JP4509481B2 - 圧電セラミックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動子、アクチュエータ、魚群探知機、BLT(ボルト締めランジュバン型振動子)、圧電トランス等に使用される圧電セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような用途向けとして、PbZrO及びPbTiOからなる「PZT」と呼ばれる圧電セラミックスが広く普及している。また、特性改善のため、複合ペロブスカイト型化合物を第三成分乃至第四成分としてPZTに固溶させた、多成分PZT系圧電セラミックスも知られている。PZTにPb(Sb1/2Nb1/2)Oを添加した圧電セラミックス(以下「PSN」という。)も、多成分PZT系圧電セラミックスの一種である。この種の圧電セラミックスの焼成温度は、二成分系で約1250℃であり、多成分系でも1200℃以上が必要とされる(例えば下記特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−24841号公報(段落0022等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の圧電セラミックスを積層化して使用する場合、焼成温度が高いために、融点の高いパラジウムや白金を内部電極に用いなければならない。しかしながら、パラジウムや白金は高価であるため、製造コスト低減の障害になっていた。これに加え、この種の圧電セラミックスでは、より厳しい使用状態にも耐え得るように、抗折強度の更なる向上が期待されていた。
【0005】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、圧電セラミックスとしての諸特性を損なうことなく、焼成温度の低下及び抗折強度の増大を可能にする、PSNを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、PSNにCuを添加することにより、圧電セラミックスとしての諸特性を落とすことなく、焼成温度を低くすることに成功した。本発明は、この知見に基づきなされたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、PSNにおいてCuを含むことを特徴とする。Cuは、CuOに換算して0.01〜2.0重量%とする。CuOが0.01重量%よりも少ない場合又は2.0重量%よりも多い場合は、焼成温度を低くすると、電気機械結合係数(以下、「結合係数k」という。)などの圧電特性の低下も大きくなるからである。
【0008】
PSNにおいて、Cuの他にMnを含むものとしてもよい(請求項2)。これにより、機械的品質係数(以下、「品質係数Qm」という。)が大きくなる。品質係数Qmが大きいと、圧電セラミックスの応用製品でパワーを必要とする場合、入出力に対して発熱が少ないなどの利点がある。Mnは、MnCOに換算して1.0重量%以下とすることが好ましい(請求項5)。MnCOが0.01重量%よりも多い場合は、焼成温度を低くすると、圧電特性の低下も大きくなるからである。
【0009】
PSNにおいて、Cuの他にFeを含むものとしてもよい(請求項3)。これにより、品質係数Qmが大きくなる。Feは、Feに換算して1.0重量%以下とすることが好ましい(請求項6)。Feが1.0重量%よりも多い場合は、焼成温度を低くすると、圧電特性の低下も大きくなるからである。
【0010】
PSNにおいて、Cuの他に、Sr,Ca,Ba及びLaの群から選ばれた少なくとも一種の元素を含むものとしてもよい(請求項4)。これらの元素により、誘電率が大きくなったり、機械的強度が大きくなったりする。Sr,Ca,Ba及びLaは、周期率表の中で同族又は隣接するもの同士であるので、似通った性質を有する。また、Sr,Ca,Ba及びLaについては、この群から選ばれた少なくとも一種の元素からなる化合物によって、Pbを5mol%以下置換することが好ましい(請求項7)。この5mol%より多い場合は、焼成温度を低くすると、圧電特性の低下も大きくなるからである。
【0011】
Cuを含むPSNにおけるPbは、PbOに換算して化学量論的組成値±1.0重量%の範囲内である、としてもよい(請求項8)。すなわち、Pbは蒸発しやすいためにその量の制御が難しいが、化学量論的組成値に対しPbOを1.0重量%増減してもよい。なぜなら、PbOがこの範囲内ならば、圧電セラミックスとしての特性の低下があまり大きくないからである。
【0012】
また、本発明は、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比をX、PbZrOのモル組成比をY、PbTiOのモル組成比をZとし、かつX+Y+Z=1としたとき、0.01≦X≦0.15、0.40≦Y≦0.60、0.40≦Z≦0.60が成り立つ。PZTは、反強誘電体であるジルコン酸鉛(PbZrO:斜方晶系)と、強誘電体であるチタン酸鉛(PbTiO3:正方晶系)との、固溶体からなる圧電セラミックスである。このPZTは、Zr:Ti=53:47の組成付近を境にして、チタン濃度の増加とともに結晶系が菱面体晶系から正方晶系に転移する。このとき、自発分極の向きは[111]から[001]へ変化する。この過程で結晶構造が不安定になるため、誘電的圧電的性質が著しく高められる。組成によって結晶系が変わる相境界は、モルホトロピック相境界(MPB)と呼ばれる。0.40≦Y≦0.60、0.40≦Z≦0.60は、この現象を考慮したものである。また、0.01≦X≦0.15であるときは、経時変化が少ない、耐侯性に優れるなどの特長を呈する。
【0013】
また、本発明は、言葉を換えて次のように表現することができる。
【0014】
