JP2000502381A - 最低有効塩基性度のレベルにおけるシクロデキストリンの選択的アルキル化 - Google Patents

最低有効塩基性度のレベルにおけるシクロデキストリンの選択的アルキル化

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Abstract

(57)【要約】 反応の塩基性度を調節することにより、シクロデキストリンの第二級水酸基を優先的にアルキル化することが可能である。これらの水酸基は、シクロデキストリンの空洞の主な広い入り口を囲み、そしてそれ故適切に選択した置換基による置換が包接複合体の形成を改善し得る。本発明の方法により、融合1,4-ジオキサン環で置換したシクロデキストリン誘導体が得られ得る。1つのアルキル化部分を有する試薬を用いる場合、シクロデキストリンのエーテルの混合物が形成される。本発明の方法を用いて、96%までの置換を第二級水酸基に指向させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】 最低有効塩基性度のレベルにおけるシクロデキストリンの選択的アルキル化発明の分野 本発明は、ドーナツ型の空洞を有する分子を含む水溶性オリゴサッカライドで あり、その空洞内に水不溶性分子を含み得、そしてその結果可溶化され得る、シ クロデキストリンに関する。本発明はまた、大部分の置換基が空洞の主要な入り 口を囲むシクロデキストリン誘導体のワンステップの調製に関する。これらの置 換基は非極性および強固(空洞そのものとして)であるように選択され、そして 、従って、それらが空洞をより長くし得る。あるいは、イオン置換基が導入され 得、そして、空洞の主要な入り口に位置している、得られた電荷が、その特徴を 変えるために使われる。本発明の組成物はより多様な化合物を可溶化させ、およ び安定化させることを可能にする。発明の背景 非極性化合物の可溶化のため、通常、有機溶媒または界面活性剤を使用する。 その空洞の中に非極性化合物を含み得るような空洞を形成する分子を有する水溶 性化合物は、溶媒および界面活性剤の代わりに使用され得る;シクロデキストリ ンがそのような化合物の一例である。 シクロデキストリンは、グルコピラノシル残基がα(1から4)グリコシド結 合によって結合している環状オリゴサッカライドのグループである。3つのシク ロデキストリンが特に関心がもたれる:α-、β-、およびγ-。それらは、それ ぞれ、6、7、または8個のグルコピラノシル残基を有する。各グルコピラノシ ル残基が2つの第二級水酸基(secondary hydroxyl)(空洞の主要な、広い入り 口に位置する)および1つの第一級水酸基(primary hydroxyl)(空洞の狭い口 に位置する)を有しているので、α-、β-、およびγ-シクロデキストリンはそ れぞれ、18、21または24個の水酸基を有し、それらがいずれもアルキル化 され得る。エピクロロヒドリンに関する先行技術 シクロデキストリンとエピクロロヒドリンとの反応は繰り返し試験されてきて いる。Wiedenhofらが最初の結果をまとめた。シクロデキストリンおよびエピク ロロヒドリンは強塩基(例えば、10%水酸化ナトリウム)で濃水溶液に縮合され 、そして、条件によって、水溶性あるいは水不溶性の生成物が得られた。これら の生成物は、その分子がエピクロロヒドリン由来の残基によって一緒に結合した 複数のシクロデキストリン残基を含むことを意味して、ポリマーあるいはE-樹脂 と呼ばれた。Wiedenhofらは、これらおよび他のエピクロロヒドリン由来の残基 をそれらの構造式で同定し、そしてそれらを「橋」(シクロデキストリンユニッ トを結びつける)または「テールまたはポリテール」(シクロデキストリンユニ ットにただ一つ結合する)と名付けた。このことはFenyvesiらによって追試され 、Wiedenhofらの水溶性ポリマー/樹脂が全くポリマーでは無いことを発見した ;その平均分子量は1800未満であり、そして存在する74%以上の物質が2000未満 の分子量を有していたという結果から計算され得る。β-シクロデキストリンは1 135の分子量を有し、そしてどれも生成物に存在すると言及されていないため、 生成物の大半は1分子当たりただ1つのシクロデキストリンを有し、エピクロロ ヒドリン由来の「テールおよびポリテール」によって置換されていることは明ら かである。Fenyvesiらは、さらに、β-シクロデキストリンとエピクロロヒドリ ンとの5つの水溶性縮合生成物を記載した;これら全てはただ1つのシクロデキ ストリン残基を有する成分を含んでいた。これらの調製物では、87%、58%、30 %、72%および33%の物質が2000未満の分子量を有していた。Fenyvesiらはまた 、β-シクロデキストリンの代わりにγ-シクロデキストリンを使用して、類似の 生成物を得た。Fenyvesiらは、これらの低分子量生成物に存在する官能基の正確 な構造式を与え、そしてこれらの生成物に対して「シクロデキストリン-グリセ ロール-エーテル」という名称を用いた。これらの生成物は欧州特許0 149 197 B 1に記載されている。 Fenyvesiらは、さらに試験を行い、β-シクロデキストリンおよびエピクロロ ヒドリンからなるこれらの「シクロデキストリン-グリセロール-エーテル」がい くつかの薬物および他の物質と包接複合体を形成することを見いだした。このこ とは、Remington's Pharmaceutical Sciences(第15版、Mack Publishing Compa ny,Easton,Pennsylvania,1975)によると、製薬で直接使用されている。それ ゆえ、インドメタシン(鎮痛解熱剤)、安息香酸(抗カビ剤)、コール酸(消化 剤)、アネトール(芳香剤)の薬学的処方物が記載される。Fenyvesiらが調製し た薬学的処方物は水溶液の形態を有し、そのうちのいくつかが緩衝液および塩を 含んだ。先行技術は、さらなる成分が包接複合体の溶液あるいはこれらの溶液の 凍結乾燥物に、面倒なことなしで添加し得ることを確立した。 後に、BraunsおよびMullerに付与された欧州特許0 149 197 B1は、Fenyseviの 教示を包含し、薬剤と「部分的にエーテル化したシクロデキストリンで、そのエ ーテル置換基が...あるいはジヒドロキシルプロピル基であるもの。」との包 接複合体を含む薬学的処方物を請求している。ジヒドロキシプロピル基は、Wied enhofらおよびFenyseviらの構造中の「テール」基の化学用語である。さらに、 「部分的にエーテル化したβ-シクロデキストリンで、そのエーテル置換基が. ..ジヒドロキシルプロピル基である」ものとは、単にFenyseviらの「シクロデ キストリン-グリセロール-エーテル」の化学的同義語である。欧州特許0 149 19 7 B1はその調製方法を教示せず、シクロデキストリンのジヒドロキシプロピルエ ーテルのいかなる利用も記載せず、そして先行技術にも言及していない。 本発明のいくつかの局面は、Fenyseviらによる先行技術の新規な拡張であると 考えられ、反応混合物中の塩基性度の制御された最低有効レベルという新しい条 件を利用する調製と使用の両方に関しては、一個だけのシクロデキストリンユニ ットを有する分子を主に含む生成物が製造でき、これらが新しい構造成分を有し ている。それにもかかわらず、先行技術の分析は本発明による物質の組成物の薬 学的利用は欧州特許0 149 197 B1の明細書または請求の範囲ではカバーされない ことを示す。欧州特許0 149 197 B1およびFenyvesiらのより先の技術はいずれも 本発明の製造または利用の方法を記載していない。(この特許の請求の範囲が特 にFenyseviのジヒドロキシプロピルシクロデキストリンを包含していることに注 意するべきである)。特に、Fenyvesiは、薬剤とシクロデキストリン誘導体との 包接複合体を含有する処方物を記載し、シクロデキストリン誘導体の87%以下は 、1分子当たりただ1個のシクロデキストリン残基を有する「シクロデキストリ ン -グリセロール-エーテル」または他の命名ではシクロデキストリンのジヒドロキ シプロピルエーテルである。