JP2000507570A - 脳機能改善薬を製造するための1―ベンジル―1,2,3,4―テトラヒドロイソキノリンの使用 - Google Patents

脳機能改善薬を製造するための1―ベンジル―1,2,3,4―テトラヒドロイソキノリンの使用

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Abstract

(57)【要約】 次式(I):

Description

【発明の詳細な説明】 脳機能改善薬を製造するための1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイ ソキノリンの使用 技術分野 本発明は、1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたは その薬理学的に許容される塩、とりわけ(−)1−ベンジル−1,2,3,4− テトラヒドロイソキノリンまたはその薬理学的に許容される塩の、記憶障害改善 作用、記憶保持増強作用に基づく脳機能改善薬に関する。 背景技術 現代の生活環境の著しい変化にともない、問題となる疾患も複雑化してきてい る。特に人口構成の高年齢化現象にともない、脳の種々の器質的疾患が問題とな っている。そのなかでも、記憶機能の脱落を主徴候とする記憶的痴呆である老人 性痴呆症、あるいはアルツハイマー病は大きな問題となってきている。しかしな がら、かかる疾病に対する治療薬として、脳エネルギー代謝賦活作用を有する薬 剤、あるいは神経伝達賦活・調整作用を有する薬剤、脳循環改善作用を有する薬 剤等が開発されたものの、抗痴呆症としての効果の点ではいまだ疑問視されてい る。したがって、現在は上記の疾病を完治、および疾病の進行を遅延させる有効 な治療薬は存在していないといえる。 発明の開示 本発明者らはこれまでに、優れた治療効果を有する種々の医薬品の開発を鋭意 検討してきており、その中でイソキノリン誘導体の薬理作用に着目した。イソキ ノリン誘導体に関しては、これまでに末梢血管拡張作用、交感神経刺激作用、鎮 痛作用、鎮痙作用等の薬理作用を有するものが知られており、実際の医薬品とし て使用されているものもいくつか存在する。 本発明者らは、イソキノリン誘導体のなかでも、単純な化学構造式を有する 1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンが、特異的記憶保持 作用を有すること、さらには保持された記憶が更に増強されることを新規に見出 した。 従来検討されてきた既存化合物のなかには、記憶障害改善作用が認められるも のがいくつかあるものの、同時に記憶保持増強作用を示すものはなかった。その 点で本化合物は脳機能に特異的な効果を発揮するものであるといえる。したがっ て本発明は、1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたは その薬理学的に許容される塩の記憶障害改善作用、記憶保持増強作用に基づく脳 機能改善薬を提供することを課題とするものである。 すなわち本発明の脳機能改善薬は、次式(I): で示される1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはそ の薬理学的に許容される塩を有効成分とするものである。 上記式(I)で示されるイソキノリン化合物自体は公知の化合物であるが、こ の化合物に記憶障害改善作用、ならびに記憶保持増強作用等の特異的薬理作用が あることは全く知られていないものであった。 したがって、本発明の一つの態様は、記憶障害改善作用に基づく、式(I)で 示される1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその 薬理学的に許容される塩を有効成分とする脳機能改善薬を提供する。 本発明の別の態様は、記憶保持増強作用に基づく、式(I)で示される1−ベ ンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその薬理学的に許容 される塩を有効成分とする脳機能改善薬を提供する。 式(I)で示される1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリ ンは、前記したように公知の化合物であり、例えば、J.Med.Chem., 32,1242−1248(1989)に記載される方法に従って、収率良く製 造することができる。かくして製造された式(I)で示される1−ベンジル−1 ,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、その1位が不斉炭素原子である。 