレッド5;C.I.ピグメントレッド3;C.I.
ピグメントレッド2;C.I.ピグメントレッド6;
C.I.ピグメントレッド7;C.I.ピグメントブル
ー15;C.I.ピグメントブルー16または下記で示
される構造式(1)を有する、フタロシアニン骨格に置
換基を2〜3個置換した銅フタロシアニン系顔料などで
ある。
【0044】
【化1】 染料としては、C.I.ソルベントレッド49;C.
I.ソルベントレッド52;C.I.ソルベントレッド
109;C.I.ベイシックレッド12;C.I.ベイ
シックレッド1;C.I.ベイシックレッド3bなどで
ある。
【0045】その含有量としては、OHPフィルムの透
過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、
結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、
好ましくは0.5〜7重量部が好ましい。12重量部を
超えると、イエローの混合色であるグリーン,レッド,
また、画像としては人間の肌色の再現性に劣る。
【0046】その他のマゼンタ,シアンのカラートナー
については、結着樹脂100重量部に対しては15重量
部以下、より好ましくは0.1〜9重量部が好ましい。
【0047】本発明に係るトナーには、負荷電特性を安
定化するために、荷電制御剤を配合することも好まし
い。その際トナーの色調に影響をあたえない無色または
淡色の負荷電制御剤が好ましい。
【0048】本発明に係るトナーにキャリアを併用する
場合、使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化ま
たは未酸化の鉄,ニッケル,銅,亜鉛,コバルト,マン
ガン,クロム,希土類等の金属及びそれらの合金または
酸化物及び磁性フェライトなどが使用できる。またその
製造方法として特別な制約はない。
【0049】又、上記キャリアの表面を樹脂等で浸漬す
る系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被
覆材を溶解剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャ
リアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、
従来公知の方法がいずれも適用できる。
【0050】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン,モノクロロトリフルオロエチレン重合体,ポリフッ
化ビニリデン,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ス
チレン系樹脂,アクリル系樹脂,ポリアミド,ポリビニ
ルブチラール,ニグロシン,アミノアクリレート樹脂,
塩基性染料及びそのレーキ,シリカ微粉末,アルミナ微
粉末,ジアルキルサリチル酸の金属錯体または金属塩な
どを単独或は複数で用いるのが適当である。
【0051】上記の化合物の処理は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般的には総
量で本発明のキャリアに対し0.1〜30重量%(好ま
しくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0052】これらキャリアの平均粒径は20〜100
μm、好ましくは25〜70μm、より好ましくは25
〜65μmを有することが好ましい。
【0053】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系
樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の単独又は組み合わ
せ、例えばポリフッ化ビニリデン,スチレン−メチルメ
タアクリレート樹脂,ポリテトラフルオロエチレン,ア
クリル系共重合体,フッ素系共重合体;などを単独、又
は混合物としたもので、0.01〜5重量%、好ましく
は0.1〜1重量%コーティングし、250メッシュパ
ス、350メッシュオンのキャリア粒子が70重量%以
上ある上記平均粒径を有するコート磁性フェライトキャ
リアであるものが挙げられる。該フッ素系共重合体とし
てはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合
体(10:90〜90:10)が例示され、スチレン系
共重合体としてはスチレン−アクリル酸−2−エチルヘ
キシル共重合体(20:80〜80:20)、スチレン
−アクリル酸−2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチ
ル共重合体(20〜60:5〜30:10〜50)が例
示される。
【0054】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0055】本発明に係るトナーと混合して二成分現像
剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、1重量%〜15重量%、好ましくは2重量%
〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナ
ー濃度が1重量%未満では画像濃度が低くなり、15重
量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤
の耐用寿命を短縮しがちである。
【0056】本発明に用いられる流動性向上剤として
は、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動性
が添加前後を比較すると増加しうるものであれば、使用
可能である。例えば、疎水性コロイダルシリカ微粉体、
コロイダルシリカ微粉体、疎水性酸化チタン微粉体、酸
化チタン微粉体、疎水性アルミナ微粉体、アルミナ微粉
体、それらの混合粉体等が挙げられる。
【0057】次に、図1を参照して本発明に係るカラー
用両面画像形成法を適用するフルカラー電子複写機の一
例を説明する。
【0058】感光ドラム1上に適当な手段で形成された
静電潜像は矢印の方向へ回転する回転現像ユニット2に
取り付けられた現像器2−1中の現像剤により可視化さ
れる。この現像トナーはグリッパー7によって転写ドラ
ム6上に保持されている紙やOHPフィルムごときの画
像支持体に、転写帯電器8により転写される。
【0059】次に2色目として回転現像ユニットが回転
し、現像器2−2が感光ドラム1に対向する。そして現
像器2−2中の現像剤により現像され、このトナー画像
も前記と同一の画像支持体上に重ねて転写される。
【0060】さらに3色目,4色目も同様に行われる。
このように転写ドラム6は画像支持体を把持したまま所
定回数だけ回転し所定色数の像が多重転写される。静電
転写するための転写電流は、一色目<二色目<三色目<
四色目の順に高めることが転写残留トナーを少なくする
ために好ましい。多重転写された画像支持体は、分離帯
電器9により転写ドラム6より分離され、離型剤塗布装
置16を具備した加熱加圧ローラ定着装置10を経てフ
ルカラー複写画像となる。
【0061】また、現像器2−1〜2−4に供給される
補給トナーは各色ごとに具備した補給ホッパー3より、
補給信号に基づいた一定量をトナー搬送ケーブル4を経
由し、回転現像ユニット2の中心にあるトナー補給筒5
に搬送され各現像器に送られる。
【0062】更に、裏面画像を得るためのプロセスは次
の通りである。
【0063】定着装置10を通過した前述のフルカラー
複写画像、すなわちおもて面にトナー層を有する画像支
持体は、搬送ガイド17−1を経由し、両面トレー11
に積層される。ついで画像支持体は裏面を複写するた
め、両面トレー11より、紙送りローラー12より重送
しないように搬送される。搬送ガイド17−2を経由し
て支持体を搬送しトナー層が下面になるように転写ドラ
ム6上に保持される。以下の現像−転写−定着工程は前
述と同様にして、定着装置10より排紙され、最終的に
カラー両面複写画像が得られる。
【0064】本発明に用いられる離型剤除去摺擦装置1
4は、おもて面にトナー層を有した画像支持体が定着装
置10を経て、再度、転写ドラム6に保持されるまでの
搬送経路中に、少なくとも一カ所以上配置されるもので
ある。該摺擦装置14は、離型剤を表面に保持した画像
支持体が該摺擦装置14を通過した時、該支持体の表面
を、担持された画像を損わないように、かつ、表面の離
型剤を完全に除去するように摺擦する機能を有するもの
である。
【0065】あまりに強い摺擦を行なうと、なるほど画
像支持体表面の離型剤は十分に払拭除去すること可能で
あるが、同時におもて面の定着画像がはがれたり、ス
ジ、割れ等の画像欠陥を発生することになる。又、弱す
ぎると、当然のごとく、短時間の内に転写ドラム6シー
トへの離型剤汚染を生ずることになる。この摺擦力の設
定は、定着画像の定着状態に基づく、摺擦強さと、画像
支持体表面にある離型剤の量に従って、適時選択する必
要がある。
【0066】また、本発明の離型剤除去摺擦装置14の
具体例の模式図を図2〜4に示す。
【0067】図2はロールタイプの型式を有するもので
あり、ロールの材質としてはシリコンゴム、フッ素ゴ
ム、発泡ウレタン、多孔性樹脂などが好ましく、その摺
擦圧力としては画像支持体19上の離型剤21を除去し
定着したトナー層20を包み込む程度の力が好ましい。
【0068】図3は巻き取り式ウェブタイプであり、用
いられるウェブは吸収又は吸着した離型剤を保持するよ
うな凹凸又は/および多孔性と適度な厚みを有する布
帛,紙,不織布,金属薄膜シートが好ましい。
【0069】図4はブラシタイプの型式を有するもので
あり、多孔性又は離型剤を化学的に吸着しやすく加工処
理した、又はしてはいない繊維,樹脂,動物の毛皮,等
が好ましい。本発明は前記図2〜図4に限定されるもの
ではなく、画像支持体上の画像を損わず、表面の離型剤
を摺擦除去するものであればどのような型式でも可能で
ある。
【0070】該摺擦装置14の配置位置は最も好ましい
態様としては搬送ガイド17−1の部材近傍に設置する
のが良い。次の好ましい位置としては、搬送ガイド17
−2から転写ドラム6までの経路の配置とすることであ
る。ただしこの位置に配置した場合は紙送りローラー1
2に対して離型剤除去の別途の対策が必要である。
【0071】本発明に係る各物性値の測定方法を以下に
述べる。
【0072】(1)ガラス転移温度Tgの測定:本発明
に於いては、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、
DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。
