JP2002338349A - 圧電セラミックス - Google Patents
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Abstract
焼成によって製造することができ、製造コストを低減化
でき、且つ高い電気機械結合係数Kp及び高い機械的品
質係数Qmを有する圧電セラミックスを提供すること。 【解決手段】(a)ペロブスカイト型のPbZrO3 、
(b)ペロブスカイト型のPbTiO3 、(c)複合ペ
ロブスカイト型のPb(Nb1/2 Sb1/2 )O 3 、
(d)マンガン酸化物、及び(e)複合ペロブスカイト
型のPb(Cu1/2W1/2 )O3 、Ba(Cu1/2 W
1/2 )O3 及びPb(Zn1/2 W1/2 )O3 からなる群
より選ばれる少なくとも1種、を含む圧電セラミック
ス。
Description
関し、より詳しくは、比較的低い温度での焼成によって
製造することができ、且つ高い電気機械結合係数Kp及
び高い機械的品質係数Qmを有する圧電セラミックスに
関する。
動子、発音体、アクチュエーター等に使用されている。
これらの用途においては、圧電材料の特性を改善して装
置の小型化や、エネルギー変換効率の改善を図るため
に、機械的品質係数Qmを上げてエネルギー損失や昇圧
比を上げる一方、電気機械結合係数Kpを上げて昇圧比
を上げることが求められている。
PbZrO3 を主成分として含む圧電セラミックス(以
下、PZT系圧電セラミックスと称する)が汎用的に用
いられている。一般的に、この種の圧電セラミックスで
は、その製造に要する焼成温度は上記の二成分系では約
1260℃である。また、圧電セラミックスの特性を改
善するために複合ペロブスカイト型化合物を第三成分、
第四成分として固溶させた多成分PZT系圧電セラミッ
クスでは、その製造に要する焼成温度は多少低下して1
200℃付近となっている。
造する際の焼成過程において、PbOの蒸発が1000
℃付近から急激に増加することが知られている。従っ
て、上記の焼成温度では多量のPbOの蒸発が起こると
いう問題がある。PbOが蒸発すると、得られる焼結体
に組成ずれを引き起こし、電気機械結合係数Kpや機械
的品質係数Qm等の特性のばらつきや劣化を招く上、蒸
発したPb成分は環境汚染の原因となる。
分PZT系圧電セラミックスを製造する場合には、焼成
温度は一般的に1200℃以上であるため、PbOの蒸
発を抑制(防止)したり、あるいは製造コストを低減さ
せたりすることが極めて困難である。
セラミックスの製造において、PbOの蒸発を抑制(防
止)することは非常に重要になっており、このためには
焼成温度を1000℃以下に低下させること、即ち、1
000℃以下の焼成温度で製造できる圧電セラミックス
を見いだすことが必要である。焼成温度の低下は省エネ
ルギーの点でも有益である上に、例えば一体焼成で製造
される積層型圧電素子の場合には、焼成温度を低下させ
ることができれば、内部電極の構成においてパラジウム
や白金等の高価な貴金属の比率を低下させ、銀や銀合金
等の比率を増大させることが可能であり、製造コスト面
で有利になると期待される。このように、PZT系圧電
セラミックスを製造する際の焼成温度を低下させること
は、得られるPZT系圧電セラミックスの特性、環境汚
染の防止の面で長所を奏するほか、省エネルギーを具現
化する点でも有益である。
くなされたものであり、その技術的課題は、PbOの蒸
発を回避できる比較的低い温度(1000℃以下)での
焼成によって製造することができ、製造コストを低減化
でき、且つ高い電気機械結合係数Kp及び高い機械的品
質係数Qmを有する圧電セラミックスを提供することを
目的としている。
的を達成するために鋭意検討した結果、PbZrO3−
PbTiO3 −Pb(Nb1/2 Sb1/2 )O3 −MnO
