JP3377384B2 - 改修屋根及びその改修方法 - Google Patents

改修屋根及びその改修方法

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良雄 古内
昭洋 細野
勝圀 佐藤
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三晃金属工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断面波形状のスレ
ート等の既設屋根をそのままにして、その上から新設屋
根を簡易且つ迅速に葺成することができる改修屋根及び
その改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりスレートによる屋根が多く施工
されている。これらが長期の使用により、老朽化し、或
いは脆くなり、そのために雨水が浸入するようになった
り、或いはその外観のよごれ等が顕著になり、洗浄のみ
では汚れが落ちないような状態においては、新たな屋根
に葺き替える必要が生じる。そのために、既設の屋根を
撤去し、新たなる屋根を葺成するか、或いは既設のスレ
ート屋根をそのまま残して、その上に新たなる屋根を葺
成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、屋根の改修に
おいて、会社,工場,駐車場等では、撤去時に粉塵等が
立ち込めたり、取り外した屋根板材等の部品が落下した
り、また、雨天の場合には設備、製品,自動車等に保護
のためテント,天幕,カバー等の架設家屋を設営しなけ
ればならない。さらに、最悪の場合には会社、工場等の
操業及び使用を一時,中断することもあり、その間に生
じる物的,金銭的な損失,損害は甚大である。このた
め、最近では改修屋根の施工において、既設屋根はなる
べく、そのまま残して、該既設屋根上に新たなる屋根を
施工することが多くなっている。
【0004】この既設の屋根を残したままの状態で新設
屋根を施工する場合には、既設屋根の構造を利用するこ
とになり、例えば既設屋根の母屋,胴縁の構造材等は新
設屋根の構造材として使用される。また、既設屋根を固
定しているボルト軸等も利用可能であれば使用すること
がある。
【0005】しかし、このような既設の構成部材を使用
するにあたり、改修工事には種々の困難且つ面倒なる問
題が生じることがある。例えば、既設の構造材を使用す
る場合に、その構造材上には当然のことながら既設屋根
が葺成されているので、作業員には既設の屋根板が透明
であるものでないかぎり、構造材のおおよその位置は確
認できるとしても、その正確な位置を確認することは困
難である。
【0006】そのために、既設の構造材に新設の屋根板
を固定具等の固着具にて固定する場合に、その既設の構
造材に固着具を正確にねじ込み或いは締めつけたりする
ことはできず、大抵の場合には既設の構造材から固着具
が外れた位置になってしまい、新設の屋根板に不要な孔
を開けてしまい、新設の屋根が見苦しいものとなるのみ
ならず、無駄に施工時間を費やしたり、不要に開けた孔
の埃が周囲に散ったり、あるいは、その孔から雨水が浸
入する等の不都合が生じる。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで発明者は、前記課
題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、その発明
を、断面波形状の既設屋根板の弧状山形部箇所を固定用
螺子部材を介して構造材に固着して葺成した既設屋根
と、該既設屋根の弧状山形部と略同等間隔とした台形状
部を形成した新設屋根板と、前記既設屋根における各弧
状山形部の固定用螺子部材の突出箇所に固着する支持部
材と、新設屋根板上から前記支持部材箇所の近接位置に
貫通し,前記構造材に螺子込む固着具とからなり、前記
支持部材上に配置された新設屋根板の台形状部には押圧
にて前記支持部材の角箇所に凹み状の変形部が形成され
てなる改修屋根及びその改修方法としたことにより、老
朽化した既設スレート屋根を撤去することなく、そのま
まにして、その上より簡易且つ迅速に新設屋根を葺成す
ることができ、前記課題を解決したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。まず、既設屋根Aは、図1,図6,図
7等に示すように、スレート等でその断面形状が、略サ
