JP2000344645A - 保香剤 - Google Patents

保香剤

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JP2000344645A
JP2000344645A JP11158665A JP15866599A JP2000344645A JP 2000344645 A JP2000344645 A JP 2000344645A JP 11158665 A JP11158665 A JP 11158665A JP 15866599 A JP15866599 A JP 15866599A JP 2000344645 A JP2000344645 A JP 2000344645A
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Nobuo Fukuda
信雄 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】種々の物品に香りを付与したとき、その初期の
香りを長時間持続させる、従来にない新規な保香剤を提
供する。更には、洗浄後においても被洗浄物に香りを残
すことのできる保香剤、これを含有する保香剤組成物、
皮膚外用剤組成物および洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】下記の式[I] 【化1】 (ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
でもよく水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
す。mは1〜4の整数を示す。)で示されるホスホリル
コリン類似基を側鎖に有する重合体からなる保香剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保香剤、保香剤組
成物、皮膚外用剤組成物および洗浄剤組成物に関する。
更に詳しくは、ホスホリルコリン類似基を側鎖に有する
重合体からなる保香剤、更にその保香剤を配合してなる
保香剤組成物、皮膚外用剤組成物および洗浄剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】香料は、芳香剤、オーデコロン、香水な
どの芳香製品、クリーム、化粧水、制汗剤などの化粧
品、リンス、コンディショナーなどのヘアケア製品、入
浴剤、食品などの製品、衣料用洗浄剤、人体用洗浄剤、
住居用洗浄剤、シャンプーなどの洗浄剤にも幅広く配合
されている。このような香料関連分野では、従来から賦
香目的以外に香粧品香料や食品香料等調合香料全体の揮
発度を遅延し、初期の香調をバランス良く持続させる効
果の目的で使用されるものがあった。調合香料は揮発性
の高いものから揮発性の低いものまで多種類の有香成分
によって構成されるが、そのままの状態で放置すれば揮
発性の高い有香成分ほど早期に揮散し、やがて初期の香
調のバランスが崩れ、その価値をなくすことになる。こ
のような状態になるのを防ぐ目的で香料中並びに香料関
連物質の中には保香剤として使用される物質が必要であ
り、このような保香剤が各種研究されてきた。このよう
な保香剤として、ハーコリン、アルキレングリコール、
アルキルシトレート、ベンジルベンゾエートなどの溶剤
類や、ペルーバルサム、ベチバーベンゾイン、ラブダナ
ム、オークモス、パチョウリ等の香料類がなどが使用さ
れてきた。
【0003】また、最近では実開平6−16471号公
報には、半封孔処理して香りを封入した陽極性酸化被膜
から、永続的に香りを放散させるような技術が開示され
ている。このように、香料の香調をバランスよく持続さ
せることは、技術的課題として困難であり、各種の分野
で課題となっている。特に、従来公知の保香料の多く
は、皮膚刺激性の強いものもあり、刺激等に留意して使
う必要があり、安全性に疑問があった。また調合香料全
体の揮発度を遅延調整し、初期の香調を長時間持続させ
ることができ、しかも他の有香成分と馴染みがよく香調
を阻害しない無臭の保香料は、これまで一般には知られ
ていなかった。また、洗浄剤に香料を配合した場合に
は、これらの保香性香料や香料の保留剤を用いても、香
料は界面活性剤の作用によって水溶化されて洗い流され
てしまうため、あるいは濯ぎ洗浄中に洗い流されるため
に、洗浄中は香りを感じても、洗浄後の被洗浄物には香
りがほとんど残らず、すなわち洗浄後まで嗜好性を向上
させ、あるいは被洗浄物の不快臭のマスキングを行なう
といった香料の効果を充分に生かすことができないとい
う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、種々の物品に生じる初期の香調を長時間持続させる
新規な保香剤を提供することにある。本発明の第2の目
的は、前記の保香剤を含有する保香剤組成物を提供する
ことにある。本発明の第3の目的は、皮膚外用剤組成物
を提供することにある。またさらに、本発明の第4の目
的は、洗浄後においても被洗浄物に香りを残すことので
きる洗浄剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点に鑑み鋭意検討した結果、ホスホリルコリン類似基
を側鎖に有する重合体が、初期の香調を長時間持続させ
るために、保香剤として優れた特徴を有することを見出
し、本発明を完成した。すなわち本発明は、次の〔1〕
〜〔8〕である。 〔1〕下記の式[I]
【0006】
【化5】
【0007】(ただし、R1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。mは1〜4の整数を示す。)で示され
るホスホリルコリン類似基を側鎖に有する重合体からな
る保香剤。 〔2〕重合体が、下記の式[II]
【0008】
【化6】
【0009】{ただし、R1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく炭素数1〜8のアルキル基を示
す。mは1〜4の整数を示す。R4は水素原子またはメ
チル基であり、R5は、−(BO)jB−で示される基
である(ただし、Bは炭素数2〜4のアルキレン基であ
り、同一であっても異なっていてもよい。Oは酸素原子
である。jはBOで表されるアルキレンオキシ基の繰り
返し数で、0〜8の整数を示す。)。}で示される単量
体の単独重合体、または式[II]で示される単量体と他
のラジカル重合性単量体との共重合体である前記の保香
剤。 〔3〕重合体が、下記の式[III]
【0010】
【化7】
【0011】で示される2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリンの単独重合体、または前記2−メタ
クリロイルオキシエチルホスホリルコリンと他のラジカ
ル重合性単量体である前記の保香剤。 〔4〕重合体の重量平均分子量が10,000〜500
0,000である前記〔1〕〜〔3〕に記載の保香剤。 〔5〕前記〔1〕〜〔4〕に記載の保香剤を含有する保
香剤組成物。 〔6〕下記の式[IV]
【0012】
【化8】
【0013】{ただし、R1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく炭素数1〜8のアルキル基を示
す。mは1〜4の整数を示す。また、R4は、水素原子
またはメチル基を示す。R5は、−(BO)jB−で示
される基であり(ただし、Bは炭素数2〜4のアルキレ
ン基であり、同一でも異なっていてもよい。Oは酸素原
子である。jはBOで表されるアルキレンオキシ基の繰
り返し数で、0〜8の整数を示す。)。−Mo−はラジ
カル重合性単量体を重合してなる基である。aはホスホ
リルコリン類似基含有単量体に基づく構成単位の繰り返
し数で、1〜10,000の整数を示す。bはラジカル
重合性単量体に基づく構成単位の繰り返し数で、0〜1
0,000の整数を示す。(ただしa=1のとき、b=
0となることはない。)}で表される重量平均分子量が
10,000〜5000,000である重合体からなる保
香剤を1〜99重量%含有する保香剤組成物。 〔7〕ペット用である前記の保香剤組成物。 〔8〕前記〔1〕〜〔4〕に記載の保香剤を含有する皮
膚外用剤組成物。
〔9〕ペット用である前記〔8〕に記載の皮膚外用剤組
成物。 〔10〕前記〔1〕〜〔4〕に記載の保香剤を含有する
洗浄剤組成物。 〔11〕ペット用である前記の洗浄剤組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いるホスホリルコリン
類似基を有する重合体は、下記の式[I]に示される基
を側鎖に有する重合体であればいかなるものでもよい。
【0015】
【化9】
