JP2001002961A - 汚染除去性に優れた塗料組成物 - Google Patents
汚染除去性に優れた塗料組成物Info
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Abstract
問題を生じず、均一な厚みの塗膜を形成でき、塗装作業
性に適切な粘度の塗料組成物であり、形成される塗膜
が、体積収縮によって経時的に割れを生じることがな
く、その一方で、表面に付着した汚染物質の除去性に優
れる、表面エネルギーの高い緻密な塗膜を形成する塗料
組成物を得る。 【解決手段】特定シリル基単位を含む、重量平均分子量
500〜5000の直鎖状オルガノシロキサンオリゴマ
ー、特定の3官能性オルガノアルコキシシランモノマ
ー、特定金属アルコキシド、有機スズ化合物を含有する
塗料組成物。
Description
されるような現場にて躯体に塗装し、不燃性の無機質塗
膜を形成する塗料組成物に関するものである。
塗装を施して、躯体の保護や美観の向上が図られてい
る。特に、大気中の塵埃等の付着や落書き等の汚染物質
の付着については、洗浄により容易に汚染物質が除去で
きることが求められている。すなわち、これらの汚染物
質の付着があった場合にも、塗膜内部への汚染物質の浸
透が妨げられる結果、表面の汚染物質を除去するだけ
で、清浄な塗膜表面を復活できるというものである。
ためには、塗膜表面エネルギーが高く、撥水撥油性であ
ることが好ましい。さらに、塗膜内部への汚染物質の非
浸透性を高めるためには、塗膜構造が緻密であり、分子
の架橋密度が高いことがより好ましい。また、躯体の保
護機能が、長期に亘って維持される必要性から、比較的
耐候性に優れた塗膜を形成する必要がある。このような
要求を満たす塗料用バインダーとして、シリコーン樹脂
系のバインダーが好適に使用されてきた。
の場合には、一般に2官能性と3官能性のオルガノアル
コキシシランモノマーを触媒により脱水縮合させて、常
温において、緻密で撥水撥油性に優れたシロキサン結合
の三次元架橋塗膜を形成するものである。また、シリコ
ーン樹脂バインダーは、不燃性でもあるため、建築物屋
内やトンネル内、地下道内等の不燃性を要求される部位
にも使用可能であった。
3官能性のオルガノアルコキシシランモノマー液は、そ
の粘度が非常に低いため、塗装作業時に垂れを生じた
り、均一な膜厚を形成しづらいとの問題点があった。そ
こで、予め3官能性のオルガノアルコキシシランモノマ
ーのみ、もしくは2官能性と3官能性のオルガノアルコ
キシシランモノマーを適当に加水分解縮合させた、オル
ガノアルコキシシランオリゴマーを用意し、塗膜形成時
に脱水縮合触媒を加えて、架橋をさらに3次元的に形成
させる形態で使用する方法が用いられていた。
キシシランモノマーが、脱水縮合により架橋反応して形
成される塗膜においては、塗膜内部に未反応の架橋部位
(オルガノアルコキシ基)が存在する場合があり、これ
が塗膜内部に残存する触媒と反応して、経時的に架橋反
応が進行する。その結果、体積収縮が生じ、経時的に割
れを発生する場合があった。
進効果で、架橋密度の高い緻密な塗膜を形成し、汚染物
質の塗膜内部への浸透を防止するという目的が、一方で
は塗膜の経時的な割れに通ずるという相反する問題とな
っていた。
題は、現場塗装時において立ち上がり部位での垂れの問
題を生じず、均一な厚みの塗膜を形成できるという、塗
装作業性に適切な粘度の、無溶剤オルガノアルコキシシ
ランオリゴマーをバインダーとしながら、体積収縮によ
る塗膜の経時的な割れを生じることがなく、その一方
で、表面に付着した汚染物質が、内部に浸透するのを妨
げ、汚染物質の除去性に優れる、表面エネルギーの高い
緻密な塗膜を形成する塗料組成物を得ることである。
るために、本発明者らは鋭意検討の結果、特定のオルガ
ノアルコキシシランオリゴマーとオルガノアルコキシシ
ランモノマーを併用し、特定の硬化剤および触媒を併用
することに想到し、本発明を完成した。
料組成物は、以下の特徴を有するものである。
または、R1Si(OR)O2/2単位およびR1 2S
iO2/2単位(R1は互いに同一または異種の置換ま
たは非置換の炭素数1から3の一価炭化水素基を示す。
Rはメチル基、エチル基を示す。)を含む、重量平均分
子量500〜5000の直鎖状オルガノシロキサンオリ
ゴマー(B)一般式R2Si(OR)3で示される構造
(R2は炭素数4以上の、アルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基を
示す。Rはメチル基、エチル基を示す。)の3官能性オ
ルガノアルコキシシランモノマー、(C)Ti、Zr、
Alから選択される1種以上の金属アルコキシドまたは
その縮合物、(D)有機スズ化合物を含有することを特
徴とする汚染除去性に優れた塗料組成物。
はその縮合物であることを特徴とする1.に記載の汚染
除去性に優れた塗料組成物。
6、(C)と(D)のモル比が1:1〜3であることを
特徴とする1.または2.に記載の汚染除去性に優れた
