JP2001006501A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JP2001006501A
JP2001006501A JP11176990A JP17699099A JP2001006501A JP 2001006501 A JP2001006501 A JP 2001006501A JP 11176990 A JP11176990 A JP 11176990A JP 17699099 A JP17699099 A JP 17699099A JP 2001006501 A JP2001006501 A JP 2001006501A
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JP
Japan
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vacuum valve
magnetic body
electrode
cup
coil
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JP11176990A
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English (en)
Inventor
Yoshimitsu Niwa
芳充 丹羽
Kunio Yokokura
邦夫 横倉
Mitsutaka Honma
三孝 本間
Hiromichi Somei
宏通 染井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置を小型化し、かつ遮断性能を向上させるこ
と。 【解決手段】真空容器の両端部に蓋体をそれぞれ取り付
け、各蓋体を貫通し、かつ真空容器の内部で端部が対向
し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた1対の
通電軸1を有し、通電軸1の軸方向端部に、半径方向に
伸びる放射状部材2aと、放射状部材2aの半径方向外側の
端部から円周方向に円弧状に伸びたコイル部2bとからな
るコイル電極2を有し、コイル電極2の円弧状のコイル
部2bの端部と、接点4とを接続する接続導体を有し、コ
イル電極2と接点4との間の接続導体の周辺に第1の磁
性体5aを有し、通電軸1の中心軸を基準とした周方向の
一定方向が接続導体の周囲の磁性体の開口部となるよう
にし、コイル電極2のコイル部2bと放射状部材2aと通電
軸1の軸方向端部に囲まれた空間に第2の磁性体5bを有
し、第2の磁性体5bの軸方向の長さをコイル電極2の軸
方向長さ以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦磁界型の真空バ
ルブに係り、特に電極間距離の長い場合でも、構造を複
雑にすることなく、アークを均一とする磁束密度分布を
発生して遮断性能を向上させるようにした真空バルブに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、縦磁界型の真空バルブにおい
ては、縦磁界電極によるアーク制御を改良し、電極表面
でのアークの電流密度を均一化したアーク制御方法とし
て、例えば“特願平8−232857号(特開平9−1
34650号)”に開示される方法が提案されてきてい
る。
【0003】この種のアーク制御方法では、アークに平
行に印加する磁界(縦磁界)の分布を、従来の縦磁界電
極と異なる分布としている。すなわち、これまでの縦磁
界制御では、電極中心部での磁束密度が高く、電極端部
に行くに従って低くなる分布となっている。このような
分布では、ある電流値を越えると、磁束密度の高い電極
中心部にアークが集中するようになる。そして、アーク
が電極中心の狭い領域に集中すると、電極表面が溶融し
て、電流遮断に失敗することになる。
【0004】そこで、アークの集中を防いで、電極全体
に広げるために、電極中心では電極端部側よりも磁束密
度が低くなる分布を用いて、アークを制御するようにし
ている。そして、この方式を採用した電極としては、例
えば“特願平8−141531号(特開平9−3204
13号)”、あるいは“特願平8−264974号(特
開平10−112246号)”に開示されるような電極
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような電極を高電圧の真空バルブに適用しようとする
場合には、絶縁上の制約から電極間距離が長くなる。そ
して、電極間距離が長い場合、アークを均一とする磁束
密度を発生しようとすると、電極間距離が短い場合と同
じ電極構造では磁束密度が不足するため、高い磁束密度
を発生できる電極構造とする必要があり、結果として構
造が複雑になってしまう。
【0006】本発明の目的は、電極間距離の長い場合で
も、構造を複雑にすることなく、アークを均一とする磁
束密度分布を発生して遮断性能を向上させることが可能
な真空バルブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明の真空バルブは、絶縁物からなる
真空容器の両端部に蓋体をそれぞれ取り付け、各蓋体を
貫通し、かつ真空容器の内部で端部が対向し、少なくと
も一方が進退自在に取り付けられた1対の通電軸を有
し、通電軸の軸方向端部に、半径方向に伸びる放射状部
材と、当該放射状部材の半径方向外側の端部から円周方
向に円弧状に伸びたコイル部とからなるコイル電極を有
し、コイル電極の円弧状のコイル部の端部と、接点とを
接続する接続導体を有し、コイル電極と接点との間の接
続導体の周辺に第1の磁性体を有し、通電軸の中心軸を
基準とした周方向の一定方向が接続導体の周囲の磁性体
の開口部となるようにし、コイル電極のコイル部と放射
状部材と通電軸の軸方向端部に囲まれた空間に第2の磁
性体を有し、第2の磁性体の軸方向の長さがコイル電極
の軸方向長さ以上となるようにしている。
【0008】従って、請求項1の発明の真空バルブにお
いては、遮断動作を行なうと、事故電流や負荷電流は、
一方の電極の通電軸からコイル電極の放射状部材および
コイル部、接続導体、接点を経て、他方の電極の接点に
流入する。この流入した電流は、接点、接続導体、コイ
ル電極のコイル部および放射状部材を経て、通電軸に流
出する。接続導体を流れる電流により生じる磁束は、接
続導体周辺に設けられた第1の磁性体により曲げられ、
接点間に軸方向の磁界が生じる。また、コイル電極によ
