JP2000336389A - パーム分別油及びその製造方法 - Google Patents
パーム分別油及びその製造方法Info
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- JP2000336389A JP2000336389A JP11225281A JP22528199A JP2000336389A JP 2000336389 A JP2000336389 A JP 2000336389A JP 11225281 A JP11225281 A JP 11225281A JP 22528199 A JP22528199 A JP 22528199A JP 2000336389 A JP2000336389 A JP 2000336389A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シャープな融解特性を持ち、他の油脂とブレ
ンドしなくてもチョコレートに良好な耐熱性、スナップ
性、口中でのシャープな融解特性を付与することがで
き、またテンパリング時の粘度上昇を抑えたパーム分別
油及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 リノレイルジパルミチン(P2L)の含
有量が2〜8重量%であり、オレオイルジパルミチン
(P2O)の含有量が70重量%以上であることを特徴
とするパーム分別油。特定のパーム分別画分を、溶剤分
別により低融点部を除去することを特徴とするパーム分
別油の製造方法。上記パーム分別油からなることを特徴
とするハードバター。好ましくはさらに乳化剤を含有す
るハードバター。該ハードバターを用いることを特徴と
するチョコレート。
ンドしなくてもチョコレートに良好な耐熱性、スナップ
性、口中でのシャープな融解特性を付与することがで
き、またテンパリング時の粘度上昇を抑えたパーム分別
油及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 リノレイルジパルミチン(P2L)の含
有量が2〜8重量%であり、オレオイルジパルミチン
(P2O)の含有量が70重量%以上であることを特徴
とするパーム分別油。特定のパーム分別画分を、溶剤分
別により低融点部を除去することを特徴とするパーム分
別油の製造方法。上記パーム分別油からなることを特徴
とするハードバター。好ましくはさらに乳化剤を含有す
るハードバター。該ハードバターを用いることを特徴と
するチョコレート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャープな融解特
性を持つパーム分別油、詳細には、ハードバターとして
使用できるパーム分別油に関するものである。
性を持つパーム分別油、詳細には、ハードバターとして
使用できるパーム分別油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーム油またはパームオレインから高融
点部と低融点部とを除去し、パーム中融点部を得ること
が知られている。このようにして得られたパーム中融点
部は単独であるいはシア脂、サル脂、マンゴー脂等と混
合して、カカオバター代替脂としてチョコレートの物性
改良に使用されている。パーム中融点部は、オレオイル
ジパルミチン(P2O)を主成分とするためチョコレー
トの硬さの調整や口どけ感の改善を目的として使用され
る場合が多いが、パーム中融点部を多量に配合した場合
は、チョコレートのテンパリング工程で粘度が大きくな
りすぎ、製造に支障をきたしたり、パーム中融点部は高
融点成分であるSSSやジグリセリドが多いため、口ど
け感が悪いという欠点があった。
点部と低融点部とを除去し、パーム中融点部を得ること
が知られている。このようにして得られたパーム中融点
部は単独であるいはシア脂、サル脂、マンゴー脂等と混
合して、カカオバター代替脂としてチョコレートの物性
改良に使用されている。パーム中融点部は、オレオイル
ジパルミチン(P2O)を主成分とするためチョコレー
トの硬さの調整や口どけ感の改善を目的として使用され
る場合が多いが、パーム中融点部を多量に配合した場合
は、チョコレートのテンパリング工程で粘度が大きくな
りすぎ、製造に支障をきたしたり、パーム中融点部は高
融点成分であるSSSやジグリセリドが多いため、口ど
け感が悪いという欠点があった。
【0003】このようなパーム中融点部の欠点を改善す
ることを目的として、特開昭53―84009号公報に
は、予め高融点部を除去し、又は除去しないパーム油か
ら先づ原料油脂に対し少なくとも30重量%の低融点部
を除去した後、残部を常法により分別するパーム油の分
別法が開示されている。また、特開昭60―21786
0号公報には、固体脂含有率が20℃で70%以上、3
0℃で10%以上、33℃で1%以下、35℃で0であ
るパーム中部油を使用したカカオバター代用脂が開示さ
れている。しかし、特開昭53−84009号公報や特
開昭60―217860号公報に開示されているパーム
中融点部は、チョコレートに使用したときのシャープな
融解特性、スナップ性、耐熱性が不十分であった。
ることを目的として、特開昭53―84009号公報に
は、予め高融点部を除去し、又は除去しないパーム油か
ら先づ原料油脂に対し少なくとも30重量%の低融点部
を除去した後、残部を常法により分別するパーム油の分
別法が開示されている。また、特開昭60―21786
0号公報には、固体脂含有率が20℃で70%以上、3
0℃で10%以上、33℃で1%以下、35℃で0であ
るパーム中部油を使用したカカオバター代用脂が開示さ
れている。しかし、特開昭53−84009号公報や特
開昭60―217860号公報に開示されているパーム
中融点部は、チョコレートに使用したときのシャープな
融解特性、スナップ性、耐熱性が不十分であった。
【0004】また、特開昭61−209298号公報お
よび特開昭61−209545号公報には、パーム油か
ら溶剤分別により、調質性製菓用脂肪を得る方法が開示
され、この方法で得られたパーム分別油を、モノ飽和ジ
不飽和トリグリセリド(SUU)/トリ不飽和トリグリ
セリド(UUU)/リノレイルジ飽和トリグリセリド
(SLS)と、特にP2Oトリグリセリドの多い脂肪と
ブレンドすることによって調整し、製菓用脂肪としてい
ることが開示されている。すなわち、ここで開示されて
いるパーム分別油は、チョコレートに柔軟性を付与する
低融点成分SUU/UUU/SLSが少ないため、SU
U/UUU/SLSの多い脂肪とブレンドして、SUU
/UUU/SLSの含有量を増やすことで硬さを調整す
る必要があった。
よび特開昭61−209545号公報には、パーム油か
ら溶剤分別により、調質性製菓用脂肪を得る方法が開示
され、この方法で得られたパーム分別油を、モノ飽和ジ
不飽和トリグリセリド(SUU)/トリ不飽和トリグリ
セリド(UUU)/リノレイルジ飽和トリグリセリド
(SLS)と、特にP2Oトリグリセリドの多い脂肪と
ブレンドすることによって調整し、製菓用脂肪としてい
ることが開示されている。すなわち、ここで開示されて
いるパーム分別油は、チョコレートに柔軟性を付与する
低融点成分SUU/UUU/SLSが少ないため、SU
U/UUU/SLSの多い脂肪とブレンドして、SUU
/UUU/SLSの含有量を増やすことで硬さを調整す
る必要があった。
【0005】さらに、パーム中融点部はPOPを主成分
とするため、結晶の粗大化が起こり易く、チョコレート
に多量に配合すると、チョコレートの光沢が経時的に劣
化しブルーム耐性がやや劣るという欠点があり、通常の
ハードバターのブルーム耐性に効果がある乳化剤を従来
のパーム中融点部に添加しても効果がなく、そのブルー
ム耐性を改善することは極めて困難であった。
とするため、結晶の粗大化が起こり易く、チョコレート
に多量に配合すると、チョコレートの光沢が経時的に劣
化しブルーム耐性がやや劣るという欠点があり、通常の
ハードバターのブルーム耐性に効果がある乳化剤を従来
のパーム中融点部に添加しても効果がなく、そのブルー
ム耐性を改善することは極めて困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シャ
ープな融解特性を持ち、他の油脂とブレンドしなくても
チョコレートに良好な耐熱性、スナップ性、口中でのシ
ャープな融解特性を付与することができ、またテンパリ
ング時の粘度上昇を抑えたパーム分別油及びその製造方
法を提供することにある。
ープな融解特性を持ち、他の油脂とブレンドしなくても
チョコレートに良好な耐熱性、スナップ性、口中でのシ
ャープな融解特性を付与することができ、またテンパリ
ング時の粘度上昇を抑えたパーム分別油及びその製造方
法を提供することにある。
【0007】さらに、本発明の別の目的は、良好なブル
ーム耐性を兼ね備えたハードバターを提供すること、及
び従来のハードバターでは商品設計が困難であったチョ
コレート中のハードバターの配合量を大幅に拡大でき、
より優れた物性のチョコレートを提供することにある。
ーム耐性を兼ね備えたハードバターを提供すること、及
び従来のハードバターでは商品設計が困難であったチョ
コレート中のハードバターの配合量を大幅に拡大でき、
より優れた物性のチョコレートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、リノレイルジ
パルミチン(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、
オレオイルジパルミチン(P2O)の含有量が70重量
%以上であることを特徴とするパーム分別油を提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
パルミチン(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、
オレオイルジパルミチン(P2O)の含有量が70重量
%以上であることを特徴とするパーム分別油を提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
【0009】また、本発明は、沃素価が38〜50であ
り、トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が0.