本発明に記載の物質におけるシクロデキストリンの ジヒドロキシプロピルエーテルの濃度はFenyseviらの物質における濃度よりも低 い。本明細書中に記載のシクロデキストリンの誘導体と薬剤とを含む包接複合体 は欧州特許0 149 197 B1には開示も請求もされていない。近接ジハライドに関する先行技術 シクロデキストリンと、1,2-ジクロロエタン、1,2,-ジクロロプロパン、ある いはそれらの同族化合物との反応の記録は見つからなかった。メチル化に関する先行技術 この反応は種々の研究に関わる主題であった。化学的には、個々のシクロデキ ストリンのメチル誘導体は、いくつかの合成工程または反応中の塩基性の制御な しのいずれかで調製された。非極性化合物の可溶化によく適している、ランダム にメチル化したシクロデキストリン誘導体の調製は、欧州特許公報0 646 602 A1 に記載されている。この特許公報はまた、関連する先行技術を分析した。この公 報は、シクロデキストリンを部分的に塩基に溶解した後、アルキル化剤と塩基を 加える方法により、シクロデキストリンをアルキル化剤と反応する方法を請求し ている。ここに開示され請求される新規なプロセスは、先行方法では塩基性度が 本質的に制御されていないということで本発明と違う。結果として、第二級およ び第一級水酸基の間の分布の型は本発明の方法により得られる分布とは著しく異 なる。欧州特許公報0 646 602 A1に記載の方法は、第二級水酸基において62%ま でのメチル基を生成する。同じ公報で分析された他の先行技術方法は、第二級水 酸基に52%までのメチル基を導入する。1つのアルキル化基を有する他の試薬によるアルキル化に関する先行技術 先に記載されたこの型の反応において、反応の塩基性度は、その最低有効レベ ルに制御も保持もされていない。例えば、米国特許5,134,127に記載のβ-シクロ デキストリンのスルトンでのアルキル化では、反応混合物中の水酸化ナトリウム の濃度は、「10%(重量/重量)よりも高いレベルに、好ましくは40%〜60%( 重量/重量)に設定する」と推奨されている。そのような高い塩基性度において 実施されたアルキル化の生成物は、出発シクロデキストリンをいくらか含んでお り、これは精製により除去されるべきであった。反応混合物の塩基性度が、本発 明に記載されるように、一定でかつ最低有効レベルに保たれる場合、出発シクロ デキストリンを混入しない生成物が得られ得る。発明の要旨 本発明の目的は、改良された有用性を有する新しいシクロデキストリン誘導体 を提供することである。本発明の方法を使用することにより、シクロデキストリ ンの第二級水酸基を優先的にアルキル化することが可能である。これらの水酸基 はシクロデキストリン空洞へ、主要な広い入り口を囲み、それゆえ、適切に選択 された置換基によるこれらの置換は包接複合体の形成を改善し得る。 融合1,4-ジオキサン環の構成要素はシクロデキストリンの分野では新しい。こ の構成要素は、以前、デキストラン(シクロデキストリンとは構造的に非常に異 なるポリサッカライド)およびエピクロロヒドリンから形成された水不溶性樹脂 であるSephadex G25においてHombergらのみによって記録された。 さらに、1つのアルキル化部分を有する試薬が使用される場合、シクロデキス トリンのエーテル混合物が形成されることが見い出されてきた。本発明の方法を 使用することにより、96%までもの置換が第二級水酸基に向けられることが可能 である。 2つのアルキル化部分を有する試薬(例えば、l,2-ジクロロエタン)が使用さ れる場合、最初に形成されたシクロデキストリンのモノエーテルは、依然として 置換基に位置する第2のアルキル化部分を有する。これは、以下の3つの方法の 一つで反応し得る: 1.第2のアルキル化部分が加水分解し、ヒドロキシアルキルまたはジヒドロ キシアルキル置換基を導く。 2.第2のアルキル化部分が別のシクロデキストリンをアルキル化し得る。そ れゆえ、2つのシクロデキストリンが一緒に結合する。このプロセスは分子内架 橋と呼ばれ得、そして最終的に、真のポリマーまたは樹脂をもたらし得る。 3.第2のアルキル化部分は、同じシクロデキストリンの別の水酸基をアルキ ル化し得る。これは分子内架橋であり、そして、低塩基性の反応混合物、低濃度 の試薬およびシクロデキストリン、および温度の増加により好ましい経路である 。分子内架橋が同じグルコピラノシル残基上の2つの第二級水酸基間で起こる場 合、グルコピラノシル残基へ融合された新しい6員環の1,4-ジオキサンが形成さ れる。あるいは、そのような構造は環状ジエーテル基と呼ばれ得る。 以下は本発明の方法を用いて生じる反応例である。 反応生成物は以下の式の化合物を含む:またはR6がH、アルキル、モノヒドロキシあるいはジヒドロキシで置換されたア ルキルであり、ここでR3およびR4の水素を置換する2つの置換基が存在し得る。 本発明の方法により、および2つのアルキル化部分を有する試薬を用いること により、30%未満の物質が2つ以上のシクロデキストリンユニットを含有する分 子を有する組成物を得ることが可能である。本発明の方法は、98%までの置換基 が第二級水酸基に位置し、そして75%までもの理論的に可能な分子内架橋が実際 に起こるような組成物を得ることを可能にする。発明の詳細な説明 本明細書中で記載の新規な発明は、第二級水酸基のワンステップのアルキル化 を可能にし、それゆえ極性溶媒への非極性化合物を可溶化するシクロデキストリ ンの水溶性誘導体の効力を改善する。同様の化学的改変はまた、極性溶媒から非 極性化合物の選択的な吸収のためのシクロデキストリンの水不溶性誘導体の調製 に使用され得る。 本明細書の目的のため、用語「アルキル化剤」は、「アルキル化」と称する反 応の間において強酸を遊離させる試薬を意味すると理解される。例えば、シクロ デキストリンのエピクロロヒドリンによるアルキル化は塩酸の放出を伴う。さら に、本明細書中に記載の生成物は多数の化学的に独立した化合物の混合物である と理解される;それゆえ、ジエチルアミノエチルβ-シクロデキストリンと呼ば れる物質はβ-シクロデキストリンの種々の水酸基がジエチルアミノエチル基で 置換された多数の化合物の混合物である。 新規の構造要素は、1,4-ジオキサン環と融合したシクロデキストリン誘導体、 またはエピクロロヒドリンおよびシクロデキストリンから形成された環状ジエー テル、またはそれらの第二級水酸基-CH2-CH(CH2OH)-基により結合されるシクロ デキストリンのいずれかと命名され得、本明細書中に記載の方法で製造される。 本発明に記載の生成物に存在する他の基はWiedenhofらおよびFenyvesiによって 観察されたものと同一である。さらに、WiedenhofらおよびFenyvesiらの混合物 の成分のいくつかは本発明の混合物中においても見い出され得る。 本発明の新規の方法により、シクロデキストリンの制御されたアルキル化が、 適切な反応速度を保持するような最低の塩基性度を有する媒体中で実施される。 反応混合物の塩基性度がシクロデキストリンからシクロデキストリンアニオンへ の解離の開始を引き起こすのに十分である場合にのみ、シクロデキストリンのア ルキル化が適切な反応速度で起こる。その後、これらのアニオンの迅速なアルキ ル化が進行する。アルキル化剤の加水分解(これは常に水性媒体中で起こり試薬 を浪費する)はまた、水酸化物アニオンのアルキル化の結果として生じる。それ ゆえ、塩基性の条件を必要とする。シクロデキストリンが水(pKa 15.7)よりも アニオンへと解離しやすいため(Gelbらによりα-、β-およびγ-シクロデキス トリンのpKaは、12.3、12.2および12.1であると測定された)、塩基性度の適切 な選択はこの浪費を抑え得る。さらに、最低限の塩基性度を使用することはこの 反応の特定の生成物を得るためにアルキル化を制御することを可能にする。Gelb らは、シクロデキストリンのアニオンが、主に第二級水酸基のイオン化によって 形成されることを示唆している。シクロデキストリンで日常的に使用されるアル キル化のいくつかは、新しい水酸基を含む置換基を導入し(例えば、3-ヒドロキ シプロピル)、これは反応が進むにつれそれ自身がアルキル化され得る。