JP2001011687A - 錫−ビスマス合金電気めっき浴およびめっき方法 - Google Patents
錫−ビスマス合金電気めっき浴およびめっき方法Info
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Abstract
皮膜が得られる錫−ビスマス合金電気めっき浴を提供す
る。 【解決手段】 (A)アルカンスルホン酸第一錫塩およ
びアルカノールスルホン酸第一錫塩から選ばれる少なく
とも一種、(B)アルカンスルホン酸ビスマス塩および
アルカノールスルホン酸ビスマス塩から選ばれる少なく
とも一種、(C)アルカンスルホン酸およびアルカノー
ルスルホン酸から選ばれる少なくとも一種、(D)非イオ
ン性界面活性剤、(E)酸化防止剤、及び(F)モノヒドロキ
シナフタレン化合物を含有してなる錫−ビスマス合金電
気めっき浴。
Description
電気めっき浴およびめっき方法に関する。
電子工業の分野で、ハンダ付けの下地として、またはエ
ッチングレジスト用として広く使用されてきた。しか
し、錫めっきではホイスカーが発生するし、また錫−鉛
合金めっきでは、めっき浴及び得られるめっき皮膜に有
害な鉛が含まれるため、鉛を含まないめっき浴が要望さ
れてきた。
銀合金めっき浴、錫−インジウム合金めっき浴および錫
−亜鉛合金めっき浴が提案された。しかし、錫−銀合金
めっき浴は、合金めっき析出のために強力な錯化剤を使
用するので、浴管理が煩雑であり、また高価な銀を用い
るので、得られる皮膜が高価であるという欠点があっ
た。また、錫−インジウム合金めっき浴は、得られる皮
膜の融点が低いため、該皮膜にハンダ付けしたときに得
られる接合強度が低く、価格も高いという欠点があっ
た。また錫−亜鉛合金めっき浴は、得られる皮膜が酸化
し易いため空気中でのハンダ付けが困難であるという欠
点があった。
て、さらに錫−ビスマス合金めっき浴が提案された。錫
−ビスマス合金めっき浴としては、特開昭63-14887号公
報にアルカンスルホン酸浴、特公平2-88789号公報に硫
酸浴とアルカンスルホン酸浴、特表平3-503068号公報に
アルカンスルホン酸浴、特開平6-63110号公報に硫酸浴
とアルカンスルホン酸浴、また特開平8-225985号公報に
有機リン化合物浴が開示されている。これらの浴から得
られる錫−ビスマス合金めっき皮膜は、合金中のビスマ
ス含有量が10重量%以上(例えば特開昭63-14887号公
報、特公平2-88789号公報および特公平2-88789号公報の
各浴から得られる皮膜では、それぞれ30〜50重量%、35
〜40重量%および10〜30重量%)であり、130〜160℃程
度の融点を有する低融点ハンダ付け用であるので、180
℃程度の融点を有する皮膜が得られる錫−鉛合金めっき
浴の代替品としては使用することができない。
はそれ以上の融点を有する錫−ビスマス合金めっき皮膜
を得る浴としては、特開平8-260185号公報に硫酸浴とア
ルカンスルホン酸浴、特開平8-260186号公報に硫酸浴と
アルカンスルホン酸浴、特開平8-260187号公報に硫酸
浴、特開平10-81991号公報に硫酸浴とアルカンスルホン
酸浴、また特開平10-317184号公報にアルカンスルホン
酸浴が開示されている。
記文献に記載のめっき浴から得られた皮膜のハンダ付け
性を調査したところ、加熱処理後のハンダ付け性の低下
が著しく、所望するハンダ付け性が得られなかった。そ
こで、本発明の目的は、加熱処理後でも優れたハンダ付
け性を有する皮膜が得られる錫−ビスマス合金電気めっ
き浴及びめっき方法を提供することにある。
結果、特定の成分を含有する錫−ビスマス合金めっき浴
が前記目的を達成し得ることを見出した。すなわち、本
発明は、(A)アルカンスルホン酸第一錫塩およびアル
カノールスルホン酸第一錫塩から選ばれる少なくとも一
種、(B)アルカンスルホン酸ビスマス塩およびアルカ
ノールスルホン酸ビスマス塩から選ばれる少なくとも一
種、(C)アルカンスルホン酸およびアルカノールスル
ホン酸から選ばれる少なくとも一種、(D)非イオン性界
面活性剤、(E)酸化防止剤、及び(F)モノヒドロキシナフ
タレン化合物を含有してなる錫−ビスマス合金電気めっ
き浴を提供する。また本発明は、該錫−ビスマス合金電
気めっき浴に被めっき材を浸漬し、該被めっき材に錫−
ビスマス合金電気めっきを施すことを特徴とするめっき
方法を提供する。
られるめっき皮膜は、不純物として含まれる炭素含有量
が0.3重量%以下であり、加熱処理後のハンダ付け性に
優れるばかりでなく、長期間の保存後やスチームエージ
ング後でも優れたハンダ付け性を示すものである。ま
た、ビスマス含有量が0.1〜10重量%であるので、錫−
鉛合金めっき皮膜に代替できる融点を有する。
>本発明の錫−ビスマス合金電気めっき浴に含有される
成分は、次のとおりである。 (A)アルカンスルホン酸第一錫塩・アルカノールスル
ホン酸第一錫塩:アルカンスルホン酸第一錫塩として
は、例えばメタンスルホン酸第一錫、エタンスルホン酸
第一錫、プロパンスルホン酸第一錫、2−プロパンスル
ホン酸第一錫等が挙げられる。またアルカノールスルホ
ン酸第一第一錫塩としては、例えばヒドロキシメタンス
ルホン酸第一錫、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン
酸第一錫、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸第一
錫等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。これらの塩のめっ
き浴中の含有量は特に限定されないが、金属錫として、
好ましくは5〜100g/L(リットル、以下同じ)、
さらに好ましくは10〜60g/Lである。
ルカノールスルホン酸ビスマス塩:アルカンスルホン酸
