JP2001294482A - 圧電磁器 - Google Patents

圧電磁器

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JP2001294482A JP2000083281A JP2000083281A JP2001294482A JP 2001294482 A JP2001294482 A JP 2001294482A JP 2000083281 A JP2000083281 A JP 2000083281A JP 2000083281 A JP2000083281 A JP 2000083281A JP 2001294482 A JP2001294482 A JP 2001294482A
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正仁 古川
Kazutaka Suzuki
和孝 鈴木
Yoshiko Itsukida
佳子 五木田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電特性を向上させることができる圧電磁器
を提供する。 【解決手段】 [(Na0.5 Bi0.5 x y z (T
u v )O3 で表されペロブスカイト構造を有する酸
化物を含有している。MにはBa,Mg,Ca,Sr,
(K0.5 Bi0.5 )などが挙げられ、NにはZr,Hf
などが挙げられる。る。x,y,z,uおよびvはそれ
ぞれ0<x≦1,0≦y<1,x+y=1,0.9≦z
≦0.99,0<u≦1,0≦v<1,u+v=1の範
囲内の値である。このように、zの値を化学量論組成で
ある1よりも小さくすることにより焼結性および圧電特
性を向上させることができる。zのより好ましい範囲
は、0.93<z<0.99、更には0.95≦z≦
0.98、より更には0.96≦z≦0.97である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウム(N
a)およびビスマス(Bi)を含む第1の元素と、チタ
ン(Ti)を含む第2の元素と、酸素(O)とからなる
酸化物を含有する圧電磁器に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電材料は、外部から電界が印加される
ことにより歪みを発生する(電気エネルギーの機械エネ
ルギーへの変換)効果と、外部から応力を受けることに
より表面に電荷が発生する(機械エネルギーの電気エネ
ルギーへの変換)効果とを有するものであり、近年、各
種分野で幅広く利用されている。例えば、チタン酸ジル
コン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3 ;PZT)などの圧
電材料は、印加電圧に対して1×10-10 m/Vのオー
ダーでほぼ比例した歪みを発生することから、微少な位
置調整などに優れており、光学系の微調整などにも利用
されている。また、それとは逆に、圧電材料は加えられ
た応力あるいはそれによる自身の変形量に比例した大き
さの電荷が発生することから、微少な力や変形を読み取
るためのセンサーとしても利用されている。更に、圧電
材料は優れた応答性を有することから、交流電界を印加
することで、圧電材料自身あるいは圧電材料と接合関係
にある弾性体を励振して共振を起こさせることも可能で
あり、圧電トランス、超音波モータなどとしても利用さ
れている。
【0003】現在実用化されている圧電材料の大部分
は、PbZrO3 (PZ)−PbTiO3 (PT)から
なる固溶体系(PZT系)である。その理由は、三方晶
系のPZと正方晶(菱晶)系のPTの結晶学的な相境界
(M.P.B.)付近の組成を用いることで、優れた圧
電特性を得ることができるからである。このPZT系圧
電材料には、様々な副成分あるいは添加物を加えること
により、多種多様なニーズに応えるものが幅広く開発さ
れている。例えば、機械的品質係数(Qm)が小さいか
わりに圧電定数(d33)が大きく、直流的な使い方で大
きな変位量が求められる位置調整用のアクチュエータな
どに用いられるものから、圧電定数(d33)が小さいか
わりに機械的品質係数(Qm)が大きく、超音波モータ
などの超音波発生素子のような交流的な使い方をする用
途に向いているものまで様々なものがある。
【0004】また、PZT系以外にも圧電材料として実
用化されているものはあるが、それもマグネシウム酸ニ
オブ酸鉛(Pb(Mg,Nb)O3 ;PMN)などの鉛
系ペロブスカイト組成を主成分とする固溶体がほとんど
