JP2000331674A - 非水電解液二次電池用電極板及び該電極板の中間製品、及びその製造方法 - Google Patents
非水電解液二次電池用電極板及び該電極板の中間製品、及びその製造方法Info
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Abstract
し、かつプレス加工による変形が少ない電極板及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 長尺状の集電体上に、活物質と結着剤と
からなる活物質層を塗工方法により形成する工程、該活
物質層が形成された集電体をプレスする工程、及び流れ
方向に帯状に活物質を除去する工程を有し、集電体の流
れ方向に帯状の非塗工部が1列または複数列形成されて
いる、そして活物質層を集電体上から除去する工程が、
活物質層を除去すべき領域の表面に熱可塑性樹脂層を有
する剥離用シートを熱ロールにより、連続的に熱圧着さ
せた後冷却する工程、剥離用シートを剥離して熱圧着さ
れた活物質層を剥離用シートとともに剥離する工程を有
するものが好ましく、集電体上に均一に活物質層が形成
されている電極板をプレス加工した後に、非塗工部を形
成する。
Description
イオン二次電池に代表される、非水電解液二次電池用電
極板(以下単に「電極板」という)と電極板の中間製
品、及びその製造方法に関するものであり、更に詳しく
は集電体の少なくとも一端又は一側縁を帯状に露出させ
て形成した非塗工部を有する電極板を、プレス加工によ
る変形を少なくして製造するものである。
量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用
いられる二次電池に対しても同様な要求が強く、高エネ
ルギー密度、高電圧を有するリチウムイオン二次電池を
代表とされる非水電解液二次電池が、アルカリ蓄電池に
代わり提案されている。
及び負極電極板に関しては、充放電サイクル寿命を延長
させるため、また、高エネルギー密度化のため、電極板
を薄膜することによって電池内に組み込まれる電極板の
面積をより大きくすることが提案されている。例えば、
特開昭63−10456号公報、特開平3−28526
2号公報等には、金属酸化物、硫化物、ハロゲン化物等
の正極活物質粉末、導電剤及び結着剤(バインダー)を
適当な湿潤剤(溶媒)に分散または溶解させて、ペース
ト状の活物質塗工液を調製し、金属箔からなる集電体を
基体とし、該基体上に上記塗工液を塗工して正極活物質
層(また、基体上に負極用の塗工液を塗布したものを負
極活物質層といい、正極と負極を特に区別しない場合
は、単に活物質層という)を形成して得られる正極電極
板が開示されている。この正極電極板においては、結着
剤として、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系
樹脂、又はシリコーン・アクリル共重合体が用いられて
いる。
剤(溶媒)に溶解させたものをカーボン等の負極活物質
に加えて、ペースト状の活物質塗工液を調製し、金属箔
の集電体上に塗工して得られる。上記の塗布型電極板に
おいて活物質塗工液を調製するための結着剤は、非水電
解液に対して化学的に安定であること、電解液中に溶出
しないこと、また、何らかの溶媒に溶解または分散して
基体上に薄く塗布できるものであることが必要である。
さらに、塗布、乾燥された活物質層は、電池の組み立て
工程において、剥離、脱落、ひび割れ等が生じないよう
に、可撓性を備えていること、及び、集電体との密着性
に優れていることが要求される。
たり、電極の体積エネルギー密度を向上させるために、
通常、プレス処理が施される。ここで、電極板は通常、
電流を取り出すための端子を付ける部分もしくは電池設
計上活物質層の存在が好ましくない部分等を有するため
に、少なからず非塗工部を有しており、その非塗工部の
パターンは電池設計に従って任意に決定される。例え
ば、大型の円筒型電池等では、図1に示すように通常、
集電体の少なくとも一端又は一側縁を帯状に露出させた
電極を使用する。しかしながら、通常入手可能な集電体
の金属箔の幅には制限があるため、電池設計によっては
帯状の非塗工部を、集電体の流れ方向に形成する必要が
ある。このような非塗工部を形成する方法には、現状で
は、電極塗工液を集電体上に塗工する際の集電体の周縁
部の未塗工部をそのまま利用する方法、コーターヘッド
の工夫により、集電体上に活物質層を帯状に直接形成し
た後スリットする方法(図16参照)や、乾燥後の塗工
膜をヘラ等の機械的手段により剥離させて非塗工部を形
成する方法が挙げられる。
周縁部に集電体の露出部が残ったままでプレス加工する
と、活物質層が設けられている部分のみがプレスされ
て、プレスされた部分だけが伸びてしまう。このように
塗工部と未塗工部にて伸びの不均一が起きる結果、図1
7に示すように電極板が変形してしまう。著しい場合に
はプレス時に集電体にシワや破れが発生する。活物質層
の塗工材料として柔らかい(プレスで潰れやすい)材質
のものを使用すれば、このような電極板の変形を少なく
することができるが、活物質層の材料が限定されてしま
う。特に、産業用の中型または大型の電極板はプレス加
工により大きく変形するので、活物質層の密度を高める
ことが困難である。
目的として成し遂げられたものである。すなわち、非塗
工部が集電体の流れ方向に帯状に存在し、かつプレス加
工による変形が少ない電極板、及びその製造方法を提供
