【発明の詳細な説明】
ケラチン繊維を染色および着色するための製剤および方法
本発明は、ケラチン繊維(とりわけ人毛)を選択した活性物質組み合わせを用い
て染色および着色するための製剤に関する。
毛髪を着色および染色するための製剤は、一種の重要な化粧品生成物である。
このような製剤は、元の毛髪色を使用者の要望に応じて薄く、もしくは濃くする
ため、毛髪を全く異なる色に変えるため、または望ましくない毛髪色(例えば灰
色)を隠蔽するために使用し得る。染毛剤は通例、所望の色および耐久性に応じ
て、酸化染料または直接染料をベースとして調製する。酸化染料と直接染料との
組み合わせも、特別な色を達成するために多くの場合用いられている。
酸化染料をベースとする染料製剤は、耐久性のある鮮明な色調をもたらす。し
かし、強い酸化剤(例えば過酸化水素溶液)を併用するので、これがしばしば染色
する毛髪に損傷を与え、これを対応する修復製剤で修復することが必要となる。
更に、非常に敏感な人の皮膚にそのような染料が接触すると、望ましくない反応
が起こり得る。
直接染料をベースとする染料製剤は酸化剤を必要とせず、より好都合に中性付
近のpH値に調製できる。しかし、直接染料をベースとする染料製剤は、染色し
た毛髪の洗浄耐久性が低いという大きな欠点を有する。多くの場合、染料分子の
毛髪付着力、および染色した毛髪の艷は、充分満足できるものではない。
すなわち、染料分子の毛髪吸収を改善し、および/または染色した毛髪の艶を
改善する直接染料をベースとする染料製剤が、依然必要とされている。
イソアスコルビン酸とある種のアミノカルボン酸との組み合わせにより、上記
問題点を非常に高度に克服できることがわかった。とりわけ、染料分子の毛髪吸
収および毛髪の艷を、顕著に改善することができる。
すなわち、本発明は、ケラチン繊維(とりわけ人毛)を染色または着色するため
の製剤であって、直接染料に加えて、
・アミノポリカルボン酸または生理学的適合性カチオンとのその塩、および
・イソアスコルビン酸または生理学的適合性カチオンとのその塩
の組み合わせを含有する製剤に関する。
本発明において、ケラチン繊維は、毛皮、羊毛、羽毛、および特に人毛である
と理解される。本発明の染料製剤はケラチン繊維の染色に特に適当であるが、基
本的に、他の分野における使用を妨げるものではない。
本発明の活性物質組み合わせは、二つの必須成分から成る。
第一の成分は、アミノポリカルボン酸である。アミノポリカルボン酸は、少な
くとも1個の、場合により置換したアミノ基と、少なくとも2個のカルボン酸基
とを有する化合物である。キレート錯体を形成し得るアミノポリカルボン酸が特
に適当であることがわかった。
本発明によると、好ましいアミノポリカルボン酸は、ニトリロ三酢酸、エチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸およびN−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミン三酢酸である。それら化合物のうち、エチレンジアミン四酢酸が
特に好ましい。
アミノポリカルボン酸は、遊離酸として本発明の製剤に加え得る。しかし、生
理学的適合性カチオンとの塩として加えてもよい。そのようなカチオンの例は、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、アンモニウム並びにモノ−、
ジ−およびトリアルカノールアンモニウムイオンである。好ましいイオンは、ア
ルカリ金属イオン、とりわけナトリウムイオンである。
エチレンジアミン四酢酸の二ナトリウム塩およびとりわけ四ナトリウム塩が、
本発明の活性物質組み合わせの成分として特に適当であることがわかった。
本発明の製剤は、アミノポリカルボン酸またはその塩を、製剤全体に対して好
ましくは0.01〜1重量%の量で含有する。0.05〜0.5重量%の量が特に
好ましい。
本発明による活性物質組み合わせの第二必須成分は、イソアスコルビン酸また
は生理学的適合性カチオンとのその塩である。
本発明の製剤は、イソアスコルビン酸を、製剤全体に対して好ましくは0.0
1〜1重量%の量で含有する。0.05〜0.5重量%の量が特に好ましい。
アミノポリカルボン酸とイソアスコルビン酸との量比(重量比)が2:1ないし
1:2である場合に、本発明の製剤は特に好ましい結果をもたらした。
更に、本発明の製剤は、少なくとも1種の直接染料を含有する。そのような直
接染料は、通例、ニトロフェニレンジアミン類、ニトロアミノフェノール類、ア
ントラキノン類またはインドフェノール類から成る群から選択する。そのような
化合物の例は、下記国際名または商品名で知られる化合物である:HC Yellow
2、HC Yellow 4、Basic Yellow 57、Disperse Orange 3、HC
Red 3、HC Red BN、Basic Red 76、HC Blue 2、Disperse
Blue 3、Basic Blue 99、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Di
sperse Violet 4、Disperse Black 9、Basic Brown 16、ピクラミン
酸およびRodol 9R、並びに4−アミノ−2−ニトロジフェニルアミン−2’
−カルボン酸、6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、(N−2
