JP2002265262A - 圧電磁器 - Google Patents
圧電磁器Info
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Abstract
を提供する。 【解決手段】 x(Na0.5 Bi0.5 )TiO3 +y
(K0.5 Bi0.5 )TiO 3 +zBi(Ni0.5 Ti
0.5 )O3 を含むことにより圧電特性が向上されるよう
になっている。これらは完全に固溶していてもよく、し
ていなくてもよい。組成比x,yおよびzは、これらを
頂点とした三角図において、A(x,y,z)=(0.9
,0.1 ,0)、B(x,y,z)=(0,1,0)、
およびC(x,y,z)=(0,0.775 ,0.225 )の各
点を結んだ範囲内の値であることが好ましい。但し、x
+y+z=1であり、z=0は除く。
Description
センサーまたはレゾネータなどの分野において広く利用
される圧電磁器に関する。
ことにより歪みを発生する(電気エネルギーの機械エネ
ルギーへの変換)効果と、外部から応力を受けることに
より表面に電荷が発生する(機械エネルギーの電気エネ
ルギーへの変換)効果とを有するものであり、近年、各
種分野で幅広く利用されている。例えば、チタン酸ジル
コン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3 ;PZT)などの圧
電材料は、印加電圧に対して1×10-10 m/Vのオー
ダーでほぼ比例した歪みを発生することから、微少な位
置調整などに優れており、光学系の微調整などにも利用
されている。また、それとは逆に、圧電材料は加えられ
た応力あるいはそれによる自身の変形量に比例した大き
さの電荷が発生することから、微少な力や変形を読み取
るためのセンサーとしても利用されている。更に、圧電
材料は優れた応答性を有することから、交流電界を印加
することで、圧電材料自身あるいは圧電材料と接合関係
にある弾性体を励振して共振を起こさせることも可能で
あり、圧電トランス、超音波モータなどとしても利用さ
れている。
は、PbZrO3 (PZ)−PbTiO3 (PT)から
なる固溶体系(PZT系)である。その理由は、菱面晶
系のPZと正方晶系のPTの結晶学的な相境界(M.
P.B.)付近の組成を用いることで、優れた圧電特性
を得ることができるからである。このPZT系圧電材料
には、様々な副成分あるいは添加物を加えることによ
り、多種多様なニーズに応えるものが幅広く開発されて
いる。例えば、機械的品質係数(Qm)が小さいかわり
に圧電定数(d)が大きく、直流的な使い方で大きな変
位量が求められる位置調整用のアクチュエータなどに用
いられるものから、圧電定数(d)が小さいかわりに機
械的品質係数(Qm)が大きく、超音波モータなどの超
音波発生素子のような交流的な使い方をする用途に向い
ているものまで様々なものがある。
用化されているものはあるが、それもマグネシウム酸ニ
オブ酸鉛(Pb(Mg,Nb)O3 ;PMN)などの鉛
系ペロブスカイト組成を主成分とする固溶体がほとんど
である。
分として低温でも揮発性の極めて高い酸化鉛(PbO)
を60〜70質量%程度と多量に含んでいる。例えば、
PZTまたはPMNでは、質量比で約2/3が酸化鉛で
ある。よって、これらの圧電材料を製造する際には、磁
器であれば焼成工程、単結晶品であれば溶融工程などの
熱処理工程において、工業レベルで極めて多量の酸化鉛
が大気中に揮発し拡散してしまう。また、製造段階で放
出される酸化鉛については回収することも可能である
が、工業製品として市場に出された圧電製品に含有され
る酸化鉛については現状では回収が難しく、これらが広
く環境中に放出されると、酸性雨による鉛の溶出などが
心配される。従って、今後圧電磁器および単結晶の応用
分野が広がり、使用量が増大すると、無鉛化の問題が極
めて重要な課題となる。
電材料としては、例えばチタン酸バリウム(BaTiO
3 )あるいはビスマス層状強誘電体などが知られてい
る。しかし、チタン酸バリウムはキュリー点が120℃
と低く、その温度以上では圧電性が消失してしまうの
で、はんだによる接合または車載用などの用途を考える
と実用的でない。一方、ビスマス層状強誘電体は、通常
400℃以上のキュリー点を有しており、熱的安定性に
優れているが、結晶異方性が大きいので、ホットフォー
ジングなどで自発分極を配向させる必要があり、生産性
