JP2001003023A - 酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤 - Google Patents

酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤

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JP2001003023A
JP2001003023A JP11169909A JP16990999A JP2001003023A JP 2001003023 A JP2001003023 A JP 2001003023A JP 11169909 A JP11169909 A JP 11169909A JP 16990999 A JP16990999 A JP 16990999A JP 2001003023 A JP2001003023 A JP 2001003023A
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vinyl acetate
emulsion adhesive
blocked
emulsion
adhesive
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Jun Fukui
潤 福井
Masaaki Hayashi
正昭 林
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Chuo Rika Kogyo Corp
Original Assignee
Chuo Rika Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分なポットライフをもち、耐水性が良好な
酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤を得る。 【解決手段】 アセトアセチル化ポリビニルアルコール
を保護コロイドとして製造された酢酸ビニルを主成分と
する重合体とブロック化多価ヒドラジン化合物とを含有
する酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酢酸ビニル系樹脂エ
マルジョン接着剤に関する。さらに詳しくは、充分なポ
ットライフをもち、耐水性に優れた、とくに木工用に適
する酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンは、接着剤として古くから使
用されているが、耐水接着性が充分でなく、古くから改
良検討が行なわれている。たとえば、アセトアセチル化
ポリビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンが、特開昭57−202364号公
報に記載されている。これは、アセトアセチル化ポリビ
ニルアルコールにより耐水接着性を強化したものである
が、耐水接着性はまだ充分なものではない。
【0003】アセトアセチル化ポリビニルアルコールを
保護コロイドとした酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに、
ヒドラジン化合物を配合すると、アセトアセチル基−ヒ
ドラジノ基の架橋により耐水性が向上するが、添加後す
ぐに接着剤が固まってしまい、ポットライフに問題があ
る。そこで、特開昭61−78883号公報には、基材
にアセトアセチル化ポリビニルアルコールを保護コロイ
ドとした酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを塗布し、被着
体にヒドラジン化合物を塗布する、いわゆるハネムーン
型接着剤としての使用方法が提案されている。
【0004】しかし、基材、被着体の両方に塗布しなけ
ればならないので、作業性に問題があり、また、基材に
塗布した接着剤と被着体に塗布したヒドラジン化合物と
が充分に混ざり合わないため、耐水接着性が充分に改善
されない問題がある。
【0005】特開平8−113687号公報および特開
平10−287786号公報では、アセトアセチル化ポ
リビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニル系
樹脂エマルジョンに、炭酸カルシウムまたは水溶性有機
アミンとヒドラジン化合物とを添加することが提案され
ているが、これは、塩基性物質でpHを調節し、アセト
アセチル基−ヒドラジノ基架橋反応を遅延させるもので
あるが、それでもまだポットライフは充分ではない。
【0006】特開平2−155974号公報には、アセ
トアセチル化ポリビニルアルコールを保護コロイドとし
た酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに、珪酸カルシウム類
を配合することが提案されているが、カルシウムによる
金属架橋は、アセトアセチル基−ヒドラジノ基の架橋に
比べて強固な架橋ではないために、耐水接着性が充分で
はない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のごとき
従来の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの有する欠点を改
善し、ポットライフが長く、接着性、とくに耐水、耐温
水、耐煮沸接着性に優れた、木工用に適する酢酸ビニル
系樹脂エマルジョン接着剤を提供するためになされたも
のであり、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを保