【0016】式[I]のR1、R2、R3は、同一であっ
ても異なる基でもよく水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。炭素数が9以上の場合には得られる重
合体成分の親水性と単量体の重合性が著しく低下する。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基等
が挙げられ、このうち合成や入手の容易さや重合性など
の理由からメチル基が最も好ましい。式[I]のmは1
〜4の整数であり、親水性および重合性の著しい低下や
合成の容易さ、入手の容易さなどの理由からm=2、3
のエチレン基、プロピレン基がより好ましい。式[I]
で表される基を側鎖に有する重合体は、例えば、式
[I]で表わされるホスホリルコリン類似基を有する単
量体の単独重合体、または公知の他の単量体との共重合
体が好ましく挙げられる。式[I]で表わされるホスホ
リルコリン類似基を有する単量体は、式[I]で表わさ
れるホスホリルコリン類似基を有しており、かつ、重合
性を有する単量体であればいかなるものでもよいが、具
体的には、取扱い易さなどの点から、式[I]で表わさ
れるホスホリルコリン類似基と、かつ、分子中にラジカ
ル重合性の二重結合を持つ単量体が好ましく挙げられ
る。前記の式[I]で表わされるホスホリルコリン類似
基と分子中にラジカル重合性の二重結合の両方を有する
単量体の例としては、入手しやすさなどの点から、下記
の式[II]
【0017】
【化10】
【0018】で表される単量体(以下、PC単量体と略
す)が好ましく用いられる。ここで、式[II]のR1
2、R3は、前記式[I]と同じ。またさらに、式[I
I]のR4は水素原子またはメチル基であり、R5は、−
(BO)jB−で示される基である。ここで、Bは炭素
数2〜4のアルキレン基を表し、同一であっても異なっ
ていてもよい。炭素数2〜4のアルキレン基としては、
例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げ
られ、このうち入手あるいは合成が容易である理由から
エチレン基が最も好ましい。Oは酸素原子である。jは
BOで表されるアルキレンオキシ基の繰り返し数で、0
〜8の整数を示し、入手あるいは合成の容易さから0あ
るいは1が好ましい。
【0019】本発明で用いられる式[II]で表される単
量体として、具体的には、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−
(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル
−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−
(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロ
ピルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピル−2’−(トリプロピルアン
モニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシブチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エ
チルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペ
ンチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(ト
リブチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリプロピル
アンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリ
ロイルオキシペンチル−2’−(トリブチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、
【0020】さらに、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルエチルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−
(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリエチ
ルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−3’−(トリプロピルアンモニ
オ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチ
ルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル−3’−(トリブチルアンモニオ)プロピルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−
(トリブチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリメ
チルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリメチルアン
モニオ)ブチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピル−3’−(トリエチルアンモニオ)プ
ロピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピル−4’−(トリエチルアンモニオ)ブチルホス
フェート、
【0021】またさらに、3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピル−3’−(トリプロピルアンモニオ)プロ
ピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチルホス
フェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−
3’−(トリブチルアンモニオ)プロピルホスフェー
ト、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−
(トリブチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−
(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリメチ
ルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)ア
クリロイルオキシブチル−4’−(トリメチルアンモニ
オ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオ
キシブチル−3’−(トリプロピルアンモニオ)プロピ
ルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチ
ル−4’−(トリプロピルアンモニオ)ブチルホスフェ
ート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−
(トリブチルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−
(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリブチ
ルアンモニオ)ブチルホスフェートなどを挙げることが
できる。
【0022】このうち入手性の点からは、2−メタクリ
ロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)
エチルホスフェート(以下、MPCと略す)を特に好ま
しく挙げることができる。前記の単量体を、1種用いて
重合してもよいし、2種以上を混合して重合してもかま
わない。
【0023】本発明で用いることができるホスホリルコ
リン類似基含有単量体(以下、PC単量体と略す)やM
PCは、例えば、特開昭54−63025号公報、特開
昭58−154591号公報、特開昭63−22218
3号公報、特開平5−107511号公報、特開平6−
41157号公報などに記載された合成方法により得る
ことができる。MPCは、次の式[III]に示される構
造を有する。
【0024】
【化11】
【0025】本発明に用いる式[I]で示されるホスホ
リルコリン類似基を側鎖に有する重合体は、例えば、P
C単量体やMPCを単独重合するか、またはこれらのP
C単量体と他の単量体とを共重合することにより得られ
る。前記の単量体を重合する際には公知の方法によって
