JP2000513495A - 消弧室を有する電磁開閉器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、開閉室ケーシングによって形成された開閉室の内部に配置されている接点と、接点を備えた各々の開閉室に付属している、消弧室（１４）として構成された消イオン装置とを有する電磁開閉器、特に大容量の接触器に関する。消弧室（１４）は積層体に組み立てられた消弧板（１４０〜１４４）によって形成される。さらに開閉室の上側を閉じるためのカバー（１３）が設けられている。カバー（１３）と向き合っている一番上の消弧板は、各々の消弧室（１４）の遮蔽板（１５）として形成されており、上方に曲げた少なくとも１つの押さえ板（１５ａ、１５ｂ）を有している。カバー（１３）の下側には消弧室（１４）の押さえ板（１５ａ、１５ｂ）と連通しているポケット（１３１ａ、１３１ｂ）が形成されている。消弧室（１４）は、押さえ板（１５ａ、１５ｂ）をポケット（１３１ａ、１３１ｂ）内に挿入することによって形状接続による結合を形成してカバー（１３）に固定可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 消弧室を有する電磁開閉器 背景技術 本発明は、電磁開閉器、特に大容量の接触器であって、開閉室ケーシングによ って形成された開閉室の内部に配置されている接点と、接点を備えた各々の開閉 室に付属している、積層体に組み立てられた消弧板によって形成されている消弧 室として構成された消イオン装置と、開閉室ケーシングの開閉室の上側を閉じる ためのカバーとを有している形式のものに関する。 取外し可能なカバーを有するケーシング内に収容されている消弧板配置を有す る電磁開閉器が、たとえばドイツ連邦共和国実用新案出願公開第８５３１３５２ 号明細書に基づき公知である。ここでは消弧板がケーシング壁の溝内に挿入され 、カバーを載せることにより櫛状のゴム部材を介して固持され、その際にそれぞ れ１つの消弧板積層体が消弧室を形成する。ヨーロッパ特許第０５０５７９４号 明細書によっても、複数部分からなるケーシングを有する電磁開閉器が公知であ る。開閉空間を取り囲んでいるケーシング部材の開閉室に収容されている接点が 設けられており、各々の接点には消弧板と整流板とによって成る消弧室として構 成された消イオン装置が付属している。この場合、消 弧室を形成する消弧板が、開閉室を取り囲んでいるケーシング内に整流板を介し て締着するように固定される。ドイツ連邦共和国特許公開公報第１１９６７５０ 号明細書に基づき公知の電気開閉器では、消弧室を形成している消弧板が開閉室 の上側を覆っているケーシングの壁体の上側自体の中に個々に保持されている。 発明の利点 本発明の課題は、消弧板から形成されている消弧室を、開閉器すなわち開閉室 を取り囲んでいるケーシング内で固定することを容易にし、消弧室を所定のスぺ ースに固定するための付加的な個別部材なしに、より簡単で確実な組立を可能に することである。 この課題を解決するために本発明では、冒頭に記載した種類の開閉器を改善し て、カバーと向き合っている一番上の消弧板が、各々の消弧室の遮蔽板として上 方に曲げた少なくとも１つの押さえ板を有しており、カバーの下側に消弧室の押 さえ板と連通しているポケットが形成されており、押さえ板をポケット内に挿入 することによって形状接続による結合を形成して消弧室がカバーに固定可能であ るようにした。本発明により、消弧室は付加的な手段、締付け部材、ばねなどを 用いずに開閉室を覆っているカバーの下側に固定される。この場合、本発明によ り消弧板から組み立てられた消弧室を構成ユニットとして事前に作製することが 可能になり、次いでこの消弧室が別の組立ステップで カバーと結合される。次にこのカバーは消弧室と一緒に開閉器すなわち開閉室の 上に、これを閉じるために載せることができる。本発明により事前に作製された 消弧室をカバーに正確かつ急速に組み付けることが可能となり、後で短絡したり 、さらに組み付ける際に引っ掛かったり、あるいは破損したりすることが回避さ れる。 本発明の好ましい構成が、請求項２以下に記載されている。 本発明の好ましい提案に従い、それぞれ１対の押さえ板が、遮蔽板として働く 消弧室の一番上の消弧板において互いに向き合う側のほぼ中央で消弧板平面に対 してほぼ直角に突出して形成されている。これに応じてカバーの下側に固定した い各々の消弧室に付属して１対のポケットが形成されている。 さらに、消弧室をカバーに正確に案内し組み付けるために、押さえ板が挿入溝 を有しており、当該挿入溝が、ポケット内で横断するように形成された中央ウェ ブを介して押さえ板を挿入および案内するために働くことが提案される。 