したがって理論的には2種の光学異性体が存在するが、これら光学異性体および その異性体混合物のいずれもを、本発明の目的に使用することができる。。 それらの光学異性体およびその混合物の中でも、(−)1−ベンジル−1,2, 3,4−テトラヒドロイソキノリン[(−)異性体]は、特に脳機能改善薬として 有効である。 したがって、本発明はその好ましい態様として、記憶障害改善作用に基づく、 (−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその薬 理学的に許容される塩を有効成分とする脳機能改善薬を提供する。 さらに本発明の別の好ましい態様として、記憶保持増強作用に基づく、(−) 1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその薬理学的 に許容される塩を有効成分とする脳機能改善薬を提供する。 ところで、脳は他の臓器と異なり、短時間の酸素欠乏や脳循環障害によって不 可逆的機能障害に陥る。そのために、これら障害に対する治療薬としては、障害 された脳代謝を亢進させ、脳機能障害の改善を図る脳代謝賦活薬と、脳循環を改 善し、間接的に代謝を亢進させ、脳機能を改善しようとする脳循環機能改善薬が ある。前者の脳代謝賦活薬は、脳組織に直接作用して脳代謝を亢進させ、結果と して脳血流増加を伴う作用薬である。そのなかでも、脳エネルギー代謝の賦活・ 改善を目的としたもの、ならびに神経伝達機構の賦活・調整を目的とするものに 分けることができる。 本発明者らの検討によれば、式(I)で表わされる1−ベンジル−1,2,3 ,4−テトラヒドロイソキノリン(以下、注訳がない限り(−)異性体、および その(−)と(+)の異性体混合物を包含する。また、単に「化合物(I)」と略 称する場合もある)は、脳機能改善作用のなかでも、脳代謝賦活、特に神経伝達 賦活・調整が顕著なものであり、コリン性神経伝達賦活作用が特異的なものであ ることが判明した。 すなわち、アルツハイマー病および老人性痴呆症に陥った脳では、アセチルコ リン合成酵素であるコリンアセチルトランスフェラーゼ活性が選択的に減少し、 コリン神経の障害が生じており、その結果記憶障害が発生しているものと考えら れる。化合物(I)は、中枢性コリン作用に基づいてコリン神経機能を亢進させ る。アセチルコリン遊離を促進する中枢性コリン作用に基づく脳機能改善作用を 有するため、記憶や学習機能に関与する神経伝達賦活作用が顕著なものであり、 記憶機能の脱落を主徴候とするアルツハイマーあるいは老人性痴呆症に見られる 記憶的痴呆の治療に特に有効なものである。 例えば、化合物(I)は、タンパク合成阻害薬であるシクロヘキシミド(cy cloheximide)の投与による学習記憶障害を回復するばかりでなく、 学習記憶を更に増強させるものであることが判明した。この化合物の記憶改善お よび増強作用は、用量依存的なものであることより、記憶障害の程度に応じて投 与量を調整し、適切な応答を得ることが可能になるものといえる。 また、この化合物は、コリン作用物質のなかでも中枢性コリン作用を有するフ ィゾスチグミン(physostigmine)と類似の作用を有するものであ り、末梢性コリン作用を有するネオスチグミン(neostigmine)には 類しない作用を示した。すなわち、フィゾスチグミンまたは化合物(I)(薬理 学的に許容される塩の状態)をラットに腹腔内投与して誘発されるchewin g behavior(chewing症状)は、スコポラミンの前投与により 完全に消失した。このモデル実験による化合物(I)の中枢性コリン作用は、フ ィゾスチグミンより長く、より中枢選択性が高いものであった。これらの知見か ら判断すれば、化合物(I)の脳機脳改善作用は、その中枢性コリン作用に基づ くものである。 一方、いわゆるイソキノリン骨格は、その作用が中枢神経系のものである天然 アルカロイドに由来することより、イソキノリン誘導体の臨床上での使用は、化 合物自体の耽溺性形成、あるいは消化管潰瘍の形成により制限される。しかしな がら化合物(I)は、モルヒネ様の依存性形成作用を示さず、さらにインドメタ シンにみられる潰瘍形成は認められなかった。 化合物(I)は、種々の器質的疾患により引き起こされた脳の機能障害に作用 することより、この化合物は、例えば脳黒質を破壊してパーキンソン病と類似の 内因性パーキンソンニズムを惹起することが考えられた。しかし、なんら自発運 動機能障害は認められなかったため、パーキンソンニズムの惹起は生じないもの と考えられる。 図面の簡単な説明 図1は、薬理試験例1におけるフィゾスチグミンの結果を示す図である。 図2は、薬理試験例1における(+/−)化合物(I)・塩酸塩の結果を示す図 である。 