JP2000340262A - リチウム二次電池のエージング処理方法 - Google Patents

リチウム二次電池のエージング処理方法

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JP2000340262A
JP2000340262A JP11150429A JP15042999A JP2000340262A JP 2000340262 A JP2000340262 A JP 2000340262A JP 11150429 A JP11150429 A JP 11150429A JP 15042999 A JP15042999 A JP 15042999A JP 2000340262 A JP2000340262 A JP 2000340262A
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lithium secondary
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Naruaki Okuda
匠昭 奥田
Hideyuki Nakano
秀之 中野
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Takahiko Honma
隆彦 本間
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Tetsuo Kobayashi
哲郎 小林
Itsuki Sasaki
厳 佐々木
Kazuhiko Mukai
和彦 向
Tatsuo Noritake
達夫 則竹
Masao Kanzaki
昌郎 神崎
Yuichi Ito
勇一 伊藤
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸
化物を正極活物質に用いたリチウム二次電池において、
このリチウムニッケル複合酸化物が示す特有の充放電特
性の変化を積極的に利用して、初期放電容量、充放電サ
イクル特性を改善するための簡便な処理方法を提供す
る。 【解決手段】 層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化
物を正極活物質とする正極と負極とを組付けて形成され
るリチウム二次電池のエージング処理方法であって、組
付けられた電池を40℃以上90℃以下の保存温度で保
存する処理方法である。このエージング処理は、初期放
電容量を大きなものとする低温エージング処理と、充放
電サイクル特性を良好なものとする高温エージング処理
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極活物質にリチ
ウムニッケル複合酸化物を用いたリチウム二次電池のエ
ージング処理方法に関し、特に、初期放電容量、サイク
ル特性を改善するためのエージング処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の
小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、こ
れらの機器に用いる電源として、高エネルギー密度であ
るという理由から、リチウム二次電池が実用化され広く
普及するに至っている。また一方で、自動車の分野にお
いても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急
がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウ
ム二次電池が検討されている。
【0003】リチウム二次電池の正極活物質となるリチ
ウム複合酸化物は、4V級の作動電圧が得られるものと
して、層状岩塩構造LiCoO2、層状岩塩構造LiN
iO2、スピネル構造LiMn24がよく知られてい
る。これらの中でも、合成の容易である、最も高い作動
電圧が得られる等の理由から、現在では、LiCoO2
を正極活物質に用いる二次電池が主流を占めている。
【0004】ところが、LiCoO2を構成する元素で
あるコバルトは、資源量として少なく極めて高価な元素
であることから、リチウム二次電池のコストを押し上げ
る大きな要因となっている。したがって、例えばリチウ
ム二次電池を電気自動車用の電源として用いるような場
合、大きな容量を必要とすることから、大量の正極活物
質を用いなければならず、高価なLiCoO2を正極活
物質に用いたリチウム二次電池は実用化が非常に困難で
あると考えられる。
【0005】このLiCoO2に代わって期待されるの
が、層状岩塩構造LiNiO2である。コバルトと比較
して安価なニッケルを構成元素とすることから、コスト
面で優れ、また、理論放電容量においてLiCoO2
匹敵するという点から、実用的な大容量の電池を構成で
きるものとして期待されている。しかし、理論容量がL
iCoO2と同等であるにもかかわらず、LiNiO2
正極活物質に用い実際に構成されたリチウム二次電池
は、LiCoO2を正極活物質に用いたものと比べ、初
期放電容量が小さいものとなっていた。また、充放電に
伴いLiNiO2はその結晶構造の崩壊等の要因から、
充放電サイクルを重ねるにつれて大きな容量低下を生
じ、さらに、充放電を繰り返すことでLiNiO2を正
極活物質に用いた電極は大きな膨張収縮を繰り返すとい
った要因等から、内部直流抵抗が増加するといった現象
が生じていた。いわゆるサイクル特性の悪いものとなっ
ていた。特に電池反応が活性化する高温使用条件の下で
はこのサイクル特性はより悪化し、例えば、電気自動車
用電池等の高温環境で使用される可能性のある用途で
は、このサイクル特性の問題はより深刻となる。
【0006】これまで、リチウム二次電池の容量の増
加、サイクル特性の向上のため数多くの技術が検討さ
れ、公表されているが、正極活物質にLiNiO2を用
いたリチウム二次電池において、このLiNiO2の充
放電に伴う構造変化および特性変化に基づいて初期放電
容量の増加、サイクル特性の向上を目指した有効な技術
は、殆ど存在していないのが現状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、実験を重
ねることにより、充放電を繰り返すことに伴う層状岩塩
構造リチウムニッケル複合酸化物の充放電特性の変化
が、他の正極活物質となり得るリチウム複合酸化物の充
放電特性変化と比較して、特徴的なものであるという知
見を得た。
【0008】本発明はこの知見に基づくものであり、安
価な層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物を正極活
物質に用いたリチウム二次電池において、このリチウム
ニッケル複合酸化物が示す特有の充放電特性の変化を積
極的に利用して、初期放電容量、充放電サイクル特性を
改善するための簡便な処理方法を提供することを課題と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池のエージング処理方法は、層状岩塩構造リチウムニッ
ケル複合酸化物を正極活物質とする正極と負極とを組付
けて形成されるリチウム二次電池のエージング処理方法
であって、組付けられた電池を40℃以上90℃以下の
保存温度で保存することを特徴とする。つまり本発明の
リチウム二次電池のエージング処理方法は、正極と負極
との組付けが完了した電池を高温雰囲気中にただ保存す
るといった簡便な処理によって、正極活物質となる層状
岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物の充放電特性を改
善し、リチウム二次電池の特性の改善を図るものであ
る。
【0010】層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物
の充放電特性は、同じ層状岩塩構造のLiCoO2と異
なる変化を示すことが実験で明らかとなった。この特徴
的な充放電特性の変化とは、一般的な使用条件(温度:
60℃以下、充放電電流0.5〜3C)で充放電を繰り
返すうちに容量が増加するというものである。リチウム
ニッケル複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電
池は、例えば炭素材料を負極活物質とする負極と組み合
わせた場合、電池電圧で3.0V〜4.1Vの範囲で可
逆的に充放電が可能である。この充放電域において約
3.6V以下の比較的低電位側の容量が増加するという
現象である。この現象が発生する要因は現在のところ明
らかとなっていないが、この電位領域で脱ドープされる
Liが存在するリチウムニッケル複合酸化物の構造に起
因して、Liが一旦脱ドープされるまでは、反応抵抗が
大きいことによるものと考えられる。
【0011】また、この増加した3.6V以下を含む約
3.8V以下の低電位側の容量は比較的不安定な容量成
分であることも実験により判明した。つまり、この増加
した容量成分は減少し易いということである。この理由
についても明確には説明できないが、この電位領域にド
ープされるLiが存在するリチウムニッケル複合酸化物
の構造が歪み易いことによるものと考えられる。したが
って、この不安定な容量成分は数多くの充放電を繰り返
すうちに優先的に減少し、減少後は、不安定成分のない
比較的安定な成分から構成される容量変化の少ないリチ
ウム二次電池が得られることになる。
【0012】本発明のエージング処理は、正極活物質と
なる層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物の上記の
容量変化現象を、充放電を繰り返さずに、保存という処
理方法によって実現させるものである。エージング処理
によって得られる効果は2種類あり、得られる効果の種
類に応じ、本発明のエージング処理方法は2つに分けら
れる。
【0013】そのうちの1つの本発明のエージング処理
方法は、保存温度が40℃以上70℃未満であり、前記
組付けられた電池の充電状態(SOC)を30%以上と
して行うエージング処理方法である。このエージング処
理方法は、比較的低温度で保存することにより、充放電
を繰り返すことなく、上述した比較的低電位側の容量の
増加を促進させるものである。比較的低温度で保存する
エージング処理(以下、「低温エージング処理」とい
う)を行うことにより、電池容量が増加する理由につい
ては明確になっていないが、エージングによってリチウ
ムニッケル複合酸化物の構造がLiが脱ドープされ易い
ように改質されることによると考えられる。したがっ
て、この低温エージング処理方法では、簡便な処理によ
って、初期放電容量の大きい二次電池を得ることができ
る。
【0014】なお、ここで「充電状態(SOC)」と
は、可逆的に充放電可能な電池電圧の範囲において、そ
の上限となる電池電圧が得られる充電状態を100%つ
まり満充電状態とし、下限となる電池電圧が得られる充
電状態を0%つまり空充電状態としたときの充電状態
(SOC:State of Charge)を意味する。もう一つの
本発明のエージング処理方法は、保存温度を70℃以上
90℃以下とするエージング処理方法である。このエー
ジング処理方法は、比較的高温度で保存することによ
り、充放電を繰り返さずに、上述した不安定な容量成分
である比較的低電位側の容量成分を、予め減少させてお
くことを目的とする処理方法である。比較的高温度で保
存するエージング処理(以下、「高温エージング処理」
という)を行うことにより、不安定容量成分が減少させ
られる理由についても明確になっていないが、エージン
グによってリチウムニッケル複合酸化物の歪み易い構造
が予め歪むためと考えられる。
【0015】この高温エージング処理を行った場合、不
安定容量容量成分が少なくなっているため、電池の初期
放電容量は小さくなるものの、その後の充放電によって
も容量低下の小さい電池が得られることになる。放電容
量の低下の少ない、言い換えれば長期間にわたって放電
容量が安定した電池は、電池を用いる機器側から見れ
ば、良好な電池といえる。
【0016】なお、この高温エージング処理を行えば、
電池の内部抵抗の増加をも抑制することができる。電池
の内部抵抗の増加は、活物質の反応抵抗の増加、電極の
膨潤等に基づく電極内部の電子伝導パスの欠損による直
流抵抗の増加等に起因するものであることが明らかにな
っている。高温エージング処理により電池の内部抵抗の
増加が抑制される理由については、明確には説明できな
いが、電極の膨潤が高温保存によって促進されて安定状
態となる結果であると考えられる。内部抵抗の小さい電
池は瞬時の大きな出力を得られるというメリットがあ
る。
【0017】したがって、この高温エージング処理によ
れば、保存するという簡便な処理によって、繰り返され
る充放電によっても容量変化が小さく、内部抵抗の上昇
が小さい二次電池、つまりサイクル特性の良好な二次電
池が得られることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のエージング処理
方法の実施形態について詳しく説明する。説明は、本エ
ージング処理方法が適用されるリチウム二次電池、エー
ジング処理の態様の順に行う。 (1)適用されるリチウム二次電池 本発明のエージング処理が適用できるリチウム二次電池
は、正極活物質に層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸
化物を用いたリチウム二次電池である。このリチウムニ
ッケル複合酸化物は、主たる構成元素としてCoを使用
していないために、安価なリチウム二次電池を構成でき
る正極活物質となり得る。一般に、リチウム二次電池
は、正極と、負極と、正極と負極との間に挟装されるセ
パレータと、非水電解液とを主要構成要素とする。本リ
チウム二次電池もこの構成に従えばよい。
【0019】正極活物質となる層状岩塩構造リチウムニ
ッケル複合酸化物は、組成式LiNiO2で表される化
学量論組成のものを用いることができる。また、二次電
池のサイクル特性等を改善するため、Niサイトの一部
を、他元素で置換するものを用いることもできる。他元
素で置換するもののうちでは、組成式LiNixM1yM2
z2(M1はCo、Mnから選ばれた少なくとも1種;
M2はAl、B、Fe、Cr、Mgから選ばれた少なく
とも1種;x+y+z=1;0.5<x<0.95;
0.01<y<0.4;0.001<z<0.2)で表
されるものを用いるのが望ましい。
【0020】この、LiNixM1yM2z2は、役割の異
なるM1、M2の2種以上の元素でNiサイトの一部を置
換したものとなっている。置換させずにNiを存置させ
る割合つまり組成式におけるxの値で置換割合を規定す
れば、0.5<x<0.95となる。x≦0.5の場合
は、層状岩塩構造のものだけでなく、スピネル構造等の
第2の相が生成するからであり、また、x≧0.95の
場合は、置換効果が少なすぎて、目的とする良好なサイ
クル特性の電池を構成できないからである。なお、0.