【0073】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0074】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、先ず前履歴を消去する目
的で、次の操作を行う。N2 雰囲気下で室温から200
℃まで10℃/minで昇温させ、200℃で10分間
保つ。その後急冷し、10℃まで温度を下げ、10℃で
10分間保つ。その後、昇温速度10℃/minで、2
00℃まで昇温する。この昇温過程で、温度40〜10
0℃の範囲に於けるメインピークの吸熱ピークが得られ
る。
【0075】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明に於けるガラス転移温度Tgとする。
【0076】(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分
子量(Mn)の測定:本発明に於ては、HLC−802
A型(東洋ソーダ社製)を用いてMw及びMnを測定す
る。カラムは東洋ソーダ工業社製TSKgelGMH6
×2を使用し、溶媒はTHFを用いる。検出器は、RI
(屈折率)を使用し、試料は濃度0.5%で、注入量2
00μlで注入する。
【0077】試料の分子量は、試料の有する分子量分布
を数種の短分散ポリスチレン標準試料により作製した検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
【0078】検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、例えば、PressureChemical C
o.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×104
5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×105
8.6×105 ,2×106 ,4.48×106 のもの
を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料
を用いるのが適当である。
【0079】(3)水酸基価の測定:JIS K007
に示される方法に準じて、下記方法により測定する。
【0080】200ml三角フラスコに試料6gを1m
g単位で精秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合溶
液を5mlホールピペットで加え、更にピリジン25m
lをメスシリンダーで加える。三角フラスコ口に冷却器
を取り付け、100℃のオイルバス中で90分反応させ
る。
【0081】蒸留水3mlを冷却器上部から加えてよく
振とうし10分間放置する。冷却器をつけたまま三角フ
ラスコをオイルバスから引き上げて放冷し、約30℃に
なれば冷却器上部口から少量のアセトン(10ml程
度)で冷却器およびフラスコ口を洗浄する。THF50
mlをメスシリンダーで加えフェノールフタレインのア
ルコール溶液を指示薬としてN/2KOH−THF溶液
で50ml(目盛0.1ml)のビュレットを用いて中
和滴定する。中和終点直前に中性アルコール25ml
(メタノール/アセトン=1/1容量比)を加え溶液が
微紅色を呈するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
【0082】次いで、下式に従って水酸基価を求める。
【0083】
【数1】 ここにA:本試験に要したN/2KOH−THF溶液の
ml数 B:空試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数 f:N/2KOH−THF溶液の力価 S:試料採取量(g) C:酸価またはアルカリ価。ただし酸価はプラスしアル
カリ価はマイナスする。
【0084】2個の測定値の平均値を採用する。
【0085】(4)グロス(光沢度)測定法:VG−1
0型光沢度計(日本電色製)を用い、色度測定に用いた
各ベタ画像を試料として、測定を行う。
【0086】測定としては、まず定電圧装置により6V
にセットする。
【0087】次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60
°に合わせる。
【0088】0点調整及び標準板を用い、標準設定の後
に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色紙を3
枚上に重ね測定を行い、標示部に示される数値を%単位
で読みとる。
【0089】この時、S,S/10切替SWはSに合わ
せ、角度、感度切替SWは45−60に合わせる。
【0090】尚、画像濃度1.5±0.1の試料を使用
する。
【0091】本発明のポリエステル樹脂を得るための製
造方法としては、例えば以下のごとくの方法による。
【0092】まず線上の縮合体を形成せしめ、その過程
で目標の酸価、水酸基価の1.5〜3倍となるように分
子量を調整し、かつ分子量が均一となるように従来より
もゆっくり、かつ徐々に縮合反応が進むように、例えば
従来よりも低温かつ長時間反応せしめる,又は、エステ
ル化剤を減少せしめる,又は、反応性の低いエステル化
剤を用いる,又は、これらの方法を組み合わせて用い
る,などにより、反応を制御する。その後、その条件下
で架橋酸成分、及び必要に応じてエステル化剤をさらに
加え、反応せしめ3次元縮合体を形成せしめる。さらに
昇温し、分子量分布が均一になるようにゆっくり、長時