,3−ジヒドロキシプロピル−2−ニトロ−4−トリフルオロメチル)−アミノベ
ンゼンおよび4−N−エチル−1,4−ビス−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)
−2−ニトロベンゼンヒドロクロリド。本発明において、直接染料は、天然に生
成する染料、例えばヘンナ・レッド、ヘンナ・ニュートラル、ヘンナ・ブラック
、カモミール花、ビャクダン、紅茶、モチノキ樹皮、セージ、蘇方樹、アカネ根
、カテキュ、Sedreおよびアルカネットをも包含する。
直接染料は、本発明の製剤中に、製剤全体に対して0.01〜20重量%の量
で存在することが好ましい。
本発明の製剤は、酸化染料前駆物質、いわゆる第一中間体(Entwickler-kompo
nenten)および第二中間体(Kupplerkomponenten)をも含有し得る。第一中間体
どうしが、酸化剤または空気の作用下に、場合によってはある種の酵素の作用も
受けて、実際の染料を生成するか、または、第一中間体と1種もしくはそれ以上
の第二中間体とがカップリングして実際の染料を生成する。
通例用いられる第一中間体は、遊離または置換ヒドロキシまたはアミノ基をパ
ラまたはオルト位に更に有する第一級芳香族アミン類、ジアミノピリジン誘導体
、複素環ヒドラゾン類、4−アミノピラゾロン誘導体、並びに2,4,5,6−テ
ト
ラアミノピリミジンおよびその誘導体である。その例は、p−フェニレンジアミ
ン、p−トルイレンジアミン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、p−アミ
ノフェノール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン
、2−(2,5−ジアミノフェニノキシ)−エタノール、2−(2,5−ジアミノフ
ェノキシ)−エタノール、1−フェニル−3−カルボキシアミド−4−アミノ−
5−ピラゾロン、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノメチル−4−
アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−アミノフェノール、4−アミノ
−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェノール、4−ヒドロキシ−2,5,6−ト
リアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,
4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジンおよび2,5,6−トリアミノヒ
ドロキシピリミジンである。
第二中間体は通例、m−フェニレンジアミン誘導体、ナフトール類、レゾルシ
ノールおよびレゾルシノール誘導体、ピラゾロン類、並びにm−アミノフェノー
ル類である。特に適当な第二中間体は、α−ナフトール、1,5−、2,7−およ
び1,7−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−2−メチルフェノール、m−ア
ミノフェノール、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、m−フ
ェニレンジアミン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、2,4−ジク
ロロ−3−アミノフェノール、1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)−プ
ロパン、2−クロロレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−クロロ−
6−メチル−3−アミノフェノール、2−アミノ−4−ヒドロキシピリジン、2
−メチルレゾルシノール、並びに5−メチルレゾルシノールである。
本発明によると、好ましい第一および第二中間体は、染料を生成するのに空気
中の酸素以外に酸化剤を必要としないものである。
第一および第二中間体は通例、遊離形態で使用する。しかし、アミノ基を有す
る化合物を使用する場合は、それを塩形態、とりわけ塩酸塩および硫酸塩の形態
で使用することが有利であり得る。
本発明の染毛剤は、第一中間体および第二中間体のいずれも、酸化染料製剤全
体に対して好ましくは0.005〜20重量%、より好ましくは0.1〜5重量%
の量で含有する。通例、第一中間体と第二中間体とを、実質的に等モルの比で使
用する。第一および第二中間体を等モルの比で使用することが有利であるとわか
っているが、いずれかの酸化染料前駆物質がある程度過剰であっても全く不都合
はなく、第一中間体と第二中間体とをモル比1:0.5ないし1:2で使用し得る
。
他の通常の染料成分に関しては、フランクフルトのIndustrieverband
照されたい。
場合により使用する酸化染料前駆物質または直接染料は、単一の化合物である
必要はない。本発明の染毛製剤は、各染料の製造方法に起因する少量の他の成分
を、それが染色結果に悪影響を及ぼすこと、または他の理由(例えば毒物学的理
由)によって排除する必要の無い限り、含有してよい。
本発明の製剤により得られる効果は、製剤中に、活性物質組み合わせの二必須
成分に加えて、C8-18カルボン酸も加えることによって向上し得る。
所望の製剤に適合するものであれば、基本的に、飽和およびモノ−またはポリ
