JP4636222B2 - 圧電磁器 - Google Patents

圧電磁器 Download PDF

Info

Publication number
JP4636222B2
JP4636222B2 JP2003314199A JP2003314199A JP4636222B2 JP 4636222 B2 JP4636222 B2 JP 4636222B2 JP 2003314199 A JP2003314199 A JP 2003314199A JP 2003314199 A JP2003314199 A JP 2003314199A JP 4636222 B2 JP4636222 B2 JP 4636222B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
tio
molar ratio
ratio
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003314199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005082422A (ja
Inventor
正仁 古川
賢治 堀野
直義 佐藤
朋史 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2003314199A priority Critical patent/JP4636222B2/ja
Publication of JP2005082422A publication Critical patent/JP2005082422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4636222B2 publication Critical patent/JP4636222B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

本発明は、アクチュエータ、センサーまたはレゾネータなどの分野において広く利用される圧電磁器に関する。
圧電材料は、外部から電界が印加されることにより歪みを発生する(電気エネルギーの機械エネルギーへの変換)効果と、外部から応力を受けることにより表面に電荷が発生する(機械エネルギーの電気エネルギーへの変換)効果とを有するものであり、近年、各種分野で幅広く利用されている。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3 :PZT)などの圧電材料は、印加電圧に対して1×10-10 m/Vのオーダーでほぼ比例した歪みを発生することから、微少な位置調整などに優れており、光学系の微調整などにも利用されている。また、それとは逆に、圧電材料は加えられた応力あるいはそれによる自身の変形量に比例した大きさの電荷が発生することから、微少な力や変形を読み取るためのセンサーとしても利用されている。更に、圧電材料は優れた応答性を有することから、交流電界を印加することで、圧電材料自身あるいは圧電材料と接合関係にある弾性体を励振して共振を起こさせることも可能であり、圧電トランス、超音波モータなどとしても利用されている。
現在実用化されている圧電材料の大部分は、PbZrO3 (PZ)−PbTiO3 (PT)からなる固溶体系(PZT系)である。その理由は、菱面晶系のPZと正方晶系のPTの結晶学的な相境界(M.P.B.)付近の組成を用いることで、優れた圧電特性を得ることができるからである。このPZT系圧電材料には、様々な副成分あるいは添加物を加えることにより、多種多様なニーズに応えるものが幅広く開発されている。例えば、機械的品質係数(Qm)が小さいかわりに圧電定数(d)が大きく、直流的な使い方で大きな変位量が求められる位置調整用のアクチュエータなどに用いられるものから、圧電定数(d)が小さいかわりに機械的品質係数(Qm)が大きく、超音波モータなどの超音波発生素子のような交流的な使い方をする用途に向いているものまで様々なものがある。
また、PZT系以外にも圧電材料として実用化されているものはあるが、それもマグネシウム酸ニオブ酸鉛(Pb(Mg,Nb)O3 :PMN)などの鉛系ペロブスカイト組成を主成分とする固溶体がほとんどである。
ところが、これらの鉛系圧電材料は、主成分として低温でも揮発性の極めて高い酸化鉛(PbO)を60〜70質量%程度と多量に含んでいる。例えば、PZTまたはPMNでは、質量比で約2/3が酸化鉛である。よって、これらの圧電材料を製造する際には、磁器であれば焼成工程、単結晶品であれば溶融工程などの熱処理工程において、工業レベルで極めて多量の酸化鉛が大気中に揮発し拡散してしまう。また、製造段階で放出される酸化鉛については回収することも可能であるが、工業製品として市場に出された圧電製品に含有される酸化鉛については現状では回収が難しく、これらが広く環境中に放出されると、酸性雨による鉛の溶出などが心配される。従って、今後圧電磁器および単結晶の応用分野が広がり、使用量が増大すると、無鉛化の問題が極めて重要な課題となる。
鉛を全く含有しない圧電材料としては、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3 )あるいはビスマス層状強誘電体などが知られている。しかし、チタン酸バリウムはキュリー点が120℃と低く、その温度以上では圧電性が消失してしまうので、はんだによる接合または車載用などの用途を考えると実用的でない。一方、ビスマス層状強誘電体は、通常400℃以上のキュリー点を有しており、熱的安定性に優れているが、結晶異方性が大きいので、ホットフォージングなどで自発分極を配向させる必要があり、生産性の点で問題がある。また、完全に鉛の含有をなくすと、大きな圧電性を得ることが難しい。
更に、最近では、新たな材料として、チタン酸ナトリウムビスマス系の材料について研究が進められている。例えば、特許文献1および特許文献2には、チタン酸ナトリウムビスマスとチタン酸バリウムとを含む材料が開示されており、特許文献3にはチタン酸ナトリウムビスマスとチタン酸カリウムビスマスとを含む材料が開示されている。
特公平4−60073号公報 特開平11−180769号公報 特開平11−171643号公報
しかしながら、これらチタン酸ナトリウムビスマス系の材料では、鉛系圧電材料に比べると未だ十分といえる圧電特性が得られておらず、圧電特性の向上が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた圧電特性を示し、低公害化、対環境性および生態学的見地からも優れた圧電磁器を提供することにある。