することにある。また、本発明の第2の目的は、上記第
1の目的を達成しうる製造方法によって製造された、品
質の良い電極板及びその電極板の中間製品を提供するこ
とにある。
に、本発明においては、長尺状の集電体上に、活物質と
結着剤とからなる活物質層を塗工方法により形成する工
程、該活物質層が形成された集電体をプレスする工程、
及び流れ方向に帯状に活物質を除去する工程を有し、集
電体の少なくとも一端又は一側縁を帯状に露出させて非
塗工部を形成した非水電解液二次電池用電極板及び該電
極板の中間製品、及びその製造方法を提供する。また、
長尺状の集電体上に、活物質と結着剤とからなる活物質
層を塗工方法により形成する工程、該活物質層が形成さ
れた集電体をプレスする工程、及び流れ方向に帯状に活
物質を除去する工程を有し、集電体の流れ方向に帯状の
非塗工部が1列または複数列形成されていることを特徴
とする非水電解液二次電池用電極板の中間製品及びその
製造方法である。
法として、活物質層を集電体上から除去する工程が、活
物質層を除去すべき領域の表面に熱可塑性樹脂層を有す
る剥離用シートを熱ロールにより、連続的に熱圧着させ
た後冷却する工程、剥離用シートを剥離して熱圧着され
た活物質層を剥離用シートとともに剥離する工程を有す
るものが挙げられる。本発明によれば、集電体上に均一
に活物質層が形成されている電極板をプレス加工した後
に、非塗工部を形成する、そのため、塗工部と非塗工部
が存在する電極板をプレス加工するという従来方法にお
いて、プレス加工時に塗工部と非塗工部の境界付近で発
生する電極板の歪み、及びその歪みに起因する電極板の
シワ、及びそのシワがプレスロールに引っかかることに
よる電極板の破れ、巻回機での巻き不良等を抑えること
が出来る。
て、本発明を更に詳細に説明する。本発明を図を参照し
て説明する。図1(a)は、本発明の製造方法を用いて
製造される電極板の一例を示す平面図であり、図1
(b)は図1(a)で示した電極板の断面図である。電
極板は集電体と集電体上に形成された活物質層を備え、
活物質層はプレス加工が施されており、さらに電極の一
側縁で帯状に集電体が露出している。この集電体の露出
部に端子を接触させることにより、集電体から電流を引
き出すことが出来る。大型の電池等では、電流の集中を
防ぐため、図2のように複数の端子を接続する場合もあ
る。図3は電極板の両側縁で帯状に集電体が露出してお
り、電池の設計によっては、このように非塗工部を形成
してもよい。
発明の製造方法について説明する。まず、長尺の集電体
を用意し、その片面ないし両面に活物質塗工液を塗布、
乾燥して、図4(a)に示すように活物質層を形成す
る。片面、両面のいずれの場合でも本発明は適用可能で
ある。活物質層は通常、集電体の幅よりもやや内側に塗
工されるため、これをトリミングと呼ばれる工程で未塗
工部を切り落とし、図4(b)のような全面に活物質層
が形成された原反を作製する。未塗工部の幅が狭く、後
で述べるプレス工程でシワが問題にならない場合にはト
リミング工程は省略してもよい。
た後、図5(a)〜(c)等のように、原反の流れ方向
に沿って帯状の非塗工部を形成し、中間製品を作製す
る。尚、本発明で言う中間製品は、非水電解液二次電池
用電極板に完成する前の途中の仕掛品のことを意味す
る。非塗工部は通常電極板の両面に形成するが、電池設
計によっては片面でもよい。この中間製品をスリットす
ることにより、図6(a)、(b)のような電極板の側
縁部に集電体が帯状に露出した電極を作製できる。ま
た、図5(c)のように直接、電極の周縁部の活物質を
除去する場合にはスリット工程を省略してもよい。 次
に、集電体上から活物質を除去する工程について説明す
る。活物質を除去する工程において、ヘラや超音波振動
等で機械的にかきおとす方法等も可能であるが、例えば
非塗工部を設けたい部分の表面に熱可塑性樹脂層を有す
る熱可塑性樹脂のシートまたは熱可塑性樹脂の成形体を
熱圧着して、非塗工部を設けたい部分の活物質層を引き
剥がすことが出来る。この方法によれば、熱可塑性樹脂
が活物質層内に含浸して熱可塑性樹脂のシートまたは熱
可塑性樹脂の成形体と活物質層とを接着させることがで
きるので、一度または数回の剥離作業によって、剥離す
べき活物質層を剥離することができる。
性樹脂の成形体(すなわち、剥離シート)で使用する熱
可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂やEVA等
の如く従来一般的にヒートシール材として用いられるも
のが適しており、アルミ箔や銅箔等の金属箔に対しての
接着性があまり強すぎないものが好ましく、その軟化温
度は好ましくは70℃〜150℃が良く、融点は好まし
くは100℃〜160℃程度であり、メルトフローレー
ト(MFR 単位g/10分、190℃〜230℃)は
好ましくは0.1〜50程度である。但し、本発明にお
いて剥離用シートとして使用可能な熱可塑性樹脂はこの
範囲に限定されない。
して用いる。この際、前記のように熱可塑性樹脂シート
単体で剥離用シートとして用いてもよく、またポリエチ
レンテレフタレート、ナイロン等の基材シートとラミネ
ートしたり、更にワックス層を設けた剥離用シートとし
て使用してもよい。いずれにしても熱可塑性樹脂シート
の厚みについては特に制限はないが、通常は50〜20
0μmのものが好ましい。又、上記熱可塑性樹脂シート
単体で剥離用シートとして使用する場合には、熱ロール
が操作中に融着するのを避けるために、ポリエステルフ
