JP2001002988A - シリコーン樹脂塗膜の硬化方法 - Google Patents

シリコーン樹脂塗膜の硬化方法

Info

Publication number
JP2001002988A
JP2001002988A JP11170818A JP17081899A JP2001002988A JP 2001002988 A JP2001002988 A JP 2001002988A JP 11170818 A JP11170818 A JP 11170818A JP 17081899 A JP17081899 A JP 17081899A JP 2001002988 A JP2001002988 A JP 2001002988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
group
silicone resin
component
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11170818A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Ikegami
誠 池上
Norihiko Yoshioka
典彦 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SK Kaken Co Ltd
Original Assignee
SK Kaken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SK Kaken Co Ltd filed Critical SK Kaken Co Ltd
Priority to JP11170818A priority Critical patent/JP2001002988A/ja
Publication of JP2001002988A publication Critical patent/JP2001002988A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】シリコーン樹脂は、不燃性で硬質の無機質塗膜
を形成するため、傷がつきにくく、また、耐熱用塗や密
閉空間における防火性にも優れる。これは、形成される
三次元のシロキサン結合の緻密さに起因するものである
が、その反面、結合の緻密さが塗膜の脆さにつながって
いた。本来の耐熱性、耐候性、高硬度、不燃性、耐汚染
性を失うことなく、経時的な割れの問題も生じることの
ない塗膜を得る。 【解決手段】(A)シリコーン樹脂に対して、(B)特
定金属アルコキシド、(C)有機スズ化合物を、(B)
と(C)のモル比が1:1〜3となるように混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗物に塗装し、
被塗物表面に不燃性で硬質の無機質塗膜を形成すると共
に、被塗物の膨張収縮や塗膜周辺の温冷の変化により、
塗膜にクラックを生じない塗膜を形成するシリコーン樹
脂塗膜の硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、被塗物の表面に塗装を施して、躯体
の保護や美観の向上が図られている。特に、被塗物の表
面を、硬質で耐候性が高く不燃状態に変性するには、無
機質の塗膜を形成する方法が用いられており、このよう
な無機質塗膜を形成するには、塗料用バインダーとし
て、シリコーン樹脂系のバインダーが好適に使用されて
きた。
【0003】シリコーン樹脂系バインダーは、一般に常
温架橋タイプのものとして、2官能性と3官能性のオル
ガノアルコキシシランモノマーを触媒により脱水縮合さ
せて塗膜形成するものや、3官能性単独、または2官能
性と3官能性のオルガノアルコキシシランモノマーを、
予め低縮合度にて、直鎖状に縮合させたシロキサンオリ
ゴマーを、触媒によって三次元架橋させて塗膜形成する
ものがある。一方、2官能性や3官能性のオルガノクロ
ロシランモノマー等の加水分解性官能基を含有するシラ
ンモノマーが加水分解して生じたシラノールを、適当に
縮合させたポリシロキサンは、200℃以上に加熱する
ことにより、系中に残存する水酸基同士の反応を進めて
架橋塗膜を形成する。このような焼き付けタイプのシリ
コーン樹脂も、より低温で硬化をさせるためには、触媒
の添加により、水酸基同士の脱水縮合反応を促進しなけ
ればならない。この他に4官能性単位と1官能性単位の
組み合わせから成るもの、それを、末端に反応性をもつ
ポリジオルガノシロキサンと反応させたもの、ケイ素原
子に結合したビニル基をもち、その反応性を利用して重
合ないし重付加反応(ヒドロシリル化)によって硬化す
るものなどが存在するが、いずれにしても加水分解縮合
反応によって塗膜を形成させるため、触媒を用いること
が必須である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなシリコーン
樹脂は、前述のように、不燃性で硬質の無機質塗膜を形
成するため、傷がつきにくく、また、耐熱用途や密閉空
間における防火性にも優れる。このような性能は、形成
される三次元のシロキサン結合が緻密であることに起因
するものであるが、その反面、結合の緻密さが塗膜の脆
さにつながる場合があった。
【0005】すなわち三次元のシロキサン結合において
は、その結合構造中に未反応の架橋部位(オルガノアル
コキシ基)が残存しており、一方、シロキサン結合を形
成させるべく添加した触媒も、一部が塗膜内部に残存す
るため、塗膜形成後においても経時的に架橋反応が進行
する。その結果、体積収縮が生じ、経時的に割れを発生
する場合があった。
【0006】これに対して、ケイ素原子に結合した水酸