である。
【0005】ところが、これらの鉛系圧電材料は、主成
分として低温でも揮発性の極めて高い酸化鉛(PbO)
を60〜70質量%程度と多量に含んでいる。例えば、
PZTまたはPMNでは、質量比で約2/3が酸化鉛で
ある。よって、これらの圧電材料を製造する際には、磁
器であれば焼成工程、単結晶品であれば溶融工程などの
熱処理工程において、工業レベルで極めて多量の酸化鉛
が大気中に揮発し拡散してしまう。また、製造段階で放
出される酸化鉛については回収することも可能である
が、工業製品として市場に出された圧電製品に含有され
る酸化鉛については現状では回収が難しく、これらが広
く環境中に放出されると、酸性雨による鉛の溶出などが
心配される。従って、今後圧電磁器および単結晶の応用
分野が広がり、使用量が増大すると、無鉛化の問題が極
めて重要な課題となる。
【0006】鉛を全く含有しない圧電材料としては、例
えばチタン酸バリウム(BaTiO3 )あるいはビスマ
ス層状強誘電体などが知られている。しかし、チタン酸
バリウムはキュリー点が120℃と低く、その温度以上
では圧電性が消失してしまうので、はんだによる接合ま
たは車載用などの用途を考えると実用的でない。一方、
ビスマス層状強誘電体は、通常400℃以上のキュリー
点を有しており、熱的安定性に優れているが、結晶異方
性が大きいので、ホットフォージングなどで自発分極を
配向させる必要があり、生産性の点で問題がある。ま
た、完全に鉛の含有をなくすと、大きな圧電性を得るこ
とが難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、最近では、新
たな材料として、チタン酸ビスマスナトリウム系の材料
について研究が進められている(例えば、特開平11−
171643号公報,特開平11−180769号公
報,特開平4−60073号公報)。しかしながら、こ
のチタン酸ビスマスナトリウム系の材料では、未だ十分
といえる圧電特性が得られておらず、圧電特性の向上が
求められていた。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、ビスマスとナトリウムとチタンとを
含む酸化物を含有するものにおいて、圧電特性を向上さ
せることができる圧電磁器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による圧電磁器
は、ナトリウムおよびビスマスを含む第1の元素と、チ
タンを含む第2の元素と、酸素とからなる酸化物を含有
しており、第2の元素に対する第1の元素の組成比(第
1の元素/第2の元素)がモル比で0.9以上0.99
以下の範囲内のものである。
【0010】本発明による圧電磁器では、第2の元素に
対する第1の元素の組成比が化学量論組成よりも小さく
なっており、圧電特性の向上が図られる。
【0011】なお、第2の元素に対する第1の元素の組
成比は、モル比で0.93よりも大きく0.99よりも
小さい範囲内であることがより好ましく、第1の元素
は、更に、バリウム(Ba)およびカリウム(K)から
なる群のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0013】本発明の一実施の形態に係る圧電磁器は、
第1の元素と第2の元素と酸素とからなる酸化物を含有
している。この酸化物は、ペロブスカイト構造を有して
おり、第1の元素は、第2の元素とペロブスカイト構造
型の酸化物を形成する2価の元素、および合計で2価相
当となる2種以上の元素からなる群のうちの少なくとも
ナトリウムとビスマスとを含んでいる。第2の元素は、
チタンを含み、必要に応じてジルコニウム(Zr)およ
びハフニウム(Hf)からなる群のうちの少なくとも1
種を更に含んでいてもよい。この酸化物の組成は、例え
ば下記の化1で表される。
【0014】
【化1】 式中、Mは(Na0.5 Bi0.5 )以外の第1の元素を表
し、NはTi以外の第2の元素を表す。x,y,z,u
およびvはそれぞれ0<x≦1,0≦y<1,x+y=
1,0.9≦z≦0.99,0<u≦1,0≦v<1,
u+v=1の範囲内の値である。なお、丸かっこ内にお
けるナトリウムとビスマスとの組成および酸素の組成は
化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれ
ていてもよい。
【0015】すなわち、この酸化物は、第1の元素の組
成である「z」の値がモル比で0.9≦z≦0.99と
化学量論組成の1よりも小さいものである。つまり、こ