護コロイドとして製造された酢酸ビニルを主成分とする
重合体とブロック化多価ヒドラジン化合物とを含有する
酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤(請求項1)、酢
酸ビニルを主成分とする重合体が酢酸ビニルの単独重合
体または酢酸ビニルとエチレン、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、バ
ーサチック酸ビニルよりなる群から選ばれた少なくとも
1種の単量体との共重合体である請求項1記載のエマル
ジョン接着剤(請求項2)、ブロック化多価ヒドラジン
化合物が、多価ヒドラジン化合物をケトン類またはケト
ンアルコール類によってブロック化したものである請求
項1または2記載のエマルジョン接着剤(請求項3)、
木工用に使用される請求項1、2または3記載のエマル
ジョン接着剤(請求項4)、水溶性塩基性物質によりp
H6〜8に調整された請求項4記載のエマルジョン接着
剤(請求項5)、水溶性塩基性物質が水溶性有機アミン
である請求項5記載のエマルジョン接着剤(請求項
6)、および二酸化ケイ素を含有する請求項4、5また
は6記載のエマルジョン接着剤(請求項7)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるアセトアセチ
ル化ポリビニルアルコール(以下、AA化PVAともい
う)を保護コロイドとして製造された酢酸ビニルを主成
分とする重合体は、AA化PVAを保護コロイドとして
製造されたエマルジョン状態で存在する酢酸ビニルを主
成分とする重合体(以下、樹脂エマルジョンともいう)
であり、AA化PVAを保護コロイドとして酢酸ビニル
を主成分とする重合体を製造するため、後述するブロッ
ク化多価ヒドラジン化合物と反応することによって架橋
構造が形成され、本発明のエマルジョン接着剤から形成
された被膜の耐水性が改善され、耐水接着力が改善され
る。たとえばAA化PVAのかわりにポリビニルアルコ
ール(PVA)を保護コロイドとして使用した場合に
は、製造される樹脂エマルジョン中に、ブロック化多価
ヒドラジン化合物と反応する基がなくなるため、架橋構
造の形成により耐水性を改善することができない。ま
た、AA化PVAを保護コロイドとせずに、たとえばP
VAを保護コロイドとして樹脂エマルジョンを製造した
のちAA化PVAを添加した場合には、保護コロイドの
量が必要な量であるPVAの量に、さらにAA化PVA
の量を加えた量になり、保護コロイドの量が多くなり、
皮膜の耐水性がわるくなるとともに、単にAA化PVA
を後添加しても耐水接着性が充分な樹脂エマルジョンを
得ることができない。
【0009】前記酢酸ビニルを主成分とする重合体は、
酢酸ビニル単位を50〜100重量%(以下、%とい
う)、さらには60〜100%含有し、共重合単量体単
位を0〜50%、さらには0〜40%含有する(共)重
合体である。酢酸ビニル単位の含有割合が50%より少
なくなると、共重合性がわるくなり、エマルジョンが不
安定となるばかりではなく、コスト的に不利である。
【0010】前記共重合単量体単位の具体例としては、
たとえばエチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、バーサチック酸
ビニルなどからの単位があげられる。これらは単独で含
まれていてもよく、2種以上で含まれていてもよい。
【0011】前記アクリル酸エステルとしては、たとえ
ばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜
8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、
アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシエチ
ルなどがあげられる。
【0012】前記メタクリル酸エステルとしては、たと
えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどの炭
素数1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
エステル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸メトキシエチルなどがあげられる。
【0013】前記共重合単量体単位としてエチレン、ア
クリル酸エステル、バーサチック酸ビニルを含む場合に
は、得られるエマルジョン接着剤の皮膜がやわらかく、
成膜しやすくなる。また、メタクリル酸エステル、アク
リル酸、メタクリル酸を含む場合には、得られるエマル
ジョン接着剤の耐熱性が良好となる。
【0014】AA化PVAを保護コロイドとする酢酸ビ
ニルを主成分とする重合体としては、たとえば酢酸ビニ
ル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル
酸エステル共重合体などがあげられる。
【0015】前記酢酸ビニルを主体とする重合体の製法
としては、AA化PVAを保護コロイドとして用いる以
外に特別な限定はないが、エマルジョンの形で使用され
ること、反応のコントロールが容易であることから、エ
マルジョン重合法によるのが好ましい。
【0016】前記酢酸ビニルを主体とする重合体を製造
する際のAA化PVAの使用量としては、酢酸ビニルを
主体とする単量体100重量部(以下、部という)あた
り、AA化PVA0.5〜20部、さらには1〜10部
使用するのが耐水接着性、エマルジョンの安定性、コス
トの点から好ましい。AA化PVAの量が0.5部未満