5重量%以下であり、リノレイルジパルミチン(P2
L)/オレオイルジパルミチン(P2O)[重量比]が
0.25以下であるパーム分別画分を、溶剤分別により
低融点部を除去することを特徴とするパーム分別油の製
造方法を提供するものである。
り、トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が0.
5重量%以下であり、リノレイルジパルミチン(P2
L)/オレオイルジパルミチン(P2O)[重量比]が
0.25以下であるパーム分別画分を、溶剤分別により
低融点部を除去することを特徴とするパーム分別油の製
造方法を提供するものである。
【0010】また、本発明は、リノレイルジパルミチン
(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、オレオイル
ジパルミチン(P2O)の含有量が70重量%以上であ
るパーム分別油からなることを特徴とするハードバター
を提供するものである。また、本発明は、上記ハードバ
ターに、さらに乳化剤を含有するハードバターを提供す
るものである。
(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、オレオイル
ジパルミチン(P2O)の含有量が70重量%以上であ
るパーム分別油からなることを特徴とするハードバター
を提供するものである。また、本発明は、上記ハードバ
ターに、さらに乳化剤を含有するハードバターを提供す
るものである。
【0011】また、本発明は、上記ハードバターを用い
ることを特徴とするチョコレートを提供するものであ
る。
ることを特徴とするチョコレートを提供するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のパーム分別油及び
その製造方法をその好ましい実施形態に基づいて詳細に
説明する。
その製造方法をその好ましい実施形態に基づいて詳細に
説明する。
【0013】本発明のパーム分別油は、リノレイルジパ
ルミチン(P2L)の含有量が2〜8重量%(以下、
「%」と略す)であり、オレオイルジパルミチン(P2
O)の含有量が70%以上のものである。
ルミチン(P2L)の含有量が2〜8重量%(以下、
「%」と略す)であり、オレオイルジパルミチン(P2
O)の含有量が70%以上のものである。
【0014】本発明のパーム分別油において、P2Lの
含有量は、PPLとPLPの合計量であり、2〜8%、
好ましくは2〜6%、更に好ましくは2〜4%である。
P2Lの含有量が2%よりも少ないとチョコレートに使
用したときチョコレートが硬すぎて、柔軟性に欠け、8
%よりも多いとチョコレートに使用したときの耐熱性、
スナップ性、口どけが悪い。
含有量は、PPLとPLPの合計量であり、2〜8%、
好ましくは2〜6%、更に好ましくは2〜4%である。
P2Lの含有量が2%よりも少ないとチョコレートに使
用したときチョコレートが硬すぎて、柔軟性に欠け、8
%よりも多いとチョコレートに使用したときの耐熱性、
スナップ性、口どけが悪い。
【0015】また、P2Oの含有量は、PPOとPOP
の合計量であり、70%以上、好ましくは72%以上、
更に好ましくは74%以上である。P2Oの含有量が7
0%よりも少ないとチョコレートに使用したときのスナ
ップ性が悪く、またシャープな口どけが得られないので
好ましくない。本発明では、1(3)−オレオイルジパ
ルミチン(PPO)重量%/2−オレオイルジパルミチ
ン(POP)重量%が0.07以下とするのが好まし
い。さらに好ましくは0.055以下、最も好ましくは
0.04以下である。PPO/POPが0.07よりも
大きいとチョコレートに使用したときのスナップ性が悪
くなりやすく、またシャープな口どけが得られにくい。
の合計量であり、70%以上、好ましくは72%以上、
更に好ましくは74%以上である。P2Oの含有量が7
0%よりも少ないとチョコレートに使用したときのスナ
ップ性が悪く、またシャープな口どけが得られないので
好ましくない。本発明では、1(3)−オレオイルジパ
ルミチン(PPO)重量%/2−オレオイルジパルミチ
ン(POP)重量%が0.07以下とするのが好まし
い。さらに好ましくは0.055以下、最も好ましくは
0.04以下である。PPO/POPが0.07よりも
大きいとチョコレートに使用したときのスナップ性が悪
くなりやすく、またシャープな口どけが得られにくい。
【0016】本発明のパーム分別油は、トリ飽和トリグ
リセリド(SSS)の含有量が1.5%以下、好ましく
は0.8%以下、更に好ましくは0.4%以下であり、
ジグリセリドの含有量が1%以下、好ましくは0.5%
以下、更に好ましくは0.1%以下であることが望まし
い。SSSの含有量が1.5%よりも多いとチョコレー
トに使用したときの口どけが悪く、テンパリング工程中
の作業性が悪くなるため好ましくない。また、ジグリセ
リドの含有量が1%よりも多いとテンパリング時に粘度
が上昇してしますため作業性が悪く、口どけが悪くなる
ので好ましくない。
リセリド(SSS)の含有量が1.5%以下、好ましく
は0.8%以下、更に好ましくは0.4%以下であり、
ジグリセリドの含有量が1%以下、好ましくは0.5%
以下、更に好ましくは0.1%以下であることが望まし
い。SSSの含有量が1.5%よりも多いとチョコレー
トに使用したときの口どけが悪く、テンパリング工程中
の作業性が悪くなるため好ましくない。また、ジグリセ
リドの含有量が1%よりも多いとテンパリング時に粘度
が上昇してしますため作業性が悪く、口どけが悪くなる
ので好ましくない。
【0017】上述したような本発明のパーム分別油は、
沃素価が38〜50(好ましくは40〜48)であり、
トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が0.5重
量%以下(好ましくは0.3重量%以下)であり、リノ
レイルジパルミチン(P2L)/オレオイルジパルミチ
ン(P2O)[重量比]が0.25以下(好ましくは
0.20以下)であるパーム分別画分を、溶剤分別によ
り低融点部を除去することにより得られる。
沃素価が38〜50(好ましくは40〜48)であり、
トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が0.5重
量%以下(好ましくは0.3重量%以下)であり、リノ
レイルジパルミチン(P2L)/オレオイルジパルミチ
ン(P2O)[重量比]が0.25以下(好ましくは
0.20以下)であるパーム分別画分を、溶剤分別によ
り低融点部を除去することにより得られる。
【0018】ここでいう、沃素価が38〜50であり、
トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が0.5重
量%以下であり、リノレイルジパルミチン(P2L)/
オレオイルジパルミチン(P2O)[重量比]が0.2
5以下であるパーム分別画分は、次の〜のような方
法で得ることができる。
トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が0.5重
量%以下であり、リノレイルジパルミチン(P2L)/
オレオイルジパルミチン(P2O)[重量比]が0.2