簡便に得ることができる。式[II]で表わされるPC単
量体やMPCと共重合させることができる他の単量体と
しては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メ
タ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
3−((メタ)アクリロイルオキシプロピル)トリメト
キシシラン、3−((メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル)トリエトキシシラン、3−(ア(メタ)クリロイル
オキシプロピル)トリプロピルオキシシラン等のシリル
基含有(メタ)アクリレート;2−(ペルフルオロヘキ
シル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1
H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレー
ト、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メ
タ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロ−1−ト
リフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ
素含有(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレー
ト;(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリル酸アミド,N−ビニルピロリドン,N−ビ
ニルカプロラクタム等のアミド系単量体;(メタ)アク
リル酸などを挙げることができる。
【0026】またさらに、スチレン、メチルスチレン、
クロロメチルスチレン等の置換もしくは無置換のスチレ
ン系単量体;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル等のビニ
ルエステル系単量体;トリメトキシビニルシラン、トリ
エトキシビニルシラン等のビニルシラン系単量体;エチ
レン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等の置換もしくは無置換の炭化水素系単量体;
ジエチルフマレート、ジエチルマレエート等の二塩基酸
エステル系単量体;N−ビニルピロリドンなども挙げる
ことができる。
【0027】このうち、アルキル(メタ)アクリレート
やシリル基含有(メタ)アクリレート、フッ素含有アク
リレートなどの疎水性ラジカル重合性単量体を共重合さ
せたときに、重合体の肌への保持され易さなどにおいて
効果があることから好ましく用いられ、さらに、これら
のうちブチル(メタ)アクリレートが、入手性などの点
から特に好ましく用いられる。
【0028】重合の際の重合条件は、本発明の特徴を妨
げない範囲で適宜選択されてよく、また公知の溶液重
合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等のいかなる重合方
法を使用してもかまわないが、好ましい重合方法として
は、通常のラジカル重合反応が用いられ、好ましくは溶
液重合により30〜90℃で重合を行うのがよい。重合
の際に使用する溶媒としては、どのようなものでもよい
が、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコールや水、あるいはこれらの混合溶媒など
を用いることもできる。ラジカル重合の際の重合開始剤
としては、通常使用されるものであればいかなるもので
もよいが、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等の油溶性の有
機アゾ系開始剤;過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイ
ル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチ
ルペルオキシピバレートなどの油溶性の有機過酸化物;
コハク酸ジアシルペルオキシド等の水溶性有機過酸化
物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素
などの水溶性の無機過酸化物などが用いられる。ラジカ
ル重合開始剤の添加量は、適宜選択してよいが、原料の
全単量体重量に対して0.01〜10重量%の割合で使
用するのが好ましい。
【0029】本発明に用いられる前記の重合体中には、
PC単量体やMPCに基づく構成単位を、少なくとも1
モル%以上、好ましくは10モル%以上、さらに好まし
くは、20モル%以上含有するとよい。PC単量体やM
PCに基づく構成単位が、1モル%未満の場合には、後
述する皮膚外用剤として用いる場合、皮膚に対する保湿
効果を十分発揮させることができなくなるので好ましく
ない。また、皮膚に対するあたりのよさの点からはPC
単量体やMPCに基づく構成単位を、30〜95モル%
の範囲で含むのがよく、さらには50〜90モル%の範
囲で含むのが好ましく、さらには60〜85モル%の範
囲で含むのが最も好ましい。
【0030】本発明に用いることのできるホスホリルコ
リン類似基を側鎖に有する重合体は、例えば、下記の式
[IV]
【0031】
【化12】
【0032】で表すことができる。このうち、R1
2、R3、m、R4、は、前記式[II]と同じである。
また、−Mo−は、その他の単量体に基づく構成単位で
あり、基材表面における保持能の点から疎水性単量体を
重合してなる基が好ましくは、さらに入手のし易さの点
からスチレンまたはブチル(メタ)アクリレートに基づ
く構成単位が好ましく挙げられる。aは、ホスホリルコ
リン類似基含有単量体に基づく構成単位の繰り返し数
で、1〜10,000の整数を示し、好ましくは100
〜5,000である。bはその他の単量体に基づく構成
単位の繰り返し数で、0〜10,000の整数を示し、
好ましくは100〜5,000である。繰り返し数はa
=1のとき、b=0となることはない。上記式[IV]で
表される重合体の分子量は、本発明の特徴を損なわない
限り、如何なる分子量であっても問題はないが、数平均
分子量として、1000〜7,000,000が好まし
く、さらには数平均分子量10,000〜5,000,
000がより好ましい。数平均分子量が1000未満の
場合は、合成がし難いので好ましくなく、数平均分子量
が、5,000,000を越える場合は、製品の粘度が
高くなり,製造しにくくなるので好ましくない。また、
{ }内は、ランダム状でもブロック状でもどちらでも
よい。
【0033】以上、本発明の保香剤について説明した
が、本発明の保香剤の代表的な具体例を挙げると、例え
ば、次式[V]で示されるMPCの単独重合体(ポリM
PCと略すこともある)や、
【0034】
【化13】
【0035】また式[IV]で表される重合体に該当し、
その他の単量体が疎水性を有するブチル(メタ)アクリ
レートである次式[VI]で示されるMPCとの共重合体
(PMBと略すこともある)や、
【0036】
【化14】
【0037】更には、その他の単量体が親水性を示すヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートである次式[VI
I]で示されるMPCとの共重合体(PMHと略すこと
もある)
【0038】
【化15】
【0039】などを挙げることができる。
【0040】本発明の保香剤を用いる場合、通常、本発
明の保香剤と従来公知の香料とが、最終的に共存する条
件下に使用されればよい。また、本発明の保香剤と公知
の香料とを配合し、適当な形状にして、保香剤組成物と
して用いてもよい。また、公知の香料として、一般に保
香性のあることが知られた保香性香料(ここでは、それ
自身保香性があるか、または他の香料とそれとを配合し
た場合に他の香料に対してあたかもそれが保香剤として
作用するような香料を保香性香料という。)を用い、本
発明の保香剤と配合して保香剤組成物としてもよい。本
発明の保香剤と配合できる公知の香料としては、従来公
知の香料であれば、いかなるものでも制限無く使用でき
るが、例えば、天然香料、合成香料、保香性香料等を好
ましく挙げることができる。
【0041】例えば著名な天然香料としては、イランイ
ラン油、ラベンダー油、ローズ油、ジャスミン油、クラ
リーセージ油、サンダルウッド油、エレミ油、パチョウ
リ油、ペルーバルサム油、トルーバルサム油等が挙げら
れる。
【0042】また、合成香料としては、シス−3−ヘキ
セノール、ヘキシルシンナミックアルデハイド、シンナ
ミックアルコール、バニリン、クマリン、リモネン、ガ
