JP2000507392A - 改良された圧電セラミック―ポリマー複合材料 - Google Patents
改良された圧電セラミック―ポリマー複合材料Info
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Abstract
(57)【要約】
圧電デバイスの用途のための改良された特性を有する圧電セラミック−ポリマー複合材料の製造のための方法および組成物を記載する。これら複合材料は、ポリマーマトリックス中に埋封された圧電粒子から成る。本発明の改良は、性能に対する粒度、粒度分散、容量配合レベル、セラミック誘電率およびポリマー誘電率の作用の発見に起因する。これら組成物に基づく種々の改良されたデバイスも記載する。
Description
【発明の詳細な説明】
改良された圧電セラミック−ポリマー複合材料
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、改良された圧電セラミック/ポリマー複合材料、およびこのような
複合材料を用いた圧電センサーおよび関連デバイスに関する。
2.先行技術の説明
圧電材料は、広範囲のセンサーおよびアクチュエーター用途で用いられてきた
。例えば、圧電ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)およびチタン酸バリウム(BT
)セラミックス、および圧電ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリ(フ
ッ化ビニリデン−co−トリフルオロエチレン)(PVDF−TrFE)ポリマー
は、広く用いられるセンサー材料である。しかしながら、このような圧電セラミ
ックスおよび圧電ポリマーのセンサーとしての用途について大きな性能不安定性
が存在する。第一に、PZTおよびBTの圧電電荷係数(d33およびd31)は非
常に高い(約100〜600pC/N)が、それらの静水電荷係数(dh=d33
+d31+d32)は、−(d31+d32)がd33とほぼ等しいために低い。第二に、
これらセラミックスは高誘電率(約1000〜4000)を有するので、それら
の圧電電圧係数(gh=dh/εε0,εは真空誘電率ε0に対する誘電率である)
は高くない(0.002mV/N未満)。第三に、圧電セラミックスと水との間
の音響インピーダンスには大きな差があり、したがって、流体または層に合致し
たインピーダンスがしばしば必要とされる。第四に、PZTまたはBTなどの圧
電セラミックスを水中マイクロフォン用途に用いるためには、典型的には、機械
的変圧器形状(端部キャップを有する円筒形状など)を用いて感度を増加させる
が、これは、デバイス製造費用を増加させる。第五に、セラミックスは非常に脆
く、非柔軟性で、そして順応性がない。第六に、セラミックスの高い機械的Q(
Qm)は、外部制動層を用いない場合、センサー内でリンギングを引き起こす。
一方、PVDFおよびPVDF−TrFEの圧電電圧係数は非常に高い(0.1
m
V/Nを越える)。このような圧電ポリマーは柔軟性であり且つ水とほとんど違
わない音響インピーダンスを有する。残念ながら、ポリマーの比較的低い誘電率
(通常は15未満)は、電圧増幅器と結合したデバイスの感度減少を引き起こす
ことがある。これら感度減少は、小型高感度圧電ポリマーセンサーの出力インピ
ーダンスが電圧増幅器の入力インピーダンスに匹敵することがあるために起こる
。更に、PVDFおよびPVDF−TrFEの低い圧電電荷係数(約20〜50
pC/N)は、電荷増幅器と相接した場合、それらを圧電セラミックスと比較し
て劣ったものになる。PVDF−TrFE組成物の結晶化度が非常に高い場合、
これはいくつかの用途に望ましいが、これら組成物は脆くなる。最後に、必要な
ポーリング(poling)電界が高いので、センサーが厚い(約0.5mmを越える
)場合、圧電ポリマーをポーリングすることは難しい。
センサー用途に最適な材料特性を得るために、圧電セラミック/ポリマー複合
材料は広範囲にわたって研究されてきた。Newnhamら(Mat.Res.Bull.13,pp
.525-532,1978)は、圧電セラミック/ポリマー複合材料をより有効に設計す
るために、相連接(Phase connectivity)の概念を打ち立てた。多数の可能な相
連接パターンがあるが、最も費用がかからない複合材料は、連続した三次元連接
マトリックス中の圧電セラミック粒子から成る。これら粒子を(連続ネットワー
クを形成するように)零次元、一次元、二次元または三次元でパーコレートする
場合、これら複合材料はそれぞれ、最も厳格な意味で、0−3複合材料、1−3
複合材料、2−3複合材料または3−3複合材料と言われる。しかしながら、典
型的には、先行技術報告からのセラミック粒子パーコレーションの度合いを評価
することは難しい。したがって、本発明者は、三次元で連接したポリマーホスト
(host)中のセラミック粒子複合材料を、それらセラミック粒子のパーコレーシ
ョンの度合いとは無関係に0−3複合材料と言うことにする。
Kyiatama(Rept.Prof.Gr.Inst.Elec.Comm.Egn.Japan.,pp.CPM72-17
,1972)、Pauer(IEEE Int'l Conv.Rec.pp.1-5,1973)、およびHarrison(P
roc.Workshop on Sonar Transducer Mat.Navy Research Lab.,pp.257-268,1
976)は、有用な0−3複合材料の二次加工を最初に試みた。しかしながら、報
告されたd33値は非常に低かった。Yamadaら(J.App.Phys.53,
pp.4328-4332,1982)は、PZT粉末およびPVDFから0−3複合材料を製造
した。48×10-13m2/N程度の高い圧電電荷係数(d33)が得られたが、ソ
ーナー用途のための材料の性能は報告されなかった。Giniewiczら(米国特許第4
,624,796号)は、PbTiO3−BiFeO3(PT−BF)類質類形固溶体のセ
ラミック粉末およびエポキシから製造された0−3複合材料を開示した。60%
および75%体積分率のセラミック粉末を用いた。報告された最大dhおよびdh
ghはそれぞれ、35pC/Nおよび35×10-13m2/Nを越えなかった。更
に、これら発明者は、それら材料の誘電損を開示しなかったので、この材料から
製造されたセンサーで生じると考えられる自己雑音を評価することは不可能であ
る。報告された最少感度を得るために、セラミック粉末は、繰返しの圧潰か焼(
すなわち、機械的圧潰に続くか焼)および水中急冷法によって製造されたが、こ
れは、商業生産で用いられた場合、費用がかかると考えられる。更に、100p
siより高い圧力におけるその複合材料の水中マイクロフォンの性能は報告され
なかった。その後に、同発明者(Proc.1986 IEEE Int'l.Symp.Appl.
Ferroelectrics,pp.285-287,1986)は、同様の材料が大きく圧力非依存性の性
能を与えたことを主張したが、この材料について報告された最少感度は比較的低
い(dhgh=27×10-13m2/N)。Bannoら(日本語J.App.Phys.,26,pp
.153-155,1987)は、NTK Piezo-Rubbers PR-303、PR-304、PR-305、PR-306およ
びPR-307と称する圧電柔軟性複合材料を製造した。それらの組成委細、セラミッ
ク粉末の体積分率およびセラミック粉末の製造方法は開示されなかった。PR-303
、PR-304およびPR-306は、8〜12×10-13m2/Nの範囲内である水中マイク
ロフォンの最少感度(dh 2/εε0=dhgh,dhおよびghは、それぞれ、静水
圧電電荷および電圧係数である)を示し、PR-305およびPR-307は、約50×10-13
m2/Nの最少感度を有する。PR-305およびPR-307は高い最少感度を有するが
、それらは、水中マイクロフォン性能の静水圧への依存性のためにおよび高い静
水圧によって引き起こされる水中マイクロフォンへの不可逆的損傷のために、水
面下水中マイクロフォン用途に有用ではない。誘電損(tanδ)を考慮に入れる
もう一つの最少感度(FOM=dhgh/tanδ)(Bhalla,A.S.とTing,R.Y.S
ensors and Materials,4,pp.181-185,1988)を用いる
ならば、性能の問題は明らかである。この最少感度を、ここで、損失補正された
最少感度と称する。具体的には、PR-305およびPR-307はそれぞれ、0.03およ
び0.05の誘電損を有するので、dhgh/tanδはそれぞれ1.7×10-10およ
び1.0×10-10m2/Nであり、これは、損失補正された最少感度に関してあ
まり高い値ではない。これら圧電セラミック/ゴム複合材料は、通常のポリマー
と比較して高いがセラミック強誘電体の場合よりずっと低い誘電率(約34〜5
6)を有する。Sumitaら(Makromol.Chem.Rapid Communication,12,pp.657-
661,1991)は、振動制御用途のための炭素粉末およびPVDFを含むPb0.93
La0.07(Zr0.65Ti0.35)O3(PLZT)およびPZTの圧電複合材料を
報告した。50容量%未満のセラミック粉末配合レベルでは、振動制動の効率が
低い。しかしながら、観察されたd33係数は、PLZTおよびPZT複合材料に
ついてそれぞれ180および440pC/Nである。これら高い圧電電荷係数は
、ポリマーマトリックス中に隔離された個々のセラミック粒子を連接する導電性
媒体として作用する炭素粉末の存在に一因となっている。炭素粉末の存在は、セ
ラミック粒子のポーリング過程をも促進する。残念ながら、炭素粉末の高い配合
レベルのために、これら材料は、センサー用途に用いるにはあまりに導電性すぎ
る。Hanら(“Effect of Processing Variables on Dielectric and
Piezoelectric Properties of 0-3 Composites”,Ph.D.Thesis,Rutgers
University,New Branswick,ニュージャージー,1992年)は、コロイド加工技
術を用いて、PT−BF類質類形固溶体、PZTおよび非ドープチタン酸鉛(P
T)のセラミック粉末と種々のポリマーから0−3複合材料を製造した。最高の
水中マイクロフォン最少感度(ghdh)は、PT−BFおよびエポキシの複合材
料について56×10-13m2/Nであることが判った。しかしながら、損失補正
された最少感度ghdh/tanδ=1.7×10-10m2/Nは、Bannoら(日本語J.