インカーブ状の波形に形成されており、実際には複数の
既設屋根板A1 ,A1 ,…より構成されている。ここ
で、既設屋根Aは、その高さ方向の上方を弧状山形1と
し、下方を弧状谷部2と称することとする。その既設屋
根Aには、弧状山形1箇所が母屋等の構造材4上に固定
された固定用螺子部材5,5,…にて固定されている。
【0009】前記構造材4は、具体的には、リップ溝形
鋼等の断面略C字形状の形鋼材が使用されることが好ま
しい。そして、固定用螺子部材5は、図2(B),図4
(B)及び図8(A)等に示すように、フックボルトが
好適であり、リップ溝形鋼等とした構造材4の縁にフッ
クボルトとした固定用螺子部材5のフック部が引っかけ
られている。その固定用螺子部材5は、ボルト軸部5
a,座金5b及びナット5cから構成されている。そし
て、フックボルトとしたボルト軸部5aのフックが構造
材4の縁に引っかけられ、ボルト軸部5aの軸他端が前
記座金5bとナット5cにより構造材4に固定されるよ
うになっている。
【0010】次に、新設屋根板B1 は、平坦状の複数の
台形状部6,6,…が所定間隔をおいて形成されたもの
である。該台形状部6,6,…は、前記既設屋根Aの弧
状山形1,1,…の間隔に等しくなるように形成されて
いる(図1,図6等参照)。そして、台形状部6,6,
…の間には、既設屋根Aの弧状谷部2,2,…と略同等
間隔となるように円弧状面部7,7,…が形成されてい
る。
【0011】その支持部材Cは、図1,図2(A)等に
示すように、既設屋根Aと新設屋根Bとの間に位置する
ものであり、支持部材C上に新設屋根板B1 を配置,固
着し、新設屋根Bを葺成してゆくものである。その支持
部材Cは、複数の筺形状支持材C1 ,C1 ,…及び連結
帯材14から構成されている。
【0012】その支持部材Cの筺形状支持材C1 は、種
々の実施の形態が存在しており、その第1実施の形態と
しては、図3(A),(B)及び図4(A)等に示すよ
うに、筺形状支持材C1 が上方支持部10及び下方支持
部11とからなり、その下方支持部11の幅方向両側端
より略垂直状に立上り片9,9を介して二つの上方支持
部10,10が形成されている。
【0013】そして、この下方支持部11,両上方支持
部10,10及び両立上り片9,9は、正面より見て、
図5(A)に示すように、断面略凹形状となる形状を構
成している。その上方支持部10と立上り片9及び下方
支持部11と立上り片9との角箇所にリブが形成され、
補強されることもある。その下方支持部11には、図4
(A)に示すように、貫通孔11aが形成され、且つそ
の裏面側には、図3(B)に示すように、粘着部材16
が設けられている。
【0014】該粘着部材16は、具体的には両面テープ
等が使用され、前記貫通孔11a箇所に対応する位置に
切込み部16aが形成されている。該切込み部16a
は、例えばX印状〔図3(B)参照〕或いは☆印状等に
形成されており、前記既設屋根Aの弧状山形1の頂部よ
り突出した固定用螺子部材5のボルト軸部5a,座金5
b及びナット5cが容易に突き刺さり貫通孔11aに貫
通し易いようになっている〔図4(B)参照〕。
【0015】そして、その粘着部材16により既設屋根
Aの弧状山形1の頂部箇所に貼着して固定される。ま
た、粘着部材16の既設屋根Aの貼着への貼着面には保
護シート16bが貼られており、施工時に保護シート1
6bを剥がして使用する〔図3(B)参照〕。そして、
複数の筺形状支持材C1 ,C1 ,…が連結帯材14を介
して連続している。該連結帯材14は、複数の筺形状支
持材C1 ,C1 ,…が帯状板14b,14b,…にて連
結される〔図3(A)参照〕。
【0016】その第2実施の形態の筺形状支持材C1
しては、その形状が略筺形状をなし、上方支持部10及
び下方支持部11より構成されることについては、第1
実施の形態と同様であが、その形状が異なる。まず、筺
形状支持材C1 の前後方向両側端には側面部13,13
が形成され、いずれかの側面部13を介して上方支持部
10と下方支持部11とが一体的に屈曲形成される。
【0017】その上方支持部10は、略長方形状をなし
ている。その下方支持部11には、係止用溝12が形成
されている。その側面部13の下端は既設屋根Aの頂部
の形状と略同一となるように略円弧状の下端となる円弧
状下端縁13aが形成されることもある〔図15(A)
参照〕。
【0018】そして、複数の筺形状支持材C1 ,C1
…は、第1実施の形態と同様に連結帯材14を介して連