図3は、薬理試験例1における(+/−)化合物(I)・塩酸塩投与後のche wing症状を呈した累積時間の結果を示す図である。 図4は、薬理試験例1におけるフィゾスチグミン投与後のchewing症状 を呈した累積時間の結果を示す図である。 図5は、薬理試験例2の重篤な記憶障害モデルにおける記憶障害改善作用の結 果を示す図である。 図6は、薬理試験例2の重篤な記憶障害モデルにおける自発運動量の結果を示 す図である。 図7は、薬理試験例2の低用量投与による記憶障害モデルにおける記憶障害改 善作用の結果を示す図である。 図8は、薬理試験例3の記憶保持増強作用の結果を示す図である。 図9ないし図16は、薬理試験例4における記憶保持増強作用の結果を示す図 である。 発明を実施するための最良の形態 式(I)で示される1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリ ンは、遊離塩基もしくはその薬理学的に許容される塩のいずれの形態でも、本発 明の目的に使用することができる。このような塩の形成は、式(I)の遊離塩基 を有機酸または無機酸と処理することにより行なわれる。適切な有機酸として、 例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフロロ酢酸、トリクロロ酢酸等の 低級脂肪酸;コハク酸、マレイン酸、フマル酸等の有機酸;安息香酸、p−ニト ロ安息香酸等の置換または未置換の安息香酸;メタンスルホン酸、トリフロロメ タンスルホン酸等の(ハロ)低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p −ニトロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ ン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸等の置換または未置換 のアリールスルホン酸;ジフェニルリン酸等の有機リン酸等を挙げることができ る。適切な無機酸として、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホウ フッ化水素酸、過塩素酸、硝酸等が挙げることができる。 かくして得られた塩のなかでも、とりわけ好ましいものは、コハク酸塩、マレ イン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸との付加塩、さらに 塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のような無機酸との付加塩が包含され る。 化合物は経口的または非経口的にも投与することができる。その最適1日投与 量は、治療を目的とする疾患の程度、患者の年齢、体重ならびに状態等によって も異なるが、経口投与の場合における通常の推奨1日投与量は、0.002〜1 00mg/kg、好ましくは0.01〜50mg/kg、より好ましくは0.0 2〜30mg/kgであり、また非経口投与の場合における通常の推奨1日投与 量は、0.002〜100mg/kg、好ましくは0.01〜50mg/kg、 より好ましくは0.02〜30mg/kgである。 化合物は、種々の経口投与製剤に調製することができ、そのような製剤として は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤、液剤等の経口投与 製剤が包含される。これらの製剤は、それ自他公知の方法にしたがって調製する ことができる。例えば、化合物は、例えばデンプン、マンニトール、ラクトーゼ 、乳糖グルコース、トウモロコシデンプン等の適切な賦形剤;カルボキシメチル セルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤;タルク、ス テアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;形質無水ケイ酸等の流動性向上剤等と混合 され、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤またはトローチ剤を製造することができ る。 化合物はまた、非経口的投与として注射製剤の形態で投与することもできる。 このような製剤は、界面活性剤、乳化剤および/また分散剤等により、予め生理 食塩水のような水担体に、分散または可溶化した注射溶液を包含することができ る。あるいはまた、化合物は、注射時に先立って分散または可溶化し得るような 結晶製剤または凍結乾燥製剤とすることもできる。水担体には、pH調整剤、安 定化剤、さらには前述した成分、あるいは必要な不活性成分を加えてもよい。