系のセラミック組成物に、更にPb(Cu1/2 W1/2 )
O3 、Ba(Cu1/2 W1/2 )O3 及びPb(Zn1/2
W1/2 )O3 からなる群より選ばれる少なくとも1種を
含有させることにより、上記のセラミック組成物の焼成
が促進されて、Kp、Qmの低下が少ない圧電セラミッ
クが比較的低い焼成温度で製造できることを見出し、本
発明を完成した。
(a)ペロブスカイト型のPbZrO3 、(b)ペロブ
スカイト型のPbTiO3 、(c)複合ペロブスカイト
型のPb(Nb1/2 Sb1/2 )O3 、(d)マンガン酸
化物、及び(e)複合ペロブスカイト型のPb(Cu
1/2 W1/2 )O3 、Ba(Cu1/2W1/2 )O3 及びP
b(Zn1/2 W1/2 )O3 からなる群より選ばれる少な
くとも1種を含むことを特徴とする。
について更に詳細に説明する。本発明の圧電セラミック
スにおいては、その製造の際に焼成を促進させ且つ焼成
温度を低下させるために用いた(e)成分、即ち、複合
ペロブスカイト型のPb(Cu1/2 W1/2 )O3 、Ba
(Cu1/2 W1/2 )O3 及び/又はPb(Zn 1/2 W
1/2 )O3 は焼成後の圧電セラミックス中にそのまま残
る。
て、焼成前の組成物中の(e)成分の相対量が少ないと
焼成の促進及び焼成温度の低下が不十分となる。従っ
て、焼成前の組成物中に(e)成分を好ましくは1質量
%以上、より好ましくは3質量%以上存在させる。その
結果として、圧電セラミックス中の(e)成分の量は好
ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上に
なる。しかし、圧電セラミックス中の(e)成分の相対
量が多いと、圧電セラミックスの特性に悪影響を及ぼす
傾向があるので、圧電セラミックス中の(e)成分の量
は好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量
%以下である。
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の各々の相対量
は、一般式 Pb[(Zry Ti(1-y) )x (Nb1/2 Sb1/2 )
(1-x) ]O3 で表して、xが好ましくは0.92≦x<1.00、よ
り好ましくは0.93≦x≦0.98であり、一方yが
好ましくは0.50≦y≦0.55、より好ましくは
0.51≦y≦0.54である条件を満足する量であ
る。
ックスの機械的品質係数Qmを改善する。この改善のた
めには、圧電セラミックス中の(d)成分の量はMnO
2 換算量で好ましくは0.03質量%以上であり、より
好ましくは0.1質量%以上である。しかし、圧電セラ
ミックス中の(d)成分の量が多いと、圧電セラミック
スの特性に悪影響を及ぼす傾向があるので、圧電セラミ
ックス中の(d)成分の量はMnO2 換算量で好ましく
は1.5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以
下である。
製造することができ、例えば次のような方法によって製
造することができる。最初に、出発原料のZr成分、T
i成分、Nb成分及びSb成分をそれぞれ必要量秤量
し、それらの原料粉をボールミル等の粉砕装置中で粉砕
・混合する。この粉砕・混合は、均一な粉砕・混合を容
易にするために、水を配合した湿式で実施することが好
適である。この場合の水の量は、全質量の50〜75
%、好ましくは60〜70%が好適である。この粉砕・
混合時間は十分に均一な粉砕・混合が達成出来る時間で
あれば、特に限定されるものではない。例えば5〜30
時間、好ましくは10〜25時間粉砕・混合する。この
混合粉を乾燥させた後、一般的には700〜1000
℃、好ましくは800〜900℃の大気等の酸化性雰囲