第一の発明は、XPb(Sb1/2Nb1/2)O‐YPbZrO‐ZPbTiOを基本組成とし、一般記号ABOで表されるペロブスカイト型の酸化物圧電磁器組成物のXYZをそれぞれ0.01≦X≦0.15、0.40≦Y≦0.60、0.40≦Z≦0.60の範囲とするとともにX+Y+Z=1とし、かつ添加物としてCuをCuOに換算して0.01〜2.0重量%、PbをPbOに換算して−1.0〜1.0重量%、MnをMnCOに換算して0.0〜1.0重量%の割合で添加してなることを特徴とする圧電磁器組成物。
【0015】
第二の発明は、XPb(Sb1/2Nb1/2)O‐YPbZrO‐ZPbTiOを基本組成とし、一般記号ABOで表されるペロブスカイト型の酸化物圧電磁器組成物のXYZをそれぞれ0.01≦X≦0.15、0.40≦Y≦0.60、0.40≦Z≦0.60の範囲とするとともにX+Y+Z=1とし、かつ添加物としてCuをCuOに換算して0.01〜2.0重量%、PbをPbOに換算して0.0〜1.0重量%、FeをFeに換算して0.0〜0.8重量%の割合で添加してなることを特徴とする圧電磁器組成物。
【0016】
第三の発明は、第一又は第二の発明において、Sr,Ca,Ba及びLaの群から選ばれた少なくとも一種の元素からなる化合物によって、Pbを0〜5mol%置換した組成。
【0017】
【発明の実施の形態】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb及びCuOを主として用い、以下の各実施例に応じてMnCO、Fe、SrCO(又はBaCO、CaCO、La)等を選択的に用いた。これらを秤量し一定時間湿式混合した後、これを脱水及び乾燥し、800〜1000℃で2時間仮焼することにより、仮焼物を得た。この仮焼物を粉砕した後、PVA(ポリビニル・アルコール)系バインダを添加して湿式混合及び湿式粉砕を12〜32時間行うことにより、混合物を得た。この混合物を造粒し、1000〜3000kg/cmで成形することにより、直径15mmの円板状の成型体を得た。この成型体を1300℃以下で焼成することにより、直径約12mmの円板状の焼結体を得た。焼成条件は、昇温100℃/時間、キープ温度で2時間である。このキープ温度が以下の各実施例における「焼成温度」である。この焼結体に銀電極ペーストを塗布し、700℃で焼き付けた後、80〜200℃のシリコーンオイル中で2〜4kV/mmの直流電界を10〜30分印加することにより、以下の実施例1〜8に示す圧電セラミックス素子を得た。
【0018】
これらの圧電セラミックス素子について、結合係数k[%]又は品質係数Qmを測定した。測定方法は日本電子材料工業会標準規格EMAS-6100に準じ、測定装置はインピーダンスアナライザを用いた。なお、結合係数kとは、圧電体の電極間に加えた電気エネルギを機械的エネルギに変換する効率を表す定数である。品質係数Qmとは、圧電体が固有振動を起こした時の共振周波数付近における機械的な振動の鋭さを表す定数である。また、これらの圧電セラミックス素子について、抗折強度(破壊強度)も測定した。つまり、幅4mm厚み3mmの焼結体を作成し、その圧電セラミック素子について、三点曲げ試験法(JIS-R1601に準拠)に基づき、三点曲げ強度(σ[N/mm])を測定した。
【0019】
また、以下の各実施例において、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比をX、PbZrOのモル組成比をY、PbTiOのモル組成比をZとしたとき、「X+Y+Z=1」かつ「Y:Z=52:48」であるとする。
【0020】
【実施例1】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb、CuO、及びMnCOを用いた。このとき、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比Xを0.04又は0.07とし、MnをMnCOに換算して0.4重量%含ませた。更に、CuOを0重量%から2重量%まで変化させて添加し、かつ焼成温度を900℃から1300℃まで変化させて、実施形態で述べた圧電セラミックス素子を作製した。
【0021】
これらの圧電セラミックス素子について結合係数k及び品質係数Qmを測定した結果を、図1に示す。すなわち、図1は、CuO添加量ごとの焼成温度と結合係数kとの関係を示すグラフである。図2は、焼成温度ごとのCuO添加量と品質係数Qmとの関係を示すグラフである。また、これらの圧電セラミックス素子について抗折強度σを測定した結果を、図9に示す。すなわち、図9は、焼成温度ごとのCuO添加量と抗折強度σとの関係を示すグラフである。
【0022】
図1から明らかなように、CuO添加量が0.01〜2.0重量%かつ焼成温度が900℃〜1150℃の圧電セラミックス素子の結合係数kは、CuO無添加かつ焼成温度1200℃以上の圧電セラミックス素子(従来技術)とほぼ同等となった。また、図2から明らかなように、CuO添加量が0.01〜2.0重量%かつ焼成温度が900℃〜1100℃の圧電セラミックス素子の品質係数Qmは、CuO無添加かつ焼成温度1250℃の圧電セラミックス素子(従来技術)とほぼ同等となった。更に、図9から明らかなように、CuO添加量が0.01〜1.0重量%かつ焼成温度が1000℃の圧電セラミックス素子の抗折強度σは、CuO無添加かつ焼成温度1250℃の圧電セラミックス素子(従来技術)に比べて大きく増大(最高で約1.6倍)した。
【0023】
このように、CuO添加量が0.01〜2.0重量%かつ焼成温度が900℃〜1150℃の圧電セラミックス素子は、CuO無添加かつ焼成温度1200℃以上の圧電セラミックス素子(従来技術)に比べて、結合係数kがほぼ同等であり、抗折強度が向上する。すなわち、PSNにCuOを0.01〜2重量%添加することにより、圧電特性を損なうことなく、焼成温度の低下及び抗折強度の増大を実現することができた。