不飽和の直鎖または分枝状カルボン酸のいずれを使用してもよい。しかし、炭素
数10〜18の飽和カルボン酸が特に有効であるとわかった。すなわち、ミリス
チン酸、パルミチン酸およびとりわけラウリン酸が、本発明の製剤の更なる成分
として特に好ましい。
本発明の製剤の性質に有利に作用する更なる成分は、ポリオールのオリゴマー
およびポリマーである。好ましい化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールおよびポリグリセロールである。それらポリオールのうち、ポ
リエチレングリコールが特に好ましい。このようなポリオールの分子量は、好ま
しくは500〜3000ダルトンである。特に好ましい分子量は、1000〜2
000ダルトン、とりわけ1500ダルトンのオーダーである。
本発明の染料製剤を製造するためには、酸化染料前駆物質を、適当な水含有担
体中に組み合わせる。染毛のためのそのような担体は、例えば、クリーム、エマ
ルジョン、ゲル、もしくは界面活性剤含有発泡性溶液(例えばシャンプー)、泡エ
ーロゾル、または毛髪に適用するのに適当な他の製剤である。
本発明の染料製剤は、そのような製剤中に通常存在する既知の活性物質、添加
剤および助剤をも含有し得る。染料製剤は多くの場合、少なくとも1種の界面活
性剤を含有する。原則として、アニオン性、双性イオン性、両性、ノニオン性お
よびカチオン性界面活性剤のいずれも適当である。しかし、多くの場合、アニオ
ン性、双性イオン性またはノニオン性界面活性剤から選択することが有利である
とわかった。アニオン性界面活性剤が特に有用であり得る。
本発明の染毛製剤に適当なアニオン性界面活性剤は、人体に対する使用に適し
たものである。そのような物質は、水可溶化アニオン基、例えばカルボキシレー
ト、スルフェート、スルホネートまたはホスフェート基と、炭素数約10〜22
の親油性アルキル基とを有する。更に、グリコールまたはポリグリコールエーテ
ル基、エーテル、アミドおよびヒドロキシル基、並びに通例エステル基も、分子
中に存在し得る。ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩並びにモノ−、ジ
−およびトリアルカノールアンモニウム塩(アルカノール基の炭素数2または3)
の形態の、適当なアニオン性界面活性剤の例を次に挙げる:
・炭素数8〜22の直鎖および分枝状脂肪酸(石鹸)、
・式:R−O−(CH2−CH2O)x−CH2−COOH[式中、Rは炭素数10
〜22の直鎖アルキル基であり、x=0または1〜16である。]で示されるエ
ーテルカルボン酸、
・アシル基の炭素数10〜18のアシルサルコシド、
・アシル基の炭素数10〜18のアシルタウリド、
・アシル基の炭素数10〜18のアシルイセチオネート、
・アルキル基の炭素数8〜18のスルホコハク酸モノ−およびジアルキルエス
テル、およびアルキル基の炭素数8〜18/オキシエチル基数1〜6のスルホコ
ハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
・炭素数12〜18の直鎖アルカンスルホネート、
・炭素数12〜18の直鎖α−オレフィンスルホネート、
・炭素数12〜18の脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル、
・式:R−O−(CH2−CH2O)x−OSO3H[式中、Rは好ましくは直鎖
の炭素数10〜18のアルキル基であり、x=0または1〜12である。]で示
されるアルキルスルフェートおよびアルキルポリグリコールエーテルスルフェー
ト、
・DE−A−3725030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物
、
・DE−A−3723354による硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンお
よび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル、
・DE−A−3926344による炭素数12〜24/二重結合数1〜6の不
飽和脂肪酸のスルホネート、
・炭素数8〜22の脂肪アルコールにエチレンオキシドおよび/またはプロピ
レンオキシド約2〜15分子が付加した生成物の形態のアルコールと酒石酸およ
びクエン酸とのエステル。
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルポリグリ
コールエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸(アルキル基の炭素数1
0〜18、分子中のグリコールエーテル基数12までのもの)、並びにとりわけ
、飽和および特に不飽和のC8-22カルボン酸(例えばオレイン酸、ステアリン酸
、イソステアリン酸およびパルミチン酸)の塩である。
本発明において、双性イオン性界面活性剤は、少なくとも1個の第四級アンモ
ニウム基および少なくとも1個の−COO-または−SO3 -基を分子中に有する
界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイ
ン、例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤ
シ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル
−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アシルアミノプロピ
ルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシ
メチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンであって、アルキルまたはアシル基
の炭素数8〜18のもの、並びにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカ
ルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、CT
FA名Cocamidopropyl Betaineとして知られる脂肪酸アミド誘導体である。
両性界面活性剤は、C8-18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1
個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOHまたは−SO3H基を分子
中に有し、分子内塩を形成し得る界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤
の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミ
ノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アル
キルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン
、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(アルキル基の炭
素数約8〜18のもの)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ヤシ油ア
ルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネート
、およびC12-18アシルサルコシンである。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコール
エーテル基、またはポリオール/ポリグリコールエーテル基組み合わせを、親水
性基として有する。そのような化合物の例を、次に挙げる:
・炭素数8〜22の直鎖脂肪アルコール、炭素数12〜22の脂肪酸、および
アルキル基の炭素数8〜15のアルキルフェノールの、エチレンオキシド2〜3
0モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モル付加物、
・グリセロールのエチレンオキシド1〜30モル付加物の、C12-22脂肪酸モ
ノエステルおよびジエステル、
・C8-22アルキルモノ−およびオリゴグリコシド並びにそれらのエトキシル化
類似体、
・ヒマシ油および水素化ヒマシ油のエチレンオキシド5〜60モル付加物、
・ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、
・脂肪酸アルカノールアミドのエチレンオキシド付加物。
本発明の毛髪処理製剤中に使用するのに適当なカチオン性界面活性剤の例は、
とりわけ、第四級アンモニウム化合物である。好ましい第四級アンモニウム化合
物は、次のようなハロゲン化アンモニウムである:アルキルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメ
チルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ス
テアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウ
ムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリド。本発明
に従って使用するのに適当な他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質
加水分解物である。
また、次に例示するカチオン性シリコーン油も、本発明に従って使用するのに
適当である:市販品であるQ2−7224(製造者:Dow Corning;安定化したト
リメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning 929 Emulsion(Amodimet
hiconeとしても知られるヒドロキシアミノ修飾シリコーンを含有)、SM−20
59(製造者:General Electric)、SLM−55067(製造者:Wacker)、並び
にAbil(商標)−Quat3270および3272(製造者:Th.Goldschmidt;ジ第四
級ポリジメチルシロキサン、Quaternium−80)。
アルキルアミドアミン、とりわけ脂肪酸アミドアミン、例えばTego Amid(商
標)S18として入手し得るステアリルアミドプロピルジメチルアミンは、好ま
しいコンディショニング効果を示し、しかも、とりわけ易生分解性である。
第四級エステル化合物、いわゆる「エステルクォート(esterquat)」、例えば
ジアルキルアンモニウムメトスルフェートおよびメチルヒドロキシアルキルジア
ルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート[Stepantex(商標)の商品
