JP2000352493A - 樹脂コーティングパイプ - Google Patents

樹脂コーティングパイプ

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JP2000352493A
JP2000352493A JP2000133025A JP2000133025A JP2000352493A JP 2000352493 A JP2000352493 A JP 2000352493A JP 2000133025 A JP2000133025 A JP 2000133025A JP 2000133025 A JP2000133025 A JP 2000133025A JP 2000352493 A JP2000352493 A JP 2000352493A
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resin
pipe
coating layer
resin coating
pipe material
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JP2000133025A
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Jun Hirano
旬 平野
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Hit Kogyo KK
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Hit Kogyo KK
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂コーティングパイプを被嵌合部材に挿入可
能にするべくマスキングして形成される挿入部における
腐食の発生を防止する。 【解決手段】本発明に係る樹脂コーティングパイプは、
パイプ材料6の端部付近の外周面を所定の長さに亘って
マスキングし、上記パイプ材料6の表面の残る部分に樹
脂コーティング層7を形成し、マスキングした部分を被
嵌合部材の内径部に密に挿入するための挿入部8とした
樹脂コーティングパイプにおいて、上記樹脂コーティン
グ層7の端部に、挿入部8のパイプ材料6表面をカバー
し、かつ挿入部8と共に上記被嵌合部材の内径部に嵌合
可能な樹脂係合部17を形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の燃料フィ
ラーパイプ等に多用される樹脂コーティングパイプに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、自動車の燃料タンクと燃料フィ
ラーパイプを示す斜視図である。燃料タンク1は自動車
の車体低部に設置され、燃料フィラーパイプ2はボディ
ー外板に設けられる燃料給油部3と燃料タンク1との間
を結ぶように配設される。燃料フィラーパイプ2の途中
にはゴム等の弾性材料で形成された弾性パイプ4(被嵌
合部材)が接続され、この弾性パイプ4の弾力によって
燃料給油部3と燃料タンク1の相対位置の誤差(ずれ)
や振動が吸収されるようになっている。
【0003】燃料フィラーパイプ2の材料としてはステ
ンレスパイプのような耐食性に優れるものが好ましい
が、ステンレスパイプは高価な上に曲げ等の加工性に乏
しいため、一般には安価で加工性の良い鋼製パイプの表
面にメッキやカチオン電着塗装等の表面処理を施したパ
イプ材料が燃料フィラーパイプ2の材料として用いられ
ている。このような鋼製のパイプ材料は、曲げ加工等を
施された後、さらにその表面にポリエチレン等の樹脂コ
ーティング層が形成されて樹脂コーティングパイプとさ
れ、その耐食性が格段に高められて使用される。
【0004】このような樹脂コーティングパイプにおけ
る樹脂コーティング層の形成方法としては、例えば粉末
状の樹脂材料をパイプ材料の表面に静電付着させてから
パイプ材料を加熱し、樹脂材料を溶融させて樹脂コーテ
ィング層を形成する方法や、予め加熱したパイプ材料に
粉末状の樹脂材料をまぶして付着させ、その後さらにパ
イプ材料を加熱して樹脂コーティング層を形成する方法
等がある。
【0005】しかし、上記のいずれの方法も樹脂コーテ
ィング膜の膜圧が0.3mm以上と厚くなり、この厚い
