JP4779243B2 - 圧電磁器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータ、センサーまたはレゾネータなどの分野において広く利用される圧電磁器に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電材料は、外部から電界が印加されることにより歪みを発生する(電気エネルギーの機械エネルギーへの変換)効果と、外部から応力を受けることにより表面に電荷が発生する(機械エネルギーの電気エネルギーへの変換)効果とを有するものであり、近年、各種分野で幅広く利用されている。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3 ;PZT)などの圧電材料は、印加電圧に対して1×10-10 m/Vのオーダーでほぼ比例した歪みを発生することから、微少な位置調整などに優れており、光学系の微調整などにも利用されている。また、それとは逆に、圧電材料は加えられた応力あるいはそれによる自身の変形量に比例した大きさの電荷が発生することから、微少な力や変形を読み取るためのセンサーとしても利用されている。更に、圧電材料は優れた応答性を有することから、交流電界を印加することで、圧電材料自身あるいは圧電材料と接合関係にある弾性体を励振して共振を起こさせることも可能であり、圧電トランス、超音波モータなどとしても利用されている。
【0003】
現在実用化されている圧電材料の大部分は、PbZrO3 (PZ)−PbTiO3 (PT)からなる固溶体系(PZT系)である。その理由は、菱面晶系のPZと正方晶系のPTの結晶学的な相境界(M.P.B.)付近の組成を用いることで、優れた圧電特性を得ることができるからである。このPZT系圧電材料には、様々な副成分あるいは添加物を加えることにより、多種多様なニーズに応えるものが幅広く開発されている。例えば、機械的品質係数(Qm)が小さいかわりに圧電定数(d33)が大きく、直流的な使い方で大きな変位量が求められる位置調整用のアクチュエータなどに用いられるものから、圧電定数(d33)が小さいかわりに機械的品質係数(Qm)が大きく、超音波モータなどの超音波発生素子のような交流的な使い方をする用途に向いているものまで様々なものがある。
【0004】
また、PZT系以外にも圧電材料として実用化されているものはあるが、それもマグネシウム酸ニオブ酸鉛(Pb(Mg,Nb)O3 ;PMN)などの鉛系ペロブスカイト組成を主成分とする固溶体がほとんどである。
【0005】
ところが、これらの鉛系圧電材料は、主成分として低温でも揮発性の極めて高い酸化鉛(PbO)を60〜70質量%程度と多量に含んでいる。例えば、PZTまたはPMNでは、質量比で約2/3が酸化鉛である。よって、これらの圧電材料を製造する際には、磁器であれば焼成工程、単結晶品であれば溶融工程などの熱処理工程において、工業レベルで極めて多量の酸化鉛が大気中に揮発し拡散してしまう。また、製造段階で放出される酸化鉛については回収することも可能であるが、工業製品として市場に出された圧電製品に含有される酸化鉛については現状では回収が難しく、これらが広く環境中に放出されると、酸性雨による鉛の溶出などが心配される。従って、今後圧電磁器および単結晶の応用分野が広がり、使用量が増大すると、無鉛化の問題が極めて重要な課題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
鉛を全く含有しない圧電材料としては、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3 )あるいはビスマス層状強誘電体などが知られている。しかし、チタン酸バリウムはキュリー点が120℃と低く、その温度以上では圧電性が消失してしまうので、はんだによる接合または車載用などの用途を考えると実用的でない。一方、ビスマス層状強誘電体は、通常400℃以上のキュリー点を有しており、熱的安定性に優れているが、結晶異方性が大きいので、ホットフォージングなどで自発分極を配向させる必要があり、生産性の点で問題がある。また、完全に鉛の含有をなくすと、大きな圧電性を得ることが難しい。
【0007】
更に、最近では、新たな材料として、チタン酸ビスマスナトリウム系の材料について研究が進められている。例えば、特公平4−60073号公報,特開平11−180769号公報には、チタン酸ビスマスナトリウムとチタン酸バリウムとを含む材料が開示されており、特開平11−171643号公報にはチタン酸ビスマスナトリウムとチタン酸ビスマスカリウムとを含む材料が開示されている。しかし、このチタン酸ビスマスナトリウム系の材料では、鉛系圧電材料に比べると未だ十分といえる圧電特性が得られておらず、圧電特性の向上が求められていた。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた圧電特性を示し、低公害化、対環境性および生態学的見地からも優れた圧電磁器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧電磁器は、チタン酸ナトリウムビスマスからなる菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムのうちの少なくとも1種からなる正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、ニオブ酸銀からなる単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含み、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、単斜晶系ペロブスカイト構造化合物との組成比は、モル比で化1に示した範囲内であり、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比と、これら化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比とは、数1に示した関係を有するものである。