名で市販されている]も、易生分解性である。
カチオン性界面活性剤として使用するのに適当な第四級糖誘導体の一例は、市
販生成物であるGlucquat(商標)100(CTFA名:Lauryl Methyl Gluceth)−
10 Hydroxypropyl Dimonium Chloride)である。
界面活性剤として使用するアルキル基を有する化合物は、単一の化合物であっ
てよい。しかし、通例、そのような化合物は天然の植物性または動物性原料から
製造するので、原料に応じてアルキル鎖長の異なる化合物の混合物として得られ
る。
脂肪アルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加生
成物、またはそのような付加生成物の誘導体である界面活性剤は、「通常の」同族
体分布を有する生成物、および狭い同族体分布を有する生成物のいずれであって
もよい。「通常の」同族体分布を有する生成物は、触媒としてアルカリ金属、アル
カリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用して、脂肪アルコール
とアルキレンオキシドとの反応によって得る同族体混合物である。一方、狭い同
族体分布は、例えばヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属
塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートを触媒として使用し
た場合に得られる。同族体分布の狭い生成物を使用することが有利であり得る。
他の活性物質、助剤および添加剤を、次に例示する:
・ノニオン性ポリマー、例えばビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリ
マー、ポリビニルピロリドン、およびビニルピロリドン/ビニルアセテートコポ
リマー、並びにポリシロキサン、
・カチオン性ポリマー、例えば第四級化セルロースエーテル、第四級基含有ポ
リシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、アクリルアミ
ド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチルスルフェート
で第四級化したジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリ
マー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー、および第
四級化ポリビニルアルコール、
・双性イオン性および両性ポリマー、例えばアクリルアミドプロピル−トリメ
チルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、およびオクチルアクリル
アミド/メチルメタクリレート/t−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−
ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、
・アニオン性ポリマー、例えばポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニル
アセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコ
ポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコ
ポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、およびアクリル
酸/エチルアクリレート/N−t−ブチルアクリルアミドターポリマー、
・増粘剤、例えば寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビ
アガム、インドガム、イナゴマメ粉、アマニガム、デキストラン、セルロース誘
導体(例えばメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキ
シメチルセルロース)、デンプンフラクションおよび誘導体(例えばアミロース、
アミロペクチンおよびデキストリン)、クレー(例えばベントナイト)、または純
合成ヒドロコロイド(例えばポリビニルアルコール)、
・構造剤、例えばグルコース、マレイン酸および乳酸
・ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質(例えば大豆レシチン、卵
レシチンおよびケファリン)、およびシリコーン油、
・タンパク質加水分解物、とりわけエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タ
ンパク質、大豆タンパク質および小麦タンパク質加水分解物、それらと脂肪酸と
の縮合生成物、並びに第四級化タンパク質加水分解物、
・香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン、
・可溶化剤、例えばエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセロールおよびジエチレングリコール、
・製剤を着色するための色素、
・抗フケ剤、例えばPiroctone OlamineおよびZinc Omadine、