本発明により押さえ板はフォーク状に形成されていて、フォーク両歯は各々の 方向でばね弾性的に形成されている。押さえ板の別の構成で、押さえ板はそれら の外側縁部に係止部を有することができるので、カバーのポケット内に導入する 際に軽く引っ掛かりながら 導入でき、しかも溝の領域でもたわむためのスペースが存在している。 押さえ板の外側縁部に対して横断方向に延びている方向でもポケット内で確実 な案内および締着を達成するために、本発明の別の構成において、ポケットが両 側で、中央ウェブの一方の側に接して突出した、消弧室の押さえ板を導入してば ね弾性的に締着するための導入楔を有していることが提案される。このようにす ることによって、１対の押さえ板の互いに平行な両押さえ板を、たとえば付属し ている２つのポケットの互いに向き合う外側に取り付けた導入楔で、ポケットに 導入する際に互いにやや反対方向に向けて導入でき、そうすることによって押さ え板、ひいては消弧室をカバーに確実に固持するためのばね弾性的な締着作用を 達成することが可能である。 消弧室の良好な減圧および気体の排気を可能にするために、遮蔽板が少なくと も部分領域で穿孔されている。そうすることによって気体は逃げることができる が、粒子は引き留められる。遮蔽板の前縁部は好ましくは上方に折り曲げられ、 孔を有しており、それによって排気経路を形成している。 さらに、遮蔽板は折曲げ部と向き合う自由な領域にねじ穴を有しており、形状 接続による保持および案内に加えて、さらに必要に応じて消弧室をカバーの下側 にねじで固定することが可能になる。このために、カ バーはその下側にねじを受容するための成形されたねじ孔を有している。さらに 本発明によるこの配置は、カバーの下側に互いに鏡像状に配置された２列に、消 弧室のためのそれぞれ３つの受容領域が形成されており、各々の受容領域がカバ ー縁部に接して開口部を有しており、当該開口部に遮蔽板の折曲げ部が挿入可能 である。 図面 以下に、本発明を図面に基づき実施例で詳しく説明する。第１図は、消弧室お よびカバーを有する開閉室に関する電磁開閉器の分解図を示しており、第２図は 、消弧室の一番上の消弧板の斜視図を示しており、第３図は、消弧室の斜視図と 、消弧室を固定するために形成されたポケットを有するカバーの下面図を示して いる。 実施例の説明 第１図に例として示した電磁開閉器の開閉室ケーシング１２は接点を受容する ために働き、そのために相応の隔壁によって相応の数の分割された開閉室１２１ に区分されている。開閉室ケーシングもしくは開閉室は上側がカバー１３で覆わ れる。図示の例では６個の開閉室が形成されているが、各々の開閉室には、接点 とカバーとの間に消弧室１４が挿入される。開閉器が不都合なく機能するために 、各々の消弧室１４が正確に位置決めされており、それゆえ開閉器内に、本発明 ではカバー１３の下側に固定されていることが必要である。 第３図に示すように、各々の消弧室１４は互いに平行に配置され、間隔を置い て積層体に組み立てられている消弧板１４０〜１４４から形成されている。この 場合、消弧板は側方の絶縁板１４８、１４９を介して当該絶縁板に差し込むこと によって積層体にまとめられている。遮蔽板として形成された一番上の消弧板１ ５は残りの消弧板とは異なり、正面の立上げ部Ｃおよび穿孔１５５、１５６を有 する付加的な構成体を有している。遮蔽板１５も側方の絶縁板１４８、１４９に 保持されている。遮蔽板１５は、消弧板平面に対して直角に立ち上がっていて、 互いに向き合う側でほぼ中央で突出している押さえ板１５ａ、１５ｂによって形 成されている。遮蔽板１５は押さえ板１５ａ、１５ｂの押し抜きおよび相応の折 り曲げと、正面側の立ち上げ部Ｃとによって形成できる。折曲げ部Ｃ内の孔１５ ６および平坦な領域の孔１５５は排気、すなわち気体の逃がしおよび減圧の働き をする。 第２図に遮蔽板１５の詳細図が示されている。側方の絶縁板１４８、１４９に 固定するために、遮蔽板は互いに平行な側に沿って突起ｄを有している。押さえ 板１５ａ、１５ｂは挿入スリットとして溝Ｎを備えて形成されている。そうする ことによって押さえ板はフォーク状に形成されており、互いに向かってばね弾性 的な２つのフォーク脚部をも形成している。押さえ板の外側縁部には係止部Ｚが 形成されてもよい。 第３図に示すように、カバー１３はその下側に合計６つの消弧室１４のための ６つの受容領域を備えて形成されており、互いに鏡像状に配置された２列にそれ ぞれ３つの受容領域が形成されている。各々の受容領域は１対の押さえ板１５ａ 、１５ｂを介して消弧室１４を配置および固定するために、互いに連通して付属 しているポケット、すなわち１対のポケット１３１ａ、１３１ｂを備えて形成さ れている。６個の開閉室の数に応じて６個の消弧室が設けられており、６個の受 容領域に応じてカバー１３の下側に６対のポケットを有している。