り発生する磁束の一部は、コイル電極のコイル部と放射
状部材と通電軸の軸方向端部に囲まれた第2の磁性体を
通り、接点間に軸方向の磁界を生じる。そして、この軸
方向磁界により、接点間に生じるアークは安定して均一
となり、高い遮断性能を得ることができる。
【0009】また、請求項2の発明の真空バルブは、上
記請求項1の発明の真空バルブにおいて、第2の磁性体
の通電軸側の端部を通電軸に固定し、接点側をコイル電
極に固定している。
【0010】従って、請求項2の発明の真空バルブにお
いては、第2の磁性体をコイル電極と通電軸に固定して
いることにより、電極の機械的強度を向上させることが
できる。
【0011】一方、請求項3の発明の真空バルブは、絶
縁物からなる真空容器の両端部に蓋体をそれぞれ取り付
け、各蓋体を貫通し、かつ真空容器の内部で端部が対向
し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた1対の
通電軸を有し、通電軸の端部にカップ型電極を有し、当
該カップ型電極に真空バルブ本体に垂直な面に対して斜
めに複数のスリットを設け、カップ型電極の軸方向端部
に接続部材を介して接点を取り付け、カップ型電極と接
点との間の接続部材の周辺に第3の磁性体を有し、第3
の磁性体は電極の中心軸に対して一定方向の開口部を有
している。
【0012】従って、請求項3の発明の真空バルブにお
いては、遮断動作を行なうと、事故電流や負荷電流は、
一方の電極の通電軸からカップ型電極、接続導体、接点
を経て、他方の電極の接点に流入する。この流入した電
流は、接点、接続導体、カップ型電極を経て、通電軸に
流出する。接続導体を流れる電流により生じる磁束は、
接続導体周辺に設けられた第3の磁性体により曲げら
れ、接点間に軸方向の磁界が生じる。そして、この軸方
向磁界により、接点間に生じるアークは安定して均一と
なり、高い遮断性能を得ることができる。
【0013】また、請求項4の発明の真空バルブは、上
記請求項3の発明の真空バルブにおいて、接点とカップ
型電極との間に設けられた第3の磁性体を電極の中心側
の部分で一体化している。
【0014】従って、請求項4の発明の真空バルブにお
いては、遮断動作時の作用は、上記請求項3の発明と同
様である。特に、この場合、接点とカップ型電極との間
に設けた第3の磁性体を一体化していることにより、部
品点数を削減することができ、真空バルブの組み立てが
容易になる。
【0015】さらに、請求項5の発明の真空バルブは、
上記請求項3または請求項4の発明の真空バルブにおい
て、カップ型電極の内側に第4の磁性体を設けている。
【0016】従って、請求項5の発明の真空バルブにお
いては、遮断動作時の電流の流れは、上記請求項3およ
び請求項4の発明と同様である。特に、この場合、接続
導体を流れる電流により生じる磁束は、接続導体周辺に
設けられた第3の磁性体により曲げられ、接点間に軸方
向の磁界が生じる。また、カップ型電極により発生する
磁束の一部は、カップ型電極の内側に設けられた第4の
磁性体を通り、接点間に軸方向の磁界を生じる。そし
て、この軸方向磁界により、接点間に生じるアークは安
定して均一となり、高い遮断性能を得ることができる。
【0017】一方、請求項6の発明の真空バルブは、上
記請求項3乃至請求項5のいずれか1項の発明の真空バ
ルブにおいて、第3の磁性体の一方の面をカップ型電極
に固定し、もう一方の面を接点に固定している。
【0018】従って、請求項6の発明の真空バルブにお
いては、接点とカップ型電極を接続導体と第3の磁性体
により接続していることにより、電極の機械的強度を向
上させることができる。
【0019】また、請求項7の発明の真空バルブは、上
記請求項5または請求項6に記載の真空バルブにおい
て、第4の磁性体の軸方向端部の一方を接点の背面に固
定し、もう一方をカップ型電極に固定している。
【0020】従って、請求項7の発明の真空バルブにお
いては、カップ型電極の内側に設けられた第4の磁性体
の一方の端部を接点の背面に、もう一方をカップ型電極
に固定していることにより。電極の機械的強度を向上さ
せることができる。また、強度向上のための補強を設け
る必要がなくなる。
【0021】さらに、請求項8の発明の真空バルブは、
上記請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の真空
バルブにおいて、接点とカップ型電極との間に設けられ
た第3の磁性体と、カップ型電極の内側に設けられた第
4の磁性体とを一体化している。
【0022】従って、請求項8の発明の真空バルブにお
いては、第3の磁性体と第4の磁性体を一体化している
ことにより、部品点数を削減することができ、電極の組
み立てが容易になる。
【0023】一方、請求項9の発明の真空バルブは、上
記請求項5乃至請求項8のいずれか1項の発明の真空バ
ルブにおいて、カップ型電極の通電軸側の面に第5の磁
性体を設けている。
【0024】従って、請求項9の発明の真空バルブにお
いては、遮断動作時の電流の流れは上記請求項5乃至請
求項8の発明と同様である。特に、この場合、接続導体
を流れる電流により生じる磁束は、接続導体周辺に設け
られた第3の磁性体により曲げられ、接点間に軸方向の
磁界が生じる。また、カップ型電極により発生する磁束
の一部は、カップ型電極の内側に設けられた第4の磁性
体とカップ型電極の通電軸側の面に設けられた第5の磁
性体を通り、接点間に軸方向の磁界を生じる。そして、
この軸方向磁界により、接点間に生じるアークは安定し
て均一となり、高い遮断性能を得ることができる。
【0025】また、請求項10の発明の真空バルブは、
上記請求項9の発明の真空バルブにおいて、カップ型電
極の通電軸側の面に設けられた第5の磁性体を、周方向
に不連続となるように複数に分割している。
【0026】従って、請求項10の発明の真空バルブに
おいては、遮断動作時の作用は、上記請求項9の発明と
同様である。特に、この場合、第5の磁性体が周方向に
不連続になるように複数に分割していることにより、通
電軸が発生する周方向の磁束は通り難くなる。これによ
り、電磁誘導による磁性体の発熱を抑制することができ
る。
【0027】さらに、請求項11の発明の真空バルブ
は、上記請求項9の発明の真空バルブにおいて、カップ
型電極の通電軸側の面に設けられた第5の磁性体に、複
数の放射状のスリットを設けている。
【0028】従って、請求項11の発明の真空バルブに
おいては、遮断動作時の作用は、上記請求項10の発明
と同様である。特に、この場合、第5の磁性体に複数の
