JP3590220B2 - 非水電解液二次電池用電極板の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板(以下単に「電極板」という)及びその製造方法に関し、更に詳しくは集電体面にパターン状の活物質層を形成した電極板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器や通信機器の小型化及び軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用いられる二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求が強くなって来ている。これらの要求に対して、従来のアルカリ蓄電池に代わり、高エネルギー密度で且つ高電圧を有するリチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池が提案されている。
【0003】
又、二次電池の性能に大きく影響を及ぼす電極板に関しては、充放電サイクル寿命を延長させるために、又、高エネルギー密度化のために薄膜大面積化を図ることが提案されている。例えば、特開昭63−10456号公報や特開平3−285262号公報等に記載されているように、金属酸化物、硫化物、ハロゲン化物等の正極活物質粉末に、導電剤及び結着剤(バインダー)を適当な湿潤剤(溶媒)に分解溶解させて、ペースト状の活物質塗工液を調製し、金属箔からなる集電体を基材とし、該基材上に上記塗工液を塗工して塗工層(活物質層)を形成して得られる正極電極板が開示されている。
【0004】
この際、結着剤として、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、又はシリコーン・アクリル共重合体が用いられている。
又、負極電極板は、カーボン等の負極活物質に結着剤を適当な湿潤剤(溶媒)に溶解させたものを加えて、ペースト状の活物質塗工液を調整し、金属箔集電体へ塗工して得られる。
【0005】
上記塗工型の電極板において、活物質塗工液の調製に用いられる結着剤は、非水電解液に対して電気化学的に安定であって、電解液へ溶出しないこと、更には塗工をすることから何らかの溶媒に可溶である必要がある。
上記の活物質塗工液を金属箔集電体に塗工して得られる電極板において、塗工及び乾燥して形成される活物質層(塗工層)は可撓性が十分であり、電池の組み立て工程及び充放電時に、剥離、脱落、ひび割れ等が生じないように十分な密着性を有することが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
又、電極板から端子を取る場合、集電体のその部分には、活物質層が形成されていないことが必要である。即ち、最終的に得られる電極板は、端子取り出し部には活物質層がなく、その他の部分に活物質層が形成されるように、集電体面にパターン状に活物質層を形成することが望ましい。
しかしながら、従来の一般的な塗工機を用いて、集電体面に塗工部(活物質層部)と未塗工部(活物質層の境界や端子取り出し部)を連続的且つ高速で作製するには、塗工液が集電体面に対して接触する状態と接触しない状態を繰り返すことが必要である。
【0007】
例えば、集電体面の塗工部が幅60cmで、非塗布部が幅5cmの如く設定して連続塗工を行うと、塗工機による塗工速度が増加するにつれ、塗工液と集電体面との非接触時間が短くなる。その結果、塗工液をパターン状に塗工するための機械的制御が難しくなり、正確な塗工部と未塗工部とを連続的にパターン状に形成することができない。一方、塗工液の塗工速度を低下させれば、上記問題は発生しないが、電極板の生産性に問題が生じる。
従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、集電体面に活物質層をパターン状に形成することができる電極板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、集電体面上に活物質と結着剤とからなる活物質層を形成する工程、該活物質層のうち活物質層を除去すべき領域に、熱可塑性樹脂が含浸された剥離シートを熱圧着して熱可塑性樹脂を活物質層に含浸させた後に冷却する工程、上記剥離シートを活物質層から剥離して上記熱圧着領域における活物質層を剥離シートとともに又は別途剥離する工程を有し、前記集電体面に任意のパターンの非塗工部を形成することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法、及び該方法で形成されたことを特徴とする非水電解液二次電池用電極板である。
本発明によれば、上記構成によって、集電体面に任意のパターン状の活物質塗工層を正確に且つ容易に形成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の方法は基本的には次の工程からなる。
a.集電体面上に活物質と結着剤とからなる活物質層を形成する工程、
b.該活物質層のうち活物質層を除去すべき領域に、熱可塑性樹脂が含浸された剥離シートを熱圧着して熱可塑性樹脂を活物質層に含浸させた後に冷却する工程、