続している。該タイプでは、連結帯材14は、筺形状支
持材C1 が接合する接合板14aと帯状板14bとから
なり、接合板14aと筺形状支持材C1 の上方支持部1
0とはスポット溶接,リベット,接着剤等の接合手段に
て接合される。また、筺形状支持材C1 と連結帯材14
とが同一金属原板から折曲げ加工により一体的に形成さ
れることもある〔図16(A)乃至(C)参照〕。
【0019】また、支持部材Cの複数の筺形状支持材C
1 ,C1 ,…は、図10に示すように、全てに下方支持
部11及び係止用溝12が形成される必要はなく、図1
6に示すように、両最外部の筺形状支持材C1 ,C1
みに下方支持部11及び係止用溝12が形成されていれ
ばよい。
【0020】また、支持部材Cの第3の実施の形態とし
ては、図15(A),(B)に示すように、筺形状支持
材C1 のみから構成されている。即ち、支持部材Cは、
複数に筺形状支持材C1 ,C1 ,…を有するものではな
く、単体の筺形状支持材C1のみから構成されたもので
ある。
【0021】それぞれの筺形状支持材C1 は、前述した
第1実施の形態或いは第2実施の形態の筺形状支持材C
1 がそのまま独立して形成されたものである。図示した
ものは、第2実施の形態の筺形状支持材C1 を独立させ
たものであり、筺形状支持材C1 は、下方支持部11に
係止用溝12が形成され、既設屋根Aの各弧状山形1か
ら突出した螺子固着具5に固着することができる。
【0022】
【作用】既設屋根Aは、図1,図6,図7等に示すよう
に、リップ溝形鋼等の構造材4上に固定用螺子部材5を
介して葺成した断面略波形の既設屋根板A1 ,A1 ,…
が施工されたものである。その既設屋根Aの弧状山形1
上に支持部材Cを載置する〔図11,図13(A)参
照〕。
【0023】まず、第1実施の形態の筺形状支持材C1
を有するタイプの支持部材Cでは、それぞれの筺形状支
持材C1 の下方支持部11の裏面に設けた粘着部材16
の保護シート16bを剥がし〔図3(B)参照〕、既設
屋根Aの弧状山形1の頂部箇所から突出した固定用螺子
部材5の位置に筺形状支持材C1 を配置し、そのまま押
圧し、粘着部材16の切込み部16aを介して、突出し
たボルト軸部5a、座金5b、ナット5cを貫通させ
〔図4(B)参照〕、その粘着部材16にて既設屋根A
の弧状山形1の頂部箇所と筺形状支持材C1 とを固着す
る。
【0024】そして、既設屋根A上に固定した支持部材
Cの各筺形状支持材C1 ,C1 ,…上に新設屋根板B1
の台形状部6,6,…が位置的に対応するようにして配
置する〔図5(B)参照〕。ついで、新設屋根板B1
台形状部6を手の平等にて押圧し、筺形状支持材C1
角箇所によりあまり目立たない程度の凹み状の変形部6
aを形成する。そして、該変形部6aを目印とし、その
付近に固着具15を突き刺し、そのまま構造材4に締め
つける。このとき、固着具15は電動ドリル等の機具を
介して締めつけることで作業を効率的に行うことができ
る(図14参照)。
【0025】その新設屋根板B1 の変形部6aから固着
具15の突き刺す位置pまでの距離L2 を具体的に示
す。まず、図14に示すように、構造材4の幅寸法をL
0 とする。また、筺形状支持材C1 の上方支持部10の
端部と固定用螺子部材5との間隔をL1 とする。該間隔
1 は、固定用螺子部材5と変形部6aとの間隔に同等
又は、略等しくなる。
【0026】そこで、変形部6aと固着具15を差し込
む位置pまでの距離L2 は、L2 <L0 −L1 となる範
囲となる。即ち、位置pを変形部6aからL0 −L1
内の範囲として固着具15を突き刺すと、構造材4の幅
方向のいずれかの位置に固着具15をねじ込むことがで
きる。特に、L2 =(L0 /2)−L1 とすると、構造
材4の幅方向の略中間位置に固着具15をねじ込むこと
ができる。
【0027】また、第2実施の形態の筺形状支持材C1
を有するタイプの支持部材Cでは、既設屋根Aの弧状山
形1の頂部より突出した固定用螺子部材5のナット5c
を緩め、弧状山形1の頂部とナット5cとの間に支持部
材Cの下方支持部11に形成した係止用溝12を挿入さ
せ、前記緩めたナット5cを再度、締めつけて、筺形状
支持材C1 を弧状山形1の頂部に固定させる〔図9
(A)参照〕。
【0028】このとき、弧状山形1に載置した支持部材
Cの筺形状支持材C1 を弧状山形1上においてスライド
させるようにして固定用螺子部材5を係止用溝12に挿
