JP2000515824A - 熱転写印刷染料リボン用カセットケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 熱転写印刷染料リボン用カセットは、円筒状部材（15）を回転可能に装着した軸受手段（10）を備えたケース（１）を有し、円筒状部材の周囲に、円筒状部材（15）の回転時にセンサーによって検出できる情報担持マーク（16）を設け、また上記ケースの外側に配置されて円筒状部材を回転させる駆動源と作動係合できる手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 熱転写印刷染料リボン用カセットケース 技術分野 本発明は、熱転写印刷に、そして一層特に保管中及びサーマルプリンターで使 用時に熱転写リボンを保持するカセットケースに関するものである。 背景技術 熱転写印刷は、一つ以上の熱転写可能な染料を、熱励起に応じて染料シートか ら受けシートに転写するようにするプロセスの通常の用語である。染料シートの 全印刷領域にわたって一様に分布した一つ以上の染料を含んだ染料コートを支持 する薄い基板を備えた染料シートを用いて、染料コートを受けシートに押圧しな がら、染料シートの選択した区分の領域を加熱することによって印刷を行うこと ができる。転写したパターンの形状は、加熱される区分の領域の数や位置によっ て決まる。複雑な画像は、互いに近接して配置した多数の非常に小さな画素で構 成でき、最終画像の分解能はこのような画素非の数、大きさ及び間隔で決まる。 フルカラープリントは、異なった色の染料コートを用いて同様な仕方で順次印刷 することにより製作できる。通常、染料シートはリボンの形態を成しており、異 なった色の染料コートは、リボンに沿って繰返して順次リボンの軸線を横切る区 分されたストリップの形態を成し、三色の印刷は、プリンターにおいて染料リボ ンを受けシートに対して軸線方向に動かすことによって行われ、熱励起を起こさ せるために多数の小型ヒーターから成る印刷ヘッドやレーザービームのような適 当な手段が使用される。 普通、リボンは、本質的に一対の巻枠と成形ケースとから成るカセットに巻き 込まれて保管され、一対の巻枠は、ケース内に互いに平行に回転可能に装着され 、しかも互いに離れて位置している。各巻枠は、その両端部でケー スに装着され、リボン部分にインクリボンが巻かれ、一対の巻枠の一方は、送出 し巻枠として働き、他方の巻枠は巻取り巻枠として働く。 カセットケースは代表的には、二つの平行な半円筒形巻枠ハウジングから成り 、これらの半円筒形巻枠ハウジングの端部分は橋絡部材で相互に結合され、ハウ ジングと橋絡部材とで開放アクセス口部を画定するようにされ、この開放アクセ ス口部を通ってインクリボンは一方の巻枠から他方の巻枠へのびていく際に熱励 起を受ける。 このようなカセットにおいては、その中に収納されたインクリボンの形式及び （または）特性についての情報、例えばリボンがモノクロであるか多色のもので あるかどうかまたはリボンにおける特殊な染料の感熱度についての情報がプリン ターに提供されないという欠点がある。 カセットを挿入したときにプリンターにおけるセンサーで読み取ることのでき る情報マークをカセットの外側に設けることは公知である。しかしながら、利用 できる情報量は、センサー自体が動くようにしてない限り、センサーを通過する カセットの動く量に依存して制限され、センサー自体を動くように構成すると、 プリンターは不必要に複雑となる。 米国特許明細書第5385414号には、送出し巻枠の周面に情報マークを設けるこ とによってこの問題を解決する方法が開示されている。カセットをプリンターに 挿入する際に、送出し巻枠は回転され、それにより情報マークはセンサーを通過 する。従ってね利用できる情報量は、カセットの挿入の仕方に依存しない。 米国特許明細書第5290114号において指摘されているように、この構造では情 報読取り操作中にリボンの一部を繰出す必要があり、またこの一部が無駄となる かまたは印刷を開始する前に巻戻さなければならないという欠点がある。 米国特許明細書第5290114号によれば、この欠点は、送出し巻枠に同軸軸部分 を設けそしてこの軸部分に情報マークを担持したリングを取付けて、プリンター に配置した駆動手段で送出し巻枠自体に関係なく軸部分を回転できるようにする ことによって解決され得る。 カセット本体はエンドユーザーが染料リボンを交換できるように構成され得、 それにより原料の使用量を節約できかつコスト及び環境の面で有利となる。 しかしながら、米国特許明細書第5290114号の装置は、結果として複雑な巻枠 を製造することになり、カセットがリボンを交換できる再装填可能な形式のもの である場合には、各送出し巻枠におけるコードホィールに必要とされる原料が過 度に無駄となる。 