基やメトキシ基が、アルコール性の水酸基と容易に反応
することを利用して、アルキド樹脂、ポリエステル、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂等と反応させてシリコーン変
性樹脂をつくったり、有機樹脂と混合して使用したりす
ることで、形成される塗膜に可撓性を付与して、割れの
問題を解決することが行われていたが、この場合は本来
シリコーン樹脂が有していた耐候性や耐熱性、高硬度、
不燃性、耐汚染性という性能を低下させざるを得なかっ
た。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、本来の耐熱性、耐候性、高硬度、不燃性、耐汚染
性を失うことなく、経時的な割れの問題も生じることの
ない塗膜を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明者らは鋭意検討の結果、シリコーン樹
脂の硬化触媒として、特定の化合物を併用するシリコー
ン樹脂の硬化方法により、このような硬質でありなが
ら、経時的な割れを生じない塗膜を形成できることを見
出し本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明のシリコーン樹脂塗膜の
硬化方法は、 1.(A)シリコーン樹脂に対して、 (B)Ti、Zr、Alから選択される1種以上の金属
アルコキシドまたはその縮合物 (C)有機スズ化合物を、(B)と(C)のモル比が
1:1〜3となるように混合するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づき詳細に説明する。
【0011】本発明における(A)シリコーン樹脂(以
下「(A)成分」という。)は、以下に詳述したオル
ガノシロキサンモノマー(3官能性、または3官能性と
2官能性の複合)、直鎖状オルガノシロキサンオリゴ
マー、高分子量ポリシロキサン等の公知の純シリコー
ン樹脂ワニスである。
【0012】オルガノシロキサンモノマー 3官能性オルガノアルコキシシランモノマーは、一般式
Si(OR)で示される構造を、2官能性オルガ
ノアルコキシシランモノマーは、一般式R Si(O
R)で示される構造を有するものである。ここで、R
は互いに同一または異種の置換または非置換の一価炭
化水素基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、オクタデシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ヘキ
サジエニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテニ
ル基、シクロヘキセニル基、シクロ−2,4−ヘキサジ
エニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル
基、フェニルエチル基、スチリル基等のアラルキル基、
およびこれらの基の水素原子がハロゲン原子等で置換さ
れたクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル
基、パークロルフェニル基、3,4−ジブロモ−1−ク
ロロヘキシル基、2,2,2−トリフルオロトリル基、
2,4−ジブロモベンジル基、ジフルオロモノクロロビ
ニル基、2−ヨードシクロヘキセニル基等が例示され
る。また、Rはメチル基、エチル基、プロピル基等が例
示される。
【0013】直鎖状オルガノシロキサンオリゴマー 3官能性シロキサン単位(RSi(OR)O2/2
単独、または、2官能性シロキサン単位(R SiO
2/2)と3官能性シロキサン単位(RSi(OR)
2/2)を含有するものである。ここで各シロキサン
単位のRは、前述のオルガノシロキサンモノマーにお
けるRと同様であり、互いに同一または異種の置換ま
たは非置換の一価炭化水素基を示し、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、
プロペニル基等のアルケニル基、およびこれらの基の水
素原子がハロゲン原子等で置換されたものが例示され
る。
【0014】直鎖状オルガノシロキサンオリゴマーは、
従来公知の方法によって製造されているメチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイ
ソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン等の3官能性オルガノアルコキシ
シランや2官能性オルガノアルコキシシランを適当な触
媒の存在下に加水分解縮合させることにより得られる。
このような酸触媒としては、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢
酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、蓚酸、クエン酸
等の有機酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸があ
げられる。
【0015】高分子量ポリシロキサン R SiO(4−a−b)/2の構造単位を有す
るオルガノポリシロキサンである。式中、Rは同一で
も異なってもよく、非置換または置換の一価炭化水素基
であり、前述のオルガノシロキサンモノマーにおけるR
と同様である。Xは同一でも異なっていてもよく、水酸
基または加水分解性基である。このような水酸基あるい
は加水分解性基としては、カルボキシル基、イソプロペ
ノキシ基、イソブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ
基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシ
ム基等のケトオキシム基、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオ
キシ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ
基、n−ブチルアミノ基等のアミノ基、N,N−ジエチ
ルアミノキシ基等のアミノキシ基、N−メチルアセトア
ミド等のアミド基を例示することができる。aは1〜3
の数、およびbは0.01〜3の数であり、かつ0.0
1≦a+b<4を満足する数である。
【0016】本発明の(B)Ti、Zr、Alから選択
される1種以上の金属アルコキシドまたはその縮合物
(以下「(B)成分」という。)は、特に限定されるも
のではないが、MがTiの場合、すなわち、アルコキシ
チタン化合物またはその縮合物が、反応性および形成さ
れる塗膜の可撓性の点から好ましい。このようなアルコ
キシチタン化合物は、従来公知のものが使用可能であ
り、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラn−ブトキシチタン、チタン2−エチルヘキ
シオキシド、チタンジイソプロポキサイドビス(エチル
アセトアセテート)、チタンジn−ブトキサイド(ビス
−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポ
キサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジn
−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テ
トライソプロポキシチタン縮合物、テトラn−ブトキシ
チタン縮合物等が例示され、これらの内で2種以上の併
用も可能である。このような化合物の中で、加水分解反
応速度を考慮するとテトラn−ブトキシチタンが好まし
い。
【0017】本発明の(C)有機スズ化合物(以下
「(C)成分」という。)は、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエー
ト、オクトエ酸第一錫、ナフテン酸第一錫、オレイン酸
第一錫、イソ酪酸第一錫、リノール酸第一錫、ステアリ
ン酸第一錫、ベンゾール酸第一錫、ステアリン酸第一
錫、ナフトエ酸第一錫、ラウリン酸第一錫、o−チム酸
第一錫、β−ベンゾイルプロピオン酸第一錫、クロトン
酸第一錫、トロパ酸第一錫、p−ブロモ安息香酸第一
錫、パルミトオレイン酸第一錫、桂皮酸第一錫、および
フェニル酢酸第一錫のようなカルボン酸の錫塩などが例
示され、これらの内で2種以上の併用も可能である。こ
のような化合物の中で、加水分解触媒効果の反応速度か
らジブチル錫ジアセテートが好ましい。また、このよう
な錫触媒に加えて酸触媒を用いることも可能である。こ
のような酸触媒としては、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢
酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、蓚酸、クエン酸
等の有機酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸があ
げられる。
【0018】本発明では、(A)成分のアルコキシシリ
ル基を始めとする加水分解性シリル基が、大気中の湿気
と反応して加水分解し、シラノール基を発生する。この
シラノール基が脱水縮合して、シロキサン結合が形成さ
れる。このような加水分解縮合反応を常温で速やかに行
うために、(B)成分と(C)成分をさらに配合する
が、(B)、(C)成分共に、大気中の湿気と反応して
加水分解し、水酸基を生じる。この水酸基が、上記
(A)成分のアルコキシシリル基と反応して、脱アルコ
ール反応と共に、Sn−O−SiおよびM−O−Si結
合を形成する。さらに、Sn−O−Si結合は、(A)
成分が加水分解して生じたシラノール基と反応して、S
i−O−Si結合を形成すると共に、Sn−OHとなり
再び、(A)成分と反応するという繰り返しを行う。こ
のように(C)成分は、系中において触媒として作用を
するため、一度Sn−OH構造を生じると、塗膜の内部
において、アルコキシシリル基やシラノール基の加水分
解縮合反応を促進し、緻密な高架橋密度の塗膜を形成す
る。この緻密な塗膜構造が、シリコーン樹脂の耐候性の
高さと高硬度発現の基となっている。
【0019】一方、(B)成分は、上記のM−O−Si
結合を形成した後には、この結合に取りこまれてしま
う。特にTiにおいてこの傾向は顕著である。ここでT
iを例にして示すと、形成されるTi−O−Siの結合
は、(A)、(B)成分が加水分解縮合して形成される
Si−O−Si結合に比較して、可撓性を有するため、
形成される塗膜は、緻密でありながら、割れを生じない
ものになると思われる。
【0020】本発明の各成分は、使用時に(A)、
(B)、(C)成分を混合して用いるが、予め、(A)
成分を含有した主剤と、(B)、(C)成分を混合した
硬化剤の2パックとしておき、使用時に主剤と硬化剤を
混合しても良い。(A)成分と(B)、(C)成分の混
合比率は、塗膜が充分硬化反応を生じるように適宜調整
すれば良い。
【0021】次に、(B)成分と(C)成分のモル比
は、1:1〜3となるように調整する必要がある。
(C)成分が1より少ないと、形成される塗膜の架橋密
度が低下し、汚れの染み込み抵抗性が低下する。一方、
(C)成分が3より多いと、(B)成分による可撓性付
与効果が不充分となり、形成される塗膜の架橋密度の高
さに起因して塗膜が脆くなる傾向となる。
【0022】本発明には、本発明の効果を損ねない程度