5以下であるパーム分別画分は、次の〜のような方
法で得ることができる。
【0019】パーム中融点部をドライ分別により結晶
部分を除去する方法 沃素価が40〜50のパーム中融点部を完全に融解させ
たものを、24〜27℃、好ましくは25〜26℃に冷
却し、結晶を析出させ、結晶部分を除去する。
部分を除去する方法 沃素価が40〜50のパーム中融点部を完全に融解させ
たものを、24〜27℃、好ましくは25〜26℃に冷
却し、結晶を析出させ、結晶部分を除去する。
【0020】パーム中融点部を溶剤分別により結晶部
分を除去する方法 沃素価が40〜50のパーム中融点部100重量部に対
して30〜70重量部の溶剤を加え、完全に溶解させ
る。そして、得られた分別原料ミセラを冷却するが、溶
剤としてアセトンを使用した場合は15〜20℃、ヘキ
サンを使用した場合は0〜15℃まで冷却し、結晶を析
出させ、結晶部分を除去する。このとき結晶の核となる
シード(分別原料ミセラ等をあらかじめ冷却固化させた
もの)を加えると結晶化しやすくなる。
分を除去する方法 沃素価が40〜50のパーム中融点部100重量部に対
して30〜70重量部の溶剤を加え、完全に溶解させ
る。そして、得られた分別原料ミセラを冷却するが、溶
剤としてアセトンを使用した場合は15〜20℃、ヘキ
サンを使用した場合は0〜15℃まで冷却し、結晶を析
出させ、結晶部分を除去する。このとき結晶の核となる
シード(分別原料ミセラ等をあらかじめ冷却固化させた
もの)を加えると結晶化しやすくなる。
【0021】パームオレインをドライ分別により結晶
部分を除去し、さらにドライ分別により軟部油を除去す
る方法 曇点6〜15℃で沃素価が55〜58のパームオレイン
を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは18〜2
2℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を除去し、
沃素価56〜59、SSSの含有量が0.3%以下のオ
レイン画分を得る。このとき結晶の核となるシード(パ
ームステアリン、パームオレイン、又は他の固体脂をあ
らかじめ冷却固化したもの)を加えると、結晶化しやす
くなる。そして、得られたオレイン画分を完全に溶解さ
せ、10〜20℃、好ましくは12〜18℃まで冷却
し、結晶を析出させ、結晶部分を得る。このとき結晶の
核となるシード(パームステアリン、パームオレイン、
又は他の固体脂をあらかじめ冷却固化したもの)を加え
ると、結晶化しやすくなる。
部分を除去し、さらにドライ分別により軟部油を除去す
る方法 曇点6〜15℃で沃素価が55〜58のパームオレイン
を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは18〜2
2℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を除去し、
沃素価56〜59、SSSの含有量が0.3%以下のオ
レイン画分を得る。このとき結晶の核となるシード(パ
ームステアリン、パームオレイン、又は他の固体脂をあ
らかじめ冷却固化したもの)を加えると、結晶化しやす
くなる。そして、得られたオレイン画分を完全に溶解さ
せ、10〜20℃、好ましくは12〜18℃まで冷却
し、結晶を析出させ、結晶部分を得る。このとき結晶の
核となるシード(パームステアリン、パームオレイン、
又は他の固体脂をあらかじめ冷却固化したもの)を加え
ると、結晶化しやすくなる。
【0022】パームオレインをドライ分別により結晶
部分を除去し、さらに溶剤分別により軟部油を除去する
方法 曇点6〜15℃で沃素価が55〜58のパームオレイン
を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは18〜2
2℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を除去し、
沃素価が56〜59、SSSの含有量が0.3%以下の
オレイン画分を得る。このとき結晶の核となるシード
(パームステアリン、パームオレイン、又は他の固体脂
をあらかじめ冷却固化したもの)を加えると、結晶化し
やすくなる。得られたオレイン画分100重量部に対し
て50〜500重量部の溶剤を加え、完全に溶解させ
る。そして、得られた分別原料ミセラを冷却するが、溶
剤としてアセトンを使用した場合は−5〜5℃、好まし
くは−2〜2℃、ヘキサンを使用した場合は−15〜0
℃、好ましくは−10〜−5℃まで冷却し、結晶部分を
得る。このとき結晶の核となるシード(分別原料ミセラ
をあらかじめ冷却し結晶化させたもの)を加えると結晶
化しやすくなる。
部分を除去し、さらに溶剤分別により軟部油を除去する
方法 曇点6〜15℃で沃素価が55〜58のパームオレイン
を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは18〜2
2℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を除去し、
沃素価が56〜59、SSSの含有量が0.3%以下の
オレイン画分を得る。このとき結晶の核となるシード
(パームステアリン、パームオレイン、又は他の固体脂
をあらかじめ冷却固化したもの)を加えると、結晶化し
やすくなる。得られたオレイン画分100重量部に対し
て50〜500重量部の溶剤を加え、完全に溶解させ
る。そして、得られた分別原料ミセラを冷却するが、溶
剤としてアセトンを使用した場合は−5〜5℃、好まし
くは−2〜2℃、ヘキサンを使用した場合は−15〜0
℃、好ましくは−10〜−5℃まで冷却し、結晶部分を
得る。このとき結晶の核となるシード(分別原料ミセラ
をあらかじめ冷却し結晶化させたもの)を加えると結晶
化しやすくなる。
【0023】パーム油をドライ分別により結晶部分を
除去し、さらにドライ分別により軟部油を除去する方法 パーム油を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは
16〜20℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を
除去し、沃素価が56〜59、SSSの含有量が0.3
%以下のオレイン画分を得る。そして、得られたオレイ
ン画分を完全に溶解させ、10〜20℃、好ましくは1
2〜18℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を得
る。このとき結晶の核となるシード(パームステアリ
ン、パームオレイン、又は他の固体脂をあらかじめ冷却
固化したもの)を加えると、結晶化しやすくなる。
除去し、さらにドライ分別により軟部油を除去する方法 パーム油を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは
16〜20℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を
除去し、沃素価が56〜59、SSSの含有量が0.3
%以下のオレイン画分を得る。そして、得られたオレイ
ン画分を完全に溶解させ、10〜20℃、好ましくは1
