JP2000350930A - 分散装置 - Google Patents

分散装置

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JP2000350930A
JP2000350930A JP11164495A JP16449599A JP2000350930A JP 2000350930 A JP2000350930 A JP 2000350930A JP 11164495 A JP11164495 A JP 11164495A JP 16449599 A JP16449599 A JP 16449599A JP 2000350930 A JP2000350930 A JP 2000350930A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散の際の効率が良いと共に、粘土の高い配
合物についても適用可能な分散装置を得る。 【解決手段】 回転軸12に分散ピン14を固定する分
散ピン支持体15を、内筒部156と外筒部151、及
び外筒部151と内筒部156の下端間を一体的に連結
する底壁を成す連結部152を備える構成とし、外筒部
151の外周に分散ピン14を植設すると共に、内筒部
156内に回転軸の先端を挿入して固定しする。また、
外筒部151及び連結部152に、分散媒体37が通過
し得る複数の開口153,154を形成する。回転軸1
2は、蓋板22の中央に形成された開口38を介してバ
スケット20内に挿入され、この開口38を貫通して下
方に突出する円筒部39の下端を分散ピン支持体15の
外筒部151内まで延設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動体ないしは半
流動体である配合物を分散する分散装置に関し、より詳
細には、塗料やインキ等の配合物の他、口紅やファンデ
ーション等の化粧品の原料となる配合物、水分と油分と
を含み、分散されて乳化される配合物等の比較的高粘度
の配合物や、焼成されてセラミック成品と成るアルミナ
粒子を得るために液体中にアルミナの粒体が混入されて
成る配合物等の高硬度の粒子を含む配合物を分散するに
適した分散装置に関する。
【0002】なお、本明細書において「配合物」とは、
二種以上の原料の混合物をいい、「分散」には、かく拌
ないしは混合をも含む。
【0003】
【従来の技術】塗料やインキ等の固形物を含む塗料組成
物の製造は、例えば、樹脂ワニスと顔料を混合してペー
ストを得る前練り工程、前記前練り工程により得られた
ペーストをボールミル、ロールミル、サンドグラインド
ミル等の分散装置により分散して樹脂ワニス中に顔料を
均一に分散したミルベースを得る分散工程、前記分散工
程により得られたミルベースをデイゾルバー等により溶
剤、樹脂ワニス、必要に応じて添加剤と混合・溶解する
溶解工程を経て製造される。
【0004】そして、近年においては、前述の分散工程
と溶解工程を同時に行うことができるという作業性の良
さから、配合物の充填されたかく拌槽内に没入されたバ
スケット内でかく拌羽根の植設されたかく拌軸を回転さ
せて配合物を分散する分散装置が使用されている。
【0005】この分散装置は、該かく拌槽の上方から前
記配合物中に到達する長さに設けられたかく拌軸の先端
にかく拌羽根を付設し、該かく拌羽根を前記かく拌軸を
介して回転駆動装置で回転することにより、配合物間の
ずり応力で凝集した顔料粒子(二次粒子)を顔料粒子単
体(一次粒子)にほぐすと共に、溶剤、樹脂ワニス、添
加剤等を混合して前記液体中に顔料粒子を分散するもの
であり、前記かく拌羽根の外側を側壁及び底壁に小孔が
多数穿設されている金属製薄板材、又は細かいメッシュ
の金網でなるバスケット(篭体)で囲み、該バスケット
内にガラス球、鋼球、セラミック球等の分散媒体を投入
し、かく拌羽根を回転させると、前記配合物内の固形物
の大きな粒子は前記バスケット内で磨砕混合作用により
砕かれて微細化し、微細化された顔料粒子はバスケット
の底壁及び側方の前記小孔やメッシュから流出し、かく
拌槽内を対流して再度バスケットの上方からバスケット
内に流入してさらに細かく砕かれて配合物中で分散され
るよう構成されている(例えば、特開昭60−1220
33号、特開昭61−293536号公報参照)。
【0006】このようなバスケットミルにあっては、バ
スケット内で分散された配合物をバスケットの底壁およ
び側壁に穿設した小孔から流出させ、バスケットの底壁
下方に流出した配合物はバスケット底壁下方に設けた液
流動用羽根の回転により、バスケット上方に対流させ、
再度上方からバスケット内に流入させて分散するのであ
るが、配合物中の顔料の二次粒子等の固形物は液体中で
は重量物であるために、相当量が分散されずバスケット
底壁の小孔からかく拌槽底面へそのまま落下する。すな
わち、篭体内に投入した分散媒体はかく拌羽根が回転す
ることにより生ずる回転遠心力によってバスケット側壁
周辺に集まってしまうので、少なくともかく拌軸周辺の
配合物は全く分散されることのないままバスケット底壁
の小孔からそのままバスケット下方に流出し、また、か
く拌軸下方に沈殿する傾向にあるので、これらの要因を
考慮していかに短時間で分散効果を上げるかということ
は依然として大きな課題であった。
【0007】また、前述のように小孔を多数形成したバ
スケットを備えた分散装置にあっては、配合物中の凝集
した顔料粒子により目詰まりしやすく、特に、通常のカ