塩基性 度を最低有効レベルに保つことはこの副反応をも減少させ得る。なぜなら、非活 性アルコールの酸性度(pKa値15.9〜18)がシクロデキストリンの酸性度よりも 低いからである。最低有効レベルの塩基性度を制御する方法 シクロデキストリンのアルキル化が起こる反応混合物において塩基性度を最低 限に抑える1つの方法は、pHをモニターしながら、消費される塩基に従い混合物 に徐々に塩基を添加することによる方法である。通常、この方法は反応混合物の 塩基性度がpH約13.5に上がるのを防ぐ。二番目の方法は限定された溶解度の塩基 の使用に依存する。水酸化カルシウムは室温では0.022Mまでの濃度(pH 12.4) および100℃では0.009Mまでの濃度しか溶解しない。この試薬を使用して得られ た塩基性度は、シクロデキストリンのアルキル化速度を許容可能な範囲で保持す るのに満足がいくものであった。水酸化カルシウムが使用される場合、このプロ セスはゲル形成のためしばしば複雑になる。それゆえ、例えば、室温ではγ-シ クロデキストリンの溶液への水酸化カルシウム添加によってゲルが生じ、そして そのゲルは強固になり、撹拌を妨げるのに充分である。しかしながら、このゲル のアルキル化は、ボールミルの中で実施され得、エピクロロヒドリンが使用され る場合、1時間の回転以内で液状化が起こる。ゲルの形成は温度を上げることに より完全に防ぐことが出来、それにより、磁気撹拌器を使用してアルキル化を実 施することが出来た。α-シクロデキストリンが使用される場合、濃縮溶液を使 用した時にのみ同様のゲルの形成が見られた。β-シクロデキストリンの場合、 ゲルの形成は観察されなかった。 水酸化カルシウムの使用に代わる方法を試験した。一つは水酸化ナトリウムを シクロデキストリン、アルキル化剤、および水溶性カルシウムまたはマグネシウ ム塩を含む集合した反応混合物に徐々にインサイチュで添加することによる水酸 化カルシウムまたは水酸化マグネシウムの沈澱に関連した。これらの改変はうま く行くことが見い出されたが、水酸化カルシウムの使用を超える明らかな利点は 見いだせなかった。 別の方法では、反応混合物の塩基性度がアルカリアルミン酸塩、アルカリ亜鉛 酸塩、アルカリケイ酸塩の緩衝能を利用して調節された。これらの塩は水性媒体 中に可溶でpH緩衝剤として作用する。混合物のpHが減少する場合、含水酸化物が 沈澱する。これらのプロセスは許容できるが、水酸化カルシウムの使用を超える 明らかな利点は見いだせなかった。実施例に示されるアルキル化剤および生成物 エピクロロヒドリンによるα-、β-、およびγ-シクロデキストリンのアルキ ル化における最低有効塩基性度レベルの原理の利用は実施例1〜8に記載される 。 実施例1〜4では、水酸化カルシウムが塩基として使用され、反応が環流温度で 実施された。実施例1では、容易に特徴づけられる生成物を導くように、条件を 選択した。1個以上のシクロデキストリンを含む種の形成は、質量スペクトルで わずかに検出可能なレベルに抑制された。質量スペクトルで見られたすべての種 は、1つを除いて、明確に帰属され得た;続いて、生じた分子内架橋の程度が決 定され得、そして約50%であることが見い出された。生成物はさらに、置換パタ ーンをさらに詳しく識別し得るアルジトールアセテート分析にかけられた。それ は第二級水酸基で生じたすべての置換のうち約97%および全ての可能な分子内架 橋の約半分が形成されていることを明らかにした。 実施例2〜4では、置換の度合いの増加および1分子あたり一つ以上シクロデ キストリン残基を含む種のより高い割合を導くために、より多くのエピクロロヒ ドリンが使用された。γ-シクロデキストリンが実施例2において縮合され;β- およびα-シクロデキストリンが実施例3および4において、それぞれ縮合され た。実施例5では、γ-シクロデキストリンが水酸化カルシウムおよび水と共に ゲルを形成する場合、室温でγ-シクロデキストリンとエピクロロヒドリンとの 縮合を示した。 アルコールおよび炭水化物のアニオンとのエピクロロヒドリンの反応の第一工 程はエポキシド環を開環するものとして公知である。それゆえ、実施例1〜4の 結果は明らかに、水中の水酸化カルシウムにより得られた塩基性度がシクロデキ ストリンとエピクロロヒドリン(これはクロロプロピレンオキシドである)との 縮合を触媒するのを満足させ、そしてエチレンオキシドまたはプロピレンオキシ ドとの縮合をも満足させることを明確に示している。最後の2つの試薬は反応の 際に酸は遊離しない。水酸化カルシウムによる触媒は、この目的のために通常用 いられる水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムによる触媒を超える操作上の利 点を有する:水酸化カルシウムは二酸化炭素で溶液を飽和させることおよび炭酸 カルシウムを濾過すること(実施例1に記載のように)により容易に完全に除去 し得る。それゆえ、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンの生成を複雑化する 透析またはイオン交換のプロセスは、回避し得る。 実施例6および7は、水酸化ナトリウムを塩基として使用するときさえも、分 子内架橋を含むシクロデキストリン誘導体が得られ得ることを確立した。さらに 、これらの実験は、水酸化ナトリウムをシクロデキストリンの水溶液中でエピク ロロヒドリンのエマルジョンに徐々に添加することが、通常の手順を使用する場 合(すなわち、エピクロロヒドリンをシクロデキストリンのアルカリ溶液に添加 する場合)に得られるものよりもエピクロロヒドリンの良い利用を導くことを確 立した。 実施例8では、水酸化ナトリウム水溶液を使用して、最低有効塩基性レベルの 原理が得られ、マグネシウム塩、カルシウム塩、または亜鉛塩の添加、あるいは ケイ酸の添加により塩基性度を下げた。 実施例9〜12では、1,2-ジクロロエタンを使用してγ-、β-、またはα-シ クロデキストリンをアルキル化した。反応は大気圧下で(実施例9〜11)また は圧力釜(実施例12)で実施された。質量スペクトルまたはアルジトールアセ テート法による分析により、これらのアルキル化が極めて特異的であることが示 される。実施例12では、全置換のうち98%が第二級水酸基で生じた。分子内架 橋の形成はエピクロロヒドリンを用いる場合よりもよい収率(75%)で生じた。 実施例13は、1,2-ジハロエタンを1,2-ジハロプロパンに置き換える場合、同 様の型の反応が起こったことを実証する。実施例14は実施例11に記載の調製 物において水を有機溶媒で置き換え得ることを実証する。 実施例15では、ヨウ化メチルがアルキル化剤として使用され、そして生成物 の分析により最低有効塩基性レベルの原理が高い特異性を導く:約98%の置換基 が第二級水酸基に指向し得ることを確立した。同様な条件は他のアルキル化剤に も使用された:3-クロロ-2-メチルプロペン(実施例16)、ジエチルアミノエ チルクロリド(実施例17)および1,3-プロパンスルトン(実施例18) 実施例19では、シクロデキストリンの部分的なアセテートの調製に水酸化カ ルシウムを使用した。実施例20は、酸触媒環状化による分子内架橋を含むシク ロデキストリン誘導体の調製を記載する。実施例21は、分子内架橋を有するシ クロデキストリンを含む水不溶性樹脂の調製を記載する。 実施例22は、上記の生成物の使用を示す。エピクロロヒドリンとシクロデキ ストリンとの縮合生成物は、低水溶性の一連の薬剤の可溶化によく適合している ことが見い出された。結果は、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンで得られ たものとほぼ匹敵した。同じ生成物はまた、ペプチド(インシュリン)の溶液を 安定化するためにも使用された。ここでの結果はヒドロキシプロピルシクロデキ ストリンで得られたものより優れていた。さらに、同じ誘導体で得られた、皮膚 、眼に対する、および皮下注射による刺激性の結果は、これらの化合物の薬学的 使用の可能性をさらに証明する。