本発明による第1の圧電磁器は、菱面晶系ペロブスカイト構造を有する第1の化合物と、正方晶系ペロブスカイト構造を有する第2の化合物と、ビスマス(Bi)と、マグネシウム(Mg)と、タンタル(Ta),ニオブ(Nb)およびアンチモン(Sb)からなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素と、酸素(O)とを含む第3の化合物とを含有し、第1の化合物が、(Na0.5Bi0.5S1TiOであり、第2の化合物が、(K0.5Bi0.5t1TiOおよびBat2TiOのうちの少なくとも一種であり、第3の化合物が、Bi(Mg2/31/3)Oであり、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物との組成比は、モル比で、xX+yY+zZに示した範囲内であり(式中、Xは第1の化合物、Yは第2の化合物、Zは第3の化合物、xは第1の化合物のモル比、yは第2の化合物のモル比、zは第3の化合物のモル比をそれぞれ表し、x,yおよびzは、x+y+z=1,0.7≦x≦0.99,0<y≦0.55,0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内の値であり、第2の化合物として(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO が選択された場合は、0.1≦y≦0.55である。)、(Na0.5Bi0.5S1TiO,(K0.5Bi0.5t1TiOおよびBat2TiOの組成比α1、β1、β2と、(Na0.5Bi0.5S1TiOにおけるチタン(Ti)に対するナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)s1、(K0.5Bi0.5t1TiOにおけるチタン(Ti)に対するカリウム(K)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)t1、並びにBat2TiOにおけるチタンに対するバリウム(Ba)の組成比(モル比)t2は、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0の関係を有する(式中、α1は(Na 0.5 Bi 0.5 S1 TiO のモル比、β1は(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO のモル比、β2はBa t2 TiO のモル比をそれぞれ表し、α1+β1+β2=1である。)ものである。
本発明による第2の圧電磁器は、菱面晶系ペロブスカイト構造を有する第1の化合物と、正方晶系ペロブスカイト構造を有する第2の化合物と、ビスマスと、マグネシウムと、タンタル,ニオブおよびアンチモンからなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素と、酸素とを含む第3の化合物とを含む固溶体を含有し、第1の化合物が、(Na0.5Bi0.5S1TiOであり、第2の化合物が、(K0.5Bi0.5t1TiOおよびBat2TiOのうちの少なくとも一種であり、第3の化合物が、Bi(Mg2/31/3)Oであり、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物との組成比は、モル比で、xX+yY+zZに示した範囲内であり(式中、Xは第1の化合物、Yは第2の化合物、Zは第3の化合物、xは第1の化合物のモル比、yは第2の化合物のモル比、zは第3の化合物のモル比をそれぞれ表し、x,yおよびzは、x+y+z=1,0.7≦x≦0.99,0<y≦0.55,0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内の値であり、第2の化合物として(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO が選択された場合は、0.1≦y≦0.55である。)、(Na0.5Bi0.5S1TiO、(K0.5Bi0.5t1TiOおよびBat2TiOの組成比α1、β1、β2と、(Na0.5Bi0.5S1TiOにおけるチタン(Ti)に対するナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)s1、(K0.5Bi0.5t1TiOにおけるチタン(Ti)に対するカリウム(K)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)t1、並びにBat2TiOにおけるチタンに対するバリウム(Ba)の組成比(モル比)t2は、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0の関係を有する(式中、α1は(Na 0.5 Bi 0.5 S1 TiO のモル比、β1は(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO のモル比、β2はBa t2 TiO のモル比をそれぞれ表し、α1+β1+β2=1である。)ものである。
本発明の第1ないし第の圧電磁器によれば、第1の化合物および第2の化合物に加えて、ビスマスと、マグネシウムと、タンタル,ニオブおよびアンチモンからなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素と、酸素とを含む第3の化合物を含有するように、あるいはこれらを含む固溶体を含有するようにしたので、変位量などの圧電特性を向上させることができる。よって、鉛を含有しないまたは鉛の含有量が少ない圧電磁器についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができる低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器の活用を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る圧電磁器は、菱面晶系(Rhombohedral)ペロブスカイト構造を有する第1の化合物と、正方晶系(Tetragonal)ペロブスカイト構造を有する第2の化合物とを含有しており、更に、ビスマスと、マグネシウムと、タンタル,ニオブおよびアンチモンからなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素と、酸素とを含む第3の化合物を含有している。または、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物とを含む固溶体を含有している。すなわち、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物とを含んでおり、それらは固溶していてもよく、完全に固溶していなくてもよい。