App.Phys.,26,pp.153,1987)によって報告された材料の内の一つについての
値に匹敵する。セラミック粉末を製造するのに用いられる共沈法は、非常に長時
間を要し費用がかかる。同じことが、複合材料に用いられるコロイド加工法につ
いて言える。更に、最高の最少感度を有する材料は、約0.03の比較的高い誘
電損を有する。最近になって、Diasら(Sensors and Actuators A37-38,
pp.343-347,1993およびMat.Res.Soc.Symp.Vol.276,pp.25-29,1992)は、
75/25モル比のフッ化ビニリデン対トリフルオロエチレン比を有する圧電P
VDF−TrFEコポリマー中のカルシウム変性チタン酸鉛(Ca−PT)から
の0−3圧電複合材料の二次加工を報告した。セラミック粉末の平均粒度は20
μmであった。最高の最少感度(dhgh)は、12×10-13m2/Nであると報
告されたが、これは以前に報告された多くの複合材料の場合よりもずっと低い。
しかしながら、この材料は、0.014の比較的低い誘電損しか有さないので、
その損失補正された最少感度dhgh/tanδ=0.9×10-10m2/Nは、最高の
dhgh値を有するNTK Piezo-Rubber PR-307のものとほぼ同じである。
この先行技術は、センサー形状へと容易に加工され、高い最少感度(ghdh)
、低誘電損、圧力非依存性能および良好な温度安定性を有する0−3複合材料を
提供していない。Newnhamら(Newnham.R.E.とMarkowski.K.A.,Proceedings
of Japan-US Workshop on Functional Fronts in Advanced Ceramics,筑波,日
本,1995年にて)は“加工および二次加工において何の問題もなく製造された複
合材料を有し、かつ、静水荷重下の静圧感度がほとんどまたは全く変化しない水
中マイクロフォン用途で高い最少感度をも示すことが特に望ましい”とコメント
した。水中マイクロフォン用途のためのこのような材料の必要性は明らかである
。改良された圧電複合材料は、電気機械的アクチュエーター、音響プロジェクタ
ーおよび振動ダンパーなどの他の用途のホストにも必要とされる。この先行技術
は、0−3複合材料がセンサー用途に有望な可能性を与え得ることおよびこのよ
うな複合材料が単相圧電セラミックスまたはポリマーより潜在的に優れているこ
とを示唆しているが、この先行技術は、そのような複合材料からどのようにして
最適な性質を得るかを示していない。
発明の要旨
本発明は、三次元に連続しているポリマー材料中の圧電セラミック粒子の混合
物を含む圧電複合材料であって、
(a)該圧電セラミック粒子の重量平均直径Dが30ミクロン〜200ミクロ
ンであり、
(b)該圧電セラミック粒子の少なくとも50重量%が0.5D〜1.5Dの範
囲内である平均直径を有し、
(c)該圧電セラミック粒子の1kHzでの誘電率が約700未満であり、
(d)該ポリマー材料の1kHzでの誘電率が2.8以上であり、
(e)該ポリマー材料の1kHzでの誘電損が0.025未満であり、そして
(f)該複合材料中の圧電セラミックの体積分率が40%〜74%である圧電
複合材料を提供する。
本発明は、三次元に連続しているポリマー材料中の圧電セラミック粒子の混合
物を形成することを含む複合材料の製造方法であって、該粒子および該ポリマー
材料が上の(a)〜(f)のパラメーターを有し、そして該圧電セラミック粒子
が、セラミック形成性金属酸化物粉末のさらさらした混合物を少なくとも約40
0℃の温度で、前記セラミック形成性金属酸化物粉末のさらさらした混合物の圧
縮ディスクを焼結するのに充分な時間加熱することによって得られるさらさらし
た粉末の形であり、そして圧電セラミック粉末およびポリマー材料の前記混合物
を、少なくとも5,000psiの圧力で溶融加工して造形品をもたらすことを
含む方法も提供する。
本発明は、更に、圧電複合材料造形品の製造方法であって、
(I)圧電セラミック粒子のさらさらした粉末を溶媒とポリマー材料との溶液
中に分散させ、
(II)下記の(i)および(ii):
(i)該ポリマー材料の非溶媒を該溶媒に加え、そして前記溶媒と非溶媒
との混合物から形成された固体を分離すること;および
(ii)該溶液から溶媒を蒸発させて複合材料を形成すること
の少なくとも一つを含む工程によって複合材料を形成し、そして
(III)該複合材料を、200℃を越える温度と少なくとも約10,000ps
iの圧力で加圧して造形品にすることを含み、この際、該粒子とポリマー材料が
上記の(a)〜(f)のパラメーターを有する方法を提供する。
本発明は、更に、ポリマー材料中のセラミック粒子の混合物を含む、縁部を有
する複合材料物品のポーリング方法であって、該複合材料物品をコロナ放電とア
ースとの間の電気路に入れて、前記複合材料物品の縁部が、該複合材料物品の縁
部上に位置する絶縁材料によってコロナ放電から遮蔽されるようにすることを含
み、この際、コロナ放電とは反対の前記複合材料物品の側が金属導体と接触して
おり、該複合材料物品は、流体が入っている熱浴中に配置され、コロナ放電から
該複合材料物品に適用される電界が約120kV/cm以上であり、そして該浴
の温度が該ポリマー材料の最高の融解温度より少なくとも約30℃低い方法も提
供する。
本発明は、プロジェクターなどの圧電アクチュエーター、および上記複合材料
を用いるセンサーにも向けられている。
本発明は、複合材料を形成する方法であって、モノマーまたはプレポリマー中
の圧電セラミック粒子の混合物を形成した後、前記モノマーまたはプレポリマー
の反応を行って、三次元に連続しているポリマーマトリックス材料を製造するこ
とを含み、この際、該粒子およびポリマー材料は上記の(a)〜(f)のパラメ
ーターを有する方法にも関する。
図面の簡単な説明
以下の発明の好ましい態様の詳細な説明および添付の図面を参照すると、本発
明は一層明確に理解されるであろうし、そして更に、用途が明らかであろう。
図1は、平坦な圧電材料のポーリングに用いられる装置の略図である。
図2は、円筒形圧電材料のポーリングに用いられる装置の略図である。
好ましい態様の説明
本発明は、高い最少感度、低い誘電損、圧力非依存性能、およびデバイス形状
への好都合な加工性を有する圧電複合材料を提供する。このような組成物は、水
面下圧電水中マイクロフォン用途に特に重要である。これら複合材料は、二つの
成分、すなわち、高誘電率、低誘電損および高融点ポリマーである第一成分、並
びに圧電セラミック粉末である第二成分を有する。この圧電セラミック粉末は、
最も好ましくは、均一なまたは非常に狭い粒度分布を有する球形のCa変性チタ
ン酸鉛(Ca−PT)、Sm変性チタン酸鉛(Sm−PT)またはメタニオブ酸
鉛(PN)粒子から成る。本発明で用いられるセラミック粉末の平均粒度は、好
ましくは、30〜200μm、より好ましくは、40〜150μある。この粒度
は、好ましくは、複合材料の最小寸法より小さく、より好ましくは、複合材
料の最小寸法の約10分の1未満である。特に断らない限り、平均粒度という用
語は重量平均粒度を示す。粒度および粒径という用語は同じ意味を有する。
本発明の態様において用いられる粉末に用いられる好ましいセラミックスは、
1kHzで700未満の誘電率を有する。熱脱ポーリングに関する安定性のため
に、特に好ましいセラミック組成物のキューリー転移温度は200℃を越える。
水面下水中マイクロフォン用途のための本複合材料の性能は、最少感度(FO
M)で特徴付けられる。圧電センサーが、電荷よりもむしろセンサーによって生
じたAV電圧を増幅する電圧増幅器と相接している場合、最も情報を与え且つ一
般的に用いられる最少感度は、
FOM=gh 2ε33ε0=ghdh=dh 2/ε33ε0 (1)
(式中、ε33は、自由空間の誘電率ε0に対するポーリング方向の誘電率であり
、そしてghおよびdhは、それぞれ、圧電電圧および電荷係数である)である。
定数ghは、一単位の圧力変化で圧電センサーによって生じることができる単位
厚み当りのセンサー電圧を決定する。定数dhは、単位面積当りの電荷密度の変
化がこの圧力変化によってどれくらい生じるかの尺度である。ghは比較的温度
に鈍感であるが、dhは感温性であることに注目されたい。これは、電圧増幅器
が一般的に水面下ソーナー用途のための圧電センサーと相接している一つの理由
である。上の最少感度(1)は、有用な水中マイクロフォン材料が、高い定数dh
と低い定数ε33を有すべきであることを意味する。残念ながら、高い定数dh(
約60pC/N)を有する大部分の圧電セラミック材料は、高い定数ε33(約3
500)も有する。結果として、それらの水中マイクロフォンの最少感度は低い
。一方、圧電ポリマーは低い誘電率を有するが、それらは低い定数dhも有する
。やはり、低い最少感度をもたらす。ポリマーより高い誘電率と高い定数dhを
有する圧電材料は、電圧増幅器の入力と圧電センサーの出力との間の電気インピ
ーダンスの差を最大にする見地から望ましい。本発明の成果の一つは、約50×
10-13m2/Nの最少感度(ghdh)に転換される、高い誘電率(50〜80)
とかなり高い定数dh(40〜60pC/N)を有する材料を与えることである
。本発明において示されるように、高感度の水中マイクロフォンは、本複合材料
から容易に二次加工される(実施例を参照されたい)。
他の有用な最少感度は、ghdh/tan(δ)、ghdh/ρおよびghdh/ρtan
δである。ここで、tanδおよびρは、それぞれ、誘電損および複合材料の密度
である。最少感度へのtanδの包含は、センサー自己雑音、および抵抗加熱によ
る信号エネルギー損率を考慮したものである。最少感度の中の密度ρは、水と水
中マイクロフォン材料との間の音響インピーダンス(Z=cρ、cは音速であり
ρは密度である)の合致、並びにデバイス重量に関係している。本発明のセラミ
ック/ポリマー複合材料の誘電損(tanδ)は、一般に、0.013〜0.018
である。本複合材料の密度は、一般に、4〜5g/cm3ある。本複合材料の損
失補正された最少感度(ghdh/tanδ)は、大体、先行技術で開示された最も
高い損失補正された最少感度のほぼ2倍の高さである4×10-10m2/Nを越え
ることができる。
センサー材料密度を最小にすることは、センサー特性に二つの重要な影響があ
る。第一に、低密度材料は、水とセンサーとの間の音響インピーダンスをより良
く合致させることができる。第二に、低密度は、軽量センサーの構築を可能にす
る。先行技術は、かなり高い最少感度を得るには、60%を越える体積分率の圧
電セラミック粉末が必要であることを教示している。結果として、先行技術にお
いて好ましいとされた複合材料は、約5〜6g/cm3の密度を有する。Hossack
とAuld(Ferroelectric,156,pp.13-18,1994)は“うまく製造された0−3複
合変換器を吟味すると、60%〜65%の範囲のセラミック体積分率が必要であ
ることが分かる。この範囲より低いセラミック体積分率を有するデバイスは、電
気的に活性なセラミック粒子間のポリマーの薄い絶縁薄膜の存在のために充分に
機能しない。”ことを述べている。本発明は、50%程度の低い体積分率の圧電
セラミック粉末を含有する本複合材料が、35×10-13m2/N程度の高い最少
感度(dhgh)または2.3×10-10m2/Nのghdh/tanδ値を与えることが
できることを示す。後者の損失補正された最少感度は、報告された最高の先行技
術値(dhgh/tanδ=1.7×10-9m2/N)よりも高い。
本発明において、高誘電率、低誘電損および高融点ポリマーを用いて、セラミ
ック/ポリマー複合材料を製造することが好ましい。本発明者は、このような選
択が、ポーリング工程を容易にし、そして高い残留分極、低レベルの自己雑音お
よび広範な作動温度範囲を与えることを見出している。低誘電損を有する殆どの
高誘電率ポリマーは強誘電体である。ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)お
よびポリ(フッ化ビニリデン−co−トリフルオロエチレン)(PVDF−TrF
E)は、7〜15の範囲内の誘電率を有する。ポリ(アクリロニトリル−co−ブ
タジエン)ゴム(PAB)は、約15の誘電率を有する。PVDFは二つの主要
な相を有する。そのα相材料は圧電性ではなく、約10の誘電率を有する。β相
材料は圧電性であり、7〜9の範囲内の誘電率を有する。PVDFは、通常、そ
の有機溶媒中の溶液またはその溶融状態からα相に結晶化する。β相材料は、α
相を室温または高温で機械的に変形させることによって得られる。機械的加工が
、α相PVDFを圧電性のβ相材料に変換するのに必要である。しかしながら、
PVDF−TrFEコポリマーは、圧電性のβ相に自然に結晶化する。PVDF
およびPVDF−TrFEのdh符号は、圧電セラミックスのそれと反対である
ことに注意されたい。セラミック/ポリマー複合材料中の圧電ポリマーおよびセ
ラミック粒子が両方とも同方向にポーリングされると、それらの圧電の寄与は、
部分的に相殺するであろう。したがって、幾つかの場合、高誘電率と低誘電損を
有する非圧電ポリマー相を用いて0−3複合材料を製造することが望ましい。α
相PVDFおよびPABゴムは、本発明に好ましいポリマー成分である。α相P
VDFは、その融点が、水面下ソーナーセンサーの通常必要とされる温度安定性
範囲の上限(100℃)より遥かに高い約170℃であるのでより好ましい。P
VDFは、水面下ソーナーセンサーの通常必要とされる作動温度範囲の下限であ
る−45℃のガラス転移温度を有する。したがって、PVDFから製造される複
合材料は、−45〜160℃で如何なる相転移または構造的変化も有するとは考
えられないであろう。
フッ化ビニリデンまたはアクリロニトリルモノマー単位を含有する種々のポリ
マー組成物は、本発明のセラミック/ポリマー複合材料に好ましいポリマー組成
物である。このような好ましい組成物の例は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(ア
クリロニトリル−co−ブタジエン)、およびTournetによってMacromol.