スリットを設けていることにより、磁性体が一体である
ため、部品点数を上記請求項10の発明よりも削減する
ことができ、真空バルブの組み立ても容易になる。
【0029】一方、請求項12の発明の真空バルブは、
絶縁物からなる真空容器の両端部に蓋体をそれぞれ取り
付け、各蓋体を貫通し、かつ真空容器の内部で端部が対
向し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた1対
の通電軸を有し、通電軸の軸方向端部に、半径方向に伸
びる放射状部材と、当該放射状部材の半径方向外側の端
部から円周方向に円弧状に伸びたコイル部とからなるコ
イル電極を有し、コイル電極の円弧状型のコイル部の端
部と、接点とを接続する接続導体を有し、コイル電極と
接点との間の接続導体の周辺に第1の磁性体を有し、通
電軸の中心軸を基準とした周方向の一定方向が接続導体
の周囲の磁性体の開口部となるようにし、コイル電極の
コイル部と放射型部材と通電軸の軸方向端部に囲まれた
空間に第2の磁性体を有し、必要に応じて、コイル電極
のコイル部の接点と逆側の面に第6の磁性体を有し、真
空容器内の電極周囲に金属製の筒を有し、筒と真空容器
のと間に第7の磁性体を有している。
【0030】従って、請求項12の発明の真空バルブに
おいては、電極で発生した磁束は、電極の周辺では第7
の磁性体を通る。これにより、接点間の磁束密度を高く
することができる。
【0031】また、請求項13の発明の真空バルブは、
上記請求項1乃至請求項11のいずれか1項の発明の真
空バルブにおいて、真空容器内の電極周囲に金属製の筒
を有し、筒と真空容器のと間に第7の磁性体を有してい
る。
【0032】従って、請求項13の発明の真空バルブに
おいては、電極で発生した磁束は、電極の周辺では第7
の磁性体を通る。これにより、接点間の磁束密度を高く
することができる。
【0033】さらに、請求項14の発明の真空バルブ
は、上記請求項12または請求項13の発明の真空バル
ブにおいて、第7の磁性体は、複数の板状の磁性体から
なり、真空バルブ本体の軸に対して周方向に不連続とな
るようにしている。
【0034】従って、請求項14の発明の真空バルブに
おいては、第7の磁性体が周方向に不連続になっている
ことにより、軸方向の磁束は通り易いが、周方向の磁束
は通り難くなる。これにより、上記請求項12の発明と
同様の作用が得られるのに加えて、電磁誘導による磁性
体の発熱を抑制することができる。
【0035】さらにまた、請求項15の発明の真空バル
ブは、上記請求項12または請求項13の発明の真空バ
ルブにおいて、第7の磁性体は、軸方向に複数のスリッ
トを有している。
【0036】従って、請求項15の発明の真空バルブに
おいては、第7の磁性体に軸方向にスリットを設けてい
ることにより、上記請求項12および請求項13の発明
と同様な作用が得られるのに加えて、磁性体が一体であ
るため、部品点数を上記請求項14の発明よりも削減す
ることができ、真空バルブの組み立ても容易になる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0038】(第1の実施の形態:請求項1に対応)図
1は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電極
のうちの一方の電極の中心軸を含む構成例を示す断面
図、図2は図1のA−B位置での断面図である。
【0039】図1および図2において、絶縁物からなる
図示しない真空容器の両端部には蓋体がそれぞれ取り付
けられ、この各蓋体を貫通し、かつ真空容器の内部で端
部が対向し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられ
た1対の通電軸1を有している。
【0040】通電軸1の軸方向端部には、これより半径
方向に伸びる放射状部材であるコイル腕2aと、コイル
腕2aの半径方向外側の端部から円周方向に円弧状に伸
びたコイル部2bとからなるコイル電極2が取り付けら
れている。
【0041】コイル電極2の円弧状のコイル部2bの端
部には、接点4を接続する通電ピン3を有し、コイル電
極2と接点4との間の通電ピン3の周辺には、第1の磁
性体5aが配置されている。
【0042】第1の磁性体5aは、通電ピン3の周囲の
通電軸1の中心軸を基準とした周方向の一定方向が開口
部となっている。
【0043】コイル電極2のコイル部2bとコイル腕2
aと通電軸1の軸方向端部に囲まれた空間には、第2の
磁性体5aが取り付けられている。
【0044】第2の磁性体5bの軸方向の長さlは、コ
イル部2bの軸方向長さ以上となっている。
【0045】なお、第2の磁性体5bの軸方向長さl
は、コイル電極2のコイル部2bの軸方向長さを基準と
している。
【0046】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブの作用について、図3および
図4を用いて説明する。
【0047】図3は電極間に発生する磁束密度の半径方
向分布を示す分布図、図4はコイル電極2の内側に設け
られた第2の磁性体5bの軸方向長さと磁束密度の関係
を示す関係図である。
【0048】いま、遮断動作を行なうと、事故電流や負
荷電流は、通電軸1からコイル電極2のコイル腕2a、
コイル部2b、通電ピン3、接点4を経て、もう一方の
電極の接点4に流入する。この電流は、接点4、通電ピ
ン3、コイル電極2を経て、通電軸1に流出する。そし
て、コイル部2aを流れる電流により、接点4間に軸方
向の磁界が生じる。
【0049】また、通電ピン3を流れる電流により生じ
る磁束は、第1の磁性体5aにより曲げられ、接点4間
に軸方向の磁界を生じる。この磁界は、電極中心でコイ
ルによる磁界と逆向きであり、電極端部側でコイルによ
る磁界と同じ向きであり、これにより中心部で低く、電
極中心の周辺で高い分布の磁界が得られる。
【0050】一方、コイル電極2に囲まれた空間に、第
2の磁性体5bを設けていることにより、磁界を全体に
高くすることができ、電極間に発生する磁界分布は、図
3に示すようになる。また、第2の磁性体5bの軸方向
長さlと磁束密度との関係は、図4に示すようになる。
【0051】図4から、第2の磁性体5bの軸方向長さ
lを長くすると、磁束密度が高くなることから、第2の
磁性体5bの軸方向長さlを変更することにより、必要
な強さの磁束密度を得ることができる。
【0052】これらにより、接点4間に生じたアーク
は、接点4全域に広がり、接点4表面の局部的アークの
