JP2000336851A - 屋根の葺替構造 - Google Patents

屋根の葺替構造

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JP2000336851A JP11148129A JP14812999A JP2000336851A JP 2000336851 A JP2000336851 A JP 2000336851A JP 11148129 A JP11148129 A JP 11148129A JP 14812999 A JP14812999 A JP 14812999A JP 2000336851 A JP2000336851 A JP 2000336851A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新設のカバールーフの葺替作業時に既設の波
形スレート板の切り粉の落下を防止しながら、葺替作業
を簡単且つ確実に行う。既設の波形スレート板の上にに
突出している既存のボルトの上部の切削作業が不要とな
る。 【解決手段】 屋根に葺設されている既設の波形スレー
ト板1上に新設のカバールーフ6を被覆する屋根の葺替
構造である。波形スレート板1の山部2を跨いでその両
側の谷部3上に略逆U字状の支持フレーム11を載設
し、該支持フレーム11には、波形スレート板1を固定
している既存のボルト4の上部が下方から圧入されて係
止される圧入係止部16と、新設のカバールーフ6を貫
通して上方から打入されたドリルビス9の下端を固定す
るドリルビス固定部10とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根の葺替構造に
関し、詳しくは波形スレート板の改修工法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】建築分野において、石綿スレート板は、
耐火性、耐水性、耐久性に優れているとの理由から、屋
根材として広く使用されているが、建築後かなりの年数
が経過して改修が必要となった場合は、石綿スレート板
をはがすことなく、石綿スレート板の上から新設のカバ
ールーフを被覆し、ドリルビスをカバールーフから石綿
スレート板に打入することで、カバールーフを石綿スレ
ート板に固着することが一般に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ドリルビス
を老巧化している石綿スレート板に打入すると、石綿ス
レート板の切り粉が落下して作業環境の悪化を招くとい
う問題がある。特に石綿スレート板の場合には、人体に
害を及ぼす石綿(アスベスト)を含んだ切り粉が落下す
る危険性がある。しかも従来ではドリルビスを石綿スレ
ート板まで打ち込む必要があるために、ドリルビスの打
入作業に非常に手間がかかり、葺替の作業効率が悪いと
いう問題もある。さらに、石綿スレート板の上には、こ
の石綿スレート板を固定している既存のボルトの上部が
突出しており、新規のカバールーフを固着する際に、既
存のボルトの上側の突出部分を切削により除去する必要
があり、既存のボルトの数が多いためにその切削作業に
非常に手間と時間がかかるという問題もある。
【0004】本発明は、上記従来例に鑑みてなされたも
ので、新設のカバールーフの葺替作業時において既設の
波形スレート板の切り粉の落下を防止しながら、葺替作
業を簡単且つ確実に行うことができ、さらに既設の波形
スレート板の上に突出している既存のボルトの上部を切
削する必要もなく、作業環境の改善及び作業効率の向上
を図ることができる屋根の葺替構造を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、屋根に葺設されている既設の波形スレー
ト板1上に新設のカバールーフ6を被覆する屋根の葺替
構造であって、波形スレート板1の山部2を跨いでその
両側の谷部3上に略逆U字状の支持フレーム11を載設
し、該支持フレーム11には、波形スレート板1を固定
している既存のボルト4の上部が下方から圧入されて係
止される圧入係止部16と、新設のカバールーフ6を貫
通して上方から打入されたドリルビス9の下端を固定す
るドリルビス固定部10とを備えていることを特徴とし
ており、このように構成することで、支持フレーム11
の圧入係止部16に既存のボルト4の上部を圧入係止さ
せることで、既存のボルト4の上部に対して支持フレー
ム11を工具無しでワンタッチで取り付けることができ
る。また、ドリルビス9を波形スレート板1に打入する
必要がないので、老巧化した波形スレート板1を傷める
ことなく且つ切り粉が落下するのを防止しながら、新設
のカバールーフ6を強固に取付けることができる。さら
に既設の波形スレート板1の上に突出している既存のボ
ルト4の上部を利用して支持フレーム11を取り付けて
いるので、従来のように既存のボルトの上部を切削する
必要がなくなり、作業効率が一層良くなる。
【0006】また上記ドリルビス固定部10の下方位置
に所定の間隔をあけて圧入係止部16が設けられている
のが好ましく、このように構成することで、新設のカバ
ールーフ6の上からドリルビス9を打ち込む際に、圧入
係止部16に下方から圧入係止される既存のボルト4の
上部とドリルビス9とが接触する恐れがなく、ドリルビ
ス9による新設のカバールーフ6と支持フレーム11と
の固着を確実に行えるようなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0008】本実施形態の屋根は、図1に示すように、