入させる〔図12(A)及び(B)参照〕。その支持部
材C上に新設屋根板B1 を施工してゆく工程は上記第1
実施の形態の筺形状支持材C1 を有する支持部材Cの場
合と同様である。
【0029】また、第3実施の形態の支持部材Cでは連
結帯材14を設けていないものであるが、このタイプで
はそれぞれの筺形状支持材C1 ,C1 ,…を既設屋根A
の各弧状山形1,1,…の頂部箇所より突出した固定用
螺子部材5箇所に固定し、同様にした新設屋根板B1
施工してゆけばよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明は、断面波形状の既設屋
根板A1 の弧状山形部1,1,…箇所を固定用螺子部材
5,5,…を介して構造材4に固着して葺成した既設屋
根Aと、該既設屋根Aの弧状山形部1,1,…と略同等
間隔とした台形状部6,6,…を形成した新設屋根板B
1 と、前記既設屋根Aにおける各弧状山形部1,1,…
の固定用螺子部材5,5,…の突出箇所に固着する支持
部材Cと、新設屋根板B1 上から前記支持部材C箇所の
近接位置に貫通し,前記構造材4に螺子込む固着具15
とからなり、前記支持部材C上に配置された新設屋根板
1 の台形状部6には押圧にて前記支持部材Cの角箇所
に凹み状の変形部6aが形成されてなる改修屋根とした
ことにより、まず第1に屋根の改修作業を簡易且つ迅速
にできるし、第2にその構造を極めて簡単にすることが
できる。
【0031】上記効果を詳述すると、支持部材Cは、既
設屋根Aの弧状山形部1,1,…の頂部箇所より突出す
る固定用螺子部材5箇所に固着することができるように
なっている。その既設屋根Aは、構造材4に対して固定
用螺子部材5にて固定されているものであるために、固
定用螺子部材5の付近には、構造材4が存在しているこ
とになる。
【0032】さらに、その支持部材C上に新設屋根板B
1 を載置したときには、その新設屋根板B1 の台形状部
6,6,…は、その自重と支持部材Cからの反力とによ
り、僅かな変形部6aが生じることになる。その変形部
6a付近の下には構造材4が存在していることから、そ
こに固着具15をねじ込むと、固着具15は必然的に構
造材4に到達させることができ、このようにして、施工
作業を極めて効率的にできる。
【0033】次に、請求項2の発明は、断面波形状の既
設屋根板A1 の弧状山形部1,1,…箇所を固定用螺子
部材5,5,…を介して構造材4に固着して葺成した既
設屋根Aと、該既設屋根Aの弧状山形部1,1,…と略
同等間隔とした台形状部6,6,…を形成した新設屋根
板B1 と、前記既設屋根Aにおける各弧状山形部1,
1,…の固定用螺子部材5,5,…の突出箇所に固着す
る支持部材Cと、新設屋根板B1 上から前記支持部材C
箇所の近接位置に貫通し,前記構造材4に螺子込む固着
具15とからなり、前記支持部材Cは、上方支持部10
と下方支持部11とからなり,該下方支持部11には前
記既設屋根Aの頂部から突出した固定用螺子部材5が貫
通する貫通孔11aを設け,且つ下方支持部11の裏面
側には粘着部材16を設けた筺形状支持材C1 からなる
改修屋根としたことにより、その支持部材Cの筺形状支
持材C1 を既設屋根Aの弧状山形1頂部における固定用
螺子部材5の突出箇所に固着する作業が極めて簡易且つ
迅速にでき、作業効率を向上させることができる。
【0034】さらに、上方支持部10の存在により、新
設屋根板B1 に変形部6aの形成が極めて容易であり、
新設屋根板B1 を固定するための固着具15を差し込む
位置の大体の目安を明確にすることができ、施工作業の
効率を向上させることができる。
【0035】次に、請求項3の発明は、断面波形状の既
設屋根板A1 の弧状山形部1,1,…箇所を固定用螺子
部材5,5,…を介して構造材4に固着して葺成した既
設屋根Aと、該既設屋根Aの弧状山形部1,1,…と略
同等間隔とした台形状部6,6,…を形成した新設屋根
板B1 と、前記既設屋根Aにおける各弧状山形部1,
1,…の固定用螺子部材5,5,…の突出箇所に固着す
る支持部材Cと、新設屋根板B1 上から前記支持部材C
箇所の近接位置に貫通し,前記構造材4に螺子込む固着
具15とからなり、前記支持部材Cは、上方支持部10
と下方支持部11とからなり,該下方支持部11には前
記固定用螺子部材5に係止する係止用溝12を形成した
筺形状支持材C1 からなる改修屋根としたことにより、
既設屋根Aの頂部より突出した固定用螺子部材5を利用
して、下方支持部11に形成した係止用溝12に係止固