ンマ−ウンデカラクトン、6−アセチル−1,1,3,
4,4,6−ヘキサメチル−テトラヒドロナフタレン、
5−アセチル−1,1,2,3,3,6−ヘキサメチル
インダン、シクロヘンタデカノン、フェニルエチルアル
コール、アミルシンナミックアルデハイド、ローズオキ
サイド、ヘリオトロピン等が挙げられる。
【0043】また、保香性香料としては、精油、バルサ
ム、ガム、オレオレンジ、動物性抽出物、保香性合成香
料、殆ど無臭の保香性合成香料等のものを挙げることが
できる。ここで、精油としては、バジル、ナツメグ、ボ
アドローズ、オリガム、カナンガ、パチュリ、カシア、
ペルー、シダーウッド、サフラン、チョウジ、サンダル
ウッド、コリアンダー、サッサフラス、クミン、シプレ
ス、タラゴン、グアヤウッド、イリス、リナロエ、バレ
リアン、メース、ベチバー、クラリーセージ、アンゲリ
カ、アンプッド等が挙げられる。バルサム、ガム、オレ
オレンジ類としては、モス、オークモス、ベンゾイン、
オリバナム、カモミレ、オポポナックス、カスカリラ、
ラブダナム、サンダル、エレミ、トルー、ガルバナム、
トンカービン、ゼラニウム、バニラ、ジンジャー、ベチ
バー、イリス、ジュニパー等が挙げられる。動物性抽出
物としては、アンバーグリス、ムスク、シベット、カス
トリウム等が挙げられる。
【0044】保香性合成香料としては、アセチルイソオ
イゲノール、アミルベンゾエート、アミルフェニルアセ
テート、アミルサリシレート、ベンゾフェノン、ベンジ
ルシナメート、ベンジルフォーメート、ベンジルイソオ
イゲノール、ベンジルフェニルアセテート、ベンジルプ
ロピオネート、ベンジルバレリアネート、ベンジリデン
アセトン、ブチルフタレート、シンナミックアシッド、
シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シ
ンナミルアセテート、シンナミルシンナメート、クマリ
ン、パラクレジルアセテート、クミンアルデヒド、ジメ
チルベンジルカルビノール、ジフェニルメタン、ジフェ
ニルオキサイド、エチルアンスラニレート、エチルシン
ナメート、エチルフェニルアセテート、エチルサリシレ
ート、メチルオイゲノール、ナフチルブチルエーテル、
フェニル酢酸、サンタロール、スカトール、バニリン、
インドール、ムスクケトン、エクザルトリッド、ヒドロ
キシシトロネラール、エクザルトン、サイクランメンア
ルデヒド、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0045】殆ど無臭の保香性合成香料としては、アミ
ルフタレート、ベンゾイックアシド、シクロヘキサノー
ルオキザレート、ジエチレングリコール、エチルフタレ
ート、レゾルシノールアセテート、トリエチレングリコ
ール、マロン酸エステル類、コハク酸エステル類、アジ
ピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、酒石酸エス
テル類、クエン酸エステル類、ミルスチン酸、ステアリ
ン酸等が挙げられる。
【0046】これらの天然香料、合成香料または保香性
香料は、本発明の保香剤に、それぞれ単独で配合して保
香剤組成物として用いてもよいし、2種以上を調合した
調合香料として配合して保香剤組成物として用いてもよ
い。 その場合、本発明の保香剤の配合量は、本発明の
性能を妨げない範囲で、自由に選択されて良いが、好ま
しくは保香剤組成物全重量に対して保香剤が1〜99重
量%の量で配合されると良く、保香性が持続する観点や
配合性の観点からより好ましくは5〜90重量%の量で
配合される。このとき、1重量%未満のときは保香性が
持続し難いので好ましくなく、99重量%より多い場合
のときは配合性の観点から好ましくない。香料の配合量
は、目的や、香料の成分により異なるが、通常、0.0
001重量%〜10重量%である。
【0047】さらに本発明の保香剤組成物は、前記の保
香剤と香料を配合するが、必要があればさらに添加物を
加えることもできる。添加物としては、保香剤組成物中
に配合して問題のない添加剤であれば、いかなるもので
あっても自由に使用することができるが、例えば有機
酸、無機塩類、酵素、温泉成分、界面活性剤、アルコー
ル類、糖類、ビタミン類、アミノ酸類、酸化防止剤、防
腐剤、ハーブ、生薬、色素、基剤、保湿剤、安定剤、増
粘剤、マスキング剤、溶剤などを必要に応じて配合する
ことができる。
【0048】このうち、有機酸としては、安息香酸、コ
ハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、ピロ
リドンカルボン酸などが用いられる。無機塩類としては
特に限定されないが、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸
ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、ポリリン
酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸鉄リン酸ナトリ
ウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシ
ウム、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸マ
グネシウム、塩化カリウム、硫化カリウム、ミョウバ
ン、メタケイ酸、無水ケイ酸などが用いられる。酵素と
しては、特に限定されないが、パンクレアチン、ペプシ
ン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイ
ン、プロメライン、フィシンなどが用いられる。界面活
性剤としては特に限定されないが、レシチン、ショ糖脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ミリ
スチン酸イソプロピル、グリセリン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラ
ウリル二ナトリウム、カルボキシベタイン類、アミノカ
ルボン酸類、スルホベタイン類などが用いられる。アル
コール類としては特に限定されないが、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレ
イルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノ
ールなどが用いられる。糖類としては特に限定されない
が、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫
酸、キチン、マンナン、トレハロース、ラクトースなど
が用いられる。
【0049】ビタミン類としては、特に限定されない
が、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シア
ノコバラミン、レチノール類、塩酸ピリドキシン、パン
トテン酸類、酢酸トコフェロール、ビタミンA、ビタミ
ンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミン
F、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチ
ン、フェルラ酸、γ-オリザノールやそれらの誘導体が
用いられる。アミノ酸類としてはグリシン、アラニン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニ
ン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シ
ステイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒス
チジン、リジン、アミノエチルスルホン酸などが用いら
れる。酸化防止剤としては特に限定されないが、没食子
酸プロピル、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテ
ート、アスコルビン酸ステアレートなどが用いられる。
ハーブあるいは生薬としては特に限定されないが、ゴ
シュユ、ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、カン
ゾウ、ケイガイ、コウボク、センキュウ、トウキ、トウ
ヒ、ショウキョウ、オウゴン、サンシシ、ガイヨウ、ア
ロエ、ニンジン、ケイヒ、シャクヤク、ハッカ葉、ブク
リョウ、ドクカツ、ショウブ、マツブサ、ビャクシ、ジ
ュウヤク、リュウノウ、サフラン、オウバク、ウイキョ
ウ、チンピ、カンピ、カミツレ、メリッサ、ダイコン、
ヤナギ、クスノキ、ニワトコ、ソクズ、ナギナタコウジ
ュ、ユズ、ダイダイ、モモ、サイカチ、ビワ、スイカズ