気中で、一般的には1〜7時間、好ましくは1〜4時間
仮焼する。
Sb成分は、ペロブスカイト型複合酸化物ABO3 のB
サイトを構成するものである。上記の製造方法で用いる
ことのできるZr成分としては、焼成によりジルコニウ
ム酸化物を形成することの出来るZr成分であれば特に
は制限が無く、各種のZr成分を使用することができ
る。そのようなZr成分としては、好ましくは二酸化ジ
ルコニウム等のジルコニウム酸化物、さらには、水酸化
ジルコニウム等を挙げることができる。
成分としては、焼成によりチタン酸化物を形成すること
の出来るTi成分であれば特には制限が無く、各種のT
i成分を使用することができる。そのようなTi成分と
しては、好ましくは二酸化チタン等のチタン酸化物、さ
らには、水酸化チタン等を挙げることができる。
成分としては、焼成によりニオブ酸化物を形成すること
の出来るNb成分であれば特には制限が無く、各種のN
b成分を使用することができる。そのようなNb成分と
しては、好ましくは五酸化二ニオブ等のニオブ酸化物等
を挙げることができる。
成分としては、焼成によりアンチモン酸化物を形成する
ことの出来るSb成分であれば特には制限が無く、各種
のSb成分を使用することができる。そのようなSb成
分としては、好ましくは三酸化二アンチモンや五酸化二
アンチモン等のアンチモン酸化物等を挙げることができ
る。
ては、Zr成分:Ti成分:Nb成分:Sb成分の金属
原子比として、一般式 Pb[(Zry Ti(1-y) )x (Nb1/2 Sb1/2 )
(1-x) ]O3 で表して、xが好ましくは0.92≦x<1.00、よ
り好ましくは0.93≦x≦0.98であり、一方yが
好ましくは0.50≦y≦0.55、より好ましくは
0.51≦y≦0.54である条件を満足する配合量で
あることが好ましい。
ミル等の粉砕装置中で、通常0.1〜2.0μm、好ま
しくは0.1〜1.0μmの平均粒径の混合粉体が形成
されるように粉砕する。この粉砕は、均一な粉砕を容易
にするために、水を配合した湿式で実施することが好適
である。この場合の水の量は、全質量の50〜75%、
好ましくは60〜70%が好適である。この粉砕時間は
十分に均一な粉砕が達成出来る時間であれば、特に限定
されるものではない。例えば5〜30時間、好ましくは
10〜25時間粉砕する。その後乾燥させる。
に上記の(e)成分又は焼成により(e)成分を形成す
ることの出来る成分とともにボールミル等の粉砕装置中
で粉砕・混合する。この粉砕・混合は、均一な粉砕・混
合を容易にするために、水を配合した湿式で実施するこ
とが好適である。この場合の水の量は、全質量の50〜
75%、好ましくは60〜70%が好適である。この粉
砕・混合時間は十分に均一な粉砕・混合が達成出来る時
間であれば、特に限定されるものではない。例えば5〜
30時間、好ましくは10〜25時間粉砕・混合する。
この混合粉を乾燥させた後、一般的には700〜100
0℃、好ましくは800〜900℃の大気等の酸化性雰
囲気中で、一般的には1〜7時間、好ましくは1〜4時
間仮焼する。
成分としては、焼成により鉛酸化物を形成することの出
来るPb成分であれば特には制限が無く、各種のPb成
分を使用することができる。そのようなPb成分とし
て、例えば、Pb3 O4 (鉛丹)やPbO等の酸化物を
挙げることができる。Pb成分は、既にPbと反応して
いる(e)成分を用いる場合には、上記の仮焼粉体の質
量に基づいて、PbO換算量で、通常、209〜220
質量%、好ましくは210〜219質量%、更に好まし
くは211〜217質量%の量で配合される。しかし、
焼成により(e)成分を形成することの出来る成分(P
bと反応する前の成分)を用いる場合には、(e)成分
を形成するのに必要な量のPb成分を余分に配合する必
要がある。
成分としては、焼成によりマンガン酸化物を形成するこ