か かる注射剤は、患者の症状に合わせて静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、腹腔 内投与、あるいは他の適当なルートにより投与される。これらの投与は一気にし てもよいし、適切な時間をかける点滴等により行うことができる。 以下の実施例および薬理試験例は、本発明をより詳細に説明するためのもので ある。実施例1:1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの光学分 (a)6.0g(23.12ミリモル)の(+/−)1−ベンジル−1,2,3 ,4−テトラヒドロイソキノリン[化合物(1)](本化合物は、J.Med.C hem.,32,1242−1248,1989に記載の方法で製造された。)の メチレンクロライド100ml懸濁液中に、3.85ml(27.75ミリモル )のトリエチルアミン、7.74g(34.68ミリモル)のZ−L−Ala− OH、8.88g(46.24ミリモル)の1−(3−ジメチルアミノプロピル )−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および100mgの4−ジメチルアミノピ リジンを氷冷下、0℃にて加えた。反応混合物を0℃にて5分間攪拌し、さらに 室温にて30分間攪拌した。溶媒を減圧下に留去した後、得られた残留物を20 0mlの酢酸エチルにて抽出した。抽出液を1N−塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナ トリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒 を減圧下に留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n −ヘキサン:酢酸エチル=5:1から3:1)にて精製し、二つの異性体、すな わち、化合物(2)の異性体(A)および化合物(2)の異性体(B)を得た。 化合物(2)の異性体(A)(淡黄色油状物として):1 H−NMR(CDCl3)δ:1.09(d,3H,J=6.6Hz),2.63 −3.76(m,6H),4.54−4.77(m,1H),5.04(s,2H), 5.80−5.90(m,2H),7.02−7.37(m,14H). 化合物(2)の異性体(B)(淡黄色油状物として):1 H−NMR(CDCl3)δ:1.19(d,3H,J=6.9Hz),2.50 −3.15(m,4H),3.39−3.64(m,2H),4.62(m,1H), 5.03(s,2H),5.55(m,1H),5.71(d,1H,J=7.8H z),6.70−7.28(m,14H). (b)上記で得た化合物(2)の異性体(A)500mg(1.17ミリモル) の25%臭化水素酸一酢酸混液1.5ml混合物を、0℃にて5分間、さらに室 温にて1時間攪拌した。次いで、12mlの酢酸エチルを加え、混合物を氷冷下 さらに10分間攪拌した。精製した沈澱物を集め、酢酸エチルで洗浄して、4 19mg(95.6%)の化合物(3)の異性体(A)を淡黄色固体として得た 。この化合物を5mlのメチレンクロライドに溶解させ、次いで0.19ml( 1.34ミリモル)のトリエチルアミンおよび0.14ml(1.35ミリモル )のフェニル イソチオシアネートを加えた。反応混合物を氷冷下30分、さら に室温下30分間攪拌した。反応終了後、10mlのメチレンクロライドを加え 、有機層を水洗後硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、得ら れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル =2:1)にて精製し、白色固体として化合物(4)の異性体(A)を446m g(93.1%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.18(d,3H,J=6.7Hz),2.69 −3.32(m,4H),3.44(m,1H),3.83(m,1H),3.39( m,1H),5.82(m,1H),7.02−7.45(m,14H),7.73( s,1H). 化合物(4)の異性体(B)も、化合物(2)の異性体(B)より上記と同様 の方法により得られた。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.38(d,3H,J=6.9Hz),2.77 −3.18(m,4H),3.66−3.85(m,2H),5.46(m,1H), 5.62(m,1H),6.81−7.47(m,14H),8.10(s,1H). (c)上記で得た化合物(4)の異性体(A)429mg(1ミリモル)のトリ フルオロ酢酸2ml混合液を窒素ガス気流下に、氷冷下20分間攪拌した。