ィルムのようなものを間に挟んだり、熱ロールにテフロ
ン加工したりして行うことが望ましい。
樹脂層を電極活物質層の表面に接触させ、熱圧着する
と、軟化或いは融解した熱可塑性樹脂が活物質層の空隙
に入り込んだ状態で固化する。熱圧着の条件としては、
温度が好ましくは100℃〜150℃、圧力が好ましく
は2〜10kgf/cm、圧着時間が好ましくは5秒以
下であるが、実際にはこの範囲に限定されない。又、熱
圧着は活物質層側から行ってもよく、剥離用シートから
行ってもよい。又、電極板に作製すべき非塗工部が電極
板の裏と表で同じ位置に同じ形状で存在する場合には、
電極板の両面に剥離用シートを配置し、両面から同時に
熱圧着してもよい。又、2回目以降の熱圧着が必要にな
る場合は、それぞれの熱圧着操作で異なる種類の剥離用
シートを用いてもよい。
ートが活物質層に密着した状態になるが、この状態から
剥離用シートを剥離させると、活物質層の大部分も一緒
に集電体上から剥離用シートとともに剥離する。この
際、多くの場合は集電体表面に活物質層の薄い層、もし
くは活物質層の粉末が残る場合があるが、これに対して
前記と同様の加熱圧着操作を繰り返すことによって、熱
可塑性樹脂がこれらの活物質層の薄い層もしくは活物質
層の粉末を包み込む形で固化するため、この剥離用シー
トを電極板上から剥離することで、集電体上の活物質層
の痕跡を奇麗に除去することが可能である。
着することにより、熱可塑性樹脂が活物質層中の微細な
空隙を通り、集電体と活物質層の界面に向かって入り込
んでいく。しかしながら、その流動性はワックス類に比
べ小さいために、活物質層の性質や厚みにもよるが、多
くの場合は集電体と活物質層の界面に達する前に固化す
る傾向がある。この状態で剥離用シートを剥離させると
活物質層の途中で凝集破壊が起こり、活物質層の上部の
層のみが剥離し、集電体上には剥離できなかった活物質
層の層が残ってしまう。ここで熱圧着操作を繰り返して
活物質層を剥離すれば最終的には集電体上から活物質層
を除去することが可能であるが、一回の熱圧着操作で剥
離する活物質層の部分が厚い方が、剥離作業の繰り返し
回数が少なくて済むために作業効率は向上する。
場合には、溶融熱可塑性樹脂が活物質層に浸透しにくい
ために、一回の熱圧着操作で剥離できる活物質層の厚み
は小さくなるし、又、活物質層の強度が強い場合には多
くの活物質層が剥離用シートに付随して剥離するため、
一回の熱圧着操作で剥離できる活物質層の厚みは大きく
なる。例えば、活物質層にプレス処理を施す場合には、
活物質層の空隙量は減少するが活物質層の強度は逆に増
加するので、全体として一般的にそれほど作業効率には
影響しない。
程度以上のプレス処理を行うと、溶融熱可塑性樹脂は浸
透しにくくなるにも関わらず、活物質層の強度が十分に
強くならないため、一回の操作でごく薄い厚みしか剥離
できず、作業効率が著しく低下するものもある。このよ
うな場合には、溶融粘度の低いワックスを、目的とする
活物質層の部分に予め浸透させることによって良好な効
果が得られる。すなわち、この場合には、ワックスはプ
レスされた活物質層の空隙中に容易に染み込み、固化し
て活物質層へ強度を付与する働きをすると考えられる。
を熱圧着すると、活物質層の空隙中に先に存在するワッ
クスを押し込む形で溶融熱可塑性樹脂が浸入するか、若
しくはワックスと熱可塑性樹脂の接着により、剥離用シ
ートと活物質層が一緒に剥離する。ワックスを活物質層
に予め含浸させる方法としては、溶融ワックスをグラビ
ア塗布する方法、ダイコーターを用いる方法、ロータリ
ースクリーンを用いて塗布する方法、製膜性のあるワッ
クスをフイルム化して活物質層に熱圧着してしみ込ませ
る方法、不織布や紙等に含浸したワックスを熱圧着によ
り活物質層に転写させる方法、予め剥離用シートの熱可
塑性樹脂シートの表面にワックスの層を設けておく方法
等があるが、実際にはこれらの方法に限定されない。
た活物質層のパターン状の剥離に使用するワックスは、
加熱によって容易に溶融する材料であればよく、低分子
量のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
それらの誘導体、各種天然ワックス等が使用可能であ
る。特に非塗工部のパターン形状を正確に形成するため
には、金属箔集電体との密着性が低く、かつ固化時に体
積変化が小さいものが好ましい。
は、その融点は20〜250℃、好ましくは60〜15
0℃程度が良い。融点が低すぎる場合には、室温で柔ら
かくなるために取り扱いが難しく生産性に劣るので好ま
しくない。又、融点が高過ぎるとエネルギー的に不経済
であり、且つ活物質層に含浸させる際に基材である集電
体を損う恐れがある。又、その溶融粘度は100〜5
0,000cps程度、好ましくは400〜6,000
cps程度である。溶融粘度が高すぎると、エネルギー
的に不経済であり、又、溶融粘度が低すぎると活物質層
中に浸透する時に層の横方向に広がり易くなり、正確な
パターニングが困難となる。
ン或いはポリプロピレンとしては、非酸化型低密度タイ
プ、非酸化型中密度タイプ、非酸化型高密度タイプ、酸
化型低密度タイプ、酸化型中密度タイプ、酸化型高密度
タイプ、非極性タイプ、極性タイプ、微粉末タイプ等が
あり、いずれも本発明の方法に適している。
ように断続的に剥離してもよく、また図8のように熱ロ
ール等を用いて連続的に剥離してもよい。一回の剥離操
作で活物質の除去が完了しない場合には、数回の剥離操
作を繰り返すが、このとき図9のように剥離操作を流れ