c.上記剥離シートを活物質層から剥離して上記熱圧着領域における活物質層を剥離シートとともに又は別途剥離する工程。
【0010】
本発明の方法を図を参照して説明する。
図1〜2は、本発明の電極板を説明する図であり、図1aは集電体の全面に形成された活物質塗工膜から、取付ける端子の端部と略同一の面積の端子取り付け部をパターン状に形成した状態の平面図であり、図1bはその一部の拡大断面図である。本発明の電極板は、図1に示す状態でもよいし、又、図2に示すように図1aの点線に沿って裁断したものであってもよい。尚、図2ではパターン状に露出された集電体面に端子が取り付けられた状態も示している。
【0011】
上記の如く、本発明によりパターン状に活物質層が剥離された電極板は、図3に示す如く、集電体面上に活物質と結着剤とからなる活物質層を形成し、該活物質層の表面に熱可塑性樹脂が含浸された剥離シートを重ねる。この剥離シートは、活物質層の剥離領域よりも大面積であればよく、活物質層全面を覆うものでも、剥離領域のみを覆う大きさのいずれでもよい。次に図4に示すように、上記の剥離シートの面から圧熱体を圧着する。この圧熱体は内部にヒーターを内蔵し且つ温度調整が可能な金属体から構成され、該圧熱体の底面形状は、剥離すべき活物質層の領域と略同一形状を有している。
【0012】
図4に示すように、圧熱体を剥離シートに押圧して圧熱体で加熱するか、或いは図4の矢印で示す如く集電体側から加熱することによって、剥離シート内に含浸されている熱可塑性樹脂は溶融し、多孔質に構成されている活物質層中に浸透する。この状態においてそのまま放冷又は強制冷却するか、或いは圧熱体のみを上方に上昇させた状態で活物質層を放冷或いは強制冷却すると、活物質層中に浸透した熱可塑性樹脂は速やかに固化し、且つ固化した熱可塑性樹脂は剥離シートに対しても十分に接着している。冷却終了後に、図5に示すように、剥離シートを活物質層から剥離すると、熱可塑性樹脂が含浸した活物質層の領域のみが剥離シートとともに集電体面から剥離される。この際、剥離シートのみが剥離され、活物質層が剥離されない場合には、熱可塑性樹脂が含浸された活物質層を別途剥離してもよい。このようにしてシャープなエッジを有するパターンが集電体表面に非塗工領域として容易に形成される。
【0013】
次に本発明を実施するうえで使用する材料について説明する。
本発明の電極板に用いられる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅等の金属箔が好ましく用いられる。金属箔の厚さとしては、5〜30μm程度のものを用いる。
本発明では、集電体上に正極活物質層又は負極活物質層を形成する。集電体と正極活物質層又は負極活物質層との密着性を向上させるために、集電体の表面にカップリング剤層を形成してもよい。カップリング剤層の形成に使用するカップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系等のカップリング剤があり、これらの中から金属箔集電体及び活物質層との密着性に優れたカップリング剤を選択して使用する。
【0014】
シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。
【0015】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等がある。
【0016】
上記カップリング剤からなる層を集電体の表面に形成する方法としては、カップリング剤を水/有機溶剤混合液に溶解させた溶液、或いはカップリング剤を有機溶媒に溶解させた溶液を集電体の表面に塗工する方法がある。このとき、カップリング剤の加水分解を促進させるために、塗工液のpHを3〜5に調節してもよい。又、カップリング剤の加水分解用触媒としては、例えば、塩酸、酢酸等を添加してもよい。カップリング剤と集電体表面との脱水反応を促進させるためにはカップリング剤を塗工後、温度:120〜130℃で加熱してもよい。上記のカップリング剤用の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼン、アセトン、テトラヒドラフラン、セルソルブメチル等が挙げられる。
【0017】
カップリング剤を金属箔集電体の表面に塗工する方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、マイヤーバーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート等が挙げられ、塗工したカップリング剤層の乾燥厚みとしては、0.001〜5μmの範囲が好ましい。
【0018】