ビスマス塩としては、例えばメタンスルホン酸ビスマ
ス、エタンスルホン酸ビスマス、プロパンスルホン酸ビ
スマス、2−プロパンスルホン酸ビスマス等が挙げられ
る。またアルカノールスルホン酸ビスマス塩としては、
例えば、ヒドロキシメタンスルホン酸ビスマス、2−ヒ
ドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス、2−ヒドロ
キシブタン−1−スルホン酸ビスマス等が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して
用いてもよい。これらの塩のめっき浴中の含有量は特に
限定されないが、金属ビスマスとして、好ましくは0.
1〜30g/L、さらに好ましくは1〜20g/Lであ
る。
スルホン酸:アルカンスルホン酸またはアルカノールス
ルホン酸は、上記第一錫塩およびビスマス塩の錯化剤と
して、また、浴中の電気伝導成分としての役割を果た
す。アルカンスルホン酸としては、例えばメタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。またアルカノールス
ルホン酸としては、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−
ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブ
タン−1−スルホン酸等が挙げられる。これらは1種単
独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
これらのめっき浴中の含有量は特に限定されないが、好
ましくは30〜500g/L、さらに好ましくは100
〜250g/Lである。
界面活性剤としては、例えばC1〜C20のアルカノー
ル、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1
〜C25のアルキルフェノール、アリールアルキルフェ
ノール、C1〜C25のアルキルナフトール、C1〜C
25のアルコキシル化リン酸またはその塩、ソルビタン
エステル、スチレン化フェノール、ポリアルキレングリ
コール、C1〜C22の脂肪族アミン、C1〜C22の
脂肪族アミド等に、エチレンオキサイド(EO)および
/またはプロピレンオキサイド(PO)を2〜300モ
ル付加縮合させたもの;C1〜C25のアルコキシル化
リン酸またはその塩等が挙げられる。
はプロピレンオキサイド(PO)を付加縮合させるC1
〜C20のアルカノールとしては、例えばオクタノー
ル、デカノール、ラウリルアルコール、テトラデカノー
ル、ヘキサデカノール、ステアリルアルコール、エイコ
サノール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ド
コサノール等が挙げられる。ビスフェノール類として
は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールB等が挙
げられる。C1〜C25のアルキルフェノールとして
は、例えばモノ、ジまたはトリアルキル置換フェノー
ル、具体的にはp−ブチルフェノール、p−イソオクチ
ルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキシルフ
ェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,6−
トリブチルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−
ラウリルフェノール、p−ステアリルフェノール等が挙
げられる。アリールアルキルフェノールとしては、例え
ば2−フェニルイソプロピルフェノール等が挙げられ
る。C1〜C25のアルキルナフトールのアルキル基と
しては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘ
キシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル等
が挙げられ、このアルキル基はナフタレン核の任意の位
置にあってよい。C1〜C25のアルコキシル化リン酸
またはその塩は、一般式(1):
25のアルキル基を表し、かつRaおよびRbの少なく
とも一方はC1〜C25のアルキル基である。Mは水素
原子またはアルカリ金属を表す。)で表される。
ノ、ジまたはトリエステル化された、1,4−、1,5
−または3,6−ソルビタン、具体的にはソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタ
ン混合脂肪酸エステル等が挙げられる。ポリアルキレン
グリコールとしては、例えばポリラウリルグリコール、
ポリオクチルグリコール等が挙げられる。C1〜C22
の脂肪族アミンとしては、例えばプロピルアミン、ブチ
ルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルア
ミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン等の飽和または不飽和の脂
肪族アミン等が挙げられる。C1〜C22の脂肪族アミ
ドとしては、例えばプロピオン酸アミド、酪酸アミド、
カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミ
ド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステア
リン酸アミド、べヘン酸アミド等が挙げられる。
般式(2): RN(R’)2→O (2) 〔式中、RはC5〜C25のアルキル基または−CON
HR"(R"はC1〜C5のアルキレン基を表す)を表
し、R’はC1〜C5のアルキル基で同一でもよいし、