方向に順次組み合わせることで工程のスピードアップが
期待できる。両面に非塗工部を形成する場合には、図1
0(a)のように両面同時に剥離してもよく、図10
(b)のように並列に逐次に剥離してもよい。複数列の
非塗工部を形成する場合は、1列の非塗工部を形成する
操作を複数回繰り返してもよく、また剥離部を図11の
ように原反の幅方向に並べてもよい。また、活物質の集
電体からの剥離を容易にするプレコート層を、予め集電
体上の剥離すべき部位に形成しておけば、前記剥離工程
はより容易になる。このとき、プレコート層の効果に応
じて、熱可塑性樹脂の代わりに一般的な粘着テープ等を
活物質層の剥離に用いてもよい。また、流れ方向の帯状
の剥離と、幅方向の剥離を組み合わせることにより、電
池設計によっては図12のような、4辺に非塗工部が存
在する電極も、プレスによるダメージを少なくして作製
可能である。
活物質層内に移行・浸透し、活物質層の凝集力を高める
材料であることが必要である。プレコート剤を活物質層
内に移行・浸透させるために、プレコート層をなすプレ
コート剤を、適当な溶媒に可溶な材料とすることによっ
て、プレコート剤を活物質層内に含浸させることがで
き、さらに、その溶媒を除去することによって、プレコ
ート剤を活物質層内で固化させることができる。プレコ
ート剤としては、活物質層用塗工液を調製するための溶
剤に可溶であるような材料を好ましく用いることができ
る。このようなプレコート剤を用いた場合には、活物質
層用塗工液を塗工して活物質層を形成する際にプレコー
ト層を溶解することができるので、活物質層の形成工程
と、プレコート剤を活物質層内に移行・浸透させる工程
とを同時に行うことができる。また、プレコート剤は、
活物質層の凝集力を高める材料であるので、少なくとも
適度な結着性を有するものであり、かつ、アルミニウム
や銅箔等の金属箔よりなる集電体に対して、接着性が強
すぎないものが好ましい。接着性が強すぎると、剥離工
程時に集電体を引っ張ってダメージを与えることがあ
り、剥離作業を円滑に行えない場合がある。
用塗工液の溶剤に可溶である樹脂の中から適当なものを
選んで使用することができ、スチレン−アクリロニトリ
ル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ
ジイソプロピルフマレート、及びそれらの誘導体等が使
用できる。また、プレコート剤の樹脂にPTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、ポリスチレン、セルロース
繊維等の粒子径0.1〜1μm程度の粉体を加えること
も可能である。その粉体の配合割合は、樹脂100重量
部に対し、粉体1〜80重量部である。樹脂が少なすぎ
ると、高分子塗膜が形成しにくく、逆に粉体が少ないと
プレコート層どうしが接着し、ブロッキングが発生する
場合がある。尚、本発明で使用できるプレコート剤は上
記の範囲に限定されない。
解または分散して、プレコート層用塗工液を調製する。
プレコート層用塗工液を調製するための溶剤としては、
活物質層用塗工液の溶剤と同じものを用いてもよいし、
違うものを用いてもよい。プレコート剤として、PMM
Aを使用する場合には、トルエン/メチルエチルケトン
=1/1(重量比)の溶剤を用い、またポリフッ化ビニ
リデンを使用する場合には、N−メチル−2−ピロリド
ンを用いて溶解するのが好ましい。そして、プレコート
層用塗工液を集電体の表面の非塗工部を設けたい領域に
選択的に塗布、乾燥してプレコート層を形成する。
移行・浸透した後の活物質層の凝集力と、その活物質層
と集電体の間の接着力とのバランスを考慮して、適宜設
定されるが、通常は0.2〜10g/m2 程度が好まし
い。プレコート剤として、特にスチレン−アクリロニト
リル樹脂を用いた場合には、0.5〜2g/m2 程度と
することが好ましい。この範囲の塗工量でスチレン−ア
クリロニトリル樹脂を塗工すると、一度の剥離作業によ
って、剥離すべき活物質層を容易に剥離することができ
る。塗工量が0.2g/m2 未満の場合には、活物質層
内に浸透するプレコート剤の量が少なく、活物質層の凝
集力を充分に高めることができない。そして、その後の
剥離工程において、活物質層が凝集破壊する恐れがあ
り、一度の剥離作業によっても剥離すべき活物質層を剥
離することができない。その結果、剥離工程の効率が低
下して、電極板の全体の製造効率が低下することがあ
る。塗工量が10.0g/m2 を越える場合には、電極
塗工時にひび割れることがある。もしくは、塗工時に剥
がれ落ちることがある。また、電極板が厚くなること
で、プレス時にダメージが生じやすい。
を機械的に制御しない塗工法、例えば、グラビアコート
法、グラビアリバースコート法、ダイコーターを用いる
方法、ロータリースクリーンを用いる方法、凸版を用い
る方法等何れの方法によっても塗工することができるの
で、速い塗工スピードで正確に所望のパターン状に塗工
を行うことができる。なお、プレコート剤を塗工する際
に、プレコート剤が集電体の表面ではじかれてしまうよ
うな場合には、集電体の表面にコロナ放電や脱脂処理等
の前処理を行うことによって、好ましく塗工することが
できる。また、プレコート層を形成する工程は、その後
の、活物質層を形成する工程と共にインラインで行うこ
ともできる。
質層の除去について説明する。プレコート層を形成した
側の集電体表面に、活物質層用塗工液を全面的に塗布す
る。活物質層用塗工液の塗工層の中には、乾燥が完了す