これにより、この圧電磁器では、少なくとも一部において結晶学的な相境界(M.P.B.)が形成され、圧電特性が向上するようになっている。具体的には、1成分系あるいは2成分系に比べて誘電率、電気機械結合係数あるいは変位量などの圧電特性が向上するようになっている。
第1の化合物としては、チタン酸ナトリウムビスマスが挙げられる。チタン酸ナトリウムビスマスの組成は(Na0.5Bi0.5s1TiOにより表され、ナトリウムおよびビスマスがペロブスカイト構造のAサイトに位置し、チタンがペロブスカイト構造のBサイトに位置している。
化学式中、s1はBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素のモル比による組成比(以下、A/B比という。)を表し、化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。但し、焼結性を高めることができると共により高い圧電特性を得ることができるので、0.9以上1.0以下の範囲内とする。
第2の化合物としては、チタン酸カリウムビスマスあるいはチタン酸バリウムが挙げられる。チタン酸カリウムビスマスの組成は(0.5Bi0.5t1TiOにより表され、カリウムおよびビスマスがペロブスカイト構造のAサイトに位置し、チタンがペロブスカイト構造のBサイトに位置している。
化学式中、t1はA/B比を表し、化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。但し、焼結性を高めることができると共により高い圧電特性を得ることができるので、0.9以上1.0以下の範囲内とする。
チタン酸バリウムの組成はBt2TiOにより表され、バリウムがペロブスカイト構造のAサイトに位置し、チタンがペロブスカイト構造のBサイトに位置している。
化学式中、t2はA/B比を表し、化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。但し、1以下であれば焼結性を高めることができると共により高い圧電特性を得ることができるので好ましく、0.9以上1.0以下の範囲内であれば更に高い圧電特性を得ることができるのでより好ましい。酸素の組成は化学量論組成から求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
第3の化合物は、例えば、第1の化合物あるいは第2の化合物、またはその両方に固溶する形で存在し、その組成はB(Mg2/31/3)Oにより表される。
化学式中、Mはタンタル,ニオブおよびアンチモンからなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素を表す。uは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。マグネシウムと五価金属元素Mとの組成、および酸素の組成は化学量論組成から求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
これら第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物との組成比は、モル比で、xX+yY+zZに示した範囲内であることが好ましい。この範囲外では、菱面晶系ペロブスカイト構造を有する第1の化合物と正方晶系ペロブスカイト構造を有する第2の化合物との結晶学的な相境界(M.P.B.)から遠ざかり、圧電特性が低下してしまうからである。また、第3の化合物の含有量が多くなり過ぎても、圧電特性が低下してしまうからである。なお、ここで言う組成比というのは、固溶しているものも固溶していないものも含めた圧電磁器全体における値である。
式中、Xは第1の化合物、Yは第2の化合物、Zは第3の化合物、xは第1の化合物のモル比、yは第2の化合物のモル比、zは第3の化合物のモル比をそれぞれ表し、x,yおよびzは、x+y+z=1,0.7≦x≦0.99,0<y≦0.55(ただし第2化合物として(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO が選択された場合は、0.1≦y≦0.55),0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内の値である。
式中、より好ましいyの値は0<y≦0.49、更には0<y≦0.29である。より好ましいzの値は0.01≦z≦0.1であり、更には0.01≦z≦0.05である。
また、第1の化合物および第2の化合物の組成比と、これら化合物のA/B比とは、0.9≦αs+βt≦1.0に示した関係を有することが好ましい。すでに説明したように、この範囲内において高い焼結性および優れた圧電特性を得ることができるからである。
式中、αは第1の化合物のモル比、βは第2の化合物のモル比をそれぞれ表し、α+β=1である。また、sは第1の化合物におけるA/B比、tは第2の化合物におけるA/B比をそれぞれ表し、第1の化合物または第2の化合物が複数種の化合物からなる場合には、第1の化合物または第2の化合物においてそれらを合わせた値である。
特に、第1の化合物としてチタン酸ナトリウムビスマスを含み、第2の化合物としてチタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムのうちの少なくとも1種を含む場合には、これらの化合物の組成比とA/B比との間に、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0に示した関係が存在することが好ましい。
式中、α1はチタン酸ナトリウムビスマスのモル比、β1はチタン酸カリウムビスマスのモル比、β2はチタン酸バリウムのモル比をそれぞれ表し、α1+β1+β2=1である。また、s1はチタン酸ナトリウムビスマスのA/B比、すなわちチタン酸ナトリウムビスマスにおけるチタンに対するナトリウムとビスマスとの合計のモル比による組成比、t1はチタン酸カリウムビスマスのA/B比、すなわちチタン酸カリウムビスマスにおけるチタンに対するカリウムとビスマスとの合計のモル比による組成比、t2はチタン酸バリウムのA/B比、すなわちチタン酸バリウムにおけるチタンに対するバリウムのモル比による組成比をそれぞれ表す。)
