JP2000344658A - 浴用剤および浴用剤組成物 - Google Patents

浴用剤および浴用剤組成物

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JP2000344658A
JP2000344658A JP11158664A JP15866499A JP2000344658A JP 2000344658 A JP2000344658 A JP 2000344658A JP 11158664 A JP11158664 A JP 11158664A JP 15866499 A JP15866499 A JP 15866499A JP 2000344658 A JP2000344658 A JP 2000344658A
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Shinji Tanaka
信治 田中
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
Norio Nakabayashi
宣男 中林
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入浴時の肌へのあたりがなめらかで、入浴後の
肌のしっとり感の持続性が優れた保湿性の高い浴用剤を
提供する。 【解決手段】下記の式[I] 【化1】 (ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
でもよく水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
す。mは1〜4の整数を示す。)で示されるホスホリル
コリン類似基を側鎖に有する重合体を含有する浴用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴用剤および浴用
剤組成物に関する。更に詳しくは、ホスホリルコリン類
似基を側鎖に有する重合体からなる浴用剤、さらにホス
ホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体と油性成分と
を含む浴用剤組成物に関する。特に、入浴時に肌へのあ
たりがなめらかで、入浴後のしっとり感の持続性が優れ
た浴用剤および浴用剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入浴は身体を清潔に保つととも
に、血行を促進させ、精神的にもリラックスさせるとい
った効果がある。しかしその反面、入浴により肌から油
分、天然保湿因子成分などが失われ、これにより生じる
入浴後の肌のかさつきは、乾燥肌の人や老人性の皮脂欠
乏性湿疹、乾皮症やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を
持つ人にとっては深刻な問題である。この様な問題があ
ることから、最近では入浴後に肌がしっとりするものが
望まれており、その要望にこたえるべく各種の浴用剤が
提供されている。従来の浴用剤には硫酸ナトリウムや炭
酸水素ナトリウムなどの保温および保湿成分が主成分と
して配合されており、これに香料、着色料あるいは白濁
剤や温泉成分、油性成分を配合することによって皮膚の
湿潤効果ならびに心理効果をねらったものが開示されて
いる(特開平6−57286号公報、特開平7−147
522号公報)。
【0003】油脂成分は皮膚に対してエモリエント効果
を有し、皮膚や毛髪の保護効果も広く知られる。また浴
用剤に配合した場合他の保湿成分との相互作用による相
乗効果なども期待されるが、これらの効果を充分に発揮
するために充分量を用いると入浴中や入浴後に肌がべた
つき、使用感が悪いという問題があった。
【0004】ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重
合体としては、次のものが知られている。すなわち、皮
膚外用剤、皮膚外用剤基剤、化粧料、重合体、コンタク
トレンズ、コンタクトレンズ用溶液や生体適合性材料等
が知られている。特開平5−40321号公報には、2
−メタクリロイルオキシホスホリルコリンを重合してな
る重合体、これを含む組成物を皮膚に塗布することによ
り角質層を保護する膜を形成し、また優れた保湿効果を
発現することが開示されている。特開平9−31593
5号公報には2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン重合体と水溶性含窒素生体高分子からなる刺激
抑制化粧料が開示されているが、ここに2−メタクリロ
イルオキシエチルホスホリルコリンと他のモノマーから
なる共重合体を浴用剤として用いた具体例はなく、さら
に油性成分との配合についても具体的な記載はなく、保
湿感が著しく向上する入浴剤については開示されていな
い。
【0005】一方、リゾリン脂質は、一本鎖構造で、単
独では水中で非常に微細なミセルを形成し、乳化系では
微細なエマルジョンをつくり、乳化安定性が高いことが
知られている。その特徴として、乳化安定性・デンプン
の老化(デンプン分子の再結晶化による硬化と離水現
象)防止性があり、乳化剤や食パンなどの改質剤として
用いられている。従来の技術としては、次のものが知ら
れている。 (i)特開昭61−171407号公報、特開昭61−
112007号公報には、1−パルミトイル−リゾホス
ファチジルコリンや1−ステアロイル−リゾホスファチ
ジルコリンの化合物が開示されている。 (ii)特開昭63−41411号公報には、大豆あるい
は卵黄リゾリン脂質を用いた皮膚外用剤が開示されてい
る。 (iii)特開昭61−186305号公報には、1−パ
ルミトイルリゾホスファチジルエタノールアミンや1−
ステアロイル−リゾホスファチジルエタノールアミンが
低刺激性で使用感の優れた乳化型化粧料として開示され
ている。 (iV)米国特許5238965A号明細書、米国特許5
521223A号明細書には、1−O−アシルリゾホス
ファチジン酸が表皮細胞の増殖性を高めることから1−
O−アシルリゾホスファチジン酸またはリゾホスファチ
ジン酸環状エステルなどを抗しわ剤として皮膚に外用す
る技術も開示されている。 (v)特開平8−067619号公報などには、1−O
−アシルリゾホスファチジルコリンや1−アシルリゾホ
スファチジン酸の特定の分子種は皮膚の線維芽細胞も活
性化し、皮膚のヒアルロン酸の産生を亢進する効果を有
し皮膚のかさつきを根本的に防ぐことが可能であると開
示されている。 (vi)特開平11−139957号公報には、特定のリ
ゾリン脂質と油性成分をはいごうしてなる浴用剤が開示
されている。
【0006】しかし、以上のリゾリン脂質の配合は皮膚
外用剤であり、日常的に皮膚に塗布したり広範囲に塗布
し続けることは困難であった。従って、乾燥肌の人およ
び、老人に散見される皮脂欠乏性湿疹、乾皮症、褥瘡患
者や年少者に多いアトピー患者など入浴後の皮膚のかさ
つきが好ましくない人向けに保湿効果が高く、べたつき
感の少ない浴用剤の開発が強く望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、入浴時に肌へのあたりがなめらかで、入浴後の肌の
しっとり感の持続性が優れた保湿性の高い浴用剤を提供
することにある。本発明の第2の目的は、前記の入浴剤
と油性成分とを配合してなる浴用剤組成物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために浴用剤の検討を鋭意続けた結果、特定
のホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体が、保
湿感のある浴用剤として有効であり、さらに、前記の重
合体と油性成分を配合した浴用剤が、入浴時に肌へのあ
たりがなめらかで入浴後に保湿感が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は次
の(1)〜(9)に示すものである。 (1)下記の式[I]
【0009】
【化6】
【0010】(ただし、R1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。mは1〜4の整数を示す。)で示され
るホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体を含有
する浴用剤。 (2)下記の式[II]
【0011】
【化7】
【0012】{ただし、R1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく炭素数1〜8のアルキル基を示
す。mは1〜4の整数を示す。R4は水素原子またはメ
チル基であり、R5は、−(BO)jB−で示される基
である(ただし、Bは炭素数2〜5のアルキレン基であ
り、同一であっても異なっていても良い。Oは酸素原子
である。jは、BOで表されるアルキレンオキシ基の繰
り返し数で、0〜8の整数を示す。)。}で示される単
量体を単独重合、または、式[II]で示される単量体と
他のラジカル重合性単量体とを共重合してなる重合体を
含有する浴用剤。
【0013】(3)下記の式[III]
【0014】