ーボンが粉状で非常に軽く、浮遊しやすいため作業環境
を阻害するので、粒径0.5mm前後に形成したビーズカ
ーボン等の顔料を含む配合物を分散すると、該ビーズカ
ーボン等の顔料が分散されないままバスケットに形成さ
れた小孔に詰まってしまい、このビーズカーボンによる
バスケットの目詰まりにより配合物がバスケットの内外
を循環できなくなる。そのために、従来のバスケットミ
ルにあってはビーズカーボン等のように1次粒子の凝集
が強く2次粒子が硬くほぐれにくい顔料等の固形物を含
む配合物を分散することはできない。
【0008】このような問題点を解消すべく、バスケッ
トの底壁を小孔を設けていないメクラ底壁で形成し、側
壁のみに小孔を形成した分散装置、及び前記分散装置の
小孔を側壁平板と、側壁の周囲方向で前記側壁平板より
短い隙間板とをそれぞれ交互に複数個重ねて、上下に対
向する側壁平板と側壁の周囲方向に対向する隙間板とで
形成されるスリットより成る小孔とした分散装置が本発
明の出願人により既に出願されている(特公平8−17
930号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特公平8−17930
号公報に記載の分散装置にあっては、前述のようにバス
ケットの底壁をメクラとしたことによりバスケット内部
における配合物の滞留時間が長くなり、従来のこの種の
分散装置に比較して短時間で配合物の分散を行うことが
できる。
【0010】また、バスケットの側壁にスリット状の小
孔を形成した分散装置にあっては、ある程度高硬度で、
粒子の粗い顔料を含む配合物の分散に使用した場合であ
っても分散を行い得る。
【0011】しかし、この種の分散装置にあっては、バ
スケット内に分散媒体として収容される鋼球、ガラス
球、セラミック球、ジルコニア球等がバスケット内で活
発に移動ないしは循環すること、および、バスケット内
に収容される分散媒体の量を増やすことにより、より一
層の分散効率の向上を期待し得るものであるが、前述の
従来の分散装置にあつては回転軸に対する分散ピンの接
合は、図10及び図11に示すように外周に分散ピン1
4が植設された略円筒状の分散ピン支持体15を回転軸
の外周に固着して接合されており、この分散ピン支持体
15がバスケット20内の比較的大容積を占めているこ
とから、この分散ピン支持体15がバスケット20内に
おける分散媒体37の移動や循環の妨げとなっていると
共に、バスケツト20内に収容可能な分散媒体37の量
をも制限するものとなっていた。
【0012】因みに、従来のこの種の分散装置における
分散媒体37の収容量は、バスケット20の容量に対し
て65〜80%程度であり、この量を超えて分散媒体3
7をバスケット20内に収容する場合には、バスケット
20内で回転軸がうまく回転しなかったり、バスケット
20の上端を被蓋する蓋板22中央に形成された開口3
8より分散媒体37がバスケット20外に飛び出してし
まう等の問題があつた。
【0013】また、従来の分散装置にあっては、バスケ
ット20内に収容されている分散媒体37の量を減らす
ことなく高粘度の配合物を分散すると、バスケット20
内に多量の分散媒体37を収容した場合と同様に回転軸
12がスムーズに回転しなかったり、収容された分散媒
体37がバスケット20外に飛び出してしまうという問
題を有している。
【0014】そのため、従来の分散装置にあっては、高
粘度の配合物を分散する場合にはバスケット20内に収
容する分散媒体37の量を減らす必要があり、そのため
分散の効率が低下するという問題を有していた。
【0015】そこで、本発明の目的は、上記従来技術に
おける欠点を解消するためになされたものであり、バス
ケット内に多量の分散媒体を収容した場合であっても、
分散媒体の活発な移動、循環を維持することができると
共に、バスケット外に分散媒体が飛び出すおそれがな
く、従って分散の効率が良いと共に、粘度の高い配合物
についても効率良く分散を行うことのできる分散装置を
提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の分散装置は、配合物65が充填されたかく
拌槽60内に、分散媒体37が収納されたバスケット2
0を没入し、このバスケット20内で複数の分散ピン1
4が突出された回転軸12を回転して配合物65を分散
する分散装置において、前記分散ピン14は、分散ピン
支持体15を介して前記回転軸12に取り付けられてお
り、前記分散ピン支持体15は、前記回転軸12が挿入
されて回転軸12の外周に固着される内筒部156と、
複数の分散ピン14を前記回転軸12の反対方向外周へ
突出して成る外筒部151、及び前記内筒部156の回
転軸12反対方向の外周と外筒部151の回転軸12方
向内周間に分散媒体37が通過可能な間隔を画定する連
結部152より成り、前記外筒部151及び連結部15
2又は前記外筒部151又は連結部152に前記分散媒
体37が通過可能な開口153,154を設けたことを
特徴とする。
【0017】前記バスケット20は、多数の小孔(スリ
ット)35の形成された円筒状の側壁24と、前記側壁
24の上部開口を被蓋する蓋板22、及び前記側壁24
の下部を被蓋するメクラ底板29より成り、前記蓋板2
2の中央に開口38を設け、該開口38を介してバスケ
ット20内に回転軸12を挿入して成り、前記蓋板22
に設けられた開口38は、蓋板22を貫通して下方に突
出し下端を前記分散ピン支持体15の外筒部151内に
挿入された円筒部39により画成することもできる。