2〜18℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を得
る。このとき結晶の核となるシード(パームステアリ
ン、パームオレイン、又は他の固体脂をあらかじめ冷却
固化したもの)を加えると、結晶化しやすくなる。
【0024】パーム油をドライ分別により結晶部分を
除去し、さらに溶剤分別により軟部油を除去する方法 パーム油を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは
16〜20℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を
除去し、沃素価が56〜59、SSSの含有量が0.3
%以下のオレイン画分を得る。得られたオレイン画分1
00重量部に対して50〜500重量部の溶剤を加え、
完全に溶解させる。そして、得られた分別原料ミセラを
冷却するが、溶剤としてアセトンを使用した場合は−5
〜5℃、好ましくは−2〜2℃、ヘキサンを使用した場
合は−15〜0℃、好ましくは−10〜−5℃まで冷却
し、結晶部分を得る。このとき結晶の核となるシード
(分別原料ミセラをあらかじめ冷却し結晶化させたも
の)を加えると結晶化しやすくなる。
除去し、さらに溶剤分別により軟部油を除去する方法 パーム油を完全に融解させ、16〜24℃、好ましくは
16〜20℃まで冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を
除去し、沃素価が56〜59、SSSの含有量が0.3
%以下のオレイン画分を得る。得られたオレイン画分1
00重量部に対して50〜500重量部の溶剤を加え、
完全に溶解させる。そして、得られた分別原料ミセラを
冷却するが、溶剤としてアセトンを使用した場合は−5
〜5℃、好ましくは−2〜2℃、ヘキサンを使用した場
合は−15〜0℃、好ましくは−10〜−5℃まで冷却
し、結晶部分を得る。このとき結晶の核となるシード
(分別原料ミセラをあらかじめ冷却し結晶化させたも
の)を加えると結晶化しやすくなる。
【0025】さらに、上記〜のような方法で得られ
た、沃素価が38〜50であり、トリ飽和トリグリセリ
ド(SSS)の含有量が0.5重量%以下であり、リノ
レイルジパルミチン(P2L)/オレイオイルジパルミ
チン(P2O)[重量比]が0.25以下であるパーム
分別画分を溶剤分別により低融点部を除去する。
た、沃素価が38〜50であり、トリ飽和トリグリセリ
ド(SSS)の含有量が0.5重量%以下であり、リノ
レイルジパルミチン(P2L)/オレイオイルジパルミ
チン(P2O)[重量比]が0.25以下であるパーム
分別画分を溶剤分別により低融点部を除去する。
【0026】この溶剤分別による低融点部の除去は次の
ようにして行われる。即ち、上記〜のような方法で
得られたパーム分別画分100重量部に対して、200
〜600重量部、好ましくは300〜500重量部の溶
剤を加え、完全に溶解する。そして、得られた分別原料
ミセラを冷却するが、溶剤としてアセトンを使用する場
合は5〜15℃、好ましくは7〜13℃、ヘキサンを使
用する場合は−10〜5℃、好ましくは−5℃〜0℃ま
で冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を得る。ただし、
ジグリセリドの効率的な除去には、ヘキサンのような非
極性溶媒よりも、アセトンのような極性溶媒を用いるこ
とが望ましい。また、分別時に結晶核となるシード(分
別原料ミセラ等をあらかじめ冷却し結晶化させたもの)
を加えると結晶化しやすくなる。
ようにして行われる。即ち、上記〜のような方法で
得られたパーム分別画分100重量部に対して、200
〜600重量部、好ましくは300〜500重量部の溶
剤を加え、完全に溶解する。そして、得られた分別原料
ミセラを冷却するが、溶剤としてアセトンを使用する場
合は5〜15℃、好ましくは7〜13℃、ヘキサンを使
用する場合は−10〜5℃、好ましくは−5℃〜0℃ま
で冷却し、結晶を析出させ、結晶部分を得る。ただし、
ジグリセリドの効率的な除去には、ヘキサンのような非
極性溶媒よりも、アセトンのような極性溶媒を用いるこ
とが望ましい。また、分別時に結晶核となるシード(分
別原料ミセラ等をあらかじめ冷却し結晶化させたもの)
を加えると結晶化しやすくなる。
【0027】このようにして、リノレイルジパルミチン
(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、オレオイル
ジパルミチン(P2O)の含有量が70重量%以上であ
る本発明のパーム分別油を得る。
(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、オレオイル
ジパルミチン(P2O)の含有量が70重量%以上であ
る本発明のパーム分別油を得る。
【0028】得られた本発明のパーム分別油は、ハード
バターとして使用することができる。そして、本発明の
パーム分別油は、ハードバターとして、チョコレートに
用いることができる。また、本発明のパーム分別油は、
チョコレート以外にも、練り込み用油脂、スプレー用油
脂、クリーム用油脂等に適した製菓用油脂の用途に用い
られる。
バターとして使用することができる。そして、本発明の
パーム分別油は、ハードバターとして、チョコレートに
用いることができる。また、本発明のパーム分別油は、
チョコレート以外にも、練り込み用油脂、スプレー用油
脂、クリーム用油脂等に適した製菓用油脂の用途に用い
られる。
【0029】次に、本発明のハードバター及びそれを用
いたチョコレートについて詳細に説明する。本発明のハ
ードバターは、リノレイルジパルミチン(P2L)の含
有量が2〜8重量%であり、オレオイルジパルミチン
(P2O)の含有量が70重量%以上であるパーム分別
油からなるものである。
いたチョコレートについて詳細に説明する。本発明のハ
ードバターは、リノレイルジパルミチン(P2L)の含
有量が2〜8重量%であり、オレオイルジパルミチン
(P2O)の含有量が70重量%以上であるパーム分別
油からなるものである。
【0030】本発明のハードバターは、前記パーム分別
油のみからなるものでもよいが、カカオ脂、サル脂、シ
ア脂、イリッペ脂、マンゴー核油、コクム脂及びこれら
の分別油、エステル交換油などの油脂をパーム分別油に
配合したものでもよい。この場合、前記パーム分別油の
配合量は、本発明のハードバター中、好ましくは1重量
%以上、更に好ましくは3重量%以上とする。
油のみからなるものでもよいが、カカオ脂、サル脂、シ
ア脂、イリッペ脂、マンゴー核油、コクム脂及びこれら
の分別油、エステル交換油などの油脂をパーム分別油に
配合したものでもよい。この場合、前記パーム分別油の
配合量は、本発明のハードバター中、好ましくは1重量
%以上、更に好ましくは3重量%以上とする。
【0031】また、本発明のハードバターには、乳化剤
を加えることが好ましい。乳化剤を使用することによ
り、ブルーム耐性が向上する。このときの乳化剤として
は、食用に使用できるものであれば制限がないが、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び
ソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれた1種または
2種以上の乳化剤を使用するのが好ましく、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エステルを使用
するのがさらに好ましい。
を加えることが好ましい。乳化剤を使用することによ
り、ブルーム耐性が向上する。このときの乳化剤として
は、食用に使用できるものであれば制限がないが、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び
ソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれた1種または
2種以上の乳化剤を使用するのが好ましく、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エステルを使用
するのがさらに好ましい。
【0032】乳化剤は、本発明のハードバター中、好ま
しくは0.05〜15重量%、さらに好ましくは0.1
〜12%、最も好ましくは0.2〜8重量%含有させ
る。乳化剤量が0.05重量%未満ではブルーム抑制効
果が弱く、15重量%を超えると風味を損ない口どけが
悪くなる傾向がある。
しくは0.05〜15重量%、さらに好ましくは0.1
〜12%、最も好ましくは0.2〜8重量%含有させ
る。乳化剤量が0.05重量%未満ではブルーム抑制効
果が弱く、15重量%を超えると風味を損ない口どけが
悪くなる傾向がある。
【0033】上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとして
は、グリセリンの重合度が4〜10、好ましくは6〜8
であり、平均4モル以上、好ましくは6モル以上の脂肪
酸でエステル化されているものが望ましい。このポリグ
リセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭
素数が24までの脂肪酸、好ましくは炭素数が16〜2
2の飽和脂肪酸が挙げられる。
は、グリセリンの重合度が4〜10、好ましくは6〜8
であり、平均4モル以上、好ましくは6モル以上の脂肪
酸でエステル化されているものが望ましい。このポリグ
リセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭
素数が24までの脂肪酸、好ましくは炭素数が16〜2
2の飽和脂肪酸が挙げられる。
【0034】上記ショ糖脂肪酸エステルとしては、HL
Bが1以下であって、構成脂肪酸の炭素数が24までの
飽和脂肪酸、好ましくは炭素数が16〜22の飽和脂肪
酸からなるものが挙げられる。
Bが1以下であって、構成脂肪酸の炭素数が24までの
飽和脂肪酸、好ましくは炭素数が16〜22の飽和脂肪
酸からなるものが挙げられる。
【0035】上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、
HLBが3以下であって、構成脂肪酸の炭素数が24ま
での脂肪酸、好ましくは炭素数が16〜22の飽和脂肪
酸からなるものが挙げられる。
HLBが3以下であって、構成脂肪酸の炭素数が24ま
での脂肪酸、好ましくは炭素数が16〜22の飽和脂肪
酸からなるものが挙げられる。
【0036】さらに、本発明のハードバターには、必要
により上記乳化剤以外の乳化剤、通常のチョコレートに
含有されるカカオ分、糖、タンパク質、乳製品、炭水化
物、ビタミン、調味料、香辛料、水分等を含有させても
よい。
により上記乳化剤以外の乳化剤、通常のチョコレートに
含有されるカカオ分、糖、タンパク質、乳製品、炭水化
物、ビタミン、調味料、香辛料、水分等を含有させても
よい。
【0037】また、前記パーム分別油からなる本発明の
ハードバターは、チョコレートに用いられる。この場
合、該ハードバターの配合量は、チョコレートの全配合
成分100重量部に対し、好ましくは1〜60重量部、
更に好ましくは1〜50重量部である。そして、本発明
のチョコレートは、このハードバターを用いて得られる
ものであり、良好な耐熱性、スナップ性、口中でのシャ
ープな融解特性を有するものである。
ハードバターは、チョコレートに用いられる。この場
合、該ハードバターの配合量は、チョコレートの全配合
成分100重量部に対し、好ましくは1〜60重量部、
更に好ましくは1〜50重量部である。そして、本発明
のチョコレートは、このハードバターを用いて得られる
ものであり、良好な耐熱性、スナップ性、口中でのシャ
ープな融解特性を有するものである。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により、何等制限され
るものではない。
するが、本発明はこれらの実施例により、何等制限され
るものではない。
【0039】(実施例1)パームオレイン(曇点10
℃、沃素価56.3)を60℃で1時間加熱し、完全に
融解させた。これを、ゆっくりと攪拌しながら4時間で
20℃まで冷却し、30℃に冷却して得たパーム油の結
晶物をシードとして、上記のパームオレインに対して
0.05重量%添加し、さらに20℃で2時間保持し
た。そして、ろ液部分95重量%と結晶部分5重量%と
に分別し、沃素価が56.7で、SSSの含有量が0.
1重量%のろ液部分を得た。さらに、2回目の分別を次
のような方法で行った。1回目の分別で得られたろ液部
分にろ液100重量部に対して300重量部のアセトン
を加え、分別原料ミセラとした。これを45℃で30分
加熱して完全に溶解した。そして。ゆっくりと攪拌しな
がら2時間で10℃まで冷却し、この分別原料ミセラに
対して1重量%のシードを添加した。シードとしては、
分別原料ミセラを−20℃に冷却して得た結晶物を用い
た。さらにゆっくりと攪拌を続けながら2時間で0℃ま
で冷却し、0℃に1時間保持後、ろ過し、オレイン画分
60重量%とステアリン画分40重量%に分別した。得
られたステアリン画分(パーム分別画分)は、沃素価が
42.1で、SSSの含有量が0.2重量%、P2L/
P2O[重量比]が0.19であった。3回目の分別
は、次のような方法で行った。2回目の分別で得られた
ステアリン画分100重量部に対して300重量部のア
セトンを加え、分別原料ミセラとした。これを50℃で
30分加熱して、完全に溶解させた後、ゆっくりと攪拌
しながら2時間で18℃まで冷却し、2回目の分別のと
きに使用したものと同じシードを分別原料ミセラに対し
て1重量%添加した。そして、ゆっくりと攪拌をしなが
ら2時間で10℃まで冷却し、1時間保持後、ろ過し、
オレイン画分40重量%とステアリン画分60重量%に
分別した。得られたステアリン画分(パーム分別油)の
トリグリセリド組成及び固体脂含有率(SFC)を表1
に示す。
℃、沃素価56.3)を60℃で1時間加熱し、完全に
融解させた。これを、ゆっくりと攪拌しながら4時間で
20℃まで冷却し、30℃に冷却して得たパーム油の結
晶物をシードとして、上記のパームオレインに対して
0.05重量%添加し、さらに20℃で2時間保持し
た。そして、ろ液部分95重量%と結晶部分5重量%と
に分別し、沃素価が56.7で、SSSの含有量が0.
