JP2646111B2 - 連続流通攪拌装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本発明は石炭水スラリーの流動性の向上、その他イン
ク、顔料、化粧品の製造等に好適な粉粒体分散、微細化
機能を併せ附与した連続流通撹拌装置に関する。

（２）従来の技術 従来この種の連続混練撹拌装置には、第７図に示すよ
うに高速回転する逆円錐型ミキシングロータ（ａ）の上
面にスパイラル状にピン（ｂ）…（ｂ）が立設され、又
上部傾斜面には水平方向にピン（ｃ）…（ｃ）が設けら
れていると共に、前記ミキシングロータ（ａ）の回転中
これらピン（ｃ）…（ｃ）間に介入するピン（ｄ）…
（ｄ）が槽壁（ｅ）の内面に設けられており、更に前記
ミキシングロータ（ａ）の下部傾斜面にはスパイラル状
にピン（ｆ）が配列されており、上部中央の投入口
（ｇ）及び注入口（ｈ）からそれぞれ粉体及び液体材料
が供給され、下方排出口（ｉ）から排出するように構成
されたものが知られている。

即ち、従来の連続混練撹拌装置においては、投入され
た粉体及び液体材料はミキシングロータ（ａ）の上面に
おいて合流し、同時に高速回転する該ロータ（ａ）上面
のピン（ｂ）…（ｂ）により剪断作用を受け粗分散され
た後、外周部へ移行し渦流状となり下方傾斜部に流入す
る。そして材料自体の遠心力で核材料は前記傾斜部で滞
留すると共にピン（ｃ）…（ｃ）、（ｄ）…（ｄ）及び
（ｆ）…（ｆ）により剪断され、ミキシング及び分散が
連続的に行われた後排出口（ｉ）より排出されるもので
あった。

（３）発明が解決しようとする問題点 しかし、上記の撹拌装置では投入された粉体は、槽内
において剪断、ミキシング作用による流動のみで、粉体
の衝撃作用や粉砕作用が行われず、高濃度泥奨体の充填
率の改善や、流動性の向上等の大巾な改善効果が得られ
ない等の欠点を有している。

本発明は、これら従来の装置の欠点を解決し、固、
液、粉粒体を衝撃、粉砕、摩砕することにより、高濃度
泥奨体へのより均一な粉体の分散や、充填率の向上、流
動性の増進を連続して撹拌精製することを可能にした連
続流通撹拌装置を提供することを目的とする。

（４）問題点を解決するための手段 本発明は、上記の目的を達成するために、流通撹拌槽
内に突入する高低速の内外二重の回転軸に微細化手段を
設け、該微細化手段は、前記内側の回転軸に嵌着し底面
部に流入孔を側面部に流出孔を有する第１盆状体と、前
記外側の回転軸に嵌着し頂面部に流入孔を側面部に流出
孔を有する逆盆状の第２盆状体とこれら盆状体内に装入
したメディアとからなり、前記第１盆状体と前記第２盆
状体の対向周面間に僅少の間隙を形成したことを特徴と
する。

（５）作用 撹拌槽内を連続流通する固、液、粉粒体の混合物は、
微細化手段において流入口より内部に入って該内部のメ
ディアの衝突による粉砕と、高速低速の速度差をもって
回転する第１第２盆状体の僅小の間隙の速度差のある対
向周面間におけるすりつぶし作用による摩砕と、これら
回転速度の異る第１第２盆状体の周面部の流出孔からの
流出による剪断が行われて微粒子化する。

（６）実施例 本発明の１実施例を第１図乃至第６図に従って説明す
る。

（１）は撹拌槽を示し、該撹拌槽（１）はホッパー状
に形成され、その蓋体（1a）の中心孔に内外二重の第１
回転軸（２）と第２回転軸（３）が貫通軸支され、これ
ら回転軸（２）又は（３）の上端部においてそれぞれ第
１減速機（4a）又は第２減速機（5a）を介して回転駆動
源（４）又は（５）に連結されている。