【0018】さらに、前記分散装置のバスケット20に
は、分散の効率を向上すべくバスケット20の容量に対
して80%以上の分散媒体37、好適には95〜98%
の分散媒体37を収納することもできる。
【0019】なお、分散時に発生する熱を吸収した配合
物を冷却するために、前記かく拌槽60内の配合物65
を導入し、冷却の後再度前記かく拌槽60内に循環す
る、ポンプ、冷却手段、管路等から成る冷却機構を設け
ることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につき添
付図面を参照して説明する。なお、本実施形態にあって
は、一例として塗料やインキ等、従来よりこの種の分散
装置により分散が行われていた配合物を例として説明す
るが、本発明の適用分野は塗料やインキの分散に限定さ
れるものではなく、高粘度の配合物に対しても効率良い
分散を行うことができ、口紅やファンデーション等の化
粧品の原料となる比較的粘土の高い配合物を分散する際
に使用することもでき、また、例えば油分と水分よりな
る物質を混合して乳化させる場合等、混合ないしはかく
拌のための手段として使用することもできる。また、高
い分散効率から、例えば水等の溶体中に高硬度の粒体
(例えばアルミナ)を混入してなる配合物を分散し、液
体中から分散された粒体を回収する等、粒体の微細化の
ための手段として使用することができ、例えば前述のア
ルミナを微細化する例では、比較的短時間の分散で得ら
れた配合物を脱水することにより粒径1μm以下のアル
ミナの粒体を回収することができ、これにバインダ等を
添加して焼成することで上質のセラミック成品と成る
等、各種原材料の製造等に使用する事もできる。
【0021】本発明の分散装置は、図1に示すように昇
降自在に構成された回転駆動機構11の先端下方に設置
されて、配合物65の充填されたかく拌槽60内に没入
されて該かく拌槽60内の配合物65を分散し得るもの
であり、鋼球、ガラス球、セラミック球、ジルコニア球
等より成る分散媒体37を、バスケット内を循環する配
合物65と共に収容するバスケット20と、前記バスケ
ット20内に挿入され、該バスケット20内で回転する
回転軸12、前記回転軸12に付設され、回転軸12の
回転に伴って回転してバスケット20内に収容された分
散媒体37をかく拌する分散ピン14、及び前記バスケ
ット20とかく拌槽60の内壁間に配置され、かく拌槽
60内に充填された配合物65を対流させる液対流用軸
46及び該液対流用軸に付設された液対流用羽根47よ
り成る。
【0022】前記バスケット20は、その側壁に配合物
65が通過する多数の小孔35を形成し、下端を小孔の
設けられていないメクラ底壁29で被蓋された円筒状を
成す。
【0023】前記バスケット20は、前記蓋板22に設
けられた開口38を介して導入された配合物65を分散
し、この分散された配合物65を前記小孔35を介して
バスケット20外に排出するものであり、前記蓋板22
に形成された開口38を介してバスケット20内に挿入
された回転軸12と、この回転軸12に付設された複数
対の分散ピン14が回転自在に配置され、この分散ピン
14の回転によりバスケット20内に収容された配合物
65及び分散媒体37がかく拌可能に構成されている。
【0024】このバスケット20内に配置された分散ピ
ン14は、前述の回転軸12に分散ピン支持体15を介
して付設されたもので、例えば回転軸12を中心として
放射状に複数の分散ピン14を植設している。
【0025】図1及び図2に示す実施形態にあっては、
分散ピン支持体15の外周に90°づつの等角度で上下
二段の分散ピン14,14を植設し、円周方向に隣接す
る前記二段の分散ピン14,14:14,14間であっ
て、高さ方向の略中間の位置に一段の分散ピン14をそ
れぞれ植設して平面において45°づつの等角度で放射
状に分散ピン14が植設されている。
【0026】前記分散ピン支持体15は、図2及び図3
に示すように円筒状に形成された外筒部151と、前記
外筒部151内に同心に配置された内筒部156を備
え、前記外筒部151と内筒部156の下端が底壁を成
す連結部152により一体に形成されて内筒部156が
外筒部151内に固定されている。なお、図2及び図3
に示す実施形態にあっては、内筒部156は外筒部15
1内に配置された例を示しているが、内筒部156を外
筒部151の下端より突出するよう配置することもで
き、また、連結部152は、外筒部151及び内筒部1
56の下端部を連結するものに限定されず、内筒部15
6の外周壁と外筒部151の内周壁間を連結するもの
等、各種の変更が可能である。
【0027】前記外筒部151及び連結部152には、
それぞれ分散媒体37の通過を許容する開口153,1
54が形成されている。本実施形態にあっては、この開
口153,154を図3及び図4に示すように、外筒部
151に形成されたものについては矩形状、連結部15
2に形成されたものについては円形に形成しているが、
開口153,154の形状は図3及び図4に示すものに
限定されず他の形状、例え四角形以外の多角形状、円
形、楕円形その他、分散媒体の移動ないしは循環を助長
し得るものであればその他適宜任意の形状に形成するこ
ともできる。
【0028】また、図2及び図3に示すように、より一
層の分散媒体の移動ないしは循環を助長すべく外筒部1
51の上端縁に切欠を設けることもできる。
【0029】なお、開口153,154の数、形状、大