Symp.82,99-109(1994)に記載されたフッ化ビニリデンを含有する種々のコポ
リマーである。本発明のポリマー複合材料に特に好ましいポリマー組成物は、ポ
リフッ化ビニリデンの場合と同様、150℃を越える融点を有する。ポリ(オキ
シメチレン)は3.6〜4.0の誘電率、0.0015〜0.005の低誘電正接、
および約180℃の高い融点を有するので、このポリマーも、本発明の複合材料
に特に好ましい。他の好ましい組成物は、ナイロン6(1kHzで約3.5の誘
電率および約0.01の誘電損を有する)、ナイロン66(1kHzで約3.5の
誘電率および約0.0125の誘電損を有する)およびナイロン610(1kH
zで約3.2の誘電率および約0.015の誘電損を有する)である。生物に由来
するポリマーでさえも、本発明の複合材料の全部のマトリックスとしてかまたは
その成分として用いることができる。例は、純セルロース(1kHzで約7.2
の誘電率および約0.02の誘電損を有する)、再生セルロース(1kHzで約
6.7〜7.5の誘電率および約0.01の誘電損を有する)およびセロファンフ
ィルム(約7.5の誘電率および0.02程度に低いことがある誘電損を有する)
である。種々のエポキシドおよびポリウレタンは、本発明の態様に特に好ましい
Conap,Inc.(1405 Buffalo Street,Olean,ニューヨーク14760-1139)からの
エポキシ樹脂である。これら組成物は、好ましい高誘電率(それぞれ、3.5、
4.7および4.1)および低誘電損(それぞれ、0.017、0.001および0
.008、なお、誘電率および誘電損は両方とも1kHzで測定される)を有す
る。このようなエポキシ組成物は、圧電粉末と簡単に混合された後、室温または
それより高い温度で硬化して、本発明の複合材料を提供する。
先行技術は、0−3複合材料中のポリマー成分としてPVDFを用いたが、そ
の発明者らがこのポリマーの高誘電率の重要性を認識していなかったことは明ら
かである。最近の報告において(Suzukiら,J.Ceram.Soc.Japan.Int.
Ed.99,pp.1096-1098,1993)、Suzukiらは“PVDFを用いる理由は、PVD
Fが弾性的に比較的堅いことである”とコメントした。このコメントは、彼らに
はPVDFの高誘電率の特性を用いる動機がないことを示唆している。また、こ
れら先行技術複合材料について比較的不十分な性能がもたらされた。一方、本発
明は、ポリマー成分の高誘電率の充分な利点を利用して、高性能の0−3圧電複
合材料を提供する。少なくとも2.8の誘電率(1kHzで)を有するポリマー
が好ましく、少なくとも5.0の誘電率を有するポリマーがより好ましく、そし
て10を越える誘電率を有するポリマーが最も好ましい。0.025未満の誘電
損(1kHzで)を有するポリマーが好ましく、0.02未満の誘電損を有する
ポリマーがより好ましく、そして0.01未満の誘電損を有するポリマーが最も
好ましい。
圧電セラミック中の圧電セラミック粉末の体積分率は、好ましくは74%未満
、より好ましくは60%未満である。また、複合材料中のセラミックの体積分率
は、好ましくは40%を越える。より好ましくは、複合材料中のセラミックの体
積分率は50〜60%である。ぎっしりと充填された球状粒子のアセンブリーの
ための自由空間の分率は約26%である。0−3複合材料中の圧電セラミック粉
末の体積分率が74%を越える場合、粒度に若干の多分散性がなければ、空洞が
できるであろう。空洞の存在は、いくつかの作用を有する。第一に、これら空洞
は(1に近い低誘電率を有する)空気で満たされているので、空洞は0−3複合
材料の誘電率を低下させるであろう。第二に、空隙の存在は圧電電荷係数および
最少感度(dhgh)を増加させることが知られているが、そのような空隙空間で
増大される圧電性は、望ましくないことに、静水圧に依存するであろう。事実、
高い静水圧は、空隙含有圧電センサーの性能を、不可逆的損傷が起こる点まで低
下させることさえある。第四に、機械的エネルギー損が減少するので、エネルギ
ー変換効率は増加することがある。第五に、このような複合材料は、空洞(細孔
)の存在による絶縁破壊により敏感であるので、それらをポーリングするのは難
しいかもしれない。したがって、0−3複合材料中に空洞ができることは、その
材料の最少感度(dhgh)を増加させるかもしれないが、それは、深海で見出さ
れるような高い静水または非静水荷重レベル下において信頼性をもって性能を発
揮しなければならないセンサーの性能を低下させもする。これは、センサーの用
途を制限する。本発明の成果の一つは、多孔質構造ができずに、高い最少感度が
得られることである。これに反して、先行技術の報告は、複合材料中の空洞また
は細孔の存在が高い最少感度(ghdh)を得る能力の一因であると考えている
(Bannoら,日本語J.App.Phys.20,pp.153-155,1987)。本技術分野のセラ
ミックス中の細孔容積は、好ましくは1.0容量%未満である。
本発明者は、ほぼ単分散のセラミック粒子分布の選択が、機械的に接触してい
る粒子の一次元、二次元または三次元の連続ネットワークをそれらセラミック粒
子が形成するセラミック−ポリマー複合材料を得るのに好ましいことを見出した
。このような連続ネットワークをパーコレートネットワークと呼ぶ。固体化した
複合材料に高度に異方性の歪をもたらさない機械的加工工程を用いると、このセ
ラミック粉末粒子のパーコレーションは、通常、三次元になる。一次元、二次元
または三次元にパーコレートされたセラミック粉末のネットワークが好ましく、
そして三次元にパーコレートされたセラミック粉末のネットワークが特に好まし
い。これらパーコレートされたセラミック粉末のネットワークが、その60容量
%より少ないセラミック配合レベルで得られるならば、それが望ましい。更に、
本発明の方法は、一般に、パーコレートされたポリマー成分のネットワークを提
供するが、これも好ましい。
圧電セラミック粉末の粒度の選択は、0−3複合材料の圧電応答を最大にする
のに重要である。先行技術(Banno,H.,日本語J.App.Phys.32,
pp.4214-4217,1993およびGiniewiczら,米国特許第4,624,796号)は、比較的小
さい粒度(10μm未満)を用いて、0−3複合材料中の細孔の存在を阻止する
ことを示唆している。また、純PTおよびPT−BFからより大きいセラミック
粒子を得ることはできないので、小粒度の選択は自然なことである。純PTおよ
びPT−BFのキューリー転移温度での大きなc/a比率の変化は結晶をフラグ
メント化するために、この困難が生じる。上の2種類のセラミックスは、高い最
少感度(ghdh)を有する0−3複合材料の二次加工における先行技術での成功
の鍵であったので、この点は重要である。この先行技術において用いられた小さ
な粒度とは対照的に、本発明には、30μmを越える平均直径を有する大きいセ
ラミック粒子が好まれる。より好ましくは、その平均粒度は40μmを越える。
最も好ましくは、その平均粒度は100μmを越える。これら粒度は、好ましく
は、センサー厚みの約10分の1でもある。本発明によって推奨される粉末製造
手順の使用は、大きいセラミック粒子を提供し、そして本発明の複合材料加工法
は、これら大きいサイズの粒子を用いて非多孔質構造を形成する。同時に、比較
的大きいセラミック粒子が用いられたとしても、高い最少感度が得られ、そ
してその構造は高圧に対して安定である。
本発明の実施例で示されるように、0−3複合材料の最少感度(dhgh)は、
50容量%のセラミック粉末の配合レベルにおいてセラミック粒度が約50μm
から約150μmまで増加すると、18×10-13m2/Nから35×10-13m2
/Nまで増加する。実施例に記載した実験は、この驚くべき結果は、粒度が減少
するにつれて誘電率が減少するよりずっと速く圧電電荷係数が減少するために生
ずることを示している。したがって、ほぼ均一な寸法を有する大きなほぼ球状の
セラミック粒子を用いて製造された0−3複合材料が、最も良い性能を与える。
従来の研究は、共沈、圧潰か焼の反復、水中急冷かまたは未開示の方法のいず
れかを用いて0−3複合材料のための圧電セラミッ粉末を製造してきた。これら
記載された方法には、均一または非常に狭い粒度分布を有するさらさらしたセラ
ミック粉末を提供するものがない。事実、Banno(日本語J.App.Phys.26,
pp.153-155,1987)は、異なったサイズのセラミック粒子を混合することによっ
て製造された粉末の使用を推奨している。先行技術のこのような教示とは対照的
に、均一または非常に狭い粒度分布を有するセラミック粉末が本発明には好まし
い。実施例で示すように、本発明のセラミック/ポリマー複合材料の最少感度(
ghdh)は、狭い粒度分布を有するセラミック粉末を、より多分散の粒度分布を
有するが他の点では同一のセラミック粉末に換えると、約20×10-13m2/N
から約50×10-13m2/Nにまで増加する。この結果についての一つの可能な
説明は次のようである。セラミック粉末/ポリマー複合材料が多数の異なったサ
イズのセラミック粒子から高圧下で形成される場合、より小さい粒子は、より大
きいセラミック粒子によって形成されるかごの中に存在するようである。このよ
うな複合材料に外部から加えられる応力は、これら小さい粒子に効率よく伝達さ
れないであろう。というのは、それらがより大きいセラミック粒子によって形成
されたかごの中にあるからである。結果として、より小さいセラミック粒子は、
その複合材料の圧電性に有意には寄与しないであろう。事実、そのような小さな
セラミック粒子は、より大きいセラミック粒子に由来する圧電作用を希釈するで
あろう。本発明者はこれをかご効果と呼ぶ。均一粒度分布を有するセラミック粉
末の使用は、このかご効果を阻止することができる。
本発明の目的のために、粒度の多分散を特定する好都合な方法は、特定の範囲
内にある粒径を有する粒子の重量分率を指定することである。粒径(または粒度
)という用語は、粒子についてその粒子の平均直径を示すのに用いられる。好ま
しい発明の態様において、少なくとも50重量%の圧電セラミック粒子が、0.