の点で問題がある。また、完全に鉛の含有をなくすと、
大きな圧電性を得ることが難しい。
ン酸ビスマスナトリウム系の材料について研究が進めら
れている。例えば、特公平4−60073号公報,特開
平11−180769号公報には、チタン酸ビスマスナ
トリウムとチタン酸バリウムとを含む材料が開示されて
おり、特開平11−171643号公報にはチタン酸ビ
スマスナトリウムとチタン酸ビスマスカリウムとを含む
材料が開示されている。しかし、これらチタン酸ビスマ
スナトリウム系の材料では、鉛系圧電材料に比べると未
だ十分といえる圧電特性が得られておらず、圧電特性の
向上が求められていた。
ので、その目的は、優れた圧電特性を示し、低公害化、
対環境性および生態学的見地からも優れた圧電磁器を提
供することにある。
は、チタン酸カリウムビスマスと、ニッケル・チタン酸
ビスマスとを含むものである。
リウムビスマスと、ニッケル・チタン酸ビスマスとを含
む固溶体を含有するものである。
ケル・チタン酸ビスマスを含むことにより、圧電特性の
向上が図られる。なお、これらの圧電磁器は、更に、チ
タン酸ナトリウムビスマスを含んでいてもよい。
は、チタン酸カリウムビスマスが1未満0.775以上
に対して、ニッケル・チタン酸ビスマスが0よりも大き
く0.225以下の範囲内の値、または、チタン酸ナト
リウムビスマスをx、チタン酸カリウムビスマスをy、
ニッケル・チタン酸ビスマスをzとした三角図におい
て、A(x,y,z)=(0.9 ,0.1 ,0)、B(x,
y,z)=(0,1,0)およびC(x,y,z)=
(0,0.775 ,0.225 )の各点を結んだ範囲内の値(z
=0を除く)であることが好ましい。
て詳細に説明する。
チタン酸カリウムビスマスと、ニッケル・チタン酸ビス
マスとを含んでいる。または、チタン酸カリウムビスマ
スと、ニッケル・チタン酸ビスマスとを含む固溶体を含
有している。すなわち、チタン酸カリウムビスマスとニ
ッケル・チタン酸ビスマスとを含んでおり、それらは固
溶していてもよく、完全に固溶していなくてもよい。ま
た、チタン酸ナトリウムビスマスを更に含んでいてもよ
く、チタン酸ナトリウムビスマスはチタン酸カリウムビ
スマスおよびニッケル・チタン酸ビスマスと固溶してい
てもよく、完全に固溶していなくてもよい。
も一部において結晶学的な相境界(M.P.B.)が形
成され、圧電特性が向上するようになっている。具体的
には、1成分系あるいは2成分系に比べて誘電率、電気
機械結合係数あるいは圧電定数などの圧電特性が向上す
るようになっている。
(Rhombohedral)ペロブスカイト構造を有しており、ナ
トリウムおよびビスマスはペロブスカイト構造のAサイ
トに位置し、チタンはペロブスカイト構造のBサイトに
位置している。その組成は例えば化1により表される。
組成からずれていてもよく、1以下であれば焼結性を高
めることができると共により高い圧電特性を得ることが
できるので好ましい。ナトリウムとビスマスとの組成、
および酸素の組成は化学量論組成から求めたものであ
り、化学量論組成からずれていてもよい。
(Tetragonal)ペロブスカイト構造を有しており、カリ
ウムおよびビスマスはペロブスカイト構造のAサイトに
位置し、チタンはペロブスカイト構造のBサイトに位置
している。その組成は例えば化2により表される。
組成からずれていてもよい。カリウムとビスマスとの組
成、および酸素の組成は化学量論組成から求めたもので
あり、化学量論組成からずれていてもよい。
カイト構造を有する化合物に固溶する形で存在し、その
組成は例えば化3により表される。
組成からずれていてもよい。ナトリウムとチタンとの組
成、および酸素の組成は化学量論組成から求めたもので
あり、化学量論組成からずれていてもよい。
ン酸カリウムビスマスとニッケル・チタン酸ビスマスと
のモル比による組成比は、図1に示したように、それら
を頂点とした三角図100において、チタン酸ナトリウ
ムビスマスをx、チタン酸カリウムビスマスをy、ニッ
ケル・チタン酸ビスマスをzとすると、数2に示した
A、BおよびCの各点を結んだz=0を除く範囲内の値
であることが好ましい。但し、x+y+z=1であり、
A、BおよびCの各点を結んだ線上はz=0を除き範囲
内に含まれる。図1では、A、BおよびCの各点を結ん
だ範囲内を左下斜線で示してあり、範囲内に含まれない
z=0の部分は破線で示してある。なお、ここで言う組
成比というのは、固溶しているものも固溶していないも