【0024】
【実施例2】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb及びCuO等を用いた。このとき、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比Xを0.07又は0.10とした。更に、CuOを0.2重量%から0.4重量%まで変化させて添加し、かつ焼成温度を900℃から1050℃まで変化させて、実施形態で述べた圧電セラミックス素子を作製した。
【0025】
これらの圧電セラミックス素子について結合係数kを測定した結果を、図3及び図4に示す。すなわち、図3は、X=0.07におけるCuO添加量ごとの焼成温度と結合係数kとの関係を示すグラフである。図4は、X=0.10におけるCuO添加量ごとの焼成温度と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【0026】
図3及び図4から明らかなように、CuO添加量が0.20〜0.40重量%かつ焼成温度が900℃〜1150℃の圧電セラミックスの結合係数kは、X=0.07でもX=0.10でも十分な値になった。換言すると、PSNにCuOを添加することにより、圧電特性を損なうことなく、焼成温度を低下させることができた。
【0027】
【実施例3】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb、CuO及びMnCOを用いた。このとき、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比Xを0.04とし、MnをMnCOに換算して0.4重量%含ませた。更に、CuOを0.3重量%から2.0重量%まで変化させて添加し、かつPbOを−1.0重量%から1.0重量%まで増減させ、かつ焼成温度を1000℃として、実施形態で述べた圧電セラミックス素子を作製した。
【0028】
これらの圧電セラミックス素子について結合係数kを測定した結果を、図5に示す。すなわち、図5は、CuO添加量ごとのPbO増減量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【0029】
図5から明らかなように、PbO増減量が−1.0〜1.0重量%かつ焼成温度が1000℃の圧電セラミックス素子の結合係数kは、PbO増減なしの圧電セラミックス素子とほぼ同等となった。すなわち、PSNのPbOを±1.0重量%増減させても、CuOを添加することにより、圧電特性を損なうことなく、焼成温度を低下させることができた。
【0030】
【実施例4】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb、CuO及びMnCOを用いた。このとき、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比Xを0.04とした。更に、CuOを0.3重量%から1.0重量%まで変化させて添加し、かつ、MnをMnCOに換算して0重量%から1.5重量%まで変化させて添加し、かつ焼成温度を1000℃として、実施形態で述べた圧電セラミックス素子を作製した。
【0031】
これらの圧電セラミックス素子について結合係数kを測定した結果を、図6に示す。すなわち、図6は、CuO添加量ごとのMnCO添加量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【0032】
図6から明らかなように、MnCO添加量が1.0重量%以下かつ焼成温度が1000℃の圧電セラミックス素子の結合係数kは、MnCO添加なしの圧電セラミックス素子と比べて、遜色ないレベルとなった。すなわち、PSNにMnCOを1.0重量%以下添加しても、CuOを添加することにより、圧電特性を損なうことなく、焼成温度を低下させることができた。
【0033】
【実施例5】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb、CuO及びFeを用いた。このとき、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比Xを0.04とした。更に、CuOを0.1重量%から1.0重量%まで変化させて添加し、かつ、FeをFeに換算して0重量%から1.0重量%まで変化させて添加し、かつ焼成温度を1000℃として、実施形態で述べた圧電セラミックス素子を作製した。
【0034】
これらの圧電セラミックス素子について結合係数kを測定した結果を、図7に示す。すなわち、図7は、CuO添加量ごとのFe添加量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【0035】
図7から明らかなように、Fe添加量が1.0重量%以下かつ焼成温度が1000℃の圧電セラミックス素子の結合係数kは、Fe添加なしの圧電セラミックス素子と比べて、遜色ないレベルとなった。すなわち、PSNにFeを1.0重量%以下添加しても、CuOを添加することにより、圧電特性を損なうことなく、焼成温度を低下させることができた。
【0036】
【実施例6】
出発原料として、Pb、ZrO、TiO、Sb、Nb、CuO、MnCO及びSrCOを用いた。このとき、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比Xを0.04とし、MnをMnCOに換算して0.4重量%含ませた。更に、CuOを0.1重量%から1.0重量%まで変化させて添加し、かつ、SrCOでPbを0mol%から5.0mol%まで変化させて置換し、かつ焼成温度を1000℃として、実施形態で述べた圧電セラミックス素子を作製した。
【0037】