ラ、ヨロイグサ、ボダイジュ、トチノキ、ノコギリソ
ウ、ホップ、ローズマリー、ラベンダー、カバノキ、キ
ッソウコン、マロニエ、アルニカ(海草類)などが用い
られる。
【0050】色素類も本発明の目的を妨げない範囲で、
いかなる色素であっても使用することができるが、通
常、合成色素である青色1号、青色2号、黄色4号、黄
色5号、黄色202、赤色106号、橙色205号が用
いられる。製品のナチュラルイメージを高める点から
は、天然色素が好ましく用いられ、具体的にはカラメル
色素、アナトー色素、パプリカ色素、コチニール色素、
モナスカス色素、クチナシ色素、ベニバナ色素、赤ダイ
コン色素、赤キャベツ色素、ビートレッド、ベリー系色
素、赤ジソ色素、紫イモ色素、スピルリナ色素、クロロ
フィル、イカスミ色素、カカオ色素、マリーゴールド色
素、抽出カロチンなどが好ましく使用でき、本発明の目
的を妨げない範囲で、適量配合して用いることができ
る。基剤としては、特に限定されないが、白色ワセリ
ン、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリルアルコー
ル、セタノール、流動パラフィン、スクワラン、スクワ
レン、ミツロウなどが挙げられる。保湿剤としては、特
に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジ
グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、マンニト
ール、キシリトール、マルチトール、ヒアルロン酸ナト
リウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ピロリドンカ
ルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、コラーゲン、エ
ラスチン、ムチン、リン脂質、セラミド、尿素、トレハ
ロース、トレハロース誘導体などが挙げられる。
【0051】安定剤としては、特に限定されないが、エ
チレンジアミンテトラ酢酸塩、くえん酸、亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。増粘剤
としては、特に限定されないが、アラビアガム、グアガ
ム、カラギーナン、ポリビニルピロリドン、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリビニルアルコール、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒアル
ロン酸、コンドロイチン硫酸等の高分子類などが挙げら
れる。マスキング剤としては、特に限定されないが、ウ
イキョウ油、ユーカリ油、カシア油、ハッカ油、オイゲ
ノール、プルーン、ハーブなどが挙げられる。溶剤とし
ては、特に限定されないが、水、エタノール、メタノー
ル、クロロホルム、アセトン、ジメチルスルホキシド、
テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼン、石油エーテ
ル、ラッカー類、シンナー類などが挙げられる。
【0052】保香剤組成物は、前記の保香剤、香料およ
び必要に応じて前記の他の添加剤を配合するが、その際
に用いる他の添加剤は、使用目的や形状に応じて、前記
の添加剤を任意の種類、添加量をとり、通常知られた方
法で、適宜配合し、その後、一般的な保香剤組成物の製
造方法で保香剤組成物の形状を、粉末、顆粒、錠剤、溶
液などの任意の形状に加工することができる。このと
き、取り扱いやすさの点から保香剤組成物を、顆粒状、
粉末状、溶液状に加工することが好ましく行われる。本
発明の保香剤組成物は、様々な製品の調香に用いること
ができる。例えば、芳香剤、香水などの芳香製品、入浴
剤や消臭芳香剤などトイレタリー製品、柑橘系果物の外
表皮など食品への利用、また化粧箱、包装紙、ちり紙、
折り紙などの紙製品のほか、リンス、コンディショナ
ー、ヘアムース、ヘアカラーなどのヘアケア製品に用い
られる。また、プラスチック、皮革製品、ゴムあるいは
繊維などの表面に塗布され、またはそれらの材質中に練
り込んで使用することもできる。あるいはボールペン用
インキ、塗料、絵の具、クレヨンなどに配合して利用す
ることもできる。また金属や石、ガラスなどの表面に塗
布し、例えば宝石やペンダントなどに利用することもで
きる。このように、本発明の保香剤組成物を用いること
で、種々の製品の香りを調香することができ、香りを付
与した製品として広く利用できる。対象としては、人体
用以外に、家畜用あるいはペット用等にも好適に使用で
きる。家畜用としての対象は、馬、牛、豚、ロバ、羊、
鶏等が挙げられる。また、ペット用としての対象は、
犬、猫、サル、マウス、モルモット、りす、小鳥、いた
ち、アライグマ、スカンク等が挙げられる。またさら
に、用途によっては、前記の保香剤組成物に、後に挙げ
る添加剤を更に加えて、皮膚外用剤組成物や洗浄剤組成
物として使用してもよい。
【0053】本発明の皮膚外用剤組成物は、前記の保香
剤、香料、さらに油性成分等と配合して皮膚外用剤組成
物として用いることもできる。皮膚外用剤組成物中に含
まれる、本発明の保香剤の量としては、適当な量を配合
して用いてよいが、通常、皮膚外用剤組成物100重量
%中に0.01〜40重量%の範囲で含まれるのが好ま
しい。より好ましくは、0.1〜10重量%の範囲であ
る。本発明の皮膚外用剤組成物に用いることができる油
性成分としては、通常皮膚外用剤に用いられる油性成分
であれば特に限定はされないが、好ましくは、油脂類、
ロウ類、高級脂肪酸類、炭化水素類、高級アルコール
類、エステル類や精油、シリコーン類がなどである。こ
こで、油脂類としては、大豆油、糠油、ホホバ油、アボ
ガド油、ハッカ油、ヒノキ油、橙皮油、アーモンド油、
オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、パーシック油、ひまし
油、椰子油、ミンク油、牛脂、豚脂、ウイキョウ油、ユ
ーカリ油、カシア油、スペアミント油、アマニ油、魚
油、肝油、ビタミンA油、マグロ油、サバ油、サンマ
油、イワシ油、タラ油、ニシン油、ヤツメウナギ油など
の天然油脂やこれらの天然油脂に水素添加して得られる
硬化油、ミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン
酸グリセリドなどの合成グリセリドやジグリセリドなど
である。一部前記の香料に属する油脂類も挙げた。ま
た、ロウ類としては、カルナウバオロウ、鯨ロウ、ミツ
ロウ、ラノリンなどである。また、高級脂肪酸として
は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタ
デカン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン
酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などで
ある。また、炭化水素類としては、流動パラフィン、ワ
セリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、
セレシン、スクワレン、プリスタンなどである。また、
高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコ
ール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール、オク
タコサノールなどである。また、エステル類としては、
オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリ
スチル酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジ
ピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸
デシル、イソステアリン酸コレステロールなどである。
【0054】これらの油性成分は、皮膚外用剤組成物中
にいかなる量配合して用いても良いが、通常、皮膚外用
剤組成物100重量%中に3〜40重量%の範囲で含ま
れるのが好ましい。また、本発明の皮膚外用剤組成物に
は、必要に応じ、さらに添加物を加えることができる。
用いられる添加剤としては、基材、界面活性剤、油脂
類、保湿剤、安定剤、防腐剤、色素、香料、殺菌剤、抗
炎症剤など通常皮膚外用剤に用いられるいかなる添加物
でもよいが、前記した保香剤組成物に添加する添加物と
して例示した添加物のうち、皮膚外用剤組成物に通常一
般に用いられる添加物を選んで使用してもよく、添加量
は適当に選択してよい。皮膚外用剤組成物は、原料を乳