生成物の同定で使用した方法 生成物の最初の特徴付けおよび相互比較については、薄層クロマトグラフィー を使用した。これは、1-プロパノール−水−酢酸エチル−水酸化アンモニウム (6:3:3:1)を展開溶媒として用いてプレコートしたシリカゲルプレート において実施した。物質はプレートをVaughの試薬(10%硫酸500ml中の硫酸第二 セリウム1g、モリブデン酸アンモニウム24gの溶液)に軽く浸した後に青いスポ ットとして現れた。この系は、置換基の全体の数が増加する一連の要素を効果的 に分離する(それは1置換、2置換などからの出発化合物である);この系での シクロデキストリンのポリマーは、0近くのRf値を有する。 存在している置換基の分子量の分布および型の決定は、質量スペクトルで得ら れた。分子イオンのピークが現れるスペクトル領域のみが分析され、そして、他 に言及しない限り、計数されるべき領域(ベースピーク)で最も強いピークの15 %以上を含まなければならなかった。他に言及しない限り、測定と評価は、ただ 1つのシクロデキストリン残基を含む種の分子イオン領域に限定した。質量ス ペクトルは、FABまたはMALDI法のいずれかで測定した。そして、m/zを測定値と して与えた。FAB法は、イオン(M+H)+を生じるグリセロール−トリフルオロ酢 酸マトリックスと共に使用した。MALDI法は主に(M+NA)+イオンを生じ、そして計 算には、分子量m/z値がナトリウムの質量について修正されなければならなかっ た。ピークの相対強度を各々の領域の種々の分子イオンの強度の合計の百分率で 表した。 生成物のスペクトルの分子イオン領域において見い出された実際的に全てのピ ークが、いくつかの予測される化合物に帰属し得るが、全ての属性が明らかにさ れ得るわけではない。高度の置換では、ある種は非常に近いm/zを有する。例え ば、3つのグリセロールモノエーテルエーテル基で置換されたγ-シクロデキス トリンは1519のm/z値を有し、そして4つのグリセロール環状ジエーテル基で置 換されたものは1521のm/z値を有する。結果として、これらの成分の両方は同じ ピークに寄与し、明確な属性を決定し得ない。種々の条件が環状ジエーテルの形 成にどうやって有利になるかを比較するために、「好ましい環状の割合(cyclef avoring ratio)」を与え、たった一つの閉環によって区別される種のピークの 強度が比較される。 最終的には、いくつかの生成物はアルジトールアセテート分析にかけられた。 この特殊な手順では、まず試料を過メチル化し(シクロデキストリンのメチル誘 導体を分析するとき、この工程を省略した場合を除く)、次にモノサッカライド のレベルまでに加水分解し、還元し、過酢酸化する。次に、得られたアルジトー ルアセテートの混合物をGC-MSおよびGC-炎検出器を使用して分析する。この分析 の結果はモル百分率で表した。 実施例1 水酸化カルシウムの環流懸濁液におけるγ-シクロデキストリンのエピクロロヒ ドリンによるアルキル化から生じる低頻度の置換 γ-シクロデキストリン(水和物10g、グルコピラノシル残基約55ミリモル)を 、環流冷却器付きのエルレンマイヤーフラスコに入れた水(200ml)に溶解し、 そして磁力撹拌加熱プレート上に置いた。撹拌中、水酸化カルシウム(2.32g、 約3 1ミリモル)を速やかに添加し、そして加熱を開始した。一過性のゲル形成によ る懸濁液の濃厚化が見られたが、ゲルは温度の上昇とともに完全に溶解し、そし て混合物を磁気撹拌子で撹拌することが可能となった。環流温度に達した時点で 、エピクロロヒドリン(4.4ml、56ミリモル)を、10分間で環流冷却器を通じて 滴下した。撹拌および加熱をさらに75分間継続した;この時点でエピクロロヒド リンは縮合試料中には検出されなかった。次いで、水を約半分に蒸留して容積を 減らした。反応混合物を室温まで冷却するように放置し、そして、pHを強塩基性 から中性−弱酸性になるまで二酸化炭素ガスで飽和した。次いで、懸濁液をしば らく沸騰し(重炭酸カルシウムを分解するために)、そして2、3時間放置した 後、炭酸カルシウムの沈澱を容易に濾過除去した。次いで、透明な濾液を水道水 に対して透析した。残留の微量の塩化カルシウムを除去するために、炭酸ナトリ ウムの水溶液を、沈澱が形成されなくなるまで徐々に添加した。数時間放置した 後、炭酸カルシウムの沈澱を濾過除去し、そして、透明な濾液をイオン交換樹脂 により脱塩した。次いで、溶液を減圧下乾燥状態に蒸発させた。ガラス状の残渣 を蒸発フラスコからかきとり、そして白い粉末(7.656g)に粉砕した。生成物を 素早く水に溶解し、40%(重量/重量)とした;得られた溶液は放置する際にも 安定であった。混入の塩化カルシウムが完全に除去できていなかった場合は、生 成物は吸湿性が強く、そしてその溶液を放置すると沈澱を生じた。 クロマトグラフィー分析により、生成物がRf値0.12〜0.56に連続したスポット を形成し、Rf値0.43、0.36、および0.31において強い発色を生じた;同じ条件下 でγ-シクロデキストリンはRf値0.29を有した。 MALDI法による質量スペクトル分析により、以下のピークが観察された;m/z13 87,6%、(1つのグリセロール環状ジエーテル基);m/z 1395,3%、(1つ のグリセロールモノエーテル基);m/z 1433,14%、(2つのグリセロール環状 ジエーテル基);m/z 1451,13%、(1つのグリセロール環状ジエーテル基およ び1つのグリセロールモノエーテル基);m/z 1470,3%、(2つのグリセロー ルモノエーテル基);m/z 1490,9%、(3つのグリセロール環状ジエーテル基 );m/z 1507,16%、(2つのグリセロール環状ジエーテル基および1つのグリ セロールモノエーテル基);m/z 1525,9%、(1つのグリセロ ール環状ジエーテル基および2つのグリセロールモノエーテル基);m/z 1545, 3%、(4つのグリセロール環状ジエーテル基);m/z 1563,7%、(3つのグ リセロール環状ジエーテル基および1つのグリセロールモノエーテル基);m/z 1581,8%、(2つのグリセロール環状ジエーテル基および2つのグリセロ ー ルモノエーテル基);m/z 1600,3%、(1つのグリセロール環状ジエーテル基 および3つのグリセロールモノエーテル基);m/z 1638,2%、(3つのグリセ ロール環状ジエーテル基および2つのグリセロールモノエーテル基);m/z 1655 ,2%、(帰属不明)。 上記のデータより、平均分予量は1444と計算された。最後のピークのみが、記 述した構造要素を含有する単一種に明確に帰属することが不可能であった。この ピークを計算に入れない場合、生成物は1分子当たり2.0個の置換基を含み、そ して、これらの置換基のうち、61%(個数による)は融合1,4ジオキサン基(す なわち、グリセロール環状ジエーテル基)を含む。γ-シクロデキストリンのピ ークはベースピークの5%未満であった。 本実施例で使用した条件では、2つ以上のシクロデキストリン残基を含む縮合 生成物の形成は、大いに抑制される。これは同じ条件およびMALDI法による生成 物の質量スペクトルを使用するβ-シクロデキストリンのアルキル化によって確 立された。2つのシクロデキストリン残基を有する種の分子イオンの領域で観察 された全てのピークはただ1つのシクロデキストリン残基を有する種の領域で観 察されたベースピークのたった2%であった。 アルジトールアセテート分析はまた、生成物を特徴づけるために使用され、以 下の結果を与えた:未置換のグルコース60%、グリセロール環状ジエーテル基で 置換されたグルコース19.9%、以下のグリセロールモノエーテル置換基で置換さ れたグルコース:0-2において4.6%、0-3において10.9%、0-6において1.9%。 これらのデータから、γ-シクロデキストリンの平均4.6個の水酸基が置換されて いることが計算され得;97%の置換は第二級水酸基で生じ、すべての可能な環の 55%が形成された。この分析によると、生成物は1分子当たり約3つの置換基を 有した。