本発明で活物質層の形成に用いられる正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム酸化物、TiS、MnO、MoO、V等のカルコゲン化合物のうちの一種、或いは複数種が組み合わせて用いられる。一方、負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、或いはグラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料、又はリチウムイオンをインターカレートする材料が好ましく用いられる。特に、LiCoOを正極活物質として、そして炭素質材料を負極活物質として用いることにより、4V程度の高い放電電圧のリチウム系二次電池が得られる。
【0019】
これらの活物質は形成される塗工層中に均一に分散されるのが好ましい。このため、本発明においては、活物質として1〜100μmの範囲の粒径を有し、平均粒径が10μm程度の粉体を用いるのが好ましい。
上記活物質を含む塗工液の調製に用いられる結着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂及びポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂、又はゴム系の樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー又はオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、更にはこれらの各種樹脂の混合物を使用することができる。
【0020】
本発明で使用する活物質塗工液の具体的な調製方法について説明する。先ず、上記に挙げたような材料から適宣に選択された結着剤と粉末状の活物質とを、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン或いはこれらの混合物等の有機溶媒からなる分散媒体中に入れ、更に必要に応じて導電剤を混合させた組成物を、従来公知のホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル等の分散機を用いて混合分散することによって調製する。
【0021】
上記塗工液の調製において、塗工液全体を100重量部とした場合、その中で活物質と結着剤の合計が約40〜80重量部、活物質と結着剤の比率は9:1〜8:2の範囲であることが望ましい。上記塗工液の調製に際して必要に応じて添加する導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料が用いられる。
上記塗工液を金属箔集電体の表面に塗工する方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、マイヤーバーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、デイップコート、ダイコード、コンマコート、コンマリバースコート、等が挙げられる。
【0022】
上記塗工液をノズル塗工装置を用いて集電体面に塗工して活物質層を形成してもよい。ノズル塗工装置について図6を参照して説明すると、該ノズル塗工装置1とは、XYロボット2とノズル3とからなり、ノズル塗工装置1はXYロボット2と水平に位置している指示体4上をY方向に移動できる集電体5にディスペンサーと称される液体容器6内の塗工液をその下端のノズル3から吐出しつつ、集電体5の表面に沿ってX方向に液体容器6を駆動することによって、集電体5の表面に塗工液を塗工して塗工面7を形成するものである。
前記液体容器6には、可撓性パイプ8を介して塗工液タンク9からコントローラー10を経て塗工液が供給されるようになっている。
【0023】
前記XYロボット2は、指示体4を含む基台11上を、指示体4の上方を跨ぐようにして設置された門型フレーム12上に取り付けられ、X方向に往復動自在であって且つ前記液体容器6を支持するX方向駆動装置13を含んで構成されている。前記X方向駆動装置13のX方向の移動及び前記塗工液のためのコントローラー10は、基台11に設けられた制御装置14によって制御されるようになっている。前記ノズル3の下端吐出口は、集電体5の表面に接近して設置され、両者の隙間は塗工液の塗工によって形成される塗工面7の目標塗工膜厚と一致するようにされている。
【0024】
又、制御装置14はX方向駆動装置13の送りを次のように制御する。
例えば、X方向駆動装置13によって液体容器6(ノズル3)を、X方向にライン状に往復動させつつ、その往復の片道毎に、支持体4をY方向に所定ピッチだけ搬送するようにされている。
ここで、前記ピッチはノズル3による塗工液の塗工ライン幅よりも大きくならないようにされ、これによって、ノズル3の塗工ラインは、Y方向に隣接する塗工ラインと、隙間なく塗工されるものである。
【0025】
前記塗工ラインの幅方向のピッチは、前記ノズル3の吐出口の径、吐出圧力、塗工液の粘度及び表面張力を含む性質により決定するものとする。
又、例えば、前記制御装置14は、ノズル3がX方向に駆動され、1本の塗工ラインを形成した後、集電体5がY方向に1ピッチだけ搬送される際にコントローラー10を介して液体容器6への加圧を遮断し、ノズル3からの塗工液の吐出を中止するように構成されている。
【0026】
次に、上記ノズル塗工装置1により、集電体5上に塗工液を塗工する過程について説明する。
