JP2020202338A - 圧電セラミックス - Google Patents

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康善 齋藤
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Abstract

【課題】鉛を含まず、圧電特性に優れ、かつ、インフラ振動センサとして好適な新規な圧電セラミックスを提供すること。
【解決手段】圧電セラミックスは、ペロブスカイト型結晶構造を有し、(1−x){(1−y)BiFeO3−yLaFeO3}−xBaTiO3−zMnO2で表される組成を有する圧電セラミックス。但し、0.1<x<0.3、0<y≦0.1、0<z≦0.01。圧電セラミックスは、圧電電圧出力g31定数が1.5×10-3Vm/N超であるもの、電気機械結合係数K31が3%以上であるもの、キュリー温度(圧電性消失温度)が300℃以上であるもの、及び/又は、ヤング率Y11 Eが100GPa超であるものが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電セラミックスに関し、さらに詳しくは、鉛を含まないペロブスカイト型酸化物からなる新規な圧電セラミックスに関する。
圧電セラミックスとは、圧電効果を示すセラミックスをいう。圧電セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Ti,Zr)O3、PZT)などが知られている。これらは、いずれもペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体である。
これらの内、PZTは、圧電セラミックスの中でも最も高い圧電効果を示す材料として知られている。しかしながら、PZTなどの鉛を含む圧電セラミックスは、高い圧電特性を示す反面、環境に対する負荷が大きいという欠点がある。そのため、高い圧電特性を示し、かつ、鉛を含まない圧電セラミックスに関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)パルスレーザーデポジション(PLD)法を用いて、厚み500μmのSi基板の表面に膜厚約20nmのMgOバッファ層及び膜厚約200nmのSrRuO3下部電極を成膜し、
(b)PLD法を用いて、下部電極の表面に膜厚2μmのペロブスカイト型酸化物(Ba,Bi)(Ti,Fe,Mn)O3からなる圧電体膜を成膜する
ことにより得られる圧電素子が開示されている。
同文献には、
(A)このような圧電体膜を含む圧電素子から片持ち梁(15mm×2.5mm、膜厚0.5mm)を作製し、片持ち梁に50Vの電圧を印加した場合、片持ち梁の変位量が0.98〜1.73μmになる点、及び、
(B)このような圧電素子をインクジェット式記録ヘッドのような液体吐出装置に用いることができる点
が記載されている。
圧電材料は、種々の用途(例えば、液体吐出装置)に用いられているが、その一つにインフラ振動センサがある。「インフラ振動センサ」とは、道路、橋梁、プラント、トンネルなどの構造物の振動、変位等を計測し、これによって構造物の健全度を診断するためのセンサをいう。インフラ振動センサは、構造物の健全度を正確に診断できるだけでなく、実環境下において長期間に渡る診断を可能とする高い信頼性も必要となる。そのため、インフラ振動センサ用の圧電材料には、高い圧電特性に加えて、高い強度、高いキュリー温度、高い耐水性・耐湿性、長期間の特性(出力)安定性なども求められる。
しかしながら、鉛を含む従来の圧電材料は、圧電特性は高いが、環境負荷が大きい。また、1100℃以上の焼結温度を必要とするためにプロセスコストが高い。
一方、特許文献1には、BiFeO3−BaTiO3系の圧電体膜を備えた圧電素子が開示されている。しかし、同文献には、圧電素子の変位量が記載されているのみであり、圧電体膜の圧電特性は記載されていない。さらに、特許文献1には、薄膜の作製例は開示されているが、焼結体の作製例は開示されていない。