との出来るMn成分であれば特には制限が無く、各種の
マンガン成分を使用することができる。そのようなMn
成分としては、例えばマンガン酸化物又はマンガン複合
酸化物を挙げることができ、更に炭酸マンガンや硝酸マ
ンガンを挙げることができる。マンガン酸化物として
は、MnO2 を好ましいものとして挙げることができ
る。これらのMn成分は、MnO2 換算量で、圧電セラ
ミックス中に好ましくは0.03質量%以上、より好ま
しくは0.1質量%以上の量で存在するが、好ましくは
1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下の量で
存在するように配合する。
た(e)成分を用いても、あるいは焼成により(e)成
分を形成することの出来る諸成分を用いてもよい。
(e)成分の一種であるPb(Cu1/2 W1/2 )O3 を
形成するのに用いることができる材料について説明す
る。Pb成分としては上記のものと同一であり、Pb3
O4 (鉛丹)やPbO等の酸化物を使用することができ
る。Cu成分としては、焼成により銅酸化物を形成する
ことの出来るCu成分であれば特には制限が無く、各種
のCu成分を使用することができる。例えば、亜酸化
銅、酸化銅、水酸化銅、硝酸銅、炭酸銅等を使用するこ
とができる。好ましくは酸化銅を使用する。W成分とし
ては、焼成によりタングステン酸化物を形成することの
出来るW成分であれば特には制限が無く、各種のW成分
を使用することができる。例えば二酸化タングステン、
三酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム等を
使用することができる。好ましくは三酸化タングステン
を使用することができる。
て説明する。最初に、Pb成分、Cu成分及びW成分を
それぞれ所定の量秤量し、混合する。具体的にはPbO
換算で58.9質量%のPb成分とCuO換算で10.
5質量%のCu成分とWO3換算で30.6%のW成分
とを秤量する。これらの原料粉をボールミルに入れ20
時間湿式混合する。この原料混合粉を乾燥させた後、焼
成鉢中で700℃〜850℃で2時間仮焼する。この仮
焼粉をボールミル中で20時間湿式粉砕して目的の生成
物を得る。
1/2 )O3 を形成するのに用いることができる材料につ
いて説明する。Ba成分としては、焼成によりバリウム
酸化物を形成することの出来るBa成分であれば特には
制限が無く、各種のBa成分を使用することができる。
例えば酸化バリウム、水酸化バリウム、硝酸バリウム、
炭酸バリウム等を使用することができる。好ましくは炭
酸バリウムを使用することができる。Cu成分として
は、焼成により銅酸化物を形成することの出来るCu成
分であれば特には制限が無く、各種のCu成分を使用す
ることができる。例えば、亜酸化銅、酸化銅、水酸化
銅、硝酸銅、炭酸銅等を使用することができる。好まし
くは酸化銅を使用する。W成分としては、焼成によりタ
ングステン酸化物を形成することの出来るW成分であれ
ば特には制限が無く、各種のW成分を使用することがで
きる。例えば二酸化タングステン、三酸化タングステ
ン、タングステン酸アンモニウム等を使用することがで
きる。好ましくは三酸化タングステンを使用することが
できる。
て説明する。最初に、Ba成分、Cu成分及びW成分を
それぞれ所定の量秤量し、混合する。具体的には、Ba
CO 3 換算で55.9質量%のBa成分とCuO換算で
11.3質量%のCu成分とWO3 換算で32.8質量
%のW成分を秤量し、混合する。これらの原料粉をボー
ルミル中に入れ20時間湿式混合する。この原料混合粉
を乾燥させた後、焼成鉢中で700℃〜850℃で2時
間仮焼する。この仮焼粉をボールミル中で20時間湿式
粉砕して目的の生成物を得る。
1/2 )O3 を形成するのに用いることができる材料につ