なお、この圧電磁器は鉛を含んでいてもよいが、その含有量は1質量%以下であることが好ましく、鉛を全く含んでいなければより好ましい。焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができ、低公害化、対環境性および生態学的見地から好ましいからである。また、この圧電磁器の結晶粒の平均粒径は例えば0.5μm〜20μmである。
このような構成を有する圧電磁器は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、出発原料として、酸化ビスマス(Bi2 O3 ),炭酸ナトリウム(Na2 CO3),炭酸カリウム(K2 CO3 ),炭酸バリウム(BaCO3 ),酸化チタン(TiO2 ),塩基性炭酸マグネシウム(4MgCO3・Mg(OH)2・4HO),酸化タンタル(Ta2 O5 )および酸化ニオブ(Nb2 O5)などの粉末を必要に応じて用意し、100℃以上で十分に乾燥させたのち、目的とする組成に応じて秤量する。なお、出発原料には、酸化物に代えて炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となるものを用いてもよく、炭酸塩に代えて酸化物あるいは焼成により酸化物となる他のものを用いてもよい。
次いで、例えば、秤量した出発原料をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で5時間〜20時間十分に混合したのち、十分乾燥し、プレス成形して、750℃〜900℃で1時間〜3時間程度仮焼する。続いて、例えば、この仮焼物をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で5時間〜30時間粉砕したのち、再び乾燥し、バインダー溶液を加えて造粒する。造粒したのち、例えば、この造粒粉をプレス成形してブロック状とする。
ブロック状としたのち、例えば、この成形体を400℃〜800℃で2時間〜4時間程度熱処理してバインダーを揮発させ、950℃〜1300℃で2時間〜4時間程度本焼成する。本焼成の際の昇温速度および降温速度は、共に例えば50℃/時間〜300℃/時間程度とする。本焼成ののち、得られた焼結体を必要に応じて研磨し、電極を設ける。そののち、25℃〜150℃のシリコンオイル中で5MV/m〜10MV/mの電界を5分間〜1時間程度印加して分極処理を行う。これにより、上述した圧電磁器が得られる。
このように本実施の形態によれば、菱面晶系ペロブスカイト構造を有する第1の化合物および正方晶系ペロブスカイト構造を有する第2の化合物に加えて、ビスマスと、マグネシウムと、タンタル,ニオブおよびアンチモンからなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素と、酸素とを含む第3の化合物を含有するように、またはこれらを含む固溶体を含有するようにしたので、誘電率、電気機械結合係数あるいは変位量などの圧電特性を向上させることができる。
よって、鉛を含有しないまたは鉛の含有量が少ない圧電磁器についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができる低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器の活用を図ることができる。
特に、xX+yY+zZに示したように、第1の化合物と第2の化合物と第3の化合物との組成比x,yおよびzを、モル比でx+y+z=1,0.35≦x≦0.99,0<y≦0.55,0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内の値とするようにすれば、より圧電特性を向上させることができる。
xが0.35より少ない場合および0.99を越えた場合は、第1の化合物と第2の化合物で形成される結晶学的な相境界(M.P.B.)から遠ざかることで、誘電率と圧電特性が低下する。第2の化合物を含まない場合は、結晶学的な相境界(M.P.B.)が形成されないため圧電特性が低く、0.55を越えると、結晶学的な相境界(M.P.B.)から遠ざかることで誘電率、圧電特性が低下する。さらに、第3の化合物が第1の成分または第2の成分に固溶することによって、圧電特性が向上すると考えられるため、第3の化合物が0.1を越えると固溶できなくなり異相を形成し、その量が増えることにより圧電特性が低下する。
また、xを0.7≦x≦0.99の範囲内、yを0<y≦0.49、更には0<y≦0.29の範囲内、zを0.01≦z≦0.1、更には0.01≦z≦0.05の範囲内とすれば、更に圧電特性を向上させることができる。
更に、第1の化合物および第2の化合物の組成比α,βと、これら化合物のA/B比s,tとが、α+β=1、0.9≦αs+βt≦1.0の関係を有するようにすれば、または、チタン酸ナトリウムビスマス,チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムの組成比α1,β1,β2と、これらのA/B比s1,t1,t2とが、α1+β1+β2=1、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0の関係を有するようにすれば、より圧電特性を向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
第1実施例
まず、第1の化合物であるチタン酸ナトリウムビスマス、第2の化合物であるチタン酸カリウムビスマス、および第3の化合物であるマグネシウム・タンタル酸ビスマスの出発原料として、酸化ビスマス粉末、炭酸ナトリウム粉末、炭酸カリウム粉末、酸化チタン粉末、塩基性炭酸マグネシウム粉末および酸化タンタル粉末を用意し、100℃以上で十分に乾燥させたのち、それらを秤量した。出発原料の配合比は、焼成後に、x(Na0.5Bi0.50.99TiO+y(K0.5Bi0.50.99TiO+zBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3および表1に示したモル比の組成となるように試料No.1−1〜1−24で変化させた。表1において、NBTは(Na0.5 Bi0.5 )0.99TiO3を表し、KBTは(K0.5 Bi0.5 )0.99TiO3を表し、BMTはBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3を表している。
Figure 0004636222