【0010】
本発明による他の圧電磁器は、チタン酸ナトリウムビスマスからなる菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムのうちの少なくとも1種からなる正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、ニオブ酸銀からなる単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含む固溶体を含有し、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、単斜晶系ペロブスカイト構造化合物との組成比は、モル比で化2に示した範囲内であり、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比と、これら化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比とは、数2に示した関係を有するものである。
【0011】
本発明によるこれらの圧電磁器では、上記した結晶構造の異なる3種類の化合物が化1あるいは化2に示した組成比で含まれ、かつ化合物の組成比と、その化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比とが数1あるいは数2に示した関係を有することにより、圧電特性の向上が図られる。なお、鉛(Pb)の含有量が1質量%以下であるようにすれば、低公害化、対環境性および生態学的見地から好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施の形態に係る圧電磁器は、菱面晶系(Rhombohedral)ペロブスカイト構造化合物と、正方晶系(Tetragonal)ペロブスカイト構造化合物と、単斜晶系(Monoclinic)ペロブスカイト構造化合物とを含んでいる。または、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含む固溶体を含有している。すなわち、結晶構造の異なる3種類の化合物を含んでおり、それらは固溶していてもよく、完全に固溶していなくてもよい。
【0020】
これにより、この圧電磁器では、少なくとも一部において結晶学的な相境界(M.P.B.)が形成され、圧電特性が向上するようになっている。具体的には、1成分系あるいは2成分系に比べて電気機械結合係数が向上すると共に、誘電率も向上し、その結果変位量が向上するようになっている。
【0021】
菱面晶系ペロブスカイト構造化合物としては、例えば、チタン酸ナトリウムビスマスを含む第1酸化物が挙げられる。この第1酸化物は、ペロブスカイト構造のAサイトに位置する第1酸化物第1元素と、ペロブスカイト構造のBサイトに位置する第1酸化物第2元素と、酸素とからなり、その組成は例えば化3により表される。
【0022】
【化3】
A1x A2O3
式中、A1は第1酸化物第1元素を表し、A2は第1酸化物第2元素を表す。xは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよく、1以下であれば焼結性を高めることができると共により高い圧電特性を得ることができるので好ましい。酸素の組成は化学量論組成から求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0023】
第1酸化物第1元素には、チタン酸ナトリウムビスマスであればナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)が該当する。チタン酸ナトリウムビスマスにおけるナトリウムとビスマスとの組成比は、化学量論組成であればモル比で1:1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。第1酸化物第2元素には、チタン酸ナトリウムビスマスであればチタン(Ti)が該当する。
【0024】
菱面晶系ペロブスカイト構造化合物は、1種類の化合物により構成されてもよいが、複数種の化合物により構成されてもよい。複数種の化合物よりなる場合、それらは固溶していてもよく、固溶していなくてもよい。
【0025】
正方晶系ペロブスカイト構造化合物としては、例えば、チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムを含む群のうちの少なくとも1種の第2酸化物が挙げられる。この第2酸化物は、ペロブスカイト構造のAサイトに位置する第2酸化物第1元素と、ペロブスカイト構造のBサイトに位置する第2酸化物第2元素と、酸素とからなり、その組成は例えば化4により表される。