のも含めた圧電磁器全体における値である。
量が少なくなりすぎると、またはニッケル・チタン酸ビ
スマスの含有量が多くなりすぎると、圧電特性が低下し
てしまうからである。
とチタン酸カリウムビスマスとニッケル・チタン酸ビス
マスとのモル比による組成比は、図1に示したように、
数3に示したD、E、FおよびGの各点を結んだ範囲内
の値であればより好ましい。但し、x+y+z=1であ
り、D、E、FおよびGの各点を結んだ線上は範囲内に
含まれる。図1では、この範囲内を右下斜線で示してあ
る。
得ることができるからである。すなわち、少なくともチ
タン酸カリウムビスマスとニッケル・チタン酸ビスマス
とを含み、更に、チタン酸ナトリウムビスマスを含むよ
うにすればより好ましい。
いてもよいが、その含有量は1質量%以下であることが
好ましく、鉛を全く含んでいなければより好ましい。焼
成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流
通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限
に抑制することができ、低公害化、対環境性および生態
学的見地から好ましいからである。また、この圧電磁器
の結晶粒の平均粒径は例えば0.5μm〜20μmであ
る。
ば、次のようにして製造することができる。
i2 O3 ),炭酸ナトリウム(Na 2 CO3 ),炭酸カ
リウム(K2 CO3 ),酸化ニッケル(NiO)および
酸化チタン(TiO2 )などの粉末を必要に応じて用意
し、100℃以上で十分に乾燥させたのち、目的とする
組成に応じて秤量する。なお、出発原料には、酸化物に
代えて炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸
化物となるものを用いてもよく、炭酸塩に代えて酸化物
あるいは焼成により酸化物となる他のものを用いてもよ
い。
ルミルなどにより有機溶媒中または水中で5時間〜20
時間十分に混合したのち、十分乾燥し、プレス成形し
て、750℃〜900℃で1時間〜3時間程度仮焼す
る。続いて、例えば、この仮焼物をボールミルなどによ
り有機溶媒中または水中で5時間〜30時間粉砕したの
ち、再び乾燥し、バインダー水溶液を加えて造粒する。
造粒したのち、例えば、この造粒粉をプレス成形してブ
ロック状とする。
体を400℃〜800℃で2時間〜4時間程度熱処理し
てバインダーを揮発させ、950℃〜1300℃で2時
間〜4時間程度本焼成する。本焼成の際の昇温速度およ
び降温速度は、共に例えば50℃/時間〜300℃/時
間程度とする。本焼成ののち、得られた焼結体を必要に
応じて研磨し、電極を設ける。そののち、25℃〜10
0℃のシリコンオイル中で5MV/m〜10MV/mの
電界を5分間〜1時間程度印加して分極処理を行う。こ
れにより、上述した圧電磁器が得られる。
酸カリウムビスマスと、ニッケル・チタン酸ビスマスと
を含むようにしたので、またはこれらを含む固溶体を含
有するようにしたので、誘電率、電気機械結合係数ある
いは圧電定数などの圧電特性を向上させることができ
る。
が少ない圧電磁器についても、利用の可能性を高めるこ
とができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発、およ
び圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環
境中への鉛の放出を最小限に抑制することができる低公
害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧
電磁器の活用を図ることができる。
含むように、または固溶体が更にチタン酸ナトリウムビ
スマスを含むようにすれば、より圧電特性を向上させる
ことができる。
ン酸カリウムビスマスとニッケル・チタン酸ビスマスと
のモル比による組成比が、図1に示したように、A
(x,y,z)=(0.9 ,0.1 ,0)、B(x,y,
z)=(0,1,0)およびC(x,y,z)=(0,
0.775 ,0.225 )の各点を結んだ範囲内の値(z=0を
除く)となるようにすれば、更には、D(x,y,z)
=(0.582 ,0.388 ,0.030)、E(x,y,z)=
(0.380 ,0.570 ,0.050 )、F(x,y,z)=(0.
360 ,0.540 ,0.100 )およびG(x,y,z)=(0.