【化8】
【0015】で示される2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリンの単独重合体または式[III]で示
される2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリ
ンと他のラジカル重合性単量体との共重合体を含有する
浴用剤。
【0016】(4)前記の(1)〜(3)のいずれかに
記載の浴用剤と更に油性成分を含有することを特徴とす
る浴用剤組成物。 (5)油性成分がリゾリン脂質である前記(4)に記載
の浴用剤組成物。 (6)前記の式[I]で示されるホスホリルコリン類似
基を側鎖に有する重合体1〜50重量%と油性成分1〜
50重量%とを含有する前記(3)の浴用剤組成物。 (7)前記の式[II]で示される単量体の単独重合体ま
たは式[II]で示される単量体と他のラジカル重合性単
量体との共重合体1〜50重量%とリゾリン脂質1〜5
0重量%とを含有する前記の浴用剤組成物。
【0017】(8)下記の式[III]で示される2−メ
タクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合
体または式[III]で示される2−メタクリロイルオキ
シエチルホスホリルコリンと他のラジカル重合性単量体
との共重合体1〜50重量%とリゾリン脂質1〜50重
量%とを含有する前記の浴用剤組成物。
【0018】(9)下記の式[IV]
【0019】
【化9】
【0020】{ただし、R1、R2、R3およびmは、前
記式[I]と同じである。また、R4は、水素原子また
はメチル基を示す。R5は、−(BO)jB−で示され
る基であり(ただし、Bは炭素数2〜5のアルキレン基
であり、同一でも異なっていてもよい。Oは酸素原子で
ある。jは、BOで表されるアルキレンオキシ基の繰り
返し数で、0〜8の整数を示す。)。−Mo−はラジカ
ル重合性単量体を重合してなる基である。aは繰り返し
数で、1〜10,000の整数を示す。bは繰り返し数
で、0〜10,000の整数を示す。(ただしa=1の
とき、b=0となることはない。)}で表される分子量
1000〜2,000,000の重合体を1〜50重量
%、と下記式[V]
【0021】
【化10】
【0022】{式中、R6は、炭素数が10〜22の飽
和脂肪酸残基または、炭素数が10〜22で、かつ1〜
6個の不飽和結合を有する不飽和脂肪酸残基または、炭
素数が10〜22の飽和炭化水素基または、炭素数が1
0〜22で、かつ1〜6個の不飽和結合を有する不飽和
炭化水素基のいずれかの基を示す。R7は、水素原子ま
たは、−CH2CH2+(CH33 で表される基を示
す。Mは水素原子または、アルカリ金属原子を示す。}
で表されるリゾリン脂質1〜50重量%とを含有する前
記の浴用剤組成物。 (10)ペット用である前記(1)〜(3)の浴用剤。 (11)ペット用である(4)〜(9)の浴用剤組成
物。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明で用いるホスホリルコリン
類似基を有する重合体(以下、PC重合体と略す。)
は、下記の式[I]に示される基を側鎖に有する重合体
であればいかなるものでもよい。
【0024】
【化11】
【0025】式[I]のR1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。炭素数が9以上の場合には得られるポ
リマー成分の親水性とモノマーの重合性が著しく低下す
る。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル
基等があげられ、このうち入手の容易さや重合性などの
理由からメチル基が最も好ましい。式[I]のmは1〜
4の整数であり、親水性および重合性の著しい低下や入
手の容易さなどの理由からエチレン基、プロピレン基が
より好ましい。式[I]で表れる基を側鎖に有する重合
体は、例えば、式[I]で表わされるホスホリルコリン
類似基を側鎖に有する単量体を単独で、または公知の他
の単量体と共に、公知の方法で重合して得ることができ
る。式[I]で表わされるホスホリルコリン類似基を側
鎖に有する単量体としては、式[I]で表わされるホス
ホリルコリン類似基を側鎖に有しており、かつ、重合性
をもった単量体であればいかなるものでもよいが、具体
的には、取扱い易さなどの点から、分子中にラジカル重
合性の二重結合を持つものがよく、そのような単量体で
あれば、いかなるものでも自由に使用することができ
る。このような、式[I]で表わされるホスホリルコリ
ン類似基を側鎖に有しており、分子中にラジカル重合性
の二重結合を持つ単量体の例としては、入手しやすさな
どの点から、下記の式[II]
【0026】
【化12】
【0027】で表される単量体(以下、PC単量体と略
す。)が好ましく用いられる。式[II]のR1、R2、R
3およびmは、前記式[I]と同じである。式[II]の
4は水素原子またはメチル基であり、R5は、−(B
O)jB−で示される基である。ここで、Bは炭素数2
〜5のアルキレン基を表し、同一であっても異なってい
ても良い。炭素数2〜5のアルキレン基としては、例え
ばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げら
れ、このうち入手あるいは合成が容易である理由からエ
チレン基が最も好ましい。Oは酸素原子である。jは、
BOで表されるアルキレンオキシ基の繰り返し数で、0
〜8の整数を示し、入手あるいは合成の容易さから0あ
るいは1が好ましい。
【0028】本発明で用いられる式[II]で表される単
量体として、具体的には例えば、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−
(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル
−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−
(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロ
ピルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピル−2’−(トリプロピルアン
モニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エ
チルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペ
ンチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(ト
リブチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピル
アンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリ
ロイルオキシペンチル−2’−(トリブチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、
【0029】さらに、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルエチルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−
(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリエチ
ルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−3’−(トリプロピルアンモニ
オ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチ
ルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル−3’−(トリブチルアンモニオ)プロピルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−
(トリブチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリメ
チルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリメチルアン
モニオ)ブチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピル−3’−(トリエチルアンモニオ)プ
ロピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピル−4’−(トリエチルアンモニオ)ブチルホス
フェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−
3’−(トリプロピルアンモニオ)プロピルホスフェー
ト、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−
(トリプロピルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリブ
チルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリブチルアン
モニオ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシブチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロ
ピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブ
チル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェ
ート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−
(トリエチルアンモニオ)プロピルエチルホスフェー
ト、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−
(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−
(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリプロ
ピルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)
アクリロイルオキシブチル−4’−(トリプロピルアン
モニオ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシブチル−3’−(トリブチルアンモニオ)プロ
ピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブ
チル−4’−(トリブチルアンモニオ)ブチルホスフェ
ートなどを挙げることができる。このうち入手性の点か
らは、2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリ
エチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下、MPC
と略すことがある)を特に好ましく挙げることができ
る。
【0030】前記のホスホリルコリン類似基を有する単
量体を列挙したが、本発明に用いることができるホスホ
リルコリン類似基を有する単量体としては、ホスホリル
コリン類似基を有する単量体であるならば特に限定され
るものではなく、公知のホスホリルコリン類似基を有す
る単量体で、本発明に用いることができるものであるな
らば、いかなるものであっても制限無く使用することが
できる。また、前記のPC単量体を、一種ないし二種以
上を混合して重合したり、公知の他の単量体と共に重合
に用いることも、本発明の効果を損なわない範囲におい
て、特に限定されない。
【0031】本発明で用いる前記のPC単量体は、例え
ば、特開昭54−63025号公報、特開昭58−15
4591号公報、特開昭63−222183号公報、特
開平5−107511号公報、特開平6−41157号
公報、WO93−01121号明細書、WO097−0
8177号明細書などに示された方法に準じて合成する
ことができる。MPCは、次の式[III]に示される構
造を有する。
【0032】
【化13】
【0033】本発明に用いることができる、式[I]で
示されるホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体
は、式[II]で表わされる単量体やMPCを単独で、ま
たは前記PC単量体を他の単量体と共に、公知の方法、
例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、分散重合等の
重合方法によって簡便に得ることができる。式[II]で
表わされる単量体やMPCと共重合させることができる
他の単量体としては、これと共重合できるものであるな
らば、公知のいかなる単量体であってもよいが、ラジカ
ル重合性単量体であることが特に好ましい。
【0034】本発明に用いることができる、ラジカル重
合性単量体としてはラジカル重合性単量体であるなら
ば、本発明の特徴を妨げない範囲で、公知のいかなるも
のを用いてもよい。具体的には、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ド
デシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート;3−((メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル)トリメトキシシラン、3−((メタ)アクリロイル
オキシプロピル)トリエトキシシラン、3−((メタ)
アクリロイルオキシプロピル)トリプロピルオキシシラ
ン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;2−(ペル
フルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−
(ペルフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレー
ト、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メ
タ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロ
ヘプチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフル
オロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレ
ート等のフッ素含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリ
レート;(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリル酸アミド、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム等のアミド系単量体;(メタ)
アクリル酸などを挙げることができる。
【0035】また、スチレン、メチルスチレン、クロロ
メチルスチレン等の置換もしくは無置換のスチレン系単
量体;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等
のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル等のビニルエス
テル系単量体;トリメトキシビニルシラン、トリエトキ
シビニルシラン等のビニルシラン系単量体;エチレン、
プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等の置換もしくは無置換の炭化水素系単量体;ジエチ
ルフマレート、ジエチルマレエート等の二塩基酸エステ
ル系単量体;N−ビニルピロリドンなども挙げることが
できる。
【0036】このうち、アルキル(メタ)アクリレート
やシリル基含有(メタ)アクリレート、フッ素含有アク
リレートなどの疎水性ラジカル重合性単量体を、共重合
させたときに、重合体の肌への保持され易さなどにおい
て効果があることから好ましく用いられ、さらに、これ
らのうちブチル(メタ)アクリレートが、入手性などの
点から特に好ましく用いられる。このときの重合条件
は、本発明の特徴を妨げない範囲で適宜選択されてよ
く、また公知のいかなる重合方法を使用してもかまわな
いが、好ましい重合方法としては、通常のラジカル重合
反応が用いられ、好ましくは溶液重合により30〜90
℃で重合を行うのがよい。溶液重合に使用される溶媒と
しては、どのようなものでもよいが、例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや
水、あるいはこれらの混合溶媒などを用いることもでき
る。
【0037】ラジカル重合反応に使用されるラジカル重
合開始剤としては、通常使用されるものであれば特に限
定されないが、具体的には例えば、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;
過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペル
オキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレ
ート等の油溶性の有機過酸化物;コハク酸ジアシルペル
オキシド等の水溶性有機過酸化物;、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、過酸化水素などの水溶性の無機開
始剤などが用いられる。ラジカル重合開始剤の添加量
は、適宜選択して良いが、通常原料の全単量体重量の
0.01〜10重量%の割合で使用するのが好ましい。
【0038】本発明に用いられるPC重合体は、式
[2]に示されるような単量体やMPCの単量体に基づ
く構成単位を少なくとも1モル%以上、好ましくは10
モル%以上、さらに好ましくは、20モル%以上含有す