【0026】
【化4】
B1y B2O3
式中、B1は第2酸化物第1元素を表し、B2は第2酸化物第2元素を表す。yは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。酸素の組成は化学量論組成から求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0027】
第2酸化物第1元素には、チタン酸カリウムビスマスであればカリウム(K)およびビスマスが該当し、チタン酸バリウムであればバリウム(Ba)が該当する。チタン酸カリウムビスマスにおけるカリウムとビスマスとの組成比は、化学量論組成であればモル比で1:1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。第2酸化物第2元素には、チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウム共にチタンが該当する。
【0028】
正方晶系ペロブスカイト構造化合物も、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と同様に、1種類の化合物により構成されてもよいが、複数種の化合物により構成されてもよい。複数種の化合物よりなる場合、それらは固溶していてもよく、固溶していなくてもよい。
【0029】
単斜晶系ペロブスカイト構造化合物としては、例えば、ニオブ酸銀を含む第3酸化物が挙げられる。この第3酸化物は、ペロブスカイト構造のAサイトに位置する第3酸化物第1元素と、ペロブスカイト構造のBサイトに位置する第3酸化物第2元素と、酸素とからなり、その組成は例えば化5により表される。
【0030】
【化5】
C1z C2O3
式中、C1は第3酸化物第1元素を表し、C2は第3酸化物第2元素を表す。zは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。酸素の組成は化学量論組成から求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0031】
第3酸化物第1元素には、ニオブ酸銀であれば銀(Ag)が該当し、第3酸化物第2元素には、ニオブ酸銀であればニオブが該当する。単斜晶系ペロブスカイト構造化合物も、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と同様に、1種類の化合物により構成されてもよいが、複数種の化合物により構成されてもよい。複数種の化合物よりなる場合、それらは固溶していてもよく、固溶していなくてもよい。
【0032】
これら菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と正方晶系ペロブスカイト構造化合物と単斜晶系ペロブスカイト構造化合物との組成比、例えば、第1酸化物と第2酸化物と第3酸化物との組成比は、モル比で化6に示した範囲内であることが好ましい。正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の含有量が多すぎると圧電特性が低下してしまい、少なすぎると結晶構造の異なる3種類の化合物を含むことによる十分な効果が得られないからである。
【0033】
【化6】
aA+bB+cC
式中、Aは菱面晶系ペロブスカイト構造化合物(例えば第1酸化物)、Bは正方晶系ペロブスカイト構造化合物(例えば第2酸化物)、Cは単斜晶系ペロブスカイト構造化合物(例えば第3酸化物)をそれぞれ表す。a,bおよびcは、a+b+c=1,0.65≦a≦0.99,0<b≦0.2,0<c≦0.15をそれぞれ満たす範囲内の値である。
【0034】
ここで、この組成比というのは、固溶しているものも固溶していないものも含めた圧電磁器全体における値である。なお、化6におけるbは、正方晶系ペロブスカイト構造化合物がチタン酸バリウムの場合には、0<b<0.15の範囲内であればより好ましく、0<b≦0.1の範囲内であれば更に好ましい。正方晶系ペロブスカイト構造化合物がチタン酸カリウムビスマスの場合には、0<b≦0.20の範囲内であれば好ましく、0.05≦b≦0.20の範囲内であればより好ましい。また、化6におけるcは、0<c≦0.1の範囲内であればより好ましい。これらの範囲においてより大きな変位量を得ることができるからである。
【0035】
菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比と、これら化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比(Aサイトに位置する元素/Bサイトに位置する元素)とは、数3に示した関係を有することが好ましい。
【0036】
【数3】
0.9≦ax+by+cz≦1.0
式中、a,bおよびcは、化6に示したように、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と正方晶系ペロブスカイト構造化合物と単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とのモル比によるそれぞれの組成比を表す。x,yおよびzは、例えば化3,化4および化5に示したように、順に、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物,正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物それぞれにおけるBサイトに位置する元素を1とした場合のAサイトに位置する元素のモル比による組成比、つまりBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素のモル比による組成比を表す。