化機などを用いて、公知の方法で均一化して製造するこ
とができる。皮膚外用剤組成物の剤形としては、クリー
ム状、乳液状、スプレー状、ゲル状、ペースト状、粉末
状、固形状などにすることができる。これらの皮膚外用
剤組成物は、クリーム、オーデコロン、化粧水、制汗剤
などの化粧品;軟膏、乳液等の医薬製剤として好ましく
用いることができる。また、対象としては、前記の人体
用以外に、家畜用あるいはペット用等にも好適に使用で
きる。
【0055】本発明の洗浄剤組成物は、前記の保香剤、
香料および界面活性剤を配合して、洗浄剤組成物として
用いることもできる。前記の洗浄剤組成物に用いる界面
活性剤としては、洗浄活性成分として配合される界面活
性剤であれば特に制限されない。例えば、非イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両
性界面活性剤などが好ましく使用できる。前記の非イオ
ン界面活性剤としては、脂肪酸アミド、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、糖エステル系、糖エーテル系、
糖アミド系等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエー
テル、ポリオキシエチレンモノアシレート、ソルビタン
モノアシレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノア
シレート、グリセロールモノアシレート、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンランダムコポリマー、ポリオキシエチレン
−ブロックコポリマーなどが好ましく使用できる。市販
される非イオン界面活性剤としては、例えばノニオン
{商品名、日本油脂(株)社製}、モノグリ{商品名、
日本油脂(株)社製}、ユニグリ{商品名、日本油脂
(株)社製}、スタホーム{商品名、日本油脂(株)社
製}、ナイミーン{商品名、日本油脂(株)社製}、プ
ロノン{商品名、日本油脂(株)社製}、ディスパノー
ル{商品名、日本油脂(株)社製}などが好ましく使用
できる。
【0056】陽イオン界面活性剤としては、長鎖アルキ
ルアミン酢酸塩、長鎖アルキルトリメチルアンモニウム
クロライドなどが好ましく使用できる。市販される陽イ
オン界面活性剤としては、カチオン{商品名、日本油脂
(株)社製}などが好ましく使用できる。
【0057】陰イオン界面活性剤としては、例えば、カ
ルボン酸型陰イオン界面活性剤、硫酸型陰イオン界面活
性剤、スルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられ
る。前記のカルボン酸系陰イオン界面活性剤としては、
高級脂肪酸塩、N−アシルザルコシン塩、アルキルエー
テル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸
塩等が挙げられる。このうち、高級脂肪酸塩としては、
例えば炭素数8〜22の脂肪酸の塩基塩が挙げられる。
具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸などの単一脂肪酸の
他、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸の塩基塩
を挙げることができる。ここで塩としては、ナトリウ
ム、カリウムなどの無機塩基性塩;アンモニウム塩、モ
ノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエ
タノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノー
ル、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール等のアル
カノールアミン塩;リジン、アルギニン等の塩基性アミ
ノ酸塩等が挙げられる。市販される陰イオン界面活性剤
としては、例えばノンサール{商品名、日本油脂(株)
社製}、ナイリューベ{商品名、日本油脂(株)社
製}、サンコール{商品名、日本油脂(株)社製}、サ
ンアルファ{商品名、日本油脂(株)社製}、マルセル
{商品名、日本油脂(株)社製}、ラピゾール{商品
名、日本油脂(株)社製}、パーソフト{商品名、日本
油脂(株)社製}、シントレッキス{商品名、日本油脂
(株)社製}、ダイヤポン{商品名、日本油脂(株)社
製}、ニューレックス{商品名、日本油脂(株)社
製}、サクシニード{商品名、日本油脂(株)社製}、
トラックス{商品名、日本油脂(株)社製}、ポリスタ
ー{商品名、日本油脂(株)社製}、サンアミド{商品
名、日本油脂(株)社製}、フィレット{商品名、日本
油脂(株)社製}、サンベース{商品名、日本油脂
(株)社製}などが好ましく使用できる。
【0058】スルホン酸型又は硫酸型陰イオン界面活性
剤としては、例えばスルホコハク酸系、イセチオネート
系、タウレート系、アルキルベンゼンスルホン酸系、オ
レフィンスルホン酸系、アルカンスルホン酸系、アルキ
ル又はアルケニル硫酸系等の陰イオン界面活性剤が挙げ
られる。ここでスルホコハク酸系陰イオン界面活性剤と
しては、高級アルコールもしくはそのエトキシレートの
スルホコハク酸エステルあるいは高級脂肪酸アミド由来
のスルホコハク酸エステル又はこれらの塩が挙げられ
る。アルキルベンゼンスルホン酸系陰イオン界面活性剤
としては、例えば平均炭素数10〜16のアルキル基を
有する直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が
挙げられ;オレフィンスルホン酸系陰イオン界面活性剤
としては、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有す
るオレフィンスルホン酸塩が挙げられ;アルカンスルホ
ン酸系陰イオン界面活性剤としては平均10〜20の炭
素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩が挙げ
られ;アルキル又はアルケニル硫酸系陰イオン界面活性
剤としては平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.
5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキ
シドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、あるい
はエチレンオキシドとブチレンオキシドが0.1/9.
9〜9.9/0.1の比で付加したアルキル又はアルケ
ニルエーテル硫酸塩や平均炭素数10〜20のアルキル
基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫
酸塩が挙げられる。
【0059】前記の両性界面活性剤としては、イミダゾ
リン系、ベタイン系等が挙げられ、ジメチルアルキルベ
タインなどが好ましく使用できる。市販される両性界面
活性剤としては、例えばニッサンアノン{商品名、日本
油脂(株)社製}などが好ましく使用できる。これらの
界面活性剤は、単独あるいは混合して添加してもよい。
界面活性剤の配合量は、適当で良いが、洗浄剤組成物
中、1〜50重量%、特に5〜30重量%が好ましい。
【0060】本発明の保香剤または保香剤組成物を洗浄
用に使用する場合は、本発明の保香剤または保香剤組成
物が最終的に洗浄系に保香剤、香料、界面活性剤及び被
洗浄物の存在していればよいが、前記のように、保香
剤、香料、界面活性剤を含有する洗浄剤組成物として配
合し、その後被洗浄物と洗浄系に加えて用いるのがより
好ましい。
【0061】本発明の洗浄剤組成物は、保香剤、香料、
界面活性剤及び被洗浄物の存在する系に0.03〜5重
量%、より好ましくは、0.3〜1重量%である。特に
保香剤と香料とは、等重量となるように添加するのが好
ましい。
【0062】前記の香料の洗浄剤組成物への配合量は、
強めの香り付けをしたり、あるいは微香性にするなど目
的に応じて適当に選択できるが、また香料の種類により
異なるが、通常0.01〜5重量%、特に0.1〜1重
量%とするのが好ましい。
【0063】さらに、本発明の洗浄剤組成物には、その
他の添加剤として、洗浄剤に通常用いられる成分を本発
明の効果を損なわない範囲で任意に併用することができ
る。例えば、プロピレングリコール、ソルビトール、グ
リセリン等の保湿剤、カルボキシビニルポリマー、メチ
ルセルロース、エタノール、ポリオキシエチレングリコ
ールジステアレート等の粘度調整剤、パール化剤、色
素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、防腐剤などを