実施例2 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液中のγ-シクロデキストリンのエピクロロヒ ドリンによるアルキル化;高頻度の置換 本実験は、多量の水酸化カルシウム(4.63g、62ミリモル)およびエピクロロ ヒドリン(8.8ml、111ミリモル)が使われた以外は、実施例1に記載のように実 施された。生成物は非常に僅かに変色した白色粉末(8.04g)であった。この生 成物の僅かな変色はアルカリ性縮合中に形成されたエピクロロヒドリン由来化合 物の異性化および縮合に起因する。変色は、エピクロロヒドリンを添加する前に 少量のホウ化水素ナトリウムを反応混合物に添加することにより改善され得る。 クロマトグラフィーによる生成物の分析により、ポリマー成分が存在しないこ とが明らかになった。生成物はRf値0.06〜0.56の連続したスポットを形成した; γ-シクロデキストリンは同条件下でRf値0.29を有した。 質量スペクトル分析がFAB法で実施される場合、明確に帰属し得たピークは以 下だけであった:m/z 1466,2%、3つのグリセロール環状ジエーテル基;m/z1 484,2%、2つのグリセロール環状ジエーテル基および1つのグリセロールモ ノエーテル基;m/z 1503,1%、1つのグリセロール環状ジエーテル基および2 つのグリセロールモノエーテル基;m/z 1540,6%、3つのグリセロール環状ジ エーテル基および1つのグリセロールモノエーテル基;m/z 1558,4%、2つの グリセロール環状ジエーテル基および2つのグリセロールモノエーテル基;m/z 1614,8%、3つのグリセロール環状ジエーテル基および2つのグリセロールモ ノエーテル基。スペクトルはさらに明確に帰属できない18ピークを含んだ(m/z 値が1540〜1931)。平均分子量は1671と計算された。γ-シクロデキストリンは 検出されなかった。好ましい環の比率1.02は、(3つのグリセロール環状ジエー テル基および1つのグリセロールモノエーテル基)および(2つのグリセロール 環状ジエーテル基および2つのグリセロールモノエーテル基)を含む種を使用し て計算された。 1個および2個のシクロデキストリンユニットを含む種についての生成物の分 析のために、MALDI法でのスペクトルを記録した。このスペクトルにおいて1分 子当たり1個のシクロデキストリン環を含む成分の分子イオン領域の分析により FAB法およびMALDI法によって得られた結果の比較が可能になった。MALDI法では 、平均分子量は1606(ナトリウム補正後)であるのに対し、FAB法では1671であ った。MALDIでは、ベースピーク(M+Na)+はm/z 1637であった;これは明らかにFA B法で上に記載した1614の(M+H)+ベースピークを形成した成分と同じであった。 2個のシクロデキストリン環を含む成分の分子イオン領域において、28個のピー クがあり、そのどれもが、明確に帰属できなかった;ベースピークはm/z 3202を 有した。MALDIデータから、1分子当たり2個のシクロデキストリンユニットを 含む成分の平均分子量は3348であった。1個のシクロデキストリンを含む成分の 100分子について、2個のシクロデキストリン環を含む成分の22分子があった。 言い換えれば、混合物が1分子あたり1個または2個のシクロデキストリン環の 成分から全体的になると仮定する場合、前者は重量で68%を表す。 実施例3 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液でのβ-シクロデキストリンのエピクロロヒ ドリンによるアルキル化;高頻度の置換 実施例2の記載と同じ手順をβ-シクロデキストリンについて使用し、そして 生成物7.556gを得た。クロマトグラフィー分析は、生成物においてポリマー成分 は存在しないことを示した。 FAB法で測定した質量スペクトルから、平均分予量は1463であると計算された ;好ましい環比率は、(1)3つのグリセロール環状ジエーテル基および1つの グリセロールモノエーテル基ならびに(2)2つのグリセロール環状ジエーテル 基および2つのグリセロールモノエーテル基を有する種のピークを使用した計算 によると1.42であった。 実施例4 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液におけるα-シクロデキストリンのエピクロ ロヒドリンによるアルキル化;高頻度の置換 実施例2の記載と同じ手順をα-シクロデキストリンに使い、そして7.484gの 生成物を得た。クロマトグラフィーによる分析でポリマー種の非存在を確認した 。 FAB法による質量スペクトルはm/z 1160でのベースピークを有し、平均分子量 は1204であった。好ましい環比率は、3つのグリセロール環状ジエーテル基およ び1つのグリセロールモノエーテル基ならびに2つのグリセロール環状ジエーテ ル基および2つのグリセロールモノエーテル基で置換された種を使用した計算に よると0.79であった。 実施例5 水酸化カルシウムでその水溶液をゲル化した後におけるγ-シクロデキストリン のエピクロロヒドリンによるアルキル化 γ-シクロデキストリン(10g)を水(100ml)に溶解し、そしてボールミルの 容器中に入れた水酸化カルシウム(4.63 g、62.5ミリモル)に添加した。得られ た懸濁液は数分でゲルに変換した。次にエピクロロヒドリン(8.8ml)およびボ ールミルのボールを加え、そして容器を一晩回転した。この時間中、ゲルは薄い 懸濁液に変わった。実施例1に記載のプロセスに類似した処理により生成物8.29 9gを得た。 クロマトグラフィー分析により、生成物は数個のシクロデキストリン部分を有 するいくつかの種を有するが、本当のポリマー分画を有しないことを示した。FA B法での質量スペクトルはm/z 1670のベースピークを有した。平均分子量は1669 であった;γ-シクロデキストリンは検出しなかった。好ましい環比率は、(1 )3つのグリセロール環状ジエーテル基および1つのグリセロールモノエーテル 基ならびに(2)2つのグリセロール環状ジエーテル基および2つのグリセロー ルモノエーテル基で置換した種を使用して計算され、0.77であるとわかった。 実施例6 水酸化ナトリウムの希釈水溶液におけるγ-シクロデキストリンのエピクロロヒ ドリンによるアルキル化 室温で水酸化ナトリウム水溶液(2.5%)中のγ-シクロデキストリン溶液にエ ピクロロヒドリンを加える縮合によってRf値0.19〜0.47の生成物を得た。FAB質 量スペクトルにより、2峰性の分布を得、最も強いピークは、それぞれm/z 1450 およびm/z 1672にあった。好ましい環比率は、(1)3つのグリセロール環状ジ エーテル基ならびに(2)2つのグリセロール環状ジエーテル基および1つのグ リセロールモノエーテル基で置換した種を使用して計算され、0.72であるとわか った。 実施例7 水酸化ナトリウム溶液を徐々に加えた水性エマルジョンにおけるγ-シクロデキ ストリンのエピクロロヒドリンによるアルキル化 非常に反応性に富むアルキル化剤により、消費されるよりも遅い速度で塩基を 加える単純な装置を用いて反応混合物の塩基性度を一定でかつ最低有効値に保ち 得る。これは、本実施例においてγ-シクロデキストリン(9%)水溶液中のエ ピクロロヒドリンの非常に速く撹拌中のエマルジョンに、水酸化ナトリウム水溶 液を非常にゆっくりと添加すること(合計3時間)により行われた。条件は、実 施例6に類似した。分子イオン領域のFAB質量スペクトルは、m/z 1855にベース ピークを有する一峰性分布を示した。 実施例8 インサイチュで形成した水酸化物の存在下または緩衝塩の存在下で実施されたγ -シクロデキストリンのエピクロロヒドリンによるアルキル化 この調製では、エピクロロヒドリンを水中でγ-シクロデキストリン、塩化カ ルシウムおよび水酸化ナトリウムから形成したゲルに加えた;生成物はRf値0.18 -0.47を有した。FAB質量スペクトルはm/z 1466にベースピークを有する一峰性の 分布を示した。好ましい環比率は、(1)3つのグリセロール環状ジエーテル基 および1つのグリセロールモノエーテル基ならびに(2)2つのグリセロール環 状ジエーテル基および2つのグリセロールモノエーテル基で置換した種を使用し て計算され、0.82であるとわかった。 