1重量%のろ液部分を得た。さらに、2回目の分別を次
のような方法で行った。1回目の分別で得られたろ液部
分にろ液100重量部に対して300重量部のアセトン
を加え、分別原料ミセラとした。これを45℃で30分
加熱して完全に溶解した。そして。ゆっくりと攪拌しな
がら2時間で10℃まで冷却し、この分別原料ミセラに
対して1重量%のシードを添加した。シードとしては、
分別原料ミセラを−20℃に冷却して得た結晶物を用い
た。さらにゆっくりと攪拌を続けながら2時間で0℃ま
で冷却し、0℃に1時間保持後、ろ過し、オレイン画分
60重量%とステアリン画分40重量%に分別した。得
られたステアリン画分(パーム分別画分)は、沃素価が
42.1で、SSSの含有量が0.2重量%、P2L/
P2O[重量比]が0.19であった。3回目の分別
は、次のような方法で行った。2回目の分別で得られた
ステアリン画分100重量部に対して300重量部のア
セトンを加え、分別原料ミセラとした。これを50℃で
30分加熱して、完全に溶解させた後、ゆっくりと攪拌
しながら2時間で18℃まで冷却し、2回目の分別のと
きに使用したものと同じシードを分別原料ミセラに対し
て1重量%添加した。そして、ゆっくりと攪拌をしなが
ら2時間で10℃まで冷却し、1時間保持後、ろ過し、
オレイン画分40重量%とステアリン画分60重量%に
分別した。得られたステアリン画分(パーム分別油)の
トリグリセリド組成及び固体脂含有率(SFC)を表1
に示す。
【0040】(実施例2)まず、1回目の分別におい
て、パーム油を60℃で1時間加熱し、完全に溶解させ
た。これをゆっくりと攪拌しながら3時間で18℃まで
冷却し、6時間保持した。そして、ろ液部分75重量%
と結晶部分25重量%とに分別した。得られたろ液部分
は沃素価が57.0で、SSSが0.1重量%であっ
た。さらに、2回目の分別を次のような方法で行った。
1回目の分別で得られたろ液部分に、ろ液100重量部
に対して300重量部のアセトンを加え、分別原料ミセ
ラとした。これを45℃で30分加熱して完全に溶解し
た。そして、ゆっくりと攪拌しながら2時間で10℃ま
で冷却し、この分別原料ミセラに対して1重量%のシー
ドを添加した。シードとしては、分別原料ミセラを−2
0℃に冷却して得た結晶物を用いた。さらに、ゆっくり
と攪拌を続けながら2時間で0℃まで冷却し、0℃に1
時間保持後、ろ過し、オレイン画分60重量%とステア
リン画分40重量%とに分別した。得られたステアリン
画分(パーム分別画分)は、沃素価が42.0で、SS
Sの含有量が0.2重量%、P2L/P2O[重量比]
が0.20であった。3回目の分別は次のような方法で
行った。2回目の分別で得られたステアリン画分100
重量部に対して300重量部のアセトンを加え、分別原
料ミセラとした。これを50℃で30分加熱して、完全
に溶解させた後、ゆっくりと攪拌しながら2時間で18
℃まで冷却し、2回目の分別のときに使用したものと同
じシードを分別原料ミセラに対して1重量%添加した。
そして、ゆっくりと攪拌をしながら2時間で10℃まで
冷却し、1時間保持後、ろ過し、オレイン画分40重量
%とステアリン画分60重量%とに分別した。得られた
ステアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組成
とSFCを表1に示す。
て、パーム油を60℃で1時間加熱し、完全に溶解させ
た。これをゆっくりと攪拌しながら3時間で18℃まで
冷却し、6時間保持した。そして、ろ液部分75重量%
と結晶部分25重量%とに分別した。得られたろ液部分
は沃素価が57.0で、SSSが0.1重量%であっ
た。さらに、2回目の分別を次のような方法で行った。
1回目の分別で得られたろ液部分に、ろ液100重量部
に対して300重量部のアセトンを加え、分別原料ミセ
ラとした。これを45℃で30分加熱して完全に溶解し
た。そして、ゆっくりと攪拌しながら2時間で10℃ま
で冷却し、この分別原料ミセラに対して1重量%のシー
ドを添加した。シードとしては、分別原料ミセラを−2
0℃に冷却して得た結晶物を用いた。さらに、ゆっくり
と攪拌を続けながら2時間で0℃まで冷却し、0℃に1
時間保持後、ろ過し、オレイン画分60重量%とステア
リン画分40重量%とに分別した。得られたステアリン
画分(パーム分別画分)は、沃素価が42.0で、SS
Sの含有量が0.2重量%、P2L/P2O[重量比]
が0.20であった。3回目の分別は次のような方法で
行った。2回目の分別で得られたステアリン画分100
重量部に対して300重量部のアセトンを加え、分別原
料ミセラとした。これを50℃で30分加熱して、完全
に溶解させた後、ゆっくりと攪拌しながら2時間で18
℃まで冷却し、2回目の分別のときに使用したものと同
じシードを分別原料ミセラに対して1重量%添加した。
そして、ゆっくりと攪拌をしながら2時間で10℃まで
冷却し、1時間保持後、ろ過し、オレイン画分40重量
%とステアリン画分60重量%とに分別した。得られた
ステアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組成
とSFCを表1に示す。
【0041】(実施例3)まず、1回目の分別におい
て、パーム中融点部(沃素価47.1)を60℃で1時
間加熱し、完全に溶解させた。これをゆっくりと攪拌し
ながら3時間で25℃まで冷却し、13時間保持した。
そして、ろ液部分93重量%と結晶部分7重量%とに分
別した。得られたろ液部分(パーム分別画分)は、沃素
価が48.2で、SSSの含有量が0.1重量%、P2
L/P2O[重量比]が0.22であった。さらに、2
回目の分別を次のような方法で行った。1回目の分別で
得られたろ液100重量部に対して400重量部のアセ
トンを加え、分別原料ミセラとした。これを45℃で3
0分加熱して完全に溶解させた後、ゆっくりと攪拌しな
がら1時間で15℃まで冷却し、分別原料ミセラに対し
て0.2重量%のシードを添加した。シードとしては、
分別原料ミセラを−20℃で冷却して得た結晶物を用い
た。そして、ゆっくりと攪拌を続けながら1時間で8℃
まで冷却し、1時間保持後ろ過し、オレイン画分55重
量%とステアリン画分45重量%とに分別した。得られ
たステアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組
成及びSFCを表1に示す。
て、パーム中融点部(沃素価47.1)を60℃で1時
間加熱し、完全に溶解させた。これをゆっくりと攪拌し
ながら3時間で25℃まで冷却し、13時間保持した。
そして、ろ液部分93重量%と結晶部分7重量%とに分
別した。得られたろ液部分(パーム分別画分)は、沃素
価が48.2で、SSSの含有量が0.1重量%、P2
L/P2O[重量比]が0.22であった。さらに、2
回目の分別を次のような方法で行った。1回目の分別で
得られたろ液100重量部に対して400重量部のアセ
トンを加え、分別原料ミセラとした。これを45℃で3
0分加熱して完全に溶解させた後、ゆっくりと攪拌しな
がら1時間で15℃まで冷却し、分別原料ミセラに対し
て0.2重量%のシードを添加した。シードとしては、
分別原料ミセラを−20℃で冷却して得た結晶物を用い
た。そして、ゆっくりと攪拌を続けながら1時間で8℃
まで冷却し、1時間保持後ろ過し、オレイン画分55重
量%とステアリン画分45重量%とに分別した。得られ
たステアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組
成及びSFCを表1に示す。
【0042】(比較例1)実施例1と同様の方法で1回
目と2回目の分別を行った。3回目の分別は、最後の冷
却温度を実施例1で10℃のところを0℃としたほかは
実施例1と同様の方法で分別を行い、オレイン画分20
重量%とステアリン画分80重量%に分別した。得られ
たステアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組
成及びSFCを表1に示す。
目と2回目の分別を行った。3回目の分別は、最後の冷
却温度を実施例1で10℃のところを0℃としたほかは
実施例1と同様の方法で分別を行い、オレイン画分20
重量%とステアリン画分80重量%に分別した。得られ
たステアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組
成及びSFCを表1に示す。
【0043】(比較例2)実施例1において、1回目の
分別を次のように行った。パームオレイン(曇点10
℃、沃素価56.3)100重量部に対して300重量
部のアセトンを加え、分別原料ミセラとした。これを4
5℃で30分加熱して完全に溶解させた後、ゆっくりと
攪拌しながら2時間で15℃まで冷却し、分別原料ミセ
ラに対して1重量%のシードを添加した。シードとして
は、分別原料ミセラを−20℃に冷却して得た結晶物を
用いた。そして、ゆっくりと攪拌を続けながら2時間で
0℃まで冷却し、1時間0℃に保持後ろ過し、オレイン
画分55重量%とステアリン画分45重量%とに分別し
た。得られたステアリン画分(パーム分別画分)は、沃
素価が44.7で、SSSの含有量が1.1重量%、P
2L/P2O[重量比]が0.24であった。2回目の
分別は次のような方法で行った。1回目の分別で得られ
た結晶100重量部に対して300重量部のアセトンを
加え、分別原料ミセラとした。これを50℃で30分加
熱して完全に溶解させた後、ゆっくりと攪拌しながら2
時間で15℃まで冷却し、分別原料ミセラに対して1重
量%のシードを添加した。シードとしては、分別原料ミ
セラを−20℃に冷却して得た結晶物を用いた。そし
て、ゆっくりと攪拌を続けながら2時間で0℃まで冷却
し、1時間保持後ろ過し、オレイン画分20重量%とス
テアリン画分80重量%に分別した。得られたステアリ
ン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組成及びSF
Cを表1に示す。
分別を次のように行った。パームオレイン(曇点10
℃、沃素価56.3)100重量部に対して300重量
部のアセトンを加え、分別原料ミセラとした。これを4
5℃で30分加熱して完全に溶解させた後、ゆっくりと
攪拌しながら2時間で15℃まで冷却し、分別原料ミセ