5D〜1.5Dの範囲内である直径を有し、このDは、そのセラミック粒子の重
量平均直径である。より好ましくは、少なくとも80重量%の圧電セラミック粒
子が、0.7D〜1.3Dの範囲内である直径を有し、このDは、そのセラミック
粒子の重量平均直径である。更に、セラミック粒子の平均直径は40〜150ミ
クロンであること、および最大粒子寸法の最小粒子寸法に対する比率は、少なく
とも50重量%の粒子について1.3より小さいことが好ましい。
好ましい発明の態様は、噴霧乾燥法または球形セラミック粒子を与えることが
できる他の方法によって製造されるさらさらした圧電セラミック粉末を用いる。
これら粒子は、エアジェット分離法かまたは、AS-200振動篩などの篩を用いて、
それらの寸法によって更に分類されることができる。本発明において好ましい粒
度は30μmより大きく且つ粉末はさらさらしているので、先行技術において複
合材料の加工中に起こった凝集の問題はなくなる。セラミック粒子間の空隙空間
は全て、複合材料を高温高圧で加工されるなら、容易にポリマーにより満たすこ
とができる。空隙充填のために、物品溶融加工の温度は、好ましくは、ホストポ
リマーの融点を実質的に越える。
本発明は、低誘電率、高dh値および低誘電損を有する圧電セラミックスを用
いる。Ca変性チタン酸鉛(Ca−PT)、Sm変性チタン酸鉛(Sm−PT)
、メタニオブ酸鉛(PN)およびそれらの混合物は、本発明の態様に特に好まし
い圧電粉末組成物である。これらセラミックスは、比較的高いdh値(約60〜
70pC/N)、低誘電損(<0.005)および低誘電率(約250)を有す
る。多分散粒度分布を有するさらさらした圧電活性セラミック粉末は、噴霧乾燥
法によって製造された未処理のさらさらしたセラミック粉末をか焼することによ
って簡単に製造することができる。未処理セラミック粉末のか焼条件は、未処理
ディスク(この粉末の圧縮によって製造される)をこのさらさらした粉末中に入
れることによって簡単に決定される。この未処理ディスクが必要な圧電性および
誘電
性を示す場合、粉末粒子内で満足のゆく焼結が示される。更に、粉末X線回折法
を用いて、未処理粉末中の金属酸化物が完全に反応したか否かを確認することも
できる。慣用的であるように、未処理セラミック粉末および類似の用語は、圧電
セラミックを形成するために反応させる材料(一般に、酸化物)の混合物を意味
する。
本発明の態様の実施に有用である強誘電セラミックスの典型的な例を、次の表
に挙げる。圧電係数d33およびd31の絶対符号は、信頼性あるものとしては、あ
まり知られていない。 この表からの本発明の態様に好ましいいくつかのセラミック組成物は、式Mt
M'1-tNbO3(式中、MおよびM'は、Na、LiおよびKから選択され、そし
てtは1未満である)によって記載することができる。この表からの本発明の態
様に好ましい他のセラミック組成物は、式PbxQ"v(TiyQzQ'u)O3(式中
、MおよびM'は、Zn、Nb、Zr、SbおよびMnから選択され、M”はB
i、LaおよびNbから選択され、x+vおよびy+z+uは約1であり、そし
てvは約0.05以下である)によって記載することができる。この表からの本
発明の態様に好ましい更なるセラミック組成物は、Na0.5Bi0.5TiO3およ
びNa0.75Pb0.125NbO3である。
静水圧センサーで用いるために、本発明の複合材料に用いられる圧電セラミッ
クは、5を越える−d33の(d31+d32)に対する比率を有することが好ましい
。より好ましくは、この比率は10を越え、そしてこのセラミックの誘電率は1
kHzで200未満である。
上とは対照的に、先行技術は、一般に、純チタン酸鉛(PT)またはPT−B
F類質類形固溶体のいずれかのセラミック粉末を用いてきた。ここでの一つの問
題は、純PTの誘電性および圧電性の再現性が良くないことである(Jaffe,B.,
Cook,W.R.,とJaffe,H.“Piezoelectric Ceramics”,Academic Press,ニュー
ヨーク,1971)。高品質非ドープPTは商業的に入手可能であるが、Monroeら
(Ferroelectric Lett.5,pp.39-46,1986)は、このセラミックのポリマー複
合材料が魅力のある圧電性を与えないことを見出した。数人の発明者(Han,K.,
“Effect of Processing Variables on Dielectric and Piezoelectric
Properties of 0-3 Composites”Ph.D.Thesis,Rutgers University,New
Brunswick,ニュージャージー,1992)は、時間がかかり且つ費用がかかる共沈
法をセラミック粉末製造に用いるべきであると結論した。先行技術(Giniewicz
ら,米国特許第4,624,796号)は、PT−BFセラミックを用いて粉末を製造す
る場合、圧潰か焼の反復および水中急冷手順を、水中マイクロフォンのかなり高
い最少感度を得るのに用いるべきであるということも示している。先行技術で用
いられる非ドープPTおよびPT−BF粉末に関する他の問題が存在する。10
μmより大きい粒度を有するこれらセラミックの粉末を製造するのは非常に難し
い。この問題は、大きいc/a比率の変化が冷却中のキューリー転移温度で起こ
るために生じる。この大きいc/a比率の変化は、セラミックを非常に微細な粒
子に破壊するかまたは容易に検出されない微小亀裂をもたらす傾向がある。上の
問題は、本発明の特に好ましい組成物には存在しない。粒度は、用途の要求と同
じ大きさに製造することができる。
本発明のポリマー/セラミック複合材料に低誘電率圧電セラミックを用いる重
要性をここで示す。65容量%のセラミック粉末配合レベルでPZT粉末および
PVDFから成る0−3複合材料は、70pC/N未満のd33値を示す。対応す
るセラミック棒材が610pC/Nの定数d33を有することを考慮すると、この
d33の値は極端に低い(純セラミックの値の僅か11%)。比較のために、65
容量%のCa−PTセラミック粉末を含有するCa−PTおよびPVDF0−3
複合材料を、PZT/PVDF複合材料のために用いられるのと同様の方法を用
いて製造した。この複合材料について測定された定数d33は64pC/Nであっ
たが、これは、純Ca−PTセラミックの値(82pC/Nの定数d33を有する
)の78%である。0−3PZT−PVDF複合材料がPZTのこのような低率
の係数d33を示す理由は、PZT(本PZTについて3500のおよその誘電率
)とPVDFとの間の誘電率の大きな差に由来すると考えられる。結果として、
0−3複合材料中のPZT粒子は、完全にポーリングされることができない。と
いうのは、セラミック粒子に作用する電界(Ec)が、適用された電界(E0)に
、Ec=3E0εp/(2εp+εc)(式中、εpおよびεcはそれぞれ、ポリマー
およびセラミックの誘電率である)により凡そ関係付けられるからである。かく
して、Ecはほぼ0.001E0である。したがって、絶縁破壊を引き起こすこと
なくセラミックを横切って適用されうる適用電界E0の最大値は、セラミックを
ポーリングするのに充分ではない。一方、考慮すべきもう一つ重要な要因が存在
する。たとえ0−3複合材料中のPZT粒子を完全にポーリングすることができ
ても、この複合材料が、依然としてセラミック粉末の圧電性を大きく保持するこ
とはないだろう。これは、複合材料の残留分極(Pp)がPZT粒子の残留分極
(Pc)と、Pp=3νcPcεp/(2εp+εc)(式中、νcは0−3複合材料中
のPZT粉末の体積分率である)により凡そ関係付けられるからである。上の驚
くべき結果、およびこれらの結果を支持する理論的議論は、本発明において低誘
電率セラミックスおよび高誘電率ポリマーを用いる根拠を与える。“低誘電率”
および“高誘電率”は、特定の種類の材料(一方にセラミックスおよび他方に有
機ポリマー)について遭遇する誘電率の範囲に関する相対的用語であることに注
意されたい。したがって、低誘電率セラミックは、一般に、高誘電率有機ポリマ
ーが有するよりも高い誘電率を有するであろう。特に断らない限り、誘電率およ
び誘電損は、室温および1kHzの周波数で測定されたこれらパラメーターの値
を示す。
種々の形状のセラミック粒子は、様々な圧電複合材料中に組み入れられてきた
。繊維様PZT粒子などの非球形が、Safari(J.Phys.III France,4,1994)に
よって圧電複合材料の二次加工に用いられてきた。非常に有望な結果が得られた
。しかしながら、これら非球形セラミック粒子の二次加工は費用がかかることが
ある。対照的に、球形セラミック粒子は本発明にとって好ましい。本複合材料の
圧電電荷係数は、純セラミックのセラミック体積分率および圧電電荷係数の製品
に匹敵するので、実質的に非球形のセラミック粒子の使用は、向上した性能を与
えるとは考えられない。
本発明の圧電複合材料の配合および二次加工には、様々な方法を用いることが
できる。例えば、PVDFは、さらさらした圧電セラミック粉末と一緒に、
(1)溶融相分散、(2)溶液相分散、または(3)コロイドポリマー懸濁液中
分散のいずれかによって配合されうる。PVDFの溶液中にセラミック粉末を分
散させる初期工程には、種々の溶媒を用いることができる。適当な溶媒の例は、
エチレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、およびジメチルスルホキシドである
。圧電複合材料のフィルムは、溶媒蒸発によって形成することができる。他に、
このようなフィルムは、最初に、分散したセラミック粒子および溶解したPVD
Fの混合物を含有する溶液に非溶媒を加えてから、その試料を濾過によって分離
することによって得ることができる。次に、得られた試料を乾燥させて熱圧し、
所望の圧電フィルムを形成することができる。PVDFに適したこのような非溶
媒の例は、アルコール、メチルイソブチルケトン、脂肪族炭化水素、および環状
脂肪族炭化水素である。
本発明のセラミック/ポリマー複合材料を形成する上の方法に加えて、このよ
うな複合材料は、圧電ポリマーのためのプレポリマーまたはモノマー中にセラミ
ック粉末を分散させてから、そのプレポリマーまたはモノマーの反応によって最
終マトリックスポリマー組成物を提供することによって形成することができる。
例えば、この反応は、熱加工によってかまたは紫外線、電子ビーム若しくはγ線
照射などの化学線の作用によって簡単に行うことができる。熱反応、特に、室温
に近い反応によって得られるエポキシ組成物は、本発明の複合材料を形成するそ
のような方法で用いるのに好ましい組成物である。
溶融相二次加工は、本発明の複合材料に特に好ましい。有用な溶融相二次加工
法の例は、熱間圧延、熱圧、押出、フラット圧縮および射出成形である。円筒な
どのより複雑なセンサー形状の二次加工には、射出成形および押出が特に好まし
い。多孔質構造の形成を避けるために、圧電複合材料物品の成形工程中は真空を
適用してよい。熱圧法を用いる場合、圧縮に用いられる応力は、セラミック粒子
を破壊することなく簡単に加えることができる程度に高いのが好ましい。溶融加
工に好ましい温度は、ポリマーマトリックスの融点を少なくとも5℃越える。よ
り好ましくは、溶融加工温度は、ポリマーマトリックスの融点を少なくとも30
℃越える。ホストポリマーが、異なった融点を有する異なったポリマーの混合物
である場合、好ましい溶融加工温度は、そのポリマー混合物の最高の融点の成分
を少なくとも5℃越え、より好ましくは、ポリマー混合物の最高の融点の成分を
少なくとも30℃越える。加工中に加えられる圧力は、少なくとも2000ps
i、より好ましくは、少なくとも10,000psi、最も好ましくは、少なく
とも30,000psiである。このような高い圧力は、複合材料中の空洞を効
果的に除去するであろうが、これは、水中マイクロフォンが圧力とは無関係の性