【0037】
すなわち、例えば、第1酸化物と第2酸化物と第3酸化物とを含む場合には、第1酸化物の組成比aと第1酸化物第2元素に対する第1酸化物第1元素の組成比xとの積、第2酸化物の組成比bと第2酸化物第2元素に対する第2酸化物第1元素の組成比yとの積、および第3酸化物の組成比cと第3酸化物第2元素に対する第3酸化物第1元素の組成比zとの積を足し合わせた値が0.9以上1.0以下の範囲内であることが好ましい。3においても説明したように、1.0以下の方が高い焼結性および優れた圧電特性を得ることができると共に、0.9よりも小さくなると逆に圧電特性が低下してしまうからである。
【0038】
なお、この圧電磁器は鉛を含んでいてもよいが、その含有量は1質量%以下であることが好ましく、鉛を全く含んでいなければより好ましい。焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができ、低公害化、対環境性および生態学的見地から好ましいからである。また、この圧電磁器の結晶粒の平均粒径は例えば0.5μm〜20μmである。
【0039】
このような構成を有する圧電磁器は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0040】
まず、出発原料として、酸化ビスマス(Bi2 3 ),炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ),炭酸カリウム(K2 CO3 ),炭酸バリウム(BaCO3 ),酸化銀(Ag2 O),酸化チタン(TiO2 )および酸化ニオブ(Nb2 5 )などの粉末を必要に応じて用意し、100℃以上で十分に乾燥させたのち、目的とする組成に応じて秤量する。なお、出発原料には、酸化物に代えて炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となるものを用いてもよく、炭酸塩に代えて酸化物あるいは焼成により酸化物となる他のものを用いてもよい。
【0041】
次いで、例えば、秤量した出発原料をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で5時間〜20時間十分に混合したのち、十分乾燥し、プレス成形して、750℃〜900℃で1時間〜3時間程度仮焼する。続いて、例えば、この仮焼物をボールミルなどにより有機溶媒中または水中で10時間〜30時間粉砕したのち、再び乾燥し、バインダーを加えて造粒する。造粒したのち、例えば、この造粒粉を一軸プレス成形機あるいは静水圧成形機(CIP)などを用い100MPa〜400MPaの加重を加えてプレス成形しペレット状とする。
【0042】
ペレット状としたのち、例えば、この成形体を400℃〜800℃で2時間〜4時間程度熱処理してバインダーを揮発させ、950℃〜1300℃で2時間〜4時間程度本焼成する。本焼成の際の昇温速度および降温速度は、共に例えば50℃/時間〜300℃/時間程度とする。本焼成ののち、得られた焼結体を必要に応じて研磨し、電極を設ける。そののち、25℃〜100℃のシリコンオイル中で5MV/m〜10MV/mの電界を5分間〜1時間程度印加して分極処理を行う。これにより、上述した圧電磁器が得られる。
【0043】
このように本実施の形態によれば、第1酸化物などの菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、第2酸化物などの正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、第3酸化物などの単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含むようにしたので、またはこれらを含む固溶体を含有するようにしたので、1成分系あるいは2成分系に比べて電気機械結合係数を向上させることができると共に、誘電率も向上させることができ、その結果変位量を向上させることができる。
【0044】
よって、鉛を含有しないまたは鉛の含有量が少ない圧電磁器についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができる低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器の活用を図ることができる。
【0045】
特に、化6に示したように、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、単斜晶系ペロブスカイト構造化合物との組成比a,bおよびcが、モル比でa+b+c=1,0.65≦a≦0.99,0<b≦0.2,0<c≦0.15をそれぞれ満たす範囲内の値となるようにすれば、より圧電特性を向上させることができる。
【0046】