ラに対して1重量%のシードを添加した。シードとして
は、分別原料ミセラを−20℃に冷却して得た結晶物を
用いた。そして、ゆっくりと攪拌を続けながら2時間で
0℃まで冷却し、1時間0℃に保持後ろ過し、オレイン
画分55重量%とステアリン画分45重量%とに分別し
た。得られたステアリン画分(パーム分別画分)は、沃
素価が44.7で、SSSの含有量が1.1重量%、P
2L/P2O[重量比]が0.24であった。2回目の
分別は次のような方法で行った。1回目の分別で得られ
た結晶100重量部に対して300重量部のアセトンを
加え、分別原料ミセラとした。これを50℃で30分加
熱して完全に溶解させた後、ゆっくりと攪拌しながら2
時間で15℃まで冷却し、分別原料ミセラに対して1重
量%のシードを添加した。シードとしては、分別原料ミ
セラを−20℃に冷却して得た結晶物を用いた。そし
て、ゆっくりと攪拌を続けながら2時間で0℃まで冷却
し、1時間保持後ろ過し、オレイン画分20重量%とス
テアリン画分80重量%に分別した。得られたステアリ
ン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組成及びSF
Cを表1に示す。
【0044】(比較例3)1回目の分別までは比較例2
と同様の方法で行い、2回目の分別は、最後の冷却温度
を比較例2で0℃のところを10℃としたほかは比較例
2と同様の方法で分別を行い、オレイン画分25重量%
とステアリン画分75重量%とに分別した。得られたス
テアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組成及
びSFCを表1に示す。
と同様の方法で行い、2回目の分別は、最後の冷却温度
を比較例2で0℃のところを10℃としたほかは比較例
2と同様の方法で分別を行い、オレイン画分25重量%
とステアリン画分75重量%とに分別した。得られたス
テアリン画分(パーム分別油)のトリグリセリド組成及
びSFCを表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】(チョコレート製造試験) (実施例4)実施例2で得られたパーム分別油からなる
ハードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレート
を製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョ
コレートの評価を表3に示す。
ハードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレート
を製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョ
コレートの評価を表3に示す。
【0047】(実施例5)実施例2で得られたパーム分
別油99重量%とポリグリセリン脂肪酸エステル(オク
タステアリン酸ヘキサグリセリン)1重量%からなるハ
ードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを
製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコ
レートの評価を表3に示す。
別油99重量%とポリグリセリン脂肪酸エステル(オク
タステアリン酸ヘキサグリセリン)1重量%からなるハ
ードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを
製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコ
レートの評価を表3に示す。
【0048】(実施例6)実施例2で得られたパーム分
別油99重量%とショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステア
リン酸エステル、HLB1以下)1重量%からなるハー
ドバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを製
造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコレ
ートの評価を表3に示す。
別油99重量%とショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステア
リン酸エステル、HLB1以下)1重量%からなるハー
ドバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを製
造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコレ
ートの評価を表3に示す。
【0049】(実施例7)実施例2で得られたパーム分
別油99重量%とソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタ
ントリステアレート、HLB2.5)1重量%からなる
ハードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレート
を製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョ
コレートの評価を表3に示す。
別油99重量%とソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタ
ントリステアレート、HLB2.5)1重量%からなる
ハードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレート
を製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョ
コレートの評価を表3に示す。
【0050】(比較例4)比較例2で得られたパーム分
別油からなるハードバターを使用し、表2に示す配合で
チョコレートを製造した。チョコレートの製造試験及び
得られたチョコレートの評価を表3に示す。
別油からなるハードバターを使用し、表2に示す配合で
チョコレートを製造した。チョコレートの製造試験及び
得られたチョコレートの評価を表3に示す。
【0051】(比較例5)比較例2で得られたパーム分
別油99重量%とポリグリセリン脂肪酸エステル(オク
タステアリン酸ヘキサグリセリン)1重量%からなるハ
ードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを
製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコ
レートの評価を表3に示す。
別油99重量%とポリグリセリン脂肪酸エステル(オク
タステアリン酸ヘキサグリセリン)1重量%からなるハ
ードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを
製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコ
レートの評価を表3に示す。
【0052】(比較例6)比較例2で得られたパーム分
別油99重量%とショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステア
リン酸エステル、HLB1以下)1重量%からなるハー
ドバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを製
造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコレ
ートの評価を表3に示す。
別油99重量%とショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ステア
リン酸エステル、HLB1以下)1重量%からなるハー
ドバターを使用し、表2に示す配合でチョコレートを製
造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョコレ
ートの評価を表3に示す。
【0053】(比較例7)比較例2で得られたパーム分
別油99重量%とソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタ
ントリステアレート、HLB2.5)1重量%からなる
ハードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレート
を製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョ
コレートの評価を表3に示す。
別油99重量%とソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタ
ントリステアレート、HLB2.5)1重量%からなる
ハードバターを使用し、表2に示す配合でチョコレート
を製造した。チョコレートの製造試験及び得られたチョ
コレートの評価を表3に示す。
【0054】
【表2】
【0055】テンパリング及び成型方法は、次のように
して行った。ステンレスのボウルにチョコレートペース
トを400g採取し、ゴムベラで攪拌しながら20℃の
水で26℃まで冷却した。26℃になったら冷却を止
め、その温度を保持しながら約5分間攪拌し、粘度が上
昇した時点で30℃の温水で品温を28℃に上げ約2分
間激しく攪拌した。そして、70mm*30mm*10
mmの型に入れ、5℃で冷却し、チョコレートを製造し
た。
して行った。ステンレスのボウルにチョコレートペース
トを400g採取し、ゴムベラで攪拌しながら20℃の
水で26℃まで冷却した。26℃になったら冷却を止
め、その温度を保持しながら約5分間攪拌し、粘度が上
昇した時点で30℃の温水で品温を28℃に上げ約2分
間激しく攪拌した。そして、70mm*30mm*10
mmの型に入れ、5℃で冷却し、チョコレートを製造し
た。
【0056】
【表3】
【0057】得られたチョコレートを、20℃で1週間
エージングした後、表3に示す各評価を行った。これら
の結果を表3に示す。なお、" スナップ性" は噛みだし
の硬さ(鋭い音をたてて割れるか)の評価であり、" シ
ャープメルト性" はチョコレートの後半の口どけの切れ
