JP2001311066A - 耐水性合板用接着剤 - Google Patents
耐水性合板用接着剤Info
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Abstract
接着作業性を維持しつつ、優れた耐水性、耐熱水接着性
を発現し、合板からの発生ホルムアルデヒド量がF1規
格に合格する程度に低い接着剤並びにそれを用いた針葉
樹系合板の提供。 【解決手段】 酢酸ビニルまたは酢酸ビニルと(メタ)
アクリル酸エステル類の合計が80〜99.9重量%お
よびアクリル酸0.1〜20重量%からなるモノマ−を
乳化重合して得られる酢酸ビニル−アクリル酸系共重合
体エマルジョン20〜95重量部とレゾール樹脂80〜
5重量部(合計で100重量部)を組み合わせたことを
特徴とする耐水性合板用接着剤。
Description
剤に関するものであり、さらに詳しくは低ホルムアルデ
ヒド化され、かつ針葉樹などのようにヤニ成分を多く含
み接着性に難のある合板において、高温度の熱水下でも
接着力の低下の少ない性能を有する耐水性合板用接着剤
に関するものである。
互に直交させながら積層接着して作られ、この場合に用
いられる接着剤としてはメラミン- ホルムアルデヒド樹
脂、尿素- ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂系接
着剤が主として用いられてきた。最近は一部において低
ホルムアルデヒド化またはノンホルムアルデヒド化を目
的として、酢酸ビニル樹脂系やこれらを変性した酢酸ビ
ニル系樹脂組成物なども接着剤として用いられている。
入手難になっており、針葉樹を素材とした合板の比率が
年々増加している。針葉樹は一般にヤニ成分が多いた
め、広葉樹単板に使用されてきたこれら接着剤では針葉
樹単板に対しては親和性、ぬれ性が弱く、はじきが生じ
るため接着性、なかでも耐水性、耐熱水接着性、耐久
性、安定性などの点で極めて不十分なものであり、針葉
樹単板に従来の接着剤を用いた合板では厳しい耐煮沸水
性が要求されるJAS一類規格には到底合格しないもの
であった。
から一般にフェノ−ル樹脂系接着剤が用いられている
が、フェノ−ル樹脂系接着剤はアミノ樹脂系接着剤と比
較したときに硬化性が著しく劣るため、合板の製造にお
ける熱プレスの際、高温、長時間を必要とし、これがた
めに作業性と生産効率の著しい低下を招き、またプレス
後の製品の厚みが減少し、これが表面劣化の原因とな
り、商品価値の低下をもたらしている。
汚染による健康障害、すなわちシックハウス症候群の問
題がクロ−ズアップされ、JAS規格におけるホルムア
ルデヒド放散量の規格で、F1規格(ホルムアルデヒド
放散量=0.5mg/l以下)が要求されている。この
ため、従来のアミノ樹脂系接着剤やフェノ−ル樹脂系接
着剤を改善して、低ホルムアルデヒド放散型にするため
接着剤におけるホルムアルデヒドの使用モル比を少なく
して製造することが一般的に行われているが、ホルムア
ルデヒド使用モル比の低下は樹脂接着剤の安定性を著し
く悪化するとともに、接着力、特に耐水、耐熱水接着力
が著しい低下を招く結果になる。
−ル、ホルムアミド、マロンニトリル、芳香族アミン、
ノボラック、パラトルエンスルホン酸、スルファミン
酸、蟻酸、フェノールスルホン酸などの硬化助剤などが
提案されているが、多量に添加しないと効果が小さく、
多量に添加すると糊液の安定性を著しく損ね、糊液は急
速に増粘し、作業性、生産性に支障を来すという問題点
があった。
樹単板におけるアミノ樹脂系接着剤使用時の生産性、す
なわちアミノ樹脂系接着剤を用いた場合と同条件の合板
のプレス接着工程における圧力、温度、時間およびその
他の接着作業性を維持しつつ、JAS一類に合格する針
葉樹単板に対する優れた耐水性、耐熱水接着性を発現
し、合板からの発生ホルムアルデヒド量がF1規格に合
格する程度に低い接着剤並びに耐水性、耐熱水接着性に
優れた針葉樹系合板を提供するものである。
達成するものである。すなわち本発明は、(1) 酢酸
ビニル−アクリル酸系共重合体エマルジョン20〜95
重量部とレゾール樹脂80〜5重量部(合計で100重
量部)を組み合わせたことを特徴とする耐水性合板用接
着剤、(2) 酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エマ
ルジョンが、酢酸ビニルおよびアクリル酸またはこれら
と(メタ)アクリル酸エステル類(本発明においては
「アクリル酸および/またはメタクリル酸」の両者を一
括して「(メタ)アクリル酸」と記載する。)の少なく