また、数3に示したように、化合物の組成比とその化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比との積を、3種類の化合物について足し合わせた値が、0.9以上1.0以下の範囲内となるようにすれば、または、第1酸化物の組成比aと第1酸化物第2元素に対する第1酸化物第1元素の組成比xとの積、第2酸化物の組成比bと第2酸化物第2元素に対する第2酸化物第1元素の組成比yとの積、および第3酸化物の組成比cと第3酸化物第2元素に対する第3酸化物第1元素の組成比zとの積を足し合わせた値が0.9以上1.0以下の範囲内となるようにすれば、焼結性を高めることができると共に、圧電特性をより向上させることができる。
【0047】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0048】
実験例1−1〜1−17)
まず、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物である第1酸化物(Na0.5 Bi0.5 )TiO3 、正方晶系ペロブスカイト構造化合物である第2酸化物BaTiO3 、および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物である第3酸化物AgNbO3 の出発原料として、酸化ビスマス粉末、炭酸ナトリウム粉末,炭酸バリウム粉末,酸化チタン粉末,酸化銀粉末および酸化ニオブ粉末を用意し、100℃以上で十分に乾燥させたのち、それらを秤量した。出発原料の配合比は、化7に示した焼成後のモル比による組成比a,bおよびcが表1に示したようになるように実験例1−1〜1−17で変化させた。
【0049】
【化7】
Figure 0004779243
【0050】
【表1】
Figure 0004779243
【0051】
次いで、秤量した出発原料をボールミルによりジルコニアボールを用いてアセトン中で約15時間混合したのち、十分乾燥し、プレス成形して、900℃で約2時間仮焼した。続いて、この仮焼物をボールミルによりアセトン中で約15時間粉砕したのち、再び乾燥し、バインダーとしてポリビニールアルコール(PVA)水溶液を加えて造粒した。そののち、この造粒粉を一軸プレス成形機で100MPaの加重を加えて仮成形し、更に、CIPで400MPaの加重を加えて直径17mm、厚さ1mmの円盤状ペレットに成形した。成形ののち、この成形体を700℃で約3時間熱処理してバインダーを揮発させ、1100℃〜1300℃で2時間本焼成した。本焼成の際の昇温速度および降温速度は共に200℃/時間とした。
【0052】
本焼成したのち、得られた焼成体を研磨して厚さ0.4mmの平行平板状とし、その両面に銀ペーストを650℃で焼き付け、電極を形成した。そののち、30℃〜150℃のシリコンオイル中で5〜10MV/mの電界を15分間印加して分極処理を行った。これにより、実験例1−1〜1−17の圧電磁器を得た。
【0053】
得られた実験例1−1〜1−17の圧電磁器について、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数kr、および3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。その際、比誘電率εdの測定はLCRメータ(ヒューレットパカード社製HP4284A)により行い、電気機械結合係数krの測定はインピーダンスアナライザー(ヒューレットパカード社製HP4194A)とデスクトップコンピュータとを用いた自動測定器により共振反共振法で行った。変位量の測定は、渦電流式の非接触変位計、アンプ、発振器、マルチメータなどをデスクトップコンピュータで制御し、シリコンオイル中で電圧を印加して行った。それらの結果を表1に示す。
【0054】
また、本実験例に対する比較例1−1〜1−6として、化7に示したモル比による組成比a,bおよびcが表1に示したようになるように出発原料の配合比を変化させたことを除き、他は本実験例と同一の条件で圧電磁器を作製した。比較例1−1〜1−6についても、本実験例と同様にして、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果についても表1に合わせて示す。
【0055】
なお、比較例1−1は菱面晶系ペロブスカイト構造化合物のみ、比較例1−2は菱面晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物のみ、比較例1−3〜1−6は菱面晶系ペロブスカイト構造化合物および正方晶系ペロブスカイト構造化合物のみを含むように構成した場合である。このうち比較例1−1は実験例1−1〜1−16全体に対する比較例、比較例1−2は実験例1−3,1−8,1−12,1−16に対する比較例、比較例1−3は実験例1−1〜1−5に対する比較例、比較例1−4は実験例1−6〜1−7に対する比較例、比較例1−5は実験例1−10〜1−13に対する比較例、比較例1−6は実験例1−14〜1−17に対する比較例に該当している。
【0056】
表1に示したように、本実験例によれば、比較例に比べて大きな変位量を得ることができた。すなわち、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物である第1酸化物(Na0.5 Bi0.5 )TiO3 、正方晶系ペロブスカイト構造化合物である第2酸化物BaTiO3 、および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物である第3酸化物AgNbO3 を含むように、またはそれらの固溶体を含有するようにすれば、圧電特性を向上できることが分かった。