きさは、分散ピン支持体15が分散時の衝撃に耐えうる
強度を有するものである限り多数設けることが好まし
く、より多数の開口153,154を設けることで従来
分散ピン支持体15により遮られていた分散媒体37の
移動ないしは循環が活発となると共に、開口153,1
54の形成された分散ピン支持体15自体が分散ピン1
4と同様にバスケット20内の配合物及び分散媒体37
をかく拌する作用を有し、特に、図2中に矢印で示すよ
うに、分散ピン支持体15の回転によりかく拌された配
合物は、分散ピン支持体15の外周方向に流動されるこ
とから、バスケット20の周壁に形成された小孔35を
介して配合物が好適にバスケツト20外に排出されて高
粘土の配合物を分散する場合であつてもバスケット20
の目詰まりの発生を防止することができる。したがっ
て、従来の装置に比較して多量の分散媒体37を収容し
た場合であつても好適に装置を作動させることができ、
分散効率を向上させることができる。
【0030】なお、この分散ピン支持体15は、図2及
び図3に示す実施形態にあっては一体的に形成されたも
のを使用しているが、例えば分散ピン支持体15の外筒
部151を図5に示すように上下方向に複数段に分割さ
れたものとなし、この外筒部151を形成する無端環状
の部材を複数段積み重ねてボルト止め等することによ
り、分散ピン支持体15を形成することもできる。この
場合には、例えば積み重ねられる無端環状の部材を増や
すことにより、バスケット20のサイズ拡張等に伴う分
散ピン14数の増加に容易に対応することができ、ま
た、回転軸12に対する内筒部156の取り付けが容易
となる。
【0031】前記バスケット20の上部を画成する蓋板
22は、中央に回転軸12を挿通し、かつ、かく拌槽6
0内の塗料やインク等の顔料、化粧品となる顔料、アル
ミナ等の固形物を含む液状の配合物をバスケット20内
に導入するための開口38が形成されている。
【0032】この開口38は、図2に示すように蓋板2
2を貫通して本実施形態ではバスケット20の高さ方向
の略中央位置まで延設されて分散ピン支持体15の外筒
151内に下端を挿入する円筒部39により画成されて
いる。
【0033】このように、円筒部39の下端が分散ピン
支持体15の外筒151内に配置されるよう延長したこ
とにより、バスケット20内の配合物が逆流して開口3
8より排出されることがなく、従ってバスケット20内
の分散媒体37が逆流する配合物と共にバスケット20
外に飛び出すことも防止される。
【0034】この蓋板22は、一枚の円盤状の金属板等
により形成することもできるが、好適には図2に示すよ
うに、内部に中空室40が形成され、この中空室40内
に冷却水等の冷却媒体を循環し得る構成とした蓋板22
を使用する。
【0035】この蓋板22は、本実施形態にあっては蓋
板22の上壁を成す載頭円錐状の傾斜面23と、円筒部
39の外周により形成される内壁43とにより、上蓋2
2に中空室40が画成されている。
【0036】この中空室40内には、例えば図2に示す
実施形態にあっては中空に形成したロツド13,13の
一方(例えば図2中右側)を介して冷却水等の冷却媒体
を導入し、他方(例えば図2中左側)のロッド13を介
して導入された冷却媒体を抜き取るよう構成して分散の
際の発熱により過熱したバスケット20および配合物を
冷却することができる。
【0037】さらに、この中空室40内には、例えば図
7〜図9に示すように、中空室40を4等分する位置に
それぞれ邪魔板70a,70b,70c,70dを設け
ることもできる。
【0038】邪魔板70aは、前記中空室40の縦断面
と同一形状の直角三角形状を成し、邪魔板70aにより
上蓋22の中空室40を区画し、台形状の邪魔板70
b、70d及び三角形状の邪魔板70cは、中空室40
の縦断面全体を覆う形状、ないし面積を有するものでは
なく、それぞれ中空室40の底面42側又は傾斜面23
側に取り付けられて傾斜面23側、又は底面42側をそ
れぞれ冷却媒体が通過可能な流路として形成している。
【0039】図7において、52a〜52dは螺孔を示
し、分散装置本体10に垂下固定した4本のロッド13
がそれぞれ取り付けられる。螺孔52a〜52dは、図
6に示すように、上蓋22の底面42外周のフランジ部
36上に設けたブラケット55に、垂直方向に雌ネジ部
を有して形成され、前記螺孔52a,52dの2のブラ
ケット55には水平方向に連通孔56を穿設形成し前記
螺孔52に連通する。従って図7において、前記螺孔5
2a,52bは邪魔板70aと70b,70d間の中空
室40a,40dとそれぞれ連通する。他の螺孔52
b,52cには、前記連通孔56は設けられていない。
【0040】そして、この螺孔52a,52bにはその
内部に冷却媒体が通過する流路を有するロッド13の下
端に設けた雄ねじ部を螺合して結合される。他の螺孔5
2b,52cにも同様に、ロッド13の下端に設けた雄
ねじ部を前記螺孔の雌ネジ部に螺合して連結され、バス
ケット20を分散装置本体10に固定している。前記螺
孔52a,52dに連結された2本のロッド13,13
の流路は、分散装置本体10を介して図示せざる冷却媒
体供給源に連通している。
【0041】以上のように構成されたバスケット20の
下端は、メクラ底壁29により被蓋されている。
【0042】このように、バスケット20の下端をメク
ラの底板29で被蓋することは、液体中を下方に落下し
ようとする、液体中では重量物である顔料等の固形物を
バスケット20外へ流出し難くし、そのため底壁29に