異なっていてもよい。〕で表されるアミンオキサイドを
用いることもできる。
品名で例示すると、エマルゲン911(花王製)、エマ
ルゲン950(花王製)、レオドールTWP12(花王
製)、ニッサンナイミーンS−220(日本油脂製)、
ノイゲンET−147(第一工業製薬製)、ノイゲンE
A−157(第一工業製薬製)、エパン485(第一工
業製薬製)、ラミゲンES60(第一工業製薬製)、プ
ライサーフ215C(第一工業製薬製)、ノニポールソ
フトDO−70(三洋化成製)、ニューポールPE−7
8(三洋化成製)、ファスファノールLE−500(東
邦化学工業製)等が挙げられる。
で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。非
イオン性界面活性剤のめっき浴中の含有量は特に限定さ
れないが、 好ましくは0.5〜50g/L、さらに好
ましくは1〜20g/Lである。
の前記第一錫塩の酸化を防止する作用を有する。酸化防
止剤としては、例えばアスコルビン酸またはその塩(塩
の種類としては、例えばナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属塩等)、ハイドロキノン、クレゾールスルホン
酸またはその塩(塩の種類としては、例えばナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属塩等)、フェノールスル
ホン酸またはその塩(塩の種類としては、例えばナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属塩等)、ピロカテコー
ル、レゾルシン、フロログルシン等が挙げられる。これ
らは1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用い
てもよい。酸化防止剤のめっき浴中の含有量は特に限定
されないが、好ましくは0.1〜25g/L、さらに好
ましくは0.5〜10g/Lである。
モノヒドロキシナフタレン化合物は、浴中の有機物の共
析を抑制し、皮膜の錫−ビスマス合金組成を安定化させ
るとともに、皮膜中への不純物炭素の混入を抑制する作
用を有する。モノヒドロキシナフタレン化合物は、ヒド
ロキシル基を1個有するほか、例えば、カルボン酸基、
スルホン酸基、アルデヒド基等の置換基を有していても
いなくてもよい。具体例としては、1−ナフトール、2
−ナフトール、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ナフトール−3,6
−ジスルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホン
酸、ナフトールグリーンB,1−ナフトールベンゼイ
ン、α−ナフトールオレンジ、α−ナフトールフタレイ
ン、1−ナフトールー2−スルホン酸、1−ナフトール
−4−スルホン酸、1−ナフトール−8−スルホン酸、
2−ナフトール−6−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1
−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフタレン
スルホン酸、3−ヒドロキシ−ナフトエ酸メチルエステ
ル、3−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナ
フトール、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジス
ルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール、1−アミノ−
ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフト
ール−7−スルホン酸またはそれらの塩(塩の種類とし
ては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩
等)などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよ
いし、2種以上混合して用いてもよい。モノヒドロキシ
ナフタレン化合物のめっき浴中の含有量は特に限定され
ないが、好ましくは0.01〜10g/L、さらに好ま
しくは0.1〜5g/Lである。
要に応じて本発明の効果が損なわれない程度に上述の
(A)〜(F)成分以外の成分が含まれてもよく、例え
ば、以下の成分が例示される。
ン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸等の
有機カルボン酸を添加することができる。これらは1種
単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよ
い。これら有機カルボン酸を添加した場合、めっき浴中
の有機カルボン酸の含有量は特に限定されないが、好ま
しくは5〜80g/L、さらに好ましくは10〜30g
/Lである。
m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデ
ヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−またはp
−メトキシベンズアルデヒド、バニリン、2,4−また
は2,6−ジクロロベンズアルデヒド、o−またはp−
クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−
ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデ
ヒド、4−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2−ク
ロル−1−ナフトアルデヒド、4−クロル−1−ナフト