樹脂コーティング層を燃料フィラーパイプ2の端部にま
で施すと弾性パイプ4への挿入が困難になるため、燃料
フィラーパイプ2の端部付近の外周面を所定の長さに亘
ってマスキングし、樹脂コーティング層が形成されない
ようにする必要がある。
【0006】従来では、先ず図8に示すように耐熱ゴム
等の材質で略筒状(カップ状)に形成されたマスキング
部材5をパイプ材料6の端部に嵌め込み、次に図9に示
すようにパイプ材料6の表面の残る部分に粉末状の樹脂
材料を付着させて加熱処理を行い樹脂コーティング層7
を形成し、最後にマスキング部材5を取り外して燃料フ
ィラーパイプ2を完成させ、図7および図9,10に示
すようにマスキングされていた部分を挿入部8として弾
性パイプ4の内径部に挿入していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料フ
ィラーパイプ2の挿入部8を弾性パイプ4の内径部に挿
入した後には、弾性パイプ4自体の収縮現象や車両走行
振動等の影響を受けて弾性パイプ4が挿入部8から抜け
る方向に少しずれることが多く、その結果、図10中に
示すようにコーティング層7の端部と弾性パイプ4との
間に隙間Cが発生する。この隙間Cの部分ではコーティ
ング層7の形成されていない挿入部8(パイプ材料6の
地肌)が外部に露呈され、しかも隙間Cに水分が浸入し
やすいため、隙間Cの部分から燃料フィラーパイプ2が
腐食する可能性が高かった。
【0008】本発明は、この問題点を解決するためにな
されたもので、樹脂コーティングパイプを被嵌合部材に
挿入可能にするべくマスキングして形成される挿入部に
おける腐食の発生を防止するとともに、樹脂コーティン
グパイプと被嵌合部材との接続作業性を向上させること
のできる樹脂コーティングパイプを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る樹脂コーティングパイプは、請求項1
に記載したように、パイプ材料の端部付近の外周面を所
定の長さに亘ってマスキングし、上記パイプ材料の表面
の残る部分に樹脂コーティング層を形成し、マスキング
した部分を被嵌合部材の内径部に密に挿入するための挿
入部とした樹脂コーティングパイプにおいて、上記樹脂
コーティング層の端部に、上記挿入部のパイプ材料表面
をカバーし、かつ挿入部と共に上記被嵌合部材の内径部
に嵌合可能な樹脂係合部を形成したことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る樹脂コーティングパイ
プは、請求項2に記載したように、前記樹脂係合部を、
その肉厚が前記パイプ材料の端部に向かって薄くなるテ
ーパー断面状に形成した。
【0011】さらに、本発明に係る樹脂コーティングパ
イプは、請求項3に記載したように、前記樹脂コーティ
ング層と前記樹脂係合部との境界部に鍔状の環状突起を
形成した。
【0012】請求項1に記載した樹脂コーティングパイ
プによれば、樹脂コーティングパイプの挿入部を被嵌合
部材の内径部に挿入する際に、樹脂コーティング層の端
部に形成された樹脂係合部が挿入部と共に被嵌合部材の
内径部に嵌合され、樹脂係合部が被嵌合部材にオーバー
ラップする。
【0013】このため、樹脂コーティングパイプの使用
時に樹脂コーティング層の形成されていない挿入部のパ
イプ材料表面が外部に露呈されることがなく、また万一
被嵌合部材が挿入部から抜ける方向に多少ずれたとして
も、樹脂係合部の一部が外部に露出するだけで、挿入部
のパイプ材料の地肌が外部に露出することは防止される
ので、挿入部における腐食の発生を効果的に防止するこ
とができる。
【0014】また、請求項2の構成によれば、樹脂コー
ティングパイプの挿入部を被嵌合部材の内径部に嵌合す
る際に、テーパー断面状に形成された樹脂係合部が挿入
部と共に被嵌合部材の内径部に嵌合され易くなるため、
樹脂係合部をその根元部分まで確実に被嵌合部材の内径
部に嵌合可能にして挿入部における腐食の発生を防止す
るとともに、樹脂コーティングパイプと被嵌合部材との
接続作業性を向上させることができる。
【0015】さらに、請求項3の構成によれば、樹脂コ
ーティングパイプの挿入部を被嵌合部材の内径部に嵌合
する際に、被嵌合部材の端部が前記環状突起に当接する
まで挿入部を被嵌合部材の内径部に挿入すればよく、よ
って挿入部の挿入量が明確になり、この点でも樹脂コー