液体容器6にコントローラー10を介して塗工液タンク9から塗工液を加圧供給しつつ、X方向駆動装置13によって、液体容器6(ノズル3)をX方向に直線状に移動させ、第1の塗工ラインを形成する。尚、塗工ライン形成中は、液体容器6への加圧は一定圧力とする。
第1の塗工ラインの塗工が終了したとき、ノズル3からの塗工液の吐出がなされないので、塗工ラインの終端で塗工面7の膜厚が他の部分よりも厚く形成されることがない。
【0027】
次に、集電体5がY方向に1ピッチ搬送された後、前記第1の塗工ラインと反対方向にノズル3が、X方向駆動装置13によって駆動され、第2の塗工ラインが塗工及び形成される。
以上の繰り返しによって、塗工面7が得られ、乾燥することによって、塗工膜を形成することができる。又、ノズル3を制御装置14によってXY方向に制御し、且つ集電体5を搬送することによって、集電体5に塗工液を塗工することができる。
【0028】
上記ノズル塗工装置1におけるノズル3の下端吐出口の断面は、真円形、楕円形、スリット状、或いは複数の小ノズルからなるマルチノズル等としてもよい。前記ノズル3の断面が楕円形及びスリット状の場合には、塗工ラインの幅が広くなるので、塗工速度が向上される。
更に、ノズル塗工装置1においてノズル3は1本のみではなく、これをY方向に塗工ラインのピッチの整数倍の定間隔で複数本設けるようにしてもよい。
この場合に、Y方向に先行するN本目のノズルと(N+1)本目のノズルとの間隔、及び(N+2)本目のノズルと(N+1)本目との間隔が、前述の如く、Y方向ピッチの整数倍で且つ等しくなるように設定されている。又、各ノズルは、X方向及びY方向に共に同期して、或いは非同期で駆動される。
【0029】
この複数のノズルを用いる場合も、該複数のノズルによって塗工面への塗工液の塗工が分担されるので、塗工速度を向上させることができる。尚、上記ノズル塗工装置1においては、Y方向に集電体5が搬送し、且つ液体容器6がX方向駆動装置13によってX方向に駆動することにより、ノズル3で、集電体5に塗工液を塗工するものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、集電体5を固定して、液体容器6をXY方向に駆動して、塗工液を塗工するようにしてもよい。
【0030】
又、上記ノズル塗工装置1において、ノズル3と集電体5の塗工面7との間隔は目的とする塗工面7の膜厚と等しくしたものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、ノズル3を集電体5から大きく離間させて、ノズル3から糸状に垂れ下がる塗工液によって、塗工ラインを形成するようにしてもよい。
又、ノズル3と集電体5との間隔を、目標とする塗工面7の膜厚よりも小さくして、塗工液を塗工するようにしてもよい。次に、乾燥工程において、以下の如くして形成した塗工層から分散媒体を除去することにより、目的とする活物質層を得る。
【0031】
前記乾燥工程における熱源としては、熱風、赤外線、マイクロ波、高周波等及びそれらの組み合わせが挙げられる。又、乾燥工程において集電体をサポートする金属ローラーや金属シート等が熱を放出することによって塗工層を乾燥させてもよい。乾燥後の活物質層の厚さは10〜200μm、好ましくは50〜150μmの範囲であり、このような厚さになるように前記塗工時の塗工量を設定する。更に、上記のようにして塗工及び乾燥処理して形成した塗工層の均質性をより向上させるために、塗工層の乾燥途中に、その表面にポリエチレンテレフタレートフイルム等の表面平滑なフイルムを軽く圧着及び剥離して塗工層表面を平滑化させる工程を組み込んでもよい。更に、上記の電極板を用いて電池の組み立て工程に移る前に、電極板の活物質塗工層中の水分を除去するために、更に加熱処理や減圧処理などを行うことが好ましい。
【0032】
本発明において、上記の如くして形成された活物質層のパターン状剥離に使用する剥離シートは、連通多孔質シートに熱可塑性樹脂を含浸させたものである。該連通多孔質シートとしては、上記熱可塑性樹脂の含浸保持性に優れたもの、例えば、織布、編布、不織布等が好ましい材料として挙げられる。又、連通多孔質シートは、図5に示されるように熱可塑性樹脂が含浸した活物質層の食い付きが良いものが好ましい。上記特性を満たすものとして不織布が最も好適である。不織布は、活物質層を剥離するために十分な熱可塑性樹脂を含浸できる厚み及び通気度を持つものが適している。又、均一に活物質層を剥離するために、不織布を構成している繊維が均一に編んであるものが好ましい。
【0033】
上記連通多孔質シートに熱可塑性樹脂を十分に含浸させることによって本発明で使用する剥離シートが得られる。熱可塑性樹脂は加熱によって容易に溶融する材料であれば、通常の熱可塑性樹脂の他に、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレン、それらの誘導体、各種ワックス等が挙げられ、特に、耐熱性があり、且つ非塗工部のパターン形状を正確に形成するためには、金属箔集電体との密着性が低く、そのうえ伸縮性が低いものが好ましい。