7<x<0.9の範囲とするのがさらに好ましい。
【0021】Co、Mnから選ばれる元素M1は、主
に、リチウムニッケル複合酸化物の結晶構造を安定化す
る役割を果たしている。M1での結晶構造安定化によ
り、リチウム二次電池のサイクル特性はより良好に保た
れ、特に高温下での充放電および高温下での貯蔵による
電池容量の劣化が抑制される。サイクル特性の改善効果
を充分に発揮させるために、M1の置換割合、つまり組
成式におけるyの値は0.01<y<0.4とする。y
≦0.01の場合は、構成される二次電池の結晶構造安
定化が充分でないためサイクル特性が良好ではなく、y
≧0.4の場合はリチウムニッケル複合酸化物の結晶性
が低下し好ましくない。なお、0.1<y<0.3とす
るのがより好ましい。さらに、置換する元素M1はCo
であることがより望ましい。Coには、元素置換による
容量低下を抑えるとともに、得られる複合酸化物Li
(Co,Ni)O2は全固溶型であり、結晶性の低下を
最小限にとどめるという利点があるからである。
【0022】Al、B、Fe、Cr、Mgから選ばれる
元素M2は、主に、酸素放出に伴う活物質の分解反応を
抑え、熱安定性を向上させるという役割を果たしてい
る。この役割のため、M2の置換割合、つまり組成式に
おけるzの値は、0.001<z<0.2とする。z≦
0.001の場合は、安全性に対して十分な効果が得ら
れなくなり、z≧0.2の場合は、正極の容量が低下し
てしまうため好ましくない。なお、0.01<z<0.
1とするのがより好ましい。さらに、置換する元素M2
には、Alを用いることがより望ましい。Alには、熱
安定性を向上させつつ、容量低下を最小限に抑えるとい
う利点があるからである。
【0023】例えば、組成式LiNixCoyAlz2
表される層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物を製
造しようとする場合は、LiOH・H2O、Ni(O
H)2、Co34、Al(OH)3をそれぞれ所定量混合
し、酸素気流中で850℃程度の温度で、20時間程度
の時間焼成することによって、これを合成することがで
きる。
【0024】正極は、正極活物質である上記リチウムニ
ッケル複合酸化物の粉状体に導電材および結着剤を混合
し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたも
のを、アルミニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布乾
燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成
したものを用いることができる。導電材は、正極の電気
伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラッ
ク、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1
種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
結着剤は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役
割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いること
ができる。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶
剤を用いることができる。
【0025】負極活物質には、金属リチウム、リチウム
合金等を用いることができる。これら金属リチウム等を
負極に用いる場合、繰り返される充放電により負極表面
へのデンドライトの析出の可能性があり、二次電池の安
全性が懸念される。このため、負極活物質には、リチウ
ムを吸蔵・放出可能な炭素材料を用いるのが望ましい。
用いることができる炭素材料には、天然黒鉛、球状ある
いは繊維状の人造黒鉛、難黒鉛化性炭素、および、フェ
ノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の易黒鉛
化性炭素の粉状体を挙げることができる。負極活物質と
なる炭素材料にはそれぞれの利点があり、作製しようと
するリチウム二次電池の特性に応じて選択すればよい。
【0026】これらのもののうち、天然および人造の黒
鉛は、真密度が高くまた導電性に優れるため、容量が大
きく(エネルギー密度の高い)、パワー特性の良好なリ
チウム二次電池を構成できるという利点がある。この利
点を活かしたリチウム二次電池を作製する場合、用いる
黒鉛は、結晶性の高いことが望ましく、(002)面の
面間隔d002が3.4Å以下であり、c軸方向の結晶子
厚みLcが1000Å以上のものを用いるのがよい。な
お、人造黒鉛は、例えば、易黒鉛化性炭素を2800℃
以上の高温で熱処理して製造することができる。この場
合の原料となる易黒鉛化性炭素には、コークス、ピッチ
類を400℃前後で加熱する過程で得られる光学異方性
の小球体(メソカーボンマイクロビーズ:MCMB)等
を挙げることができる。
【0027】易黒鉛化性炭素は、一般に石油や石炭から
得られるタールピッチを原料としたもので、コークス、
MCMB、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相
成長炭素繊維等が挙げられる。また、フェノール樹脂等
の有機化合物焼成体をも用いることができる。易黒鉛化
性炭素は、安価な炭素材料であるため、コスト面で優れ
たリチウム二次電池を構成できる負極活物質となり得
る。これらの中でも、コークスは低コストであり比較的
容量も大きいという利点があり、この点を考慮すれば、
コークスを用いるのが望ましい。コークスを用いる場合
には、(002)面の面間隔d002が3.4Å以上であ
り、c軸方向の結晶子厚みLcが30Å以下のものを用
いるのがよい。
【0028】難黒鉛化性炭素とは、いわゆるハードカー
ボンと呼ばれるもので、ガラス状炭素に代表される非晶
質に近い構造をもつ炭素材料である。一般的に熱硬化性
樹脂を炭素化して得られる材料であり、熱処理温度を高
くしても黒鉛構造が発達しない材料である。難黒鉛化性
炭素には安全性が高く、比較的低コストであるという利
点があり、この点を考慮すれば、難黒鉛化性炭素を負極
活物質として用いるのが望ましい。具体的には、例え
ば、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル系炭
素繊維、擬等方性炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成