即ち、前記第１回転駆動源である第１モータ（４）の
回転軸（4b）に固定した小径のＶ−プーリー（4c）と前
記第１回転軸（２）の上端部に固定した大径のＶ−プー
リー（4d）との間に第１ベルト（4e）を掛け渡すと共
に、前記第２回転駆動源である第２モータ（５）の回転
軸（5b）に固定した小径のＶ−プーリー（5c）と前記第
２回転軸（３）の上端部に固定した大径のＶ−プーリー
（5d）との間に第２ベルト（5e）を掛け渡し、前記第１
モータ（４）及び第２モータ（５）の駆動回転により第
１回転軸（２）を比較的高速に又第２回転軸（３）を比
較的低速で互いに逆回転するようにした。尚、（６）は
前記Ｖ−プーリー（4c）（4d）及び第１ベルト（4e）を
収容した第１減速機（4e）の第１筐体、（７）は前記Ｖ
−プーリー（5c）（5d）及び第２ベルト（5e）を収容し
た第２筐体を示し、該第２筐体（７）はその左側の下面
部において前記蓋体（1a）上に固定されていると共に右
側の上面上に前記第２モータ（５）を支持固定し、前記
第１筐体（６）はその右側の下面部において前記第２筐
体（７）の左側の上面に固定されていると共に左側の上
面上に前記第１モータ（４）を支持固定した。

そして、前記撹拌槽（１）内において、前記回転軸
（２）、（３）の回転に連動して回転する流動化手段
（８）と微細化手段（９）と均一化分散手段（10）とを
上方位置、中間位置、下方位置にそれぞれ配設した。

即ち前記流動化手段（８）は第３図の如く上面に回転
方向に傾斜した丸棒（8a）（8a）を突設し下面に鋸歯部
（8c）を形成し中心透孔において第２回転軸（３）に嵌
着した複数の翼杆（8b）（8b）と該翼杆（8b）（8b）が
回転したとき、前記丸棒（8a）（8a）が両側方を通過す
る位置で前記蓋体（1a）の下面に突設する丸棒（8d）と
からなり、これら丸棒（8a）（8a）及び丸棒（8d）によ
る剪断によりケーキの細分化がされると共に前記蓋体
（1a）の中心部下面に固定突設した円筒（20）外面と上
記流動化手段の内縁との間隙（ｎ）を少細に形成し、こ
の部位の相互摩擦の剪断力によりケーキの流動化を促進
し、鋸歯部（8c）により細分化したケーキと水の混練が
実施されるようにした。

又前記微細化手段（９）は、第４図の如く外向きに傾
斜側面部を有し上方に開口した大径の第１盆状体（9a）
と、内向きに傾斜側面部を有し下方に開口した逆盆状の
小径の第２盆状体（9a）とからなり、該第１盆状体（9
a）の前記傾斜側面部には第５図の如く鋸歯状のスリッ
トの第１流出孔（9c）が設けられ、底面部には多数の小
孔の第１流入孔（9d）がさく孔されており、前記第１回
転軸（２）に嵌着されている。又前記第２盆状体（9b）
の内向き傾斜側面部には第６図の如く複数の帯状の第２
流出孔（9a）が設けられ、頂面部には多数の小孔の第２
流入孔（9f）がさく孔されており、前記第２回転軸
（３）に嵌着されている。更に第４図の如く前記第１盆
状体（9a）の内面と第２盆状体（9b）の外面とは僅小の
間隙（ｔ）を有して対向しており、且つ内部空間（ｍ）
には前記流入孔（9a）、（9f）や第１流出孔（9c）より
大きく第２流出孔（9e）より小径の多数の鋼球からなる
メディア（9g）が装入されている。

かくて前記微細化手段（９）において流入孔（9d）、
（9f）から流入した細分化したケーキと水の混合物は第
１盆状体（9a）と第２盆状体（9b）の相互回転によるメ
ディア（9g）の転動衝突による粉砕と、これら速度差の
ある盆状体（9a）（9b）の僅小の間隙（ｔ）の相互回転
による対向周面間におけるすりつぶし作用による摩砕
と、速度差のある流出孔（9a）（9c）からの流出による
剪断により微粒化が実施されるようにした。

又前記均一化分散手段（10）は、第１図の如く上面と
下面の円辺部に立設した鋸歯状翼片（10a）を有し、中
心透孔において第１回転軸（２）に嵌着した円板（10
b）からなり、これら翼片（10a）を有する円板（10b）
の回転により微粒化したケーキと水の分散、流動化増
進、均一化が実施されるようにした。

尚、（11）はケーキ及び水の投入口、（12）は排出
口、（13）は突出バッフル、（14）はゴムライニング、
（15）は粗分散のケーキやメディアが排出口（12）に至
るのを防止するフィルター、（16）はケーキの剪断等に
より生ずる熱を吸収するための冷却水の通路、（17）は
潤滑油の注入口、（18）はシール、（19）は軸受を示
す。

