JP2000509461A - 内燃機関のための吸気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、内燃機関のための吸気装置に関する。このような吸気装置では、吸い込まれた空気がエアフィルタ（３）を介して内燃機関に案内され、吸気路の領域には、ヘルムホルツ共鳴器として働く減衰容積（５）が配置されている。有効減衰容積の大きさは、規定された音響周波数領域が減衰可能であるように設定されている。最適なノイズ減少のためには、減衰容積（５）が、吸い込まれた空気によって少なくとも部分的に貫流され、貫流される有効減衰容積（５）の大きさが、切換可能な開閉器とフラップとによって可変である。

Description

【発明の詳細な説明】 内燃機関のための吸気装置 本発明は、請求項１の上位概念に記載の内燃機関のための吸気装置に関する。 背景技術 自動車用内燃機関の場合、最適な運転特性を得るためには、剛性の吸込み容積 を有さない、エンジン運転の種々異なる要求に適合可能な吸気系が有利である。 またこの場合、ノイズ減衰も重要である。 ヨーロッパ特許出願公開第０５６９７１４号明細書に基づき公知の吸気装置に は、ノイズ減衰のために吸入空気によって貫流されない付加容積が設けられてい る。この付加容積には、選択的に接続可能な２つの共鳴管（干渉管）が設けられ ており、これらの共鳴管は、内燃機関の規定された回転数において、不都合な音 響周波数の減衰を行う。 更に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０４１７８６号明細書に基づき公知 の内燃機関のための吸気装置では、吸い込まれた空気が貫流する貫流開口を変化 させるために、制御可能な遮断機構が設けられている。この遮断機構は、２つの 吸込み通路の間に位置する横方向通路に位置していて、電子制御装置の制御命令 により開閉される。これらの制御命令は、内燃機関の 回転数と、温度センサによって検出される外気の温度とに関連している。 公知先行技術における欠点は、吸入容積若しくは減衰容積の少なからぬ部分が 遮断されてしまうか、又は吸込みのために働かなくなる点である。このことは、 今日の自動車のエンジンルームにおける自由に使用可能なスペースの不足状態に おいて不都合となる。 課題 本発明の課題は、冒頭で述べた形式の内燃機関のための吸気装置を改良して、 内燃機関の全ての運転状態のために且つエンジンルーム内の自由に使用可能なス ペースを考慮して最適な運転状態、特にノイズ状態が得られるような、内燃機関 のための吸気装置を提供することである。 発明の利点 この課題を解決するために本発明による吸気装置は、請求項１の特徴部に記載 の構成を有している。 本発明による吸気装置は、吸気装置の容積全体が常に有効であり、しかもノイ ズ減少作用を変化させることができるので、最適な減衰が、種々異なる作用を伴 って複数の回転数領域に配分され得ることにより有利である。 請求項２記載の管開閉器により、吸気管は減衰容積において簡単に開放される 。容積内の音響伝播により、容積の大きさに基づき規定されたヘルムホルツ共鳴 器が作動させられる。このヘルムホルツ共鳴器は、規定された音響周波数領域の 伝播を助成し且つその他の領域を減衰する。請求項２記載の分岐管（干渉管）の 平行接続によって、干渉に基づき規定された音響周波数を、分岐管の長さに関連 して選択的に減衰することができる。 請求項３記載の付加通路を配置することにより、減衰容積を大面積でエアフィ ルタ容積に接続することができるので、この直接連結により、減衰容積にやはり 減衰作用を有するエアフィルタ容積が付加される。いわゆるヘルムホルツ共鳴器 は、この合計容積により規定され且つ低周波に対応し、このことは、内燃機関の 下側の回転数領域におけるノイズ減衰をもたらす。 請求項４に記載の構成は、減衰容積の所望の大きさ及び物理的な特性を、フレ キシブルに切り換えることができる。この切換技術は、その適応能に基づき、内 燃機関若しくは自動車の良好な音響特性を生ぜしめる。必要とされる切換えは、 請求項５記載の、自動車の別のユニットを利用して簡単に実現され得る。本発明 によれば、吸気装置の外部に複雑で高価な付加装置は不要である。 図面 第１図は、第１の接続位置にある切換可能な減衰容積を備えた吸気装置の原理 図であり； 第２図は、第２の接続位置にある切換可能な減衰容 積を備えた吸気装置の原理図であり； 第３図は、第３の接続位置にある切換可能な減衰容積を備えた吸気装置の原理 図であり； 第４図は、内燃機関の回転数に関連した、上記接続位置における音響放出量の 曲線経過を示した図である。 実施例の説明 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。 第１図には、内燃機関（図示せず）のための吸気装置１が示されている。