とも1種からなる酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エ
マルジョンである上記(1)に記載の耐水性合板用接着
剤
体エマルジョン酢酸はビニルまたは酢酸ビニルと(メ
タ)アクリル酸エステル類の合計が80〜99.9重量
%およびアクリル酸0.1〜20重量%からなるモノマ
−を乳化重合して得られる酢酸ビニル−アクリル酸系共
重合体エマルジョンである上記(1)に記載の耐水性合
板用接着剤、(4) レゾール樹脂が水溶性フェノール
樹脂である上記(1)に記載の耐水性合板用接着剤、お
よび(5) 針葉樹単板を、酢酸ビニル−アクリル酸系
共重合体エマルジョン20〜95重量部とレゾール樹脂
80〜5重量部(合計で100重量部)を組み合わせた
耐水性合板用接着剤を用いて製造した耐水性合板を開発
することによって上記の目的を達成した。
ニル−アクリル酸系共重合体エマルジョンは酢酸ビニル
を主体とし、これに少量のアクリル酸を配合したモノマ
ーまたは酢酸ビニルとアクリル酸にさらに(メタ)アク
リル酸エステル類を配合したモノマーを乳化重合するこ
とによって製造することができる。
クリル酸エステル類としては、特に限定されるものでは
ないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n- プロピル、(メタ)
アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n- ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸t- ブチル、(メ
タ)アクリル酸n- ペンチル、(メタ)アクリル酸2-
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n- オクチル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステ
アリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸2- メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2
- エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2- メトキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸3- メトキシプロピル、
(メタ)アクリル酸2- メトキシブチル、(メタ)アク
リル酸3- メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4- メ
トキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類等を挙
げることができる。
あるが本発明における必須成分である。アクリル酸を用
いる理由は、接着被膜の耐水性および耐熱水接着力を向
上させるとともにレゾール樹脂の硬化を促進するためで
ある。さらに接着剤のポリマー成分以外に水酸化カルシ
ウム、ケイ砂、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム
やジルコニウム類などの2価や3価の塩類を添加する事
による、アクリル酸の中和、金属イオンによるキレ−ト
架橋を形成などにより、接着剤の耐水性、耐熱水性をよ
り改善することも適宜実施される。
タ)アクリル酸エステル類およびアクリル酸の配合割合
は、酢酸ビニルまたは酢酸ビニルと(メタ)アクリル
酸エステル類の合計が80〜99.9重量%、好ましく
は85〜99重量%およびアクリル酸0.1〜20重量
% 好ましくは1〜15重量%がよい。アクリル酸の使
用割合が0.1重量%未満の場合は、接着剤の耐水性お
よび耐熱水接着力が得られず、20重量%を超えると、
乳化重合速度が著しく低下するとともに、接着剤粘度が
異常に増粘し、取扱い作業性を著しく阻害するので好ま
しくない。
系共重合体エマルジョンまたは酢酸ビニル−(メタ)ア
クリル酸エステル−アクリル酸三元共重合体エマルジョ
ンは、通常の乳化重合法に従って製造することができ
る。重合に際しては、通常一般に用いられる重合開始剤
が使用される。具体例としては、過酸化水素、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化物ま
たはクメンハイドロパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オ
キサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量
は、前記のモノマ−類の総重量に対して、0.1〜2重
量%が好ましい。また、上記重合開始剤は、酒石酸、蟻
酸、蓚酸、酸性亜硫酸ソ−ダ、ロンガリット等の還元剤
と併用することも通常行われる。
括して添加または分割して添加することができ、例えば
連続的に滴下して反応に供することもできる。重合温度
は、通常60〜90℃で行う。
コロイドとして従来通常当業者で一般に使用されている
重合度100〜5000の完全ケン化物または部分ケン
化物などの種々のポリビニルアルコ−ル、主鎖にポリエ
チレンなどのポリオレフィン類を含有する変性ポリビニ
ルアルコ−ル系共重合体、澱粉、ヒドロキシプロピルセ
ルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−スやポリアクリル
アミド等を用いることができる。最も一般的にはポリビ
ニルアルコ−ルが用いられる。その使用量は、前記のモ
ノマ−類合計100重量部に対して0.1〜20重量
部、好ましくは、0.5〜15重量部が使用される。
れるエマルジョンの好適な粘度、さらに合板用接着剤と
して用いた場合、接着剤のシミだし等なく、好ましい塗
工作業性が得られる。これらポリビニルアルコ−ル等の
保護コロイドは単独で使用されることもあれば、複数種
類組み合わせて用いてもよく、また従来公知のノニオン
性、アニオン性またはカチオン性の界面活性剤などの併
用も可能である。
溶性フェノール樹脂)は、フェノ−ル類1モルに対して
ホルムアルデヒドを1〜3モルの割合で反応させて得ら
れるが、該反応時に触媒として、通常フェノ−ル類1モ
ルに対して0.05〜0.5モル程度の水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、アンモニア
水等のアルカリ性化合物(アルカリ触媒)を触媒として
添加使用する。乳化重合反応は通常60〜100℃の温
度で行われ、水溶性が50〜100%の範囲に達するま
で反応させる。フェノ−ル類としてはフェノ−ル、クレ
ゾ−ル、キシレノ−ル、レゾルシノ−ル等が使用可能で
ある。
分として前記酢酸ビニル- アクリル酸共重合体エマルジ
ョンまたは酢酸ビニル- (メタ)アクリル酸エステル−
アクリル酸三元共重合体エマルジョン20〜95重量部
と前記レゾール樹脂5〜80重量部(合計して100重
量部)が混合される。
合体エマルジョンが20重量部以下、すなわちレゾール
樹脂が80重量部以上の場合は接着剤の粘度、粘性が低
すぎて単板上に接着剤が十分に乗らず、塗布量が低すぎ
ることによる接着不良が生ずる。その上にホルムアルデ
ヒドの発散量が多く、JASのF1規格に合格が難し
い。逆に、前記エマルジョンが固形分として95重量部
より多い、すなわちレゾール樹脂の割合が5重量部より
少ない場合には、レゾール樹脂による硬化が不十分で、
接着剤被膜の耐水性が不足して針葉樹単板に対して十分
な耐熱水接着力を付与できず、JAS1類の規格に合格
しない。したがって、前記エマルジョンとレゾール樹脂
の適正な混合割合は前記エマルジョン20〜95重量部
とレゾール樹脂80〜5重量部であり、好ましくはエマ
ルジョン30〜90重量部とフェノ−ル樹脂70〜10
重量部である。
として用いる場合、必要に応じて他の配合剤を添加する
ことができる。このような配合剤としては、前記以外の
セルロ−ス誘導体(例えばカルボキシメチルセルロ−ス
等)、カゼイン等の水溶性高分子、ジブチルフタレ−
ト、ジオクチルフタレ−ト、テキサノ−ル(2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ルモノイソブチ
レート)、DBE(ジベイシックエステル)等の可塑
剤、ロジン、テルペン樹脂等の粘着付与剤、無機の体質
顔料などを挙げることができる。
パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノ
−ルスルホン酸などの酸性触媒の添加し、硬化をより有
効に促進し、針葉樹単板に対する接着を助けることによ
り、広葉樹単板に対しアミノ樹脂系接着剤を使用したと
きとほぼ同一の熱圧条件下で接着でき、その結果安定し
た接着力、良好な生産性の確保が可能となる。すなわ
ち、かかる組成の接着剤は針葉樹単板に対しても低温速
硬化が可能となり、得られた合板は十分な耐水性、耐熱
水接着力を確保できる。
剤は、広葉樹、針葉樹などの各種の単板の合板用接着