になると架橋密度が低く、耐水接着性が不充分となる傾
向が生じ、20部をこえるとエマルジョンが不安定とな
るばかりか、コスト的に不利となる傾向が生じる。
【0017】重合に際して使用される重合開始剤として
は、通常の乳化重合に用いられる重合開始剤が使用され
る。とくにレドックス系重合開始剤が好ましく、たとえ
ば過酸化水素とホルムアルデヒド亜鉛スルホキシレー
ト;過酸化水素、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸カリ
ウムとメタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、
硫酸第一鉄、ジメチルアニリン、ホルムアルデヒド亜鉛
スルホキシレートまたはホルムアルデヒドナトリウムス
ルホキシラートとの組み合わせなどがあげられる。
【0018】なお、重合に際し、非イオン界面活性剤、
陰イオン界面活性剤もAA化PVAと併用することがで
きる。また、他の保護コロイドや乳化剤、たとえばセル
ロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、メチルセルロースなど)、ポリア
クリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル
共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体
ケン化物なども適宜併用することができる。さらに、そ
の他通常の乳化重合で用いられる種々の添加剤、調整剤
なども適宜使用することができる。
【0019】重合は、水媒体中に前記AA化PVA、重
合開始剤を溶解し、不飽和モノマーを一括仕込みまたは
連続仕込みしながら温度30〜90℃で行なわれる。エ
マルジョンは、一般に固形分濃度30〜60%のエマル
ジョンとして製造され、そのままあるいは必要により濃
度調整を行なって使用される。
【0020】本発明で使用する樹脂エマルジョンの固形
分含有率はその用途によって変動するので一概には規定
できないが、通常30〜60%の範囲である。
【0021】前記酢酸ビニルを主成分とする重合体の製
造に使用されるAA化PVAは、たとえばPVAとジケ
テンとを反応させることにより得られる化合物である。
【0022】前記PVAは保護コロイド性の点から残存
酢酸基0.1〜15モル%、平均重合度500〜260
0、平均ケン化度85〜99モル%の範囲のものが好ま
しい。AA化PVAのAA化度は0.05〜20モル
%、さらには0.05〜15モル%が好ましい。AA化
度が0.05モル%未満の場合には、耐水性改善効果が
充分でなく、一方、AA化度が20モル%をこえる場合
には、分散系が破壊されて均質な乳濁状態が得られにく
く、得られたエマルジョンの各種安定性が充分でないな
どの傾向が生じる。
【0023】本発明に使用されるブロック化多価ヒドラ
ジン化合物は、酢酸ビニルを主成分とする重合体を製造
する際に保護コロイドとして使用した前記AA化PVA
と反応して架橋構造を形成することにより、形成される
被膜の耐水性を向上させるために使用される成分であ
る。なお、ブロック化多価ヒドラジン化合物を使用する
ため、充分なポットライフを得ることができる。
【0024】前記ブロック化多価ヒドラジン化合物に含
まれる多価ヒドラジン化合物は、分子中に2個以上、好
ましくは2〜10個のヒドラジノ基を有する水溶性の化
合物である。炭素数が2〜10個の飽和脂肪族ジカルボ
ン酸から誘導されるジヒドラジン化合物が好適に使用さ
れる。
【0025】前記多価ヒドラジン化合物の具体例として
は、たとえばシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラ
ジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジ
ド、アジピン酸ジヒドラジドなどがあげられる。さらに
環状構造を有するジヒドラジン化合物、たとえば1,3
−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピル
ヒダントイン、1分子中に2個以上のヒドラジノ基を有
するポリアクリル酸ヒドラジド、炭酸ジヒドラジドも使
用することができる。
【0026】前記多価ヒドラジン化合物をブロック化す
るブロック化剤としては、たとえばアセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアル
コールなどの好ましくはカルボニル基を1個有するもの
があげられ、さらに好ましくは前記多価ヒドラジン化合
物を単独で溶解・分散させることができ、生成したブロ
ック化ヒドラジン化合物が水に分散し得るケトン類また
はケトアルコール類があげられる。
【0027】前記ブロック化多価ヒドラジン化合物は、
特開平10−265729号公報に記載されているごと
く、前記多価ヒドラジン化合物を1〜20%の水溶液ま
たは水分散液にして、ケトン類またはケトアルコール類
をヒドラジノ基に対し当量以上、好ましくは1.2〜
2.0倍当量を撹拌下に添加することにより、ブロック
化してケチミンを形成し、ブロック化多価ヒドラジン化
合物とすることにより製造することができる。
【0028】得られたブロック化多価ヒドラジン化合物
は、微結晶が水に分散した状態で得られるが、これをそ
のまま使用してもよいし、形成した微結晶を分離濾過
し、粉末の状態にして添加分散して使用してもよい。
【0029】かくして得られたブロック化多価ヒドラジ
ン化合物を酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに添加するこ