【0034】
以上の如き熱可塑性樹脂は、本発明の目的には、その融点は100〜250℃、好ましくは120〜170℃程度が良い。融点が低すぎる場合には、室温で柔らかくなるために取り扱いが難しく生産性に劣るので好ましくない。又、融点が高過ぎるとエネルギー的に不経済であり、且つ活物質層に含浸させる際に基材である集電体を損う恐れがある
【0035】
熱可塑性樹脂の好適例である上記のポリエチレン或いはポリプロピレンとしては、非酸化型低密度タイプ、非酸化型中密度タイプ、非酸化型高密度タイプ、酸化型低密度タイプ、酸化型中密度タイプ、酸化型高密度タイプ、非極性タイプ、極性タイプ、微粉末タイプ等があり、いずれも本発明の方法に適している。このような熱可塑性樹脂を前記不織布の如きシートに含浸させる方法はいずれの方法でもよく、例えば、不織布を溶融した熱可塑性樹脂中に浸漬して、熱可塑性樹脂を不織布中に含浸させる方法等が有効である。熱可塑性樹脂の含浸量は、剥離すべき活物質層の厚さにもよるが、通常は約50〜500g/mの範囲が好ましい。
【0036】
本発明では、前記の如く形成した活物質層に上記の剥離シートを重ね、図1〜5に示すように、活物質層を任意のパターン状に剥離する。この際に使用する圧熱体としては、例えば、平板プレスやロールプレス等がある。平板プレスする場合に必要な圧力は加熱温度との兼ね合いで決定されるが、一般的に10〜1000kgf/cm2が好ましい。ロールプレスの場合に必要な圧力も加熱温度との兼ね合いで決定されるが、一般的に5〜500kgf/cm2が好ましい。
【0037】
又、剥離シートを活物質層に熱圧着する場合に、集電体側から加熱した方が好ましい。剥離シート側から加熱すると、熱可塑性樹脂が溶融しやすいために、剥離すべき部分以外の活物質層の部分にも溶融熱可塑性樹脂が広がるので好ましくない。又、熱可塑性樹脂が活物質層の横方向に広がらないように、圧熱時に剥離シートが潰れ難いように、圧熱体と活物質層との間に適当なギャップ手段を設けてもよい。そのギャップ間隔としては剥離シートの厚みである10〜600μm程度が好ましい。熱圧着後、冷却して活物質層が剥離シートに転写しない場合でも、熱可塑性樹脂は活物質層に浸透しており、且つ活物質層は集電体上に弱く付着しているために、該活物質層は別の手段でも容易に剥離することができる。例えば、剥離の際に、基材である集電体にテンションをかけて活物質層を浮き上がらせて剥離させてもよく、或いはエアーで活物質層を吹き飛ばしてもよい。
【0038】
以上のようにして作製した本発明の正極及び負極の電極板を用いて、例えば、リチウム系二次電池を作製する場合には、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。
非水電解液を形成する溶質のリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、及びLiB(C、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiOSOCF、LiOSO、LiOSO、LiOSO、LiOSO11、LiOSO13、LiOSO15等の有機リチウム塩等が用いられる。
【0039】
この際に使用される有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等が挙げられる。
環状エステル類としては、例えば、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0040】
鎖状エステル類としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0041】
環状エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルアルキルテトラヒドロンフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等が挙げられる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0042】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」とあるのは「重量部」である。
実施例1
正極活物質塗工液を以下の方法により調製した。
粒径が1〜100μmであり、平均粒径10μmのLiCoO粉末90部、導電剤としてグラファイト粉末5部、結着材としてポリフッ化ビニリデン樹脂(ダイキン工業(株)製、ネオフロンVDF)4部及びN−メチルピロリドン20部の配合比で、予めポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンにて溶解したワニスを作製した後、そのワニスを用い、プラネタリーミキサー((株)小平製作所製)にて30分間粉末を撹拌混合することにより、スラリー状の正極活物質塗工液を得た。この塗工液の粘度は39,000cpsであった。
【0043】