るまでの間、溶剤が存在している。一方、プレコート層
を構成しているプレコート剤は、かかる溶剤に可溶であ
る。このため、集電体表面に、活物質層用塗工液を塗布
・乾燥している間に、プレコート層のプレコート剤が徐
々に溶解し、活物質層用塗工液の塗工層へ移行する。活
物質層用塗工液の塗工層へ移行したプレコート剤は、活
物質塗工層の上方に向かって浸透していく。これは、前
記の溶剤が、塗工層の表面から空気中へ蒸発する結果、
プレコート剤が活物質塗工層の上方に引っ張られるため
であると考えられる。このようにして、非塗工部を形成
したい領域の活物質層のみにプレコート剤が浸透する。
一方、プレコート層は、その全てまたは大部分が溶出し
て、その活物質層内に含浸し、完全にまたはほとんど消
失する。
の移行・浸透工程が並行して進行し、完了すると、非塗
工部を形成したい領域の活物質層のみにプレコート剤が
含浸・固化する。この領域の活物質層は、周囲と比べて
凝集力が高くなっている。または、プレコート層の材料
によっては、集電体との密着性も低下する。そして、プ
レコート剤が含浸・固化した領域の活物質層と、剥離用
のシートまたは成形体とを圧着し、その後、剥離用のシ
ートまたは成形体を剥がすことによって、当該シートま
たは成形体に圧着された活物質層が一体として剥離され
る。その結果、集電体が帯状に露出し、非塗工部が形成
される。
を高めることができるプレコート層を、非塗工部を設け
たい部分に形成し、そのプレコート層をなすプレコート
剤を活物質層内に移行・浸透させるので、かかる活物質
層の凝集力は、プレコート剤が浸透していない活物質層
の凝集力に比べて大きくなる。その結果、プレコート層
が形成された部分に設けられた活物質層だけを、凝集破
壊を起こさずに、集電体表面からきれいに剥離すること
ができる。また、凝集力が高められた活物質層だけを剥
離することができるので、それ以外の活物質層との境界
面がシャープになり、非塗工部の位置精度の高い電極板
を得ることができる。そのため、一度または数回の剥離
作業によって、非塗工部を設けたい部分の活物質層を剥
離することができるので、活物質層を所定のパターンに
効率よく形成することができる。
て、着色したプレコート剤を塗工することによって、着
色されたプレコート層(着色プレコート層)を形成する
ことができる。着色プレコート層は、その色を検知また
は認識することができる程度に着色されている必要があ
り、着色染料や顔料の適当量の着色剤が添加される。着
色プレコート層は、その後の工程、例えば着色プレコー
ト層が形成された集電体の裏面の同じ位置または所定の
位置にプレコート層をさらに形成する工程や、着色され
たプレコート層上に必要に応じて所定のパターンの他の
層をさらに形成する工程等で好ましく使用される。特
に、透明、半透明または白色等のプレコート剤を塗工し
て形成したプレコート層が、位置検出装置を用いても位
置検出が困難な場合や、トンボ等の検知マークを別工程
で形成することを製造上、避けたい場合に、好ましく設
けられる。
板を構成する各材料について説明する。非水電解液二次
電池とは、リチウム系二次電池で代表されるもので、電
解液に非水有機溶媒を用いることを特徴とし、例えば、
金属箔からなる集電体基体上に電極活物質を含有する塗
工膜(活物質層)が形成されているものを電極板とし、
電解液に非水有機溶媒を用い、正極及び負極の電極間を
リチウムイオンが移動する際の電子のやり取りによって
充放電が可能となるものである。
成する活物質を含有する塗工膜は、少なくとも活物質と
結着剤とからなる電極塗工液から形成される。本発明で
用いられる正極活物質としては、例えば、LiCo
O2 、LiNiO2 、LiMn2O4 等のリチウム酸化
物、TiS2 、MnO2 、MoO3 、V2 O5 等のカル
コゲン化合物のうちの一種、或いは複数種が組み合わせ
て用いられる。一方、負極活物質としては、金属リチウ
ム、リチウム合金、或いはグラファイト、カーボンブラ
ック、アセチレンブラック等の炭素質材料が好んで用い
られる。特に、LiCoO2 を正極活物質、炭素質材料
を負極活物質として用いることにより、4V程度の高い
放電電圧のリチウム系二次電池が得られる。
一に分散されるのが好ましい。このため、本発明におい
ては、活物質として1〜100μmの範囲の粒径を有す
る平均粒径が約10μm程度の粉体を用いるのが好まし
い。また、上記活物質を含む塗工液の調製に用いられる
バインダー(結着剤)としては、例えば、熱可塑性樹
脂、即ち、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリア
クリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウ
レタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポ
リビニル樹脂、フッ素系樹脂及びポリイミド樹脂等から
任意に選択して使用することができる。この際に反応性
官能基を導入した化合物(アクリレートモノマー又はオ
リゴマー)を同時に混入させることも可能である。又、
アクリレートオリゴマー単独であっても、オリゴマーと
モノマーとの混合系等であっても利用することができ
る。
成する活物質を含有する塗工膜は、以下のような方法で
作成される。まず、集電体上に塗工する塗工液を、上記
に記載した材料を用いて作製する。すなわち、上記の材
料から適宜に選択された結着剤と粉末状の活物質とを適