に通常塗料に配合する顔料を配合することができる。こ
のような顔料は、着色顔料として、酸化チタン、酸化亜
鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロ
ム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、
オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、ア
ゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン
系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソイ
ンドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン
系、キノフタロン系等の有機顔料が使用できる。また、
体質顔料としては、重質炭酸カルシウム、クレー、カオ
リン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土等を使用することが可能であ
る。特に、艶消し塗膜を形成する場合には、ホワイトカ
ーボン、珪藻土を使用することが最適である。なお、こ
れらの無機物質を塗料に添加する際に、粉体表面をカッ
プリング剤で処理したり、塗料にカップリング剤を添加
することは好ましい手段である。
【0023】また、光触媒効果を有するアナターゼ型酸
化チタンを配合する場合は、シリコーン樹脂バインダー
の優れた耐候性により、光触媒効果の発揮によってもバ
インダーが劣化し難い。
【0024】次に本発明においては、塗装作業性の調整
のために、希釈用溶剤を配合しても良い。このような溶
剤としては、(A)成分および(B)成分を溶解する
か、溶解しなくとも混合時に沈澱を生じない溶剤であれ
ば特に限定されることはなく、一般の塗料で使用される
脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテ
ル類、アルコールエステル類、ケトンアルコール類、エ
ーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステ
ル類、エステルエーテル類を使用することができる。
【0025】さらに、本発明における塗料組成物には、
通常塗料に配合することが可能な各種添加剤を、本発明
の効果に影響しない程度に配合することが可能である。
このような添加剤としては、可塑剤、防腐剤、防黴剤、
防藻剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、沈降防止剤、
たれ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、増粘剤、流動
調整剤、乾燥調整剤等があげられる。
【0026】
【実施例】表1に示した原料を使用して、表2、表3の
配合にて各塗料組成物を製造した。尚、表中の数値は、
「B:C」を除き重量部を示す。その後、各塗料組成物
を、室温25℃、相対湿度60%の試験室条件にて、
0.8×70×150mmのアルミ板に、ウエット膜厚
125μmにてアプリケーター引きした。このようにし
て作製した各試験体について、以下の各試験を実施し
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】(試験方法) *塗膜硬度* JIS K 5400「塗料一般試験方法」8.4「鉛筆引っかき
値」に準拠して、試験室で7日間養生した試験体の剥が
れを生じる鉛筆硬度を確認した。結果を表4、表5に示
した。
【0031】*促進耐割れ性試験* 試験室で7日間養生後、80℃雰囲気下に7日間放置
し、その間に発生する割れの有無を目視にて確認した。
このとき割れの発生しなかったものを○、明確に割れの
発生したものを×とした。結果を表4、表5に示した。
【0032】*促進耐候性試験* JIS K 5658 「建築用ふっ素樹脂塗料」 4.16 「促進
耐候性」に準拠して、JIS K 5400 9.8.1 サンシャインカーボンアーク灯式耐候性
試験機を用いて、試験体を1000時間照射した後に、
60°鏡面光沢度を測定し、未照射の試験体と比較して
光沢保持率を計算した。このとき光沢保持率が80%以
上のものを○、光沢保持率が80%を下回るものを×と
して評価した。結果を表4、表5に示した。
【0033】マジック(登録商標)除去性試験 塗装翌日に塗膜表面に付着させたマジックインキ(登録
商標)(青)が、7日間経過後にトルエンにて拭き取り
可能であるかどうかを確認した。このとき拭き取り可能
なものを○、除去不可能なものを×とした。結果を表
4、表5に示した。
【0034】(配合例1)本発明の規定範囲内の組成お
よび比率であり、各試験結果は、塗膜硬度が3Hと比較
的硬質であるにもかかわらず、促進耐割れ試験において
も全く割れを生じず、促進耐候性試験においても光沢保
持率80%を維持した。さらに、汚染物質であるマジッ
クの除去性においても優れた結果を示した。
【0035】(配合例2)配合例1に対して、アルコキ
シチタン化合物が配合されない場合であり、結果として
塗膜の架橋密度が高くなりすぎて、促進耐割れ性試験に
おいて、明確な割れを生じてしまった。
【0036】(配合例3)配合例1に対して、有機スズ
化合物が配合されない場合であり、結果として塗膜の架
橋密度が低下し、汚れの除去性が低下してしまった。
【0037】(配合例4)塗装後に200℃、10分の
条件にて加熱硬化させた後、室温25℃、相対湿度60
%の試験室条件に1日間放置し、各試験を行ったとこ
ろ、各試験結果は、塗膜硬度が9Hと硬質であるにもか
かわらず、促進耐割れ試験においても全く割れを生じ