るとよい。1モル%未満の場合には、皮膚に対する保湿
効果を充分に発揮させることができなくなるので好まし
くない。また、皮膚に対するあたりのよさの点からは式
[2]に示されるような単量体やMPCの単量体に基づ
く構成単位を、30〜95モル%の範囲で含むのがよ
く、さらには50〜90モル%の範囲で含むのが好まし
く、さらには60〜85モル%の範囲で含むのが最も好
ましい。
【0039】本発明に用いることのできる、ホスホリル
コリン類似基を有する重合体の具体例としては、例え
ば、下記の式[IV]
【0040】
【化14】
【0041】で表すことができる。式中、R1、R2、R
3、R4、R5およびmは、前記式[II]と同一である。
aは前記のPC単量体即ち、式(II)に基づく構成単位
の繰り返し数で、1〜10,000の整数を示し、好ま
しくは100〜5,000である。
【0042】−Mo−は、ラジカル重合性単量体に基づ
く構成単位の基であり、皮膚表面における保持能の点か
ら好ましくは疎水性ラジカル重合性単量体を重合してな
る基で、さらに入手のし易さの点から好ましくはスチレ
ンまたはブチル(メタ)アクリレートに基づく基であ
る。bはラジカル重合性単量体に基づく構成単位の繰り
返し数で、0〜10,000の整数を示し、好ましくは
100〜5,000である。繰り返し数はa=1のと
き、b=0となることはない。前記式[IV]で表される
重合体の分子量は、本発明の特徴を損なわない限り、如
何なる分子量であっても問題はないが、分子量としては
数平均分子量として、1000〜2,000,000が
好ましく、さらには分子量10,000〜2,000,
000がより好ましい。数平均分子量が10,000未
満であると、合成し難くなるので好ましくなく、平均分
子量が、2,000,000より大きい場合は製品の粘
度が高くなり、製造し難くなるので好ましくない。な
お、{ }内は、ランダム状であっても、ブロック状で
あってもどちらでも良い。式[IV]に示される重合体
は、既に記した式[I]で示されるホスホリルコリン類
似基を側鎖に有する重合体と同様の製造方法及び製造条
件用いて、式[II]で表わされる単量体やMPCを単独
で重合するか、またはラジカル重合性単量体と共重合す
ることによって適宜合成することができる。
【0043】本発明の浴用剤は、必須の重合体成分とし
て、式[I]で示されるホスホリルコリン類似基を側鎖
に有する重合体を配合することを特徴としている。その
配合量は、本発明の目的を妨げない限り、自由に選択さ
れて良いが、好ましくは浴用剤全重量に対して1〜50
重量%の量で配合されると良く、より好ましくは10〜
40重量%の量で配合されるのがよい。1重量%未満の
場合は、保湿性の観点から好ましくなく、50重量%よ
り多い場合は使用感の観点から好ましくない。
【0044】本発明の浴用剤には、必須の重合体成分の
他に、油性成分を好ましく配合することができる。油性
成分を配合することにより、浴用剤の保湿感をさらに高
め、角質層水分含量を保ち、皮膚に対する保湿効果をさ
らに著しく向上することができる。本発明に用いること
ができる油性成分としては、通常浴用剤に用いられる油
性成分であればとくに限定はされないが、好ましくは、
油脂類、ロウ類、高級脂肪酸類、炭化水素類、高級アル
コール類、エステル類や精油、シリコーン類、リン脂質
類がなどが挙げられる。ここで、油脂類としては、大豆
油、糠油、ホホバ油、アボガド油、ハッカ油、ヒノキ
油、橙皮油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴ
マ油、パーシック油、ひまし油、椰子油、ミンク油、牛
脂、豚脂などの天然油脂やこれらの天然油脂に水素添加
して得られる効果油、ミリスチン酸グリセリド、2−エ
チルヘキサン酸グリセリドなどの合成グリセリドやジグ
リセリドなどが挙げられる。また、ロウ類としては、カ
ルナウバオロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリンなどが挙
げられる。また、高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリ
ン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、ラノリン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
また、炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリ
ン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シン、スクワレン、プリスタンなどが挙げられる。ま
た、高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルア
ルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール、
オクタコサノールなどである。また、エステル類として
は、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、
ミリスチル酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、
アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイ
ン酸デシル、イソステアリン酸コレステロールなどが挙
げられる。また、リン脂質類としては、ジパルミトイル
ホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコ
リン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジミリス
トイルホスファチジルコリン、リゾリン脂質などが挙げ
られる。
【0045】このうち、油性成分として、保湿感に優れ
たリン脂質が好ましく用いられ、特に使用感と保湿感に
優れた点から、リゾリン脂質が最も好ましく用いられ
る。本発明で用いるリゾリン脂質としては、通常リゾリ
ン脂質として公知の知られているものであるならば、い
かなるリゾリン脂質であっても用いることができるが、
より具体的には式[V]
【0046】
【化15】
【0047】で示されるものを好ましく用いることがで
き、1−O−アシル基を含有するものや、あるいは1−
O−炭化水素基を含有するタイプのリゾリン脂質も含ん
でよい。
【0048】式[V]において、R6は炭素数が10〜
22の飽和脂肪酸残基または、炭素数10〜22の水酸
基含有脂肪酸残基または、炭素数10〜22のイソ型脂
肪酸残基または、炭素数10〜22のアンテイソ型脂肪
酸残基または、炭素数が10〜22で、かつ1〜6個の
不飽和結合を有する不飽和脂肪酸残基または、炭素数が
10〜22の飽和炭化水素基または、炭素数が10〜2
2で、かつ1〜6個の不飽和結合を有する不飽和炭化水
素基のいずれかの基を示す。ここで、炭素数10〜22
の飽和脂肪酸残基の具体例としては、デカノイル基、ラ
ウロイル基、ミリストイル基、ペンタデカノイル基、パ
ルミトイル基、マルガリン基、ステアロイル基などを例
示することができ、好ましくはミリストイル基、パルミ
トイル基、ステアロイル基が挙げられる。炭素数10〜
22の水酸基含有脂肪酸残基の具体例としては、ハイド
ロキシドデカノイル基、ハイドロキシミリストイル基、
ハイドロキシペンタデカニル基、ハイドロキシヘキサデ
カニル基およびハイドロキシオクタデカニル基等が挙げ
られる。炭素数10〜22のイソ型脂肪酸残基の具体例
としては、イソラウロイル基、イソミストイル基、イソ
パルミトイル基、イソステアロイル基およびイソアラキ
ドイル基などが挙げられる。炭素数10〜22のアンテ
イソ型脂肪酸残基の具体例としては、メチルウンデカノ
イル基、メチルトリデカノイル基、メチルペンタデカノ
イル基およびメチルヘキサデカノイル基、等が挙げられ
る。炭素数10〜22で、かつ1〜6個の不飽和結合を
有する脂肪酸残基の具体例としては、ミリストオレオイ
ル基、パルミトオレオイル基、オレオイル基、リノレオ
イル基、アラキドノイル基、エイコサペンタノイル基、
ドコサヘキサノイル基などを例示することができ、好ま
しくはパルミトオレイル基である。炭素数が10〜22
の飽和炭化水素基の具体例としては、デカニル基、ラウ
リル基、ミリスチル基、ペンタデカニル基、パルミチル
基、マルガリル基、ステアリル基などを例示することが
でき、好ましくはラウリル基やミリスチル基である。
【0049】炭素数が10〜22で、かつ1〜6個の不
飽和結合を有する不飽和炭化水素基の具体例としては、
ミリストオレイル基、パルミトオレオイル基、オレイル
基、アラキドイル基、エイコサペンタイル基などを例示
することができ、好ましくはパルミトオレイル基、オレ
イル基である。また、式[V]においてR7は、水素原
子、またはコリン基{−CH2CH2+(CH33で表
される基}である。また、式[V]においてMは、水素
原子、またはアルカリ金属原子である。アルカリ金属原
子としては、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチ
ウムなどが挙げられる。好よりましくは、水素原子、ナ
トリウム、カリウムである。
【0050】このようなリゾリン脂質は、市販のものを
利用したり、合成したりすることで入手することができ
る。例えば、1−O−アシル基を含有したようなリゾリ
ン脂質は、市販のもの、あるいは市販の原料から合成し
たもの等が容易に入手できるのでより好ましい。例え
ば、1、2−ジアシルリン脂質をホスホリパーゼA
2や、ホスホリパーゼDで処理することにより、1−ア
シルリゾリン脂質を得ることができる。
【0051】またグリセロホスホコリンやグリセロリン
酸に、脂肪酸無水物や脂肪酸ハロゲン化物を触媒下に反
応させ、リゾホスファチジルコリンやリゾホスファチジ
ン酸を製造することができる。また、大豆や卵黄由来の
リン脂質を、ホスホリパーゼA2やホスホリパーゼDで
処理しても、リゾリン脂質が得られる。また1−O−炭
化水素基を含有したリゾホスファチジルコリンも、市販
のものを入手できる他、1−O―炭化水素基を含有し
た、2−アシルリゾホスファチジルコリンをホスホリパ
ーゼA2で処理することにより、1−O−炭化水素基含
有リゾホスファチジルコリンを得ることもできる。これ
らの方法で、1−O−アシル基型の大豆リゾリン脂質、
ラウロイルリゾホスファチジルコリン、ミリストイルリ
ゾホスファチジン酸や、1−O−炭化水素基型のリゾリ
ン脂質であるパルミチルリゾホスファチジン酸などが得
られる。
【0052】本発明の浴用剤に用いられる、式[I]で
表されるホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合
体、および油性成分を浴用剤として利用する場合には、
式[I]で表されるホスホリルコリン類似基を側鎖に有
する重合体を単独で浴湯に分散させるか、またはこれと
油性成分とを浴湯に分散させ、共存して用いてもよい。
このとき、式[I]で表されるホスホリルコリン類似基
を側鎖に有する重合体の浴湯中への分散量は、浴湯全体
に対して0.01〜1000ppmになることが好まし
く、特に1〜50ppmが好ましい。また、油性成分を
加えた場合の分散量も、式[I]で表されるホスホリル
コリン類似基を側鎖に有する重合体と油性成分を合わせ
た浴湯中への分散量が、浴湯全体に対して0.01〜1
000ppmになることが好ましく、特に1〜50pp
mが好ましい。本発明の浴用剤は、前記のように式
[I]で表されるホスホリルコリン類似基を側鎖に有す
る重合体を単独で、またはこれと油性成分とを直接浴湯
に添加して使用することができるが、このほか、浴用剤
に配合される添加剤として一般的に知られる添加剤をこ
れらに加え、剤型を整えて浴用組成物とし、これを浴湯
中に分散させて使用することもできる。
【0053】本発明の浴用剤を浴用剤組成物にする場合
は、浴用剤組成物中に、式[I]で表されるホスホリル
コリン類似基を側鎖に有する重合体を1〜50重量%配
合して用いるのがよく、さらにここに油性成分を配合す
る場合には、油性成分を1〜50重量%加えて用いるの
がよい。このとき、式[I]で表されるホスホリルコリ
ン類似基を側鎖に有する重合体が1重量%未満の場合
は、よい保湿感が得られず好ましくなく、また50重量
%より多い場合は、浴用剤の粘度が高くなるので好まし
くない。また油性成分が1重量%未満の場合は、保湿感
を高めて角質層水分含量を保ちにくく、50重量%より
多い場合は、配合量に見合うだけの皮膚に対する保湿効
果の著しい向上が認められないので好ましくない。
【0054】さらに本発明の浴用剤を浴用剤組成物とす
る場合には、式[I]で表されるホスホリルコリン類似
基を側鎖に有する重合体、および油性成分以外に、必要
があれば目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲
で、各種の添加物を加えることもできる。添加物として
は、浴用剤組成物中に通常配合される添加剤であれば、
いかなるものであっても自由に使用することができる
が、例えば有機酸、無機塩類、酵素、温泉成分、界面活
性剤、アルコール類、糖類、ビタミン類、アミノ酸類、
酸化防止剤、防腐剤、ハーブ、生薬、香料、色素などを
必要に応じて適量配合することができる。前記の有機酸
としては、本発明の効果を損なわない範囲で、いかなる
有機酸であっても使用することができるが、具体的には
例えば、安息香酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒
石酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸などが用いられ
る。無機塩類としては、本発明の効果を損なわない範囲
で、いかなる無機塩類であっても使用することができる
が、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化
ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、リ
ン酸ナトリウム、硫酸鉄リン酸ナトリウム、酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化
カリウム、硫化カリウム、ミョウバン、メタケイ酸、無
水ケイ酸などが用いられる。酵素としては、本発明の効
果を損なわない範囲で、いかなる酵素であっても使用す
ることができるが、パンクレアチン、ペプシン、トリプ
シン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、プロメ
ライン、フィシン、などが用いられる。
【0055】界面活性剤としては、本発明の効果を損な
わない範囲で、いかなる界面活性剤であっても使用する
ことができるが、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テ
トラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ
油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、α-オレフィンス
ルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル
硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナト
リウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、カルボ
キシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン
類などが用いられる。前記のアルコール類としては、本
発明の効果を損なわない範囲で、いかなるアルコール類
であっても使用することができるが、ラウリルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノー
ルなどが用いられる。糖類としては、本発明の効果を損
なわない範囲で、いかなる糖類であっても使用すること
ができるが、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロ
イチン硫酸、キチン、マンナン、トレハロース、ラクト
ースなどが用いられる。
【0056】ビタミン類としては、本発明の効果を損な
わない範囲で、いかなるビタミン類であっても使用する
ことができるが、ビタミンA、ビタミンB、ビタミン
C、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミン
K、ビタミンP、ビタミンU、かるに陳、フェルラ酸、
γ-オリザノールやそれらの誘導体が用いられる。アミ
ノ酸類としては、本発明の効果を損なわない範囲で、い
かなるアミノ酸類であっても使用することができるが、
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシ
ン、トリプトファン、システイン、メチオニン、プロリ
ン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン
酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが用いられ
る。酸化防止剤としては、本発明の効果を損なわない範
囲で、いかなる酸化防止剤であっても使用することがで
きるが、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、アスコル
ビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレートなど
が用いられる。
【0057】ハーブあるいは生薬としては、本発明の効
果を損なわない範囲で、いかなるものであっても使用す
ることができるが、ゴシュユ、ソウジュツ、ビャクジュ
ツ、カノコソウ、カンゾウ、ケイガイ、コウボク、セン
キュウ、トウキ、トウヒ、ショウキョウ、オウゴン、サ
ンシシ、ガイヨウ、アロエ、ニンジン、ケイヒ、シャク
ヤク、ハッカ葉、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、マ
ツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、リュウノウ、サフラ
ン、オウバク、ウイキョウ、チンピ、カンピ、カミツ
レ、メリッサ、ダイコン、ヤナギ、クスノキ、ニワト
コ、ソクズ、ナギナタコウジュ、ユズ、ダイダイ、モ
モ、サイカチ、ビワ、スイカズラ、ヨロイグサ、ボダイ
ジュ、トチノキ、ノコギリソウ、ホップ、ローズマリ
ー、ラベンダー、カバノキ、キッソウコン、マロニエ、
アルニカ(海草類)などが用いられる。
【0058】香料としては、本発明の効果を損なわない
範囲で、いかなる香料であっても使用することができる
が、例えば天然香料または合成香料が好ましく用いら
れ、天然香料としては、イランイラン油、ラベンダー
油、ローズ油、ジャスミン油、クラリーセージ油、サン
ダルウッド油、エレミ油、パチョウリ油、ペルーバルサ
ム油、トルーバルサム油などが用いられ、合成香料とし
てはシス−3−ヘキセノール、ヘキシルシンナミックア
ルデハイド、シンナミックアルコール、バニリン、クマ
リン、リモネン、ガンマーウンデカラクトン、6−アセ
チル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−テトラ
ヒドロナフタレン、5−アセチル−1,1,2,3,
3,6−ヘキサメチルインダン、シクロヘンタデカノ
ン、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックア
ルデハイド、ローズオキサイド、ヘリオトロピンなどが
挙げられる。
【0059】色素類としては、本発明の効果を損なわな
い範囲で、いかなる色素であっても使用することができ
るが、通常、合成色素である青色1号、青色2号、黄色
4号、黄色5号、黄色202号の(1)、赤色106
号、橙色205号が用いられ、また製品のナチュラルイ
メージを高める点からは、天然色素が好ましく用いら
れ、具体的にはカラメル色素、アナトー色素、パプリカ
色素、コチニール色素、モナスカス色素、クチナシ色
素、ベニバナ色素、赤ダイコン色素、赤キャベツ色素、
ビートレッド、ベリー系色素、赤ジソ色素、紫イモ色
素、スピルリナ色素、クロロフィル、イカスミ色素、カ
カオ色素、マリーゴールド色素、抽出カロチンなどが挙
げられる。これらの種々の添加剤は、本発明の効果を妨
げない範囲で、適量配合して用いることができる。
【0060】添加剤は、任意の添加量はかりとられ、通
常知られた方法で本発明の浴用剤と共に適宜配合され、
その後、一般的な浴用剤組成物の製造方法を利用して、
浴用剤組成物として製造され、さらには、浴用剤組成物
の形状を、粉末、顆粒、錠剤、溶液などの任意の形状に
加工することができる。このとき、取り扱いやすさの点
から浴用剤組成物を、顆粒状、粉末状、溶液状に加工す
ることが好ましく行われる。対象としては、人体用以外
に、家畜用あるいはペット用等にも好適に使用できる。
家畜用としての対象は、馬、牛、豚、ロバ、羊、鶏等が
挙げられる。また、ペット用としての対象は、犬、猫、
サル、マウス、モルモット、りす、いたち、アライグ
マ、スカンク等が挙げられる。
【0061】
【発明の効果】本発明の浴用剤は、ホスホリルコリン類
似基を側鎖に有する重合体を使用するので、入浴時の肌
へのあたりがなめらかで入浴後の保湿性が優れ、しっと
り感の優れた入浴剤である。また、本発明の浴用剤組成
物は、ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体と
油性成分とを配合した浴用剤組成物であり、その効果と
しては、入浴時の湯の肌へのあたりがなめらかで、入浴
後も持続する保湿感がある。即ち、本発明の浴用剤組成
物は、入浴時の湯の肌へのあたりがなめらかで、入浴後
に持続性に優れた保湿感が得られる。
【0062】
【実施例】以下、合成例および実施例により本発明を更
に詳細に説明する。 <浴用剤評価>まず浴用剤評価に先立ち、評価するため
の浴用剤サンプルAを調製し、更にこれの官能試験、角
質水分含量測定を行うことで浴用剤の評価を行った。こ
れらについて以下に記載する。 (浴用剤サンプルAおよび、浴用剤サンプルAを含有す
る浴湯の調製)浴用剤サンプルAの原料として、MPC
重合体(分子量約35,000、合成例1で得たもの)
30g、無水硫酸ナトリウム69g、および青色1号
0.05g、および香料0.95gをそれぞれ乳鉢に計
り取り、室温下に充分に混合して粉末状の浴用剤を得
た。この組成の浴用剤組成物を30g/200リットル
の割合で、40℃の浴湯に溶解して、浴用剤サンプルA
を含有する浴湯を得た。 (官能試験)入浴後の肌のしっとり感を評価するため
に、一般人の中から、特に入浴に興味を抱く心理的傾向
(温泉旅行、公衆浴場などに頻繁に出かけ、さらに市販
の浴用剤などを習慣的に常用しているなどの共通の特徴
がある)をもち、アンケート等から皮膚感覚の記憶能に
優れていると観察された者を集めたボランティアからな
るパネル30名(年令25才〜55才の男女)に対し
て、予め浴用剤サンプルAと異なる比較用浴用剤(比較
例1)を溶解した浴湯に、日をあけて数回入浴してもら
い、比較例1の浴用剤を用いたときの、入浴時および入
浴後の皮膚感覚からなる入浴感を記憶してもらった。な
お、比較例1の浴用剤を含む浴湯の調製および、これへ
の入浴は次のようにした。
【0063】<比較例1の浴用剤>比較例1の浴用剤の
原料として無水硫酸ナトリウム、99g、青色1号0.
05gおよび香料0.95gをそれぞれ乳鉢に計り取
り、室温下に充分に混合して粉末状の浴用剤を得た。こ
の比較例1の浴用剤組成物を30g/200リットルの
割合で、40℃の浴湯に溶解して、比較例1の浴用剤を
含有する浴湯を得た。この比較例1の浴用剤を添加した
浴湯への入浴を10分間行い、これを日をあけて数日間
行い、入浴時および入浴後の皮膚感覚を出来るだけ詳細
に記憶してもらった。その後、さらに日をおいて、前記
した浴用剤サンプルAを含有する浴湯への入浴を10分
間行ってもらい、(1)入浴時の湯あたり感を5段階評
価法で測定してもらった。このとき、入浴時のお湯の肌
への当たりが、予め記憶してもらった比較例1の浴用剤
を用いて入浴したときと同等の感覚のものを3点と評価
し、これよりも優れた場合は4点、非常に優れた場合を
5点、悪い場合を2点、非常に悪い場合を1点として点
数化した。
【0064】このときの評価の結果をパネル全員の平均
値として表1に示した。また、(2)入浴後の肌のすべ
すべ感、(3)しっとり感および(4)べたつき感につ
いても、対照とした浴用剤サンプルAでない比較用浴用
剤を用いたときに比べて同様の感覚ものを3点と評価
し、これより良いものを4点、非常によいものを5点、
悪いものを2点、非常に悪いものを1点として評価し
た。結果を、パネル全員の平均値として表1に合わせて
示した。
【0065】(皮質水分含量測定)角質層水分量を水分
測定器(IBS社製、商品名SKICON200)を用
いて測定し、前記した浴用剤サンプルAを含有する浴湯
に入浴直後、30、60分経過後に測定された抵抗値の
逆数で示される値を入浴前の測定値に対する換算値とし
て表した。
【0066】合成例1 MPC重合体の製造 MPCを0.5mol/Lおよび重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)をモノマーに対し
て1モル%となるようにエタノール100mlに溶解し
た。反応容器内をアルゴンで置換した後に封管した。6
0℃で4時間反応し、反応混合物を大量のジエチルエー
テル中に滴下し、コポリマーを沈殿させた。これを濾別
して、充分にジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥
して収率約30%で白色粉末状のコポリマーを得た。
【0067】合成例2 MPC/n−ブチルメタクリレート共重合体の製造 MPCとブチルメタクリル酸のモノマーの仕込みモル比
がMPC:ブチルメタクリル酸=3:5、総モノマー濃
度が1モル/Lおよび開始剤AIBNをモノマーに対し
て0.5モル%となるようにとなるようにエタノール1
00mlに溶解した。反応容器内をアルゴンで置換した
後に封管した。60℃で6時間反応し、反応混合物を大
量のジエチルエーテル中に滴下し、コポリマーを沈殿さ
せた。これを濾別して、充分にジエチルエーテルで洗浄
した後、減圧乾燥して収率約50%で白色粉末状のコポ
リマーを得た。
【0068】合成例3 MPC/スチレン共重合体の製造 MPCとスチレンのモノマーの仕込みモル比がMPC:
スチレン=1:9で総モノマー濃度が1モル/Lおよび
開始剤としてAIBNを5mM/Lとなるようにガラス
容器に採取し、溶媒としてエタノール:テトラヒドロキ
シフラン(THF)=1:3混合溶液100mlを加え
た。反応容器内をアルゴン置換した後に封管した。これ
を60℃加温下に24時間重合反応を行った。反応混合
物を氷冷した後、1.8Lのジエチルエーテル中に滴下
してコポリマーを沈殿させた。これを濾別し、充分にジ
エチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥して収率約30
%で白色粉末状のコポリマー4.8gを得た。