集中やアークの不安定による接点4の溶融を防ぐことが
でき、高い遮断性能を得ることができる。
【0053】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極間距離が長い場合でも、第2
の磁性体5bの軸方向長さlを変えることにより、電極
構造を複雑にすることなく、アークを均一とする分布の
磁界を発生することが可能となる。これにより、小型
で、かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることが
できる。
【0054】(第2の実施の形態:請求項2に対応)図
5は、本実施の形態による真空バルブにおける1対の電
極のうちの一方の電極の中心軸を含む構成例を示す断面
図であり、図1および図2と同一部分には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0055】図5において、第2の磁性体5bの通電軸
1側の端部が通電軸1に固定されており、また接点4側
がコイル部2bに固定されている。
【0056】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第1の実施の形態と同様である。
【0057】特に、本実施の形態では、第2の磁性体5
bを通電軸1とコイル電極2に固定していることによ
り、電極の機械的強度を向上させることができる。
【0058】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極の機械的強度が向上するた
め、耐久性を向上させることが可能となる。これによ
り、小型で、かつ高い遮断性能と耐久性を有する真空バ
ルブを得ることができる。
【0059】(第3の実施の形態:請求項3に対応)図
6は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電極
の構成例を示す外形図、図7は図6のC−D位置での断
面図であり、図1および図2と同一部分には同一符号を
付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。
【0060】図6および図7において、通電軸1の端部
には、斜めの電極スリット6aが複数設けられたカップ
型電極6が取り付けられている。
【0061】カップ型電極6の端部には、接点4を接続
する通電ピン3を有し、コイル電極2と接点4との間の
通電ピン3の周辺に歯、第3の磁性体5cが配置されて
いる。
【0062】第3の磁性体5cは、通電ピン2の周囲の
通電軸1の中心軸を基準とした周方向の一定方向が開口
部となっている。
【0063】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブの作用について説明する。
【0064】いま、遮断動作を行なうと、事故電流や負
荷電流は、通電軸1からカップ型電極6、通電ピン3、
接点4を経て、もう一方の電極の接点4に流入する。こ
の電流は、接点4、通電ピン3、カップ型電極6を経
て、通電軸1に流出する。そして、カップ型電極6を流
れる電流により、接点4間に軸方向の磁界が生じる。
【0065】また、通電ピン3を流れる電流により生じ
る磁束は、第3の磁性体5cにより曲げられ、接点4間
に軸方向の磁界を生じる。この磁界は、電極中心でカッ
プ型電極6による磁界と逆向きであり、電極端部側でカ
ップ型電極6による磁界と同じ向きであり、これにより
中心部で低く、電極中心の周辺で高い分布の磁界が得ら
れる。
【0066】この場合、電極間に発生する磁界分布は、
前述した図3に示すように、電極中心の周辺でピークと
なる分布になる。これらにより、接点4間に生じたアー
クは、接点4全域に広がり、接点4表面の局部的アーク
の集中やアークの不安定による接点4の溶融を防ぐこと
ができ、高い遮断性能を得ることができる。
【0067】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、アークを均一とする分布の磁界を
発生することが可能となる。これにより、小型で、かつ
高い遮断性能を有する真空バルブを得ることができる。
【0068】(第4の実施の形態:請求項4に対応)図
8は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電極
の構成例を示す断面図(図6のC−D位置での断面図)
であり、図6と同一部分には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0069】図8において、接点4とカップ型電極6と
の間に設けられた第3の磁性体5cを、電極の中心側の
部分で一体化している。
【0070】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第3の実施の形態と同様である。
【0071】特に、本実施の形態では、接点4とカップ
型電極6との間に設けられた第3の磁性体5cを一体化
していることにより、部品点数を削減することができ、
真空バルブの組み立てが容易になる。
【0072】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極の部品点数を減少することが
可能となる。これにより、組み立てが容易な、小型で、
かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることができ
る。
【0073】(第5の実施の形態:請求項5に対応)図
9は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電極
のうちの一方の電極の中心軸を含む構成例を示す断面
図、図10は図6のC−D位置での断面図であり、図6
および図8と同一部分には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0074】図9および図10において、通電軸1の端
部には、斜めの電極スリット6aが複数設けられたカッ
プ型電極6が取り付けられている。
【0075】カップ型電極6の端部には、接点4を接続
する通電ピン3を有し、コイル電極2と接点4との間の
通電ピン3の周辺には、第3の磁性体5cが配置されて
いる。
【0076】第3の磁性体5cは、通電ピン2の周囲の
通電軸1の中心軸を基準とした周方向の一定方向が開口
部となっている。
【0077】カップ型電極6の内側には、第4の磁性体
5dが設けられている。