アルデヒド、2−または3−チオフェンカルボキシアル
デヒド、2−または3−フルアルデヒド、3−インドー
ルカルボキシアルデヒド、サリチルアルデヒド、o−フ
タルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、パラアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブ
チルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルア
ルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グリオ
キザール、アルドール、スクシンジアルデヒド、カプロ
ンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒ
ド、グルタルアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプ
テナール、2,4−ヘキサジエナール、シンナムアルデ
ヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、アミン(例えばア
ニリン、1−アミノナフタレン−3−スルホン酸、メチ
ルアニリン、ピリジン、オキシン等)−アルデヒド(例
えばベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、サリチ
ルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アクロレイン等)縮
合物、酸化メシチル、イソホロン、ジアセチル、ヘキサ
ンジオン−3,4、アセチルアセトン、3−クロロベン
ジリデンアセトン、1−ピリジリデンアセトン、1−フ
ルフリジンアセトン、1−テニリデンアセトン、4−
(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−
フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェ
ニル)−3−ブテン−2−オン、クルクミン、ベンジリ
デンアセチルアセトン、ベンザルアセトン、アセトフェ
ノン、2,4−または3,4−ジクロロアセトフェノ
ン、ベンジリデンアセトフェノン、2−シンナミルチオ
フェン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、ビニル
フェニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリ
ル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸ブチル、クロトン酸、プロピレン−1,3−ジカ
ルボン酸、ケイ皮酸、o−,m−またはp−トルイジ
ン、o−またはp−アミノアニリン、アニリン、o−ま
たはp−クロルアニリン、2,5−または3,4−クロ
ルメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4'
−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−α−ナフ
チルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、メチ
ルベンズトリアゾール、1,2,3−トリアジン、1,
2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,
2,3−ベンズトリアジン、イミダゾール、2−ビニル
ピリジン、インドール、キノリン等の光沢剤を添加する
ことができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2
種以上混合して用いてもよい。これら光沢剤を添加する
場合、めっき浴中の光沢剤の含有量は特に限定されない
が、好ましくは0.005〜10g/L、さらに好まし
くは0.01〜5g/Lである。
状態調整のために、アニオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤および両性界面活性剤の中から1種以上添加して
もよい。これらの界面活性剤を添加する場合、めっき浴
中の該界面活性剤の含有量は特に限定されないが、好ま
しくは0.05〜30g/L、さらに好ましくは0.1
〜10g/Lである。
上のような錫−ビスマス合金電気めっき浴に被めっき材
を浸漬し、該めっき材に錫−ビスマス合金電気めっきを
施すことにより行われる。この方法に適用される被めっ
き材は特に限定されないが、各種の金属、プラスチック
等が挙げられる。具体的には、例えば銅または銅合金、
鉄−ニッケル合金等から製造された、リードフレーム、
コネクター、チップコンデンサー、チップ抵抗器等に良
好なめっき皮膜を形成することができ、後述のハンダ付
性等の特性が発揮される。また、電気めっき方法にも特
に制約はなく、ラック式めっき、バレル式めっき、オー
バーフロー式めっき、ジェット式めっき等、慣用の方法
を用いることができる。
錫−ビスマス合金等の可溶性陽極の他に、白金、ロジウ
ムやこれらの金属で被覆されたチタンまたはタンタル等
の不溶性陽極を使用することができる。なお、陰極は被
めっき材である。
0〜70℃で電気めっきを行うことができるが、好まし
くは20〜50℃である。
2で電気めっきを行うことができるが、好ましくはバレ
ル式めっきでは0.2〜1A/dm2、ラック式めっき
では0.5〜4A/dm2、オーバーフロー式めっきで
は4〜30A/dm2、ジエツト式めっきでは30〜6
0A/dm2である。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
IP( Dual Inline Packageの略称)24ピン(板厚0.