特許第5681398号公報
本発明が解決しようとする課題は、鉛を含まず、かつ、圧電特性に優れた新規な圧電セラミックスを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、インフラ振動センサとして好適な新規な圧電セラミックスを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る圧電セラミックスは、ペロブスカイト型結晶構造を有し、次の式(1)で表される組成を有するものからなる。
(1−x){(1−y)BiFeO3−yLaFeO3}−xBaTiO3−zMnO2 (1)
但し、
0.1<x<0.3、
0<y≦0.1、
0<z≦0.01。
従来のBiFeO3−BaTiO3系材料は、抵抗率が低く、分極処理電界が高いために圧電特性も低い。また、従来のBiFeO3−BaTiO3系材料は、専ら薄膜として用いられ、バルクの焼結体として用いられた例は少ない。これは、BiFeO3−BaTiO3系材料は難焼結性であり、高密度の焼結体を得るのが難しいためである。
これに対し、BiFeO3−BaTiO3系材料において、BaTiO3量を最適化し、かつ、適量のLaFeO3及びMnO2をさらに添加すると、抵抗率が高く、かつ、高い圧電特性を示す高密度の圧電セラミックス(バルクの焼結体)が得られる。これは、
(a)適量のMnO2を添加することにより、材料の抵抗率が向上するため、及び、
(b)適量のLaFeO3を添加することにより、キュリー点を著しく低下させることなく、材料の緻密化が促進されるため、
と考えられる。
実施例1及び比較例1、4、5の圧電d31定数である。 実施例1及び比較例1、4、5の圧電g31定数である。 実施例1及び比較例1、4、5の比誘電率ε33 T/ε0である。 実施例1及び比較例1、4、5の誘電損失tanδである。 実施例1及び比較例1、4、5の電気機械結合係数K31ある。 実施例1及び比較例1、4、5の電気機械結合係数Kpある。 実施例1及び比較例1、4、5のヤング率Y11 Eである。 実施例1及び比較例1、4、5の機械的品質係数Qmである。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 圧電セラミックス]
本発明に係る圧電セラミックスは、ペロブスカイト型結晶構造を有し、次の式(1)で表される組成を有する。
(1−x){(1−y)BiFeO3−yLaFeO3}−xBaTiO3−zMnO2 (1)
但し、
0.1<x<0.3、
0<y≦0.1、
0<z≦0.01。
[1.1. 組成]
[1.1.1. x]
式(1)中、xは、(Bi1-yLay)FeO3とBaTiO3の総モル数に対するBaTiO3のモル数の割合を表す。xが小さくなりすぎると、高電界を印加しても分極が困難となる。これは、端成分であるBiFeO3の抗電界が高く、分極反転前に絶縁破壊するためと考えられる。従って、xは、0.1超である必要がある。xは、好ましくは、0.12以上、さらに好ましくは、0.15以上である。
同様に、xが大きくなりすぎると、高電界を印加しても分極が困難となる。これは、
(a)ポア、組成ずれなどの欠陥が多くなり、絶縁抵抗が低下するため、及び、
(b)電流漏れが生じるために、分極処理のための電界印加が困難になるため
と考えられる。従って、xは、0.3未満である必要がある。xは、好ましくは、0.28以下、さらに好ましくは、0.25以下である。
[1.1.2. y]
式(1)中、yは、BiFeO3とLaFeO3の総モル数に対するLaFeO3のモル数の割合を表す。La又はその酸化物は、BiFeO3−BaTiO3系材料において、焼結助剤としての機能を持つ。BiFeO3−BaTiO3系材料に対して適量のLa又はその酸化物を添加すると、1000℃程度の温度での低温焼結が可能となる。相対的に高い焼結密度を得るためには、yは、0超である必要がある。yは、好ましくは、0.02以上、さらに好ましくは、0.04以上である。