配合することができる。また、前記した保香剤組成物に
添加する添加物として例示したもののうち、洗浄剤組成
物に通常一般に使用される添加物を選んで添加してもよ
く、添加量は適当に選択してよい。
【0064】本発明の洗浄剤組成物は、被洗浄物への残
香性を必要とする洗浄剤であれば特に制限されず、衣料
用、人体用、頭髪用、住居用、床用あるいは家畜用やペ
ット用等の洗浄剤として有用である。対象としては、前
記の人体以外に、動物臭の強い家畜あるいはペット等に
も好適に使用できる。対象としての家畜やペットの具体
例としては、前記のものが挙げられる。また、本発明の
洗浄剤組成物は、常法により製造され、ペースト状、ゲ
ル状、液状、固形状等の剤型とすることができる。特に
好ましい用法は、衣料用洗浄剤、人体用洗浄剤、住居用
洗浄剤等の洗浄剤として用いることである。人体用洗浄
剤としては、特にボディーシャンプー、ヘアシャンプー
として用いるのが好ましい。
【0065】
【発明の効果】本発明の保香剤は、保香効果に格段に優
れ、初期の香調を長時間持続させる。また、本発明の保
香剤を配合した洗浄剤組成物は、洗浄後及び濯いだ後で
あっても被洗浄物の香料、保香剤が洗い落とされること
がなく、乾燥時においても香料の揮散を抑え、乾燥後の
保香性を高める優れた効果を有する。また、本発明の皮
膚外用剤組成物は、長期間香りを保つ効果がある。更
に、本発明の洗浄剤組成物は、香りを長期間維持するば
かりでなく、被洗浄物に香りを付与し、乾燥後の保香性
をも保つ効果がある。
【0066】
【実施例】以下の実施例により、本発明を詳細に説明す
る。次に試験方法等を示す。 1.<MPC重合体の保香性評価試験>合成したMPC
の重合体を0.1重量%、エタノール1重量%、リモネ
ン0.01重量%、メチルパラベン0.1重量%、イオン
交換水を98.79重量%の配合比で調整した試料を濾
紙に滴下し、濾紙から蒸発する香りの強さをニオイセン
サーSF105A{相互薬工(株)}を用いて20℃環
境下で0分と60分後測定し、60分後の振動数(H
z)の変化を相対比として表1に示した。ニオイセンサ
ーSF105Aは香料分子を振動子表面で捉え、そのと
きの振動子の振動数を計測するものである。本評価試験
では、振動数変化の相対比が大きいほど、保香性が良
い。
【0067】2.1<MPC重合体含有洗浄剤組成物の
保香性官能評価試験>洗浄剤組成物の官能評価を行う方
法は、試料の洗浄剤組成物100gを調製して、下記の
官能比較試験を行った。なお比較品のブランクとして、
前記の洗浄剤組成物の配合組成より、MPCの重合体の
みなく、他は同様の配合比とした洗浄剤組成物を100
g調製して用いた。
【0068】2.2<官能試験方法>官能評価の準備
は、前記の試料洗浄剤組成物および比較のブランクを用
いて、均質な人毛の束(20g)を同一条件で洗髪洗浄
処理した。なお、このときの洗浄・乾燥条件は次の通り
である。まず、人毛の束(20g)を36℃の温水に2
0秒浸し、髪を水に充分馴染ませてから、上記の洗浄剤
(3g)を用い、3分間洗浄した。その後、36℃の温
水3リットルで3回濯ぎ、濯ぎ後同一環境で同一時間乾
燥させた。それぞれの人毛の束を乾燥して4時間後に、
官能評価を行なった。試験洗浄剤組成物を用いたもの
と、比較ブランクとの1対比較を専門のパネル7名によ
り評価行った。
【0069】2.3<香料の配合組成と洗浄剤組成物>
始めに、香料としてオレンジ油が1.58重量%、ベル
ガモット油が2.63重量%、ローズ油が8.42重量
%、フェニルエチルアルコールが10.53重量%、ジ
ャスミンアブソリュートが2.11重量%、ヘキシルシ
ンナミックアルデハイドが5.26重量%、リリアール
が3.16重量%、α−イオノンが4.21重量%、γ
−メチルヨノンが2.11重量%、イリスが0.84重
量%、サンダルウッド油が6.32重量%、ベチバー油
が2.11重量%、セレステライドが10.53重量
%、ヘリオトロピンが8.42重量%、パールライドが
5.26重量%、クマリンが9.47重量%、エチルバ
ニリンが1.05重量%、バニリンが0.20重量%、
ベンジルベンゾエートが2.11重量%、フタル酸ジエ
チルが13.68重量%の組成比からなる香料組成物を
10g調整した。この香料組成物を0.5重量%含み、
さらに界面活性剤としてポリオキシエチレン(EO3)
ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを16重量%、ラウリ
ル酸ジエタノールアミドを2重量%、ラウリル酸アミド
プロピルベタインを3重量%、エチレングリコールジス
テアレートを1重量%、安息香酸ナトリウムを0.55
重量%、ジブチルヒドロキシトルエン0.1重量%含ま
せ、これに合成例で合成した保香剤を0.5重量%含ま
せて、残りの重量%が水からなる洗浄剤組成物を100
g調製した。
【0070】合成例1;<MPC重合体の製造> MPCを0.5mol/Lおよび重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)を単量体に対して
1モル%となるようにエタノール100mlに溶解し
た。反応容器内をアルゴンで置換した後に封管した。6
0℃で4時間反応し、反応混合物を大量のジエチルエー
テル中に滴下し、コポリマーを沈殿させた。これを濾別
して、十分ジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥し
て収率約30%で数平均分子量30000の白色粉末状
のコポリマーを得た。なお、数平均分子量の測定は、G
PC(東ソーシステムSC8020)を用い、PEGを
標準として、検出;視差屈折計を用いて行った。また重
合体の組成比は、乾燥重合体を重水に溶解し、日本電子
(株)製JNM−EX270を用いて、1H−NMRに
より求めた。
【0071】合成例2;<MPC/n−ブチルメタクリ
レート共重合体の製造> MPCとブチルメタクリレートの単量体の仕込みモル比
がMPC:ブチルメタクリレート=3:5、総単量体濃
度が1モル/Lおよび開始剤AIBNを単量体に対して
0.5モル%となるようにエタノール100mlに溶解
した。反応容器内をアルゴンで置換した後に封管した。
60℃で6時間反応し、反応混合物を大量のジエチルエ
ーテル中に滴下し、コポリマーを沈殿させた。これを濾
別して、十分ジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥
して収率約50%で数平均分子量35000の白色粉末
状のコポリマーを得た。
【0072】合成例3;<MPC/スチレン共重合体の
製造> MPCとスチレンの単量体の仕込みモル比がMPC:ス
チレン=1:9で総単量体濃度が1モル/Lおよび開始
剤としてAIBNを5mM/Lとなるようにガラス容器
に採取し、溶媒としてエタノール:テトラヒドロキシフ
ラン(THF)=1:3混合溶液100mlを加えた。
反応容器内をアルゴン置換した後に封管した。これを6
0℃加温下に24時間重合反応を行った。反応混合物を
氷冷した後、1.8Lのジエチルエーテル中に滴下して
コポリマーを沈殿させた。これを濾別し、十分ジエチル
エーテルで洗浄した後、減圧乾燥して収率約30%で数
平均分子量30000の白色粉末状のコポリマー4.8
gを得た。合成例の結果を表1に示しす。
【0073】
【表1】
【0074】実施例1;<MPC重合体の保香性評価試
験> 合成例1で合成したMPCホモポリマーを用いて試料を
調製し、前記の方法でニオイセンサーを用いて0分およ
び60分後に測定した。結果を表2に示す。
【0075】実施例2;<MPC/n−ブチルメタクリ
レート共重合体の保香性評価試験> 合成例1で合成したMPCホモポリマーの代わりに合成
例2で合成したMPCコポリマーを用いた以外は実施例
1と全て同様に行った。結果を表2に示す。
【0076】実施例3;<MPC/スチレン共重合体の
保香性評価試験> 合成例1で合成したMPCホモポリマーの代わりに合成
例3で合成したMPCコポリマーを用いた以外は実施例
1と全て同様に行った。結果は表2に示す。
【0077】比較例1;<ジエチレングリコールの保香
性評価試験> 合成例1で合成したMPCホモポリマーの代わりに市販
のジエチレングリコールを用いた以外は実施例1と全て
同様に行った。結果は表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】以上の結果、表1より本発明の重合体を保
香剤として用た場合は、比較例に比べて特に優れた保香
性を有していることがわかった。
【0080】実施例4;<MPC重合体含有洗浄剤組成
物の保香性官能評価試験> 始めに、前記の香料組成物として調整した試料を用い