25mm)リードフレームを、アルカリ脱脂、水洗、ア
ルカリ電解脱脂、水洗、10重量%硫酸浸漬、水洗の順
で処理したものを試料とした。該試料を下記組成のめっ
き浴に浸漬し、下記のめっき条件で電気めっきを行っ
た。
mであり、皮膜中のビスマス含有量は2.5重量%、炭
素含有量は0.003重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 35g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 140g/L ノイゲンEA−157 10g/L ピロカテコール 1.0g/L 2−ナフトール 0.3g/L めっき条件: 液温 40℃ 陰極電流密度 12A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な無光沢で、厚さが25μ
mであり、皮膜中のビスマス含有量は4.7重量%、炭
素含有量は0.003重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 45g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 6.0g/L メタンスルホン酸 200g/L エマルゲン950 15g/L ピロカテコール 1.0g/L 5−アミノ−1−ナフトール 0.5g/L めっき条件: 液温 40℃ 陰極電流密度 12A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な無光沢で、厚さが7μm
であり、皮膜中のビスマス含有量は5.7重量%、炭素
含有量は0.004重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 25g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 120g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5g/L ピロカテコール 0.5g/L 1−ナフトール 10g/L ベンザルアセトン 0.5g/L メタクリル酸 2.0g/L めっき条件: 液温 25℃ 陰極電流密度 12A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な光沢で、厚さが10μm
であり、皮膜中のビスマス含有量は6.4重量%、炭素
含有量は0.035重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸第一錫(錫として) 25g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 4.0g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸 100g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3g/L レゾルシン 0.5g/L 2−ナフトール 0.2g/L めっき条件: 液温 30℃ 陰極電流密度 2.5A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な半光沢で、厚さが10μ
mであり、皮膜中のビスマス含有量は2.8重量%、炭
素含有量は0.005重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸第一錫(錫として) 30g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 1.5g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸 100g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3g/L レゾルシン 0.5g/L 2−ナフトール 0.2g/L めっき条件: 液温 30℃ 陰極電流密度 2.5A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な半光沢で、厚さが12μ
mであり、皮膜中のビスマス含有量は1.5重量%、炭
素含有量は0.003重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸第一錫(錫として) 25g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 2.0g/L 2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸 100g/L ニッサンナイミーンS−220 3g/L レゾルシン 0.5g/L 3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 1.0g/L めっき条件: 液温 30℃ 陰極電流密度 2.5A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な無光沢で、厚さが3μm
であり、皮膜中のビスマス含有量は4.0重量%、炭素
含有量は0.007重量%であった。
に、厚さ2μmのニッケルめっきを施したオーリン19
5(銅)製のDIP24ピンリードフレームを用いた他
は実施例1と同様に処理して試料を作製した。この試料
を下記組成のめっき浴に浸漬し、下記のめっき条件で電
気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 55g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.6g/L メタンスルホン酸 250g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル 12g/L アスコルビン酸 0.5g/L 1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 0.8g/L めっき条件: 液温 45℃ 陰極電流密度 18A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な半光沢で、厚さが10μ
mであり、皮膜中のビスマス含有量は2.5重量%、炭