能を与えることを確実にするために必要である。
種々のポーリング法を本発明の複合材料に応用できる。これらには、単一温度
かまたは一定の温度範囲での、DCポーリング、コロナポーリング、プラズマポ
ーリング、パルスポーリング、およびより複雑な電圧条件下のポーリング(DC
、AC)パルスおよびコロナポーリングの種々の組合わせを含むことができる)
が含まれる。一つの好ましいポーリング法は、サーモスタットで温度制御された
シリコーン油浴中でのDCポーリングであり、これは、圧電材料の研究者によっ
てしばしば用いられる方法である。最も完全な且つ迅速なポーリングを確実にす
るために、最大ポーリング電界は、好ましくは、複合材料の絶縁破壊を引き起こ
すことなく加えることができる程度に高い電界であるべきである。本複合材料に
加えられる最大ポーリング電界は、好ましくは、120kV/cmを越える。好
ましいポーリング温度は、最高のポリマーマトリックス融解温度より少なくとも
10℃低く、より好ましくは、最高のマトリックス融解温度より少なくとも30
℃低い。高いポーリング温度を用いるのには二つの目的がある。第一に、高温は
セラミック成分の威圧的な電界を減少させる。第二に、高温は、ポリマー成分の
誘電率を増加させることができるので、セラミックとポリマーとの間の誘電率の
差を減少させる。高いポーリング電界を加えるために、ポーリング電界を、破壊
電界から大きく隔たった低い電界から破壊電界より僅かに少ない電界まで漸進的
に増加させるべきである。
DCポーリング法のあり得る欠点は、局所絶縁破壊がポーリング電極を短絡さ
せることがあり、それによって更なるポーリングが妨げられることである。別の
好ましい方法は、コロナポーリングまたはプラズマポーリングであり、これらは
、短絡作用をあまり受けないし、しかも連続的商業的方法において大面積フィル
ム
のポーリングに充分に適している。プレート様複合材料物品のコロナポーリング
は、好ましくは、図1で示されたようなシリコーン油浴中で行われる。電源18
0を線190によってアースへおよびコロナ放電に用いられる先端部130へ接
続する。試料140は、表面170を有する油が入っている加熱油浴槽110中
の金属棒150上に位置する。絶縁テフロン管120は、液体が流れるのを可能
にする孔160を有していて、試料ディスク140の縁部を電界に関係した絶縁
破壊の作用から遮蔽する。この方法を使用すると、試料の縁部からアースまでの
絶縁破壊電圧を増加させる。結果として、空気中での通常のコロナポーリング法
の電圧と比較してずっと高い電圧を加えることができ、これは、先行技術報告で
記載されている側面である(Wallerら,J.Am.Ceram.Soc.,72,pp.322-324,
1989)。試料が電極化(electroded)されるならば、その装置を依然として用い
ることができる。
図1のコロナポーリング配置の変形を用いて、円筒形複合材料造形品をポーリ
ングすることができる。この方法を図2で示す。電源300を線310によって
アースおよびコロナ放電に用いられる先端部280へ接続する。円筒形複合材料
試料230はテフロン円筒形リング250中にあり、このリングは、表面290
を有する多量の油が入っている加熱金属油浴槽270中のテフロン板260上に
載っている。円筒形テフロン管210および円筒形テフロンリング250は、試
料円筒230の縁部を電界に関係した絶縁破壊の作用から遮蔽する。金属棒22
0は、部材210、230、240および250の中心を通過していて、試料に
コロナ放電電流をもたらす。円筒形金属リング240は、線320を接地するこ
とによって金属油浴槽に接続されていて、このポーリング法の電極として役立つ
。金属棒220は、円筒形複合材料試料230中に挿入され、そして第二電極と
して役立つ。この変形されたコロナポーリング法の利点は、ポーリング温度を容
易に制御できるし且つ絶縁破壊を引き起こすことなく高電圧を加えることができ
ることである。
円筒壁を横断する円筒形造形品のポーリングは、ディスクまたはプレートのい
ずれかのポーリングとは非常に異なる。電圧(V)をtの厚みを有するプレート
に印加する場合、その電界強度はV/tであろう。したがって、電界は厚みを横
断して均一である。これは、円筒を厚み方向にポーリングするのに当てはまらな
い。aおよびbがそれぞれ円筒の内径および外径であり、a<r<bであるなら
、円筒壁を横断する電界強度は、関係式E(r)=(V/r)ln(a/b)に
従う。したがって、円筒の内面は、外面よりずっと高い電界を経験する。結果と
して、円筒の内部は、円筒の外部がまだ十分にポーリングされていない時点で既
に電気的に破壊しているかもしれない。一般に、円筒は、ディスクまたはプレー
トと同程度に完全にポーリングすることができない。したがって、水中マイクロ
フォンセンサーの最少感度は、そのセンサーの形状に依存する。
ポーリングは、セラミック粒子が、電極間寸法を横断して連続的に連接した構
造を形成していない0−3セラミックポリマー複合材料に特別な刺激を与える。
先行技術報告(J.Mat.Sci.Lett.12,pp.1182-1184,1992、米国特許第4,944
,891号および米国特許第5,043,622号)は、0−3複合材料のポーリングを促進
するための炭素および半導体粉末などの導電率増強添加剤の使用を示唆している
。残念ながら、0−3圧電複合材料中へのこのような添加剤の導入は、高い誘電
損をもたらす。その結果、得られた複合材料は、しばしばあまりに導電性である
ために、センサー用途に用いることができない。本発明の成果の一つは、如何な
る導電性増強添加剤も用いることなく、高度のポーリングを行うことができると
いうことである。例えば、65%体積分率の150μmサイズのCa−PTセラ
ミック粒子を含有する本複合材料の一つは、64pC/Nのd33値を示し、これ
は、ポリマー(82pC/Nのd。33値を有する)を含まない完全にポーリング
されたCa−PTディスクの値とほぼ等しい。したがって、本発明の態様を用い
て製造されたセンサーのために高性能を得るのに導電率増強添加剤を用いる必要
はない。
電極は、殆どのセンサー用途および多数のポーリング法の両方の複合材料デバ
イスに必要である。このような電極は、多数の充分に確立された方法によって試
料に簡単に取り付けることができる。最も有効な方法は、銀、金またはアルミニ
ウムなどの金属コーティングを複合材料上にスパッターすることである。この方
法を用いると、試料の温度はスパッター処理中に増加するであろうが、これが試
料を脱ポーリングさせるかもしれない。したがって、先行技術方法は、一般に、
ポーリングの前に電極をスパッター蒸着している。反対に、本発明の態様では、
コロナポーリングまたはDCポーリングの後に電極を取り付けることが可能であ
る。この電極のポーリング後の取り付けは、本発明の0−3複合材料で得られた
非常に高い熱安定性のために試料を脱ポーリングさせることなく可能である。例
えば、PVDFをホストポリマーとして用いる場合、本発明者は、圧電複合材料
が、100℃で何か月か後に性能が著しく減衰しないことを見出している。電極
のスパッター蒸着は高価であるし、しかも円筒形などの複雑な形状に用いるのが
難しい。導電性インキを用いる電極の蒸着が、一般に、本発明の態様に好ましい
。Creative Materialsによって商業的に製造されているような銀インキが、電極
取り付けに好ましく用いられる。この電極取り付けは、造形された圧電複合材料
にハケ塗りまたは浸漬によってインキを塗布した後、熱硬化させることによって
簡単に行うことができる。この種類の銀インキは、80〜180℃の範囲の比較
的高い硬化温度を必要とする。これは、本発明の複合材料については、それらの
高温安定性ゆえに、全く問題にならない。銀インキは低粘度液体であるので、複
雑な形を有する物品をその液体中に浸漬してから、硬化させることができる。こ
の浸漬被覆法は、円筒形センサーが電極化されなければならないときに特に有用
である。このような方法では、電極被覆されるべきでない試料の部分は、後で除
去される接着テープなどを用いることによって浸漬処理中に容易に保護される。
或いは、物品全体を浸漬被覆して後、不要な蒸着をこすり落すかまたは研摩する
などして除去することができる。
センサー厚みは、センサーの設計および製造に大きな影響を与える。圧電セン
サーによって生じた電荷を用いてセンサー信号を直接的に与える場合、電荷増幅
器はセンサーと相接しているであろう。圧電加速度計は、一般に、電荷増幅器を
用いる。このような場合、センサー素子の厚みおよびキャパシタンスは重要でな
い。反対に、圧電センサーによって生じたAC電圧を検出信号として用いる場合
、センサー素子の厚みおよびキャパシタンスは、次の二つの理由で重要である。
第一に、静水圧(P)下において圧電センサーによって生じた電圧(V)は、V
=tgnP(式中、tはセンサー厚みである)である。したがって、センサーが
厚いほど、そのセンサーは高感度である。第二に、センサーの電気出力インピー
ダ
ンスは、電圧増幅器の入力インピーダンスよりずっと低く設計されるべきである
。これは、センサー厚みを最小にし且つ誘電率を最大にすることによってセンサ
ーキャパシタンスを最大にすることにより達成できる。残念ながら、センサーの
出力インピーダンスを低下させるためのセンサー厚みの最小化および誘電率の最
大化は、センサー感度を増加させるためのセンサー厚みの最大化および誘電率の
最小化と矛盾する。結果として、感度およびキャパシタンス性能の両方の目標を
満たすであろう中間のセンサー厚みが選択される。
自由電界中の水面下水中マイクロフォン感度(1V/μPaに関するdBでの
S)は、
S=20log(tgh/106) (2)
(式中、tghは、ボルト/Paの単位においてである)として定義される。高
感度を得るために、センサーはできるだけ厚くあるべきであり、そしてghはで
きるだけ高くあるべきである。しかしながら、gh値は、センサーがいかに充分
にポーリングされているかということに依存する。順繰りに、ポーリングの程度
は、ポーリング中にいかに高い電界が絶縁破壊を引き起こすことなく与えられ得
たかということに依存する。物質の耐電圧が厚みに依存することは充分に知られ
ている。GersonとMarshall(J.App.Phys.30,pp.1650-1653,1959)は、圧電
セラミックについて、破壊電界(kV/cmでのEb)が次の関係式:
Eb=27.2t-0.39 (3)
によって厚み(cmでのt)と関係付けられることを発見した。試料の厚みが2
倍で増加する場合、破壊電圧は2倍で増加しないが、代りに約1.53倍だけ増
加するということに注意されたい。これは、試料容積中で破壊の原因となる欠点
の発生の可能性が、試料厚みの増加とともに増加するためである。したがって、
試料が厚いほど、破壊電界は低い。結果として、絶縁破壊が可能なポーリングの
程度を制限するような限界内にある場合、より低いgh値がより厚い試料につい
て期待される。同様の関係が0−3圧電複合材料に有効であるはずであるが、こ
のような関係は、定量的に確認されていない。結局、ポーリングの程度を増加さ
せることによってghを増加させる必要性は、センサー厚みを増加させることに
よってセンサー感度を増加させる必要性と矛盾する。したがって、測定された最
少感度は、試料厚みと密接な関係を有する。
殆どの先行技術研究者は、1mm未満の厚みしか有さない試料の最少感度を報
告している。例えば、Han,K.,“Effect of Processing Variables on Dielectri
cand Piezoelectric Properties of 0-3Composites";Ph.D.Thesis,Rutgers
University,ニューブラウンズウィック,ニュージャージー,1992;Diasら,
Sensors and Actuators A37-38,pp.343-347(1993)およびMat.Res.Soc.