発明の開示 本発明によれば、円筒状部材を回転可能に装着した軸受手段を備えたケースを 有し、円筒状部材の周囲に、円筒状部材の回転時にセンサーによって検出できる 情報担持マークを設け、また上記ケースの外側に配置されて円筒状部材を回転さ せる駆動源と作動係合できる手段を有する熱転写印刷用染料リボンカセットが提 供される。 本発明による装置は、米国特許明細書第5290114号に開示された装置に勝る多 くの利点をもっている。米国特許明細書第5290114号のものにおいては、染料リ ボンと送出し巻枠と巻取り巻枠との各組立体はそれ自体情報担持部材を必要とし ているが、本発明による装置では、ケースにただ一つの情報担持部材が必要とな るだけで、原料材使用量及びコストの削減が得られる。また米国特許明細書第52 90114号のものにおける情報担持部材はケース内に染料リボンを装填する際の下 手な扱いによって損傷する危険があるが、本発明の装置ではそのような危険は避 けられる。また、本発明の装置においては、 送出し巻枠及び巻取り巻枠への染料リボンの装着は簡単化され、エラーの生じる 機会はほとんどスない。 明らかに、プリンターに配置される駆動手段及びセンサーに対する情報担持部 材の位置的関係は修正動作に対して重要である。本発明においては、情報担持部 材はケースの製造中に適切な位置に固定される。これに対して、米国特許明細書 第5290114号のものにおいては、使用者が入れ替えている際に送出し巻枠を正し く位置決めすることを当てにしている。その結果、間違った位置決めの可能性を 低減するために、送出し巻枠は正確な寸法に製造されなければならないが、本発 明にまの装置では許容範囲を広く取ることができる。 本発明による装置においては、送出し及び巻取り巻枠を同一にすることができ 、このことは、使用済みの送出し巻枠を巻取り巻枠として使用できることを意味 している。これは米国特許明細書第5385414号に開示されている装置では不可能 であり、また米国特許明細書第5290114号のものの場合には、送出し巻枠及び巻 取り巻枠が供給されなければならないか、あるいは使用済みの送出し巻枠から情 報担持部材を外す付加的な作業工程が必要であり、そのためエンドユーザーにと ってはカセット本体に新しい染料シートを入れ替え難くしている。 情報担持部材は送出し巻枠と同軸になるように装着され得る。代わりに情報担 持部材は送出し巻枠とずらして装着してもよく、その場合にはセンサー及び駆動 手段を種々位置決めできるという利点がある。 本発明の好ましい形態によれば、ケースの一端に一対の同一の離間した軸が堅 固に装着され、これらの軸の一方に円筒状部材が回転自在に装着され、この軸は 円筒状部材を通って突出し、送出し巻枠の装着点を形成している。 各軸は好ましくは軸方向孔を備え、この軸方向孔にロッドが通され、この ロッドとケースの端壁との間にばねが配置され、このばねの張力に抗してロッド が軸方向に動き得るようにされている。 本発明の別の形態によれば、橋絡部材で端部分を互いに連結した二つの平行な 半円筒形巻枠ハウジングを備え、これらのハウジングと橋絡部材とで開放アクセ ス口部を画定しているケースと、上記ハウジング内に配置され、間に染料リボン が上記口部を通ってのびる、送出し巻枠及び巻取り巻枠と、巻枠のハウジングの 軸線に沿ってのびるように橋絡部材の一つに堅固に装着され、ばね負荷されかつ 軸方向に可動のロッドを通す軸方向孔を各々備え、端部が巻枠内に配置しかつ巻 枠に対する装着部を形成している、一対の同一軸と、送出し巻枠内に配置した軸 に回転自在に装着され、周囲面に、回転時にセンサーによって検出され得る情報 担持マークを備えた円筒状部材と、ケースの外側に設けられた駆動源と作動係合 でき、円筒状部材を回転させる手段とを有する熱転写印刷用カセットが提供され る。 図面の簡単な説明 本発明は、添付図面に関して以下になされる実施例の説明からさらに容易に理 解される。 図１はカセットケースの一実施例を示す。 図２は図１のケースに使用する染料リボン送りユニットを示す。 図３は図１及び図２の線III−IIIに沿ったケース内における送出し巻枠の断面 図である。 発明を実施するための最良の形態 図１を参照すると、ケース１は、リサイクルできる利点をもつアクリロニトリ ルブタジエンスチレン共重合体のような適当なプラスチック材料を用いて成形さ れ、そして二つの平行な半円筒状巻枠ハウジング２、2Aを有し、これらの巻枠ハ ウジング２、2Aの端部分は橋絡部材３、3Aによって相互に連結 され、巻枠ハウジング２、2Aと橋絡部材３、3Aとによって開放アクセス口部４が 画定されている。