体等を用いることができる。より望ましくは、(00
2)面の面間隔d002が3.6Å以上であり、c軸方向
の結晶子厚みLcが100Å以下のものを用いるのがよ
い。
【0029】上記、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性
炭素等は、1種のものを単独で用いることもでき、ま
た、2種以上を混合して用いることもできる。2種以上
を混合させる態様としては、例えば、過充電時の安全性
を確保しつつ、正極活物質であるリチウムニッケル複合
酸化物に吸蔵・放出されるリチウム量を制限してサイク
ル特性をより良好なものとする目的で、黒鉛と難黒鉛化
性炭素、易黒鉛化性炭素等の黒鉛化の進んでいない炭素
材料とを混合物する場合が例示できる。なお、黒鉛と黒
鉛化の進んでいない炭素質材料との混合物を負極活物質
に用いる場合、両者の混合比は、サイクル特性と放電容
量とのバランスにより決定すればよい。
【0030】負極活物質に炭素材料を用いる場合、負極
は、この炭素材料の粉状体に結着剤を混合し、必要に応
じて適当な溶剤を加えて、ペースト状の負極合材とした
ものを、正極同様、銅等の金属箔製の集電体表面に塗
布、乾燥し、その後必要に応じプレス等にて負極合材の
密度を高めることによって形成する。結着剤としては、
正極同様、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等
を、溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機
溶剤を用いることができる。
【0031】正極と負極の間に挟装されるセパレータ
は、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであ
り、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を
用いることができる。また非水電解液は、有機溶媒に電
解質であるリチウム塩を溶解させたもので、有機溶媒と
しては、非プロトン性有機溶媒、例えばエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、1,2−ジ
メトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
塩化メチレン等の1種またはこれらの2種以上の混合液
を用いることができる。また、溶解させる電解質として
は、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiBF4
LiPF6、LiN(CF3SO22等のリチウム塩を用
いることができる。
【0032】以上のもので構成されるリチウム二次電池
であるが、その形状は円筒型、積層型、コイン型等、種
々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合
であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電
極体とする。そして正極集電体および負極集電体から外
部に通ずる正極端子および負極端子までの間を集電用リ
ード等を用いて接続し、この電極体を非水電解液ととも
に電池ケースに密閉する。このような組付け工程を経て
電池が完成させられる。
【0033】(2)エージング処理の態様 本発明のエージング処理は、上記の組付けられたリチウ
ム二次電池に対して行う。「組付けられた」とは、電極
体を非水電解液とともに電池ケースに密閉して電池を完
成させた状態のみをいうのではなく、正極と負極とを積
層等して電極体を形成させた状態をも含むことを意味す
る。電極体を電池ケースに収納する前であっても、形成
した電極体を、電池ケース以外の別の容器等にて非水電
解液を含浸させ、その容器等内でエージング処理を行う
ことも可能である。
【0034】前述したように、本発明のエージング処理
は、目的に応じて、低温エージングと高温エージングの
2つの処理方法に大別できる。以下、それぞれの処理方
法を順に説明する。 〈低温エージング処理〉低温エージング処理は、前述し
たように、比較的低電位側の容量の増加を促進させ、リ
チウム二次電池の初期放電容量を大きなものとすること
を目的とするものである。処理方法は、組付けられたリ
チウム二次電池を、電池の充電状態(SOC)を30%
以上としたうえで、40℃以上70℃未満の保存温度で
保存する。
【0035】保存温度の40℃以上70℃未満という値
は、実験の結果に基づいて決定したものであり、保存温
度が40℃未満の場合は促進効果が期待できず、また、
70℃以上の場合は促進させて大きくした容量がかえっ
て減少してしまうからである。また、SOC30%以上
という値についても実験により決定した値であり、30
%未満の場合は、容量増加促進の効果が充分に得られな
いからである。
【0036】保存時間は、保存温度およびSOCとの兼
ね合いで決定すればよい。容量増加に至る反応は、比較
的ゆっくりしており、SOC100%で、例えば、保存
温度40℃において充分な効果を得ようとする場合は、
54時間以上放置することが望ましい。保存温度が高く
なるほど保存時間を短くしても同等の効果が得られるこ
ととなる。例えば、保存温度50℃の場合は30時間以
上、60℃の場合は18時間以上、70℃に近い温度の
場合は6時間以上保存するのが望ましい。また、SOC
が大きくなるほど保存時間を短くしても同等の効果が得
られる。SOC30%で保存温度40℃の場合は、少な
くとも72時間以上保存することが望ましい。なお、あ
まり長く保存しても効果が飽和するため、保存時間は、
必要以上長くしないほうが望ましい。
【0037】保存前のリチウム二次電池の充電方法は特
に限定するものではなく、一般に用いられる充電器を用
いて充電すればよい。また、保温方法についても、特に
限定するものでなく、一般に用いることのできる保温方
法を採用すればよい。 〈高温エージング処理〉高温エージング処理は、前述し
たように、不安定な容量成分である比較的低電位側の容
量成分を、予め減少させておくことを目的とする処理方
法である。処理方法は、組付けられたリチウム二次電池
を、70℃以上90℃以下の保存温度で保存する。低温
エージング処理と同様、保存温度の70℃以上90℃以
下という値は、実験の結果に基づいて決定したものであ
り、保存温度が70℃未満の場合は不安定容量削減、電
池内部抵抗の増加抑制の効果が期待できず、また、90
℃を超える場合には、電解質の劣化、分解、セパレータ
の軟化によるショート、内圧上昇による液漏れ等が発生