ティングパイプと被嵌合部材との接続作業性を向上させ
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1(A)〜(C)は本
発明に係る樹脂コーティングパイプ製造方法の第1実施
形態を示すもので、図7および図8〜図10に示した燃
料フィラーパイプ2の表面に樹脂コーティング層7を形
成すると同時に、燃料フィラーパイプ2の端部に樹脂コ
ーティング層7の形成されない挿入部8を設けるための
マスキング工程を示している。
【0017】燃料フィラーパイプ2の材料としては、従
来と同様に安価で加工性の良い鋼製のパイプ材料の表面
にメッキやカチオン電着塗装等の表面処理が施されたパ
イプ材料6が用いられる。なお、パイプ材料6の端部に
は環状に外径が拡げられた抜け止め部10が予め形成さ
れている。
【0018】このパイプ材料6の端部付近の外周面を所
定の長さに亘りマスキングして挿入部8を形成するため
のマスキング部材11は、図2(A),(B)にも示す
ように耐熱ゴム等の材質を用いて略筒状(カップ状)に
形成されている。このマスキング部材11の内径部には
入口側から順に成型加工部12、圧入部13、逃がし部
14が形成されている。
【0019】圧入部13の内径はパイプ材料6を軽く圧
入できる程度の寸法とされ、逃がし部14の内径はパイ
プ材料6端部の抜け止め部10を逃がせるように拡大さ
れている。また、成型加工部12は軸方向外側へ向かっ
て内径の拡がるテーパー状に形成されており、そのテー
パー角は30゜前後に設定されているが、場合に応じて
より浅い角度、または深い角度に設定してもよい。
【0020】パイプ材料6の端部に形成される挿入部8
の長さは、マスキング部材11の深さ、即ちマスキング
部材11の端面15から底面16までの長さによって決
定される。なお、逃がし部14の軸方向の長さはパイプ
材料6の抜け止め部10の長さよりも充分に長く取る必
要があるが、パイプ材料6に抜け止め部10が設けられ
ていない場合には逃がし部14を省略し、その分だけ圧
入部13を長く形成すればよい。
【0021】パイプ材料6の表面に樹脂コーティング層
7を形成するには、先ず図1(A)のようにマスキング
部材11をパイプ材料6の端部に嵌め込む。この時は、
パイプ材料6をマスキング部材11の奥までは挿入せ
ず、パイプ材料6の端部がマスキング部材11の底面1
6に当接するよりも少し手前で止める。この位置はマス
キング部材11の初期嵌合位置となる。
【0022】なお、パイプ材料6をマスキング部材11
の奥まで一旦挿入し、その後パイプ材料6を引いてパイ
プ材料6の抜け止め部10がマスキング部材11の圧入
部13と逃がし部14の段部にさしかかる位置が初期嵌
合位置になるように、予め逃がし部14の位置および長
さを設定しておけば、初期嵌合位置の割り出しが非常に
容易になり、作業性が向上する。
【0023】次に、図1(B)に示すように、パイプ材
料6の表面の残る部分に樹脂コーティング層7を形成す
る。樹脂コーティング層7は、前述したようにポリエチ
レン等の樹脂材料を粉末状にしたものをパイプ材料6の
表面に静電付着させてからパイプ材料6を加熱して樹脂
材料を溶融させたり、或いは予めパイプ材料6を加熱さ
せてから粉末状の樹脂材料をまぶして付着させ、その後
さらにパイプ材料6を加熱して樹脂材料を溶融させると
いうような手順で形成される。
【0024】このように粉末状の樹脂材料を溶融させる
ことによって樹脂コーティング層7が形成されたら、樹
脂コーティング層7が未だ高温で柔らかいうちに、図1
(C)に示すようにマスキング部材11を初期嵌合位置
から樹脂コーティング層7を形成した部分に向かって軸
方向に押圧し、パイプ材料6の端部がマスキング部材1
1の底面16に当接するまでマスキング部材11をスラ
イドさせる。
【0025】これにより、マスキング部材11は初期嵌
合位置から距離Sだけ移動し、同時にマスキング部材1
1の成型加工部12によって樹脂コーティング層7の端
部が加圧される。このため、未だ柔らかい樹脂コーティ
ング層7の端部が成型加工部12のテーパー形状に加圧
成型され、この部分に樹脂係合部17が形成される。
【0026】この樹脂係合部17は、その肉厚が樹脂コ
ーティング層7よりも薄く、かつパイプ材料6の端部に
向かって肉厚が薄くなるテーパー断面状に形成され、挿
入部8の基部におけるパイプ材料6の表面をカバーして