押さえ板を差 し入れるための十分な大きさを有している、実用的に挿入溝を形成する各々のポ ケットは、入口側にポケットを横断する中央ウェブＳを有している。中央ウェブ Ｓの直径は、押さえ板内に形成された溝の溝幅Ｎに等しいか、これより小さいの で、押さえ板は中央ウェブＳを介してポケット内に挿入可能である。ポケットｂ の幅は、押さえ板をばね弾性的に挿入でき、その係止部Ｚに沿ってポケット内で 締着するように寸法設定されている。 挿入された押さえ板がこれらに対して横断方向に延びているポケットの方向で も不正確に案内されたり、ゆるんだりしないように、ポケットの寸法を、中央ウ ェブＳの横でそれぞれ外側に設けられている楔状のリ ブＲ１、Ｒ２により押さえ板をポケット内に容易に導入できるようにすることが 提案される。しかし同時にポケットの寸法は挿入深さに連れて減少するので、ポ ケット内に導入した後で押さえ板はポケットの互いに向き合う両側でも十分に当 接することが可能である。本発明に従い押さえ板の寸法設定に合わせてポケット を形成することにより、押さえ板はポケットのすべての面に十分に、かつ締着す るように当接し、ひいては形状接続による恒久的な結合を形成し、さらに消弧室 の確実で正確な座着を保証する。 固定領域はそれぞれカバー縁部に向かって、消弧室の折曲げ部Ｃを受容するよ うに働く開口部１３２を有している。折曲げ部Ｃ内の孔１５６は外方への排気経 路を形成している。さらに、消弧室１４をねじでカバーに付加的に固定すること を可能にするために、各々の受容領域の開口部１３２と向き合う側にねじ孔３が 成形されており、このねじ孔３は遮蔽板１５上に形成された穴２と連通している 。カバー１３および消弧室１４はあらかじめ組み立てることができ、構成ユニッ トとして最終組付け時に開閉器の開閉室ケーシング１２に載せることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．電磁開閉器、特に大容量の接触器であって、開閉室ケーシング（１２）によ って形成された開閉室（１２１）の内部に配置されている接点と、接点を備えた 各々の開閉室（１２１）に付属している、積層体に組み立てられた消弧板（１４ ０〜１４４）によって形成されている消弧室（１４）として構成された消イオン 装置と、開閉室ケーシング（１２）の開閉室（１２１）の上側を閉じるためのカ バー（１３）とを有している形式のものにおいて、 カバー（１３）と向き合っている一番上の消弧板が、各々の消弧室（１４） の遮蔽板（１５）として上方に曲げた少なくとも１つの押さえ板（１５ａ、１５ ｂ）を有しており、カバー（１３）の下側には消弧室（１４）の押さえ板（１５ ａ、１５ｂ）と連通しているポケット（１３１ａ、１３１ｂ）が形成されており 、消弧室（１４）は押さえ板（１５ａ、１５ｂ）をポケット（１３１ａ、１３１ ｂ）内に挿入することによって形状接続による結合を形成してカバー（１３）に 固定可能であることを特徴とする電磁開閉器。 ２．それぞれ１対の押さえ板（１５ａ、１５ｂ）が、消弧室（１４）の遮蔽板（ １５）において互いに向き合う側のほぼ中央で消弧板平面に対してほぼ直角 に突出して形成されている、請求項１記載の開閉器。 ３．押さえ板（１５ａ、１５ｂ）が挿入溝（Ｎ）を有しており、当該挿入溝（Ｎ ）が、ポケット（１３１ａもしくは１３１ｂ）内で横断するように形成された中 央ウェブ（Ｓ）を介して押さえ板（１５ａもしくは１５ｂ）を挿入および案内す るために働く、請求項１または２記載の開閉器。 ４．押さえ板（１５ａ、１５ｂ）がそれらの外側縁部に係止部（Ｚ）を有してい る、請求項１から３までのいずれか１項記載の開閉器。 ５．ポケット（１３１ａ、１３１ｂ）が両側で、中央ウェブ（Ｓ）の一方の側に 接して突出した、消弧室（１４）の押さえ板（１５ａ、１５ｂ）を導入してばね 弾性的に締着するための導入楔（Ｒ１、Ｒ２）を有している、請求項１から４ま でのいずれか１項記載の開閉器。 ６．遮蔽板（１５）が少なくとも部分領域で穿孔（１５５）されていて、前縁部 に孔（１５６）を有する立上げ部（Ｃ）を有している、請求項１から５までのい ずれか１項記載の開閉器。 ７．カバー（１３）の下側に互いに鏡像状に配置された２列に、消弧室（１４） のためのそれぞれ３つの受容領域が形成されており、各々の受容領域がカバー縁 部に接して開口部（１３２）を有しており、当 該開口部（１３２）に遮蔽板（１５）の立上げ部（Ｃ）が挿入可能である、請求 項６記載の開閉器。 ８．遮蔽板（１５）がねじ穴（２）を有しており、当該ねじ穴（２）が、消弧室 （１４）をねじでねじ止めするための、カバー（１３）の下側に成形されたねじ 孔（３）と連通している、請求項１から７までのいずれか１項記載の開閉器。