次いで、秤量した出発原料をボールミルにより水中で約16時間混合したのち、十分乾燥し、プレス成形して、850℃で約2時間仮焼した。続いて、この仮焼物をボールミルにより水中で約16時間粉砕したのち、再び乾燥し、バインダーとしてポリビニールアルコール(PVA)水溶液を加えて造粒した。そののち、この造粒粉を直径17mm、厚さ1.5mmの円板状ペレットに成形し、700℃で2時間の熱処理を行ってバインダーを揮発させ、1100℃〜1300℃で2〜4時間の本焼成を行った。焼成条件は、昇温、降温共に200℃/時間とした。次いで、得られた焼成体を厚さ約0.4mm〜0.6mmの平行平板状に研磨したのち、銀ペーストを600℃〜700℃で焼き付け、電極とした。そののち、50℃〜150℃のシリコンオイル中で10MV/mの電界を15分間印加して分極処理を行った。これにより、試料No.1−1〜1−24の圧電磁器を得た。
得られた試料No.1−1〜1−24の圧電磁器について、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。その際、比誘電率εdの測定はLCRメータ(ヒューレットパカード社製HP4284A)により行い、電気機械結合係数krの測定はインピーダンスアナライザー(ヒューレットパカード社製HP4194A)とデスクトップコンピュータを用いた自動測定器により共振反共振法で行った。変位量の測定は、渦電流式の非接触変位計、アンプ、発振器、マルチメータなどをデスクトップコンピュータで制御し、シリコンオイル中で電圧を印加して行った。それらの結果を表1および図1に示す。なお、図1は第1の化合物であるチタン酸ナトリウムビスマスの組成比xと変位量との関係を、第3の化合物であるマグネシウム・タンタル酸ビスマスの組成比z別に表したものである。
また、本実施例に対する比較例1−1〜1−15として、焼成後にx(Na0.5Bi0.50.99TiO+y(K0.5Bi0.50.99TiO+zBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3および表1に示したモル比による組成となるように出発原料の配合比を変化させたことを除き、他は本実施例と同一の条件で圧電磁器を作製した。比較例1−1〜1−15についても、本実施例と同様にして、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果も表1および図1に示す。
なお、比較例1−1は第1の化合物のみ、比較例1−2〜1−6は第1の化合物および第2の化合物のみ、比較例1−7は第2の化合物のみ、比較例1−8,1−10,1−12,1−14は第1の化合物および第3の化合物のみ、比較例1−9,1−11,1−13,1−15は第2の化合物および第3の化合物のみを含むように構成した場合である。このうち比較例1−1,1−7は試料No.1−1〜1−24全体に対する比較例、比較例1−2は試料No.1−2,1−8,1−14に対する比較例、比較例1−3は試料No.1−3,1−9,1−15,1−20に対する比較例、比較例1−4は試料No.1−4,1−10,1−16,1−21に対する比較例、比較例1−5は試料No.1−5,1−11,1−17,1−22に対する比較例、比較例1−6は試料No.1−6,1−7,1−12,1−13,1−18,1−19,1−23,1−24に対する比較例、比較例1−8,1−9は試料No.1−1〜1−7に対する比較例、比較例1−10,1−11は試料No.1−8〜1−13に対する比較例、比較例1−12,1−13は試料No.1−14〜1−19に対する比較例、比較例1−14,1−15は試料No.1−20〜1−24に対する比較例に該当している。
表1および図1に示したように、本実施例によれば、比較例に比べて比誘電率εd、電気機械結合係数krあるいは変位量について大きな値が得られた。すなわち、第1の化合物であるチタン酸ナトリウムビスマスと、第2の化合物であるチタン酸カリウムビスマスと、第3の化合物であるマグネシウム・タンタル酸ビスマスとを含むように、あるいはそれらの固溶体を含むようにすれば、変位量などの圧電特性を向上させることができることが分かった。
また、試料No.1−1〜1−24の結果から、第1の化合物の組成比x、第2の化合物の組成比y、または第3の化合物の組成比zを大きくすると、いずれについても変位量は大きくなり極大値を示したのち小さくなる傾向が見られた。すなわち、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物との組成比x,yおよびzを、モル比で、x+y+z=1,0.7≦x≦0.99,1.0≦y≦0.55,0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内とすれば、圧電特性をより向上させることができることが分かった。
特に、第2の化合物の組成比yを1.0≦y≦0.49、更には1.0≦y≦0.29の範囲内、または第3の化合物の組成比zを0.01≦z≦0.1、更には0.01≦z≦0.05の範囲内とすれば、更に圧電特性を向上させることができることが分かった。
第2実施例
第2実施例では、焼成後に、x(Na0.5Bi0.50.99TiO+y(K0.5Bi0.50.99TiO+zBi(Mg2/3 M1/3 )O3および表2に示したモル比の組成となるように、第3の化合物における五価金属元素Mをニオブあるいはアンチモンに変え、その原料として酸化ニオブ粉末あるいは酸化アンチモン粉末を用いたことを除き、他は実施例1−3,1−9と同様にして圧電磁器を作製した。表2において、NBTは(Na0.5 Bi0.5 )0.99TiO3を表し、KBTは(K0.5 Bi0.5 )0.99TiO3を表し、BMMはBi(Mg2/3 M1/3 )O3を表している。実施例2−1〜2−4についても、実施例1−3,1−9と同様にして、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果を試料No.1−3,1−9および比較例1−3の結果と共に表2に示す。
Figure 0004636222
表2に示したように、試料No.2−1〜2−4によれば、試料No.1−3,1−9と同様に、比較例1−3に比べて電気機械結合係数krおよび変位量について大きな値が得られた。すなわち、第3の化合物として、マグネシウム・ニオブ酸ビスマスあるいはマグネシウム・アンチモン酸ビスマスを含むようにしても、変位量などの圧電特性を向上させることができることが分かった。
第3実施例