いる。この樹脂係合部17の形成と同時に、樹脂係合部
17の基部周囲にはマスキング部材11によって押し退
けられた樹脂材料により鍔状の環状突起18が形成され
る。
【0027】最後に、樹脂コーティング層7が硬化して
からマスキング部材11を取り外せば、樹脂コーティン
グパイプとしての燃料フィラーパイプ2が完成する。そ
して、図3に示すように燃料フィラーパイプ2の挿入部
8がゴム製の弾性パイプ4に挿入される。その際、図4
に拡大して示すように、樹脂コーティング層7の端部に
形成された樹脂係合部17が挿入部8と共に弾性パイプ
4の内径部に楔状に圧入され、環状突起18が弾性パイ
プ4の端面に当接する。
【0028】このように、燃料フィラーパイプ2の挿入
部8が弾性パイプ4に挿入された時に樹脂コーティング
層7の端部に形成された樹脂係合部17が挿入部8と共
に弾性パイプ4の内径部に嵌合され、樹脂係合部17が
弾性パイプ4にオーバーラップするため、樹脂コーティ
ング層7の形成されていない挿入部8のパイプ材料6表
面が外部に露呈されることがなく、挿入部8における腐
食の発生を効果的に防止することができる。
【0029】また、万一弾性パイプ4自体の収縮や車両
走行振動等の影響で弾性パイプ4が挿入部8から抜ける
方向に多少ずれたとしても、樹脂係合部17の一部が外
部に露出するだけで挿入部8のパイプ材料6の地肌が外
部に露出することは防止されるため、挿入部8における
腐食の発生が完全に防止される。
【0030】この第1実施形態において、樹脂係合部1
7は、樹脂コーティング層7の加熱形成の直後にマスキ
ング部材11をスライドさせ、マスキング部材11の成
型加工部12で樹脂コーティング層7の端部を加圧成型
することにより形成されるため、樹脂係合部17を樹脂
コーティング層7の端部全周に亘り均一かつ容易に形成
することができ、これによって燃料フィラーパイプ2の
挿入部8における腐食の発生を確実に防止することがで
きる。
【0031】また、樹脂係合部17が先端に向かって肉
厚の薄くなるテーパー断面状に形成されていることか
ら、挿入部8を弾性パイプ4の内径部に嵌合する際に、
樹脂係合部17が挿入部8と共に弾性パイプ4の内径部
に嵌合され易い。このため、樹脂係合部17をその根元
部分まで確実に弾性パイプ4の内径部に嵌合可能にし、
挿入部8における腐食の発生を防止するとともに、燃料
フィラーパイプ2と弾性パイプ4との接続作業性を向上
させることができる。
【0032】さらに、樹脂コーティング層7と樹脂係合
部17との境界部に鍔状の環状突起18が形成されてい
るため、挿入部8を弾性パイプ4の内径部に嵌合する際
に、弾性パイプ4の端部が環状突起18に当接するまで
挿入部8を弾性パイプ4の内径部に挿入すればよく、よ
って挿入部8の挿入量が明確になり、この点でも燃料フ
ィラーパイプ2と弾性パイプ4との接続作業性を向上さ
せることができる。
【0033】ところで、マスキング部材11の材質は耐
熱ゴムに限定されることはなく、ある程度の耐熱性と耐
反復使用性を持ち、かつ溶融した樹脂材料が癒着しにく
い材質であれば別なものでも構わない。なお、マスキン
グ部材11に油脂や離型剤等を塗布すれば樹脂材料の癒
着を効果的に防止することができる。
【0034】また、樹脂コーティング層7の加熱形成
後、樹脂コーティング層7が冷えて硬化した後でも、樹
脂コーティング層7の端部のみを再加熱して軟化させ、
マスキング部材11を嵌め込んでスライドさせる作業を
行えば後から樹脂係合部17を加圧成型することができ
る。
【0035】さらに、例えばマスキング部材11を保温
性の良い金属で形成し、この金属性のマスキング部材1
1を加熱して、硬化した樹脂コーティング層7の端部に
押し付けることにより、樹脂コーティング層7の端部を
マスキング部材11の熱で軟化させつつ樹脂係合部17
を加圧成型することもできる。
【0036】なお、この第1実施形態ではマスキング部
材11の成型加工部12がテーパー状に形成されている
が、必ずしもテーパー状にしなくてもよく、変形例とし
て、例えば圧入部13よりも僅かに内径を大きくして階
段状に形成してもよい。この場合、マスキング部材11
をスライドさせて樹脂コーティング層7の端部を加圧成
型すると、樹脂コーティング層7よりも肉厚が薄く、か
つ肉厚の一定な樹脂係合部17が形成される。このよう
に、樹脂係合部17が挿入部8と共に弾性パイプ4の内