素含有量は0.005重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 40g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 7.0g/L エタンスルホン酸 120g/L ポリオキシエチレンオキサイドプロピレンオキサイド 12g/L ハイドロキノン 0.8g/L 1−ナフトール 0.3g/L ベンザルアセトン 0.2g/L グルタルアルデヒド 5.0g/L めっき条件: 液温 55℃ 陰極電流密度 12A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な光沢で、厚さが10μm
であり、皮膜中のビスマス含有量は6.5重量%、炭素
含有量は0.046重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 40g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 70g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10g/L o−クロロベンズアルデヒド 0.1g/L 1−ナフトアルデヒド 0.4g/L パラアセトアルデヒド 6.0g/L めっき条件: 液温 25℃ 陰極電流密度 10A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な光沢で、厚さが10μm
あり、皮膜中のビスマス含有量は1.5重量%、炭素含
有量は0.56重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: メタンスルホン酸第一錫(錫として) 15g/L メタンスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 5.0g/L メタンスルホン酸 200g/L ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5g/L 2−メルカプトベンゾチアゾール(光沢剤) 2g/L アクリル酸 0.5g/L めっき条件: 液温 25℃ 陰極電流密度 2A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な光沢で、厚さが10μm
であり、皮膜中のビスマス含有量は5.4重量%、炭素
含有量は0.43重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: 硫酸第一錫(錫として) 15g/L 硫酸ビスマス(ビスマスとして) 2g/L 硫酸 100g/L ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 5g/L めっき条件: 液温 30℃ 陰極電流密度 2A/dm2 得られためっき皮膜は、無光沢で、厚さが10μmであ
り、皮膜中のビスマス含有量は1.5重量%、炭素含有
量は0.35重量%であった。
下記のめっき条件で電気めっきを行った。 めっき浴: フェノールスルホン酸第一錫(錫として) 10g/L フェノールスルホン酸ビスマス(ビスマスとして) 2.5g/L フェノールスルホン酸 200g/L トリフェニルホスフィン 30g/L ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 5g/L めっき条件: 液温 25℃ 陰極電流密度 2A/dm2 得られためっき皮膜は、均一な光沢で、厚さが10μm
であり、皮膜中のビスマス含有量は8.5重量%、炭素
含有量は0.78重量%であった。
次の方法でハンダ付け性を評価した。めっきを施したリ
ードフレームを熱風炉中、150℃で168時間加熱し
た後、リードフレームの外部リード部を5mmの長さに
切断し試料とした。
ダの商品名、組成は錫:94.25重量%、銀:2.0
重量%、銅:0.75重量%、ビスマス:3.0重量
%)を溶融して250℃に保持したハンダ浴に、ラピッ
クスR(ニホンハンダ製の商品名、非活性タイプのロジ
ンフラックス)を塗布した上記試料を10秒間浸漬し、
メニスコグラフ法によるゼロクロスタイム(ハンダ付け
性評価用試料を溶融ハンダ槽に浸漬し始めた後、溶融ハ
ンダ液による浮力と引力とが同一となるまでの時間で、
この時間が短いほど、ハンダ付け性が良好と判断す
る。)を測定した。さらに、10秒間漫潰した上記試料
について40倍の顕微鏡でハンダ濡れ面積を測定し、次
の基準でハンダ濡れ外観を評価した。
あり。 △:濡れ面積95〜70%で、ピット多数あり。 ×:濡れ面積70%未満で、素地露出あり。 結果を表1に示す。
皮膜は、不純物である炭素の含有量が少ないため、ゼロ
クロスタイムが短く、ハンダ濡れ外観が極めて良好であ
り、優れたハンダ付け性を示した。一方、本発明の必須
成分である酸化防止剤およびモノヒドロキシナフタレン
化合物を含まない比較例1,2および4のめっき浴から
得られた皮膜、並びに非イオン性界面活性剤のみを添加
し、酸化防止剤およびモノヒドロキシナフタレン化合物
を含まない比較例3の硫酸浴から得られた皮膜は、不純
物である炭素含有量が多いため、ゼロクロスタイムが長
く、ハンダ濡れ外観が悪く、したがってハンダ付け性が
劣っていることが分かる。
から得られる皮膜は、1)緻密であり、したがってめっ
きムラやめっきヤケがなく、また2)不純物である炭素
含有量が少ないため、加熱処理後や長期保存後、さらに
はスチームエージング後でも優れたハンダ付け性を有し
ている。このため、有毒な鉛を含むハンダめっきに代替
することができ、人体に対する安全面およびコスト面か
ら産業上極めて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)アルカンスルホン酸第一錫塩およ
びアルカノールスルホン酸第一錫塩から選ばれる少なく
とも一種、(B)アルカンスルホン酸ビスマス塩および
アルカノールスルホン酸ビスマス塩から選ばれる少なく
とも一種、(C)アルカンスルホン酸およびアルカノー
ルスルホン酸から選ばれる少なくとも一種、(D)非イオ
ン性界面活性剤、(E)酸化防止剤、及び(F)モノヒドロキ
シナフタレン化合物を含有してなる錫−ビスマス合金電
気めっき浴。 - 【請求項2】 請求項1に記載のめっき浴に被めっき材
を浸漬し、該被めっき材に錫−ビスマス合金電気めっき
を施すことを特徴とするめっき方法。
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