以下、上記構成からなる本発明の動作を説明する。

投入口（11）より投入されたケーキと水は撹拌槽
（１）の上部に達すると、比較的低速に回転する第２回
転軸（３）に嵌着された複数の翼杆（４）（４）に設け
られた傾斜丸棒（8a）（8a）と、蓋体（1a）の下面に突
設した丸棒（8d）との相互作用によりケーキ解砕が行わ
れる。そして下面の鋸歯状部（8c）により流動、混練が
行われると共に漸次粗流動混合物となり下方に流下す
る。流下した粗流動混合物の一部は微細化手段（９）の
比較的低速回転の第２盆状体（9a）の上部小孔（9f）か
ら流入すると共に比較的高速回転の第１盆状体（9a）か
らも流入する。次に流入した粗流動混合物は、回転軸
（２）及び（３）の回転により流動衝突運動する鋼球
（9g）に当り粉砕されたり、逆回転する第１第２盆状体
（9a）（9b）の僅小の間隙（ｔ）の対向周面間でのすり
つぶし作用によって摩砕されたり更にこれら盆状体（9
a）（9b）の流出孔（9c）（9e）から流出するときに剪
断されたりし、これらが微細化手段（９）のところで一
部再流入して循環しながら繰返され、微粒化が急速に行
われる。微粒化した混合物は、撹拌槽（１）の傾斜壁に
沿って直接流下した粗流動物と再合流し比較的高速回転
する第１回転軸（２）の端部に嵌着された上下面に鋸歯
状翼片（10a）を有する円板（10b）により、混合物の摩
擦力により生起される遠心力による半径方向流と共に、
強力な旋回流とが、渦流状態となり十分に分散、混練さ
れて剪断力により粘性低下し、流動性の向上した均一な
泥奨、ペーストとなる。

尚、撹拌槽（１）の上部内面の突出バッフル（13）が
設けてあるので投入材料の共回りが阻止され分散混練を
促進することができる。

（７）発明の効果 このように本発明によると、固液粉粒体が高低速の速
度差のある第１第２盆状体の内部のメディアの衝突によ
る粉砕と、これら第１第２盆状体の僅小の間隙の対向周
面間からの流出による摩砕と、これら回転速度の異る第
１第２盆状体の周面部の流出孔からの流出による剪断に
より微粒化するようにしたので、最密充填粒度分布の均
一な良流動性の泥奨、ペースト等が連続的且つ効率的に
得られる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す縦断面図、第２図は
その全体構成の正面図、第３図は流動化手段の平面図、
第４図は微粒化手段の縦断面図、第５図はその第１盆状
体の平面図、第６図は第２盆状体の平面図、第７図は従
来の装置の１例の縦断面図である。 （１）……撹拌槽 （２）（３）……回転軸 （８）……流動化手段 （8a）（8a）……回転丸棒 （8c）……鋸歯部 （8d）……固定丸棒 （９）……微細化手段 （9a）……第１盆状体 （9b）……第２盆状体 （9c）（9e）……流出孔 （9d）（9f）……流入孔 （9g）……メディア （10）……均一化手段 （10a）……翼片 （10b）……円板

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】流通撹拌槽内に突入する高低速の内外二重
   の回転軸に微細化手段を設け、該微細化手段は、前記内
   側の回転軸に嵌着し底面部に流入孔を側面部に流出孔を
   有する第１盆状体と、前記外側の回転軸に嵌着し頂面部
   に流入孔を側面部に流出孔を有する逆盆状の第２盆状体
   とこれら盆状体内に装入したメディアとからなり、前記
   第１盆状体と前記第２盆状体の対向周面間に僅小の間隙
   を形成したことを特徴とする連続流通撹拌装置。
2. 【請求項２】前記微細化手段の上流側に流動化手段を設
   け、該流動化手段は前記外側の回転軸に嵌着し上面に複
   数の丸棒を突設し下面に鋸歯部を有する翼杆と、該翼杆
   が回転したとき前記丸棒間に介入する位置に存する固定
   丸棒とからなることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の連続流通撹拌装置。
3. 【請求項３】前記微細化手段の下流側に均一化分散手段
   を設け、該均一化分散手段は前記内側の回転軸に嵌着し
   上下面の周辺部に鋸歯状翼片を突設した円板からなるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の連続流通撹
   拌装置。