【0078】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブの作用について説明する。
【0079】いま、遮断動作を行なうと、事故電流や負
荷電流は、通電軸1からカップ型電極6、通電ピン3、
接点4を経て、もう一方の電極の接点4に流入する。こ
の電流は、接点4、通電ピン3、カップ型電極6を経
て、通電軸1に流出する。そして、カップ型電極6を流
れる電流により、接点4間に軸方向の磁界が生じる。
【0080】また、通電ピン3を流れる電流により生じ
る磁束は、第3の磁性体5cにより曲げられ、接点4間
に軸方向の磁界を生じる。この磁界は、電極中心でカッ
プ型電極6による磁界と逆向きであり、電極端部側でカ
ップ型電極6による磁界と同じ向きであり、これにより
中心部で低く、電極中心の周辺で高い分布の磁界が得ら
れる。
【0081】さらに、本実施の形態では、カップ型電極
6の内側に第4の磁性体5dを設けていることにより、
磁界を全体に高くすることができ、電極間に発生する磁
界分布は、前述した図3に示すように、電極中心の周辺
でピークとなる分布になる。これらにより、接点4間に
生じたアークは、接点4全域に広がり、接点4表面の局
部的アークの集中やアークの不安定による接点4の溶融
を防ぐことができ、高い遮断性能を得ることができる。
【0082】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極間距離が長い場合でも、電極
構造を複雑にすることなく、アークを均一とする分布の
磁界を発生することが可能となる。これにより、小型
で、かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることが
できる。
【0083】(第6の実施の形態:請求項6に対応)図
11は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電
極のうちの一方の電極の中心軸を含む構成例を示す断面
図であり、図6、図8および図9と同一部分には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0084】図11において、第3の磁性体5cは、一
方の面がカップ型電極6に固定されており、もう一方の
面が接点4の背面に固定されている。
【0085】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第3乃至第5の実施の形態と同様であ
る。
【0086】特に、本実施の形態では、第3の磁性体5
cの一方の面にカップ型電極6を、もう一方の面に接点
4を固定していることにより、電極の機械的強度を向上
させることができる。
【0087】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極の機械的強度が向上するた
め、耐久性を向上させることが可能となる。これによ
り、小型で、かつ高い遮断性能と耐久性を有する真空バ
ルブを得ることができる。
【0088】(第7の実施の形態:請求項7に対応)図
12は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電
極のうちの一方の電極の中心軸を含む構成例を示す断面
図であり、図9および図11と同一部分には同一符号を
付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。
【0089】図12において、第4の磁性体5dは、一
方の端部がカップ型電極6に固定されており、もう一方
の端部が接点4の背面に固定されている。
【0090】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第5および第6の実施の形態と同様であ
る。
【0091】特に、本実施の形態では、第4の磁性体5
dは、一方の面にカップ型電極6を、もう一方の端部に
接点4を固定していることにより、電極の機械的強度を
向上させることができる。これにより、カップ型電極6
の内部に補強を設けなくても、機械的強度を確保するこ
とができる。
【0092】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極の機械的強度が向上するた
め、耐久性を向上させることが可能となる。また、補強
を設ける必要がなくなる。これにより、小型で、かつ高
い遮断性能と耐久性を有する真空バルブを得ることがで
きる。
【0093】(第8の実施の形態:請求項8に対応)本
実施の形態による真空バルブは、前述した第5乃至第7
のいずれか一つの実施の形態の真空バルブにおいて、接
点4とカップ型電極6との間に設けられた第3の磁性体
5cと、カップ型電極6の内側に設けられた第4の磁性
体5dとを一体化している。
【0094】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第5乃至第7の実施の形態と同様であ
る。
【0095】特に、本実施の形態では、第3の磁性体5
cと第4の磁性体5dとを一体化していることにより、
部品点数を削減することができ、電極の組み立てが容易
になる。
【0096】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極の部品点数を減少することが
可能となる。これにより、組み立てが容易な、小型で、
かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることができ
る。
【0097】(第9の実施の形態:請求項9に対応)図
13は本実施の形態による真空バルブにおける1対の電
極の構成例を示す外形図であり、図9、図11および図
12と同一部分には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0098】図13において、カップ型電極6の通電軸
1側の面には、第5の磁性体5eが設けられている。
【0099】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、遮断動作を行な
った際の電流の流れは、前述した第5乃至第8の実施の
形態と同様である。
【0100】特に、本実施の形態では、通電ピン3を流
れる電流により生じる磁束は、第3の磁性体5cにより
曲げられ、接点4間に軸方向の磁界が生じる。カップ型
電極6により発生する磁束の一部は、第4の磁性体5d
と第5の磁性体5eを通り、接点4間に軸方向の磁界を