て、所定量の香料組成物を、さらに界面活性剤としてポ
リオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル硫酸ナト
リウム、ラウリル酸ジエタノールアミド、ラウリル酸ア
ミドプロピルベタイン、エチレングリコールジステアレ
ート、安息香酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、これに保香剤として合成例1で合成したMPCホモ
ポリマーを0.5重量%配合し、残りの重量%が水から
なる試料の洗浄剤組成物100gを調製した。次に、こ
の試料洗浄剤組成物を用いて、先のようにブランクとの
1対比較で官能評価を行った。比較品のブランクに比ら
べ、試験の洗浄剤組成物の保香性についてパネルにより
充分に保香性の向上が感知されたとの結果を得た。
【0081】実施例5;<MPC/n−ブチルメタクリ
レート共重合体含有洗浄剤組成物の保香性官能評価試験
> 合成例1で合成したMPCホモポリマーの代わりに合成
例2で合成したMPCコポリマーを用いた以外は実施例
4と全て同様に行った。比較品のブランクに比らべ、試
験の洗浄剤組成物の保香性について、パネルからは充分
に保香性の向上が感知されたとの結果を得た。
【0082】実施例6;<MPC/スチレン共重合体含
有洗浄剤組成物の保香性官能評価試験> 合成例1で合成したMPCホモポリマーの代わりに合成
例3で合成したMPCコポリマーを用いた以外は実施例
4と全て同様に行った。比較品の洗浄剤組成物Bにくら
べ、洗浄剤組成物Aの保香性についてパネルにより印象
を評価した。パネルからは充分に保香性の向上が感知さ
れたとの結果を得た。
【0083】参考例1;<保香剤含有洗浄剤組成物間の
保香性官能評価試験> 実施例4、5および6の実施例同士の比較を行った。実
施例4、実施例5、実施例6の1対比較試験により、本
発明の重合体を保香剤含有した洗浄剤組成物を用た場
合、パネルの評価は、実施例4、<実施例5および実施
例6の評価であった。洗浄、濯ぎ後であっても保香剤が
殆ど洗い落とされることがなく、乾燥時においても香料
の揮散を抑え、乾燥後の保香性を高めたためであると推
測され、洗浄剤として用いても更に保香性の優れた効果
を示すことがわかった。
【0084】以上の結果から、本発明の保香剤は、保香
効果に格段に優れ、初期の香調を長時間持続させるため
に、保香剤として効果を発揮する。本発明の皮膚外用剤
組成物は、長期間香りを保つ効果がある。更に、本発明
の洗浄剤組成物は、香りを長期間維持するばかりでな
く、被洗浄物に香りを付与し、乾燥後の保香性をも保つ
効果がある。本発明の保香剤を配合した洗浄剤組成物
は、洗浄後及び濯いだ後であっても被洗浄物の香料、保
香剤が洗い落とされることがなく、乾燥時においても香
料の揮散を抑え、乾燥後の保香性を高める優れた効果を
有することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 信雄 茨城県つくば市梅園2−24−5 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37 Fターム(参考) 4C083 AC032 AC102 AC312 AC392 AC472 AC482 AC642 AC712 AC782 AD571 AD572 BB60 CC02 CC23 DD23 4H059 BA81 BB52 DA09 EA36

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式[I] 【化1】 (ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
    でもよく水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
    す。mは1〜4の整数を示す。)で示されるホスホリル
    コリン類似基を側鎖に有する重合体からなる保香剤。
  2. 【請求項2】重合体が、下記の式[II] 【化2】 {ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
    でもよく炭素数1〜8のアルキル基を示す。mは1〜4
    の整数を示す。R4は水素原子またはメチル基であり、
    5は、−(BO)jB−で示される基である。(ただ
    し、Bは炭素数2〜4のアルキレン基であり、同一であ
    っても異なっていてもよい。Oは酸素原子である。jは
    BOで表されるアルキレンオキシ基の繰り返し数で、0
    〜8の整数を示す。)}で示される単量体の単独重合体
    または式[II]で示される単量体と他のラジカル重合性
    単量体との共重合体である請求項1記載の保香剤。
  3. 【請求項3】重合体が、下記の式[III] 【化3】 で示される2−メタクリロイルオキシエチルホスホリル
    コリンの単独重合体または前記2−メタクリロイルオキ
    シエチルホスホリルコリンと他のラジカル重合性単量体
    との共重合体である請求項1または2に記載の保香剤。
  4. 【請求項4】重合体の重量平均分子量が10,000〜
    5000,000である請求項1〜3のいづれか1項に
    記載の保香剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいづれか1項に記載の保香
    剤を含有する保香剤組成物。
  6. 【請求項6】重合体が下記の式[IV] 【化4】 {ただし、R1、R2、R3は、同一であっても異なる基
    でもよく炭素数1〜8のアルキル基を示す。mは1〜4
    の整数を示す。また、R4は、水素原子またはメチル基
    を示す。R5は、−(BO)jB−で示される基であり
    (ただし、Bは炭素数2〜4のアルキレン基であり、同
    一でも異なっていてもよい。Oは酸素原子である。jは
    BOで表されるアルキレンオキシ基の繰り返し数で、0
    〜8の整数を示す。)。−Mo−はラジカル重合性単量
    体に基づく構成単位である。aはホスホリルコリン類似
    基含有単量体に基づく構成単位の繰り返し数で、1〜1
    0,000の整数を示す。bはラジカル重合性単量体に
    基づく構成単位の繰り返し数で、0〜10,000の整
    数を示す。(ただしa=1のとき、b=0となることは
    ない。)}で表される重量平均分子量が10,000〜
    5000,000である請求項1〜4のいづれか1項に
    記載の保香剤を1〜99重量%を含有する保香剤組成
    物。
  7. 【請求項7】ペット用である請求項5または6記載の保
    香剤組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいづれか1項に記載の保香
    剤を含有する皮膚外用剤組成物。
  9. 【請求項9】ペット用である請求項8に記載の皮膚外用
    剤組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜4のいづれか1項に記載の保
    香剤を含有する洗浄剤組成物。
  11. 【請求項11】ペット用である請求項10記載の洗浄剤
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007507476A (ja) * 2003-10-06 2007-03-29 ラボラトワール ド デルモ−コスメチック アニマル(エル.デー.セー.アー) エス アー エス ペット動物用皮膚美容組成物
WO2006076065A3 (en) * 2005-01-10 2007-08-09 Dow Global Technologies Inc Personal care compositions
JP2010159325A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Kao Corp 水性酸性着香性組成物
US9598544B2 (en) 2005-08-25 2017-03-21 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Particles coated with zwitterionic polymers comprising sulfobetaine or carboxybetaine
JP2017075111A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 東光薬品工業株式会社 外用組成物

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