第3実施例では、焼成後に、0.8(Na0.5Bi0.5s1TiO+0.19(K0.5Bi0.5t1TiO+0.01Bi(Mg2/3 Ta1/3 )O3および表3に示したモル比の組成となるように、第1の化合物であるチタン酸ナトリウムビスマスのA/B比s1、および第2の化合物であるチタン酸カリウムビスマスのA/B比t1を変えたことを除き、他は表1の試料No.1−3と同様にして圧電磁器を作製した。表3において、NBTは(Na0.5 Bi0.5 )s1TiO3を表し、KBTは(K0.5 Bi0.5 )t1TiO3を表し、BMTはBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3を表している。s1とt1との値は、各実施例において同一である。また、本実施例では、第1の化合物および第2の化合物をそれぞれ1種類の化合物により構成するようにしたので、チタン酸ナトリウムビスマスのA/B比s1はそのまま第1の化合物のA/B比sを意味し、チタン酸カリウムビスマスのA/B比t1はそのまま第2の化合物のA/B比tを意味している。よって、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0に示した第1の化合物および第2の化合物の組成比α,βと、これら化合物のA/B比s,tとの関係は、s1およびt1と同一となる。
Figure 0004636222
試料No.3−1〜3−についても、試料No.1−3同様にして、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果を実施例1−3の結果と共に表3に示す
表3に示したように、A/B比s1,t1の値が小さくなるに従って変位量は大きくなり、極大値を示したのち小さくなる傾向が見られた。特に、A/B比s1,t1の値を1.00以下0.90以上の範囲内とすれば、良好な変位量を得られることが分かった。これはA/B比s1,t1の値が1.0を超えると焼結性が悪くなり、密度が向上せず、分極時に高い電圧が印加できなかったためと考えられる。また、A/B比s1,t1の値が0.9よりも小さい場合には、Bサイト成分であるチタンが多量に余り、異相が生じてしまい、圧電特性が低下してしまったためと考えられる。すなわち、第1の化合物および第2の化合物の組成比α,βと、これらの化合物のA/B比s,tとが、α+β=1、0.9≦αs+βt≦1.0の関係を有するようにすれば、変位量などの圧電特性をより向上させることができることが分かった。
第4実施例
第4実施例では、焼成後に、x(Na0.5Bi0.50.99TiO+yBaTiO+zBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3および表4に示したモル比の組成となるように、第2の化合物をチタン酸バリウムに変え、その原料として炭酸バリウム粉末を用いたことを除き、他は第1実施例と同様にして圧電磁器を作製した。表4において、NBTは(Na0.5 Bi0.5 )0.99TiO3を表し、BTはBaTiO3を表し、BMTはBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3を表している。また、本実施例に対する比較例18として、x(Na0.5Bi0.50.99TiO+yBaTiO+zBi(Mg2/3 Ta1/3 )O3および表4に示したように、第1の化合物および第2の化合物のみを含むように組成を調整したことを除き、他は試料No.4−1〜4−4と同様にして圧電磁器を作製した。試料No.4−1〜4−4および比較例についても、第1実施例と同様にして、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果を表4に示す。
Figure 0004636222
表4に示すように、本実施例においても、比較例に比べて電気機械結合係数krおよび変位量について大きな値が得られた。すなわち、第2の化合物として、チタン酸バリウムを含むようにしても、変位量などの圧電特性を向上させることができることが分かった。
なお、上記実施例では、第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物の組成についていくつかの例を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態において説明したように、他の組成を有するように構成しても、同様の結果を得ることができる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物を含む場合についてのみ説明したが、これらに加えて他の化合物を含んでいてもよい。
また、本発明は、第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物を構成する元素以外の元素を、不純物または他の化合物の構成元素として含んでいてもよい。そのような元素としては、例えば、ストロンチウム(Sr),カルシウム(Ca),リチウム(Li),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(Hf),ケイ素(Si),ホウ素(B),アルミニウム(Al)および希土類元素が挙げられる。
更に、上記実施の形態では、チタン酸ナトリウムビスマス,チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムの結晶構造についても説明したが、上述した組成を有する酸化物を含んでいれば、またはこれらを含む固溶体を含有していれば、これらの結晶構造について論じるまでもなく、本発明に含まれる。
アクチュエータ、センサーまたはレゾネータなどの分野において広く利用することができる。


Claims (3)

  1. 菱面晶系ペロブスカイト構造を有する第1の化合物と、
    正方晶系ペロブスカイト構造を有する第2の化合物と、
    ビスマス(Bi)と、マグネシウム(Mg)と、タンタル(Ta),ニオブ(Nb)およびアンチモン(Sb)からなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素Mと、酸素(O)とを含む第3の化合物とを含有し、
    前記第1の化合物が、(Na0.5Bi0.5S1TiOであり、
    前記第2の化合物が、(K0.5Bi0.5t1TiOおよびBat2TiOのうちの少なくとも一種であり、
    前記第3の化合物が、Bi(Mg2/31/3)Oであり、