既設の波形スレート板1の上に支持フレーム11を介し
て新規のカバールーフ6を葺設して構成されている。
【0009】波形スレート板1は、フックボルト5を用
いて屋根下地材に固着されている。屋根下地材は例えば
C型鋼20から成り、波形スレート板1の山部2に上方
から打入されたフックボルト5の下端部がC型鋼20に
固着されている。図1中の30はパッキン材、31は締
付ナットである。
【0010】新設のカバールーフ6は、例えば金属単板
からなる。ここでは、フラット部7とV字溝部8とが幅
方向(図1の左右方向、つまり軒棟方向と直交する方
向)に連続して形成された波形の金属単板が使用されて
いる。なお、カバールーフ6の形状は波形には限定され
ず、また金属単板に限定されるものでもなく、例えば上
下二枚の金属外皮間に断熱材を充填したサンドイッチパ
ネル等であってもよいものである。
【0011】支持フレーム11は、図1〜図4に示すよ
うに、正面から見て略逆U字状に形成されており、平面
視長方形状の頂部12と、頂部12の両側部から垂下し
た左右の脚部13とが一体に形成されている。支持フレ
ーム11の頂部12は、新設のカバールーフ6の上方か
ら打入されたドリルビス9の下端が固定されるドリルビ
ス固定部10となっている。左右の脚部13は、頂部1
2の両側部からそれぞれ略く字状に垂下して、各下端部
が丸みを持った形状をしており、く字状に屈曲した部分
3aを波形スレート板1の山部2の両側の傾斜面上にそ
れぞれ当接させてある。
【0012】支持フレーム11の頂部12よりも下方位
置には、1枚の長方形状の金属薄板で構成されたクイッ
クナット形成部材14が水平に配置されている。このク
イックナット形成部材14の長さ方向の両端部は、図
4、図5に示すように、左右の脚部13の前後両端部を
それぞれ略U字状に折り返した支持部15上に載設され
ており、クイックナット形成部材14の両端部が各支持
部15にリベット21にて止着されている。
【0013】クイックナット形成部材14の中央には圧
入係止部16が設けられている。この圧入係止部16
は、波形スレート板1を固定するための既存のフックボ
ルト5の上部5aが下方から圧入されて係止されるもの
であり、本例では、ドリルビス固定部10の略真下位置
に所定の間隔をあけて圧入係止部16を位置させてあ
る。ここでは、圧入係止部16は、既存のフックボルト
5の上部5aの外径よりも小径の小孔部17と、小孔部
17を中心とした放射状の切り込み18によって上下に
弾性変形可能となった複数の板状片19とで形成されて
いる。複数の板状片19は小孔部17内に既存のフック
ボルト5の上部5aが下方から圧入されたときに、上方
に向かって弾性変形してフックボルト5の上部5aの雄
ねじ部5bに食い込んで下方に戻るのを防止する係止機
能、いわゆるクイックナットとしての機能を有してい
る。
【0014】しかして、図1に示す既設の波形スレート
板1上に新設のカバールーフ6を被覆するにあたって、
先ず、支持フレーム11の左右の脚部13を波形スレー
ト板1の山部2を跨いでその両側の谷部3上に載設す
る。このとき、支持フレーム11に設けられているクイ
ックナット形成部材14の圧入係止部16を既存のフッ
クボルト5の上部5aに位置合わせして支持フレーム1
1を押し下げると、圧入係止部16を構成している複数
の板状片19がフックボルト5によって上方に弾性変形
し、これにより図5(b)のように雄ねじ部5bに食い
込んで係止された状態となる。これにより、支持フレー
ム11を既存のフックボルト5に対して工具無しでワン
タッチで係止できるようになる。
【0015】その後、波形スレート板1上に新設のカバ
ールーフ6を被覆し、カバールーフ6の上方からドリル
ビス9を打ち込んで、ドリルビス9の下端を支持フレー
ム11の頂部12に固定する。これにより、既設の波形
スレート板1をはがさずに、その上に支持フレーム11
を介して新設のカバールーフ6を葺くことができ、スレ
ート屋根の改修を手間をかけずに楽に行えるようにな
る。またドリルビス9を打ち込む際に、上記圧入係止部
16はドリルビス固定部10の下方位置に所定間隔をあ
けて配置されているので、ドリルビス固定部10にドリ
ルビス9が打入されたときに、圧入係止部16に対して
下方から圧入係止されている既存のフックボルト5の上
端に接触するのを防止でき、これによりドリルビス9に
よる新設のカバールーフ6と支持フレーム11との固着
を確実に行うことができる。しかも従来のようにドリル
ビス9を既設の波形スレート板1に打入する必要がな
く、支持フレーム11の頂部12に打入するだけでよい
ので、ドリルビス9による新設のカバールーフ6の取り
付け作業をスムーズに行うことができる。従って、波形
スレート板1の改修を手間をかけずに楽に行うことがで
きるようになり、屋根の葺替作業の作業効率を大幅に向
上させることができる。
【0016】また、ドリルビス9は老巧化した既設の波
形スレート板1には打入されないために、切り粉が落下
するのを防止でき、特に石綿スレート板の場合には人体
の害となる石綿を含んだ切り粉が落下する危険性がない
ので、環境衛生上の問題も同時にクリアできることとな
る。そのうえ、ドリルビス9は波形スレート板1には打
入されないので、老巧化した波形スレート板1に大きな
打撃力がかからず、波形スレート板1に割れやクラック
が発生するのを十分に防止できるものであり、この結
果、波形スレート板1を傷めることなく新設のカバール
ーフ6を強固に取付けることができるので、屋根葺替の
施工の信頼性を高めることができる。さらに既設の波形
スレート板1の上に突出している既存のボルト4の上部