いて説明する。Pb成分としては上記のものと同一であ
り、Pb3 O4 (鉛丹)やPbO等の酸化物を使用する
ことができる。Zn成分としては、焼成により亜鉛酸化
物を形成することの出来るZn成分であれば特には制限
が無く、各種のZn成分を使用することができる。例え
ば酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛等を使用
することができる。好ましくは酸化亜鉛を使用すること
ができる。W成分としては、焼成によりタングステン酸
化物を形成することの出来るW成分であれば特には制限
が無く、各種のW成分を使用することができる。例えば
二酸化タングステン、三酸化タングステン、タングステ
ン酸アンモニウム等を使用することができる。好ましく
は三酸化タングステンを使用することができる。
て説明する。最初に、Pb成分、Zn成分及びW成分を
それぞれ所定の量秤量し、混合する。具体的には,Pb
O換算で58.8質量%のPb成分とZnO換算で1
0.7質量%のZn成分とWO 3 換算で30.5%のW
成分を秤量し,混合する。これらの原料粉をボールミル
中に入れ20時間湿式混合する。この原料混合粉を乾燥
させた後、焼成鉢中で700℃〜850℃で2時間仮焼
する。この仮焼粉をボールミル中で20時間湿式粉砕し
て目的の生成物を得る。
成分及びSb成分からの仮焼粉体をPb成分、Mn成
分、並びに上記の(e)成分又は焼成により(e)成分
を形成することの出来る成分とともに粉砕・混合し、仮
焼することにより、(a)ペロブスカイト型のPbZr
O3 、(b)ペロブスカイト型のPbTiO3 、(c)
複合ペロブスカイト型のPb(Nb1/2 Sb1/2 )
O3 、(d)マンガン酸化物、及び(e)複合ペロブス
カイト型のPb(Cu1/2 W1/2 )O3 、Ba(Cu
1/2 W1/2 )O3 及びPb(Zn1/2 W1/2 )O3 から
なる群より選ばれる少なくとも1種、を含む仮焼物が得
られる。
ミル等の粉砕装置中で、通常0.1〜2.0μm、好ま
しくは0.1〜1.0μmの平均粒径の混合粉体が形成
されるように粉砕する。この粉砕は、均一な粉砕を容易
にするために、水を配合した湿式で実施することが好適
である。この場合の水の量は、全質量の50〜75%、
好ましくは60〜70%が好適である。この粉砕時間は
十分に均一な粉砕が達成出来る時間であれば、特に限定
されるものではない。例えば5〜30時間、好ましくは
10〜25時間粉砕する。
成分、Ti成分、Nb成分及びSb成分を用いて仮焼粉
体を生成させ、次いでその仮焼粉体をPb成分、Mn成
分、並びに上記の(e)成分又は焼成により(e)成分
を形成することの出来る成分とともに粉砕・混合し、仮
焼し、粉砕する諸工程を含む製造方法について説明した
が、本発明の圧電セラミックスはZr成分、Ti成分、
Nb成分、Sb成分、Pb成分、Mn成分、及び焼成に
より(e)成分を形成することの出来る成分を同時に粉
砕・混合し、仮焼し、粉砕する諸工程を含む製造方法に
よっても得ることができる。この場合に用いる各成分、
各工程は前記で説明した通りである。
ば、バインダーとしてポリビニルアルコール等の樹脂を
添加し、混合した後、加圧成形することによって、バル
ク体や、シート体等の形態に成形し、次いで焼成するこ
とによって本発明の圧電セラミックスを製造することが
出来る。またシート成形したものを積層し、層間に電極
を付け、焼成して圧電セラミックスを製造することもで
きる。
起因して、800℃〜1000℃、好ましくは900〜
1000℃の比較的低温で1〜8時間、好ましくは2〜
5時間の焼成処理で製造することができる。比較的低温
で焼成出来るためPbOの蒸発が無く、組成の均一な焼
結体が得られ、特性のバラツキや劣化が少なく、且つP
bOの蒸発による環境汚染も無くなる。また、焼成温度