【0057】
また、実験例1−1〜1−16の結果から、正方晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比bまたは単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比cの値を大きくすると、変位量は大きくなり極大値を示した後小さくなる傾向が見られ、bを0.15以下、cを0.15以下とすれば、より圧電特性を向上できることも分かった。更には、bを0.1以下、cを0.1以下とすれば、より圧電特性を向上できることも分かった。
【0058】
実験例2−1〜2−16)
実験例2−1〜2−16では、出発原料として炭酸バリウム粉末に代えて炭酸カリウム粉末を用意し、化8に示したように、正方晶系ペロブスカイト構造化合物である第2酸化物としてBaTiO3 を(K0.5 Bi0.5 )TiO3 に代えたことを除き、実験例1−1〜1−17と同一の条件で圧電磁器を作製した。なお、出発原料の配合比は、化8に示した焼成後のモル比による組成比a,bおよびcが表2に示したようになるように実験例2−1〜2−16で変化させた。
【0059】
【化8】
Figure 0004779243
【0060】
【表2】
Figure 0004779243
【0061】
また、本実験例に対する比較例2−1〜2−5として、化8に示したモル比による組成a,bおよびcが表2に示したようになるように出発原料の配合比を変化させたことを除き、他は本実験例と同一の条件で圧電磁器を作製した。実験例2−1〜2−16および比較例2−1〜2−5についても、実験例1−1と同様にして、比誘電率εd、広がり方向の電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0062】
なお、比較例2−1は菱面晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物のみを含むように構成し、比較例2−1〜2−6は菱面晶系ペロブスカイト構造化合物および正方晶系ペロブスカイト構造化合物のみを含むように構成した場合である。また、表2には、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物のみを含むように構成した比較例1−1の結果、および菱面晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物のみを含むように構成した比較例1−2の結果も合わせて示す。
【0063】
このうち比較例1−1,2−1は実験例2−1〜2−17全体に対する比較例、比較例1−2は実験例2−3,2−7,2−11,2−15に対する比較例、比較例2−2は実験例2−1〜2−4に対する比較例、比較例2−3は実験例2−5〜2−8に対する比較例、比較例2−4は実験例2−9〜2−12に対する比較例、比較例2−5は実験例2−13〜2−16に対する比較例に該当している。
【0064】
表2に示したように、本実験例によれば、比較例に比べて大きな変位量を得ることができた。すなわち、正方晶系ペロブスカイト構造化合物である第2酸化物として、(K0.5 Bi0.5 )TiO3 を含むようにしても、実験例1−1〜1−17と同様に圧電特性を向上できることが分かった。また、実験例2−1〜2−17の結果から、bを0.20以下、cを0.15以下とすれば、圧電特性を向上させることができることも分かった。
【0065】
実験例3−1〜3−3)
実験例3−1〜3−3では、化9に示した第1酸化物第2元素に対する第1酸化物第1元素の組成比x、第2酸化物第2元素に対する第2酸化物第1元素の組成比y、および第3酸化物第2元素に対する第3酸化物第1元素の組成比zが表3に示したようになるように出発原料を配合したことを除き、実験例1−7と同一の条件で圧電磁器を作製した。なお、a,bおよびcは、モル比でa=0.9、b=0.05、c=0.05となるようにし、x,yおよびzは同一、x=y=zとした。つまり、数3に示したax+by+czはx,yおよびzと同一の値となる。
【0066】
【化9】
Figure 0004779243
【0067】
【表3】
Figure 0004779243
【0068】
実験例3−1〜3−3についても、実験例1−7と同様にして、比誘電率εd、電気機械結合係数krおよび3MV/mの電圧パルスを印加した際の変位量を測定した。それらの結果を実験例1−7の結果と共に表3に示す。
【0069】
表3に示したように、実験例3−1〜3−3によれば、実験例1−7に比べて大きな変位量を得ることができた。すなわち、数3に示したように、第1酸化物の組成比aと第1酸化物第2元素に対する第1酸化物第1元素の組成比xとの積、第2酸化物の組成比bと第2酸化物第2元素に対する第2酸化物第1元素の組成比yとの積、および第3酸化物の組成比cと第3酸化物第2元素に対する第3酸化物第1元素の組成比zとの積を足し合わせた値が0.9以上1.0以下の範囲内となるようにすれば、焼結性を高めることができると共に、圧電特性を向上させることができることが分かった。
【0070】