間反応せしめ、架橋反応を進め、水酸基価が目標値まで
低下した時反応を終了し、本発明のポリエステル樹脂を
得る。
【0093】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0094】(ポリエステル樹脂の製造例−1)テレフ
タル酸2mol,ドデセニル無水コハク酸1.09mo
l,ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.4mol,ジ
ブチル錫オキシド0.01gをガラス製21の4つ口フ
ラスコに入れ、温度計、攪拌棒、コンデンサー、及び窒
素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次に
フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら徐々
に昇温し、170℃で5時間反応せしめ、次いで190
℃に昇温し、4時間反応せしめた。この時点で生成した
樹脂の水酸基価は59.8であった。
【0095】その後、トリメリット酸無水物0.2mo
l、及びジブチル錫オキシド0.08gを加え、190
℃でさらに3時間反応せしめ、さらに200℃に昇温
し、5時間反応せしめ反応を終了し、本発明のポリエス
テル樹脂(1)を得た。
【0096】その時の水酸基価は16.8であり、ガラ
ス転移温度64℃、重量平均分子量は16000であ
り、数平均分子量は5900であり、その比は2.7で
あった。
【0097】(ポリエステル樹脂の製造例−2)イソフ
タル酸1.8mol,オクチルコハク酸1.16mo
l.ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン3.34molを製造
例−1と同様にして窒素雰囲気中で反応せしめた。次い
で、トリメリット酸無水物0.13mol,ジブチル錫
オキシド0.09gを加え、180℃で反応を5時間行
い、本発明のポリエステル樹脂(2)を得た。
【0098】この樹脂の水酸基価14.7,ガラス転移
温度62℃,重量平均分子量(Mw)17000,数平
均分子量(Mn)6300であり、Mw/Mnは約2.
7であった。
【0099】(ポリエステル樹脂の製造例−3)ポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン5mol,テレフタル酸2mo
l,トリメリット酸無水物3mol,及びジブチル錫オ
キシド0.05gを製造例−1と同様の装置を用いて窒
素雰囲気中で、220℃で反応せしめ、架橋ポリエステ
ル樹脂(3)を得た。得られた架橋ポリエステル樹脂の
Mw/Mnは明らかに3.5を越えていた。
【0100】(ポリエステル樹脂の製造例−4)ポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン2.0mol,ポリオキシエチ
レン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン2.1mol,テレフタル酸2mol,ド
デセニルコハク酸1.6mol,トリメリット酸0.4
6molを製造例−1と同様の装置を用い、250℃で
8時間反応せしめポリエステル樹脂(4)を得た。
【0101】この樹脂の水酸基価は20.4,重量平均
分子量110000,数平均分子量5540であり、そ
の比は16.2であった。また、ガラス転移温度は6
1.5℃であった。
【0102】(ポリエステル樹脂の製造例−5)ポリオ
キシプロピレン(2.5)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン5.0mol,四つ口フラスコ
に入れ撹拌器、コンデンサー、温度計、ガス導入管をセ
ットし、マントルヒーター内に置いた。反応容器内を窒
素ガス置換した後、内容物を50〜60℃になる様にし
た時点で、テレフタル酸3.0mol,C12のアルケニ
ル基を置換したコハク酸(C16304 )1.5mo
l,トリメリット酸0.35molを加えた。
【0103】この混合物系を210℃に加熱撹拌した。
反応水を除去しつつ、約5時間経過した後、反応物を室
温に冷却した。
【0104】反応条件として、モノマー成分を全量一度
に仕込み、かつ反応温度が高く、又反応時間も短かった
ため、分子利用分布が本発明よりはブロードとなり、ま
た平均分子量も低い値となった。それに関連して、水酸
基価も32と高い値となった。
【0105】この時の重量平均分子量は12500、数
平均分子量3070となり、その比は4.07であっ
た。
【0106】(ポリエステル樹脂の製造例−6)ポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン5mol,フマル酸4.5mo
l及びハイドロキノン0.1gを製造例−1と同様の装
置を用いて、窒素気流中で220℃で反応せしめポリエ
ステル樹脂(6)を得た。
【0107】得られた樹脂(C)の水酸基価は32であ
り、重量平均分子量(Mw)18700,数平均分子量
(Mn)3270であり、Mw/Mnは、約5.7であ
った。
【0108】実施例1 製造例−1のポリエステル樹脂100重量部に対して、
下記の処方量の着色剤及び荷電制御剤を用いてシアンカ
ラートナーを得た。
【0109】 製造例−1のポリエステル樹脂(1) 100.0重量部 構造式(1)を有する銅フタロシアニン顔料(2置換体) 4.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部 その製造方法は、上記の各処方量を十分ヘンシェルミキ