の低下は、省エネルギーの点でも有益である上に、一体
焼成で製造される積層型圧電素子の場合には、内部電極
の構成においてパラジウムや白金等の高価な貴金属の比
率を減らし、銀や銀合金等の比率を増大させることが可
能となる。
に詳細に説明する。 実施例1 TiO2 10.91質量部、ZrO2 16.83質量
部、Sb2 O3 0.83質量部及びNb2 O5 0.76
質量部をそれぞれ秤量し、これらの原料粉をボールミル
中で20時間湿式混合した。この混合粉を乾燥させた
後、焼成鉢中で850℃で仮焼した。更に、この仮焼粉
をボールミル中で20時間湿式粉砕し、次いで乾燥させ
た。この粉砕仮焼粉にPbO63.51質量部、MnC
O3 0.69質量部及びPb(Cu1/2 W1/2 )O
3 6.47質量部を添加し、混合し、再度850℃で仮
焼し、その後ボールミル中で20時間湿式粉砕した。
アルコール)を添加し、混合し、次いでプレス機で10
0MPaで加圧成形した。この成形体を900℃で2時
間焼成して焼結体を作製した。この焼結体の密度は第1
表に示す通りであった。また、この焼結体に電極を焼き
付け、4KV/mmで分極処理を実施した。このように
して得られた圧電磁器のKp及びQmの測定を行った。
それらの値は第1表に示す通りであった。
部、Sb2 O3 0.84質量部及びNb2 O5 0.77
質量部をそれぞれ秤量し、これらの原料粉をボールミル
中で20時間湿式混合した。この混合粉を乾燥させた
後、焼成鉢中で850℃で仮焼した。更に、この仮焼粉
をボールミル中で20時間湿式粉砕し、次いで乾燥させ
た。この粉砕仮焼粉にPbO64.28質量部、MnC
O3 0.70質量部及びBa(Cu1/2 W1/2 )O
3 5.34質量部を添加し、混合し、再度850℃で仮
焼し、その後ボールミル中で20時間湿式粉砕した。
アルコール)を添加し、混合し、次いでプレス機で10
0MPaで加圧成形した。この成形体を900℃で2時
間焼成して焼結体を作製した。この焼結体の密度は第1
表に示す通りであった。また、この焼結体に電極を焼き
付け、4KV/mmで分極処理を実施した。このように
して得られた圧電磁器のKp及びQmの測定を行った。
それらの値は第1表に示す通りであった。
部、Sb2 O3 0.83質量部及びNb2 O5 0.75
質量部をそれぞれ秤量し、これらの原料粉をボールミル
中で20時間湿式混合した。この混合粉を乾燥させた
後、焼成鉢中で850℃で仮焼した。更に、この仮焼粉
をボールミル中で20時間湿式粉砕し、次いで乾燥させ
た。この粉砕仮焼粉にPbO63.28質量部、MnC
O3 0.69質量部及びPb(Zn1/2 W1/2 )O
3 6.81質量部を添加し、混合し、再度850℃で仮
焼し、その後ボールミル中で20時間湿式粉砕した。
アルコール)を添加し、混合し、次いでプレス機で10
0MPaで加圧成形した。この成形体を950℃で2時
間焼成して焼結体を作製した。この焼結体の密度は第1
表に示す通りであった。また、この焼結体に電極を焼き
付け、4KV/mmで分極処理を実施した。このように
して得られた圧電磁器のKp及びQmの測定を行った。
それらの値は第1表に示す通りであった。
ZrO2 16.83質量部、Sb2 O3 0.83質量部
及びNb2 O5 0.76質量部、MnCO3 0.69質
量部、WO3 1.98質量部及びCuO3 0.68質量
部をそれぞれ秤量し、これらの原料粉をボールミル中で
20時間湿式混合した。この混合粉を乾燥させた後、焼
成鉢中で850℃で仮焼した。更に、この仮焼粉をボー
ルミル中で20時間湿式粉砕した。
アルコール)を添加し、混合し、次いでプレス機で10
0MPaで加圧成形した。この成形体を900℃で2時
間焼成して焼結体を作製した。この焼結体の密度は第1
表に示す通りであった。また、この焼結体に電極を焼き