一方、本発明に係る圧電セラミックスを各種の用途に用いるためには、キュリー温度Tcは高いほど良い。しかしながら、La又はその酸化物は、焼結助剤としての機能に加えて、BiFeO3−BaTiO3系材料のキュリー温度Tcを低下させる機能を持つ。そのため、yが大きくなりすぎると、キュリー温度Tcが過度に低下する。従って、yは、0.1以下である必要がある。yは、好ましくは、0.08以下、さらに好ましくは、0.06以下である。
[1.1.3. z]
式(1)中、zは、(Bi1-yLay)FeO3とBaTiO3の総モル数を1とした時の、MnO2のモル数の割合を表す。MnO2は、BiFeO3−BaTiO3系材料の絶縁抵抗を高める作用がある。高い抵抗率を得るためには、zは、0超である必要がある。zは、好ましくは、0.002以上、さらに好ましくは、0.004以上である。
一方、zが大きくなりすぎると、MnO2が粒界に析出しやすくなる。MnO2は非圧電相であるため、粒界に多量のMnO2が析出すると圧電特性が低下する。従って、zは、0.01以下である必要がある。zは、好ましくは、0.008以下、さらに好ましくは、0.006以下である。
[1.2. 特性]
[1.2.1. 圧電電圧出力g31定数]
「圧電電圧出力g31定数(以下、単に「圧電g31定数」ともいう)」とは、薄い矩形板の厚さ方向(3軸方向)に分極し、長辺方向(1軸方向)に振動させる場合において、電気変位ゼロの状態で単位の圧力を加えた時に生ずる電界の強さを表す定数をいう。
一般に、圧電g31定数が大きくなるほど、構造物の振動や変位を計測する際の感度が高くなる。本発明に係る圧電セラミックスにおいて、組成を最適化すると、圧電g31定数は、1.5×10-3Vm/N超となる。組成をさらに最適化すると、圧電g31定数は、2.0×10-3Vm/N以上、あるいは、3.0×10-3Vm/N以上となる。
[1.2.2. 電気機械結合係数K31
「電気機械結合係数K31」とは、薄い矩形板の厚さ方向(3軸方向)に分極し、長辺方向(1軸方向)に振動させる場合において、圧電体の電極間に加えられた電気エネルギーを機械エネルギーに変換する際の効率を表す定数をいう。
一般に、電気機械結合係数K31が大きくなるほど、構造物の振動や変位を高効率で電気エネルギーに変換することが可能となる。本発明に係る圧電セラミックスにおいて、組成を最適化すると、電気機械結合係数K31は、3%以上となる。組成をさらに最適化すると、電気機械結合係数K31は、4%以上、あるいは、5%以上となる。
[1.2.3. キュリー温度]
「キュリー温度」とは、圧電特性が消失する臨界温度をいう。圧電セラミックスを広い温度範囲で使用するためには、キュリー温度は高いほど良い。本発明に係る圧電セラミックスにおいて、組成を最適化すると、キュリー温度は、300℃以上となる。組成をさらに最適化すると、キュリー温度は、390℃超、410℃以上、あるいは、430℃以上となる。
[1.2.4. ヤング率]
「ヤング率Y11 E」とは、薄い矩形板の長辺方向(1軸方向)の歪みと長辺方向(1軸方向)の応力との間の比例定数をいう。一般に、ヤング率Y11 Eが高くなるほど、材料強度が高くなる。本発明に係る圧電セラミックスにおいて、組成を最適化すると、ヤング率Y11 Eは、100GPa超となる。組成をさらに最適化すると、ヤング率Y11 Eは、110GPa以上、あるいは、120GPa以上となる。
[1.2.5. 相対密度]
インフラ振動センサに用いられる圧電材料は、薄膜よりも、バルクの焼結体が好ましい。これは、コストを下げることができるため、素子全体の強度を上げることができるため、及び、強度の弱い薄膜/基板の界面がないために耐久性上げることができるためである。しかしながら、BiFeO3−BaTiO3系材料は、難焼結性であるため、BiFeO3−BaTiO3系材料からなる高密度のバルクの焼結体が作製された例は、従来には無い。