・pH値調節のための他の物質、
・活性物質、例えばパンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドン
カルボン酸およびその塩、植物抽出物、並びにビタミン、
・コレステロール、
・UV吸収剤、
・コンシステンシー付与剤、例えば糖エステル、ポリオールエステルまたはポ
リオールアルキルエーテル、
・脂肪および蝋、例えば鯨蝋、蜜蝋、モンタン蝋、パラフィン、脂肪アルコー
ルおよび脂肪酸エステル、
・脂肪酸アルカノールアミド、
・錯化剤、例えばホスホン酸、
・膨潤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、カーボネート、水素カーボネート、グアニジン類、尿素類、並びに第
一、第二および第三ホスフェート、
・乳濁剤、例えばラテックス、
・真珠光沢剤、例えばエチレングリコールモノ−およびジステアレート、
・プロペラント、例えばプロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル
、CO2および空気、並びに
・抗酸化剤。
本発明の染料製剤を調製するには、水含有担体の成分は、その目的のための通
常の量で使用する。例えば、染料製剤全体に対して、乳化剤を0.5〜30重量
%の濃度で使用し、増粘剤を0.1〜25重量%の濃度で使用する。
本発明は、ケラチン繊維(とりわけ人毛)を染色および着色するための、本発明
の製剤の使用にも関する。
本発明の製剤は、毛髪上に残留させるように調製することができるが、洗い流
す製剤として調製することが好ましい。
すなわち、本発明は、ケラチン繊維(とりわけ人毛)を染色および着色する方法
であって、本発明の製剤を毛髪に適用し、約1分間ないし1時間放置した後、濯
ぎ落とすことを含んで成る方法にも関する。
以下の実施例は、本発明を説明するものである。
実施例
実施例中、量はいずれも重量部である。
1.染料ローション
C12-18脂肪アルコール 3.00
Emulgade(商標)1000NI1 2.00
ラウリン酸 3.00
Texapon(商標)N702 3.00
Dehyton(商標)K3 3.00
Paridol(商標)M4 0.20
Paridol(商標)P5 0.20
イソアスコルビン酸 0.10
Trilon(商標)B6 0.25
2−アミノ−2−メチルプロパノール 0.70
HC Blue 27 0.70
Violet 1,4D8 0.30
HC Yellow 29 0.40
香料 0.30
蒸留水 100とする1
ノニオン性セチルステアリルアルコール/乳化剤混合物(INCI名:Cetear
yl Alcohol(and)Ceteareth−20)(HENKEL)2
ナトリウムラウリルエーテルスルフェート(水中、活性物質約72%;INC
I名:Sodium Laureth Sulfate)(HENKEL)3
式:R−CONH−(CH2)3−N+(CH3)2CH2COO-で示されるベタイン構
造を有する脂肪酸アミド誘導体(水中、活性物質約30%;INCI名:Cocami
dopropyl Betaine)(HENKEL)4
4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(INCI名:Methylparaben)(NAA
RDEN)5
4−ヒドロキシ安息香酸プロピルエステル(INCI名:Propylparaben)(N
AARDEN)6
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(水中、活性物質40%;INCI名:
Tetrasodium−EDTA)(BASF)7
N,N,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−1,4−フェニレ
ンジアミン(GRAFOX)8
N,N'−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−1,4−フェニレンジア
ミン(GRAFOX)9
1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−ニトロベンゼン(GRAFOX)
この染料ローションのpHは7であった。
2.染料ローション
C12-18脂肪アルコール 3.00
Emulgade(商標)1000NI 2.00
ラウリン酸 3.00
Texapon(商標)N70 3.00
Dehyton(商標)K 3.00
Lutrol(商標)E150010 1.00
Paridol(商標)M 0.20
Paridol(商標)P 0.20
イソアスコルビン酸 0.10
Trilon(商標)B 0.25
2−アミノ−2−メチルプロパノール 0.70
HC Blue 2 1.50
HC Red 311 0.10
Rodol 9 R12 0.10
HC Yellow 2 0.15
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 3.00
香料 0.30
蒸留水 100とする10
ポリエチレングリコール(INCI名:PEG32)(BASF)11
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−1,4−フェニレンジアミン(GR
AFOX)12
6−クロロ−4−ニトロ−2−アミノフェノール(LOWENSTEIN)この
染色ローションのpHは7であった。