し、好ましくない。なお70℃以上80℃以下の保存温
度とするのがより効果的である。
【0038】保存における充電状態(SOC)は、いか
なる状態であってもよいが、よりサイクル特性が良好で
あり、より内部抵抗の小さい二次電池とするためには、
SOC60%以上の状態で保存することが望ましい。後
の実験結果からも明らかであるが、SOC60%以上と
SOC60%未満の状態とでは、エージング処理によっ
て得られる電池の特性にかなりの差が生じる。保存時間
についても、実験により得られた結果から、3時間程度
行えばよいことが明らかとなっているが、6時間以上と
するのがより効果的である。
【0039】低温エージング処理の場合と同様、保存前
のリチウム二次電池の充電方法は特に限定するものでは
なく、一般に用いられる充電器を用いて充電すればよ
い。また、保温方法についても、特に限定するものでな
く、一般に用いることのできる保温方法を採用すればよ
い。
【0040】
【実施例】以下に、本発明のエージング処理の効果を確
認するために行った実験を、実施例として掲げる。実験
は、低温エージング処理のためのものと高温エージング
処理のためのものとをそれぞれ別々に行った。したがっ
て、それぞれのエージング処理についての実験を、個別
に説明する。
【0041】(1)低温エージング処理実験 〈エージング処理を施すリチウム二次電池〉本低温エー
ジング処理実験では、負極活物質の異なる3種類の18
650型リチウム二次電池を作製し、それぞれについて
エージング処理を施した。正極活物質に組成式LiNi
0.85Co0.1Al0.052で表される層状岩塩構造リチウ
ムニッケル複合酸化物を用いた。LiNi0.85Co0.1
Al0.052は、LiOH・H2O、Ni(OH)2、C
34、Al(OH)3をそれぞれ所定量混合し、酸素
気流中で850℃の温度で、20時間焼成することによ
って合成した。 正極は、まず、このLiNi0.85Co
0.1Al0.052の85重量部に、導電材としてアセチレ
ンブラック(HS−100:電気化学工業製)を5重量
部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を
5重量部混合し、溶剤として適量のN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)を加えてペースト状の正極合材を
得、この正極合材を、厚さ20μmのアルミニウム箔製
正極集電体の両面に塗布、乾燥し、その後、ロールプレ
スにて活物質密度が2.3g/cm3となるように圧縮
成形して、シート状のものを作製した。正極シートの大
きさは、54mm×450mmであり、正極合材層の片
面あたりの厚さは、40μmとした。
【0042】3種類の負極は、負極活物質にそれぞれ、
人造黒鉛である黒鉛化メソカーボン小球体(MCMB2
5−28:大阪ガスケミカル製)、難黒鉛化性炭素であ
るハードカーボン(Carbon−s:大阪ガスケミカ
ル製)、上記人造黒鉛と上記難黒鉛化性炭素とを重量比
3:7の割合で混合した混合物を用いた。それぞれの負
極は、まず、これらの負極活物質の1種類95重量部
に、結着剤としてPVDFを5重量部混合し、溶剤とし
て適量のNMPを加えてペースト状の負極合材を得、こ
の負極合材を、厚さ10μmの銅箔製正極集電体の両面
に塗布、乾燥し、その後、ロールプレスにて活物質密度
が1.2g/cm3となるように圧縮成形して、シート
状のものを作製した。負極シートの大きさは、56mm
×500mmであり、負極合材層の片面あたりの厚さ
は、40〜50μmの範囲で、正極と負極との面積容量
比が1.5となるような厚さとした。
【0043】セパレレータには、厚さ25μm微多孔性
ポリプロピレン製フィルムを用い、非水電解液には、エ
チレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比
1:1に混合した混合溶媒に電解質としてLiPF6
1Mの濃度に溶解させたものを用いた。正極および負極
をセパレータを介して捲回し、電極体を形成させ、この
電極体を18650型円筒電池缶に上記非水電解液とと
もに密閉して、円筒型のリチウム二次電池を完成させ
た。
【0044】なお、負極活物質に上記人造黒鉛を用いた
リチウム二次電池を電池A、上記難黒鉛化性炭素を用い
たリチウム二次電池を電池B、人造黒鉛と難黒鉛化性炭
素との上記混合物を用いたリチウム二次電池を電池Cと
した。 〈エージング処理試験〉作製したそれぞれ電池を、ま
ず、コンディショニングに供した。コンディショニング
は、20℃の恒温槽内で、0.25mA/cm2の電流
密度で4.1Vまで定電流充電し、10分間休止させた
後、0.25mA/cm2の電流密度で3.0Vまで定
電流放電することによって行った。
【0045】次いで、コンディショニングを行った3種
の電池に対して、1mA/cm2の電流密度で4.1V
まで定電流充電し、4.1Vに達した後連続して4.1
Vの定電圧で2時間充電し、その後10分間の休止を挟
んで、1mA/cm2の電流密度で3.0Vまで定電流
放電し、このときの放電電流をそれぞれの電池の基準放
電容量とした。なお、この基準放電容量に相当する容量
をSOC100%とSOC0%の状態の差分容量とし
て、充電状態(SOC)を決定した。
【0046】基準放電容量測定の終了したそれぞれの電
池に対して、エージング処理を行った。エージング処理
の条件は、それぞれの種類の電池に対して、SOC=0
%、30%、60%、100%の状態まで充電したもの
をそれぞれ数個ずつ準備し、そのそれぞれを、20℃、
40℃、60℃、80℃の各保存温度で30日間保存す
るものとした。
【0047】上記エージング処理後、それぞれの電池を
1.0mA/cm2の電流密度で定電流放電させた後、
さらに基準放電容量測定の場合と同条件で、エージング
後の放電容量を測定した。それぞれの種類のリチウム二
次電池の、それぞれの条件でエージング処理させた後の
容量回復率(エージング後の放電容量/基準放電容量×
100%)を、下記表1に示す。
【0048】
【表1】 上記表1の実験結果から明らかなように、各種類の電池
とも、SOCが30%以上でかつ40℃および60℃で
保存した二次電池は、常温(20℃)で保存した二次電
池より容量回復率が大きいことが判る。また、80℃で
保存した二次電池は、SOCに関係なく容量回復率が常
温保存のものより低下していることが判る。この結果か
ら判断すれば、層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化
物を正極活物質とするリチウム二次電池に対して、充電