類似の実験を、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウムまたはケイ酸 を塩化カルシウムの代わりに使用して行った;生成物は薄層クロマトグラフィー で試験し、上記実施例に記載のものに類似したパターンを得た。実施例9 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液中でのγ-シクロデキストリンの1,2-ジクロ ロエタンによるアルキル化 水(100ml)中のγ-シクロデキストリン(10 g、55ミリモルのグルコピラノシ ル残基)および水酸化カルシウム(8.214g、111ミリモル)の沸騰中の撹拌懸濁 液に、1,2-ジクロロエタン(8.8ml,111ミリモル)を環流冷却器を通じて加えた 。環流および撹拌を21時間継続した。反応混合物を加熱しながら濾過し(冷却す ると、ゲルが形成される)、標準方法で処理した。生成物を粉砕して白色粉末(6 .014g)を得た。クロマトグラフィー分析により、2つの主な種:Rf値が0.29のγ -シクロデキストリンおよびRf値が0.39の化合物の存在を示した。これらの種は 明らかに、活性化剤を用い、そして実施例10に記載された反応で得られたもの と同一であった。 実施例10 活性化剤を用いた水酸化カルシウムの環流水性懸濁液中でのγ-シクロデキスト リンによるアルキル化 置換を増加させる試みにおいて、実施例9の実験を繰り返した。但し、塩化ア ルキルによるアルキル反応の活性化剤であるヨウ化カリウム(3.686 g、22ミリ モル)を加えた。撹拌と環流を合計で53時間継続した;処理(実施例1のように )により、生成物を5.025g得た。 クロマトグラフィー分析により、再び、2つの主な成分;Rf値0.24のγ-シク ロデキストリンおよびRf値0.34の化合物の存在を示した;さらに、5つの少量の 成分を検出し、Rf値は以下であった:0.11,0.17、0.28、0.40、および0.47。 FAB法で測定した質量スペクトルにより、以下の成分の存在を示した:m/z1298 ,18%、(置換基なし);m/z 1324,12%、(1つのエチレングリコール環状ジ エーテル基);m/z 1336,13%、(1つのエチレングリコールモノエーテル基) ;m/z 1350,5%、(2つのエチレングリコール環状ジエーテル基);m/z 1362 ,8%、(1つの2-クロロエチルエーテル基);および(1つのエチレングリ コール環状ジエーテル基および1つのエチレングリコールモノエーテル 基);m/z 1390,5%、(2つのエチレングリコールモノエーテル基);m/z143 2,4%、(未同定);m/z 1450,19%、(1つのヨードエチルエーテル基);m /z 1476,12%、(1つのエチレングリコール環状ジエーテル基および1つのヨ ードメチルエーテル基);m/z 1502,3%、(2つのエチレングリコールジエー テル基および1つのヨードエチルエーテル基)。 実施例11 活性剤を用いた水酸化カルシウムの環流水性懸濁液中でのβ-シクロデキストリ ンまたはα-シクロデキストリンの1,2-ジクロロエタンによるアルキル化 これらのシクロデキストリンを、実施例10のγ-シクロデキストリンと同様 に誘導体化した。MALDI法で測定したβ-シクロデキストリンの生成物の質量スペ クトルは、以下のピークを有した:m/z 1160,14%、(置換基なし);m/z 1175 ,11%、おそらく(1つのエチレングリコールモノエーテル基)のH+イオンであ る;m/z 1186,32%、(1つのエチレングリコール環状ジエーテル基);m/z 12 13,17%、(2つのエチレングリコール環状ジエーテル基);m/z 1227,15%、 (1つのクロロエチルエーテル基);m/z 1239,6%、(3つのエチレングリコ ール環状ジエーテル基);m/z 1252,5%、(2つのエチレングリコール環状ジ エーテル基および1つのエチレングリコールモノエーテル基)。 α-シクロデキストリンから得た生成物の質量スペクトルはFAB法で測定し、そ して以下のピークを有した:m/z 974,50%、(置換基なし);m/z 1000,18% 、(1つのエチレングリコール環状ジエーテル基);m/z 1014,9%、(1つの エチレングリコールモノエーテル基);m/z 1066,9%、(2つのエチレングリ コールモノエーテル基);m/z 1106,1106 7%、(おそらくマトリックスであ る);m/z 1198,7%、(おそらくマトリックスである)。 実施例12 圧力釜での水酸化カルシウム過熱水性懸濁液でのγ-シクロデキストリンの1,2- ジクロロエタンによるアルキル化 γ-シクロデキストリン(20g、グルコピラノシル残基111 ミリモル)、水(2 00ml)、1,2-ジクロロエタン(36 ml 45.2g、457ミリモル)、水酸化カルシウム (17.6 g、237ミリモル)およびホウ化水素ナトリウム(0.4 g、10ミリモル)を ステンレス鋼圧力釜に入れた。釜を閉じ、そして110℃〜120℃に加熱した油浴に 入れ、そして内容物を磁気撹拌器で24時間撹拌した。反応混合物を、脱色を活性 炭で行った以外は実施例1と類似の方法で処理した;収量は25.1gでほとんど無 色の粉末であった。 生成物をアルジトールアセテート分析にかけ、以下の結果を得た:未置換のグ ルコース80%;エチレングリコール環状ジエーテル基で置換されたグルコース13 .5%;エチレングリコールモノエーテルで置換されたグルコースの:0-2におい て3.1%、0-3において1.6%、0-6において 0.6%。これらのデータから、全置換 の98%は第二級水酸基で生じ、そして可能な分子内架橋の75%が生じたことが計 算され得る。 実施例13 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液におけるγ-シクロデキストリンの1,2-ジブ ロモプロパンによるアルキル化 γ-シクロデキストリン(10 g、グルコピラノシル残基55ミリモル)を、1,2- ジブロモプロパン(11.6 ml、 1l1ミリモル)と実施例10に記載の方法で縮合 した。但し、活性化剤を使用せずそして環流時間は70時間であった。粉砕後の生 成物は白い粉末(2.547 g)であった。 クロマトグラフィー分析により、γ-シクロデキストリン(Rf値 0.29)に加え て、Rf値が0.17、0.37、0.44の3つの主成分およびRf値が0.54の少量生成物の存 在が明らかになった。 MALDI法で測定された質量スペクトルは以下のピークを有した:m/z 1322,43 %、γ-シクロデキストリン(置換基なし);m/z 1362,33%、(1つのプロピ レングリコール環状ジエーテル基);m/z 1379,13%、(1つのプロピレングリ コールモノエーテル基);m/z 1440,5%、(2つのプロピレングリコール環状 ジエーテル基);m/z 1439,6%、(3つのプロピレングリコール環状ジエーテ ル基および1つのブロモプロピルエーテル基)。 この生成物は、無水ジメチルスルホキシド中に溶解した後、水酸化ナトリウム 粉末および過剰ヨウ化メチルによる逐次処置により、スムーズに過メチル化した 。水による反応混合物の分解の後、生成物をクロロホルム中に抽出した。抽出物 は、乾燥および蒸発させて乾燥にした後、無色のガラス状の生成物を生じた。 実施例14 有機溶媒中の1,2-ジクロロエタンによるα-シクロデキストリンのアルキル化 α-シクロデキストリンを120℃(物質中で直接測定した)で約1時間かけて脱 水した。乾燥α-シクロデキストリン(1.8 g、11ミリモル)を無水ジメチルホル ムアミド(20 ml)に添加し、そして懸濁液を環流および撹拌した。その後、水 酸化カルシウム(1.64 g、22ミリモル)を加え、続いて1.2-ジクロロエタン(3. 5 ml、 48ミリモル)を加えた。環流および撹拌を12時間継続した;次いで懸濁 液を濾過し、褐色の溶液を得た。真空中で乾燥に蒸発させた後、残渣を水(20ml )および酢酸(2ml)の溶液に溶解した。