厚さ20μm、幅320mm、長さ600mmのアルミ箔集電体上に、ノズル塗工装置を用い、ノズル内径0.92mm、圧力0.2kgf/cmにて上記正極活物質塗工液を幅300mm、長さ500mmの面積に塗工した。塗工時の送りピッチは6mm/min.で、ノズルの速度は30mm/sec.の条件で行った。ノズルの先端は通常の針の形状と異なり、幅広い形状をしており、一回の塗工幅は30mmとなっている。
次いで、溶剤を80℃の温度にて乾燥除去する。この乾燥途中にて塗工層の表面を平滑にするために、ポリエチレンテレフタレートフイルムを塗工層面に乗せて圧着した後、該フイルムを剥離し、塗工層の表面を平滑且つ均一にした。その後、120℃のオーブン中にて2分間乾燥した。乾燥後の膜厚は130μmであった。
【0044】
次に、厚さ420μm、幅310mm、長さ550mmの不織布(日本バイリーン(株)製、FC−406)に、170℃に加熱溶融させたポリプロピレン(三洋化成工業(株)製、ビスコール550−P)を含浸させ、剥離シートを形成した。剥離シートの厚さは470μm、含浸したポリプロピレンの重量は270g/cmであった。
上記活物質層面に上記剥離シートを重ね合わせ、幅305mm、長さ25mmの平板プレスで加圧した。加圧条件としては50kgf/cm、3sec.とした。温度条件は、活物質層が形成してある面とは逆の面に接するプレス板の温度を150℃、もう一方のプレス板の温度を室温(25℃)とした。又、加圧時に2枚のプレス板の距離が125μmになるようにした。熱圧着後、1分間放置して活物質層付き集電体と剥離シートを離間させると、プレスした部分の活物質層は剥離シート側に転写し、容易に剥離した。形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0045】
実施例2
負極活物質塗工液を以下の方法により調製した。
グラファイト粉末85部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂(ダイキン工業(株)製、ネオフロンVDF)15部及び分散媒体としてN−メチルピロリドン225部の配合比で、分散機で8,000回転させて粉末を分散させ、負極活物質塗工液を得た。この塗工液の粘度は32,500cpsであった。
厚さ14μm、幅320mm、長さ600mmの銅箔集電体上に、実施例1の正極電極板の場合と同様にして、上記負極塗工液を塗工、溶媒除去、圧着、乾燥させた。乾燥後の膜厚は100μmであった。
【0046】
実施例1と同様の方法で剥離シートを作製し、上記活物質層面に剥離シートを重ね合わせ、幅305mm、長さ88mmの平板プレスで加圧した。加圧条件としては125kgf/cm、3sec.とした。温度条件は、活物質層が形成してある面とは逆の面に接するプレス板の温度を140℃、もう一方のプレス板の温度を室温(25℃)とした。又、加圧時に2枚のプレス板の距離が125μmになるようにした。熱圧着後、1分間放置して活物質層付き集電体と剥離シートを離間させるとプレスした部分の活物質層は剥離シート側に転写し、容易に剥離した。形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0047】
実施例3
実施例1と同様の方法で正極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製した。活物質層面に剥離シートを重ね合わせ、幅305mm、ロール径200mmのロールプレスで加圧した。線圧67kgf/cm、速度12.6cm/min.の条件で加圧した。温度条件としては、活物質層が形成してある面とは逆の面に接するロールプレスの温度を175℃、もう一方のロールプレスの温度を室温(25℃)とした。又、加圧時に2つのロールプレスの距離が150μmになるようにした。熱圧着後、1分間放置して活物質層付き集電体と剥離シートを離間させるとプレスした部分の活物質層は剥離シート側に転写し、容易に剥離した。形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0048】
実施例4
実施例2と同様の方法で負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製した。活物質層面に剥離シートを重ね合わせ、幅305mm、ロール径200mmのロールプレスで加圧した。線圧100kgf/cm、速度12.6cm/min.の条件で加圧した。温度条件としては、活物質層が形成してある面とは逆の面に接するロールプレスの温度を165℃、もう一方のロールプレスの温度を室温(25℃)とした。又、加圧時に2枚のロールプレスの接する部分の距離が150μmになるようにした。熱圧着後、1分間放置して活物質層付き集電体と剥離シートを離間させるとプレスした部分の活物質層は剥離シート側に転写し、容易に剥離した。形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0049】
実施例5