溶媒 を減圧下に留去し、得られた残留物を水10mlで処理し、溶液のpHを3N水 酸化ナトリウム水溶液で10に調製した後、メチレンクロライドで抽出した。有 機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物 を5mlのアセトニトリルおよび0.1mlの濃塩酸と処理し、次いで減圧下に 濃縮した。残渣に5mlの酢酸エチルを加え、混合物を室温にて10分間攪拌し た。得られた沈澱物を集め、酢酸エチルにて洗浄し、真空乾燥し、(+)1−ベ ンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの塩酸塩[(+)化合物(5)] を無色針状晶として201mg(77.5%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.00−3.34(m,5H),3.63(dd ,1H,J=4.6&13.9Hz),4.81(m,1H),6.73(d,J= 7.6Hz),7.06−7.33(m,8H). [α]D 25:+10.0°(c=1.0,EtOH) (−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの塩酸塩[(− )化合物(5)]を、化合物4)の異性体(B)から上記と同様の方法により得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.99−3.34(m,5H),3.63(dd ,1H,J=4.6&13.9Hz),4.81(m,1H),6.73(d,J= 7.6Hz),7.05−7.33(m,8H). [α]D 25:−9.2°(c=1.0,EtOH) 上記によりえられた化合物を、以下に示した薬理試験に供した。 試験化合物については、以下の略号を使用する。 (+/−)式(I)・塩酸塩:(+/−)1−ベンジル−1,2,3,4−テ トラヒドロイソキノリン塩酸塩 (−)式(I)・塩酸塩:(−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒド ロイソキノリン塩酸塩 (+)式(I)・塩酸塩:(+)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒド ロイソキノリン塩酸塩試験例A:(+/−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン の薬理作用 異性混合物である化合物(I)、すなわち(+/−)1−ベンジル−1,2,3 ,4−テトラヒドロイソキノリンの脳機能改善作用を以下のとおり考察した。薬理試験例1:中枢性コリン作用の評価 方法(1): (+/−)式(I)・塩酸塩(10mg/kgおよび30mg/kg)を、フィ ゾスチグミン(0.0mg/kgおよび0.3mg/kg)と比較実験した。さ れた。 ラットに、(+/−)式(I)・塩酸塩あるいはフィゾスチグミンを腹腔内投与 し、chewing症状を呈した時間を30分間にわたり累積的に計測した。他 の試験として、スコポラミンによるコリン作用の拮抗を検討するため、(+/−) 式(1)・塩酸塩あるいはフィゾスチグミン投与の10分前に、スコポラミン(1 mg/kg)を皮下投与した。 各試験において、ネガティブコントロールとして薬剤無投与群をおいた。 結果: その結果を、図1〜図4に示した。 図1および図2の結果から明らかなように、フィゾスチグミン(0.1mg/ kg)ならびに(+/−)式(I)・塩酸塩(10mg/kg)投与により、ch ewing症状が誘発されるものの、スコポラミンの前投与によりこの症状は完 全に消失していることが判明する。 また、図4の結果からも、フィゾスチグミンにより誘発されるchewing 症状を呈した累積時間は、投与後20分でプラトーに達している。すなわち、c hewing症状は、投与後20分間だけ持続した。これに対して、(+/−)式 (I)・塩酸塩によるchewing症状は、腹腔内投与30分間持続している( 図3)。 以上の結果から判断すると、本発明の(+/−)式(I)・塩酸塩は中枢性コリ ン作用を有し、その作用持続はフィゾスチグミンよりも長いものであることが良 く理解される。 方法(2): (+/−)式(I)・塩酸塩(10mg/kg、30mg/kgおよび100m g/kg)を、フィゾスチグミン(0.1mg/kg、0.3mg/kgおよび 1mg/kg)およびネオスチグミン(0.1mg/kg、0.3mg/kgお よび1mg/kg)と比較実験した。 