558 ,0.372 ,0.070 )の各点を結んだ範囲内の値とな
るようにすれば、更に圧電特性を向上させることができ
る。
する。
ウムビスマス(Na0.5 Bi0.5 )TiO3 、チタン酸
カリウムビスマス(K0.5 Bi0.5 )TiO3 、および
ニッケル・チタン酸ビスマスBi(Ni0.5 Ti0.5 )
O3 の出発原料として、酸化ビスマス粉末、炭酸ナトリ
ウム粉末,炭酸カリウム粉末、酸化ニッケル粉末および
酸化チタン粉末を用意し、100℃以上で十分に乾燥さ
せたのち、それらを秤量した。出発原料の配合比は、化
4に示した焼成後のモル比による組成比x,yおよびz
が表1に示したようになるように実施例1〜25で変化
させた。
より水中で約16時間混合したのち、十分乾燥し、プレ
ス成形して、850℃で約2時間仮焼した。続いて、こ
の仮焼物をボールミルにより水中で約16時間粉砕した
のち、再び乾燥し、バインダーとしてポリビニールアル
コール(PVA)水溶液を加えて造粒した。そののち、
この造粒粉をプレス成形してブロック状とし、600℃
で約2時間熱処理してバインダーを揮発させ、表1に示
した焼成温度で2時間本焼成した。本焼成の際の昇温速
度および降温速度は共に200℃/時間とした。
て12mm×3mm×1mmの矩形板状とし、その両面
に銀ペーストを焼き付けて電極を形成した。そののち、
50℃のシリコンオイル中で10MV/mの電界を15
分間印加して分極処理を行った。これにより、実施例1
〜25の圧電磁器を得た。
て、比誘電率εd、電気機械結合係数k31、および圧電
定数d31を測定した。その際、比誘電率εdの測定はL
CRメータ(ヒューレットパカード社製HP4284
A)により行い、電気機械結合係数k31および圧電定数
d31の測定はインピーダンスアナライザー(ヒューレッ
トパカード社製HP4194A)とデスクトップコンピ
ュータとを用いた自動測定器により共振反共振法で行っ
た。それらの結果を表1に示す。
て、化4に示したモル比による組成比x,yおよびzが
表2に示したようになるように出発原料の配合比を変化
させると共に、焼成温度を表2に示したように最適温度
としたことを除き、他は本実施例と同一の条件で圧電磁
器を作製した。比較例1〜7についても、本実施例と同
様にして、比誘電率εd、電気機械結合係数k31および
圧電定数d31を測定した。それらの結果を表2に示す。
較例、比較例2は実施例4〜7に対する比較例、比較例
3は実施例8〜11に対する比較例、比較例4は実施例
12〜14に対する比較例、比較例5は実施例15〜1
7に対する比較例、比較例6は実施例18〜21に対す
る比較例、比較例7は実施例22〜25に対する比較例
にそれぞれ該当している。
によれば、比較例に比べて比誘電率εdについて大きな
値が得られた。すなわち、チタン酸ナトリウムビスマス
(Na0.5 Bi0.5 )TiO3 と、チタン酸カリウムビ
スマス(K0.5 Bi0.5 )TiO3 と、ニッケル・チタ
ン酸ビスマスBi(Ni0.5 Ti0.5 )O3 とを含むよ
うに、あるいはそれらの固溶体を含むようにすれば、ま
たは、チタン酸カリウムビスマス(K0.5 Bi0.5 )T
iO3 と、ニッケル・チタン酸ビスマスBi(Ni0.5
Ti0.5 )O3 とを含むように、あるいはそれらの固溶
体を含むようにすれば、圧電特性を向上できることが分
かった。
例8〜10、実施例12,13、実施例15,16、実
施例18〜20および実施例22〜24によれば、比較
例に比べて圧電定数d31についても優れた値が得られ
た。すなわち、図2および図3に示したように、それら
の組成比が、三角図200において、A(x,y,z)
=(0.9 ,0.1 ,0)、B(x,y,z)=(0,1,
0)およびC(x,y,z)=(0,0.775 ,0.225 )
の各点を結んだ範囲内の値(z=0を除く)となるよう
にすれば、圧電特性をより向上できることが分かった。
なお、図3は図2の一部を拡大して表したものであり、
図2および図3において○印を付した番号は各実施例の
番号を表している。
ば、比較例に比べて電気機械結合係数k31についても優
れた値が得られ、実施例8〜10,12,15,16に
よれば、特に優れた圧電定数d31が得られた。すなわ
ち、図2および図3に示したように、それらの組成比
が、三角図200において、D(x,y,z)=(0.58
2,0.388 ,0.030 )、E(x,y,z)=(0.380 ,
0.570 ,0.050 )、F(x,y,z)=(0.360 ,0.54
0 ,0.100 )およびG(x,y,z)=(0.558 ,0.37
2 ,0.070 )の各点を結んだ範囲内の値となるようにす
れば、圧電特性を更に向上できることが分かった。
(Ni0.5 Ti0.5 )O3 の組成比zを大きくすると、
比誘電率εdは大きくなる傾向が見られ、組成比zを大
きくしすぎると、電気機械結合係数k31および圧電定数
d31が悪化してしまう傾向も見られた。
ムビスマス、チタン酸カリウムビスマス、およびニッケ
ル・チタン酸ビスマスの各酸化物の組成について一例を