生じる。そして、この軸方向磁界により、接点4間に生
じるアークは安定して均一となり、高い遮断性能を得る
ことができる。
【0101】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極間距離が長い場合でも、電極
構造を複雑にすることなく、アークを均一とする分布の
磁界を発生することが可能となる。これにより、小型
で、かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることが
できる。
【0102】(第10の実施の形態:請求項10に対
応)図14は本実施の形態による真空バルブにおける1
対の電極の構成例を示す断面図(図13のE−F位置で
の中心軸に垂直な断面図)であり、図13と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0103】図14において、カップ型電極6の通電軸
側の面に設けられた第5の磁性体5eが、周方向に不連
続になるように複数に分割されている。
【0104】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第9の実施の形態と同様である。
【0105】特に、本実施の形態では、第5の磁性体5
eが周方向に不連続になっていることにより、通電軸1
が発生する周方向の磁束は通り難くなる。これにより、
電磁誘導による磁性体の発熱を抑制することができる。
【0106】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、通電軸1を流れる電流により生じ
る磁束との電磁誘導による第5の磁性体5eの発熱を抑
制することができ、真空バルブが高温になることを防止
することが可能となる。これにより、小型で、かつ高い
遮断性能を有する真空バルブを得ることができる。
【0107】(第11の実施の形態:請求項11に対
応)図15は本実施の形態による真空バルブにおける1
対の電極の構成例を示す断面図(図13のE−F位置で
の断面図)であり、図13と同一部分には同一符号を付
してその説明を省略し、ここでは異なる部分についての
み述べる。
【0108】図15において、カップ型電極6の通電軸
側の面に設けられた第5の磁性体5eに、複数の放射状
のスリットが設けられている。
【0109】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第10の実施の形態と同様である。
【0110】特に、本実施の形態では、第5の磁性体5
eにスリットを設けていることにより、第5の磁性体5
eが一体であるため、部品点数を前述した第10の実施
の形態よりも削減することができ、真空バルブの組み立
ても容易になる。
【0111】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、通電軸1を流れる電流により生じ
る磁束との電磁誘導による第5の磁性体5eの発熱を抑
制することができ、真空バルブが高温になることを防止
することが可能となる上、部品点数を削減することがで
き、真空バルブの組み立てが容易になる。これにより、
小型で、かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得るこ
とができる。
【0112】(第12の実施の形態:請求項12、請求
項13に対応)図16は、本実施の形態による真空バル
ブにおける1対の電極と電極周囲に設けられたシールド
と磁性体の電極の中心軸を含む構成例を示す断面図であ
り、図1乃至図12と同一部分には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0113】図16において、通電軸1の端部にコイル
電極2が設けられ、通電ピン3の周辺に第1の磁性体5
a、コイル部2bに囲まれた領域に第2の磁性体5bが
設けられた電極を備えた真空バルブ、または当該電極の
コイル部2bの通電軸1側の面(接点4と逆側の面)に
第6の磁性体5fが設けられた電極を備えた真空バルブ
において、真空容器内の電極周囲に金属製の筒であるシ
ールド7を有し、このシールド7の外側、すなわちシー
ルド7と真空容器との間には、第7の磁性体5gが設け
られている。
【0114】図16中では、後者の電極を備えた真空バ
ルブに適用した場合を例として示している。
【0115】なお、電極としては、前述した第1乃至第
7の実施の形態と同様のものに限らず、前述した第8乃
至第11の実施の形態と同様の電極を備えた真空バルブ
についても、本実施の形態を同様に適用できるものであ
る。
【0116】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第1乃至第7の実施の形態と同様であ
る。
【0117】特に、本実施の形態では、遮断動作を行な
った際に電極で発生した磁束は、図16中に示した矢印
のように、電極周辺では、第7の磁性体5gの内部を通
る。これにより、接点4間の磁束密度を高くすることが
できる。
【0118】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、電極間距離が長い場合でも、電極
構造を複雑にすることなく、アークを均一とする分布の
磁界を発生することが可能となる。これにより、小型
で、かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることが
できる。
【0119】(第13の実施の形態:請求項14に対
応)図17は本実施の形態による真空バルブにおけるシ
ールドと第7の磁性体5gの構成例を示す外形図であ
り、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0120】図17において、第7の磁性体5gは複数
の板状の磁性体からなり、真空バルブ本体の軸に対して
周方向に不連続となるように複数の板に分かれている。
【0121】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第12の実施の形態と同様である。
【0122】特に、本実施の形態では、通電軸1および
電極を流れる電流により周方向の磁束が生じる。第7の
磁性体5gは、周方向に不連続になっているため、周方
向の磁束は通り難く、軸方向の磁束は通り易くなる。こ
れにより、周方向の磁束が第7の磁性体5gの内部を通
ることで生じる電磁誘導による第7の磁性体5gの発熱
を抑制することができる。