これに対し、本発明に係る圧電セラミックスにおいて、組成を最適化すると、高密度のバルクの焼結体を得ることができる。具体的には、組成を最適化すると、相対密度が、96%以上、あるいは、98%以上である焼結体が得られる。
[1.3. 用途]
本発明に係る圧電セラミックスは、
(a)鉛を含まない、
(b)従来のPZTに比べてキュリー温度が高く、高温まで使用できる、
(c)強度が高い、
(d)1000℃程度の温度での低温焼結が可能である、
などの利点がある。
そのため、本発明に係る圧電セラミックスは、例えば、
(a)インフラ振動センサ用の圧電材料、
(b)ビル、工場、発電所などに用いられる各種設備(エアコン、ポンプ、モータなど)に装着し、異常を検知するIoT用振動センサ(故障を未然に防ぐためのセンサ)用の圧電材料、
などに好適である。
[2. 圧電セラミックスの製造方法]
本発明に係る圧電セラミックスは、
(a)所定の組成となるように原料を混合し、
(b)原料混合物を所定の条件下で仮焼し、
(c)仮焼粉を適度に粉砕した後、仮焼粉を成形及び焼結し、
(d)焼結体を分極処理する
ことにより製造することができる。
製造条件は、特に限定されるものではなく、目的とする組成に応じて、最適な条件を選択するのが好ましい。
[3. 作用]
従来のBiFeO3−BaTiO3系材料は、抵抗率が低く、分極処理電界が高いために圧電特性も低い。また、従来のBiFeO3−BaTiO3系材料は、専ら薄膜として用いられ、バルクの焼結体として用いられた例は少ない。これは、BiFeO3−BaTiO3系材料は難焼結性であり、高密度の焼結体を得るのが難しいためである。
これに対し、BiFeO3−BaTiO3系材料において、BaTiO3量を最適化し、かつ、適量のLaFeO3及びMnO2をさらに添加すると、抵抗率が高く、かつ、高い圧電特性を示す高密度の圧電セラミックス(バルクの焼結体)が得られる。これは、
(a)適量のMnO2を添加することにより、材料の抵抗率が向上するため、及び、
(b)適量のLaFeO3を添加することにより、キュリー点を著しく低下させることなく、材料の緻密化が促進されるため、
と考えられる。
インフラ振動センサに用いられる圧電材料には、
(a)ノイズが小さいこと(すなわち、誘電損失(tanδ)が低く、かつ、機械的品質係数Qm(=弾性損失の逆数)が高いこと)、
(b)感度が高いこと(すなわち、圧電d31定数や電気機械結合係数K31が大きいこと)、
(c)使用可能温度が高いこと、
(d)強度(すなわち、ヤング率)が高いこと、
などが求められる。
本発明に係る圧電セラミックスは、これらの条件を満たしているので、インフラ振動センサに用いられる圧電材料として好適である。
(実施例1、比較例1〜5)
[1. 試料の作製]
試料は、通常の固相反応法により合成した。原料は、市販試薬の酸化物又は炭酸塩を使用した。表1に示す組成となるように、原料を混合した。得られた混合粉末を、大気中、750℃で5時間仮焼した。
次に、得られた仮焼粉を粉砕した後、所定の形状に成形した。さらに、成形体を、大気中、800〜1000℃で1時間焼結した。
Figure 2020202338
[2. 試験方法]
得られた焼結体から、直径11mm×厚さ0.5mmの円板状試料、及び、15mm×4mm×0.5mmの矩形状試料を切り出した。試料の上下面にAuスパッタ蒸着電極を付け、100℃で10分間、5kV/mmの条件で分極処理を施した。さらに、分極された試料について、アジレント・テクノロジー(株)製、インピーダンスアナライザHP4194Aを用い、共振反共振法により圧電特性を評価した。定数計算は、電子情報技術産業協会規格、JEITA EM−4501A、「圧電セラミック振動子の電気的試験方法(1993.3.、改正2015.10.)」に準拠して行った。
[3. 結果]
表2に、結果を示す。また、図1〜図8に、それぞれ、各試料の圧電d31定数、圧電g31定数、比誘電率ε33 T/ε0、誘電損失tanδ、電気機械結合係数K31、電気機械結合係数Kp、ヤング率Y11 E、及び、機械的品質係数Qmを示す。表1、及び、図1〜8より、以下のことが分かる。