Symp.Vol.276,pp.25-29(1992);Sagongら,米国特許第4,944,891号;および
Safariら,Am.Ceram.Soc.Bull.,66,pp.668-670,1987を参照されたい。
Bannoら(日本語J.App.Phys.,26,p.153,1987)は、3mmの厚みを有する
試料についてかなりよい最少感度(dhgh約50×10-13m2/N)を得た。し
かしながら、これら材料の性能は、静水圧荷重によって不可逆的に低下し、そし
てそれら材料は望ましくない高誘電損(約3〜5%)を与えた。本発明の複合材
料は、加工するのが容易であり、そして約2mmの厚みで35〜50×10-13
m2/Nの最少感度(dhgh)を有するセンサーを与えることができる。本発明
のセンサーは、圧力と無関係の性能も示す。約−200dB(1V/μpaに関
して)より良好な自由電界水中マイクロフォン感度は、本発明の複合材料および
方法並びにディスクまたは円筒センサー形状のいずれを用いても容易に得ること
ができる。
本センサーの温度安定性試験は、それらが100℃で何か月間か安定であるこ
とを示す。この結果は、本複合材料センサーの耐老化性が、Ca−PTセラミッ
クのそれに従うはずであるので妥当である。これは、本ポリマー成分が圧電性に
対して如何なる重要な直接的寄与もしないためである。例えば、本複合材料中の
PVDFは、おそらく、圧電相中でもないし、有意にポーリングされることもな
い。更に、そのPVDFは、−43℃のガラス転移温度および170℃の融点を
有する。したがって、PVDFには、−40℃と160℃の間で性能に悪影響を
及ぼすと考えられる如何なる特別な構造変化も有さない。本圧電セラミック/ポ
リマー複合材料のこれらの例外的安定性は、先行技術の圧電ポリマーセンサーの
高温不安定性と劇的な対照をなしている。
先行技術の組成物および加工法と比較して、本組成物および加工法によって与
えられる利点は、高い最少感度、高い誘電率、低い誘電損、低い密度、高い温度
安定性、容易な二次加工性および加工性、圧力と無関係の性能および非常に再現
性のある性能である。本発明は、PVDFおよびPABの高い誘電率を用いて、
複合材料ポーリング法を容易にすることも、その複合材料の残留分極を増加させ
ることもする。これは、その複合材料についてのより高い圧電電荷係数をもたら
すのみならず、先行技術においてポーリングを行うためにしばしば必要である導
電率増強添加剤の使用をなくする。したがって、これら添加剤によってもたらさ
れる誘電損によって引き起こされる性能低下を避けることができる。
本発明の態様において用いられるセラミック粉末は、好ましくは、狭いかまた
は均一な粒度分布を有する。本発明者は、実質的粒度分散の不存在が、複合材料
全体から個々のセラミック粒子までの有効な応力の伝達を容易にすることを見出
している。事実、本発明の実施例は、粒度分散性が特定のセラミック粉末で実質
的に減少するときに、静水最少感度はほぼ2倍になることを示している。
セラミック粉末の平均粒度は数ミクロンのオーダーで10ミクロン以下である
べきであるという先行技術の請求の範囲とは対立して、本発明の平均粒度は、好
ましくは、30ミクロンを越え、より好ましくは、40〜150ミクロンである
。本発明において示されるように、同じ50容量%のセラミック粉末の配合レベ
ルにおいて、150ミクロン平均直径セラミック粉末から製造された複合材料の
最少感度は、50ミクロン平均直径セラミック粉末からのもののほぼ2倍高い。
HossackおよびAuldは、圧電複合センサーについての最近の論文
(Ferroelectrics,156,pp.13-18(1994))で“0:3変換器がうまく製造でき
たことからみて、60%〜65%の範囲内のセラミック分率が必要である。この
範囲より低いセラミック体積分率を加工したデバイスは、電気的に活性なセラミ
ック粒子間のポリマーの薄い絶縁フィルムの存在のために充分に作動しない”と
述べた。満足のいく性能を得るためには、複合材料中に少なくとも60容量%の
セラミック粉末配合レベルが必要であるというこの先行技術の請求の範囲とは対
照的に、本発明は、50容量%配合のセラミック粉末を含有する複合材料につい
て、35×10-13m2/Nもの高い水中マイクロフォンの最少感度(dhgh)
(dhgh/tanδ=2.3×10-10m2/N)を得ることができることを示す。6
5容量%のセラミック粉末配合レベルでは、dhghおよびdhgh/tanδは、そ
れぞれ、約50×10-13および3.3×10-10m2/Nである。後者の最少感度
は、先行技術の最高の最少感度のほぼ2倍の高さである。また、本発明の0−3
複合材料の好ましい高圧高温加工は、その性能が少なくとも数千psiまでの静
水圧荷重とは無関係である水中マイクロフォンを提供する。
本発明の圧電複合材料組成物の最も好ましい用途はセンサーであるが、これら
組成物は、音響プロジェクターなどのアクチュエーター用にも有利に用いること
ができる。アクチュエーター用途のための圧電ポリマーと比較されるこれら複合
材料組成物の利点は、それらの熱安定性および高い係数dである。係数dは、適
用された電界においてある与えられた電荷によって生じる応力の量を示すので、
係数dの高い値は、大きなアクチュエーター変位を与えるのに非常に望ましい。
セラミックスは、本発明のセラミック複合材料のものよりずっと大きいd係数を
有することがあるが、そのようなセラミック複合材料は、本セラミック/ポリマ
ー複合材料と比較して重要な欠点を有する。アクチュエーター用途の音響プロジ
ェクターのカテゴリーについてのこの欠点は、本セラミック/ポリマー複合材料
と比較して、純セラミックスの密度がかなり高いことである。本発明のセラミッ
ク/ポリマー複合材料のより低い密度の結果として、それらは、海洋用および医
療用の音響プロジェクター用途についての水とより効率よくカップリングするこ
とである。本発明の複合材料に適しているアクチュエーター用途およびデバイス
形状(音響プロジェクター用など)の例は、“The Application of
Ferroelectic Polymers”(T.T.Wang,J.M.HerbertとA.M.Glass編,Chapman
and Hill,ニューヨーク,1988)と題する書物および米国特許第5,276,657号に
見出される。前述の特許および刊行物は全て、参照により本明細書中に組み入れ
られるものとする。
次の具体的な実施例は、発明を更に詳しく説明するためのもので、本発明の範
囲を制限するものと解釈されるべきではない。
実施例1
この実施例は、本発明に用いられる圧電活性セラミック粉末の製造を記載する
。(Pb0.76Ca0.24)((CO1/2W1/2)0.04Ti0.96)O3のセラミック組
成
を有する未処理のさらさらしたセラミック粉末(有機結合剤含有)を、EDO
Acousticsから購入した。この試料をEC-97と呼ぶ。ほぼ同じ結果は、本発明者
が参考文献の方法にしたがって製造した後、Buchi小形噴霧乾燥機を用いて噴霧
乾燥してさらさらした粉末の形にした対応する未処理セラミックを用いても得ら
れた(Yamashita,Y.,Yokoyama,K.,Honda,H.とTakahashi,T.,日本語J.