塗料組成物。
基づき詳細に説明する。
キサンオリゴマー(以下「(A)成分」という。)は、
3官能性シロキサン単位(R1Si(OR)O2/2)
単独、または、3官能性シロキサン単位(R1Si(O
R)O2/2)と2官能性シロキサン単位(R1 2Si
O2/2)を含有するものである。ここで各シロキサン
単位のR1は、互いに同一または異種の置換または非置
換の炭素数1から3の一価炭化水素基を示し、メチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、
アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、およびこれ
らの基の水素原子がハロゲン原子等で置換されたものが
例示される。また、Rはメチル基、エチル基を示す。
(R1Si(OR)O2/2)と2官能性シロキサン単
位(R1 2SiO2/2)からなる場合の両者の比率
は、特に限定されることがなく、必要とする塗膜の耐久
性を考慮して適宜調整すれば良い。
造されているメチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等の
3官能性オルガノアルコキシシランや2官能性オルガノ
アルコキシシランを適当な触媒の存在下に加水分解縮合
させることにより得られる。
シシランモノマー(以下「(B)成分」という。)は、
一般式R2Si(OR)3で示される構造を有するもの
である。ここで、R2は炭素数4以上の、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキ
ル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ヘ
キサジエニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテ
ニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、
フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基を示
す。このような化合物の中で、本発明における効果を発
揮するために最適なものとしては、嵩高い官能基を有す
るシクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基
が好ましい。さらに、Rはメチル基、エチル基を示す。
される1種以上の金属アルコキシドまたはその縮合物
(以下「(C)成分」という。)は、特に限定されるも
のではないが、MがTiの場合、すなわち、アルコキシ
チタン化合物またはその縮合物が、反応性および形成さ
れる塗膜の可撓性の点から好ましい。このようなアルコ
キシチタン化合物は、従来公知のものが使用可能であ
り、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラn−ブトキシチタン、チタン2−エチルヘキ
シオキシド、チタンジイソプロポキサイドビス(エチル
アセトアセテート)、チタンジn−ブトキサイド(ビス
−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポ
キサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジn
−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テ
トライソプロポキシチタン縮合物、テトラn−ブトキシ
チタン縮合物等が例示され、これらの内で2種以上の併
用も可能である。このような化合物の中で、加水分解反
応速度を考慮するとテトラn−ブトキシチタンが好まし
い。
「(D)成分」という。)は、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエー
ト、オクトエ酸第一錫、ナフテン酸第一錫、オレイン酸
第一錫、イソ酪酸第一錫、リノール酸第一錫、ステアリ
ン酸第一錫、ベンゾール酸第一錫、ステアリン酸第一
錫、ナフトエ酸第一錫、ラウリン酸第一錫、o−チム酸
第一錫、β−ベンゾイルプロピオン酸第一錫、クロトン
酸第一錫、トロパ酸第一錫、p−ブロモ安息香酸第一
錫、パルミトオレイン酸第一錫、桂皮酸第一錫、および
フェニル酢酸第一錫のようなカルボン酸の錫塩などが例
示され、これらの内で2種以上の併用も可能である。こ
のような化合物の中で、加水分解触媒効果の反応速度か
らジブチル錫ジアセテートが好ましい。また、このよう
な錫触媒に加えて酸触媒を用いることも可能である。こ
のような酸触媒としては、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢
酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、蓚酸、クエン酸
等の有機酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸があ
げられる。
ノマーに比較すると、塗装時の作業性に優れた粘度とな
る(A)成分を、塗膜形成バインダーの主要成分として
いる。さらに、(A)成分のアルコキシシリル基が大気
中の湿気と反応して加水分解縮合する際に、同じく
(B)成分もアルコキシシリル基が加水分解縮合して
(A)成分とともに、塗膜構造中に取りこまれる。ここ
で塗膜構造中に取り込まれた(B)成分は、その化学構
造中に有する有機基の嵩高さにより、塗膜が経時的な加
水分解反応により収縮するのを押さえる緩衝効果を発揮
する。
かに行うために、(C)成分と(D)成分をさらに配合
する。これら(C)、(D)成分の作用機構について
は、詳細には定かでないが、概ね以下のような機構によ
るものと推察される。
中の湿気と反応して加水分解し、水酸基を生じる。この
水酸基が、上記(A)、(B)成分のアルコキシシリル
基と反応して、脱アルコール反応と共に、Sn−O−S
iおよびM−O−Si結合を形成する。さらに、Sn−
O−Si結合は、(A)、(B)成分が加水分解して生
じたシラノール基と反応して、Si−O−Si結合を形
成すると共に、Sn−OHとなり再び、(A)、(B)
成分と反応するという繰り返しを行う。このように
(D)成分は、系中において触媒として作用をするた
め、一度Sn−OH構造を生じると、塗膜の内部におい
て、アルコキシシリル基やシラノール基の加水分解縮合
反応を促進し、緻密な高架橋密度の塗膜を形成する。こ
の緻密な塗膜構造が、汚染物質の塗膜内部への染み込み
に対する抵抗性となって発揮される。
結合を形成した後には、この結合に取りこまれてしま
う。特にTiにおいてこの傾向は顕著である。ここでT
iを例にして示すと、形成されるTi−O−Siの結合
は、(A)、(B)成分が加水分解縮合して形成される
Si−O−Si結合に比較して、可撓性を有するため、
形成される塗膜は、緻密でありながら、割れを生じない
ものとなるのである。
(B)、(C)、(D)成分を混合して用いるが、
(A)、(B)成分を混合した主剤と、(C)、(D)
成分を混合した硬化剤の2パックとしても良い。
(A)、(B)成分と(B)、(C)成分の混合比率
は、塗膜が充分硬化反応を生じるように適宜調整すれば
良いが、(A)成分と(B)成分のモル比は、1:2〜
6となるように調整するのが好ましい。(B)成分が2
より少ないと、形成される塗膜の体積収縮を緩衝させる
効果が低下するからである。一方、(B)成分が6より
多いと、形成される塗膜の架橋密度が低下し、汚れの染
み込み抵抗性が低下する。
は、1:1〜3となるように調整する必要がある。
(D)成分が1より少ないと、形成される塗膜の架橋密
度が低下し、汚れの染み込み抵抗性が低下する。一方、
(D)成分が3より多いと、(C)成分による可撓性付
与効果が不充分となり、形成される塗膜の架橋密度の高
さに起因して塗膜が脆くなる傾向となる。
に通常塗料に配合する顔料を配合することができる。こ
のような顔料は、着色顔料として、酸化チタン、酸化亜
鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロ
ム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、
オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、ア
ゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン
系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソイ
ンドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン
系、キノフタロン系等の有機顔料が使用できる。また、
体質顔料としては、重質炭酸カルシウム、クレー、カオ
リン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土等を使用することが可能であ
る。特に、艶消し塗膜を形成する場合には、ホワイトカ
ーボン、珪藻土を使用することが最適である。なお、こ
れらの無機物質を塗料に添加する際に、粉体表面をカッ
プリング剤で処理したり、塗料にカップリング剤を添加
することは好ましい手段である。
化チタンを配合する場合は、シリコーン樹脂バインダー
の優れた耐候性により、光触媒効果の発揮によりバイン
ダーが劣化し難く、また、本発明塗料組成物の塗装作業
性の良好な粘度範囲から好ましい態様である。
のために、溶剤を配合しても良い。このような溶剤とし
ては、(A)成分および(B)成分を溶解するか、溶解
しなくとも混合時に沈澱を生じない溶剤であれば特に限
定されることはなく、一般の塗料で使用される脂肪族炭
化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、
アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ア
ルコールエステル類、ケトンアルコール類、エーテルア
ルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エ
ステルエーテル類を使用することができる。
通常塗料に配合することが可能な各種添加剤を、本発明
の効果に影響しない程度に配合することが可能である。
このような添加剤としては、可塑剤、防腐剤、防黴剤、
防藻剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、沈降防止剤、
たれ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、増粘剤、流動
調整剤、乾燥調整剤等があげられる。
ワタカップにおいて15秒以上とすることにより、最も
良好に本発明の効果を発揮できる。このような粘度範囲
となるように、(A)、(B)、(C)、(D)比率を
調整することで、塗装時に垂れを生じない、均一で平滑
な塗膜表面を形成しやすいため、汚染物質の付着があっ
ても、洗浄やふき取りにより、汚染物質が残存すること
なく除去できるからである。従来のアルコキシシランモ
ノマーを直接加水分解縮合させるものについては、この
ような粘度範囲に塗料組成物を調整することが極めて困
難であり、本発明においては、(A)成分の直鎖状オル
ガノシロキサンオリゴマーを使用する点に起因する効果
である。
されるものではなく、スプレー塗装、ローラー塗装、フ
ローコート、浸漬塗装、刷毛塗り等の何れの方法によっ
て塗装してもよい。
れた、塗膜表面に付着した汚染物質については、一般の
洗浄剤、溶剤でふき取る方法によって除去することが可
能である。
徴をより明確にする。
の配合にて各塗料組成物を製造した。尚、表中の数値は
「モル比」、「秒」を除き重量部を示す。その後、各塗
料組成物を、室温25℃、相対湿度60%の試験室条件
にて、イワタカップを用いて、その流下時間を測定する
と共に、0.8×70×150mmのアルミ板に、ウエ
ット膜厚125μmにてアプリケーター引きした。この
ようにして作製した各試験体について、塗装作業性試験
を除いて、以下の各試験を実施した。
値」に準拠して、試験室で7日間養生した試験体の剥が
れを生じる鉛筆硬度を確認した。結果を表4、表5に示
した。
割れの有無を目視にて確認した。このとき割れの発生し
なかったものを○、割れの発生したものを×とした。結
果を表4、表5に示した。
潤冷熱繰返し性」に準拠して、試験体を20±2℃の水
中に18時間浸した後、直ちに−20±3℃に保った恒
温槽に3時間冷却し、次に50±3℃に保った別の恒温
槽で3時間加温する。この操作を10回繰り返した後、
標準状態に約1時間置いて、塗膜表面の状態を目視にて
観察する。この際に割れや剥がれを全く生じなかったも
のを○、微小な割れの発生したものを△、明確に割れ、
剥がれを生じたものを×として評価した。結果を表4、
表5に示した。
が、7日間経過後にトルエンにて拭き取り可能であるか
どうかを確認した。このとき拭き取り可能なものを○、
拭き取り可能であるが、若干跡が残るものを△、除去不
可能なものを×とした。結果を表4、表5に示した。
×300mmのスレート板にウールローラーにて、塗付
量200g/m2にて全面塗装を行った。このとき塗料
の垂れがなく、均一で平滑な塗膜を容易に形成できるも
のを○、ほぼ平滑な塗膜を形成できるものを△、塗料の
垂れが生じるものを×として評価した。結果を表4、表
5に示した。
つ、各成分の比率がより好ましい態様の範囲内であり、
各試験結果は、塗膜硬度が3Hと硬質であるにもかかわ
らず、耐湿潤冷熱繰り返し性試験においても全く割れを
生じず、汚染物質であるマジックの除去性においても優
れた結果を示した。また、塗料の塗装作業性において
も、塗料が適当な粘性となっており、垂れる等の問題が
なく、均一で平滑な塗膜を容易に形成することができ
た。
チルスズジアセテートを使用した以外は、実施例1と同
様にした塗料組成物のため、実施例1と同様に、各試験
において良好な結果となった。
あるが、アルコキシシランモノマー(B成分)の配合量
が、より好ましい範囲に対して少ない塗料組成物を使用
したため、各試験においてほぼ良好な結果となったが、
塗膜の体積収縮の緩和効果が若干低下し、耐湿潤冷熱繰
り返し性試験において、ごく微小な割れを生じた。しか
しながら通常の成膜状態においては、全く割れを生じな
かった。
あるが、有機スズ化合物(D成分)の配合量が、より好
ましい範囲に対して多い塗料組成物を使用したため、各
試験においてほぼ良好な結果となったが、アルコキシチ
タン化合物による可撓性付与効果が若干不足となり、耐
湿潤冷熱繰り返し性試験において、ごく微小な割れを生
じた。しかしながら通常の成膜状態においては、全く割
れを生じなかった。
あるが、アルコキシシランモノマー(B成分)の配合量
が、より好ましい範囲に対して多い塗料組成物を使用し