定することができ、よって支持部材Cの既設屋根Aへの
固定が極めて強固にすることができる。その他の効果は
請求項2と同様である。
【0036】次に、請求項4の発明は、断面波形状の既
設屋根板A1 の弧状山形部1,1,…箇所を固定用螺子
部材5,5,…を介して構造材4に固着して葺成した既
設屋根Aと、該既設屋根Aの弧状山形部1,1,…と略
同等間隔とした台形状部6,6,…を形成した新設屋根
板B1 と、前記既設屋根Aにおける各弧状山形部1,
1,…の固定用螺子部材5,5,…の突出箇所に固着す
る支持部材Cと、新設屋根板B1 上から前記支持部材C
箇所の近接位置に貫通し,前記構造材4に螺子込む固着
具15とからなり、前記支持部材Cは、複数の筺形状支
持材C1 ,C1 ,…と連結帯材14とからなり、筺形状
支持材C1 と連結帯材14とが交互に連続し、その筺形
状支持材C1 ,C1 ,…の少なくともいずれか一つは、
前記既設屋根Aの固定用螺子部材5,5,…の突出箇所
に固着してなる改修屋根としたことにより、支持部材C
を既設屋根Aの弧状山形部1,1,…上に配置固定する
ことにおいて、複数の筺形状支持材C1 ,C1 ,…が連
結帯材14により一体的に連結した構造となっているの
で、略一度に弧状山形部1,1,…の頂部に筺形状支持
材C1 ,C1 ,…を設けることができ、施工作業の効率
を向上させることができる。
【0037】次に、請求項5の発明は、断面波形状の既
設屋根板A1 の弧状山形部1,1,…箇所を固定用螺子
部材5,5,…を介して構造材4に固着して葺成した既
設屋根Aの各弧状山形部1,1,…上からの固定用螺子
部材5,5,…の突出部を介して支持部材Cを固着し、
次に該支持部材C上に新設屋根板B1 を載置し、次に、
前記台形状部6から支持部材Cの位置を押圧して、変形
部6aを形成し、該変形部6aの付近に固着具15をね
じ込み、該固着具15を構造材4に固着してなる改修屋
根の改修方法としたことにより、既設屋根Aをそのまま
使用し、且つ下方に切削屑等を落下させることなく効率
的な作業にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の改修屋根の縦断正面図
【図2】(A)は本発明の改修屋根の要部の縦断正面図 (B)は本発明の改修屋根の要部の縦断側面図
【図3】(A)は第1実施の形態の支持部材の斜視図 (B)は第1実施の形態の支持部材の要部を下方側より
見た斜視図
【図4】(A)は第1実施の形態の支持部材の要部の斜
視図 (B)は既設屋根に第1実施の形態の支持部材を載置固
定した状態を示す要部斜視図
【図5】(A)は第1実施の形態の支持部材を既設屋根
に配置する状態を示す縦断正面図 (B)は既設屋根に第1実施の形態の支持部材を介して
新設屋根板を施工する工程を示す縦断側面図
【図6】本発明の改修屋根の斜視図
【図7】本発明の改修屋根の縦断正面図
【図8】(A)は第2実施の形態の支持部材を使用した
本発明の改修屋根の要部縦断側面図 (B)は(A)のX1 −X1 矢視断面図 (C)は(A)のX2 −X2 矢視断面図
【図9】(A)は既設屋根に第2実施の形態の支持部材
を載置固定した状態を示す要部斜視図 (B)は既設屋根に第2実施の形態の支持部材を介して
新設屋根板を施工した状態を示す一部切除した要部斜視
【図10】(A)は第2実施の形態の支持部材の斜視図 (B)は支持部材の一部切除した要部の斜視図 (C)は支持部材の要部を下方側より見た斜視図
【図11】(A)は施工工程を示す縦断正面略示図 (B)は施工工程を示す縦断正面略示図
【図12】(A)は既設屋根に支持部材を装着する工程
を示す縦断側面図 (B)は既設屋根に支持部材を装着する工程を示す縦断
側面図
【図13】(A)は既設屋根上に支持部材を介して新設
屋根板を固定する工程を示す縦断側面図 (B)は既設屋根上に支持部材を介して新設屋根板を固
定する工程を示す縦断側面図
【図14】電気ドリルに固着具を装着し、新設屋根板を
構造材に固定する状態を示す工程図
【図15】(A)は第3実施の形態の支持部材を既設屋
根に装着した斜視図 (B)は第3実施の形態の支持部材を使用した本発明の
縦断正面図
【図16】(A)は連結帯材と筺形状支持材とが一体的
に形成されたタイプの支持部材の斜視図 (B)は支持部材の要部の斜視図 (C)は支持部材の要部を下方側より見た斜視図
【符号の説明】