【0123】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、通電軸1および電極を流れる電流
により生じる磁束との電磁誘導による第7の磁性体5g
の発熱を抑制することができ、真空バルブが高温になる
ことを防止することが可能となる。これにより、小型
で、かつ高い遮断性能を有する真空バルブを得ることが
できる。
【0124】(第14の実施の形態:請求項15に対
応)図18は本実施の形態による真空バルブにおけるシ
ールドと第7の磁性体5gの構成例を示す外形図であ
り、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0125】図18において、第7の磁性体5gには、
軸方向に複数のスリットが設けられている。
【0126】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電極を備えた真空バルブにおいては、電流遮断時の作
用は、前述した第12の実施の形態と同様である。
【0127】特に、本実施の形態では、通電軸1および
電極を流れる電流により周方向の磁束が生じる。第7の
磁性体5gは、スリットによって周方向に不連続になっ
ていることにより、周方向の磁束は通り難く、軸方向の
磁束は通り易くなる。これにより、周方向の磁束が第7
の磁性体5gの内部を通ることで生じる電磁誘導による
第7の磁性体5gの発熱を抑制することができる。
【0128】また、第7の磁性体5gが一体となってい
ることにより、部品点数を削減することができ、真空バ
ルブの組み立てが容易になる。
【0129】上述したように、本実施の形態の電極を備
えた真空バルブでは、通電軸1および電極を流れる電流
により生じる磁束との電磁誘導による第7の磁性体5g
の発熱を抑制することができ、真空バルブが高温になる
ことを防止することができる上、部品点数を削減するこ
とが可能となり、真空バルブの組み立てが容易になる。
これにより、小型で、かつ高い遮断性能を有する真空バ
ルブを得ることができる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空バル
ブによれば、コイル電極と接点との間の通電ピンの周辺
に磁性体を設け、この磁性体は、通電ピンの周囲の通電
軸の中心軸を基準とした周方向の一定方向が開口部とな
るようにし、コイル電極のコイル部と放射状部材(コイ
ル腕)と通電軸の軸方向端部に囲まれた空間に磁性体を
設け、この磁性体の軸方向長さをコイル部の軸方向長さ
より長くしているので、電極間距離が長い場合でも、電
極構造を複雑にすることなく、電流遮断時に電極間に発
生するアークを安定させて接点表面で均一とすることが
可能となる。
【0131】また、カップ型電極と接点との間の通電ピ
ンの周辺に磁性体を設け、この磁性体は、通電ピンの周
囲の通電軸の中心軸を基準とした周方向の一定方向が開
口部となるようにし、カップ型電極の内側の空間、さら
にカップ型電極の通電軸側の面に磁性体を設けているの
で、電極間距離が長い場合でも、電極構造を複雑にする
ことなく、電流遮断時に電極間に発生するアークを安定
させて接点表面で均一とすることが可能となる。
【0132】以上により、構造を複雑にすることなく、
遮断性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による真空バルブに
おける1対の電極のうちの一方の電極の中心軸を含む構
成例を示す断面図。
【図2】図1のA−B位置での断面図。
【図3】同第1の実施の形態による真空バルブにおける
接点間に発生する磁界の径方向の分布の一例を示す図。
【図4】同第1の実施の形態による真空バルブにおける
コイル部に囲まれた第2の磁性体の軸方向長さと接点間
に発生する磁束密度との関係の一例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態による真空バルブに
おける1対の電極のうちの一方の電極の中心軸を含む構
成例を示す断面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態による真空バルブに
おける1対の電極の構成例を示す外形図。
【図7】図6のC−D位置での断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態による真空バルブに
おける1対の電極の構成例を示す断面図(図6のC−D
位置での断面図)。
【図9】本発明の第5の実施の形態による真空バルブに
おける1対の電極のうちの一方の電極の中心軸を含む構
成例を示す断面図。
【図10】同第5の実施の形態による真空バルブにおけ
る1対の電極の構成例を示す断面図(図6のC−D位置
での断面図)。
【図11】本発明の第6の実施の形態による真空バルブ
における1対の電極のうちの一方の電極の中心軸を含む
構成例を示す断面図。
【図12】本発明の第7の実施の形態による真空バルブ
における1対の電極のうちの一方の電極の中心軸を含む
構成例を示す断面図。
【図13】本発明の第9の実施の形態による真空バルブ
における1対の電極のうちの一方の電極の構成例を示す
外形図。
【図14】本発明の第10の実施の形態による真空バル
ブにおける1対の電極の構成例を示す断面図(図13の
E−F位置での中心軸に垂直な断面図)。
【図15】本発明の第11の実施の形態による真空バル
ブにおける1対の電極の構成例を示す断面図(図13の
E−F位置での中心軸に垂直な断面図)。
【図16】本発明の第12の実施の形態による真空バル
ブにおける1対の電極とシールドと磁性体の電極の中心
軸を含む構成例を示す断面図。
【図17】本発明の第13の実施の形態による真空バル
ブにおけるシールドと第7の磁性体の構成例を示す外形
図。
【図18】本発明の第14の実施の形態による真空バル
ブにおけるシールドと第7の磁性体の構成例を示す外形
図。
【符号の説明】
1…通電軸 2…コイル電極 2a…コイル腕 2b…コイル部 3…通電ピン 4…接点 5a…第1の磁性体 5b…第2の磁性体 5c…第3の磁性体 5d…第4の磁性体 5e…第5の磁性体 5f…第6の磁性体 5g…第7の磁性体 6…カップ型電極 6a…電極スリット 7…シールド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 染井 宏通 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5G026 DA02 DA07 DB03 DB06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁物からなる真空容器の両端部に蓋体