も小孔35を設けた場合よりも側壁24にのみ設けた場
合の方が固形物がバスケット20内に滞留する時間が長
く、配合物65中の固形物はより微細に砕かれて分散さ
れる。
【0043】このバスケット20の側壁24は、図2及
び図6に示すようにロッド13,13の下端に固定した
蓋板22の底板42の下面に、側壁24の一部を成す直
径800mmのメクラ側壁26を下方へ突出形成し、該メ
クラ側壁の下端面に角柱状を成すワイヤ支持体25を2
4個、側壁周囲方向に約100mmの等間隔毎に配置して
下方へ突出する。すなわち、各ワイヤ支持体25は上端
に形成したネジ部をメクラ側壁26の下端面に螺着して
いる。
【0044】各ワイヤ支持体25の側壁周囲方向に対す
る面には、直径4mmの断面円形のワイヤ27を水平方向
に挿通可能な多数のワイヤ支持孔28を上下方向に約
0.8mm間隔おきに設けられ、側壁周囲方向に一周する
長さのワイヤ27を互いに対向する各ワイヤ支持孔2
8,28に順次挿入通し、このワイヤ27の両端を一の
ワイヤ支持体25のワイヤ支持孔28内で無端環状に突
き合わせる。ワイヤ支持体25のワイヤ支持孔28の端
面に点付け溶接で固定する。この点付け溶接は、任意の
箇所のワイヤ支持孔28においても行うことができる。
【0045】以上のように側壁周囲方向に一周する長さ
のワイヤ27を上下方向の各ワイヤ支持孔28に一段づ
つ設けることにより、上下対向する各ワイヤ27,27
間に0.8mmの微小間隔が形成され、上下に対向するワ
イヤ27,27と側壁24の周囲方向に対向するワイヤ
支持体25,25とでスリット(小孔)35が多数形成
され、これらのスリット35は側壁の全周に形成されて
いる。
【0046】なお、前記スリット35の微小間隔は固形
物の粒子等の分散状態、配合物の粘度、その他各種の条
件に応じて所望の間隔に設けることができ、また互いに
隣接する各ワイヤ支持体25,25間の間隔は上述の1
00mmに限定されず、ワイヤ27の強度に応じて適宜に
設けることができる。
【0047】さらに、ワイヤ27は分散媒体37で変形
しないようなピアノ線等の剛性の強い材料で、図6に示
すように湾曲状に形成することかでき、あるいはワイヤ
27を24個のワイヤ支持体25の各ワイヤ支持孔28
に挿通した後、ワイヤ27の両端を緊張して互いに隣接
する各ワイヤ支持体25,25間のワイヤ27を直線状
に形成して該ワイヤ27の両端を溶接で連結することも
できる。
【0048】また、ワイヤ27は分散媒体37が衝突し
ても変形しない程の剛性の高い材料で直線状又は湾曲状
に形成され、このワイヤ27を互いに隣接する二のワイ
ヤ支持体25,25間の長さに形成し、このワイヤ27
の両端を前記ワイヤ支持体25,25の互いに対向する
各ワイヤ支持孔28,28内に挿入することができる。
このとき各ワイヤ支持孔28,28がワイヤ支持体2
5,25の両側面に貫通する孔である場合は、ワイヤ支
持孔28,28内にワイヤ支持体25,25の両側面か
ら挿入された互いに隣接するワイヤ27,27の各端面
がワイヤ支持孔28,28内で当接し、互いに影響し合
うものであるが、各ワイヤ支持孔28,28がワイヤ支
持体25,25の両側面に貫通しない孔である場合は、
各ワイヤ27の両端は他のワイヤ27と互いに影響し合
うことがないのでワイヤ支持孔28,28が貫通孔であ
る場合よりも好ましい。
【0049】また、ワイヤ27を側壁周囲方向の半周な
いしは3分の1周等の長さに形成し、該ワイヤ27を各
ワイヤ支持孔28内に側壁周囲方向に挿通することもで
きる。以上のように、各ワイヤ27を各ワイヤ支持体2
5に装着する構造は限定されない。
【0050】なお、このバスケット20の側壁24に設
けられる小孔35は、前記ワイヤ27,27間に形成さ
れるものに限定されず、細孔あるいはスリットが多数穿
設されている金属製薄板材、又は細かいメッシュの金網
によって形成されるものであっても良く、さらに、側壁
24の厚さ方向に一定幅を持つ平板と、側壁24の周囲
方向で前記平板より短い隙間板とをそれぞれ交互に複数
個重ね、隙間板を側壁24の周囲の適宜位置に配置し、
上下に対向する平板と側壁24周囲方向に対向する隙間
板で構成したスリットから成る小孔35に形成すること
もできる。
【0051】前記バスケット20の底部を画定する底壁
29は、前記配合物65が流通するスリットあるいは細
かいメッシュの網等の小孔を設けずメクラ底板29にし
ている。
【0052】従来のバスケットミルにあっては側壁の全
面及び底壁に小孔が設けられていたために、バスケット
20内で分散ピン14を回転させるとバスケット20内
に生じた渦流により、バスケット20内に導入された配
合物65は最寄りの小孔35より外部に放出されて十分
に分散されないために、バスケット20外に排出された
配合物65を対流させて繰り返しバスケット20内に導
入して分散する必要があった。従って、所望の分散効果
を得るのに長時間を要するものであった。しかし、本願
分散装置のバスケット20によれば、バスケット20の
側壁24にのみ配合物65がバスケット20外へ流出し
得る小孔35を設けたので、バスケット20の蓋板22
に設けられた開口38よりバスケット20内に導入され
た配合物65は、バスケット20内を長い距離分散媒体
37と衝突しながら通過するのでかく拌された分散媒体
37及び配合物間のずり応力により微細に分散される。
【0053】さらに、メクラ底板29は、その内面を中
心から側壁24方向に下降するテーパ状に形成すること