【0069】実施例1 <浴用剤評価>まず浴用剤評価に先立ち、評価するため
の浴用剤サンプルAを調製し、更にこれの官能試験、角
質水分含量測定を行うことで浴用剤の評価を行った。こ
れらについて以下に記載する。 (浴用剤サンプルAおよび、浴用剤サンプルAを含有す
る浴湯の調製)浴用剤サンプルAの原料として、MPC
重合体(分子量約35,000、合成例1で得たもの)
30g、無水硫酸ナトリウム69g、および青色1号
0.05g、および香料0.95gをそれぞれ乳鉢に計
り取り、室温下に充分に混合して粉末状の浴用剤を得
た。この組成の浴用剤組成物を30g/200リットル
の割合で、40℃の浴湯に溶解して、浴用剤サンプルA
を含有する浴湯を得た。尚、浴用剤サンプルAの原料の
配合比は、重量%で表1にも記した。 (官能試験)入浴後の肌のしっとり感を評価するため
に、一般人の中から、特に入浴に興味を抱く心理的傾向
(温泉旅行、公衆浴場などに頻繁に出かけ、さらに市販
の浴用剤などを習慣的に常用しているなどの共通の特徴
がある)をもち、アンケート等から皮膚感覚の記憶能に
優れていると観察された者を集めたボランティアからな
るパネル30名(年令25才〜55才の男女)に対し
て、予め浴用剤サンプルAと異なる比較用浴用剤を溶解
した浴湯に、日をあけて数回入浴してもらい、浴用剤サ
ンプルAと異なる比較用浴用剤を用いたときの、入浴時
および入浴後の皮膚感覚からなる入浴感を記憶してもら
った。ちなみに、浴用剤サンプルAでない比較用浴用剤
を含む浴湯の調製および、これへの入浴は次のようにし
た。浴用剤サンプルAでない比較用浴用剤の原料として
無水硫酸ナトリウム、99g、青色1号0.05gおよ
び香料0.95gをそれぞれ乳鉢に計り取り、室温下に
充分に混合して粉末状の浴用剤を得た。この組成の浴用
剤サンプルAでない浴用剤組成物を30g/200リッ
トルの割合で、40℃の浴湯に溶解して、浴用剤サンプ
ルAでない比較用浴用剤を含有する浴湯を得た。この浴
用剤サンプルAでない比較用浴用剤を添加した浴湯への
入浴を10分間行い、これを日をあけて数日間行い、入
浴時および入浴後の皮膚感覚を出来るだけ詳細に記憶し
てもらった(感覚内容は、パネルの主観に依存し、言語
的表現が困難なため未記載)。その後、さらに日をおい
て、前記した浴用剤サンプルAを含有する浴湯への入浴
を10分間行ってもらい、(1)入浴時の湯あたり感を
5段階評価法で測定してもらった。このとき、入浴時の
お湯の肌への当たりが、予め記憶してもらった浴用剤サ
ンプルAでない比較用浴用剤を用いて入浴したときと同
等の感覚のものを3点と評価し、これよりも優れた場合
は4点、非常に優れた場合を5点、もしくは悪い場合を
2点、非常に悪い場合を1点として点数化してもらっ
た。このときの評価の結果をパネル全員の平均値として
表1に示した。また、(2)入浴後の肌のすべすべ感、
(3)しっとり感および(4)べたつき感についても、
対照とした浴用剤サンプルAでない比較用浴用剤を用い
たときに比べて同様の感覚ものを3点と評価し、これよ
り良いものを4点、非常によいものを5点、もしくは悪
いものを2点、非常に悪いものを1点として評価した。
結果を、パネル全員の平均値として表1に合わせて示し
た。
【0070】(皮質水分含量測定)角質層水分量を水分
測定器(IBS社製、商品名SKICON200)を用
いて測定し、前記した浴用剤サンプルAを含有する浴湯
に入浴直後、30、60分経過後に測定された抵抗値の
逆数で示される値を入浴前の測定値に対する換算値とし
て表し、その平均値を表1に示した。
【0071】実施例2 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/n−ブチルメ
タクリレート共重合体(分子量約35,000、合成例
2で得たもの)、40g、炭酸水素ナトリウム、29
g、フマル酸、30g、青色1号0.05gおよび香料
0.95gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にし
て浴用剤を得た。実施例1と同様に浴湯に溶解し、評価
した。その結果を表1に併せて記した。
【0072】実施例3 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/スチレン共重
合体(分子量約20,000、合成例3で得たもの)、
30g、無水硫酸ナトリウム、69g、青色1号0.0
5gおよび香料0.95gをそれぞれ用いた以外は実施
例1と同様にして浴用剤組成物を得た。実施例1と同様
に浴湯に溶解し、評価した。その結果を表1に併せて記
した。
【0073】実施例4 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/n−ブチルメ
タクリレート共重合体(分子量約35,000、合成例
2で得たもの)、40g、ラウロイル−リゾホスファチ
ジルコリン、10g、炭酸水素ナトリウム、25g、フ
マル酸、24g、青色1号0.05gおよび香料0.9
5gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして浴用
剤組成物を得た。実施例1と同様に浴湯に溶解し、評価
した。その結果を表1に合わせて記した。
【0074】実施例5 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/スチレン共重
合体(分子量20,000、合成例3で得たもの)、2
0g、デカニル−リゾホスファチジルコリン、10g、
無水硫酸ナトリウム、69g、青色1号0.05gおよ
び香料0.95gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同
様にして浴用剤組成物を得た。実施例1と同様に浴湯に
溶解し、評価した。その結果を表1に合わせて記した。
【0075】実施例6 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/n−ブチルメ
タクリレート共重合体(分子量約35,000、合成例
2で得たもの)、20g、パルミチル−リゾホスファチ
ジン酸、1g、炭酸水素ナトリウム、40g、フマル
酸、38g、青色1号0.05gおよび香料0.95g
をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして浴用剤組
成物を得た。実施例1と同様に浴湯に溶解し、評価し
た。その結果を表1に合わせて記した。
【0076】実施例7 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/n−ブチルメ
タクリレート共重合体(分子量約35,000、合成例
2で得たもの)、20g、大豆リゾリン脂質、50g、
炭酸水素ナトリウム、10g、フマル酸、19g、青色
1号0.05gおよび香料0.95gをそれぞれ用いた
以外は実施例1と同様にして浴用剤組成物を得た。実施
例1と同様に浴湯に溶解し、評価した。その結果を表1
に合わせて記した。
【0077】実施例8 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/n-ブチルメ
タクリレート共重合体(分子量約35,000、合成例
2で得たもの)、20g、パルミチルリゾホスファチジ
ン酸、0.1g、炭酸水素ナトリウム、40g、フマル
酸、38.9g、青色1号0.05gおよび香料0.9
5gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして浴用
剤組成物を得た。実施例1と同様に浴湯に溶解し、評価
した。その結果を表2に合わせて記した。
【0078】実施例9 浴用剤サンプルAの原料として、MPC/n-ブチルメ
タクリレート共重合体(分子量約35,000、合成例
2で得たもの)、25g、オレオイル-リゾホスファチ
ジン酸、10g、無水硫酸ナトリウム、64g、青色1
号0.05gおよび香料0.95gをそれぞれ用いた以
外は実施例1と同様にして浴用剤組成物を得た。実施例
1と同様に浴湯に溶解し、評価した。その結果を表2に
併せて記した。
【0079】実施例10 浴用剤サンプルAの原料として、MPC単独重合体(分
子量約35,000、合成例1で得たもの)、10g、
ホホバ油、25g、無水硫酸ナトリウム、64g、青色
1号0.05gおよび香料0.95gをそれぞれ用いた
以外は実施例1と同様にして浴用剤組成物を得た。実施
例1と同様に浴湯に溶解し、評価した。その結果を表2
に併せて記した。
【0080】比較例1 浴用剤サンプルAの原料として、無水硫酸ナトリウム、
99g、青色1号0.05gおよび香料0.95gをそ
れぞれ用いた以外は実施例1と同様にして浴用剤組成物
を得た。実施例1と同様に浴湯に溶解し、評価した。そ
の結果を表2に併せて記した。
【0081】比較例2 浴用剤サンプルAの原料として、炭酸水素ナトリウム、
49g、フマル酸、50g、青色1号0.05gおよび
香料0.95gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様
にして浴用剤組成物を得た。実施例1と同様に浴湯に溶
解し、評価した。その結果を表2に併せて記した。