ラットに被験薬を腹腔内投与し、chewing症状ならびに流涎(sal vation)の症状を観察した。(+/−)式(I)・塩酸塩とフィゾスチグミン については、同用量をマウスに皮下投与して、同様の観察を行った。 結果: その結果を表1にまとめた。 ○又は●:陽性 ×:陰性、 −:実施せず Chewing症状を中枢性コリン作用の指標とすることができ、また、流涎 (salvation)の症状を末梢性コリン作用の指標とすることができる。 上記の表1の結果からも明らかなように、(+/−)式(I)・塩酸塩は、フィゾス チグミンに比較して、中枢選択性が高いことが理解される。薬理試験例2:記憶障害改善作用の評価 (1):重篤な記憶障害モデルでの評価 方法: あらかじめstep−through型受動的回避反応実験装置に馴化させた 1群10匹のマウスを使用した。各マウスは、装置の明区画内に静置され、受動 的回避反応に馴化させた。すなわちマウスが暗区画内に移動してホトビームを切 ると同時に床グリッドを介して電気ショック(100V)が負荷されるように学 習記憶をさせた。その学習記憶直後に、タンパク合成阻害薬であるシクロヘキシ ミド(120mg/kg)を各マウスに皮下投与し、続いて、(+/−)式(I)・塩 酸塩(10mg/kgまたは30mg/kg)をそれぞれ腹腔内投与した。 その翌日に、再び各マウスを装置の明区画内に静置させ、暗区画内に入るまで の反応潜時を測定した。 コントロール群として、薬剤無投与群ならびにシクロヘキシミド単独投与群を おいた。 なお、個々のマウスが正常に自発運動活性を示すか否かを確認する目的で、潜 時測定直後にAnimexにより自発運動量を測定した。 結果: その結果を、図5および図6として示した。シクロヘキシミド(120mg/ kg)を投与した各マウスの反応潜時は、有意に短縮された。すなわち、記憶障 害されていた。シクロヘキシミドの投与に加えて(+/−)式(I)・塩酸塩を投 与することにより、この記憶障害が改善されていることが判明し、特に30mg /kg投与群には有意な改善が認められた(図5)。 また、(+/−)式(I)・塩酸塩は、自発運動量に影響を及ぼしていないことも 判明した(図6)。これらの結果から、(+/−)式(I)・塩酸塩による潜時の延長 は、鎮静などの自発運動減少に起因するものでないことが確認された。 (2)シクロヘキシミド低用量投与による記憶障害モデルでの評価 方法: 上記の方法と同様に行なったが、以下に述べる変更を加えた。マウスは1群5 匹を使用し、電気ショック強度は25Vとし、シクロヘキシミドの投与量を低用 量(30mg/kg、皮下投与)とした。(+/−)式(I)・塩酸塩は10mg/ kgを腹腔内に投与した。 コントロール群として、薬剤無投与群ならびにシクロヘキシミド単独投与群を おいた。 結果: その結果を、図7に示した。(+/−)式(I)・塩酸塩は10mg/kgと いう低用量でも、シクロヘキシミドにより誘発される記憶障害を顕著に改善して いることが判明する。薬理試験例3:記憶保持増強作用の評価 方法: あらかじめstep−through型受動的回避反応実験装置に馴化させた マウスを1群10匹使用した。各マウスを装置の明区画内に静置させ、受動的回 避反応を学習記憶させた。マウスが暗区画内に移動してホトビームを切ると同時 に床グリッドを介して電気ショック(25V)が負荷されるようにすることによ って、マウスに暗区画内に移動しないよう学習記憶をさせた。その学習記憶直後 に、(+/−)式(I)・塩酸塩(30mg/kg)を腹腔内投与した。 その翌日に、再び各マウスを装置の明区画内に静置させ、暗区画内に入るまで の反応潜時を測定した。 コントロール群として、薬剤無投与群をおいた。 結果: その結果を、図8に示した。図中の結果からも明らかなように、(+/−)式( I)・塩酸塩の30mg/kg投与により、薬剤無投与コントロール群に比較し て、有意に反応潜時が延長されている。このことは、本化合物が正常動物の記憶 保持を増強していることを示唆するものである。 以上の薬理試験例の結果から判断すると、式(I)で示される1−ベンジル− 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、持続時間の長い中枢選択性の高 いコリン作用を有している。また、強力な記憶障害改善を示し、さらに記憶保持 増強作用を示している。 この記憶保持増強作用は、現在使用されている他の薬剤にはみられない、本化 合物に特異的なものである。