径部に嵌合(オーバーラップ)可能な形状に形成されれ
ばよい。
【0037】一方、図5(A)〜(C)は本発明に係る
樹脂コーティングパイプ製造方法の第2実施形態を示す
ものである。この図に示すパイプ材料6は第1実施形態
と同様のものであり、このパイプ材料6の端部付近の外
周面を所定の長さに亘りマスキングして挿入部8aを形
成するためのマスキング部材11aは、やはり第1実施
形態と同様に耐熱ゴム等の弾性材料で略筒状に形成され
ている。このマスキング部材11aの内径部には入口側
から順に圧入部13a、逃がし部14aが形成されてい
るが、第1実施形態のマスキング部材11に設けられて
いる成型加工部12は形成されていない。
【0038】圧入部13aの内径はパイプ材料6の外周
に軽く圧入される程度の寸法とされ、逃がし部14aの
内径はパイプ材料6端部の抜け止め部10を逃がせるよ
うに拡大されている。この実施形態でも、パイプ材料6
の端部に形成される挿入部8aの長さは、マスキング部
材11aの深さ、即ちマスキング部材11aの端面15
aから底面16aまでの長さによって決定される。
【0039】パイプ材料6の表面に樹脂コーティング層
7aを形成するには、先ず図5(A)のようにマスキン
グ部材11aをパイプ材料6の端部に嵌め込む。この時
は、パイプ材料6をマスキング部材11aの奥までは挿
入せず、パイプ材料6の端部がマスキング部材11aの
底面16aに当接するよりも少し手前で止める。この位
置はマスキング部材11aの初期嵌合位置となる。
【0040】次に、図5(B)に示すように、パイプ材
料6の表面の残る部分に樹脂コーティング層7aを第1
実施形態と同様に溶融形成する。そして、樹脂コーティ
ング層7aが形成されたら、樹脂コーティング層7aが
未だ高温で柔らかいうちに、図5(C)に示すようにマ
スキング部材11aを初期嵌合位置から樹脂コーティン
グ層7aを形成した部分に向かって軸方向に押圧し、パ
イプ材料6の端部がマスキング部材11aの底面16a
に当接するまでマスキング部材11aをスライドさせ
る。
【0041】これにより、マスキング部材11aは初期
嵌合位置から距離Saだけ移動し、図6にも拡大して示
すようにマスキング部材11の圧入部13aが樹脂コー
ティング層7aの端部に乗り上げるため、未だ柔らかい
樹脂コーティング層7aの端部が圧入部13aの圧入圧
力により圧延され、この部分にパイプ材料6の端部に向
かって薄く延びる樹脂係合部17aが形成される。
【0042】この樹脂係合部17aの肉厚はパイプ材料
6の端部に向かって徐々に薄くなり、樹脂係合部17a
の基部周囲にはマスキング部材11aによって押し退け
られた樹脂材料により鍔状の環状突起18aが形成され
る。なお、弾性変形が可能なマスキング部材11aは、
その内外径が樹脂コーティング層7aの端部に乗り上げ
ることによって若干拡大する。
【0043】ここで、マスキング部材11aの圧入部1
3aの内径がパイプ材料6の外径に対してきつすぎる
と、マスキング部材11aのスライドと同時に樹脂コー
ティング層7aが完全に剥離されてしまうので、スライ
ドしたマスキング部材11aが樹脂コーティング層7a
の上に乗り上げて樹脂コーティング層7aを薄く延ばす
ようにマスキング部材11aの圧入部13aの内径を設
定することが重要である。
【0044】最後に、樹脂コーティング層7aが硬化し
てからマスキング部材11aを取り外せば、樹脂コーテ
ィングパイプとしての燃料フィラーパイプ2aが完成す
る。そして、この燃料フィラーパイプ2aの挿入部8a
を図7に示す弾性パイプ4に挿入すれば、挿入部8aと
共に樹脂係合部17aが弾性パイプ4の内径部に圧入さ
れてオーバーラップし、環状突起18aが弾性パイプ4
の端面に当接する。
【0045】この第2実施形態において形成された樹脂
係合部17aや環状突起18aの作用効果は第1実施形
態における樹脂係合部17や環状突起18と同様である
が、この第2実施形態における樹脂係合部17aは、樹
脂コーティング層7aの加熱形成の直後にマスキング部
材11aをスライドさせ、マスキング部材11aの圧入
部13aで樹脂コーティング層7aの端部を薄く延ばす
ことにより形成されるため、樹脂係合部17aを樹脂コ
ーティング層7aの端部全周に亘り薄く均一に、かつ容
易に形成することができる。この方法では、マスキング
部材11aの内径部に第1実施形態のマスキング部材1