を利用して支持フレーム11を取り付けるようにしてい
るので、従来のように既存のボルトの上部を切削する作
業を行う必要がなくなり、作業効率が一層良くなる。
【0017】また、カバールーフ6を葺設したときに、
カバールーフ6の各V字溝8を支持フレーム11の両側
の脚部13の上にそれぞれ載せているので、カバールー
フ6自体で支持フレーム11のぐらつきを防止でき、し
かも、支持フレーム11の脚部13をく字状に屈曲させ
て既設の波形スレート板1の両側の傾斜面1aにそれぞ
れ当接させているので、支持フレーム11が一層安定化
し、カバールーフ6の取り付けの安定化を図ることがで
き、施工の信頼性を高めることができる。もちろん、支
持フレーム11の脚部13をく字状に屈曲させずに、ス
トレート状に形成してもよいものである。
【0018】前記実施形態では、圧入係止部16をドリ
ルビス固定部10の真下に所定間隔をあけて配置してい
ていたが、図6に示すように、圧入係止部16をドリル
ビス固定部10よりも前方(或いは後方)にずれた位置
に配置するようにしてもよい。この場合、フックボルト
5とドリルビス9とが前後にずれた位置に配置されるの
で、フックボルト5とドリルビス9の接触を確実に避け
ることができ、ドリルビス9による新設のカバールーフ
6と支持フレーム11との固着を確実に行うことができ
る。しかも、この例では圧入係止部16を脚部13から
折り返された支持部15に一体に設けてあるので、部品
点数を削減して、構造の簡素化を図ることができるとい
う利点もある。
【0019】本発明の屋根の葺替構造は、一般住宅だけ
でなく、工場とか体育館などの大型建物に広く適用可能
である。
【0020】
【発明の効果】上記のように本発明のうち請求項1の発
明は、屋根に葺設されている既設の波形スレート板上に
新設のカバールーフを被覆する屋根の葺替構造であっ
て、波形スレート板の山部を跨いでその両側の谷部上に
略逆U字状の支持フレームを載設し、該支持フレームに
は、波形スレート板を固定している既存のボルトの上部
が下方から圧入されて係止される圧入係止部と、新設の
カバールーフを貫通して上方から打入されたドリルビス
の下端を固定するドリルビス固定部とを備えているの
で、支持フレームの圧入係止部に既存のフックボルトの
上部を圧入係止させることで、既存のボルトの上部に対
して支持フレームを工具無しでワンタッチで取り付ける
とができ、支持フレームの取り付けが容易となり、さら
に既設の波形スレート板の上に突出している既存のボル
トの上部を利用して支持フレームを取り付けることがで
きるので、従来のように既存のボルトの上部を切削する
作業が不要となり、作業効率をより高めることができ
る。また、ドリルビスを波形スレート板に打入する必要
がなく、支持フレームに打入するだけでよいので、屋根
の葺替作業の作業効率を向上させることができると共
に、ドリルビスは波形スレート板に打入されないため
に、老巧化した既設の波形スレート板を傷めることなく
新設のカバールーフを強固に取付けることができるうえ
に、切り粉が落下するのを防止でき、特に石綿スレート
板の場合には人体の害となる石綿を含んだ切り粉が落下
する危険性がないので、環境衛生上の問題も同時にクリ
アできるものである。
【0021】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、ドリルビス固定部の下方位置に所定の
間隔をあけて圧入係止部が設けられているので、新設の
カバールーフの上からドリルビスを打ち込む際に、圧入
係止部に下方から圧入係止されるフックボルトとドリル
ビスとが接触するのを防止できるので、ドリルビスによ
る新設のカバールーフと支持フレームとの固着を確実に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す正面図である。
【図2】同上の支持フレームの斜視図である。
【図3】同上の支持フレームの側面図である。
【図4】同上の支持フレームの縦断面図である。
【図5】(a)は図4のA−A線断面図、(b)は圧入
係止部の対するボルトの係止状態を説明する概略図であ
る。
【図6】他の実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
1 既設の波形スレート板 2 山部 3 谷部 4 既存のボルト 6 新設のカバールーフ 9 ドリルビス 10 ドリルビス固定部 11 支持フレーム 16 圧入係止部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根面を構成している既設の波形スレー
    ト板上に新設のカバールーフを被覆する屋根の葺替構造
    であって、波形スレート板の山部を跨いでその両側の谷
    部上に略逆U字状の支持フレームを載設し、該支持フレ
    ームには、波形スレート板を固定している既存のボルト
    の上部が下方から圧入されて係止される圧入係止部と、
    新設のカバールーフを貫通して上方から打入されたドリ
    ルビスの下端を固定するドリルビス固定部とを備えてい
    ることを特徴とする屋根の葺替構造。
  2. 【請求項2】 ドリルビス固定部の下方に所定の間隔を
    あけて圧入係止部を配置してなることを特徴とする請求
    項1記載の屋根の葺替構造。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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