状態(SOC)30%以上でかつ40℃以上70℃未満
の保存温度で保存する本発明の低温エージング処理は、
初期放電容量を大きくする効果のあることが確認でき
る。
【0049】また、40℃および60℃の保存温度で保
存する本発明の低温エージング処理を施した二次電池で
は、保存時のSOCが大きいものほど容量回復率が大き
く、初期放電容量の増加率も大きいことが確認できる。
さらに、60℃の保存温度で保存する本発明の低温エー
ジング処理を施した二次電池では、負極活物質の種類に
にもよるが、容量回復率が100%を超え、保存後に基
準放電容量を超えるものまであり、初期放電容量の極め
て大きな増加が見込まれるエージング処理となることが
確認できる。
【0050】なお、正極活物質となる層状岩塩構造リチ
ウムニッケル複合酸化物において、Niサイトを置換す
る元素の種類およびその置換割合を変更した種々のもの
についても同様の実験を行った。この結果についても、
上記実験結果と同じ傾向にあった。このことから、組成
式LiNixM1yM2z2(M1はCo、Mnから選ばれ
た少なくとも1種;M2はAl、B、Fe、Cr、Mg
から選ばれた少なくとも1種;x+y+z=1;0.5
<x<0.95;0.01<y<0.4;0.001<
z<0.2)で表される範囲のものは、ほぼ同等の結果
が得られるものと推認できる。
【0051】〈充放電曲線からの評価〉上記エージング
処理を施した電池Aのうち、60℃の保存温度で、それ
ぞれSOC30%、60%、100%で保存したものの
充放電微分容量曲線を解析した。この充放電微分容量曲
線を図1に示す。図1からも判るように、保存時のSO
Cの状態によって、充電側の約3.6V以下に相当する
の部分の容量が変化している。このことからも、比較的
低電位側の容量成分が、本発明の低温エージング処理に
よって増加し、保存時のSOCが大きいものほど初期放
電容量の増加率も大きいものであることが確認できる。
【0052】(2)高温エージング処理実験 〈エージング処理を施すリチウム二次電池〉本高温エー
ジング処理実験で使用するリチウム二次電池を以下に示
す。正極活物質に組成式LiNi0.8Co0.15Al0.05
2で表される層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化
物を用いた。LiNi0.8Co0.15Al0.052は、Li
OH・H2O、Ni(OH)2、Co34、Al(OH)
3をそれぞれ所定量混合し、酸素気流中で850℃の温
度で、20時間焼成することによって合成した。 正極
は、まず、このLiNi0.8Co0.15Al0.052の85
重量部に、導電材としてアセチレンブラック(HS−1
00:電気化学工業製)を10重量部、結着剤としてポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)を5重量部混合し、溶
剤として適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
を加えてペースト状の正極合材を得、この正極合材を、
厚さ20μmのアルミニウム箔製正極集電体の両面に塗
布、乾燥し、その後、ロールプレスにて活物質密度が
2.3g/cm3となるように圧縮成形して、シート状
のものを作製した。正極シートの大きさは、54mm×
450mmであり、正極合材層の片面あたりの厚さは、
40μmとした。
【0053】負極活物質には、人造黒鉛である黒鉛化メ
ソカーボン小球体(MCMB25−28:大阪ガスケミ
カル製)を用いた。負極は、まず、このMCMBの95
重量部に、結着剤としてPVDFを5重量部混合し、溶
剤として適量のNMPを加えてペースト状の負極合材を
得、この負極合材を、厚さ10μmの銅箔製正極集電体
の両面に塗布、乾燥し、その後、ロールプレスにて活物
質密度が1.2g/cm3となるように圧縮成形して、
シート状のものを作製した。負極シートの大きさは、5
6mm×500mmであり、負極合材層の片面あたりの
厚さは、50μmとした。
【0054】セパレレータには、厚さ25μm微多孔性
ポリエチレンフィルム(東燃タルピス製)を用い、非水
電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネ
ートとを体積比1:1に混合した混合溶媒に電解質とし
てLiPF6を1Mの濃度に溶解させたものを用いた。
正極および負極をセパレータを介して捲回し、電極体を
形成させ、この電極体を18650型円筒電池缶に上記
非水電解液とともに密閉して、円筒型のリチウム二次電
池を完成させた。
【0055】〈エージング処理〉作製したそれぞれ電池
を、まず、コンディショニングに供した。コンディショ
ニングは、20℃の恒温槽内で、0.25mA/cm2
の電流密度で4.1Vまで定電流充電し、10分間休止
させた後、0.25mA/cm2の電流密度で3.0V
まで定電流放電することによって行った。
【0056】次いで、コンディショニングを行った二次
電池に対して、エージング処理を施した。エージング処
理の条件は、充電状態(SOC)を0%、20%、40
%、60%、80%、100%とし、それぞれのSOC
の状態において保存温度60℃、70℃、80℃、90
℃の恒温槽に保存するもので、いずれのSOCおよび保
存温度のものについても保存時間がそれぞれ3時間、6
時間、12時間、24時間、72時間の処理をした。な
お、SOCは、温度20℃、充電上限電圧4.1V〜放
電下限電圧3.0V、充放電電流密度0.2mA/cm
2の条件で、1サイクルの定電流充電および定電流放電
を行い、そのときの放電容量をもってして、SOC10
0%とSOC0%との充電状態の差分容量に相当するも
のとした。
【0057】エージング処理後、それぞれの二次電池の
サイクル特性を評価すべく充放電サイクル試験を行っ
た。充放電サイクル試験は電池の実使用温度範囲の上限
と考えられる60℃の温度で行い、高温サイクル特性に
ついて評価するものとした。また充放電サイクル試験
は、充電上限電圧4.1V〜放電下限電圧3.0V、充
放電電流密度2.0mA/cm2の条件で、定電流充電
および定電流放電を繰り返すサイクルを500サイクル
まで繰り返すものとした。
【0058】この充放電サイクル試験で測定したもの
は、各サイクルにおける放電容量と、各サイクルにおけ
る二次電池の直流抵抗である。二次電池の直流抵抗は、
次式によって求めた。 直流抵抗=(平均充電電圧−平均放電電圧)/(2×充
放電電流) 〈放電容量および直流抵抗のサイクル依存性〉上記充放
電サイクル試験の代表的な結果として、SOC0%およ