の酸化物では、ペロブスカイト構造のAサイトがBサイ
トに比べて少なくなっている。これにより、この圧電磁
器では、焼結性が向上すると共に、圧電特性が向上する
ようになっている。
【0016】なお、「z」の値を0.9以上とするの
は、それよりも小さいと逆に圧電特性が低下してしまう
からである。また、「z」の値を0.93<z<0.9
9、更には0.95≦z≦0.98、より更には0.9
6≦z≦0.97の範囲内とすればより圧電特性を向上
させることができるので好ましい。ちなみに、化1にお
ける「z」の値は、第2の元素の組成を1とした場合の
第1の元素の組成なので、第2の元素に対する第1の元
素のモル比による組成比(第1の元素/第2の元素)を
意味している。
【0017】ナトリウムおよびビスマス以外の第1の元
素、すなわち化1における「M」には、例えば、2価の
元素であればバリウム,マグネシウム(Mg),カルシ
ウム(Ca)あるいはストロンチウム(Sr)が挙げら
れ、合計で2価相当となる2種以上の元素であればカリ
ウムとビスマス(K0.5 Bi0.5 )が挙げられる。これ
らは、(Na0.5 Bi0.5 )TiO3 と固溶されること
で各種特性を向上させることができるものであり、目的
とする特性に応じて1種または2種以上が選択される。
例えば、圧電特性を向上させたい場合にはバリウムまた
はカリウムとビスマス(K0.5 Bi0.5 )が選択され
る。
【0018】第1の元素における各元素の組成、すなわ
ち化1における「x」および「y」の値は、添加される
元素Mに応じて最適値が決定される。同様に、第2の元
素における各元素の組成、すなわち化1における「u」
および「v」の値は、添加される元素Nに応じて最適値
が決定される。なお、「x」,「y」,「u」および
「v」の値が最適値であるか否かに関係なく、「z」の
値が上述したような範囲内にあれば、圧電特性は向上さ
れる。
【0019】なお、この圧電磁器の結晶粒の平均粒径は
例えば0.5μm〜20μmである。
【0020】このような構成を有する圧電磁器は、例え
ば、次のようにして製造することができる。
【0021】まず、出発原料として、例えば、ビスマ
ス,ナトリウム,チタンおよび必要に応じて元素M,N
を含む酸化物粉末をそれぞれ用意し、100℃以上で十
分に乾燥させたのち、最終組成が上述した範囲となるよ
うに秤量する。なお、原料粉末には酸化物でなく、炭酸
塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となる
ものを用いてもよい。
【0022】次いで、例えば、秤量した原料粉末をボー
ルミルなどにより有機溶媒中または水中で5時間〜20
時間十分に混合したのち、十分乾燥し、プレス成形し
て、750℃〜900℃で1時間〜3時間仮焼する。続
いて、例えば、この仮焼物をボールミルなどにより有機
溶媒中または水中で10時間〜30時間粉砕したのち、
再び乾燥し、バインダーを加えて造粒する。造粒のの
ち、例えば、この造粒粉を一軸プレス成型機あるいは静
水圧成型機(CIP)などを用い100MPa〜400
MPaの加重を加えてプレス成型しペレット状とする。
【0023】ペレット状としたのち、例えば、この成形
体を400℃〜800℃で2時間〜4時間熱処理してバ
インダーを揮発させ、950℃〜1300℃で2時間〜
4時間本焼成する。本焼成の際の昇温速度および降温速
度は、共に例えば50℃/時間〜300℃/時間程度と
する。本焼成ののち、得られた焼結体を必要に応じて研
磨し、電極を設ける。そののち、25℃〜100℃のシ
リコンオイル中で5MV/m〜10MV/mの電界を5
分間〜1時間程度印加して分極処理を行う。これによ
り、上述した圧電磁器が得られる。
【0024】このように本実施の形態によれば、第2の
元素に対する第1の元素の組成比をモル比で0.9以上
0.99以下の範囲内とするようにしたので、焼結性お
よび圧電特性を向上させることができ、鉛を含有しない
圧電磁器の利用の可能性を高めることができる。すなわ
ち、焼成時に鉛が揮発することがなく、圧電部品として
市場に流通し廃棄された後も環境中に鉛が放出される危
険もない低公害化、対環境性および生態学的見地から極
めて優れた圧電磁器の活用を図ることができる。
【0025】なお、第2の元素に対する第1の元素の組
成比をモル比で0.93よりも大きく0.99よりも小
さい範囲内、より好ましくは0.95以上0.98以下
の範囲内、更に好ましくは0.96以上0.97以下の
範囲内とするようにすれば、更に圧電特性を向上させる
ことができる。