たため、各試験においてほぼ良好な結果となったが、塗
膜の体積収縮の緩和効果が若干効きすぎて、結果として
塗膜の内部架橋密度の緻密さが若干不足し、汚染物質で
あるマジックの除去性において、若干摩擦跡が残る感じ
となった。しかしながら、マジックそのものの色彩は完
全に除去されていた。
あるが、有機スズ化合物(D成分)の配合量が、より好
ましい範囲に対して少ない塗料組成物を使用したため、
各試験においてほぼ良好な結果となったが、塗膜深部に
おける触媒効果が若干不充分となり、塗膜の内部架橋密
度の緻密さが不足し、汚染物質であるマジックの除去性
において、若干摩擦跡が残る感じとなった。しかしなが
ら、マジックそのものの色彩は完全に除去されていた。
ガノポリシロキサンオリゴマーを使用してはいるが、触
媒効果を発揮する有機スズ化合物(D成分)を全く配合
していないため、塗膜の架橋が不充分であり、塗膜硬度
が低く、汚染物質の塗膜内部への浸透を阻害することが
できないため、塗膜表面の汚染物質を除去しても、塗膜
内部に浸透した汚染物質の色彩は除去することができな
かった。
ガノポリシロキサンオリゴマーを使用してはいるが、可
撓性付与効果を生じる、アルコキシチタン化合物(C成
分)を全く配合していないため、塗膜の架橋が内部まで
進む結果、塗膜硬度は高くなったが、耐湿潤冷熱繰り返
し性試験の場合に、塗膜が追従できるほどの可撓性を有
さないため割れを生じてしまった。
ガノポリシロキサンオリゴマーを使用してはいるが、可
撓性付与効果を生じる、アルコキシチタン化合物(C成
分)を全く配合せず、塗膜の体積収縮の緩和効果を発揮
する、炭素数4以上のアルキル基等を有するアルコキシ
シランモノマー(B成分)を配合していないため、塗膜
の架橋が内部まで進む結果、塗膜硬度は高くなったが、
耐湿潤冷熱繰り返し性試験のみならず、自然状態におい
ても割れを生じ、成膜性に問題があることが分かった。
ガノポリシロキサンオリゴマーを使用してはいるが、塗
膜深部での架橋反応を促進する触媒効果を発揮する有機
スズ化合物(D成分)を全く配合せず、結果として塗膜
の架橋が不充分であり、汚染物質の塗膜内部への浸透を
阻害することができないため、塗膜表面の汚染物質を除
去しても、塗膜内部に浸透した汚染物質の色彩は除去す
ることができなかった。
ガノポリシロキサンオリゴマーを使用せず、アルコキシ
シランモノマーを有機スズ化合物の触媒効果によって加
水分解縮合させるものであるため、塗膜の架橋密度が充
分に緻密にならず塗膜硬度が上がらなかった。また、塗
膜が脆いため、耐湿潤冷熱繰り返し性試験において割れ
を生じてしまった。さらに、モノマーを塗膜形成主要素
としているため、塗料組成物の粘度が低く、塗装作業性
試験においても、垂れを生じ、平滑な塗膜を形成するこ
とが困難であった。
性を生じる、特定の直鎖状オルガノシロキサンオリゴマ
ーを使用したため、塗装作業性に優れた塗料組成物であ
り、形成される塗膜は、表面が撥水撥油性であり、高硬
度で緻密な構造を有しているため、汚染物質が付着して
も、塗膜内部に浸透せず、拭き取りによって容易に除去
できる。また、体積収縮を緩和させる効果があり、か
つ、架橋構造の一部に可撓性を有するため、経時的な割
れを生じることが極めて少ない。
Claims (3)
- 【請求項1】(A)R1Si(OR)O2/2単位また
は、R1Si(OR)O2/2単位およびR1 2SiO
2/2単位(R1は互いに同一または異種の置換または
非置換の炭素数1から3の一価炭化水素基を示す。Rは
メチル基、エチル基を示す。)を含む、重量平均分子量
500〜5000の直鎖状オルガノシロキサンオリゴマ
ー(B)一般式R2Si(OR)3で示される構造(R
2は炭素数4以上の、アルキル基、アルケニル基、シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基を示
す。Rはメチル基、エチル基を示す。)の3官能性オル
ガノアルコキシシランモノマー、(C)Ti、Zr、A
lから選択される1種以上の金属アルコキシドまたはそ
の縮合物、(D)有機スズ化合物を含有することを特徴
とする汚染除去性に優れた塗料組成物。 - 【請求項2】(C)がアルコキシチタン化合物またはそ
の縮合物であることを特徴とする請求項1に記載の汚染
除去性に優れた塗料組成物。 - 【請求項3】(A)と(B)のモル比が1:2〜6、
(C)と(D)のモル比が1:1〜3であることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載の汚染除去性に優
れた塗料組成物。
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JP17081999A JP4491087B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 汚染除去性に優れた塗料組成物 |
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