び100%の状態において80℃の保存温度で24時間
保存したそれぞれの二次電池の、正極活物質単位重量当
たりの放電容量のサイクル依存性を図2に、電池直流抵
抗のサイクル依存性を図3に示す。なお、図2および図
3にはエージング処理を行わなかった二次電池の依存性
をも合わせて掲載してある。
【0059】エージング処理を行わなかった二次電池の
場合は、初期放電容量(1サイクル目の放電容量)が正
極活物質単位重量当たり138mAh/gで、その後サ
イクルを経るにつれ放電容量が減少し、500サイクル
後の容量維持率(500サイクル目の放電容量/初期放
電容量×100)は、約70%になってしまう。また、
直流抵抗については、初期抵抗値(1サイクル目の抵抗
値)に対して、500サイクル後の抵抗値は約120%
も増加している。
【0060】これに対して、SOC0%の状態において
80℃で24時間保存した二次電池は、初期放電容量は
128mAh/gであり、エージング処理を行わなかっ
たものと比較して約7%低下するものとなっているが、
その後サイクルを経ても放電容量の低下が小さく、50
0サイクル後の容量維持率は約80%に向上する。ま
た、サイクルを経るにつれて生じる直流抵抗の増加も小
さく、500サイクル後の抵抗値は、初期抵抗値に対し
て約40%の増加にとどまっている。
【0061】さらに、SOC100%の状態において8
0℃で24時間保存した二次電池の場合は、初期放電容
量は104mAh/gであり、エージング処理を行わな
かったものと比較して約25%低下するものとなってい
るが、その後の放電容量の低下が極めて小さく、500
サイクル後の容量維持率は約92%にまで向上し、非常
に良好な容量維持率となっている。また、サイクルを経
るにつれて生じる直流抵抗の増加もさらに小さく、50
0サイクル後の抵抗値は、初期抵抗値に対して約7%の
増加という極めて小さい値を示している。
【0062】この結果を総合すれば、80℃程度の保存
温度で所定時間保存するというエージング処理を施すこ
とで、初期放電容量は減少するものの、サイクルの進行
に伴う容量低下が大きく抑制されることが判る。さら
に、電池直流抵抗の増加についても、このエージング処
理を施すことにより、大きく抑制されることが判る。し
たがって、このエージング処理は、層状岩塩構造リチウ
ムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いたリチウム二
次電池において、サイクル特性を改善するものであるこ
とが確認でき、また、60℃という高温で充放電サイク
ル試験を行っていることから、高温サイクル特性につい
ても改善することのできるものであることが確認でき
る。なお、エージング処理時の二次電池のSOCが高い
ほど、初期放電容量は小さくなるものの、サイクルの進
行に伴う放電容量の低下率、および電池直流抵抗の増加
率が小さくなることも確認できる。
【0063】〈各種エージング条件におけるサイクル特
性〉上記種々の条件によってエージング処理した二次電
池に対して行った充放電サイクル試験の結果として、下
記表2に、それぞれの二次電池の、正極活物質単位重量
当たりの初期放電容量、500サイクル後の容量維持
率、および500サイクル後の直流抵抗増加率(500
サイクル目の直流抵抗値/初期直流抵抗値×100%)
を示す。表中各データにおいて、左側の数値は初期放電
容量(mAh/g)、中央の数値は500サイクル後の
容量維持率(%)、右側の数値は500サイクル後の直
流抵抗増加率(%)をそれぞれ示している。また、デー
タ欄に−が記入されているものは、電池不良が発生し
た、または、500サイクルの充放電ができなかったこ
とを示す。ちなみに、エージング処理を行わなかった二
次電池の初期放電容量は138mAh/gであり、50
0サイクル後の容量維持率は70%、500サイクル後
の直流抵抗増加率は120%であった。
【0064】
【表2】 上記表2のデータから判るように、いずれの条件でエー
ジング処理を行った場合も、放電容量維持および直流抵
抗増加抑制の効果は認められる。ただし、その効果の大
きいのは保存温度が70℃〜90℃の条件であることが
判る。また保存温度90℃の場合は、SOCが高く保存
時間の長いものは、電池不良等が発生する場合があり、
注意を要する。したがって、最も好ましい保存温度の範
囲は、70℃〜80℃であることが確認できる。
【0065】保存時のSOCの条件については、60%
以上の場合と40%以下の場合とでは、放電容量維持お
よび直流抵抗増加抑制の効果に顕著な差異があり、この
結果から、SOCが60%以上の条件で保存してエージ
ング処理するのが望ましいことが確認できる。また、保
存温度70℃および80℃のデータでは、保存時間3時
間もののと6時間のものとの間で、やはり効果に差異が
認められることから、6時間以上保存するエージング処
理を行うことが望ましいことが判る。
【0066】〈充放電曲線からの評価〉図4に、SOC
100%、保存温度80℃、保存時間24時間の条件で
エージング処理を行った二次電池において、エージング
処理の前後における充放電微分容量曲線の違いを示す。
両者を比較すれば、エージング処理を行った後の二次電
池では、約3.8V以下の領域のいわゆる不安定な容量
成分を含む約3.9V以下の容量成分が減少しているこ
とが判る。前述したように、この領域における容量の減
少は、正極活物質である層状岩塩構造リチウムニッケル
複合酸化物の構造変化に起因するものと考えられる。し
たがって、本エージング処理は、リチウムニッケル複合
酸化物の構造変化を促進させて、予め、不安定容量成分
を減少させるものであることが確認できる。
【0067】また、図4からは、充電レスト時の電圧低
下(充電から放電に移る際の4.05V〜4.0V程度
の電圧低下)が、エージング処理することで、大きくな
っていることも判る。前述したように、充電レスト時の
電圧低下は、活物質の反応抵抗の増加、電極の膨潤等に
起因するものであると考えられる。したがって、このエ
ージング処理によって、電極の膨潤等も促進され、安定
した電極を有する二次となることも確認できる。
【0068】図5に、SOC100%、保存温度80
℃、保存時間24時間の条件でエージング処理を行った
二次電池において、エージング処理後の充放電サイクル
試験の3サイクル目、200サイクル目、および500
サイクル目におけるそれぞれの充放電微分容量曲線を示
す。この図から、エージング処理を行った二次電池は、
60℃というの高温環境で充放電サイクルを繰り返した
場合であっても、充放電微分容量曲線が殆ど変化してい
ないことが判る。これは、エージング処理によって、上