    前記第1の化合物と、前記第2の化合物と、前記第3の化合物との組成比は、モル比で、xX+yY+zZに示した範囲内であり(式中、Xは第1の化合物、Yは第2の化合物、Zは第3の化合物、xは第1の化合物のモル比、yは第2の化合物のモル比、zは第3の化合物のモル比をそれぞれ表し、x,yおよびzは、x+y+z=1,0.7≦x≦0.99,0<y≦0.55,0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内の値であり、前記第2の化合物として前記(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO が選択された場合は、0.1≦y≦0.55である。)、
    前記(Na0.5Bi0.5S1TiO,前記(K0.5Bi0.5t1TiOおよび前記Bat2TiOの組成比α1、β1、β2と、前記(Na0.5Bi0.5S1TiOにおけるチタン(Ti)に対するナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)s1、前記(K0.5Bi0.5t1TiOにおけるチタン(Ti)に対するカリウム(K)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)t1、並びに前記Bat2TiOにおけるチタンに対するバリウム(Ba)の組成比(モル比)t2は、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0の関係を有する(式中、α1は(Na 0.5 Bi 0.5 S1 TiO のモル比、β1は(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO のモル比、β2はBa t2 TiO のモル比をそれぞれ表し、α1+β1+β2=1である。)ことを特徴とする圧電磁器。
  2. 菱面晶系ペロブスカイト構造を有する第1の化合物と、
    正方晶系ペロブスカイト構造を有する第2の化合物と、
    ビスマス(Bi)と、マグネシウム(Mg)と、タンタル(Ta),ニオブ(Nb)およびアンチモン(Sb)からなる群のうちの少なくとも1種の五価金属元素と、酸素(O)とを含む第3の化合物とを含む固溶体を含有し、
    前記第1の化合物が、(Na0.5Bi0.5S1TiOであり、
    前記第2の化合物が、(K0.5Bi0.5t1TiOおよびBat2TiOのうちの少なくとも一種であり、
    前記第3の化合物が、Bi(Mg2/31/3)Oであり、
    前記第1の化合物と、前記第2の化合物と、前記第3の化合物との組成比は、モル比で、xX+yY+zZに示した範囲内であり(式中、Xは第1の化合物、Yは第2の化合物、Zは第3の化合物、xは第1の化合物のモル比、yは第2の化合物のモル比、zは第3の化合物のモル比をそれぞれ表し、x,yおよびzは、x+y+z=1,0.35≦x≦0.99,0<y≦0.55,0<z≦0.1をそれぞれ満たす範囲内の値であり、前記第2の化合物として前記(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO が選択された場合は、0.1≦y≦0.55である。)、
    前記(Na0.5Bi0.5S1TiO,前記(K0.5Bi0.5t1TiOおよび前記Bat2TiOの組成比α1、β1、β2と、前記(Na0.5Bi0.5S1TiOにおけるチタン(Ti)に対するナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)s1、前記(K0.5Bi0.5t1TiOにおけるチタン(Ti)に対するカリウム(K)およびビスマス(Bi)の組成比(モル比)t1、並びに前記Bat2TiOにおけるチタンに対するバリウム(Ba)の組成比(モル比)t2は、0.9≦α1s1+β1t1+β2t2≦1.0の関係を有する(式中、α1は(Na 0.5 Bi 0.5 S1 TiO のモル比、β1は(K 0.5 Bi 0.5 t1 TiO のモル比、β2はBa t2 TiO のモル比をそれぞれ表し、α1+β1+β2=1である。)ことを特徴とする圧電磁器。
  3. 鉛(Pb)の含有量が1質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電磁器。
JP2003314199A 2003-09-05 2003-09-05 圧電磁器 Expired - Lifetime JP4636222B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003314199A JP4636222B2 (ja) 2003-09-05 2003-09-05 圧電磁器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003314199A JP4636222B2 (ja) 2003-09-05 2003-09-05 圧電磁器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005082422A JP2005082422A (ja) 2005-03-31
JP4636222B2 true JP4636222B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=34414894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003314199A Expired - Lifetime JP4636222B2 (ja) 2003-09-05 2003-09-05 圧電磁器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4636222B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7525239B2 (en) * 2006-09-15 2009-04-28 Canon Kabushiki Kaisha Piezoelectric element, and liquid jet head and ultrasonic motor using the piezoelectric element
JP5538670B2 (ja) * 2006-09-15 2014-07-02 キヤノン株式会社 圧電体素子、これを用いた液体吐出ヘッド及び超音波モーター
DK2726438T3 (da) * 2011-07-01 2018-09-03 Ceram Gmbh Fremgangsmåde til fremstilling af et piezokeramisk blyfrit materiale