【0082】比較例3 浴用剤サンプルAの原料として、炭酸水素ナトリウム、
48g、フマル酸、48g、大豆リゾリン脂質、3g、
青色1号0.05gおよび香料0.95gをそれぞれ用
いた以外は実施例1と同様にして浴用剤組成物を得た。
実施例1と同様に浴湯に溶解し、評価した。その結果を
表2に併せて記した。
【0083】比較例4 浴用剤サンプルAの原料として、無水硫酸ナトリウム、
94g、ホホバ油、5g、青色1号0.05gおよび香
料0.95gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に
して浴用剤組成物を得た。実施例1と同様に浴湯に溶解
し、評価した。その結果を表2に併せて記した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】なお表に用いた略号は次のとおりである。 大豆リゾリン脂質 ;(市販の大豆リゾリン脂質をホス
ホリパーゼA2処理して得たもので、微量のリゾホスフ
ァチジルコリンやリゾホスファチジン酸が含有され
る)、 ラウロイル−LPC;1−O−ラウロイルリゾホスファ
チジルコリン(エステル結合)、 オレオイル−LPA;1−O−ミリストイルリゾホスフ
ァチジン酸(エステル結合)、 デカニル−LPC ;1−O−デカニルリゾホスファチ
ジルコリン(エーテル結合)、 パルミトオレイル−LPC;1−O−パルミトオレイル
リゾホスファチジルコリン(エーテル結合)、 パルミトイル−LPA;1−O−パルミトイルリゾホス
ファチジン酸(エステル結合)、 炭酸水素Na;炭酸水素ナトリウム、 無水硫酸Na;無水硫酸ナトリウム、 色素・香料;青色1号、ジャスミン、 官能試験; (1)肌ヘノアタリ ;浴用剤評価試験の(1)入浴時の湯あ
たり感。 (2)スヘ゛スヘ゛カン;浴用剤評価試験の(2)入浴後の肌の
すべすべ感。 (3)シットリカン ;浴用剤評価試験の(3)しっとり感。 (4)ヘ゛タツキカン; 浴用剤評価試験の(4)べたつき感。
【0087】表1および表2の結果より、本発明の重合
体の浴用剤を配合した実施例1〜実施例3を使用した浴
湯は、比較例1および2に比べて肌へのあたりがマイル
ドで、べたつき感も少なく、入浴後肌の肌のかさかさ感
がすくなく、入浴後の角質水分含量の減少が抑制された
保湿効果の高い入浴剤として優れた性能を有しているこ
とがわかる。特に、水溶性のMPC単重合体を配合した
実施例1に比較して相対的に疎水性である単量体との共
重合体を配合した実施例2および3では入浴後も角質層
の水分減少が極めて少なく、保湿性において特に優れた
持続性を有していることがわかる。更に、実施例4〜
7、9、10と実施例1〜3の対比からこれらMPC重
合体に油性成分を補うと角層の水分量が入浴120分後
でも2倍から5倍高く保持され、顕著な相乗効果がある
ことがわかる。
フロントページの続き (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37 Fターム(参考) 4C083 AA122 AB312 AB352 AC292 AC792 AC902 AD131 AD132 AD571 CC25 DD16 EE06 EE22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式[I] 【化1】 (ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
    でもよく水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
    す。mは1〜4の整数を示す。)で示されるホスホリル
    コリン類似基を側鎖に有する重合体を含有する浴用剤。
  2. 【請求項2】下記の式[II] 【化2】 {ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
    でもよく水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
    す。mは1〜4の整数を示す。R4は水素原子またはメ
    チル基であり、R5は、−(BO)jB−で示される基
    である(ただし、Bは炭素数2〜5のアルキレン基であ
    り、同一であっても異なっていても良い。Oは酸素原子
    である。jは、BOで表されるアルキレンオキシ基の繰
    り返し数で、0〜8の整数を示す。)。}で示される単
    量体の単独重合体、または、式[II]で示される単量体
    と他のラジカル重合性単量体との重合体を含有する浴用
    剤。
  3. 【請求項3】下記の式[III] 【化3】 で示される2−メタクリロイルオキシエチルホスホリル
    コリンを単独重合体、または、前記の2−メタクリロイ
    ルオキシエチルホスホリルコリンと他のラジカル重合性
    単量体との共重合体を含有する浴用剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の浴用
    剤と、更に油性成分を含有することを特徴とする浴用剤
    組成物。
  5. 【請求項5】油性成分がリゾリン脂質である請求項4に
    記載の浴用剤組成物。
  6. 【請求項6】前記の式[I]で示されるホスホリルコリ
    ン類似基を側鎖に有する重合体1〜50重量%および油
    性成分1〜50重量%を含有する請求項4または5記載
    の浴用剤組成物。
  7. 【請求項7】前記の式[II]で示される単量体の単独重
    合体または式[II]で示される単量体と他のラジカル重
    合性単量体との共重合体1〜50重量%、およびリゾリ
    ン脂質1〜50重量%とを含有する請求項4〜6のいず
    れか1項に記載の浴用剤組成物。
  8. 【請求項8】下記の式[III]で示される2−メタクリ
    ロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重体または
    式[III]で示される2−メタクリロイルオキシエチル
    ホスホリルコリンと他のラジカル重合性単量体との共重
    合体1〜50重量%とリゾリン脂質1〜50重量%とを
    含有する浴用剤組成物。
  9. 【請求項9】下記の式[IV] 【化4】 {ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
    でもよく炭素数1〜8のアルキル基を示す。mは1〜4
    の整数を示す。また、R4は、水素原子またはメチル基
    を示す。R5は、−(BO)jB−で示される基であり
    (ただし、Bは炭素数2〜5のアルキレン基であり、同
    一でも異なっていてもよい。Oは酸素原子である。j
    は、BOで表されるアルキレンオキシ基の繰り返し数
    で、0〜8の整数を示す。)、また、−Mo−はラジカ
    ル重合性単量体に基づく構成単位である。aは前記式
    [II]に基づく構成単位の繰り返し数で、1〜10,0
    00の整数を示す。bは繰り返し数で、0〜10,00
    0の整数を示す。(ただしa=1のとき、b=0となる
    ことはない。)}で表される分子量1000〜2,00
    0,000の重合体1〜50重量%と下記式[V] 【化5】 {式中、R6は、炭素数が10〜22の飽和脂肪酸残基
    または、炭素数が10〜22で、かつ1〜6個の不飽和
    結合を有する不飽和脂肪酸残基または、炭素数が10〜
    22の飽和炭化水素基または、炭素数が10〜22で、
    かつ1〜6個の不飽和結合を有する不飽和炭化水素基の
    いずれかの基を示す。R7は、水素原子または、−CH2
    CH2+(CH33 で表される基を示す。Mは水素原
    子または、アルカリ金属原子を示す。}で表されるリゾ
    リン脂質1〜50重量%を含有する請求項4〜9のいづ
    れか1項に記載の浴用剤組成物。
  10. 【請求項10】ペット用である請求項1〜3のいづれか
    1項に記載の浴用剤。
  11. 【請求項11】ペット用である請求項4〜9のいづれか
    1項に記載の浴用剤組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034886A1 (ja) * 2003-10-10 2005-04-21 Picaso Cosmetic Laboratory, Ltd. 化粧料
US9598544B2 (en) 2005-08-25 2017-03-21 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Particles coated with zwitterionic polymers comprising sulfobetaine or carboxybetaine
JP2019011262A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 日油株式会社 皮膚化粧料

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