サーにより予備混合を行い、2軸押出し混練機で溶融混
練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に
粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で
40μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉
砕物を分級して、粒度分布における体積平均径が8.2
μmになるように選択して分級品を得、流動性向上剤と
してヘキサメチルジシラザンで処理したシリカ微粉末を
分級品100重量部に0.8重量部外添添加しかつ酸化
アルミ0.5重量部を加えシアンカラートナーとした。
【0110】また、このカラートナー5.0重量部に対
し、スチレン−メタクリル酸メチル(共重合体重量比6
5:35)を約0.35重量%コーティングした。Cu
−Zn−Fe系フェライトキャリアを総量100重量部
になるように混合し現像剤とした。現像剤中のトナー濃
度は5.0重量%にした。
【0111】図1に示すOPC感光ドラムを有したカラ
ー用両面複写機を用いて両面複写試験を行った。この
時、定着装置7に用いられた定着ローラーは芯金上に1
mmの厚みを有したHTVシリコーンゴム層の単層を有
し、加圧ローラー表面は3mmのHTVシリコーンゴム
を用いた。又離型剤除去摺擦装置は図3に示されるよう
な不織布より成るウェッブタイプのものを用いた。
【0112】この方法を用い初期画像を得たが、色調は
彩度のすぐれた、あざやかなものであった。
【0113】定着装置を通過した画像支持体に塗布され
る所の離型剤であるシリコーンオイル量を30mg/A
4に制御し、さらに9.0万枚の耐刷後でもカブリのな
いオリジナルを忠実に再現するシアン色画像が得られ
た。又、複写機内での搬送、現像剤濃度検知も良好で安
定した画像濃度が得られた。定着温度設定150℃にし
て9.0万枚の繰り返し複写でも定着ローラーへのオフ
セットはまったく生じなかった。
【0114】また高温オフセット量を比較検討するた
め、定着ローラーを新品にし定着装置7に具備した。シ
リコーンオイル含浸ウェブの駆動を止めて、その状態で
面積率20%の画像をオリジナルとして、5千枚の繰り
返し複写を行った。その後、該ウェブに付着したトナ
ー、所謂、高温オフセットトナーを定量化するため、そ
の部分をマクベス反射濃度計で測定した所、その濃度は
0.4であった。
【0115】この方法は高温オフセット量が多ければ、
そのトナー付着ウェッブの反射濃度値が高くなり、少な
ければ低くナるということにより、高温オフセットの定
量化を行おうとするものである。
【0116】また低温低湿(15℃10%RH)、高温
高湿(32.5℃85%RH)の各環境で帯電量測定を
行ったが、それぞれの値は−23.0μc/g,−1
7.0μc/gときわめて、環境依存性の少ないものと
なり、その環境による帯電量比は1.35であった。
【0117】又、カラー複写画像の評価方法として、画
像表面のグロス(光沢度)を測定することにより、カラ
ー画像の良否を判定する方法がある。すなわち、グロス
値が高いほど画像表面が平滑でつやのある彩度の高いカ
ラー品質と判断され、逆にグロス値が低いと、くすんだ
彩度のとぼしい、画像表面があれたものと判断される。
その測定方法は以下のごとくであり、実施例1において
その値は18%であった。
【0118】本実施例1のトナーが担持された画像支持
体へのシリコンオイル塗布量30mg/A4は従来のも
のと比較すると著しくオイル量が少ないレベルを達成し
たものであり、例えば特開昭63−301960に記載
の実施例1においてはオイル塗布量が100mg/A4
程度、耐オフセット効果を得るためには必要であった。
【0119】次に両面複写試験を行なった。前記の摺擦
装置14(図3に示される装置)を具備し、かつ前述の
シリコンオイル量を塗布する条件で、イエロー,マゼン
タ,シアンの各トナーの3色重ね合わせによるA4全面
黒画像を100枚両面複写を行ない、その後白紙を通紙
することにより、白紙上へのカブリ画像を評価した。カ
ブリが少なければ少ないほど転写ドラム6表面へのオイ
ル付着が少なく、かつ感光ドラム1へのオイル汚染が少
ないことになる。実施例1のトナーを用いかつ、摺擦装
置14がある場合は100枚通紙してもカブリはまった
く見られず、マクベス反射濃度計によるその白紙上の反
射濃度は0.09であった。又摺擦装置14がない場合
の白紙上の反射濃度は0.18と摺擦装置有無の差は有
為に存在した。さらに両面黒画像900枚通紙し、都合
1000枚後の白紙上のカブリをみた。この時のカブリ
反射濃度は0.38と明らかに感光ドラム1へのオイル
汚染が原因と思われるカブリが生じ確かに摺擦装置14
が必須であることが判明した。ちなみに白紙単独の反射
濃度は0.06である。
【0120】実施例2 製造例−2のポリエステル樹脂(2) 100.0重量部 C.I.ビグメントレッド122 5.0重量部 3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム 4.0重量部 上記処方で、実施例1と同様にし、マゼンタ画像を得
た。得られたものは、画像濃度の高い、あざやかなマゼ
ンタ色であった。次いで、耐久試験を行なったが、9.