述した約3.8V以下の比較的低電位側の不安定容量成
分を予め減少させたこと、および電極の膨潤を促進させ
安定な電極としたことをよく示しているといえる。
【0069】前述した実験結果をも総合して考えるに、
エージング処理を施した場合は、施さない場合と比較し
て、500サイクル後の放電容量が逆転しており、ま
た、直流抵抗も低いものとなっていることから、上述し
た不安定容量成分の減少および電極の膨潤促進による安
定化という作用の他に、他の何かが作用している可能性
は否めない。残念ながら現在の時点では不明である。
【0070】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池のエージング
処理方法は、層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物
を正極活物質とする正極と負極とを組付けて形成される
リチウム二次電池のエージング処理方法であって、組付
けられた電池を40℃以上90℃以下の保存温度で保存
するものである。つまり本発明のエージング処理方法
は、安価なリチウム二次電池を、保存という非常に簡便
な処理によって特性改善できる方法となる。
【0071】この本発明のエージング処理方法は、さら
に2つに分けることができ、その1つである低温エージ
ング処理方法は、保存温度が40℃以上70℃未満、電
池の充電状態(SOC)を30%以上として行うエージ
ング処理方法であり、この低温エージング処理方法によ
れば、初期放電容量の大きい二次電池を簡便に得ること
ができる。
【0072】またもう1つの本発明のエージング処理方
法である高温エージング処理方法は、保存温度を70℃
以上90℃以下とするエージング処理方法であり、この
エージング処理方法によれば、放電容量変化が少なく、
電池抵抗の増加が抑制されたサイクル特性の良好な二次
電池を簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 60℃の保存温度で行う低温エージング処理
において、SOC30%、60%、100%で保存した
二次電池の、それぞれの充放電微分容量曲線を示す。
【図2】 80℃の保存温度で24時間保存する高温エ
ージング処理において、SOC0%および100%の状
態で保存されたそれぞれの二次電池の、放電容量の充放
電サイクルへの依存性を示す。
【図3】 80℃の保存温度で24時間保存する高温エ
ージング処理において、SOC0%および100%の状
態で保存されたそれぞれの二次電池の、電池直流抵抗の
充放電サイクルへの依存性を示す。
【図4】 SOC100%、保存温度80℃、保存時間
24時間の条件で行う高温エージング処理を行った二次
電池の、エージング処理の前後におけるそれぞれの充放
電微分容量曲線を示す。
【図5】 SOC100%、保存温度80℃、保存時間
24時間の条件で行う高温エージング処理を行った二次
電池の、エージング処理後の充放電サイクル試験の3サ
イクル目、200サイクル目、および500サイクル目
におけるそれぞれの充放電微分容量曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 右京 良雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 本間 隆彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 竹内 要二 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小林 哲郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐々木 厳 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 向 和彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 則竹 達夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 神崎 昌郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 伊藤 勇一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL08 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 HJ02 HJ14 HJ19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化
    物を正極活物質とする正極と負極とを組付けて形成され
    るリチウム二次電池のエージング処理方法であって、 組付けられた電池を40℃以上90℃以下の保存温度で
    保存することを特徴とするリチウム二次電池のエージン
    グ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記保存温度は40℃以上70℃未満で
    あり、前記組付けられた電池の充電状態(SOC)は3
    0%以上である請求項1に記載のリチウム二次電池のエ
    ージング処理方法。
  3. 【請求項3】 前記保存温度が70℃以上90℃以下で
    ある請求項1に記載のリチウム二次電池のエージング処
    理方法。
  4. 【請求項4】 前記組付けられた電池の充電状態(SO
    C)は60%以上である請求項3に記載のリチウム二次
    電池のエージング処理方法。
  5. 【請求項5】 前記層状岩塩構造リチウムニッケル複合
    酸化物は、組成式LiNixM1yM2z2(M1はCo、
    Mnから選ばれた少なくとも1種;M2はAl、B、F
    e、Cr、Mgから選ばれた少なくとも1種;x+y+
    z=1;0.5<x<0.95;0.01<y<0.
    4;0.001<z<0.2)で表される請求項1ない
    し請求項4のいずれかに記載のリチウム二次電池のエー
    ジング処理方法。
  6. 【請求項6】 前記M1はCoであり、かつ前記M2はA
    lである請求項5に記載のリチウム二次電池のエージン
    グ処理方法。
  7. 【請求項7】 前記負極は、リチウムを吸蔵・放出可能
    な炭素材料を負極活物質とする請求項1ないし請求項6
    のいずれかに記載のリチウム二次電池のエージング処理
    方法。
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