試験例B:(+)または(−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ キノリンの薬理作用 試験例Aの結果は、(+/−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイ ソキノリンが、有意な脳機能改善作用を示すものであった。次に、各光学異性体 の有効性について、個々に評価した。薬理試験例4:記憶障害改善作用 方法: あらかじめstep−through型受動的回避反応実験装置に馴化させたマ ウスを、1群12匹使用した。各マウスを装置の明区画内に静置させ、受動的回 避反応を学習記憶させた。マウスが暗区画内に移動してホトビームを切ると同時 に床グリッドを介して電気ショック(25V)が負荷されるようにすることによ って、マウスに暗区画内に移動しないよう学習記憶をさせた。その学習記憶直後 に、各マウスにタンパク合成阻害薬であるシクロヘキシミド(30mg/kg) を各マウスに皮下投与し、続いて、後述する試験化合物を経口投与した。 その翌日に、再び各マウスを装置の明区画内に静置させ、暗区画内に入るまで の反応潜時を測定した。 試験化合物は、(+/−)式(I)・塩酸塩、(+)式(I)・塩酸塩、ならびに(− )式(I)・塩酸塩とし、これらの化合物は、上記した実施例1に記載の方法で調 製した。試験化合物の3種は、4種類の用量(0.3mg/kg,1mg/kg ,3mg/kgおよび10mg/kg)で試験した。 ポジティブコントロール群として、アメリカで唯一アルツハイマー病の治療薬 として認可を受けているタクリンを上記と同様の方法で、それぞれ1mg/kg ,3mg/kg,10mg/kgおよび30mg/kgを単回経口投与したマウ スをおいた。 ネガティブコントロール群として、ベヒクルのみの投与マウスならびにシクロ ヘキシミドを含有するベヒクル投与マウスの群をおいた。 なお、個々のマウスが正常に自発運動活性を示すか否かを確認する目的で、潜 時測定直後にAnimexにより自発運動量を測定した。 結果: その結果を、図9〜図16に示した。 シクロヘキシミド(30mg/kg)の投与により、マウスの反応潜時は有意 に短縮された。すなわち、記憶障害が誘発された。シクロヘキシミドに続いて( +/−)式(I)・塩酸塩あるいは(−)式(I)・塩酸塩を投与すると、シクロヘ キシミドによる記憶障害が改善された。特に(−)式(I)・塩酸塩の3mg/k gおよび10mg/kg投与群には有意な改善が認められており(p<0.01 )(図11)、同用量の(+/−)式(I)・塩酸塩の投与群を上回る有意性が確認 された(図10および図11)。一方、(+)式(I)・塩酸塩の投与群は、シクロ ヘキシミド投与後にベヒクルのみを投与したネガティブコントロール群とほぼ同 様の反応潜時を示した(図12)。 以上の薬理試験例の結果から判断すると、式(I)で示される1−ベンジル− 1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンが有する脳機能改善作用(より特異 的には記憶障害改善作用)は、(−)異性体の薬理作用によるものと判明した。 ポジティブコントロール群のタクリンも、30mg/kg投与群に記憶障害の 有意な改善が認められた(図9)。これらの結果から、式(I)で示される1−ベ ンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、タクリンに比較し、約 10倍の効力が有るといえる。 また、すべての試験化合物には、自発運動量に影響を及ぼさないことも判明し た(図13ないし図16)。このことから、1−ベンジル−1,2,3,4−テト ラヒドロイソキノリンによる潜時の延長は、鎮静などの自発運動減少に起因する ものでないことが確認された。薬理試験例5:抗潰瘍形成作用 マウスを1群3匹使用し、(+/−)式(I)・塩酸塩の30mg/kgおよび1 00mg/kgを皮下投与した。投与の5時間後にマウスを屠殺し、その胃を摘 出し、実体顕微鏡下で潰瘍形成の有無を観察した。 同様に、インドメタシン100mg/kgを3匹のマウスに皮下投与した実験 を行なった。 その結果、インドメタシン投与群においては、3匹中2匹に潰瘍形成が認めら れたが、(+/−)式(I)・塩酸塩投与マウス群においては、何ら潰瘍形成は認 められなかった。薬理試験例6:毒性試験 (+/−)式(I)・塩酸塩100mg/kgをマウスに、単回皮下投与し、急 性毒性症状を観察した。投与後、連続3日間にわたり毒性症状を観察した。しか し、この期間中に死亡例は認められなかった。 以上の薬理試験例の結果から、式(I)で示される1−ベンジル−1,2,3 ,4−テトラヒドロイソキノリン、特に(−)異性体は、中枢性コリン作用に基 づく脳機能改善作用、特に、記憶障害改善作用を有することが確認された。