【0026】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0027】(実施例1〜7)まず、出発原料として酸
化ビスマス(Bi2 3 )粉末、炭酸ナトリウム(Na
2 CO3 )粉末および酸化チタン(TiO2 )粉末を用
意し、100℃以上で十分に乾燥させたのち、それらを
秤量した。その際、第2の元素であるチタンと第1の元
素であるビスマスおよびナトリウムとのモル比は実施例
1〜7で変化させると共に、第1の元素におけるビスマ
スとナトリウムとのモル比は1:1となるように配合し
た。
【0028】次いで、秤量した原料粉末をボールミルに
よりジルコニアボールを用いてアセトン中で約15時間
混合したのち、十分乾燥し、プレス成形して、850℃
で約2時間仮焼した。続いて、この仮焼物をボールミル
によりアセトン中で約15時間粉砕したのち、再び乾燥
し、バインダーとしてポリビニールアルコール(PV
A)を加えて造粒した。そののち、この造粒粉を一軸プ
レス成型機で100MPaの加重を加えて仮成形し、更
に、CIPで400MPaの加重を加えて直径17m
m、厚さ1mmの円盤状ペレットに成形した。成形のの
ち、この成形体を600℃で約3時間熱処理してバイン
ダーを揮発させ、1200℃で2時間本焼成した。本焼
成の際の昇温速度および降温速度は共に200℃/時間
とした。
【0029】これにより、化2に示した組成の酸化物を
含有する実施例1〜7の焼結体を得た。得られた実施例
1〜7の焼結体について第2の元素に対する第1の元素
の組成比、すなわち化2に示したzの値を螢光X線分析
装置を用い検量線法により求めたところ、表1に示した
ように0.90〜0.99の範囲内であった。
【0030】
【化2】(Na0.5 Bi0.5 z TiO3
【0031】
【表1】
【0032】また、得られた実施例1〜7の焼成体を研
磨して厚さ0.4mmの平行平板状としたのち、その両
面に銀ペーストを650℃で焼き付け、電極を形成し
た。そののち、50℃のシリコンオイル中で10MV/
mの電界を15分間印加して分極処理を行った。これに
より、実施例1〜7の圧電磁器を得た。
【0033】得られた実施例1〜7の圧電磁器につい
て、インピーダンスアナライザー(ヒューレットパカー
ド社製HP4194A)とデスクトップコンピュータと
を用いた自動測定器で、共振反共振法により電気機械結
合係数(kr,kt)の測定を行った。なお、krは広
がり方向の結合係数であり、ktは縦方向の結合係数で
ある。それらの結果を表1に示す。
【0034】また、本実施例に対する比較例1〜3とし
て、化2に示したzの値が実施例1〜7よりも大きくま
たは小さくなるように原料粉末の配合比を変化させたこ
とを除き、他は本実施例と同一の条件で圧電磁器を作製
した。比較例1〜3についても、本実施例と同様にし
て、zの値を求めると共に、電気機械結合係数の測定を
行った。それらの結果についても表1に合わせて示す。
なお、比較例1,2は実施例1〜7よりもzの値が大き
い場合であり、比較例3は実施例1〜7よりもzの値が
小さい場合である。また、比較例1では良好な焼結体を
得ることができず、分極処理時に破壊してしまったの
で、電気機械結合係数の測定はできなかった。
【0035】表1に示したように、実施例1〜7によれ
ば、比較例2,3に比べて大きな電気機械結合係数を得
ることができ、また、比較例1と異なり良好な焼結体を
得ることもできた。すなわち、第2の元素に対する第1
の元素の組成比、つまり化2に示したzの値を0.9≦
z≦0.99とすれば、焼結性および圧電特性を向上で
きることが分かった。
【0036】また、実施例1〜7の結果から、zの値を
0.93<z<0.99、更には0.95≦z≦0.9
8、より更には0.96≦z≦0.97とすれば、より
圧電特性を向上できることも分かった。
【0037】(実施例8〜11)実施例8,9では出発
原料に炭酸バリウム(BaCO3 )粉末を用意し、化3
に示したように(Na0.5 Bi0.5 )の一部をBaで置
換するように原料粉末を配合したことを除き、実施例
1,3と同一の条件で圧電磁器を作製した。また、実施
例10,11では出発原料に炭酸カリウム(K2
3 )粉末を用意し、化4に示したように(Na0.5
0.5 )の一部を(K0.5 Bi0.5 )で置換するように
原料粉末を配合したことを除き、実施例1,3と同一の
条件で圧電磁器を作製した。すなわち、実施例8,9で
は化1に示したMをバリウムとし、実施例10,11で
はカリウムおよびビスマスとした。