の良さを含む評価であり、これらの評価は10名が試食
したときの評価に基づいている。また、ブルーム耐性試
験では、チョコレートを20℃に12時間置いた後、2
8℃に12時間置くというサイクルの温度条件下におい
て、チョコレートの表面の経時的変化を観察し、表面に
ブルームが認められるまでにかかったサイクル数を示し
た。
エージングした後、表3に示す各評価を行った。これら
の結果を表3に示す。なお、" スナップ性" は噛みだし
の硬さ(鋭い音をたてて割れるか)の評価であり、" シ
ャープメルト性" はチョコレートの後半の口どけの切れ
の良さを含む評価であり、これらの評価は10名が試食
したときの評価に基づいている。また、ブルーム耐性試
験では、チョコレートを20℃に12時間置いた後、2
8℃に12時間置くというサイクルの温度条件下におい
て、チョコレートの表面の経時的変化を観察し、表面に
ブルームが認められるまでにかかったサイクル数を示し
た。
【0058】表3から明らかなように、本発明のパーム
分別油を用いた場合、従来のパーム中部油を用いたとき
よりも、テンパリング性が良好で、シャープメルト性及
びスナップ性に非常に優れ、かつ耐熱性の良好なチョコ
レートが得られたことがわかる。さらに、本発明のパー
ム分別油は、乳化剤の添加により、ブルーム耐性が著し
く向上したことがわかる。
分別油を用いた場合、従来のパーム中部油を用いたとき
よりも、テンパリング性が良好で、シャープメルト性及
びスナップ性に非常に優れ、かつ耐熱性の良好なチョコ
レートが得られたことがわかる。さらに、本発明のパー
ム分別油は、乳化剤の添加により、ブルーム耐性が著し
く向上したことがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明のパーム分別油は、リノレイルジ
パルミチン(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、
オレオイルジパルミチン(P2O)の含有量が70重量
%以上のものであり、ハードバターとして使用すること
ができ、他の油脂とブレンドをしなくてもチョコレート
に良好な耐熱性、スナップ性、口中でのシャープな融解
特性を付与することができ、またテンパリング時の粘度
上昇を抑えることができる。さらに、乳化剤を添加する
ことにより、充分なブルーム耐性と以上の物性を兼ね備
えたハードバターが得られる。
パルミチン(P2L)の含有量が2〜8重量%であり、
オレオイルジパルミチン(P2O)の含有量が70重量
%以上のものであり、ハードバターとして使用すること
ができ、他の油脂とブレンドをしなくてもチョコレート
に良好な耐熱性、スナップ性、口中でのシャープな融解
特性を付与することができ、またテンパリング時の粘度
上昇を抑えることができる。さらに、乳化剤を添加する
ことにより、充分なブルーム耐性と以上の物性を兼ね備
えたハードバターが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根津 亨 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 伊藤 大典 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 山本 幸子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 丸銭 詔司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB01 GG14 4B026 DC06 DG02 DH02 DP10 4H059 BA01 BA22 BA33 BB02 BB04 BB05 BB06 BC13 CA06 CA13 DA06 DA24 EA11 EA21 4J002 AE051 AE052 EH046 GT00
Claims (7)
- 【請求項1】 リノレイルジパルミチン(P2L)の含
有量が2〜8重量%であり、オレオイルジパルミチン
(P2O)の含有量が70重量%以上であることを特徴
とするパーム分別油。 - 【請求項2】 1(3)−オレオイルジパルミチン(P
PO)の重量%/2−オレオイルジパルミチン(PO
P)の重量%が0.07以下であることを特徴とする請
求項1記載のパーム分別油。 - 【請求項3】 トリ飽和トリグリセリド(SSS)の含
有量が1.5重量%以下であり、ジグリセリドの含有量
が1重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の
パーム分別油。 - 【請求項4】 沃素価が38〜50であり、トリ飽和ト
リグリセリド(SSS)の含有量が0.5重量%以下で
あり、リノレイルジパルミチン(P2L)/オレオイル
ジパルミチン(P2O)[重量比]が0.25以下であ
るパーム分別画分を、溶剤分別により低融点部を除去す
ることを特徴とするパーム分別油の製造方法。 - 【請求項5】 リノレイルジパルミチン(P2L)の含
有量が2〜8重量%であり、オレオイルジパルミチン
(P2O)の含有量が70重量%以上であるパーム分別
油からなることを特徴とするハードバター。 - 【請求項6】 さらに乳化剤を含有することを特徴とす
る請求項5記載のハードバター。 - 【請求項7】 請求項5又は6記載のハードバターを用
いることを特徴とするチョコレート。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11225281A JP2000336389A (ja) | 1998-09-22 | 1999-08-09 | パーム分別油及びその製造方法 |
IDW20010684A ID27808A (id) | 1999-08-09 | 2000-06-26 | Minyak kelapa sawit yang dipisahkan dan metode untuk membuatnya |
EP00939166A EP1120455A4 (en) | 1999-08-09 | 2000-06-26 | FRACTIONATED PALMOEL AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME |
PCT/JP2000/004185 WO2001010988A1 (fr) | 1999-08-09 | 2000-06-26 | Huile de palme fractionnee et procede de production de celle-ci |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26861098 | 1998-09-22 | ||
JP11-75045 | 1999-03-19 | ||
JP7504599 | 1999-03-19 | ||
JP10-268610 | 1999-03-19 | ||
JP11225281A JP2000336389A (ja) | 1998-09-22 | 1999-08-09 | パーム分別油及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000336389A true JP2000336389A (ja) | 2000-12-05 |
Family
ID=27301690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11225281A Pending JP2000336389A (ja) | 1998-09-22 | 1999-08-09 | パーム分別油及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000336389A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000270769A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-10-03 | Fuji Oil Co Ltd | ハードバター及びその製造法 |
WO2010110232A1 (ja) * | 2009-03-26 | 2010-09-30 | 不二製油株式会社 | チョコレート添加剤及びその製造方法 |
JP2014117257A (ja) * | 2012-12-19 | 2014-06-30 | Adeka Corp | ハードバター |
WO2014156523A1 (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-02 | 不二製油株式会社 | 食感劣化抑制油脂及びこれを配合してなるチョコレート用油脂 |
WO2015016045A1 (ja) | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 日清オイリオグループ株式会社 | チョコレート及びハードバター |
WO2015016044A1 (ja) | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 日清オイリオグループ株式会社 | チョコレート及びハードバター |
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KR20170046655A (ko) | 2014-08-27 | 2017-05-02 | 닛신 오일리오그룹 가부시키가이샤 | 유지 조성물 및 초콜릿 |
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WO2018151049A1 (ja) * | 2017-02-16 | 2018-08-23 | 不二製油グループ本社株式会社 | チョコレート類及びその製造方法 |
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-
1999
- 1999-08-09 JP JP11225281A patent/JP2000336389A/ja active Pending
Cited By (21)
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