ず、促進耐候性試験においても光沢保持率80%を維持
した。さらに、汚染物質であるマジックの除去性におい
ても優れた結果を示した。
【0038】(配合例5)配合例4に対して、アルコキ
シチタン化合物が配合されない場合であり、結果として
塗膜の架橋密度が高くなりすぎて、促進耐割れ性試験に
おいて、明確な割れを生じてしまった。
【0039】(配合例6)配合例1に対して、有機スズ
化合物が配合されない場合であり、結果として塗膜の架
橋密度が低下し、汚れの除去性が低下してしまった。
【0040】(配合例7)各試験結果は、塗膜硬度が2
Hと比較的硬質であるにもかかわらず、促進耐割れ試験
においても全く割れを生じず、促進耐候性試験において
も光沢保持率80%を維持した。さらに、汚染物質であ
るマジックの除去性においても優れた結果を示した。
【0041】(配合例8)配合例7に対して、アルコキ
シチタン化合物が配合されない場合であり、結果として
塗膜の架橋密度が高くなりすぎて、促進耐割れ性試験に
おいて、明確な割れを生じてしまった。
【0042】(配合例9)配合例1に対して、有機スズ
化合物が配合されない場合であり、結果として塗膜の架
橋密度が低下し、汚れの除去性が低下してしまった。
【0043】(配合例10)本発明で規定するシリコー
ン樹脂の代わりに、変性シリコーンレジンとして、アル
キッド変性のものを使用した結果、塗膜硬度が低下し、
結果として促進耐割れ性については、問題を生じなかっ
た。しかしながら促進耐候性において、3000時間照
射後の光沢保持率が80%を下回り、耐候性に劣ること
となった。また、塗膜の架橋密度が低下しているため、
汚れの除去性が低下してしまった。
【0044】(配合例11)塗装後に200℃、10分
の条件にて加熱硬化させた後、室温25℃、相対湿度6
0%の試験室条件に1日間放置し各試験を行った。アル
コキシチタン化合物と有機スズ化合物の比率において、
本発明の規定する範囲を超えて有機スズ化合物が多いた
め、内部架橋密度が高くなりすぎて、塗膜表面の硬度が
それほど高くならないにもかかわらず、促進耐割れ性試
験において割れを生じてしまった。
【0045】(配合例12)塗装後に200℃、10分
の条件にて加熱硬化させた後、室温25℃、相対湿度6
0%の試験室条件に1日間放置し各試験を行った。アル
コキシチタン化合物と有機スズ化合物の比率において、
本発明の規定する範囲を超えて有機スズ化合物が少ない
ため、内部架橋密度が低くなり、塗膜表面の硬度は比較
的高くなるが、汚れの除去性が低下してしまった。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明は、耐候性や耐熱性、高硬度、不
燃性、耐汚染性という優れた性能を有するシリコーン樹
脂を使用しながら、その欠点である脆さを改善するため
架橋構造の一部に可撓性を付与させている。その結果、
高硬度で緻密な構造に起因して、汚染物質が付着して
も、塗膜内部に浸透せず、拭き取りによって容易に除去
でき、経時的な割れを生じることが極めて少ないという
相反する性能を共に有している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)シリコーン樹脂に対して、 (B)Ti、Zr、Alから選択される1種以上の金属
    アルコキシドまたはその縮合物 (C)有機スズ化合物を、(B)と(C)のモル比が
    1:1〜3となるように混合することを特徴とするシリ
    コーン樹脂塗膜の硬化方法。
  2. 【請求項2】(B)がアルコキシチタン化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂塗膜の
    硬化方法。
JP11170818A 1999-06-17 1999-06-17 シリコーン樹脂塗膜の硬化方法 Pending JP2001002988A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170818A JP2001002988A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 シリコーン樹脂塗膜の硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170818A JP2001002988A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 シリコーン樹脂塗膜の硬化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002988A true JP2001002988A (ja) 2001-01-09

Family

ID=15911912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11170818A Pending JP2001002988A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 シリコーン樹脂塗膜の硬化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001002988A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001002961A (ja) * 1999-06-17 2001-01-09 Sk Kaken Co Ltd 汚染除去性に優れた塗料組成物