【0038】
【化3】
【化4】
【0039】実施例8〜11についても、実施例1と同
様にして、第2の元素に対する第1の元素の組成比、す
なわち化3または化4に示したzの値を求めると共に、
電気機械結合係数の測定を行った。それらの結果を表2
または表3に示す。
【0040】
【表2】
【表3】
【0041】また、本実施例に対する比較例4,5とし
て、化3または化4に示したzの値が実施例8〜11よ
りも大きくなるように原料粉末の配合比を変化させたこ
とを除き、他は実施例8,9または実施例10,11と
同一の条件で圧電磁器を作製した。比較例4,5につい
ても、本実施例と同様にして、zの値を求めると共に、
電気機械結合係数の測定を行った。それらの結果につい
ても表2または表3に合わせて示す。
【0042】表2および表3に示したように、実施例8
〜11によれば、比較例4,5に比べて大きな電気機械
結合係数を得ることができ、実施例1〜7と同様の結果
を得られることが分かった。
【0043】なお、上記実施例ではいくつかの例を具体
的に挙げて説明したが、第2の元素に対する第1の元素
の組成比を0.90以上0.99以下の範囲内とするよ
うにすれば、他の圧電磁器についても上記実施例と同様
の結果を得ることができる。例えば、(Na0.5 Bi
0.5 )の一部をBaおよび(K0.5 Bi0.5 )で置換す
るようにしても、第1の元素における(Na0.5 Bi
0.5 )と他の元素との組成比を変化させても同様の結果
を得ることができる。また、第1の元素または第2の元
素として他の元素を添加するようにしても同様である。
【0044】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例
えば、上記実施の形態および実施例では、ナトリウムお
よびビスマス以外の他の第1の元素およびチタン以外の
他の第2の元素について具体的に例を挙げて説明した
が、本発明は、第1の元素または第2の元素として他の
元素を含む場合であっても同様に適用することができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項3のいずれか1に記載の圧電磁器によれば、第2の元
素に対する第1の元素の組成比をモル比で0.9以上
0.99以下の範囲内とするようにしたので、焼結性お
よび圧電特性を向上させることができ、鉛を含有しない
圧電磁器の利用の可能性を高めることができる。すなわ
ち、焼成時に鉛が揮発することがなく、圧電部品として
市場に流通し廃棄された後も環境中に鉛が放出される危
険もない低公害化、対環境性および生態学的見地から極
めて優れた圧電磁器の活用が容易となるという効果を奏
する。
【0046】特に、請求項2または請求項3記載の圧電
磁器によれば、第2の元素に対する第1の元素の組成比
をモル比で0.93よりも大きく0.99よりも小さい
範囲内とするようにしたので、更に圧電特性を向上させ
ることができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五木田 佳子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA03 AA04 AA07 AA08 AA09 AA10 AA16 AA17 AA18 AA43 BA10 CA01 GA14 4G031 AA01 AA03 AA04 AA05 AA06 AA11 AA35 BA10 GA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウム(Na)およびビスマス(B
    i)を含む第1の元素と、チタン(Ti)を含む第2の
    元素と、酸素(O)とからなる酸化物を含有しており、 第2の元素に対する前記第1の元素の組成比(第1の元
    素/第2の元素)は、モル比で0.9以上0.99以下
    の範囲内であることを特徴とする圧電磁器。
  2. 【請求項2】 第2の元素に対する前記第1の元素の組
    成比は、モル比で0.93よりも大きく0.99よりも
    小さい範囲内であることを特徴とする請求項1記載の圧
    電磁器。
  3. 【請求項3】 前記第1の元素は、更に、バリウム(B
    a)およびカリウム(K)からなる群のうちの少なくと
    も1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の圧電磁器。
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