もでき、また該メクラ底板29の側壁24側に、分散作
業時においては蓋32により被蓋されている分散媒体抜
き穴31を設けることもできる。
【0054】底板29をこのように形成した場合、分散
作業の終了後におい配合物65中よりバスケット20を
取り出した際に配合物65のはけが良く、また、前記分
散媒体抜き穴用蓋32を取り外すことによりバスケット
20中から分散媒体37を容易に抜き取ることができ、
この際、バスケット20を傾斜させたり逆さまにするな
どの手間を必要としない。
【0055】以上のように構成されたバスケット20
は、その蓋体22の螺孔52a〜52dに連結されたロ
ッド13を介して分散装置本体10の下方に連結され、
また後述の回転駆動機構11のモータ41に連動される
回転軸12の先端に分散ピン支持体15を介して設けた
分散ピン14を回転可能に前記バスケット20内に配置
すると共に、前記バスケット20内に分散媒体37を収
容して配合物の充填されたかく拌槽60内に没入され
る。
【0056】このようにかく拌槽60内に没入されたバ
スケット20の外方とかく拌槽60内壁間には、図1に
示すように、回転駆動手段であるモータ48により回転
駆動される液流動用軸46が設けられ、この液流動用軸
46に液流動用羽根47をかく拌槽内で、前記バスケッ
ト20に干渉しない位置、例えばバスケット20の底壁
29より下方に位置して設ける。
【0057】本実施形態にあっては回転駆動機構11の
架台に設置したモータ48に直結して下方に設けた液流
動用軸46の先端に液流動用羽根47を設け、該液流動
用羽根47がバスケット20の下方に位置するようにし
たものであり、本実施形態にあっては、前記バスケット
20を中心に対称の位置に2本の液流動用軸46を配置
し、その先端にそれぞれ液流動用羽根47を付設してい
る。従って、かく拌槽60の底部に沈殿しがちな配合物
65中の固形物等を好適に対流させることができ、従っ
て分散効率を向上させることができる。
【0058】このように、液流動用羽根47を回転軸1
2とは別に設けた液流動用軸46に、すなわち、かく拌
槽60内下方で、かつ前記バスケット20の外方に離反
して設けたので、例えばバスケット20をかく拌槽60
内で上方に移動させた場合であっても液流動用羽根47
は固形物が沈殿しがちなかく拌槽の下方の配合物を流動
させているので、バスケット20の停止位置に影響され
ることなく固形物を含む配合物を万遍なく対流させるこ
とができる。
【0059】以上のように構成された本発明の分散装置
は、図1に示すように前記分散装置のバスケット20内
で回転する回転軸12を駆動する回転駆動機構11、昇
降装置50等と組み合わされて全体装置を構成する。
【0060】図1において、昇降装置50の昇降シャフ
ト53の上部に回転駆動機構11を設置し、該回転駆動
機構11の先端下方に本発明の分散装置を設置する。
【0061】昇降装置50は昇降装置本体51の内部に
図示せざる油圧シリンダによって昇降シャフト53の上
部に設置した回転駆動機構11を任意位置に停止調節可
能とするための上昇バルブ57および下降バルブ58を
設け、前記回転駆動機構11を案内するガイドシャフト
54を設けている。
【0062】回転駆動機構11において、モータ41は
インバータ回路等の図示せざる変速装置により変速さ
れ、該変速装置により設定された速度で回転してこの回
転力をVベルト等の伝達手段を介して分散装置本体10
の後述する回転軸12に連動している。そして、回転軸
12の回転速度を測定する回転計16を設けている。
【0063】分散装置は、前記回転駆動機構11の下方
に4個のロッド13を介してバスケット20の側壁24
上部のバスケット外周方向に突出したフランジ部36に
連結してバスケット20を分散装置本体10に固定し、
該バスケット20内に、前記回転駆動機構11のモータ
41に連動される回転軸12の先端に分散ピン支持体1
5を介して設けた分散ピン14を回転可能に設置し、前
記バスケット20内にガラス球、鋼球、セラミック球、
ジルコニア球等の分散媒体37を、バスケット20の容
量の95〜98%で収容している。なお、従来のこの種
の分散装置にあっては、バスケット20の容量の80%
を超えて分散媒体を収容すると、回転軸12の回転が抑
制されたり、また、蓋板22に形成された開口38から
バスケット20内の分散媒体37が飛び出したりする等
の作動不良が生じていたが、本発明の分散装置にあって
は、このような作動不良を生ずることなく分散媒体37
の収容量を増やすことができ分散効率が向上される。ち
なみに、バスケット20の容量の80%で分散を行った
場合、分散ピン14の先端部分の摩耗が激しく、回転軸
12側に向かうに従って摩耗が殆ど見られなくなるが、
容量の90%の分散媒体を収容したバスケット20にて
分散を行った場合には、分散ピン14の先端部分のみな
らずより回転軸12寄りの位置においても摩耗が見ら
れ、バスケット20内のより広い範囲において高い摩砕
力、ずり応力等が生じていることが確認できる。
【0064】なお、図1に示すかく拌槽60は槽内の液
が流出し易いように底壁がテーパになっており、該テー
パの先端付近にドレンバルブ61を設け、さらに車輪6
2を設けて移動自在とすることができる。
【0065】さらにかく拌槽60には、かく拌槽60内
の配合物65を導入し、熱交換等により冷却した後再度
かく拌槽60内に戻す、ポンプ、冷却手段、管路等より
なる配合物の冷却機構を設ければ好適である。すなわ