WO2002059911A1 (fr) * 2001-01-24 2002-08-01 Totoku Electric Co., Ltd. Fil electrique revetu d'isolant en ceramique, fil electrique revetu d'isolant en ceramique auto-fondant, composition de revetement, bobine et bobine mobile pour haut-parleur
JP2007161989A (ja) * 2005-11-17 2007-06-28 Soft99 Corporation 屋外設置物用防汚コーティング剤
DE102006030651B4 (de) * 2005-07-13 2009-12-17 Daido Metal Co. Ltd., Nagoya Mit einer minimalen Schmiermenge arbeitendes System

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001002961A (ja) * 1999-06-17 2001-01-09 Sk Kaken Co Ltd 汚染除去性に優れた塗料組成物
WO2002059911A1 (fr) * 2001-01-24 2002-08-01 Totoku Electric Co., Ltd. Fil electrique revetu d'isolant en ceramique, fil electrique revetu d'isolant en ceramique auto-fondant, composition de revetement, bobine et bobine mobile pour haut-parleur
US6867374B2 (en) 2001-01-24 2005-03-15 Totoku Electric Co., Ltd. Ceramic insulation coated electric wire self-fusing ceramic insulation coated electric wire coating composition and coil and voices coil for speaker
DE102006030651B4 (de) * 2005-07-13 2009-12-17 Daido Metal Co. Ltd., Nagoya Mit einer minimalen Schmiermenge arbeitendes System
JP2007161989A (ja) * 2005-11-17 2007-06-28 Soft99 Corporation 屋外設置物用防汚コーティング剤
JP4754445B2 (ja) * 2005-11-17 2011-08-24 株式会社ソフト99コーポレーション 屋外設置物用防汚コーティング剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100250342B1 (ko) 코팅용 수지 조성물
AU745890B2 (en) Addition-crosslinkable epoxy-functional organopolysiloxane polymer and coating composition
EP0587667B1 (de) Beschichtungszusammensetzungen auf der basis von fluorhaltigen anorganischen polykondensaten, deren herstellung und deren verwendung
JP2914710B2 (ja) 無溶媒シリコーンコーティング組成物
US4385158A (en) Organopolysiloxane composition
JP2966463B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
CA1266941A (en) Ungelled resins containing hydrolyzable moieties from organosilane compounds
EP2144972B1 (de) Hydrophobe und kratzfeste lacke für metallische oberflächen und bremsstaubabweisende radbeschichtungen
JP3145298B2 (ja) コーティング用樹脂組成物、樹脂コーティング物およびそれらの製造方法
KR102088691B1 (ko) 유리막 코팅용 조성물 및 유리 코팅막 제조방법
JPS6323228B2 (ja)
KR101515824B1 (ko) 경화성 오르가노폴리실록산 조성물
JPH09141193A (ja) 耐汚染性塗装板
JP2001002988A (ja) シリコーン樹脂塗膜の硬化方法
JPH10195381A (ja) 被膜形成用組成物
JP2012116969A (ja) コーティング用組成物
JP3881076B2 (ja) シリケート化合物及びこれを含有する液状組成物
JPS60233164A (ja) 被覆用オルガノポリシロキサン組成物
GB2039231A (en) Coating crosslinked organopolysiloxanes
JPH10323619A (ja) 硬化体
JPH0721127B2 (ja) 熱衝撃抵抗性シリコーン塗料組成物
JP3242442B2 (ja) コーティング用組成物
JP2901377B2 (ja) 無機質硬化体及びプラスチック用シリコーンハードコート剤並びにシリコーンハードコートされた物品
JP2001271030A (ja) 無機質塗装品
KR102013993B1 (ko) 오염 방지를 위한 투명 코팅제 조성물 및 이를 이용한 코팅 방법