とにより、一液で良好なポットライフを有し、耐水、耐
温水、耐煮沸接着性の良好な木工用に適するエマルジョ
ン接着剤が得られる。
【0030】酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに対するブ
ロック化多価ヒドラジン化合物の添加量は、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョン100部(固形分)に対して0.1
〜5部、さらには0.5〜3部が好ましい。ブロック化
多価ヒドラジン化合物の量が0.1部未満の場合、架橋
密度が低く、充分な耐水接着性が得られにくく、逆に5
部をこえる場合には、未反応のブロック化多価ヒドラジ
ン化合物が多量に残存するために耐水接着性が低下する
傾向にある。
【0031】本発明のエマルジョン接着剤を製造する際
には、ブロック化多価ヒドラジン化合物をそのまま酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンに添加してもよいが、水また
は有機溶剤などに溶解あるいは希釈して添加してもよ
い。また、各種界面活性剤、他の水溶性保護コロイド、
pH調整剤など、任意の化合物を併用してもよい。
【0032】なお、本発明のエマルジョン接着剤は、水
溶性塩基性物質でpHを6〜8になるようにすれば、ブ
ロック化されずに残ったフリーのヒドラジノ基の反応を
も遅延させることができるので、さらにポットライフを
長くすることができる。
【0033】前記水溶性塩基性物質には限定はないが、
アンモニアなどの低沸点のものは、エマルジョン接着剤
の保存中にも揮散し、経時でpHが低下し、フリーのヒ
ドラジノ基の反応が抑制されにくくなるため、ポットラ
イフをさらに長くする点からはやや不充分である。水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどの強アルカリは、ポ
ットライフをさらに長くする点からは問題ないが、酢酸
ビニル系樹脂が加水分解を起こしやすいため、長期保存
されたエマルジョン接着剤を使用した接着物の耐水性が
やや低下する傾向がある。したがって、エマルジョン接
着剤の保存中に揮散しにくく、強アルカリでないモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどの水溶性有機アミンが、ポットライフをさら
に長くし、かつ、充分な耐水性を発現させる点から好ま
しい。
【0034】このようにして得られる本発明のエマルジ
ョン接着剤はそのままあるいは必要に応じてさらにクレ
ー、炭酸カルシウム、カオリン、珪藻土などの体質顔
料、酸化チタンなどの有色顔料、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤、他種の接着剤などを適宜配合して使用され
る。
【0035】たとえば得られた本発明のエマルジョン接
着剤に、ニ酸化ケイ素を配合する場合には、凝集力を向
上させることができ、接着性を向上させることができ
る。また、たとえば公知の金属塩類、ホルムアルデヒ
ド、グリオキザール、尿素またはメラミンのジメチロー
ル化物などの硬化剤を併用する場合には、一段と耐水接
着力を向上させることができる。前記硬化剤はエマルジ
ョン接着剤中に添加しても、また、ニ段塗布法などの方
法により適用してもよい。
【0036】本発明のエマルジョン接着剤を用いてたと
えば木材類などを接着する方法としては、従来から採用
されている方法によればよく、たとえば基材に接着剤を
塗布し、他の基材を接着させ、乾燥させる方法などがあ
げられる。
【0037】本発明のエマルジョン接着剤は前記のごと
く木材同士はもちろんのこと、木材と、紙、繊維製品類
または無機質の板・フィルムなどとの接着にも使用する
ことができる。合板を製造する場合を例にとって説明す
ると以下のごとくである。
【0038】ダブルローラー、グルースブレッダー、ド
クターローラー付ダブルローラー・グルースブレッダー
など公知の塗布機を用いてエマルジョン接着剤が単板に
塗布される。単板の種類にとくに限定はないが、ラワン
材に対してとくに顕著な接着力が得られる。
【0039】前記塗布量にはとくに制限はないが、AA
化PVAを含む酢酸ビニル系樹脂エマルジョン固形分換
算で20〜250g/m2、さらには50〜150g/
2が好ましい。20g/m2未満では充分な接着力が得
られにくく、一方、250g/m2をこえる量使用して
も使用量の割には接着力が増大しない。
【0040】前記接着剤を塗布された単板は、そののち
重ね合わせて加圧下に乾燥・接着せしめられるが、重ね
合わせる単板の枚数としては、2枚、3枚と任意の枚数
重ね合わせることができる。
【0041】乾燥温度としては、常温以上の温度、通常
20〜150℃で乾燥させればよい。150℃をこえる
温度では単板の劣化がおこり易くなる。
【0042】乾燥時の圧力および時間としては、一般に
5〜15kg/cm2の圧力下、10分〜24時間程度
が採用される。
【0043】接着が完了した合板は必要に応じ、常法に
したがって仕上工程において所定寸度に鋸断され、さら
に表面の品質をよくし、厚さを正確かつ均等に仕上げる
面仕上加工が行なわれる。鋸断は丸鋸盤、ダブルサイダ
ーにより、面仕上はスクレバー、ベルトサンダー、ドラ
ムサンダー、ワイドベルトサンダーなど、任意の装置を
用いて行なうことができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明のエマルジョン
接着剤をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