当な分散媒を用いて、混練或いは分散溶解して、電極塗
工液を作製する。次に、得られた塗工液を用いて、集電
基体上に塗布する。塗布する方法としては、グラビア、
グラビアリバース、ダイコート及びスライドコート等の
方式を用いる。その後、塗布した塗工液を乾燥させる乾
燥工程を経て所望の膜厚の塗工膜を形成する。本発明の
非水電解液二次電池用電極板に用いられる集電体として
は、例えば、アルミニウム、銅等の金属箔が好ましく用
いられる。金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度
のものを用いる。本発明では、集電体上に正極活物質層
または負極活物質層を形成する。集電体と正極活物質層
または負極活物質層との密着性を向上させるために、集
電体の表面にカップリング剤層を形成してもよい。カッ
プリング剤層の形成に使用するカップリング剤として
は、シラン系、チタネート系、アルミニウム系等のカッ
プリング剤があり、これらの中から金属箔集電体及び活
物質層との密着性に優れたカップリング剤を選択して使
用する。
た電極塗工液の具体的な調製方法について説明する。ま
ず、上記に挙げたような材料から適宜に選択された粒子
状バインダーと粉末状の活物質を、N−メチル−2−ピ
ロリドン、トルエン等の有機溶媒からなる分散媒体中に
入れ、更に必要に応じて導電剤を混合させた組成物を、
従来公知のホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、
ロールミル等の分散機を用いて混合分散することによっ
て調製する。この際、バインダーと活物質との混合割合
は、従来行われているのと同様でよく、例えば、負極の
場合にはバインダー:活物質=2:8〜1:9(重量
比)程度とするのが好ましい。また、必要に応じて添加
する導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボン
ブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料が用いら
れる。負極については、塗工膜と集電体との密着を向上
させるためにシュウ酸等の添加剤を加えても良い。
された電極塗工液は、アルミニウム、銅等の金属箔から
なる集電体上に、グラビアコーター、またはグラビアリ
バース、ダイコーター等を用いて塗工、乾燥処理して、
乾燥膜厚が10〜200μm、好ましくは50〜170
μmとなるような範囲で塗布する。この際、塗工膜と集
電体との密着を向上させるために、集電体を前もって、
シラン系、チタネート系、アルミニウム系等のカップリ
ング剤で処理しても良い。更に、上記のようにして塗工
及び乾燥処理して形成された活物質層の均質性をより向
上させるために、該活物質層に金属ロール、加熱ロー
ル、シートプレス機等を用いてプレス処理を施し、本発
明の電極板を形成するのも好ましい。この際のプレス条
件としては、500kgf/cm2 〜7,500kgf
/cm2 、更に好ましくは3,000〜5,000kg
f/cm2 の範囲とするのが良い。500kgf/cm
2 よりもプレスする力が小さいと活物質層の均一性の向
上が得られにくく、又、7,500kgf/cm2 より
もプレスする力が大きいと、集電体基体を含めて電極板
自体が破損してしまうために好ましくない。
電極板を用いて二次電池を作製する場合に、電池の組立
工程に移る前に、電極板の活物質が含有されている塗工
膜中の水分を除去するために、更に加熱処理、減圧処理
等を行うことが好ましい。また、以上のようにして作製
した本発明の正極及び負極の非水電解液二次電池用電極
板を用いて、例えば、リチウム系二次電池を作製する場
合には、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に
溶かした非水電解液が用いられる。この際に使用される
有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、
環状エーテル類、鎖状エーテル類等があり、環状エステ
ル類としては、例えば、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカー
ボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル
−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げら
れる。
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカー
ボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピル
カーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロ
ピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロ
ピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステ
ル、酢酸アルキルエステル等が挙げられる。
テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジ
アルキルアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテト
ラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラ
ン、1,4−ジオキソラン等が挙げられる。鎖状エーテ
ル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が
挙げられる。
形成する溶質のリチウム塩としては、例えばLiClO
4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiC
l、LiBr等の無機リチウム塩、及びLiB(C6 H
5 )4 、LiN(SO2 CF3)2 、LiC(SO2 C
F3 )3 、LiOSO2 CF3 、LiOSO2 C
2 F5、LiOSO2 C3 F7 、LiOSO2 C
4 F9 、LiOSO2 C5 F11、LiOSO2 C
6 F13、LiOSO2 C7 F15等の有機リチウム塩等が
用いられる。
に具体的に説明する。尚、文中「部」又は「%」とある
のは重量基準である。
物質を含む正極塗工液を以下の方法により作製した。正
極塗工液の材料としては、1〜100μmの粒径を持つ
平均粒径10μmのLiCoO2 粉末を89部、導電材
としてグラファイト粉末を8部及び結着剤としてポリフ
ッ化ビニリデン樹脂のワニス(呉羽化学工業(株)製K
F#1100、12%N−メチル−2−ピロリドン溶
液)を33部の配合比で用いた。ワニスに他の粉末材料
を入れた後、プラネタリーミキサー((株)小平製作所
製)にて30分間撹拌混合することにより、スラリー状
の正極活物質を含む正極塗工液を得た。
0μm及び幅300mmのアルミ箔からなる集電体を基
体として、該基体上にダイコーターにて、280mm幅
に正極活物質塗工液の塗工を行った。その後、長さ8m
の乾燥オーブン(80℃−100℃−130℃−140
℃)中を4m/minの速度で通すことにより乾燥処理
してアルミ箔基体上に乾燥膜厚が90μmの正極活物質
を含む活物質層を形成した。更に、上記で得られた正極
活物質を含む活物質層を80℃の真空オーブン中で、4
8時間エージングして水分を除去し、実施例1の正極用
の電極板を作製した。
負極塗工液を以下の方法により作製した。負極塗工液の
材料として、グラファイト粉末を85部、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂のワニス(呉羽化学工業(株)製、KF#
1100、12%N−メチル−2−ピロリドン溶液)を
125部及び分散媒体としてN−メチル−2−ピロリド
ンを115部の配合比で用い、正極塗工液を作製した場
合と同様の分散機及び分散方法を用いて粉体を分散さ
せ、スラリー状の負極塗工液を得た。
4μm及び幅300mmの圧延銅箔を集電体基体とし、
該基体上にダイコーターを用いて280mm幅に負極塗
工液の塗工を行った。その後、長さ8mの乾燥オーブン
(80℃−100℃−130℃−140℃)中を2m/
minの速度で通すことにより乾燥処理して、銅箔上に
乾燥膜厚が135μmの負極活物質を含む活物質層を形
成した。更に、正極電極板の形成の場合と同様の方法で
水分を除去し、実施例1の負極用の電極板を作製した。
板を260mm幅にトリミングして未塗工部を切り落と
し、ロールプレスにて線圧150kgf/cmでプレス
した後、幅60mm、厚さ112μmのポリエチレンヒ
ートシール材(出光石油(株)モアテック0238N
100μmとポリエチレンテレフタレートフイルム(厚
み12μm)をドライラミネートしたフイルムを剥離用
シートとして使用し、ポリエチレンヒートシール材が電
極板に向かい合うようにして重ね、直径100mm、幅
30mmの熱ロールを用い、線圧10kgf/cm、送
りスピード2m/minで連続的に加熱圧着を行った
(図13(a)参照)。加熱圧着されたヒートシール材
は連続的に剥がすことができ、剥がすときれいな帯状の
集電体面が得られた(図13(b)参照)。この操作を
裏面に対しても同様に行った後、電極板をスリットし、
塗工部幅が90mm、非塗工部幅が10mmの電極板を
得た(図13(c)参照)。得られた電極板の非塗工部
にシワや破れ等の不良は認められなかった。
た集電体を以下の方法により作成した。プレコート剤の
溶液としてはポリフッ化ビニリデン樹脂のワニス(呉羽
化学工業(株)製KF#1100、12%N−メチル−
2−ピロリドン溶液)を用い、厚さ20μm及び幅30
0mmのアルミ箔を正極の集電体として、また厚さ14
μm、幅300mmの圧延銅箔を負極の集電体として、
各集電体上にグラビアコーターを用いてプレコート溶液
を幅30mmの帯状に塗布した。その後、長さ2mの乾
燥オーブン(100℃)中を6m/minで通すことに
より乾燥処理して、集電体上に1g/m2 の塗工量でポ
リフッ化ビニリデンの皮膜を形成した。同じ操作を集電
体の裏面に対しても行い、図14のような集電体を得
た。
み集電体を用い、実施例1と同様の電極塗工液、乾燥条
件にて電極を作製した。上述のようにして得られた正極
板及び負極板を260mm幅にトリミングして未塗工部
を切り落とし、ロールプレスにて線圧150kgf/c
mでプレスした後、幅60mm、厚さ112μmのポリ
エチレンヒートシール材(出光石油(株)モアテック0
238N 100μm)とポリエチレンテレフタレート
フイルム(厚み12μm)をドライラミネートしたフイ
ルムを剥離用シートとして使用し、ポリエチレンヒート
シール材が電極板に向かい合うようにして重ね、直径1
00mm、幅30mmに熱ロールを用い、線圧10kg