橋絡部材3Aは第１巻枠配置手段５を構成するように形成され、 すなわち第1巻枠配置手段５はリブ６と二つの円弧状直立部7、8とから成り、不 完全な保持リングの主要部分を形成している。橋絡部材３は一対のウエブ9を備 え、各ウエブはU字型開口を有し、このU字型開口に軸10が円筒状部分の軸線と一 致するように堅固に装着され、第２巻枠配置手段を形成している。 図３に詳細に示すように、各軸10は軸方向孔11を備え、この軸方向孔11にロッ ド12が通され、このロッド12は拡大ヘッド13を備え、このヘッド13とケース１の 端壁との間には板ばね14が配置され、板ばね14の張力に抗してロッドが軸方向に 動くことができるようにされている。 ケース１の半円筒状部分２に装着した軸には円筒状部材15が回転自在に装着さ れ、円筒状部材15の周面には情報マーク16例えばバーコード及び歯車リング17が 取付けられている。図１に見られるように、軸10は円筒状部材15の端面を越えて 突出するように十分に長くされている。ケースの開口18を介して歯車リング17は プリンターにおける適当な駆動手段、例えば米国特許明細書第5385416号に開示 されているような駆動手段と係合できる。軸の端部及び板ばねはカバー19で包囲 されウエブに保持されている。図３に示すように、軸上における円筒状部材の軸 方向動きは軸上の環状突起とカバーとの間に位置した円筒状部材で阻止される。 次に、図２を参照すると、ケースに挿入される染料リボンユニットは、染料リ ボン22の端部の取付けられる巻取り巻枠21と、染料リボンの巻かれている送出し 巻枠23とから成っている。これらの巻枠は同一であり、各々円筒状ボビン部分24 から成り、各円筒状ボビン部分24は一端に第１フランジ25を備え、また第１フラ ンジ25から染料リボンの幅より僅かに大きな距離離れた位 置に第２フランジ26を備えている。第２フランジ26を越えてのびた円筒状ボビン 部分の端部は中空で、プリンター駆動装置を受ける空洞を備え、その内部にはプ リンターにおける適当な駆動手段と係合する内部歯車歯27が設けられている。図 ３に示すように、第1フランジ25の設けられている巻枠端部には適当な位置に内 部凹状ウエブ28が設けられ、この内部凹状ウエブ28はロッド12と共に、巻枠をケ ース内位置決めする際の軸受を構成している。このような構造は、例えば輸送中 に巻枠が下手に扱われた際に破損され易いピップすなわちニップルが巻枠の端部 から突出している米国特許明細書第5290114号に示されている構造に勝る利点を 有している。 ケース及び染料リボンの構造のさらなる詳細については、染料リボンユニット をカセット内に装着する操作に関しての以下の説明から明らかとなろう。 巻枠はカセット平面に対して僅かに傾斜させて保持され、第１フランジ25は、 ロッドが巻枠の内側にもうけた凹部に嵌るまで軸に沿って滑動される。その後、 軸方向圧力を加えてロッドをばねに抗して動かし、巻枠の他端が円弧状垂直部７ 、８上に乗るようにし、この場合円弧状垂直部７、８は十分に弾性をもつている ので、下向きに押圧することにより巻枠の端部をこれら円弧状垂直部７、８の間 に嵌め込むことができる。第２フランジ26には凹部または突起部29が設けられ、 これらの凹部または突起部29は、カセットの移送中に巻枠を保持するためにリブ ６における相応した凹部または突起部（図示していない）と係合する。カセット をプリンターに装着すると、歯車歯27はプリンターの駆動装置と係合し、ばね14 に抗して巻枠を軸線方向に動かして、突起部が凹部から外れて巻枠が回転できる ようにする。 情報マークは米国特許明細書第5290114号に開示されているものと同様であっ てもよく、すなわち情報マークは、各々円筒状部材の半周にわたっての びる二つの別個のバーコードから成ることができるが、当然他の形態のものでも よい。プリンターを付勢すると、歯車リング17はプリンターにおける駆動源と係 合し、送出し巻枠に対して回転され、それでバーコードの少なくとも一つがプリ ンターの適当な位置に設けた従来の反射型センサーによって読み取られる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年８月１３日（１９９８．８．１３） 【補正内容】 請求の範囲 １．