JP5761540B2 (ja) * 2013-06-28 2015-08-12 セイコーエプソン株式会社 圧電材料、圧電素子、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、超音波センサー、圧電モーター及び発電装置
KR101635991B1 (ko) * 2014-09-25 2016-07-04 한국세라믹기술원 란타늄을 포함하는 Bi계 무연 압전 세라믹스 및 이를 포함하는 액츄에이터
JP6375955B2 (ja) * 2015-01-08 2018-08-22 Tdk株式会社 圧電組成物および圧電素子
CN114242454B (zh) * 2021-11-09 2023-12-29 北京工业大学 一种钛酸铋钠基四元系高温稳定的高介无铅陶瓷电容器介质材料及制备
CN114276128B (zh) * 2021-12-13 2022-11-11 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种降低铁酸铋-钛酸钡压电陶瓷漏电流以及提高其高温电阻率的方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160333A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックス
JP2000272962A (ja) * 1999-03-24 2000-10-03 Tokin Corp 圧電体磁器組成物
JP2001151566A (ja) * 1999-11-19 2001-06-05 Ngk Spark Plug Co Ltd 圧電体セラミックス
JP2002220280A (ja) * 2000-11-21 2002-08-09 Tdk Corp 圧電磁器
JP2002321976A (ja) * 2001-02-22 2002-11-08 Tdk Corp 圧電磁器
JP2002348173A (ja) * 2001-05-29 2002-12-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 圧電セラミック材料とその製造方法
JP2003201171A (ja) * 2001-12-28 2003-07-15 Nec Tokin Corp 圧電磁器組成物
JP2004035350A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Nec Tokin Corp 圧電磁器組成物
JP2005047747A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Tdk Corp 圧電磁器

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160333A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックス
JP2000272962A (ja) * 1999-03-24 2000-10-03 Tokin Corp 圧電体磁器組成物
JP2001151566A (ja) * 1999-11-19 2001-06-05 Ngk Spark Plug Co Ltd 圧電体セラミックス
JP2002220280A (ja) * 2000-11-21 2002-08-09 Tdk Corp 圧電磁器
JP2002321976A (ja) * 2001-02-22 2002-11-08 Tdk Corp 圧電磁器
JP2002348173A (ja) * 2001-05-29 2002-12-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 圧電セラミック材料とその製造方法
JP2003201171A (ja) * 2001-12-28 2003-07-15 Nec Tokin Corp 圧電磁器組成物
JP2004035350A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Nec Tokin Corp 圧電磁器組成物
JP2005047747A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Tdk Corp 圧電磁器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005082422A (ja) 2005-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4973931B2 (ja) 圧電磁器組成物
JP4849338B2 (ja) 圧電磁器組成物
EP1340731B1 (en) Piezoelectric ceramic
JP4674405B2 (ja) 圧電磁器
JP4067298B2 (ja) 圧電磁器
JP4513948B2 (ja) 圧電磁器およびその製造方法
JPH09100156A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2005047745A (ja) 圧電磁器
JP4387135B2 (ja) 圧電磁器
JP4001362B2 (ja) 圧電磁器およびその製造方法
JP4636222B2 (ja) 圧電磁器
JP4529301B2 (ja) 圧電磁器
JP2005179144A (ja) 圧電磁器およびその製造方法
JP4383120B2 (ja) 圧電磁器
JP4779243B2 (ja) 圧電磁器
JP4070967B2 (ja) 圧電磁器
JP2000128632A (ja) 圧電セラミックス
JP4569062B2 (ja) 圧電磁器
JP4387134B2 (ja) 圧電磁器
JP2001294482A (ja) 圧電磁器
JPH10324569A (ja) 圧電体磁器組成物
JP4877672B2 (ja) 圧電組成物
JP2003026474A (ja) 圧電セラミックス
JP2005041753A (ja) 圧電磁器
JP3830345B2 (ja) 圧電磁器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060609

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101027

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4636222

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term