1に設けたような成型加工部12を設けなくてもよいた
め、マスキング部材11aの形状を単純化することがで
きる。
【0046】なお、前記第1実施形態および上記第2実
施形態の他にも樹脂コーティング層の端部に樹脂係合部
を設ける方法は考えられるが、要するに樹脂コーティン
グパイプの挿入部と共に被嵌合部材の内径部に嵌合可能
な樹脂係合部を樹脂コーティング層の端部に形成するこ
とが本発明のポイントである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る樹脂
コーティングパイプは、パイプ材料の端部付近の外周面
を所定の長さに亘ってマスキングし、上記パイプ材料の
表面の残る部分に樹脂コーティング層を形成し、マスキ
ングした部分を被嵌合部材の内径部に密に挿入するため
の挿入部とした樹脂コーティングパイプにおいて、上記
樹脂コーティング層の端部に、上記挿入部のパイプ材料
表面をカバーし、かつ挿入部と共に上記被嵌合部材の内
径部に嵌合可能な樹脂係合部を形成したことを特徴とす
るものであり、この構成によれば、樹脂コーティングパ
イプの挿入部を被嵌合部材の内径部に挿入する際に、上
記樹脂係合部を挿入部と共に被嵌合部材の内径部に嵌合
させて樹脂係合部を被嵌合部材にオーバーラップさせ、
樹脂コーティング層の形成されていない挿入部のパイプ
材料表面が外部に露呈されることを防止し、挿入部にお
ける腐食の発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、(A)は
パイプ材料の端部にマスキング部材が嵌め込まれた状態
を示す図、(B)はパイプ材料の表面の残る部分に樹脂
コーティング層が形成された状態を示す図、(C)はマ
スキング部材が初期嵌合位置から軸方向にスライドされ
た状態を示す図。
【図2】(A)はマスキング部材の正面図、(B)は
(A)のIIB−IIB矢視によるマスキング部材の縦
断面図。
【図3】燃料フィラーパイプの挿入部が弾性パイプに挿
入された状態を示す図。
【図4】図3のIV部拡大図。
【図5】本発明の第2実施形態を示すもので、(A)は
パイプ材料の端部にマスキング部材が嵌め込まれた状態
を示す図、(B)はパイプ材料の表面の残る部分に樹脂
コーティング層が形成された状態を示す図、(C)はマ
スキング部材が初期嵌合位置から軸方向にスライドされ
た状態を示す図。
【図6】図5(C)のVI部拡大図。
【図7】自動車の燃料タンクと燃料フィラーパイプを示
す斜視図。
【図8】従来の技術においてパイプ材料の端部にマスキ
ング部材が嵌め込めれた状態を示す図。
【図9】従来の技術においてパイプ材料の表面の残る部
分に樹脂コーティング層が形成された状態を示す図。
【図10】従来の技術における問題点を示す図。
【符号の説明】
2,2a 樹脂コーティングパイプとしての燃料フィラ
ーパイプ 4 被嵌合部材である弾性パイプ 6 パイプ材料 7,7a 樹脂コーティング層 8,8a 挿入部 11,11a マスキング部材 12 成型加工部 13,13a 圧入部 17,17a 樹脂係合部 18,18a 環状突起 S,Sa マスキング部材のスライドストローク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ材料の端部付近の外周面を所定の
    長さに亘ってマスキングし、上記パイプ材料の表面の残
    る部分に樹脂コーティング層を形成し、マスキングした
    部分を被嵌合部材の内径部に密に挿入するための挿入部
    とした樹脂コーティングパイプにおいて、上記樹脂コー
    ティング層の端部に、上記挿入部のパイプ材料表面をカ
    バーし、かつ挿入部と共に上記被嵌合部材の内径部に嵌
    合可能な樹脂係合部を形成したことを特徴とする樹脂コ
    ーティングパイプ。
  2. 【請求項2】 前記樹脂係合部を、その肉厚が前記パイ
    プ材料の端部に向かって薄くなるテーパー断面状に形成
    した請求項1に記載の樹脂コーティングパイプ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂コーティング層と前記樹脂係合
    部との境界部に鍔状の環状突起を形成した請求項1に記
    載の樹脂コーティングパイプ。
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