0万枚でも定着ローラーへのトナーオフセットや、ガサ
ツキのない良好な画面であった。この時の画像支持体へ
のシリコンオイル塗布量は実施例1と同様であった。
【0121】実施例3 製造例−1のポリエステル樹脂(1)を用い、さらに着
色剤をC.I.ピグメントイエロー17(3.5重量
部)に変えて実施例1と同様にして調製したシアントナ
ー、実施例2のマゼンタトナー及び実施例3のイエロー
トナーの3原色の各トナーを用いて、画像面積率35%
の画像をオリジナルとして、実施例1で示される様なカ
ラー電子写真装置を用い、フルカラーによる繰り返し複
写を行ったが8万枚以上の多数枚耐久性が認められた。
定着ローラーへのオフセットは実質的に認められなかっ
た。
【0122】また8万枚後のカラー複写画像は、混色性
のすぐれた彩度の高いものであった。3色重ね合わせに
よるベタ黒のグロス値は23%であった。
【0123】比較例1〜3 ポリエステル樹脂(3)〜(5)を用い、他は実施例1
と同様にして試験を行なったその結果を表1に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、カラー用両面画像形成
法において、上記の離型剤除去装置を使用し、かつ、上
記特定のポリエステル樹脂を含有するカラートナーを用
いることによって、転写ドラム、感光ドラム及び紙送り
部材への離型剤の付着がなく、カラー両面複写において
も著しい弊害なく機能し、品質の優れたカラー両面画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両面画像形成が可能なフルカラー電子複写機の
一例を示す概略図である。
【図2】離型剤除去摺擦装置の具体例(ロールタイプ)
の模式図である。
【図3】離型剤除去摺擦装置の具体例(ウェブタイプ)
の模式図である。
【図4】離型剤除去摺擦装置の具体例(ブラシタイプ)
の模式図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 回転現像ユニット 2−1〜2−4 現像器 3 補給ホッパー 4 トナー搬送ケーブル 6 転写ドラム 7 グリッパー 8 転写帯電器 10 定着装置 11 両面トレー 12 紙送りローラー 14 離型剤除去摺擦装置 16 離型剤塗布装置 17−1,17−2 搬送ガイド 19 画像支持体 20 トナー層 21 離型剤 22 ブレード

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型剤塗布装置を具備した定着装置を有
    するカラー用両面複写機にて、カラートナーを用いて画
    像支持体両面にカラー画像を形成する方法において、 (1)該定着装置を通過した画像支持体表面を摺擦する
    離型剤除去摺擦装置を有し、 (2)該カラートナーとして、下記成分(a),
    (b),(c)及び(d)(a)イソフタル酸、テレフ
    タル酸及びその誘導体より選ばれた2価の芳香族系酸成
    分(a)を全モノマー量の25〜35mol%,(b)
    トリメリット酸及びその誘導体より選ばれた3価の芳香
    族系酸成分(b)を全モノマー量の2〜4mol%,
    (c)ドデセニルコハク酸,オクチルコハク酸及びその
    無水物より少なくとも選ばれた2価の酸成分(c)を全
    モノマー量の12〜18mol%,(d)プロポキシ
    化、又は/及びエトキシ化したエーテル化ジフェノール
    成分(d)を全モノマー量の45〜60mol%を少な
    くとも含有する単量体組成物から生成されたポリエステ
    ル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂の水酸基価が10
    〜20であり、重量平均分子量が13,000〜20,
    000であり、数平均分子量が5,000〜8,000
    であり、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
    n)の比が2〜3.5であるカラートナーを用いた、こ
    とを特徴とするカラー用両面画像形成法。
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