挙げて説明したが、上記実施の形態において説明したよ
うに、これらの酸化物が他の組成を有するように構成し
ても、同様の結果を得ることができる。
発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例
えば、上記実施の形態および実施例では、チタン酸カリ
ウムビスマスとニッケル・チタン酸ビスマスとを含む場
合、更にチタン酸ナトリウムビスマスを含む場合につい
てのみ説明したが、これらに加えて他の化合物を含んで
いてもよい。
マス,チタン酸カリウムビスマスおよびニッケル・チタ
ン酸ビスマスを構成する元素以外の元素を、不純物また
は他の化合物の構成元素として含んでいてもよい。その
ような元素としては、例えば、ストロンチウム(S
r),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),バ
リウム(Ba),リチウム(Li),ジルコニウム(Z
r),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),ケイ素
(Si),ホウ素(B),アルミニウム(Al)および
希土類元素が挙げられる。
リウムビスマス,チタン酸カリウムビスマスおよびチタ
ン酸バリウムの結晶構造についても説明したが、上述し
た組成を有する酸化物を含んでいれば、またはこれらを
含む固溶体を含有していれば、これらの結晶構造につい
て論じるまでもなく、本発明に含まれる。
項6のいずれか1に記載の圧電磁器によれば、チタン酸
カリウムビスマスと、ニッケル・チタン酸ビスマスとを
含むように、あるいはこれらを含む固溶体を含有するよ
うにしたので、誘電率、電気機械結合係数あるいは圧電
定数などの圧電特性を向上させることができる。よっ
て、鉛を含有しないまたは鉛の含有量が少ない圧電磁器
についても、利用の可能性を高めることができる。すな
わち、焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として
市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出
を最小限に抑制することができる低公害化、対環境性お
よび生態学的見地から極めて優れた圧電磁器の活用を図
ることができる。
に記載の圧電磁器によれば、更にチタン酸ナトリウムビ
スマスを含むようにしたので、より優れた圧電特性を得
ることができる。
磁器によれば、それらの組成比を、チタン酸カリウムビ
スマスが1未満0.775以上に対して、ニッケル・チ
タン酸ビスマスが0よりも大きく0.225以下の範囲
内の値となるようにしたので、または、チタン酸ナトリ
ウムビスマスをx、チタン酸カリウムビスマスをy、ニ
ッケル・チタン酸ビスマスをzとした三角図において、
A(x,y,z)=(0.9 ,0.1 ,0)、B(x,y,
z)=(0,1,0)、およびC(x,y,z)=
(0,0.775 ,0.225 )の各点を結んだ範囲内の値(z
=0を除く)となるようにしたので、更に優れた圧電特
性を得ることができる。
チタン酸ナトリウムビスマスとチタン酸カリウムビスマ
スとニッケル・チタン酸ビスマスとの組成比について好
ましい範囲およびより好ましい範囲を示す三角図であ
る。
マスとチタン酸カリウムビスマスとニッケル・チタン酸
ビスマスとの組成比を示す三角図である。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 チタン酸カリウムビスマスと、 ニッケル・チタン酸ビスマスとを含むことを特徴とする
圧電磁器。 - 【請求項2】 更に、チタン酸ナトリウムビスマスを含
むことを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。 - 【請求項3】 チタン酸カリウムビスマスと、 ニッケル・チタン酸ビスマスとを含む固溶体を含有する
ことを特徴とする圧電磁器。 - 【請求項4】 前記固溶体は、更に、チタン酸ナトリウ
ムビスマスを含むことを特徴とする請求項3記載の圧電
磁器。 - 【請求項5】 チタン酸カリウムビスマスとニッケル・
チタン酸ビスマスとのモル比による組成比は、チタン酸
カリウムビスマスが1未満0.775以上に対して、ニ
ッケル・チタン酸ビスマスが0よりも大きく0.225
以下の範囲内の値であることを特徴とする請求項1また
は請求項3に記載の圧電磁器。 - 【請求項6】 チタン酸ナトリウムビスマスと、チタン
酸カリウムビスマスと、ニッケル・チタン酸ビスマスと
のモル比による組成比は、それらを頂点とした三角図に
おいて、チタン酸ナトリウムビスマスをx、チタン酸カ
リウムビスマスをy、ニッケル・チタン酸ビスマスをz
とすると、数1に示したA、BおよびCの各点を結んだ
範囲内の値(z=0を除く)であることを特徴とする請
求項2または請求項4に記載の圧電磁器。 【数1】A(x,y,z)=(0.9 ,0.1 ,0)、 B(x,y,z)=(0,1,0)、 C(x,y,z)=(0,0.775 ,0.225 )
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