付け、4KV/mmで分極処理を実施した。このように
して得られた圧電磁器のKp及びQmの測定を行った。
それらの値は第1表に示す通りであった。
部、Sb2 O3 0.89質量部及びNb2 O5 0.81
質量部をそれぞれ秤量し、これらの原料粉をボールミル
中で20時間湿式混合した。この混合粉を乾燥させた
後、焼成鉢中で850℃で仮焼した。更に、この仮焼粉
をボールミル中で20時間湿式粉砕し、次いで乾燥させ
た。この粉砕仮焼粉にPbO67.93質量部及びMn
CO3 0.70質量部を添加し、混合し、再度850℃
で仮焼し、その後ボールミル中で20時間湿式粉砕し
た。
アルコール)を添加し、混合し、次いでプレス機で10
0MPaで加圧成形した。この成形体を950℃で2時
間焼成して焼結体を作製した。この焼結体の密度は第1
表に示す通りであった。また、この焼結体に電極を焼き
付け、4KV/mmで分極処理を実施した。このように
して得られた圧電磁器のKp及びQmの測定を行った。
それらの値は第1表に示す通りであった。
ZrO2 18.00質量部、Sb2 O3 0.89質量部
及びNb2 O5 0.81質量部及びMnCO30.70
質量部をそれぞれ秤量し、これらの原料粉をボールミル
中で20時間湿式混合した。この混合粉を乾燥させた
後、焼成鉢中で850℃で仮焼した。更に、この仮焼粉
をボールミル中で20時間湿式粉砕した。
アルコール)を添加し、混合し、次いでプレス機で10
0MPaで加圧成形した。この成形体を1000℃で2
時間焼成して焼結体を作製した。この焼結体の密度は第
1表に示す通りであった。また、この焼結体に電極を焼
き付け、4KV/mmで分極処理を実施した。このよう
にして得られた圧電磁器のKp及びQmの測定を行っ
た。それらの値は第1表に示す通りであった。
に起因して、800℃〜1000℃、好ましくは900
〜1000℃の比較的低温で1〜8時間、好ましくは2
〜5時間の焼成処理で製造することができる。比較的低
温で焼成出来るためPbOの蒸発が無く、組成の均一な
焼結体が得られ、特性のバラツキや劣化が少なく、且つ
PbOの蒸発による環境汚染も無くなる。また、焼成温
度の低下は、省エネルギーの点でも有益である上に、一
体焼成で製造される積層型圧電素子の場合には、内部電
極の構成においてパラジウムや白金等の高価な貴金属の
比率を減らし、銀や銀合金等の比率を増大させることが
可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】(a)ペロブスカイト型のPbZrO3 、 (b)ペロブスカイト型のPbTiO3 、 (c)複合ペロブスカイト型のPb(Nb1/2 S
b1/2 )O3 、 (d)マンガン酸化物、及び (e)複合ペロブスカイト型のPb(Cu1/2 W1/2 )
O3 、Ba(Cu1/2W1/2 )O3 及びPb(Zn1/2
W1/2 )O3 からなる群より選ばれる少なくとも1種を
含むことを特徴とする圧電セラミックス。 - 【請求項2】(e)成分の量が1〜20質量%であるこ
とを特徴とする請求項1記載の圧電セラミックス。 - 【請求項3】(a)成分、(b)成分及び(c)成分の
各々の相対量が、一般式 Pb[(Zry Ti(1-y) )x (Nb1/2 Sb1/2 )
(1-x) ]O3 で表して、0.92≦x<1.00、且つ0.50≦y
≦0.55の条件を満足する量であり、(d)成分の量
がMnO2 換算量で0.03〜1.5質量%であり、
(e)成分の量が1〜20質量%であることを特徴とす
る請求項1記載の圧電セラミックス。
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-
2001
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