剤、特に針葉樹単板の接着剤として有用である。かかる
合板用接着剤は、合板に対し優れた耐水性と耐熱水接着
力を提供することができる。すなわち針葉樹単板を用い
た合板であっても、該接着剤を用いたときはJAS1類
に合格する合板を容易に製造することができ、また得ら
れた合板はホルムアルデヒド発生量も少なく、F1規格
に合格する。本発明の合板用接着剤を用いて合板を製造
する場合、特に制限がなく従来から公知の接着剤を用い
る方法を採用することができる。例えば、本発明の合板
用接着剤を単板に塗布し、これに他の他の単板を接着さ
せ熱圧で数分間圧締する事により、合板を製造できる。
つである酢酸ビニル−アクリル酸共重合体エマルジョン
または酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル−アク
リル酸三元共重合体エマルジョンは、かならずアクリル
酸が共重合されているので、もう一つの主成分である水
溶性レゾール樹脂の硬化を助け、これら主成分を混合し
て得られる樹脂組成物は優れた耐熱水性を有し、さらに
接着工程では酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エマル
ジョン特有の優れた粘性による作業性を提供する。
ノ−ル樹脂(レゾール樹脂)がもう一つの主成分として
配合されているので、ヤニ成分が多く、接着剤をはじき
やすく、極めて難接着性の単板を使用した針葉樹合板に
おいても優れた耐熱水接着性を付与する能力がある。ま
た十分に解明することができなかったが、上記酢酸ビニ
ル−アクリル酸系共重合体エマルジョンは、レゾール樹
脂と併用するときは、レゾール樹脂から発生するホルム
アルデヒドを吸着固定するようであり、希釈倍率以上に
その発生量を低下させる効果が見いだせた。
らに説明する。
ルジョンの合成)撹拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロ
−トを備えた1リットルセパラブルフラスコに、完全ケ
ン化ポリビニルアルコ−ル(ケン化度98モル%、重合
度1700、(株)クラレ製、PVA−117)の10
%水溶液400gと水100gとを仕込み、70℃に昇
温した。
酒石酸1gを加え、直ちに酢酸ビニル390gおよびア
クリル酸10gの混合液を4時間で滴下した。また、3
0%過酸化水素水2.5gに水を加え、全量50gとし
た水溶液を、上記モノマ−類滴下と同時に滴下し、乳化
重合を行った。なお、この時のフラスコ内温が80〜8
5℃になるように、外温をコントロ−ルした。滴下終了
後、80〜85℃で1時間保った後、30℃以下に冷却
し、テキサノ−ル30gを添加し、エマルジョンを得
た。得られた酢酸ビニル- アクリル酸共重合体エマルジ
ョンの固形分濃度(105℃、1時間乾燥後、以下同
じ)は47.8%、粘度(BH型粘度計、10回転、2
3℃)は、3200mpa.sであった。
還流冷却機、滴下ロ−トを備えた1リットルセパラブル
フラスコに、フェノール300gと37%ホルマリン3
92gを仕込み、85℃に昇温し、10%の苛性ソ−ダ
水溶液113gを添加して水溶性が250%になるまで
反応させ、冷却後樹脂を得た。得られたレゾール樹脂の
固形分濃度(135℃、1時間乾燥)は50.2%、粘
度は150mpa・sであった。上記で得られた酢酸ビ
ニル−アクリル酸共重合体エマルジョン80重量部とレ
ゾール樹脂20重量部とを混合して合板用接着剤を作製
した。
体エマルジョン40重量部と実施例1のレゾール樹脂6
0重量部を混合して合板用接着剤を作製した。
体エマルジョンの合成においてポリビニルアルコールと
して、PVA117の代わりにPVA217(クラレ社
製、ケン化度88モル%、重合度1700)を用いて合
成した以外は実施例1とまったく同様に合成してエマル
ジョンを得た。得られた酢酸ビニル−アクリル酸共重合
体エマルジョンの固形分濃度は47.6%、粘度は53
00mpa・sであった。上記酢酸ビニル−アクリル酸
共重合体エマルジョン80重量部と実施例1の合成例の
レゾール樹脂20重量部とを混合して合板用接着剤を作
製した。
体エマルジョンの合成において、酢酸ビニル390g、
アクリル酸10gを酢酸ビニル380g、アクリル酸3
0gに変更したこと以外は、実施例1とまったく同様に
実施し、エマルジョンを得た。得られた酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体エマルジョンの固形分濃度は46.8
%、粘度は12000cpsであった。上記酢酸ビニル