さら に、本化合物は、記憶障害の改善作用ばかりでなく、記憶保持増強作用をも有す るものであり、記憶改善作用のみを有する他の化合物、あるいは従来から検討さ れている既存化合物と異なる特異的な化合物である。 したがって本発明は、記憶障害改善作用、記憶保持増強作用に基づく脳機能改 善薬を提供する点で、医療上の有用性が特に顕著なものである。 以下は、本発明の目的のために使用される代表的な製剤例であるが、本発明は これに限定されるものではない。製剤例1(錠剤) 組成: (+/−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ イソキノリン・塩酸塩 30g 乳糖 105g 微結晶セルロース 20g トウモロコシデンプン 20g 5%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g 上記成分(ステアリン酸マグネシウムを除き)を、製剤上汎用されている練合 機、造粒機を用いて節過造粒した。かくして得られた顆粒を、送風乾燥後、整粒 した。次いで、ステアリン酸マグネシウムと混合し、打錠機にて重量150mg の錠剤とした。製剤例2(錠剤) 組成: (−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ イソキノリン・塩酸塩 15g 乳糖 120g 微結晶セルロース 20g トウモロコシデンプン 20g 5%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g 上記各成分を用い、製剤例1と同様の方法に従って、重量150mgの錠剤と した。製剤例3(カプセル剤) 組成: (+/−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ イソキノリン・塩酸塩 30g 乳糖 105g トウモロコシデンプン 48g ステアリン酸マグネシウム 2g 上記各成分を、細かく粉末化し、均一な混合物となるように十分に混合し、ゼ ラチンカプセルに充填した。各カプセルは、0.15gづつの混合物で充填され た。製剤例4(カプセル剤) 組成: (−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ イソキノリン・塩酸塩 15g 乳糖 120g トウモロコシデンプン 48g ステアリン酸マグネシウム 2g 上記各成分を、細かく粉末化し、均一な混合物となるように十分に混合し、ゼ ラチンカプセルに充填した。各カプセルは0.15gづつの混合物で充填された 。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次式(I): で示されるで1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたは その薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する脳機能改善薬。 2.記憶障害改善作用に基づく、請求項1に記載の式(I)で示される1−ベン ジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその薬理学的に許容さ れる塩を有効成分とする脳機能改善薬。 3.記憶保持増強作用に基づく、請求項1に記載の式(I)で示される1−ベン ジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその薬理学的に許容さ れる塩を有効成分とする脳機能改善薬。 4.請求項1に記載の式(I)で示される1−ベンジル−1,2,3,4−テト ラヒドロイソキノリンが、(−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイ ソキノリンである請求項1ないし3のいずれかに記載の脳機能改善薬。 5.(−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその 薬理学的に許容される塩を有効成分とする脳機能改善薬。 6.(−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその 薬理学的に許容される塩の記憶障害改善作用に基づく脳機能改善薬。 7.(−)1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンまたはその 薬理学的に許容される塩の記憶保持教増強作用に基づく脳機能改善薬。
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