活性炭およびセルロース粉末を加え、 そして懸濁物を実施例のように処理した。蒸発によりガラス状の残渣を得、これ を粉砕して褐色の粉末(0.495g)を得た。 クロマトグラフィー分析により、水性媒体を用いたときと同様の成分の存在を 明らかにした。さらに、Rf値がより低い少量成分もいくつか存在した。 実施例15 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液中のヨウ化メチルによるγ-シクロデキスト リンのアルキル化 γ-シクロデキストリン(10 g、グルコピラノシル残基55ミリモル)および水 酸化カルシウム(4.11 g、55 ミリモル)を水(100ml)に加え、そして懸濁液を 撹拌して環流まで加熱した。加熱中、ヨウ化メチル(6.9 ml、111ミリモル)を 環流冷却器を通じて滴下添加した。添加は1時間を必要とした;環流および撹拌 をさらに2時間継続した。次いで、混合物を一晩放置した。混合物を実施例1と 同様に処置し、6.701gの白色物質を得た。アルキル置換基で置換されたシクロデ キストリンは、用いられたクロマトグラフィー系により、置換基の数に従ってよ く分離されることが知られている。未置換のγ-シクロデキストリンからペンタ メチル種までの6つの成分が、明確に検出された;それぞれのRf値は0.29、0.35 、0.44、0.52、0.6、 0.70であった。最も強いスポットはモノメチルおよびジメ チルγ-シクロデキストリンのものであった。さらに、生成物をアルジトールア セテート分析にかけ以下の結果を得た:未置換グルコース77.1%、2-0-メチルグ ルコース 19%、3-0-メチルグルコース 4.6%、6-O-メチルグルコース 0.9%、2 ,3-ジ-0-メチルグルコース 0.9%、2,3-0-ジメチルグルコース 0.2%、および2, 6-0-ジメチルグルコース 0.6%。これらのデータから、平均置換度は2メチル分 子であり、そして96%の置換基が第二級水酸基上にあると計算された。 実施例16 水酸化カルシウムの環流水性懸濁液中でのγ-シクロデキストリンの3-クロロ-2- メチルプロペンによるアルキル化 環流が16時間であったこと以外は実施例15と同じ条件を使用した。生成物は 、γ-シクロデキストリンに加えて、モノ置換およびジ置換誘導体を含んだ。 実施例17 水酸化カルシウムを用いてその水溶液をゲル化した後のジエチルアミノエチルク ロリドによるγ-シクロデキストリンのアルキル化 ボールミル容器中の水(30ml)の水酸化カルシウム懸濁液に、γ-シクロデキ ストリン(10 g、グルコピラノシル残基111ミリモル)の熱水溶液(30ml)を加 えた。ゲル形成後、水(40 ml)中のジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(15. 65 g、91ミリモル)およびミルボールを加え、回転を始めた。1時間の回転後、 ゲルが液状化した;回転をさらに12時間続けた。濾過による処置、透析および蒸 発により8.555 gのわずかに黄色のガラス状物質を得た。 クロマトグラフィー分析により、生成物はRf値が0〜0.14の主成分およびRf値 が0.3までに広がった少量の成分を含んでいたことが明らかになった。 FAB法で測定した質量スペクトルは、多数のピークを含んでおり、分析後、γ- シクロデキストリンの予測されたシリーズのモノからウンデカ誘導体の存在が明 らかになった。これらの成分の各々は、中和の度合いにより分け、いくつかの種 として質量スペクトルで表された。γ-シクロデキストリンのピークは検出され なかった。観察された数多いピークのうち、最も突出したピークだけを挙げる: m/z 1495,6%、(2つのジエチルアミノエチル基);m/z 1595,8%、(3つ のジエチルアミノエチル基);m/z 1730,9%、(4つのジエチルアミノエチル 基および1つの塩化物イオン)、m/z 1829,16%、(5つのジエチルアミノエチ ル基および1つの塩化物イオン);m/z 1927,12%、(6つのジエチルアミノエ チル基および1つの塩化物イオン);m/z 2064,14%、(7つのジエチルアミノ エチル基および2つの塩化物イオン);m/z 2162,11%、(8つのジエチルアミ ノエチル基および2つの塩化物イオン);m/z 2299,11%、(9ジエチルアミノ エチル基および3つの塩化物イオン);m/z 2434,8%、(10ジエチルアミノエ チル基および4つの塩化物イオン);m/z 2534,5%、(11ジエチルアミノエチ ル基および4つの塩化物イオン)。これらのデータから計算された平均置換度は 、1分子当たり6.5個近くの置換基である。 実施例18 水酸化カルシウムを用いてその水溶液をゲル化した後の1,3-プロパンスルトンに よるγ-シクロデキストリンのアルキル化 実験は実施例17に記載のように行ったが、ジエチルアミノエチルクロリドの 代わりに1,3-プロパンスルトン(11.087 g、91ミリモル)を使用し、そして透析 前に、硫酸ナトリウム(19.88 g、140ミリモル)をカルシウムイオンとナトリウ ムイオンとの交換を促進するために加えた。生成物は、粉砕後に白色粉末になり 、10.856 gの重量であった。 クロマトグラフィー分析により、生成物の中にγ-シクロデキストリンの無い ことおよびRf値が0.03〜0.28の連続したスポットを有したことが明らかになった 。 質量スペクトルをMALDI法で測定した。γ-シクロデキストリンに帰属したピーク は存在しなかった。以下に記したピークはC3H6O3SNa置換基で数を増加させなが ら置換されたγ-シクロデキストリンのナトリウムイオンに対応し、スルホン酸 塩として以下に示される:m/z 1464,8%、(1つのスルホネート基);m/z 16 07,11%(2つのスルホネート基);m/z 1751,10%、(3つのスルホネート基 );m/z 1895,24%、(4つのスルホネート基);m/z 2039,25%、(5つのス ルホネート基);m/z 2183,13%、(6つのスルホネート基);m/z 2327,5% 、(7つのスルホネート基);m/z 2471,4%、(8つのスルホネート基)。こ れらのデータから、平均置換度は、1分子当たり4.5個と計算された。 実施例19 水酸化カルシウムの水性懸濁液中でのアセチル化による、または水酸化カルシウ ムによって完全にアセチル化したシクロデキストリンの加水分解による、部分的 にアセチル化したシクロデキストリンの調製 熱水中(16ml)のα-シクロデキストリン(5g、グルコピラノシル残基27ミリ モル)の撹拌中の溶液に、水酸化カルシウム(8.15 g、110ミリモル)を加えた 。懸濁液を氷浴に置いた。強固なゲルが形成した後、無水酢酸(acetanhydride )(12.2ml、110ミリモル)を加えた。そして、フラスコを激しく振った。発熱 性反応が発生し、フラスコの内容物が粉状固体に変換した。氷をフラスコに加え た。粉末は溶解し、pH6の溶液が生じた。次いで、溶液をクロロホルム(25ml) で抽出し、冷水に対して2時間透析し、脱イオン化樹脂で処理し、濾過し、そし て蒸発した。得られた残渣(6.04g)は、クロマトグラフィー分析により、いく つかのα-シクロデキストリン(Rf値0.33)およびその低頻度の置換(Rf値 0.41 -0.65)の部分アセテートを含むことが示された。クロロホルム抽出物の乾燥お よび蒸発により、Rf値が0.65〜0.79の高頻度置換のα-シクロデキストリンの部 分アセテート(85mg)を得た。完全にアセチル化されたシクロデキストリンは0. 85〜0.9のRf値を有し、そして水酸化カルシウムの作用により容易に加水分解す る。 実施例20 2工程手順による環状ジエーテル置換を有するシクロデキストリン誘導体の調製 実施例16に記載されたように調製した2-メチルプロペン-3-イル置換基を有 するγ-シクロデキストリン誘導体の混合物(2g)を撹拌しながらトリフルオロ 酢酸(10ml)に加えた。溶解完了後、溶液を一日放置し、真空中で乾燥状態にな るまで蒸発し、次いで、沸騰水浴中に数分間保持した。