これらの圧電セラミックス素子について結合係数kを測定した結果を、図8に示す。すなわち、図8は、CuO添加量ごとのSrCO置換量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【0038】
図8から明らかなように、SrCO置換量が5.0mol%以下かつ焼成温度が1000℃の圧電セラミックス素子の結合係数kは、SrCO置換なしの圧電セラミックス素子と比べて、遜色ないレベルとなった。すなわち、PSNのPbをSrCOで5.0mol%以下置換しても、CuOを添加することにより、圧電特性を損なうことなく、焼成温度を低下させることができた。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る圧電セラミックスによれば、PSNにCu化合物を添加することにより、圧電セラミックスとしての諸特性を落とすことなく、焼成温度を低下できるとともに、抗折強度を増大できる。このとき、CuOを0.01〜2.0重量%添加することにより、圧電特性への影響を少なくできる。
【0040】
Cu化合物に加えMn化合物又はFe化合物をPSNに添加することにより、品質係数Qmも向上できる。例えば、MnCOを1.0重量%以下添加することにより、又はFeを1.0重量%以下添加することにより、圧電特性への影響を少なくできる。
【0041】
Cu化合物に加えSr,Ca,Ba,La化合物等をPSNに添加することにより、誘電率及び機械的強度も向上できる。このとき、Sr,Ca,Ba化合物及びLa化合物については、この群から選ばれた少なくとも一種の元素からなる化合物でPbを5mol%以下置換することにより、圧電特性への影響を少なくできる。
【0042】
Cu化合物を含むPSNにおけるPbOの増減を1.0重量%以内とすることにより、圧電特性への影響を少なくできる。
【0043】
Cu化合物を含むPSNにおいて、Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比をX、PbZrOのモル組成比をY、PbTiOのモル組成比をZとし、かつX+Y+Z=1としたとき、0.01≦X≦0.15、0.40≦Y≦0.60、0.40≦Z≦0.60が成り立つ組成とすることにより、経時変化が少ない、耐侯性に優れるなどの特長を併せ持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとの焼成温度と結合係数kとの関係(X=0.04)を示すグラフである。
【図2】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとの焼成温度と品質係数Qmとの関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとの焼成温度と結合係数kとの関係(X=0.07)を示すグラフである。
【図4】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとの焼成温度と結合係数kとの関係(X=0.1)を示すグラフである。
【図5】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとのPbO増減量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとのMnCO添加量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとのFe添加量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【図8】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量ごとのSrCO置換量と結合係数kとの関係を示すグラフである。
【図9】本発明に係る圧電セラミックスにおける、CuO添加量と抗折強度との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. Pb(Sb1/2Nb1/2)O、PbZrO及びPbTiOを基本組成とする圧電セラミックスにおいて、
    前記Pb(Sb1/2Nb1/2)Oのモル組成比をX、前記PbZrOのモル組成比をY、前記PbTiOのモル組成比をZとし、かつX+Y+Z=1としたとき、0.01≦X≦0.15、0.40≦Y≦0.60、0.40≦Z≦0.60が成り立ち、
    CuOを0.01〜2.0重量%含む、
    ことを特徴とする圧電セラミックス。
  2. Mnを更に含む、
    請求項1記載の圧電セラミックス。
  3. Feを更に含む、
    請求項1又は2記載の圧電セラミックス。
  4. Sr,Ca,Ba及びLaの群から選ばれた少なくとも一種の元素を更に含む、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電セラミックス。
  5. 前記Mnは、MnCOに換算して1.0重量%以下である、
    請求項2記載の圧電セラミックス。
  6. 前記Feは、Feに換算して1.0重量%以下である、
    請求項3記載の圧電セラミックス。
  7. Sr,Ca,Ba及びLaの群から選ばれた少なくとも一種の元素からなる化合物によって、前記Pbを5mol%以下置換した、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電セラミックス。
  8. 前記Pbは、PbOに換算して化学量論的組成値±1.0重量%の範囲内である
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の圧電セラミックス。
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