−アクリル酸共重合体エマルジョン80重量部と実施例
1のレゾール樹脂20重量部とを混合して合板用接着剤
を作製した。
体エマルジョンの合成において、酢酸ビニル390gを
酢酸ビニル310g、アクリル酸n−ブチル85gに変
更したこと以外は、実施例1とまったく同様に実施し、
エマルジョンを得た。得られた酢酸ビニル−アクリル酸
n−ブチル−アクリル酸三元共重合体エマルジョンの固
形分濃度は47.2%、粘度は5600cpsであっ
た。上記酢酸ビニル−アクリル酸n−ブチル−アクリル
酸三元共重合体エマルジョン40重量部と実施例1のレ
ゾール樹脂60重量部とを混合して合板用接着剤を作製
した。
体エマルジョンをそのまま合板用接着剤として用いた。
接着剤として用いた。
体エマルジョンの合成において、酢酸ビニル395g、
アクリル酸10gを、アクリル酸を使用せず酢酸ビニル
400gに変更したこと以外は、実施例1とまったく同
様に実施し、エマルジョンを得た。得られたエマルジョ
ンの固形分濃度は47.4%、粘度は2600mpa・
sであった。これに実施例1とまったく同様にレゾール
樹脂を混合して合板用接着剤を作製した。
体エマルジョンの合成において、酢酸ビニル395g、
アクリル酸10gを酢酸ビニル300g、アクリル酸1
00gに変更したこと以外は、実施例1とまったく同様
に実施したところ、反応の初期からリフラックスが激し
く、重合が進まない状態で、反応途中で中断せざるをえ
なくなり、接着剤としてのエマルジョンを得ることがで
きなかった。
用接着剤を用いて針葉樹単板を接着し、合板の接着性能
を測定した。測定方法と測定条件を以下に示す。また、
測定結果を表1に示す。 (合板の引っ張せん断強度試験方法) (1)接着条件 基材;カラマツ単板(厚さ:表2.0mm×芯3.0mm×
裏2.0mm/クロス貼り3プライ) 温度;20℃ 塗布量;20g/900cm2 圧締圧;冷圧8kg/cm2 ×20分→熱プレス120
℃、8kg/cm2×3分 その他;レゾール樹脂の硬化剤としてパラトルエンスル
ホン酸(PTS)をレゾール樹脂固形分に対して15重
量%添加
で測定 (b)煮沸繰り返し接着強度;煮沸4時間、60℃で2
0時間乾燥後、さらに煮沸4時間、10分間水浸漬後測
定 注)各接着強度は、Kg/cm2 (すべて木材の材料
破壊) (c)F放散量は合板からのホルムアルデヒド放散量
(mg/l)
接着力の測定条件が厳しいJAS一類の耐煮沸試験にお
いて、特に難接着性の針葉樹単板を用いて製造した合板
でも合格でき、作業性についても従来の広葉樹に対する
メラミン樹脂を使用した場合に遜色なく生産性に優れ、
しかもホルムアルデヒド放散量はJASF1規格に合格
するものであり、建築材としては優れた合板を得ること
ができ、新築家屋内などの環境に大きな寄与をなすもの
である。これだけの性能と機能を具備した合板用接着剤
は従来見あたらないものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エマ
ルジョン20〜95重量部とフェノール樹脂(レゾール
系樹脂)80〜5重量部(合計で100重量部)を組み
合わせたことを特徴とする耐水性合板用接着剤。 - 【請求項2】 酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エマ
ルジョンが、酢酸ビニルおよびアクリル酸またはこれら
と(メタ)アクリル酸エステル類の少なくとも1種から
なる酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エマルジョンで
ある請求項1に記載の耐水性合板用接着剤。 - 【請求項3】 酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エマ
ルジョンが、酢酸ビニルまたは酢酸ビニルと(メタ)ア
クリル酸エステル類の合計80〜99.9重量%および
アクリル酸0.1〜20重量%からなるモノマ−を乳化
重合して得られる酢酸ビニル−アクリル酸系共重合体エ
マルジョンである請求項1に記載の耐水性合板用接着
剤。 - 【請求項4】 レゾール樹脂が水溶性フェノール樹脂で
ある請求項1に記載の耐水性合板用接着剤。 - 【請求項5】 針葉樹単板を、酢酸ビニル−アクリル酸
系共重合体エマルジョン20〜95重量部とレゾール樹
脂80〜5重量部(合計で100重量部)を組み合わせ
た耐水性合板用接着剤を用いて製造した耐水性合板。
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