App.Phys.,補遺20-4,pp.183-187,1984)。そのさらさらした未処理セラミッ
ク粉末を、試験目的に用いられた未処理ディスクと一緒に、Coorsアルミナるつ
ぼ中に入れた。この試験用ディスクは、この未処理セラミック粉末の圧縮によっ
て製造され、13mmの直径および1.0mmの厚みを有した。試料が入ってい
るるつぼを、Thermolyne F47955炉中において、次の温度−時間プログラムで加
熱した。(1)5℃/分の加熱速度で25℃〜600℃、(2)600℃で12
時間、(3)5℃/分の加熱速度で600℃〜1100℃、(4)1100℃で
3時間および(5)温度制御することなく1100℃〜室温。室温まで冷却した
後、得られた暗褐色粉末をプラスチックボトル中で、それがさらさらになるまで
振とうした。焼結後、その試験用ディスクは、約11mmの直径および約0.7
5mmの厚みを有した。両面を銀インキ(Creative Materials製)で電極化した
後、このインキを、図1の装置を用いて、8kVのDC電界下において120℃
で30分間ポーリングした。針とディスクとの間の距離は約2cmであった。ポ
ーリングから1週間後に、そのディスクは、100Hzで82pC/Nのd33値
(Berlincourt d33メーター)、270の誘電率、および1kHzで0.005
の誘電損(HP 4261A LRCメーター)を示した。これら測定された特性は、高度に
ポーリングされたセラミックの文献値に近い。ここで観察された若干高い係数d33
(68pC/Nの文献値と比較された)は、本研究におけるより低い測定周波
数の使用の結果であると考えられる。燃焼したセラミック粉末のX線回折分析(
パラフォーカスモードでCu Kα源を用いるPhilips PW-1470ディフラクトメ
ーターを用いる)は、正方ペロブスカイト型構造について期待される不純物不含
の回折パターンを示した。
実施例2
この実施例は、実施例1で製造されたセラミック粉末およびポリフッ化ビニリ
デンに基づく圧電セラミックポリマー複合材料の製造および特性決定を記載する
。いずれの測定値についても、用いられた装置がこの実施例および次の実施例で
記述されていない場合、それら計測器は前の実施例で記載されている。ポリフッ
化ビニリデンは、Polyscience,Inc.から購入され、350,000の分子量およ
び166〜170℃の融点を有した。セラミック粉末(70g)は、エアジェッ
ト分離を用いて粒度によって3種類の等重量部分に分類された。第一の部分は4
0〜70μm、第二は70〜90μm、そして第三は90〜150μmの粒度分
布を有した。上の粒度分布は、顕微鏡(Leica Zoom 2000)下において各部分を
40±2μm直径ガラスビーズと比較することによって決定された。粒度(すな
わち、粒径)の測定誤差は、±10μmであると期待される。ポリマー中のセラ
ミック粉末分散の目的のために、PVDF(2.89g)を、熱板上の沸騰アセ
トン(50mL)中に溶解させた。第二部分のセラミック(20.0g)を、P
VDFのアセトン中溶液中に入れ且つ5分間撹拌した後、窒素を導入して、湿潤
したゲル様軟ペーストが得られるまでアセトンを除去した。このペーストの少量
部分に、IRペレットプレスを用いて約2000psiの圧力で加圧して、湿潤
ペレットにした。真空(25インチ水銀)下において100℃で1時間乾燥させ
た後、CARVER実験室用プレスを用いてペレットを200℃で15分間熱圧した。
最終ペレットは、約1.4cmの直径および約2.0mmの厚みを有した。図1の
ポーリング用配置を用いて120℃および125kV/cmで30分間ポーリン
グした後、そのポーリングされたペレットを、ヘキサンを用いて清浄にした。自
然乾燥銀ペースト(GC Electronics)を用いてペレットを電極化した。得られた
印加電極は、約8.7mmの直径を有する。電極化された試料の静水電圧係数(
gh)は、エアーキャリブレータ(air-calibrator)を用いて測定された。エア
ーキャリブレータは、(1)AC掃引発生器(WAVETEK 164)、(2)二端にス
ピーカを備えた円筒形空気室、(3)超低雑音電圧増幅器(ITHACO 144N)およ
び(4)スペクトル分析機(HP3585B)から成る。AC掃引発生器は、正弦AC
波(75Hz)を出力して二つのスピーカを駆動させて、空気室中で音圧波を生
じる。室内の音響音圧は、電圧増幅器と接触している試験試料かまたは標準によ
って検出された。電圧増幅器の出力は、スペクトル分析機によって75Hzで
分析された。dB(1V/μpaに関して)での自由電界水中マイクロフォン感
度(St)は、次の式を用いて計算された。
St=Ss+20 log Vt−20 log Vs+20 log(Ct/(Ct+Ccable)(4)
式中、Ssは、dB(1V/μpaに関して)での標準の感度であり、Vtおよび
Vsはそれぞれ、試料および標準についてのスペクトル分析機を用いた75Hz
での電圧測定値であり、Ct試料のキャパシタンスであり、そしてCcable試料を
増幅器に対して接続している線、電圧増幅器の入力および未決定源の全キャパシ
タンスである。Ccableは、電流計測用配置について59.8pFであると(式4
を用いて)決定された。gh値は、式2を用いて計算された。式4は、標準の出
力インピーダンスが電圧増幅器の入力インピーダンスよりずっと低いということ
を仮定している。これは、標準が1000pFより大きいキャパシタンスを有す
るので、本電圧増幅器に当てはまる。圧電静水電荷係数(dh)は、試料および
標準に対して交互の静水圧を加えることによって(ペンシルバニア州立大学の計
測器を用いて)測定された。電極化表面上で集められる得られた電荷を、電荷増
幅器に入力して出力電圧を生じさせ、これを電圧フォロアーで更に緩衝させる。
圧媒油浴は、アクチュエーターによって50Hzで生じた音響圧波の伝達用音媒
質として用いられた。PZT標準は、試料に隣接して置かれた。緩衝器からの出
力電圧は、スペクトル分析機(HP 3585B)によって試料および標準両方について
それぞれ測定された。静水圧電電荷係数は、次の式を用いて計算された。
dh=dhsVsAt/(VtAs) (5)
式中、VsおよびVtは、スペクトル分析機を用いて測定される標準および試料の
電圧であり、AtおよびAsはそれぞれ、試料および標準の電極面積であり、そし
てdhは標準の静水電荷係数である。用いられる標準は、26.4pC/Nのdh
値を有するPZTプレートである。圧媒油浴は、約100psiの静水圧まで加
圧された。測定された誘電性および圧電性を表1および2に挙げる。50(±5
)×10-13m2/N程度の高い最少感度(ghdh)が得られたことに注目された
い。本発明者の計測を用いて得られる測定された最少感度(表1)は、本発明者
がペンシルバニア州立大学の計測器を用いて得られたものと充分に一致する。ポ
ーリング電界が充分に高いならば、d33はCa−PTのdhとほぼ等しいとい
うことを考慮すると、Berlincourt d33メーターによって測定されたd33値は、
上記の代りの測定法を用いて得られたdh測定値と一致する。この複合材料の0.
020の誘電損は幾分高い。これは、電極を製造するのに用いられた銀ペースト
のためである。後で示されるように、これら電極が金スパッター電極によってか
または、銀インキ(Creative Materials)を用いて蒸着されたものによって置か
れた場合、その誘電損は0.013程度の低さまで減少する。
表1.エアーキャリブレータを用いて測定された誘電性および圧電性 (a)自由空間の誘電率に相対する誘電率。
(b)ε0は、自由空間の誘電率である(8.854×10-12F/m)。
実施例3
この実施例は、本発明の複合材料が、本質的に圧力とは無関係な性能を提供す
ることを示す。この測定は、静水圧電電荷係数の測定用の実施例2の計測を用い
て得られた。静水圧荷重は、高圧油ポンプを用いて、試料および標準が互いに隣
接して入れられている圧媒油容器に加圧することによって行われた。加圧は、大
気圧から開始して170psiまで、続いて550psiまで、そして更に11
00psiまで増加させた。最後に、その圧力を120psiまで戻して減少さ
せた。それぞれの圧力において、少なくとも10分の安定化時間があり、測定値
の信頼性を確実にした。結果を表3で要約する。
表3.圧電電荷係数に対する静水圧荷重の作用
(a)初期圧 (b)最終圧
表3の結果は、複合材料センサーが、少なくとも1100psiまで圧力とは
無関係の性能を示すことを示している。試料をヘキサンで清浄にしてその表面上
のシリコーン油を除去した後、水中マイクロフォンの最少感度を、実施例2で記
載されたエア−キャリブレータを用いて再度測定した。結果は、その最少感度が
、高圧暴露によって変化しなかったことを示している。
実施例4
この実施例は、本発明のセラミック/ポリマー複合材料が、セラミックの体積
分率および純セラミックのd33値を有する製品より高いd33値を提供することを
示す。140±10μmの粒度を有するCa−PTセラミック粉末(6.0g)
およびPVDF(0.87g)を用いて、実施例2で概説された手順にしたがっ
て複合材料を製造した。最終複合材料ペレットは、1.4cmの直径および2.1
mmの厚みを有した。そのペレットを、図1のポーリング用配置を用いて120
℃および21kVで15分間ポーリングした。そのポーリングされたペレットを
ヘキサンで清浄にし、そして金電極をスパッター蒸着した。本発明の複合材料を
用いて得られた結果と比較するために、Ca−PT未処理ペレットを、IRペレ
ットプレスを用いて加圧し、そして実施例1の条件にしたがって焼結させた。金
電極をスパッター処理し、それらを更に銀インキ(Creative Materials)で裏打
ちした。焼結したペレット(約1.2cmの直径および0.75mmの厚みを有し
た)についてのポーリングを、図1の配置を用いて120℃および8.5kVで
30分間行った。ポーリングから1週間後に測定された誘電性および圧電性を、
セラミック/ポリマー複合材料および純セラミックについて表4に要約する。本
発明者の焼結ポリマー不含Ca−PTセラミックディスクは、期待値に近い特性
を有する。本複合材料は65容量%のセラミック粉末を含有するので、この体積
分率および純セラミックCa−PTディスクのd33値を有する製品は55pC/
Nである。表4で示されたように、本ポリマー/セラミック複合材料について観
察されたd33(64pC/N)は、この値よりずっと高い。
表4.複合材料およびCa−PTの誘電性および圧電性 (a)用いられた周波数は、EDOによって指定されなかった。
実施例5
この実施例は、本発明者の複合センサーの誘電性および圧電性の高温安定性を
示す。実施例2の圧電複合ディスク1個を、この実施例で指定した条件下でポー
リングした。次に、そのディスクを恒温真空オーブン(Precision,GCA
Corporation)中に入れた。誘電性および圧電性は、時間の関数として監視され
た。結果を表5に要約する。測定詳細は、前の実施例で述べられた。試験は、ポ
リーングから1週間後に開始した。100℃で2か月後、自由電界水中マイクロ
フォン感度は僅か0.5dBだけ減少したが、これは実験誤差の範囲内である。
したがって、表5の結果は、本複合センサーの誘電性および圧電性が、100℃
で少なくとも2か月間安定であることを示している。
表5.複合センサーの熱安定性試験
実施例6
この実施例は、本発明の複合材料の誘電性および圧電性が、セラミック粒度に
どれだけ依存しているかを示す。この比較に用いられた試料は全て、65容量%
の同じセラミック粉末配合レベルを有した。種々の粒度は、粒度による分離のた
めのエアジェット粒子置換法を用いることによってCa−PT粉末について得ら