【0045】なお、実施例などで使用する原材料と略号
の関係および評価方法を以下にまとめて示す。
【0046】樹脂エマルジョン Em1:製造例1で製造したもの ヒドラジン化合物 ADH:アジピン酸ジヒドラジド
【0047】(ポットライフ)エマルジョン接着剤を、
温度25℃、湿度60%の条件下で保存し、製造直後か
らゲル化するまでの時間を測定する。
【0048】なお、ゲル化は、エマルジョンの流動性が
なくなり、ハンドリングができなくなった時点とした。
【0049】(剥離試験)得られたエマルジョン接着剤
を100g/m2(固形分)塗布し、MDF(ホクシン
(株)製スターウッドTLM、厚さ9mm)2枚を貼り
合わせ、下記日本農林規格2類浸漬剥離試験、日本農林
規格1類浸漬剥離試験により評価した。
【0050】2類浸漬剥離試験:試験体を75mm角に
切断し、70℃の温水に2時間浸漬させたのち、60℃
で3時間乾燥させた。そののち、接着層の状態を目視観
察し、つぎの4段階で示した。 ◎:変化なし、合格 ○:白化しているが、剥離部分なし、合格 △:剥離部分の長さが25mm以内、合格 ×:剥離部分の長さが25mmをこえる、不合格
【0051】1類浸漬剥離試験:試験体を75mm角に
切断し、100℃の沸騰水に4時間浸漬させた。60℃
で20時間乾燥させたのち、100℃の沸騰水に再度4
時間浸漬させた。60℃で3時間乾燥させたのち、接着
層の状態を目視観察し、つぎの4段階で示した。 ◎:変化なし、合格 ○:白化しているが、剥離部分なし、合格 △:剥離部分の長さが25mm以内、合格 ×:剥離部分の長さが25mmをこえる、不合格
【0052】製造例1 撹拌機、温度計、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに
AA化PVA(商品名ゴーセファイマーZ−100、平
均重合度500、平均ケン化度95モル%、日本合成化
学工業(株)製)の10%水溶液500gを仕込み、7
5℃にした。35%過酸化水素水溶液を重合開始剤とし
て、酢酸ビニル450g、2−エチルヘキシルアクリレ
ート50gの混合物を4時間で連続滴下した。80℃で
2時間熟成し、酢酸ビニル−2−エチルヘキシルアクリ
レート共重合体エマルジョン(固形分55%)を得た。
【0053】実施例1〜6および比較例1〜6 表1記載の成分を表1記載の割合(樹脂エマルジョンは
固形分量)で使用してエマルジョン接着剤を製造し、評
価した。なお、ADHとブロック化剤は、ADHの20
%水溶液に、撹拌下、表1に記載のブロック化剤を添加
し、ブロック化ADHとしたものを、いずれもそのまま
分散した状態で使用した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果から、本発明のエマルジョン接
着剤の場合、一液で、接着剤として使用し得るに充分な
ポットライフをもち、耐温水、耐煮沸接着性に優れてい
ることがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明のエマルジョン接着剤は、充分な
ポットライフをもち、耐水性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 DD022 DE011 DE021 DE031 DF011 DF041 DF051 DF061 GA05 GA06 GA07 GA08 HA126 HA146 HA216 HA306 HC02 HC09 HC15 JA03 KA16 KA42 LA05 LA06 LA07 MA01 MA08 MA09 NA12 NA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアセチル化ポリビニルアルコール
    を保護コロイドとして製造された酢酸ビニルを主成分と
    する重合体とブロック化多価ヒドラジン化合物とを含有
    する酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤。
  2. 【請求項2】 酢酸ビニルを主成分とする重合体が酢酸
    ビニルの単独重合体または酢酸ビニルとエチレン、アク
    リル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリ
    ル酸エステル、バーサチック酸ビニルよりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の単量体との共重合体である請求
    項1記載のエマルジョン接着剤。
  3. 【請求項3】 ブロック化多価ヒドラジン化合物が、多
    価ヒドラジン化合物をケトン類またはケトンアルコール
    類によってブロック化したものである請求項1または2
    記載のエマルジョン接着剤。
  4. 【請求項4】 木工用に使用される請求項1、2または
    3記載のエマルジョン接着剤。
  5. 【請求項5】 水溶性塩基性物質によりpH6〜8に調
    整された請求項4記載のエマルジョン接着剤。
  6. 【請求項6】 水溶性塩基性物質が水溶性有機アミンで
    ある請求項5記載のエマルジョン接着剤。
  7. 【請求項7】 二酸化ケイ素を含有する請求項4、5ま
    たは6記載のエマルジョン接着剤。
JP11169909A 1999-06-16 1999-06-16 酢酸ビニル系樹脂エマルジョン接着剤 Pending JP2001003023A (ja)

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