送出し巻枠（23）と巻取り巻枠（21）と送出し巻枠（23）及び巻取り巻枠（ 21）間にのびる染料リボン（22）とを備えた染料リボン送りユニットを受けるよ うにされ、ケース（１）を有し、ケース（１）がその一側に、染料リボン送りユ ニットの一側における送出し巻枠（23）及び巻取り巻枠（21）の端部を装着し、 送出し巻枠（23）から巻取り巻枠（21）へ染料リボン（22）を移送させるために 染料リボン送りユニットに回転駆動力を加えるようにする装着手段（５）を備え 、また他側には染料リボン送りユニットの他側における送出し巻枠（23）及び巻 取り巻枠（21）の端部を支持する軸受手段（10）を備えている熱転写印刷用染料 リボンカセットにおいて、 ケース（１）の他側において、軸受手段（10）に円筒状部材（15）が回転自在に 装着され、この円筒状部材（15）の周囲に、円筒状部材（15）の回転時にセンサ ーによって検出できる情報担持マーク（16）を設け、また上記ケースの外側に配 置されて円筒状部材（15）を回転させる駆動源と作動係合できる駆動手段（17） を有し、さらにケース（１）内における染料リボン送りユニットの存在に関係な く円筒状部材（15）及び駆動手段（17）がケース（１）内の作動位置を占めてい ることを特徴とする熱転写印刷用染料リボンカセット。 ２．ケース（１）の一側に一対の同一の離間した軸（10）が堅固に装着され、こ れらの軸の一方が円筒状部材（15）の軸受手段を成し、上記軸（10）が送出し巻 枠（23）及び巻取り巻枠（21）のそれぞれ装着点を形成していることを特徴とす る請求の範囲１に記載の熱転写印刷用染料リボンカセット。 ３．各軸（10）が軸方向孔を備え、この軸方向孔にロッド（12）が通され、この ロッド（12）とケース（１）の端壁との間にばね（14）が配置され、このばねの 作用に抗してロッド（12）が軸方向に動き得るようにされているこ とを特徴とする請求の範囲２に記載の熱転写印刷用染料リボンカセット。 ４．駆動手段が円筒状部材（15）の外周に形成された歯車リング（17）から成っ ていることを特徴とする請求の範囲１〜３のいずれか一項に記載の熱転写印刷用 染料リボンカセット。 ５．情報担持マーク（16）がバーコードから成ることを特徴とする請求の範囲１ 〜４のいずれか一項に記載の熱転写印刷用染料リボンカセット。 ６．カセットが染料リボン送りユニットと組合わされ、巻取り巻枠（21）が染料 リボン送りユニットの一側に、プリンターにおける駆動手段と係合する歯車歯（ 27）備えていることを特徴とする請求の範囲1〜５のいずれか一項に記載の熱転 写印刷用染料リボンカセット。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バーチ，テレンス，ジヨン イギリス国 イプスウイツチ アイピイ４ ４アールエイ，グレンハースト アベニ ユ ３ (72)発明者 オルトン，ジエフリー，ブルース イギリス国 エセツクス シイオー４ ３ エフイー，コールチエスター，オウルス レツトリート 16 (72)発明者 ハン，リチヤード，アントニー イギリス国 サフオーク アイピイ１ ３ テイイー，イプスウイツチ，ウツドストー ン アベニユ 22

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．円筒状部材を回転可能に装着した軸受手段を備えたケースを有し、円筒状部 材の周囲に、円筒状部材の回転時にセンサーによって検出できる情報担持マーク を設け、また上記ケースの外側に配置されて円筒状部材を回転させる駆動源と作 動係合できる手段を有することを特徴とする熱転写印刷用染料リボンカセット。 ２．ケースの一端に一対の同一の離間した軸が堅固に装着され、これらの軸の一 方が円筒状部材の軸受手段を成し、上記軸が送出し巻枠及び巻取り巻枠のそれぞ れ装着点を形成していることを特徴とする請求の範囲１に記載の熱転写印刷用染 料リボンカセット。 ３．各軸が軸方向孔を備え、この軸方向孔にロッドが通され、このロッドとケー スの端壁との間にばねが配置され、このばねの張力に抗してロッドが軸方向に動 き得るようにされていることを特徴とする請求の範囲２に記載の熱転写印刷用染 料リボンカセット。 ４．橋絡部材で端部分を互いに連結した二つの平行な半円筒形巻枠ハウジングを 備え、これらのハウジングと橋絡部材とで開放アクセス口部を画定しているケー スと、上記ハウジング内に配置され、間に染料リボンが上記口部を通ってのびる 、送出し巻枠及び巻取り巻枠と、巻枠のハウジングの軸線に沿ってのびるように 橋絡部材の一つに堅固に装着され、ばね負荷されかつ軸方向に可動のロッドを通 す軸方向孔を各々備え、端部が巻枠内に配置しかつ巻枠に対する装着部を形成し ている、一対の同一軸と、送出し巻枠内に配置した軸に回転自在に装着され、周 囲面に、回転時にセンサーによって検出され得る情報担持マークを備えた円筒状 部材と、ケースの外側に設けられた駆動源と作動係合でき、円筒状部材を回転さ せる手段とを有することを特徴とする熱転写印刷用カセット。