なお、上記実施例ではいくつかの例を具体的に挙げて説明したが、他の菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、他の正方晶系ペロブスカイト構造化合物あるいは他の単斜晶系ペロブスカイト構造化合物を含むようにしても、上記実施例と同様の結果を得ることができる。
【0071】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物として第1酸化物を挙げて説明し、正方晶系ペロブスカイト構造化合物として第2酸化物を挙げて説明し、単斜晶系ペロブスカイト構造化合物として第3酸化物を挙げて説明したが、これらの結晶構造を有するものであれば他の化合物を含むようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態および実施例では、第1酸化物,第2酸化物および第3酸化物について具体的に例を挙げて説明したが、上述した酸化物以外のものを含むようにしてもよい。
【0073】
更に、上記実施の形態では、第1酸化物,第2酸化物および第3酸化物の結晶構造について説明したが、上述した組成を有する酸化物を含んでいれば、またはこれらを含む固溶体を含有していれば、これらの結晶構造について論じるまでもなく、本発明に含まれる。
【0074】
加えて、上記実施の形態および実施例では、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と正方晶系ペロブスカイト構造化合物と単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含む場合についてのみ説明したが、これらに加えて他の結晶構造を有する化合物を含んでいてもよい。
【0075】
更にまた、本発明は、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物,正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物を構成する元素以外の元素を、不純物または他の結晶構造を有する化合物の構成元素として含んでいてもよい。そのような元素としては、例えば、ストロンチウム(Sr),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),リチウム(Li),ジルコニウム(Zr),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta)および希土類元素が挙げられる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項のいずれか1に記載の圧電磁器によれば、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物としてチタン酸ナトリウムビスマスと、正方晶系ペロブスカイト構造化合物としてチタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムのうちの少なくとも1種と、単斜晶系ペロブスカイト構造化合物としてニオブ酸銀とを含、あるいはこれらを含む固溶体を含有し、化1または化2に示したように、それらの化合物の組成比a,bおよびcがa+b+c=1,0.65≦a≦0.99,0<b≦0.2,0<c≦0.15をそれぞれ満たす範囲内の値となるようにし、数1あるいは数2に示したように、化合物の組成比とその化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比との積を、3種類の化合物について足し合わせた値が、0.9以上1.0以下の範囲内となるようにしたので、1成分系あるいは2成分系に比べて電気機械結合係数を向上させることができると共に、誘電率も向上させることができ、その結果変位量を向上させることができる。さらに焼結性も高めることもできる。よって、鉛を含有しないまたは鉛の含有量が少ない圧電磁器についても、利用の可能性を高めることができる。すなわち、焼成時における鉛の揮発、および圧電部品として市場に流通し廃棄された後における環境中への鉛の放出を最小限に抑制することができる低公害化、対環境性および生態学的見地から極めて優れた圧電磁器の活用を図ることができる。

Claims (5)

  1. チタン酸ナトリウムビスマスからなる菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、
    チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムのうちの少なくとも1種からなる正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、
    ニオブ酸銀からなる単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含み、
    前記菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、前記正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、前記単斜晶系ペロブスカイト構造化合物との組成比は、モル比で化1に示した範囲内であり、