この 吸気装置１により、矢印２で示された空気流が、エアフィルタ３を通って吸い込 まれる。このエアフィルタ３に後置されて、吸気管４が減衰容積５を貫通してス ロットルバルブ作動部材６に通じていて、この吸気管４は最終的には内燃機関の 吸気マニホールド７に通じている。エアフィルタ３と減衰容積５との間には、付 加通路８が配置されている。 減衰容積５の内部には、付加通路８を閉鎖するためのフラップ１０と、減衰容 積５内部に吸気管４を開放するための管開閉器１１と、分岐管１２とが位置して いて、該分岐管１２は、吸気管４から規定された長さにわたって該吸気管４に対 して平行に、しかも空気流２とは逆方向に延び且つ端部で開いている。 第１図では、減衰容積５が大面積でエアフィルタ３ に接続されている。それというのも、フラップ１０が付加通路８に対して開放さ れているからである。従って、上述のヘルムホルツ共鳴器又はヘルムホルツ共振 器は、全開放容積の合計によって規定されていて且つ低周波に対応している。こ の実態を明らかにするためには、音響放出量（ｄＢ（Ａ））の値が、全ての運転 形態における回転数（Ｕ／ｍｉｎ）に関連して示されている第４図を参照された い。第４図に示された曲線２１は例えば、下側の回転数領域における比較的大き な減衰を示している。 第２図には、付加通路に対するフラップ１０も管開閉器１１も閉鎖状態にある 接続位置が示されている。この接続位置では、減衰容積５は分路におけるヘルム ホルツ共鳴器として働く。それというのも、減衰容積５に対する吸気管４の連結 部材としては、分岐管１２のみが使用されるからである。このような分路共鳴器 は、分岐管１２の適合された長さに基づき、所望の規定されたノイズ成分若しく は音響周波数を選択的に減衰するために適している。これにより、第２図に示さ れた接続位置は、回転数領域全体で使用されるために適している。第４図には、 極めて低い音響周波数を減衰するための、４０Ｈｚの分路共鳴器において分岐管 １２を設定した場合の、回転数にわたる音響放出量の経過２０が示されている。 第３図には、減衰容積５とエアフィルタ３の容積と が相前後して接続されているツー・チャンバ容積のための接続位置が示されてい る。この接続位置では、管開閉器１１を開放し且つ付加通路８を閉鎖することに より、両チャンバはそれぞれ減衰器ネックを介して互いに連結されている。この 場合、特に高い音響周波数の減衰をもたらす２つの別個のヘルムホルツ共鳴器を 相前後して接続したことになる。この接続位置における音響放出量の経過は、第 ４図に曲線２２として示されている。 第４図から全体的に明らかなように、上で述べた３つの接続位置を適当に組み 合わせて、音響放出量の最適化された経過が内燃機関の回転数にわたって得られ る。従って、内燃機関において適応したノイズ減少を行うためのヘルムホルツ共 鳴器に適した有効容積を、各回転数領域のために使用することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内燃機関のための吸気装置であって、吸い込まれた空気がエアフィルタ（ ３）を介して内燃機関に供給されるようになっており、吸気路の領域に、ヘルム ホルツ共鳴器として働く減衰容積（５）が配置されており、得られる減衰容積の 大きさが、規定された音響周波数領域を減衰できるように設定されている形式の ものにおいて、 減衰容積（５）が、吸い込まれた空気によって少なくとも部分的に貫流される ようになっており、貫流される減衰容積（５）の大きさが可変であることを特徴 とする、内燃機関のための吸気装置。 ２．吸気管（４）が、減衰容積（５）を貫通案内されていて且つ該減衰容積（ ５）内部で管開閉器（１１）によって減衰容積（５）に対して開閉可能であり、 減衰容積（５）において吸気管（４）に、開いた分岐管（１２）が設けられてい て、該分岐路が規定された長さを以て平行に、空気流の方向（２）とは逆方向で 減衰容積（５）内に戻し案内されている、請求項１記載の吸気装置。 ３．エアフィルタ（３）と減衰容積（５）との間に、減衰容積（５）の入口で 閉鎖可能な、吸込み空気のための付加通路（８）が配置されている、請求項２記 載の吸気装置。 ４．減衰容積（５）の有効な大きさの切換が、内燃機関の回転数に関連して、 以下のように実施可能である、即ち： イ）中間の回転数領域の音響減衰のためには、付加通路（８）と管開閉器（１１ ）とが開かれており、 ロ）回転数領域全体の可変音響減衰のためには、付加通路（８）と管開閉器（１ １）とが閉じられており、所望の減衰特性が、分岐管（１２）の長さによって規 定可能であり、 ハ）上側の回転数領域の音響減衰のためには、付加通路（８）が閉じられていて 、管開閉器（１１）が開かれている、請求項３記載の吸気装置。 ５．減衰容積（５）を変化させるために不可欠な切換え過程が、自動車の液圧 システムによって内燃機関の回転数に関連して操作されるようになっている、請 求項１から４までのいずれか１項記載の吸気装置。