f/cm、送りスピード2m/minでプレコート層が
存在する部位に対し、連続的に加熱圧着を行った。加熱
圧着されたヒートシール材は連続的に剥がすことがで
き、剥がすときれいな帯状の集電体面が得られた。この
操作を裏面に対しても同様に行った後、電極板をスリッ
トし、塗工部幅が90mm、非塗工部幅が10mmの電
極板を得た。得られた電極板の非塗工部にシワや破れ等
の不良は認められなかった。
mのアルミ箔を正極の集電体として、また厚さ14μ
m、幅150mmの圧延銅箔を負極の集電体として、各
集電体上にダイコーターにて実施例1と同じ電極塗工液
を幅10mmで塗工し、実施例1と同じ乾燥条件にて図
15(a)のような電極板を作製した。上述のようにし
て得られた正極板及び負極板を100mm幅にトリミン
グして塗工部幅が90mm、非塗工部幅が10mmの図
15(b)に示す電極板を得た。この電極板をロールプ
レスにて、線圧150kgf/cmでプレスしたとこ
ろ、プレスロールのところで電極板の塗工部と非塗工部
の境界付近にシワが入り、さらには電極板が切れてしま
った。
長尺状の集電体上に、活物質と結着剤とからなる活物質
層を塗工方法により形成する工程、該活物質層が形成さ
れた集電体をプレスする工程、及び流れ方向に帯状に活
物質を除去する工程を有し、集電体の流れ方向に帯状の
非塗工部が1列または複数列形成されている、そして活
物質層を集電体上から除去する工程が、活物質層を除去
すべき領域の表面に熱可塑性樹脂層を有する剥離用シー
トを熱ロールにより、連続的に熱圧着させた後冷却する
工程、剥離用シートを剥離して熱圧着された活物質層を
剥離用シートとともに剥離する工程を有するものが好ま
しく、集電体上に均一に活物質層が形成されている電極
板をプレス加工した後に、非塗工部を形成する、そのた
めに、塗工部と非塗工部が存在する電極板をプレス加工
するという従来方法において、プレス加工時に塗工部と
非塗工部の境界付近で発生する電極板の歪み及びその歪
みに起因する電極板のシワ、及びそのシワがプレスロー
ルに引っかかることによる電極板の破れ等を抑えること
が出来る。
である。
図である。
トすることを図解的に説明する図である。
解的に説明する図である。
解的に説明する図である。
剥離操作を流れ方向に順次組み合わせた例を示す図であ
る。
去する工程で集電体の両面で、同時、または並列して行
う例を示す図である。
する工程を図解的に説明する図である。
る例を示す図である。
図である。
コート層が形成された例を示す図である。
図である。
体上に活物質層を帯状に直接形成した後スリットする方
法を図解的に説明する図である。
でプレス加工して、プレスされた部分だけが流れ方向に
伸びてしまい、電極板が変形する例を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 長尺状の集電体上に、活物質と結着剤と
からなる活物質層を塗工方法により形成する工程、該活
物質層が形成された集電体をプレスする工程、及び流れ
方向に帯状に活物質を除去する工程を有し、集電体の少
なくとも一端又は一側縁を帯状に露出させて非塗工部を
形成することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板
及び該電極板の中間製品の製造方法。 - 【請求項2】 長尺状の集電体上に、活物質と結着剤と
からなる活物質層を塗工方法により形成する工程、該活
物質層が形成された集電体をプレスする工程、及び流れ
方向に帯状に活物質を除去する工程を有し、集電体の流
れ方向に帯状の非塗工部が1列または複数列形成されて
いることを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の中
間製品の製造方法。 - 【請求項3】 前記電極板の中間製品を流れ方向にスリ
ットすることにより作製したことを特徴とする請求項1
に記載する非水電解液二次電池用電極板の製造方法。 - 【請求項4】 活物質層を集電体上から除去する工程
が、活物質層を除去すべき領域の表面に熱可塑性樹脂層
を有する剥離用シートを熱圧着させた後冷却する工程、
剥離用シートを剥離して熱圧着された活物質層を剥離用
シートとともに剥離する工程を有することを特徴とする
請求項1〜3にいずれかに記載する非水電解液二次電池
用電極板及び中間製品の製造方法。 - 【請求項5】 前記の剥離用シートを熱圧着させる工程
に熱ロールを用いることにより、活物質層を集電体上か
ら除去する工程が断続的でなく、連続的に進行すること
を特徴とする請求項4に記載する非水電解液二次電池用
電極板及び中間製品の製造方法。 - 【請求項6】 活物質層を集電体上から除去する工程が
集電体の両面で、同時、または並列して進行することを
特徴とする請求項4または5に記載する非水電解液二次
電池用電極板及び中間製品の製造方法。 - 【請求項7】 集電体上に活物質層を形成する工程に先
立ち、予め、活物質層を除去すべき領域の集電体表面に
活物質層の除去を補助するプレコート剤を塗工してプレ
コート層を形成する工程を有することを特徴とする請求
項4〜6のいずれかに記載する非水電解液二次電池用電
極板及び中間製品の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載する製造
方法で形成されたことを特徴とする非水電解液二次電池
用電極板及びその中間製品。
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