れた。4種類の異なった大きさのセラミック粉末を用いて本実験を行った。それ
らは、50、60、120および140(±10)μmの平均粒度をそれぞれ有
する。複合材料の製造法およびポーリング法は実施例2で記載されたので、ここ
で繰返さない。ポーリングから1週間後に得られた測定結果を表6に要約する。
表6.65容量%のセラミック粉末配合レベルでの
複合材料の誘電性および圧電性に対する粒度の作用
表6は、65容量%のセラミック粉末配合レベルにおいて、セラミック粒度は
その誘電率および圧電電荷係数に対して中程度の影響を有するにすぎないことを
示している。大きい方のセラミック粒子を含有するセラミック/ポリマー複合材
料は、僅かに高い誘電率および圧電電荷係数を与える傾向がある。誘電損、最少
感度および自由電界水中マイクロフォン感度には僅かに影響がある。これら複合
材料がいずれも、非常に高い自由電界水中マイクロフォン感度を与えるというこ
とに注目されたい。
実施例7
この実施例は、実施例6との比較のためであり、セラミック粉末配合レベルが
50容量%である場合に、セラミック粒度が本発明の複合材料の誘電性および圧
電性にどれだけ影響を与えるかを示す。65容量%の粒子配合レベルで得られた
結果とは対照的に、50容量%の粒子配合レベルについてのこの結果は、粒度が
増加する場合の圧電電荷係数、最少感度および自由電界水中マイクロフォン感度
の臨界的に重要な向上を示している。複合材料の製造およびポーリングの手順は
、実施例2の場合と同様である。50、80および140(±10μm)の平均
粒度を有するセラミック粉末をこの実施例で用いた。ポーリングから1週間後に
得られた測定結果を表7に要約する。65容量%のセラミック粉末配合レベルの
場合と同様に、粒度は、誘電率に対する作用を僅かに有するが、誘電損に対する
作用はない。しかしながら、粒度は、圧電電荷係数、最少感度および自由電界水
中マイクロフォン感度に対して主に影響を与える。セラミック粒子が大きいほど
、上の特性は優れている。理解できるように、最少感度は、粒度が50〜140
μmまで増加した時に2倍を越える。
表7.50容量%のセラミック粉末配合レベルでの
複合材料の誘電性および圧電性に対する粒度の作用
実施例8
この実施例は、本発明のポリマー/セラミック複合材料の製造に対するほぼ均
一な粒度分布の重要性を示す。Ca−PTセラミック粉末(3.5g)およびP
VDF(0.32g)を用いて、実施例1で記載の方法によって複合材料を製造
した。この複合材料は、約65容量百分率のセラミック粉末を含有する。1.4
cmの直径および0.74mmの厚みを有するその複合ディスクを、自然乾燥銀
ペースト(GC Electronics)を用いて電極化した。その複合材料を、ばね荷重式
ポーリング用配置を用いて、シリコーン油浴中において125℃および10kV
(133kV/cm)で30分間DCポーリングした。次に、試料をバイアス電
界状態で80℃まで冷却した。ポーリングされたディスクをヘキサンで洗浄した
後、その誘電性および圧電性を、前の実施例で記載の方法を用いてポーリングか
ら1週間後に測定した。観察された特性は、d33=53pC/N、ε=100、
gh=0.046mV/Nおよびghdh=20×10-13m2/Nである。この複合
材料の最少感度は、均一なまたは非常に狭い粒度分布を有するセラミック粉末か
ら製造された複合材料の場合のほぼ半分である。
実施例9
この実施例は、圧電セラミック/ポリマー複合材料の二次加工のために低誘電
率セラミック成分を使用する重要性を示す。未処理EDO EC−76 PZT粉末
(実施例1で記載された)50グラムを、この粉末の圧縮によって製造された数
本の棒材と一緒に、次の時間−温度計画を用いてアルミナるつぼ中で焼結させた
。(1)5℃/分の加熱速度で25℃〜600℃、(2)600℃で12時間、
(3)5℃/分の加熱速度で600℃〜1200℃、(4)1200℃で3時間
および(5)非制御冷却によって1200℃〜室温。工程3では、アルミナるつ
ぼにアルミナキャップをかぶせた。得られた黄褐色粉末を、さらさらした状態に
するためにプラスチックボトル中で振とうさせた。焼結したセラミック棒は、焼
結後に約1.12cmの直径および約7.0mmの長さを有することが判った。セ
ラミック棒の内1本は、その二つの両端に銀インキ(Creative Materials製)を
蒸着させ且つそのインキを100℃で5時間硬化させることによって電極化され
た。ポーリングは、図1で示されたポーリング用配置を用いて、最初に電極化さ
れた棒をシリコーン油浴中に入れることによって行われた。シリコーン油の表面
と上の電極との間の距離は0.5cmであった。下の電極は、シリコーン油を入
れるのに用いられた金属槽の上にある金属棒上である。コロナを生じるのに用い
られた針は、シリコーン油表面から2cmのところであった。ポーリングは、8
0℃および18kVで30分間行われた。ポーリングから1週間後に測定された
特性は、100Hzでのd33=610pC/N、ε=3400および1kHzで
のtanδ=0.015である。比較のために、EDO規格は、d33=583pC/
N、ε=3450、および1kHzでのtanδ=0.02である。焼結したED-7
6セラミックの粉末粒子は、エアジェット分離法を用いてその粒度によって3種
類の等重量部分に分類された。その中間部を用いて、65%体積分率のセラミッ
ク粉末を含有する複合材料を製造した。ポーリング条件は、実施例2で用いられ
たのと同様である。ポーリング後、硬化温度を低下させる触媒を含有する銀イン
キを用いて電極を結合した。硬化は、70℃で3時間行われた。測定されたd33
値は、いくつか異なったディスクで50〜65pC/Nである。このd33値は、
対応するセラミックの値(d33=610pC/N)と比較して非常に低い。した
がって、圧電セラミックの誘電率は、セラミック/ポリマー複合材料を設計する
場合に考慮する非常に重要な因子である。
実施例10
この実施例は、本発明者の複合材料からの円筒形水中マイクロフォンの製造を
記載する。64容量%のセラミック粉末(約80μmの平均直径を有する粒子を
含有する)および36容量%のPVDFから成る複合材料(6.0g)を、実施
例2で概説された手順にしたがって、2.0mm厚さシートの形で製造した。1.
0cmの内径および1.42cmの外径を有する円筒を、約10,000〜30,
000psiおよび200〜210℃で圧縮成形した。これら円筒のポーリング
は、絶縁破壊を引き起こさない最大電圧(約25kV)を用いて130℃で1時
間行われた。銀インキ(Creative Materials製)で電極化した後、ポーリングか
ら3日後に、誘電性および圧電性を測定した。最も完全にポーリングされた円筒
は、次の特性を示す。89pFのキャパシタンス、tanδ=0.017、S=−1
94.5dB(1V/μPaに関する)、gh=0.089mV/N、ε=60、
およびghdh=42×10-13m2/N。再現性の試験として、20個を越える円
筒形水中マイクロフォンを製造した。それらの内全部が、−196dB(1V/
μPaに関する)より高い自由電界水中マイクロフォン感度を与える。高圧での
センサー耐久性を試験するために、これら円筒の内4個を、高圧容器中において
2000psiで12時間静的に加圧した。高圧暴露は、エア−キャリブレータ
で測定されたセンサー感度を変化させなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 イクバール,ザファー
アメリカ合衆国ニュージャージー州07960,
モーリスタウン,アースキン・ドライブ
18
(72)発明者 カズマー,シアドーア・アール
アメリカ合衆国カリフォルニア州91350,
サンタ・クラリタ,ヘルトン・ドライブ
27952
(72)発明者 ダールストローム,デービッド・ケイ
アメリカ合衆国カリフォルニア州91402,
パノーマ,スタンスベリー・アベニュー
8366
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.三次元に連続しているポリマー材料中の圧電セラミック粒子の混合物を 含む圧電複合材料であって、 (a)該圧電セラミック粒子の重量平均直径Dが30ミクロン〜200ミクロ ンであり、 (b)該圧電セラミック粒子の少なくとも50重量%が0.5D〜1.5Dの範 囲内である平均直径を有し、 (c)該圧電セラミック粒子の1kHzでの誘電率が約700未満であり、 (d)該ポリマー材料の1kHzでの誘電率が2.8以上であり、 (e)該ポリマー材料の1kHzでの誘電損が0.025未満であり、そして (f)該複合材料中の圧電セラミックの体積分率が40%〜74%である圧電 複合材料。 2.三次元に連続しているポリマー材料中の圧電セラミック粒子の混合物を 形成することを含む複合材料の製造方法であって、 (a)該圧電セラミック粒子の重量平均直径Dが30ミクロン〜200ミクロ ンであり、 (b)該圧電セラミック粒子の少なくとも50重量%が0.5D〜1.5Dの範 囲内である平均直径を有し、 (c)該圧電セラミック粒子の1kHzでの誘電率が約500未満であり、 (d)該ポリマー材料の1kHzでの誘電率が2.8以上であり、 (e)該ポリマー材料の1kHzでの誘電損が0.025未満であり、そして (f)該複合材料中の圧電セラミックの体積分率が40%〜74%であり、 前記圧電セラミック粒子が、セラミック形成性金属酸化物粉末のさらさらした混 合物を少なくとも約400℃の温度で、前記セラミック形成性金属酸化物粉末の さらさらした混合物の圧縮ディスクを焼結するのに充分な時間加熱することによ って得られるさらさらした粉末の形であり、そして圧電セラミック粉末およびポ リマー材料の前記混合物を、少なくとも5,000psiの圧力で溶融加工して 造形品をもたらすことを含む方法。 3.圧電複合材料造形品の製造方法であって、 (I)圧電セラミック粒子のさらさらした粉末を溶媒とポリマー材料との溶液 中に分散させ、 (II)下記の(i)および(ii): (i)該ポリマー材料の非溶媒を該溶媒に加え、そして前記溶媒と非溶媒 との混合物から形成された固体を分離すること;および (ii)該溶液から溶媒を蒸発させて複合材料を形成すること の少なくとも一つを含む工程によって複合材料を形成し、そして (III)該複合材料を、200℃を越える温度と少なくとも約10,000ps iの圧力で加圧して造形品にすることを含み、この際、 (a)該圧電セラミック粒子の重量平均直径Dが30ミクロン〜200ミクロ ンであり、 (b)該圧電セラミック粒子の少なくとも50重量%が0.5D〜1.5Dの範 囲内である平均直径を有し、 (c)該圧電セラミック粒子の1kHzでの誘電率が約500未満であり、 (d)該ポリマー材料の1kHzでの誘電率が2.8以上であり、 (e)該ポリマー材料の1kHzでの誘電損が0.025未満であり、そして (f)該複合材料中の圧電セラミックの体積分率が40%〜74%である方法 。 4.ポリマー材料中のセラミック粒子の混合物を含む、縁部を有する複合材 料物品のポーリング方法であって、該複合材料物品をコロナ放電とアースとの間 の電気路に入れて、前記複合材料物品の縁部が、該複合材料物品の縁部上に位置 する絶縁材料によってコロナ放電から遮蔽されるようにすることを含み、この際 、コロナ放電とは反対の前記複合材料物品の側が金属導体と接触しており、該複 合材料物品は、流体が入っている熱浴中に配置され、コロナ放電から該複合材料 物品に適用される電界が約120kV/cm以上であり、そして該浴の温度が該 ポリマー材料の最高の融解温度より少なくとも約30℃低い方法。
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