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(三洋化成(株)製、サンワックスLEL−250)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0050】
実施例6
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(Allied Signal製、A−C392)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体を作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0051】
実施例7
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(ヘキストインダストリー(株)製、Hoechst−Wax PE190)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0052】
実施例8
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(ヘキストインダストリー(株)製、Hoechst−Wax PE191)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0053】
実施例9
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン( BASF ジャパン(株)製、LuwaxOA3 Powder)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0054】
実施例10
連通多孔質シートとして、不織布(日本バイリーン(株)製、JH−1007)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離シートの厚さは210μm、含浸したポリプロピレンの重量は130g/cmであった。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0055】
実施例11
連通多孔質シートとして、不織布(日本バイリーン(株)製、WP−8085PP)を用いた以外は、実施例1〜4と同様の方法で正、負極塗工膜付き集電体及び剥離シートを作製し、熱圧着後に転写剥離を行った。剥離シートの厚さは670μm、含浸したポリプロピレンの重量は496g/cmであった。剥離後のパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、活物質層付き集電体と連通多孔質シートに熱可塑性樹脂を含浸した剥離シートを熱圧着することによって、集電体面にパターン状の活物質塗工層を正確に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極板を図解的に説明する図。
【図2】本発明の電極板を図解的に説明する図。
【図3】本発明の方法を図解的に説明する図。
【図4】本発明の方法を図解的に説明する図。
【図5】本発明の方法を図解的に説明する図。
【図6】本発明の方法で用いたノズル塗工装置の1例を示す斜視図。
【符号の説明】
1:ノズル塗工装置
2:XYロボット
3:ノズル
4:支持体
5:集電体
6:液体容器
7:塗工面
8:パイプ
9:タンク
10:コントローラー
11:基台
12:フレーム
13:X方向駆動装置
14:制御装置

Claims (7)

  1. 集電体面上に活物質と結着剤とからなる活物質層を形成する工程、該活物質層のうち活物質層を除去すべき領域に、熱可塑性樹脂が含浸された剥離シートを熱圧着して熱可塑性樹脂を活物質層に含浸させた後に冷却する工程、上記剥離シートを活物質層から剥離して上記熱圧着領域における活物質層を剥離シートとともに又は別途剥離する工程を有し、前記集電体面に任意のパターンの非塗工部を形成することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン或いはそれらの誘導体である請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  3. 剥離シートが、連通多孔質シートである請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂の融点が、100〜250℃の範囲である請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  5. 剥離シートが不織布からなる請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  6. 剥離シートの加熱を、集電体の側から行う請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  7. 請求項1〜に記載の方法で形成されたことを特徴とする非水電解液二次電池用電極板。
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