    をそれぞれ取り付け、 前記各蓋体を貫通し、かつ前記真空容器の内部で端部が
    対向し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた1
    対の通電軸を有し、 前記通電軸の軸方向端部に、半径方向に伸びる放射状部
    材と、当該放射状部材の半径方向外側の端部から円周方
    向に円弧状に伸びたコイル部とからなるコイル電極を有
    し、 前記コイル電極の円弧状のコイル部の端部と、接点とを
    接続する接続導体を有し、 前記コイル電極と前記接点との間の前記接続導体の周辺
    に第1の磁性体を有し、 前記通電軸の中心軸を基準とした周方向の一定方向が前
    記接続導体の周囲の磁性体の開口部となるようにし、 前記コイル電極のコイル部と放射状部材と前記通電軸の
    軸方向端部に囲まれた空間に第2の磁性体を有し、 前記第2の磁性体の軸方向の長さが前記コイル電極の軸
    方向長さ以上となるようにしたことを特徴とする真空バ
    ルブ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の真空バルブにおい
    て、 前記第2の磁性体の通電軸側の端部を前記通電軸に固定
    し、接点側を前記コイル電極に固定したことを特徴とす
    る真空バルブ。
  3. 【請求項3】 絶縁物からなる真空容器の両端部に蓋体
    をそれぞれ取り付け、 前記各蓋体を貫通し、かつ前記真空容器の内部で端部が
    対向し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた1
    対の通電軸を有し、 前記通電軸の端部にカップ型電極を有し、当該カップ型
    電極に真空バルブ本体に垂直な面に対して斜めに複数の
    スリットを設け、 前記カップ型電極の軸方向端部に接続部材を介して接点
    を取り付け、 前記カップ型電極と前記接点との間の前記接続部材の周
    辺に第3の磁性体を有し、 前記第3の磁性体は電極の中心軸に対して一定方向の開
    口部を有することを特徴とする真空バルブ。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の真空バルブにおい
    て、 前記接点とカップ型電極との間に設けられた第3の磁性
    体を電極の中心側の部分で一体化したことを特徴とする
    真空バルブ。
  5. 【請求項5】 前記請求項3または請求項4に記載の真
    空バルブにおいて、 前記カップ型電極の内側に第4の磁性体を設けたことを
    特徴とする真空バルブ。
  6. 【請求項6】 前記請求項3乃至請求項5のいずれか1
    項に記載の真空バルブにおいて、 前記第3の磁性体の一方の面を前記カップ型電極に固定
    し、もう一方の面を前記接点に固定したことを特徴とす
    る真空バルブ。
  7. 【請求項7】 前記請求項5または請求項6に記載の真
    空バルブにおいて、 前記第4の磁性体の軸方向端部の一方を前記接点の背面
    に固定し、もう一方を前記カップ型電極に固定したこと
    を特徴とする真空バルブ。
  8. 【請求項8】 前記請求項5乃至請求項7のいずれか1
    項に記載の真空バルブにおいて、 前記接点とカップ型電極との間に設けられた第3の磁性
    体と、前記カップ型電極の内側に設けられた第4の磁性
    体とを一体化したことを特徴とする真空バルブ。
  9. 【請求項9】 前記請求項5乃至請求項8のいずれか1
    項に記載の真空バルブにおいて、 前記カップ型電極の通電軸側の面に第5の磁性体を設け
    たことを特徴とする真空バルブ。
  10. 【請求項10】 前記請求項9に記載の真空バルブにお
    いて、 前記カップ型電極の通電軸側の面に設けられた第5の磁
    性体を、周方向に不連続となるように複数に分割したこ
    とを特徴とする真空バルブ。
  11. 【請求項11】 前記請求項9に記載の真空バルブにお
    いて、 前記カップ型電極の通電軸側の面に設けられた第5の磁
    性体に、複数の放射状のスリットを設けたことを特徴と
    する真空バルブ。
  12. 【請求項12】 絶縁物からなる真空容器の両端部に蓋
    体をそれぞれ取り付け、 前記各蓋体を貫通し、かつ前記真空容器の内部で端部が
    対向し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた1
    対の通電軸を有し、 前記通電軸の軸方向端部に、半径方向に伸びる放射状部
    材と、当該放射状部材の半径方向外側の端部から円周方
    向に円弧状に伸びたコイル部とからなるコイル電極を有
    し、 前記コイル電極の円弧状型のコイル部の端部と、接点と
    を接続する接続導体を有し、 前記コイル電極と前記接点との間の前記接続導体の周辺
    に第1の磁性体を有し、 前記通電軸の中心軸を基準とした周方向の一定方向が前
    記接続導体の周囲の磁性体の開口部となるようにし、 前記コイル電極のコイル部と放射型部材と前記通電軸の
    軸方向端部に囲まれた空間に第2の磁性体を有し、 必要に応じて、前記コイル電極のコイル部の前記接点と
    逆側の面に第6の磁性体を有し、 前記真空容器内の電極周囲に金属製の筒を有し、 前記筒と前記真空容器のと間に第7の磁性体を有するこ
    とを特徴とする真空バルブ。
  13. 【請求項13】 前記請求項1乃至請求項11のいずれ
    か1項に記載の真空バルブにおいて、 前記真空容器内の電極周囲に金属製の筒を有し、 前記筒と前記真空容器のと間に第7の磁性体を有するこ
    とを特徴とする真空バルブ。
  14. 【請求項14】 前記請求項12または請求項13に記
    載の真空バルブにおいて、 前記第7の磁性体は、複数の板状の磁性体からなり、真
    空バルブ本体の軸に対して周方向に不連続となるように
    したことを特徴とする真空バルブ。
  15. 【請求項15】 前記請求項12または請求項13に記
    載の真空バルブにおいて、 前記第7の磁性体は、軸方向に複数のスリットを有する
    ことを特徴とする真空バルブ。
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