A…既設屋根 A1 …既設屋根板 B1 …新設屋根板 C…支持部材 C1 …筺形状支持材 1…弧状山形部 4…構造材 5…固定用螺子部材 6…台形状部 6a…変形部 10…上方支持部 11…下方支持部 11a…貫通孔 12…係止用溝 14…連結帯材 15…固着具 16…粘着部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 政人 東京都中央区京橋2丁目9番2号 三晃 金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−27648(JP,A) 特開 平8−135100(JP,A) 実開 昭59−136819(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/00 E04D 3/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面波形状の既設屋根板の弧状山形部箇
    所を固定用螺子部材を介して構造材に固着して葺成した
    既設屋根と、該既設屋根の弧状山形部と略同等間隔とし
    た台形状部を形成した新設屋根板と、前記既設屋根にお
    ける各弧状山形部の固定用螺子部材の突出箇所に固着す
    る支持部材と、新設屋根板上から前記支持部材箇所の近
    接位置に貫通し,前記構造材に螺子込む固着具とからな
    り、前記支持部材上に配置された新設屋根板の台形状部
    には押圧にて前記支持部材の角箇所に凹み状の変形部が
    形成されてなることを特徴とする改修屋根。
  2. 【請求項2】 断面波形状の既設屋根板の弧状山形部箇
    所を固定用螺子部材を介して構造材に固着して葺成した
    既設屋根と、該既設屋根の弧状山形部と略同等間隔とし
    た台形状部を形成した新設屋根板と、前記既設屋根にお
    ける各弧状山形部の固定用螺子部材の突出箇所に固着す
    る支持部材と、新設屋根板上から前記支持部材箇所の近
    接位置に貫通し,前記構造材に螺子込む固着具とからな
    り、前記支持部材は、上方支持部と下方支持部とからな
    り,該下方支持部には前記既設屋根の頂部から突出した
    固定用螺子部材が貫通する貫通孔を設け,且つ下方支持
    部の裏面側には粘着部材を設けた筺形状支持材からなる
    ことを特徴とした改修屋根。
  3. 【請求項3】 断面波形状の既設屋根板の弧状山形部箇
    所を固定用螺子部材を介して構造材に固着して葺成した
    既設屋根と、該既設屋根の弧状山形部と略同等間隔とし
    た台形状部を形成した新設屋根板と、前記既設屋根にお
    ける各弧状山形部の固定用螺子部材の突出箇所に固着す
    る支持部材と、新設屋根板上から前記支持部材箇所の近
    接位置に貫通し,前記構造材に螺子込む固着具とからな
    り、前記支持部材は、上方支持部と下方支持部とからな
    り,該下方支持部には前記固定用螺子部材に係止する係
    止用溝を形成した筺形状支持材からなることを特徴とし
    た改修屋根。
  4. 【請求項4】 断面波形状の既設屋根板の弧状山形部箇
    所を固定用螺子部材を介して構造材に固着して葺成した
    既設屋根と、該既設屋根の弧状山形部と略同等間隔とし
    た台形状部を形成した新設屋根板と、前記既設屋根にお
    ける各弧状山形部の固定用螺子部材の突出箇所に固着す
    る支持部材と、新設屋根板上から前記支持部材箇所の近
    接位置に貫通し,前記構造材に螺子込む固着具とからな
    り、前記支持部材は、複数の筺形状支持材と連結帯材と
    からなり、筺形状支持材と連結帯材とが交互に連続し、
    その筺形状支持材の少なくともいずれか一つは、前記既
    設屋根の固定用螺子部材の突出箇所に固着することを特
    徴とした改修屋根。
  5. 【請求項5】 断面波形状の既設屋根板の弧状山形部箇
    所を固定用螺子部材を介して構造材に固着して葺成した
    既設屋根の各弧状山形部上からの固定用螺子部材の突出
    部を介して支持部材を固着し、次に該支持部材上に新設
    屋根板を載置し、次に、前記台形状部から支持部材の位
    を押圧して、変形部を形成し、該変形部の付近に固着
    具をねじ込み、該固着具を構造材に固着してなることを
    特徴とした改修屋根の改修方法。
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