ち、本発明の分散装置にあっては、バスケツト20内に
収容可能な分散媒体の増加に伴い分散効率が向上する一
方で、分散時に発生した摩擦熱等により配合物が加熱さ
れて、有機溶剤等が揮発することを防止するためであ
る。
【0066】以上のように構成された本発明の分散装置
を含む全体装置の作用について説明する。
【0067】塗料やインキ等の顔料等の固形物と樹脂ワ
ニス、溶剤さらに必要に応じて加えられた添加剤などか
ら成る液状の配合物65を、前記かく拌槽60内に充填
し、前述のように該槽内に本発明の分散装置本体10を
配置する。
【0068】昇降装置50の上昇バルブ57を開くと、
昇降装置本体51内の図示せざるシリンダが作動し、昇
降シャフト53の上昇に伴ってガイトシャフト54に案
内されて回転駆動機構11が上昇すると共に、該回転駆
動機構11の先端部に設けた分散装置本体10のバスケ
ット20も上昇する。この状態で前記配合物65の充填
されたかく拌槽60を移動し、バスケット20の下方の
所定位置に設置し、昇降装置50の下降バルブ58を開
いて分散装置本体10のバスケット20をかく拌槽60
の前記配合物65内に下降させる。
【0069】回転駆動機構11のモータ41を駆動する
と、図示せざるVベルト等の伝達手段を介して分散装置
本体10の回転軸12が回転駆動され、作業者は回転計
16等を見ながらインバータ回路に接続された変速スイ
ッチを調節するなどして回転軸12の回転速度を調節す
る。
【0070】回転軸12の回転により、バスケット20
内に設けた分散ピン14がバスケット20内で回転して
バスケット内の分散媒体37をかく拌すると共に、かく
拌槽60内の配合物65は、前記回転軸12に設けられ
た液導入羽根18により生じた対流によりバスケット2
0上面の蓋板22に設けられた開口38を経てバスケッ
ト20内に導入される。
【0071】前記開口38よりバスケット20内に導入
された配合物65は、バスケット20内で分散ピン14
によりかく拌された分散媒体37と衝突し、分散媒体3
7間の衝突による磨砕力及びずり応力により分散され
て、分散媒体37間及びスリット35を通過してバスケ
ット20外に流出する。
【0072】このとき、図2中に矢印で示すように多数
の開口153,154の形成された分散ピン支持体15
は分散媒体37の移動ないしは循環を妨げることがなく
だけでなく、分散ピン支持体15自体がバスケット20
内の配合物65をかく拌するかく拌翼としての作用をも
有し、さらに、分散ピン支持体15の回転によりバスケ
ット20内の配合物が分散ピン支持体15の外周方向に
流動されることから、バスケット20の周壁に形成され
た小孔35から配合物が好適にバスケット20外に排出
されて高粘土の配合物を分散する場合であっても目詰ま
りを生ずることなく配合物65の分散が効率良く行われ
る。
【0073】また、分散ピン支持体15に形成された開
口153,154の存在により、バスケット20内で配
合物65が移動する距離も長くなり、この点においても
本発明の分散装置による分散効率の向上に貢献してい
る。
【0074】このバスケット20内に収納されている分
散媒体37は、バスケット20の容量の95〜98%
と、きわめて多量の分散媒体37が収納されており、該
分散媒体37がかく拌された際に生ずる衝撃力は、従来
のこの種の分散装置における衝撃力を遙かに上回ってお
り、従って配合物65中の固形物は短時間で略完全に分
散される。
【0075】このように、本発明の分散装置にあって
は、バスケット20内に収容し得る分散媒体の量を増や
せるよう構成されているので、従来における分散装置の
バスケットに比較して格段に処理能力が向上されてい
る。
【0076】従って、配合物65中の固形物はバスケッ
ト内を一回通過するだけで従来の分散装置に比較してよ
り微細に砕かれて分散される。その結果、従来の分散装
置に比較してより短時間で細かにされた顔料粒子の分散
された配合物を得ることができ、より美しい塗膜を形成
し得る塗料を製造することができる。
【0077】このようにして溶剤、樹脂ワニス、添加剤
中に分散された顔料等の固形物は、分散ピン14の回転
による遠心力によって、側壁24に設けられたスリット
から成る小孔35を通過してバスケット20の外へ流出
する。この際、配合物65中の固形物は、略完全に分散
されているため小孔35に対する目詰まりがなく、粒度
の粗い固形物を含む配合物であっても良好に分散するこ
とができる。
【0078】前記スリット35を通過してバスケット2
0の外へ流出した配合物65は、この流出作用または、
前記かく拌槽内下方で、かつ前記バスケット20の外方
に離反して設けた液流動用羽根47により上方へと対流
され、再びバスケット20内へ流入する。
【0079】バスケット20内で分散された固形物の粒
子中で、ワイヤ27,27間の間隔によって決定される
スリット35の幅よりも大きい粒子はスリット35を通
過できないのでバスケット20内でさらに細かく分散さ
れる。
【0080】以上のようにして分散処理終了後、モータ
41を停止し、上昇バルブ57を開いて分散装置本体1
0のバスケット20をかく拌槽60から上昇させ、次い
でかく拌槽60を搬出する。前記メクラ底板29の内面
を外方に向かって下方に傾斜するテーパ状に形成した場
合には、バスケット20をかく拌槽60内の配合物65
から取り出す時に、バスケット20内の配合物65の液
切れが良くなるために、配合物65が無駄にならず効果
的である。
【0081】別の種類の配合物65の分散を行う前に、