    前記菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、前記正方晶系ペロブスカイト構造化合物および前記単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比と、これら化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比とは、数1に示した関係を有する
    ことを特徴とする圧電磁器。
    【化1】
    aA+bB+cC
    (式中、Aは菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、Bは正方晶系ペロブスカイト構造化合物、Cは単斜晶系ペロブスカイト構造化合物をそれぞれ表す。a,bおよびcは、a+b+c=1,0.65≦a≦0.99,0.01≦b≦0.2,0.01≦c≦0.15をそれぞれ満たす範囲内の値である。)
    【数1】
    0.9≦ax+by+cz≦1.0
    (式中、a,bおよびcは、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と正方晶系ペロブスカイト構造化合物と単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とのモル比による組成比であり、aは菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、bは正方晶系ペロブスカイト構造化合物、cは単斜晶系ペロブスカイト構造化合物についてそれぞれ表す。また、x,yおよびzは、順に、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物,正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物それぞれにおけるBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素のモル比による組成比を表す。)
  2. チタン酸ナトリウムビスマスからなる菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、
    チタン酸カリウムビスマスおよびチタン酸バリウムのうちの少なくとも1種からなる正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、
    ニオブ酸銀からなる単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とを含む固溶体を含有し、
    前記菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と、前記正方晶系ペロブスカイト構造化合物と、前記単斜晶系ペロブスカイト構造化合物との組成比は、モル比で化2に示した範囲内であり、
    前記菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、前記正方晶系ペロブスカイト構造化合物および前記単斜晶系ペロブスカイト構造化合物の組成比と、これら化合物のBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素の組成比とは、数2に示した関係を有する
    ことを特徴とする圧電磁器。
    【化2】
    aA+bB+cC
    (式中、Aは菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、Bは正方晶系ペロブスカイト構造化合物、Cは単斜晶系ペロブスカイト構造化合物をそれぞれ表す。a,bおよびcは、a+b+c=1,0.65≦a≦0.99,0.01≦b≦0.2,0.01≦c≦0.15をそれぞれ満たす範囲内の値である。)
    【数2】
    0.9≦ax+by+cz≦1.0
    (式中、a,bおよびcは、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物と正方晶系ペロブスカイト構造化合物と単斜晶系ペロブスカイト構造化合物とのモル比による組成比であり、aは菱面晶系ペロブスカイト構造化合物、bは正方晶系ペロブスカイト構造化合物、cは単斜晶系ペロブスカイト構造化合物についてそれぞれ表す。また、x,yおよびzは、順に、菱面晶系ペロブスカイト構造化合物,正方晶系ペロブスカイト構造化合物および単斜晶系ペロブスカイト構造化合物それぞれにおけるBサイトに位置する元素に対するAサイトに位置する元素のモル比による組成比を表す。)
  3. 前記正方晶系ペロブスカイト構造化合物は、チタン酸バリウムからなり、bは、0.01≦b≦0.15を満たす範囲内の値である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電磁器。
  4. 前記正方晶系ペロブスカイト構造化合物は、チタン酸カリウムビスマスからなり、bは、0.05≦b≦0.2を満たす範囲内の値である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電磁器。
  5. 鉛(Pb)の含有量が1質量%以下である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電磁器。
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