残渣を濃縮アンモニア水 (10ml)で処理し、再び乾燥状態に蒸発し、そして水に溶解した。小分子量成分 を水に対する透析により除去し、そして溶液を濾過し、そして再び乾燥状態に蒸 発した。生成物は粉砕後、白色粉末(0.81 g)であった。クロマトグラフィー分 析により、2-メチルプロペン-3-イル置換基を有する出発物質は存在しないこと が明らかになった。分子内環状化による融合2,2-ジメチル-1,4-ジオキサン環を 含む生成物への変換が生じたと仮定され得る。 実施例21 強固に拡張した空洞を有するシクロデキストリン誘導体を含む樹脂の調製 グリセロール環状ジエーテル基を含むβ-シクロデキストリンの水溶性誘導体( その調製が実施例2に記載された)を以下のように水に不溶性の樹脂に変換した :撹拌および加熱(90℃)中の界面活性剤(Triton X100、約0.5 g)のトルエ ン溶液に、熱水(1 ml)中のシクロデキストリン誘導体(0.5 g)および水酸化 ナトリウム(0.1 g)の溶液を加えた。加熱をさらに1時間続けた。室温に冷却 した後、トルエンを、容器の壁に皮のように接着した生成物からデカントした。 この皮をメタノール、アセトンおよび水でよく洗浄し乾燥した後、ガラス状の固 体(0.422 g)が得られ、これは簡単にスパーテルで粉末に粉砕し得た。 実施例22 シクロデキストリン誘導体による薬剤の可溶化および安定化ならびに薬学的使用 のためにこれらの誘導体の適合性を確立する結果 水に低溶解性の化合物を水または水溶液中に懸濁する。シクロデキストリン誘 導体を溶解されるべき化合物の重量の約10倍量で加え、そして懸濁液またはエマ ルジョンを数時間にわたり激しく撹拌した。その後、不溶物を濾過または遠心で 除去し、シクロデキストリン誘導体の複合体の透明な溶液を得た。 シクロデキストリン誘導体(実施例1に記載のプロセスでβ−シクロデキスト リンおよびエピクロロヒドリンから調製した)の10%水溶液の溶解能を同じ強度 のヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンの溶液の溶解能と比較した。溶解 能は百分率で表し、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン溶液での溶解度 を100とした。水溶性が限定された一連の薬剤について以下の結果が得られた: ブデノシド(93%)、ドンペリドン(110%)、フロセミド(71%)、ヒドロコ ルチゾン(61%)、イブプロフェン(160%)、ケトナゾール(94%)、ピロキ シカム(86%)、テルフェナジン(133%)およびテストステロン(42%)。上 記の複合体を固体で所望する場合、凍結乾燥して水分を除去し得る。 シクロデキストリンの上記誘導体はまた、包接複合体の形成により、ペプチド およびタンパク質の水溶液を安定化し得る。これらの効果は溶液中のインシュリ ンを放置して自発的に凝集および沈澱する実験で評価した。保護剤がまったくな い場合は、45%のインシュリンだけが非凝集および水溶性形態で残った。5%( 重量/重量)の実施例1に従って調製された誘導体の添加で、α-デキストリン からはこの百分率は97%に増加し、β-デキストリンからは96%に増加し、そし てγ-シクロデキストリンからは82%に増加した。これらの結果は、ヒドロキシ プロピルα-シクロデキストリン(68%)、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキス トリン(84%)およびヒドロキシプロピルγ-シクロデキストリン(66%)で得 られた結果より優れている。実施例1の方法で調製した生成物から作製された上 記溶液は、皮膚、眼に対して、または皮下注射によって刺激を引き起こさなかっ た。 技術上の目的で、水難溶性の物質の可溶化および安定化は同様な方法で達成し 得る。水不溶性シクロデキストリン樹脂による水溶液からの親油性化合物の吸収 は樹脂層を通じて簡単に濾過することで達成し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.シクロデキストリンを含む物質の組成物であって、ここで該シクロデキスト リン分子の少なくとも10%は、それらの第二級水酸基が-CH2-CH2-または-CH2-CH (CH3)-または-CH2-CH(CH2OH)-または-CH2-C(CH3)2-基によって結合されて、ジオ キサン環を含む環状生成物を形成する、組成物。 2.前記ジオキサン置換シクロデキストリン分子の少なくとも70%がただ1つの シクロデキストリン部分を含む、請求項1に記載の組成物。 3.前記シクロデキストリン分子の30%〜60%は、それらの第二級水酸基の2つ が、-CH2-CH2-または-CH2-CH(CH3)-または-CH2-CH(CH3)-または-CH2-C(CH3)2-基 によって結合されて、ジオキサン環を含む環状化合物を形成する、請求項1に記 載の組成物。 4.メチル化されたデキストリンの混合物を含む物質の組成物であって、ここで メチル基の65%〜96%が第二級水酸基にある、組成物。 5.置換シクロデキストリンを調製する方法であって、以下の工程を含む、方法 : (1)シクロデキストリンおよびアルキル化剤を適切な溶媒に溶解する工程、 (2)工程(1)で得られた組成物に塩基を徐々に加える工程。 6.前記アルキル化剤が1分子当たり2つのアルキル化部分を有する、請求項5 に記載の方法。 7.前記アルキル化剤が1分子当たり1つのアルキル化部分を有する、請求項5 に記載の方法。 8.前記水酸化ナトリウムが塩基として使用される、請求項5に記載の方法。 9.前記アルキル化剤がエピクロロヒドリンおよび近接のジハライドの中から選 択される、請求項6に記載の方法。 10.シクロデキストリン、アルキル化剤、および水酸化カルシウム、水酸化マ グネシウム、カルシウムまたはマグネシウムの塩、ケイ酸塩、亜鉛酸塩、または アルミン酸塩の中から選択される少なくとも一つの試薬を含む物質の組成物。 11.置換シクロデキストリンを調製する方法であって、以下の工程を含む、方 法: (1)シクロデキストリンを水に僅かにしか溶解しない塩基と混合する工程、 (2)アルキル化剤またはアシル化剤を工程(1)で得られた混合物に加える 工程、および (3)工程(2)で得られた生成物を撹拌する工程。 12.前記使用される塩基が水酸化カルシウムである、請求項11に記載の方法 。 13.前記使用される塩基が水酸化マグネシウムである、請求項11に記載の方 法。 14.前記アルキル化剤がエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドである、 請求項12に記載の方法。 15.前記反応混合物が撹拌中または撹拌前に加熱される、請求項11に記載の 方法。 16.前記シクロデキストリンおよびアルキル化剤が、塩基を徐々に添加する前 に、少なくとも1つのアルカリ塩と混合される、請求項5に記載の方法。 17.前記塩がカルシウム塩またはマグネシウム塩である、請求項16に記載の 方法。 18.前記塩がアルミン酸塩、ケイ酸塩、または亜鉛酸塩の中から選択される、 請求項16に記載の方法。 19.水溶性に不充分または水に不安定な薬剤と、請求項1に記載のシクロデキ ストリン誘導体との包接複合体を含む薬学的調製物。 20.水溶性に不充分または水に不安定な薬剤と、請求項4に記載のシクロデキ ストリン誘導体との包接複合体を含む薬学的調製物。 21.請求項1に記載の置換基を有する架橋シクロデキストリンを含む水不溶性 樹脂。 22.前記撹拌がボールミルで行われる、請求項11に記載の方法。 23.ジオキサン環で置換されたシクロデキストリン分子。 24.ジオキサン環で置換されたシクロデキストリンと薬品との包接複合体を薬 学的に受容可能なキャリアに含む組成物。 25.メチル化シクロデキストリン包接複合体および薬品の混合物を薬学的に受 容可能なキャリアに含む物質の組成物であって、ここでメチル基の65%から96% が第二級水酸基にある、組成物。
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