分散装置本体10を完全に洗浄し、次の分散処理も同様
に行う。前記メクラ底板39の分散媒体抜き穴31から
バスケット20内の分散媒体37を簡単に抜くことがで
き、分散媒体37を別途に洗浄することができる。
【0082】
【発明の効果】以上に示した本発明の構成により、バス
ケット中に収容し得る分散媒体の量を増加することがで
き、また、分散媒体の収容量を増加させた場合であって
もバスケット内での分散媒体の移動ないしは循環が妨げ
られることがないこと、および、分散ピン支持体がバス
ケット内の分散媒体及び配合物をかく拌する作用を有す
ることから、分散作業の効率を飛躍的に向上することの
できる分散装置を提供することができた。
【0083】また、バスケット内において分散媒体の移
動ないしは循環が妨げられないことから、高粘度の配合
物についてもバスケット内に収容する分散媒体の量等を
減らすことなく分散することができ、従来の分散装置に
よっては分散することができなかった高粘度の配合物の
分散にも適用し得る。
【0084】さらに、本発明の分散装置は、例えば口紅
やファンデーション等の化粧品の原料となる配合物、水
分と油分よりなりかく拌等されて乳化する配合物等の高
粘度の配合物の分散についても使用した場合であっても
高い分散効率を得ることができ、さらに、分散効率が良
いことから、例えばアルミナ等の高硬度の粒子が混入さ
れた配合物についても短時間で微細な粒子とされた配合
物を得ることができる等、従来の分散装置では分散が困
難ないしは分散に長時間を要していた配合物に対しても
使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分散装置を含む機構の全体構成図。
【図2】 本発明の分散装置の要部断面図。
【図3】 分散ピン支持体の斜視図。
【図4】 分散ピン支持体の裏面図。
【図5】 分散ピン支持体の別の構成例を示す分解図。
【図6】 本発明のバスケットの側壁の部分斜視図
【図7】 本発明のバスケットの蓋板の平面図。
【図8】 本発明のバスケットの蓋板の正面断面図。
【図9】 邪魔板の正面図。
【図10】 従来の分散装置の要部断面図。
【図11】 従来の分散ピン支持体を示す斜視図。
【符号の説明】
10 分散装置本体 11 回転駆動機構 12 回転軸 13 ロッド 14 分散ピン 15 分散ピン支持体 151 外筒部 152 連結部 153 開口(外筒部の) 154 開口(連結部の) 156 内筒部 16 回転計 18 導入羽根 20 バスケット(篭体) 22 蓋板 23 傾斜面 24 側壁 25 ワイヤ支持体 26 メクラ側壁 27 ワイヤ 28 ワイヤ支持孔 29 底壁(メクラ底壁) 31 分散媒体抜き穴 32 分散媒体抜き穴用の蓋 35 小孔(スリット) 37 分散媒体 38 開口 39 円筒部 391,392 フランジ 40 中空室(蓋板の) 41 モータ 42 底面(蓋板の) 43 内壁(中空室の) 44 中空室(メクラ側壁の) 46 液流動用軸 47 液流動用羽根 48 モータ 50 昇降装置 51 昇降装置本体 52a〜52d 螺孔 53 昇降シャフト 54 ガイドシャフト 55 ブラケット 56 連通孔 57 上昇バルブ 58 下降バルブ 60 かく拌槽 61 ドレンバルブ 62 車輪 65 配合物 70a〜70d 邪魔板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月17日(1999.6.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配合物が充填されたかく拌槽内に、分散
    媒体が収納されたバスケットを没入し、このバスケット
    内で複数の分散ピンが突出された回転軸を回転して配合
    物を分散する分散装置において、 前記分散ピンは、分散ピン支持体を介して前記回転軸に
    取り付けられており、 前記分散ピン支持体は、前記回転軸が挿入されて回転軸
    の外周に固着される内筒部と、複数の分散ピンを前記回
    転軸と反対方向に突出して成る外筒部、及び前記内筒部
    と前記外筒部の前記回転軸方向間に分散媒体が通過可能
    な間隔を画定する連結部より成り、 前記外筒部及び連結部又は前記外筒部又は連結部に、前
    記分散媒体が通過可能な開口を設けたことを特徴とする
    分散装置。
  2. 【請求項2】 前記バスケットは、多数の小孔の形成さ
    れた円筒状の側壁と、前記側壁の上部開口を被蓋する蓋
    板、及び前記側壁の下部を被蓋するメクラ底板より成
    り、前記蓋板の中央に開口を設け、該開口を介してバス
    ケット内に回転軸を挿入して成り、 前記蓋板に設けられた開口は、蓋板を貫通して下方に突
    出し、下端を前記分散ピン支持体の外筒部内に挿入され
    た円筒部により画成されて成ることを特徴とする請求項
    1記載の分散装置。
  3. 【請求項3】前記バスケットの容量に対して95〜98
    %の分散媒体を収納して成ることを特徴とする請求項1
    又は2記載の分散装置。
  4. 【請求項4】 前記かく拌槽内の配合物を導入し、冷却
    後再度かく拌槽内に循環する冷却機構を備えたことを特
    徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の分散装置。
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