(1)x=0.2(実施例1)である場合、その圧電d31定数及び圧電g31定数は、いずれも高い値を示した。一方、x=0(比較例1〜3)、0.1(比較例4)、又は0.3(比較例5)である場合、その圧電d31定数及び圧電g31定数は、いずれも低い値を示した。これは、BaTiO3含有量が少なすぎる場合、及び多すぎる場合のいずれも、分極しにくくなり、実施した分極条件下では、十分な分極処理ができなかったためと考えられる。
(2)xが大きくなるほど、比誘電率ε33 T/ε0は大きくなった。これは、BaTiO3の誘電率がBiFeO3、LaFeO3よりも大きく、BaがAサイト、TiがBサイトに置換固溶すると、単位格子の分極率が大きくなるためと考えられる。
(3)BiFeO3(比較例1)は、誘電損失tanδが大きい。これは、密度が低く、かつ、組成が不均一であり、また、Bi/Feがずれており、欠陥が多いためと考えられる。一方、BiFeO3に対して、LaFeO3及びMnO2を添加した試料(実施例1、比較例4、5)は、誘電損失tanδが低い。これは、Mn元素が価数+2、+3、+4、+6の多値を取る元素であり、欠陥サイトに置換した時に自動的に電荷を調整するためと考えられる。
(4)x=0.2(実施例1)である場合、その電気機械結合係数K31、Kpは、いずれも高い値を示した。一方、x=0(比較例1〜3)、0.1(比較例4)、又は0.3(比較例5)である場合、その電気機械結合係数K31、Kpは、いずれも低い値を示した。これは、BaTiO3含有量が少なすぎる場合、及び多すぎる場合のいずれも、分極しにくくなり、実施した分極条件下では、十分な分極処理ができなかったためと考えられる。
(5)ヤング率Y11 Eが大きいほど機械的強度が上がるため、耐久性向上のためには、ヤング率Y11 Eは大きいことが望ましい。BaTiO3は、結合力がBiFeO3、LaFeO3より大きいため、ヤング率が高い。そのため、BaTiO3の含有量が増加するとヤング率も大きくなる。
(6)機械的品質係数Qm(=1/tanδm、tanδmは弾性損失(応力入力に対する変位の位相遅れ))は、大きいほど機械振動した時のロスが小さくなる。Qmが大きい材料は、「ハード材料」と呼ばれる。Qmが大きいほど、ロスが小さくなるため、長期における特性は安定する。そのため、長期使用のためには、Qmは、好ましくは200以上、さらに好ましくは、400以上である。
Figure 2020202338
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る圧電セラミックスは、インフラ振動センサに用いられる圧電材料、ビル、工場、発電所などに用いられる各種設備(エアコン、ポンプ、モータなど)に装着し、異常を検知するIoT用振動センサ(故障を未然に防ぐためのセンサ)用の圧電材料などに使用することができる。

Claims (6)

  1. ペロブスカイト型結晶構造を有し、次の式(1)で表される組成を有する圧電セラミックス。
    (1−x){(1−y)BiFeO3−yLaFeO3}−xBaTiO3−zMnO2 (1)
    但し、
    0.1<x<0.3、
    0<y≦0.1、
    0<z≦0.01。
  2. 圧電電圧出力g31定数が1.5×10-3Vm/N超である請求項1に記載の圧電セラミックス。
  3. 電気機械結合係数K31が3%以上である請求項1又は2に記載の圧電セラミックス。
  4. キュリー温度(圧電性消失温度)が300℃以上である請求項1から3までのいずれか1項に記載の圧電セラミックス。
  5. ヤング率Y11 Eが100GPa超である請求項1から4までのいずれか1項に記載の圧電セラミックス。
  6. インフラ振動センサに用いられる請求項1から5までのいずれか1項に記載の圧電セラミックス。
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